特許第6207588号(P6207588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207588
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】放射性薬剤合成方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 51/04 20060101AFI20170925BHJP
   A61K 31/50 20060101ALI20170925BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20170925BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20170925BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   A61K51/04 200
   A61K31/50
   A61K9/08
   A61K47/10
   A61K47/22
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-505884(P2015-505884)
(86)(22)【出願日】2013年4月10日
(65)【公表番号】特表2015-514133(P2015-514133A)
(43)【公表日】2015年5月18日
(86)【国際出願番号】US2013036027
(87)【国際公開番号】WO2013173004
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2016年4月7日
(31)【優先権主張番号】61/622,515
(32)【優先日】2012年4月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/785,623
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508240937
【氏名又は名称】ランセウス メディカル イメージング, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100138900
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 昌宏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・アール・セサティ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・エフ・カストナー
【審査官】 馬場 亮人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/076825(WO,A1)
【文献】 特表2011−516517(JP,A)
【文献】 特表2012−505868(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/120368(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/175641(WO,A1)
【文献】 特表2013−518913(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/021882(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 51/04
A61K 9/08
A61K 31/50
A61K 47/10
A61K 47/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
18F含有放射性薬剤を含む組成物を、再生セルロースフィルターまたはポリテトラフルオロエチレンフィルターを通過させることによって、ろ過された放射性薬剤組成物を得ることを含む方法であって、
18F含有放射性薬剤が、
フルルピリダズF18
である方法
【請求項2】
組成物が、3〜5%エタノール水溶液を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
組成物が、アスコルビン酸を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
アスコルビン酸の濃度が、約50 mg/mLである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
組成物が、約5.8のpHを有する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
組成物が、3〜5%エタノール水溶液、約50 mg/mLのアスコルビン酸を含み、および約5.8のpHを有する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
フィルター通過後の18F含有放射性薬剤の回収が、90%以上である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
フィルター通過後の18F含有放射性薬剤の回収が、95%以上である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
フィルター通過後の18F含有射性薬剤の保持が、5%未満である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
フィルター通過後の18F含有放射性薬剤の保持が、4%未満である、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
フィルター通過後の18F含有放射性薬剤の保持が、3%未満である、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
組成物が、18F含有放射性薬剤の19F含有誘導体をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
フィルターが、再生セルロースフィルターである、請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法
【請求項14】
フィルターが、ポリテトラフルオロエチレンフィルターである、請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法
【請求項15】
フィルターが、親水性再生セルロースフィルターまたは親水性ポリテトラフルオロエチレンフィルターである、請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、両者とも「放射性薬剤合成方法」と題する2012年4月10日に出願された米国仮特許出願第61/622,515号および2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/785,623号の利点を主張し、各仮出願は、その全体において参照することによって本明細書に援用される
【背景技術】
【0002】
発明の概要
本発明は、特殊なフィルターを用いて放射性薬剤を含む溶液を滅菌する場合に、特定の放射性薬剤の増加した収量が達成されうるという予期せぬ発見に基づいている。フィルターは、典型的に、合成に続く最終的な滅菌ステップで用いられるが、本発明は、そのように限定されるものではなく、フィルターは、合成中または合成後の任意のステップにおいて用いられてよいことを理解すべきである。本発明にしたがって特殊なフィルターで達成された増加した収量は、分析された様々なフィルターの異なる保持特性に関係する。特殊なフィルターが、観察され、本明細書に記載された様々な保持特性を示すことは、本発明以前には認識も予期もされなかった。さらに、様々なフィルターの種々既知の特性(たとえば、疎水性など)に基づいて、試験されたフィルターのどれが、最高の性能を示すかを予測することはできなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明にしたがって、再生セルロースを含むフィルター(ザルトリウスRCフィルターなど)およびポリテトラフルオロエチレンを含むフィルター(ミリポアPTFEフィルターなど)が、ろ過された放射性薬剤の最低の保持に関して、最高の性能を示すフィルターであることが見出された。2つのこのような異種のタイプのフィルターが、タイプの違いにもかかわらず、相対的に同等に機能し、そして、該RCまたはPTFEフィルターのどちらか一方に対して、より類似している他のフィルターよりも良く機能することは驚くべきことである。一例として、放射性薬剤の保持の低下に関して、RCよりもPTFEに構造的に類似するポリビニリデンジフルオリド(PVDF)フィルターは、その類似性にもかかわらず、該RCフィルターよりも低い機能しか示さなかった。さらに驚くべきことに、その中に放射性薬剤が提供されたマトリックスは変化せず、放射性薬剤の収量を妥協することなく異なるフィルターを容認することが可能であった。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】選ばれたフィルターを通る液体移動効率を示すグラフである。
図2】全体的なろ過速度における個々の分析物保持の従属関係を示す棒グラフである。
図3】全体的な溶液濃度における個々の分析物保持の従属関係を示す棒グラフである。
図4】フィルター膜組成における個々の分析物保持の従属関係を示す棒グラフである。
図5】フィルター膜およびハウジング組成における個々の分析物保持の従属関係を示す棒グラフである。
図6】洗い流し実験の結果を示すグラフである。
図7】フィルターサイズおよび膜組成における個々の分析物保持の従属関係を示す棒グラフである。
図8】選択したフィルターの比較を示す棒グラフである。
図9】選択したフィルターおよび合成モジュールにおけるフルルピリダズF18保持の従属関係を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
発明の詳細な説明
本発明方法は、18F含有放射性薬剤(すなわち、18Fを含むインビボでの使用を目的とする組成物、典型的には造影剤)などの放射性薬剤を滅菌するために用いることができる。該方法が、他の放射性薬剤を滅菌するために用いることもできるということを理解すべきである。本発明方法は、最終的なろ過溶液が滅菌されているとみなされるかどうかに無関係に、分解生成物、汚染物質などを包含する他の作用剤から放射性薬剤を物理的に簡単に分離するために用いることもできる。
【0006】
18F含有放射性薬剤の例として、







および
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0007】
他の例として、フロルベタピール(florbetapir)およびフロルベタベン(florbetaben)(それぞれ、US 7687052および7807135に開示されており、以下に示される):


が挙げられる。
【0008】
本発明のいくつかの態様において、放射性薬剤は、式(I):
(I)
[式中、 Jは、N(R9)、S、O、C(=O)、C(=O)O、NHCH2CH2O、結合またはC(=O)N(R9)から選ばれ;
存在する場合、Kは、水素、アルコキシアルキル、アルキルオキシ、アリール、C1-C6アルキル、ヘテロアリールおよび造影部分から選ばれ;
存在する場合、Lは、水素、アルコキシアルキル、アルキルオキシ、アリール、C1-C6アルキル、ヘテロアリールおよび造影部分から選ばれ;
Mは、水素、アルコキシアルキル、アルキルオキシ、アリール、C1-C6アルキル、ヘテロアリールおよび造影部分から選ばれ;あるいは
LおよびMは、それらが結合する原子と一緒になって、三員、四員、五員または六員の炭素環式環を形成し;
Qは、ハロまたはハロアルキルであり;
nは、0、1、2または3であり;
R1、R2、R7およびR9は、独立して、水素、C1-C6アルキルおよび造影部分から選ばれ;
R3、R4、R5およびR6は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシアルキル、アルキルオキシ、C1-C6アルキルおよび造影部分から選ばれ;
R8は、C1-C6アルキルであり;および
Yは、結合、炭素および酸素から選ばれ;
ただし、Yが結合である場合、KおよびLは不在であり、Mは、アリールおよびヘテロアリールから選ばれ;そして、
ただし、Yが酸素である場合、KおよびLは不在であり、Mは、水素、アルコキシアルキル、アリール、C1-C6アルキルおよびヘテロアリールから選ばれ;
アルコキシアルキル、アルキルオキシ、アリール、C1-C6アルキルおよびヘテロアリールはそれぞれ、造影部分で任意に置換され;
ただし、少なくとも1つの造影部分は、式(I)中に存在する]
で示される構造を有する。
【0009】
いくつかの実施態様において、JはOであり;Mは、それぞれ、造影部分で任意に置換されたアルコキシアルキル、アルキルオキシ、アリール、C1-C6アルキルおよびヘテロアリールから選ばれ;Qは、ハロまたはハロアルキルであり;nは1であり;およびR8はC1-C6アルキルである。
【0010】
いくつかの実施態様において、JはOであり;Mは、造影部分で置換されたアルキルオキシであり;Qはハロであり;nは1であり;およびR8はC1-C6アルキルである。
【0011】
いくつかの実施態様において、JはOであり;およびR8はtert-ブチルである。いくつかの実施態様において、Qはハロでありうる。いくつかの実施態様において、Qはクロロである。
いくつかの実施態様において、Mは、造影部分で置換されたアルキルオキシである。
いくつかの実施態様において、造影部分は、核医学イメージング用の放射性同位体、MRIイメージング用の常磁性化学種、超音波イメージング用のエコー源性存在(entity)、蛍光イメージング用の蛍光性存在または光学イメージング用の光活性化存在である。いくつかの実施態様において、MRIイメージング用の常磁性化学種は、Gd3+、Fe3+、In3+またはMn2+である。いくつかの実施態様において、超音波イメージング用のエコー源性存在は、界面活性剤に封入されたフッ化炭素マイクロスフェアである。いくつかの実施態様において、核医学イメージング用の放射性同位体は、11C、13N、18F、123I、125I、99mTc、95Tc、111In、62Cu、64Cu、67Gaまたは68Gaである。いくつかの実施態様において、造影部分は、18Fである。
【0012】
放射性薬剤が、造影剤を包含することを理解すべきである。したがって、本発明のいくつかの実施態様は、造影剤に関して記載される。
【0013】
いくつかの実施態様において、造影剤は、

および
から選ばれる。
【0014】
1つの実施態様において、アスコルビン酸および造影剤を含む組成物が提供され、ここで、造影剤は、18Fなどの核医学イメージング用放射性同位体などの造影部分に結合したピリダベンまたはピリダベン類縁体を含む。
【0015】
本明細書に記載される様々な放射性薬剤の合成方法は、当技術分野で公知であり、WO 2011006610およびWO 2011097649(これらは、その全体において参照することによって本明細書に援用される)を参照することができる。
【0016】
ろ過ステップは、以下のように行うことができる:
放射性薬剤を含む組成物を滅菌ろ過して(たとえば、ザルトリウスRCまたはミリポアPTFE滅菌フィルターを用いて)、滅菌バイアルに入れる。フィルター径は、典型的には、ろ過される組成物の実量のための製造者の標準に基づいて選ばれる。典型的には、5 mL、10 mLまで、20 mLまで、30 mLまで、40 mLまで、50 mLまであるいはそれ以上の組成物体積をろ過することができる。1つの実施態様において、直径4 mmのフィルターを用いて、5 mLの放射性薬剤を含む組成物をろ過することができる。もう1つの実施態様において、直径13 mmのフィルターを用いて、約5 mLまたは約10 mLまたは約20 mLの該組成物をろ過することができる。さらにもう1つの実施態様において、直径15 mmのフィルターを用いて、約5 mLまたは約10 mLの放射性薬剤を含む組成物をろ過することができる。もう1つの実施態様において、直径25 mmのフィルターを用いて、約5 mLまたは約10 mLまたは約20 mLまたは約30 mLまたは約40 mLまたは約50 mLまたは約100 mLの該組成物をろ過することができる。ザルトリウスRCフィルターは、直径4、15および25 mmのものが市販されている。ミリポアPTFEフィルターは、直径13および25 mmのものが市販されている。ろ過された組成物を収容するのに用いた滅菌空バイアルは、市販の滅菌前ユニットであってよい。当業者であれば、ろ過ステップのための適当な滅菌バイアルを選ぶことができる。
【0017】
一例として、以下の滅菌前成分から最終生成物バイアルアセンブリを構築することができる:1つの30 mL 滅菌空バイアル、1つのミリポアマイレクスGV4通気フィルター (0.22 μm x 4 mm)、1つのツベルクリンシリンジ(1 mL)および1つのインスリンシリンジ(0.5 mL)。次いで、自動放射性薬剤合成システムの製剤モジュール(GE TracerLab MXまたはSiemens Explora GN/LCモジュールなど)から、ザルトリウスRC滅菌フィルター (0.2 μm x 15 mm)またはミリポアPTFE滅菌フィルター(0.2 μm x 13 mm)を介して、最終生成物バイアルアセンブリに造影剤を移す。次いで、シリンジアセンブリを用いて、品質コントロールサンプルを除去して、すべての生成物放出要件を完成させる。
【実施例】
【0018】
本発明にしたがって、特殊なフィルターの特性を比較するために様々な実験を行った;表1は、本明細書において評価されたフィルターを選ぶための関連するパラメーターをまとめたものである。一般に、実験は、下記に示され、添付の図面においてBMS-747158-01で示されるフッ化化合物ならびに同様に下記に示され、添付の図面においてはBMS-747159-01で示されるそのヒドロキシル化同族体を含む組成物をろ過することを含んだ。
および
【0019】
さらに詳しくは、無水エタノール(4 重量%)およびアスコルビン酸ナトリウム(50 mg/mL;5 重量%)を含む水中にBMS-747158-01およびBMS-747159-01を含む組成物を製造し、次いで、プラスチックシリンジ(Norm-Ject(商標);12 mL)に充填し、自動シリンジポンプに置いた。次いで、選択したフィルターを各シリンジに置き、制御された様式でユニットを通して組成物をポンプで送り込んだ。すべてのケースにおいて、液体取扱いステップの効率をモニターするために、溶液移動プロセスの重量分析を行った。次いで、ろ過前およびろ過後の溶液の両方における各分析物の絶対濃度のHPLC測定の後に、フィルター保持の定量分析を行った;295 nmにおける検出HPLC分析は、確立した方法にしたがって行った。次いで、以下の方程式を利用して、各分析物の回収パーセントを決定した:
回収%=最終濃度/初期濃度×収集体積/移動体積×100
回収パーセントの値がより高いことが、各分析物の保持がより低いこと、すなわち、フィルター全体の性能が改善されたことに等しいことに留意。本明細書に記載の分析は、保持された化合物の質量および保持された液体の体積の両方を捕捉する。正規化は行わないので、該分析は、関連するフィルターパラメーターの直接比較を可能にする。さらに、個々の分析物に対して測定されたlogD値における示差的マグニチュード(differential magnitude)ゆえに、BMS-747159-01についての回収パーセントの値は、実験の内部コントロールとして働く;その本来の親油性の低さゆえに、ろ過プロセスに伴ういくつかの機械的問題が、BMS-747159-01の回収の低さとして現れる。
表1:関連するフィルターパラメーター

HDPE=高密度ポリエチレン、PTFE=ポリテトラフルオロエチレン、PES=ポリエーテルスルホン、PP=ポリプロピレン、PVDF=ポリビニリデンフルオリド、PS=ポリスルホン
【0020】
BMS-747158-01およびBMS-747159-01を含む組成物を、本明細書に記載の様々なフィルターを通過させた。個々のフィルターパラメーターは、膜およびハウジング組成の両方、全体的フィルター径、および場合によっては、適用されたコーティングに関して様々であった(表1)。さらに、個々の分析物の濃度ならびにろ過速度全体の両方の効果も評価した。
【0021】
図1は、本発明工程の液体移動効率を実証する。具体的には、同じ直径のフィルターを利用する場合、収集された体積と体積の間の関係は、相対的に一定である。より大きいフィルターを用いる場合(試験溶液の体積における付随する増加なしで)、差異が見られる。したがって、図1は、所定のフィルター径について、フィルターを通って試験組成物のほとんど完全な移動が起こることを確立する。
【0022】
図2は、個々の分析物回収における、ろ過速度の効果を実証する。具体的には、増加した全体ろ過速度は、目に見えては、いずれの分析物についても回収プロフィールを変化させなかった。
【0023】
図3は、個々の分析物回収における、分析物濃度を増加させることの効果を実証する。具体的には、データは、10 μg/mL、1 μg/mLまたは0.5 μg/mLの個々の分析物を含む溶液を用いた場合、フィルターが飽和されなかったことを実証する;所定のフィルターについての回収プロフィールは、これらの様々な濃度の間で目に見えては、変化しなかった。
【0024】
図4は、個々の分析物回収における、膜組成物の効果を実証する。フィルターの直径が同一である場合、所定の膜組成物について、BMS-747158-01の示差的回収が観察される。予期せぬことに、PVDF膜は、最大量のBMS-747158-01を保持した。
【0025】
図5は、個々の分析物回収における、フィルター膜およびハウジング組成物の効果を実証する。フィルターの直径が同一である場合、本発明にしたがって、高密度ポリエチレン(HDPE)およびポリプロピレン(PP)などの芳香環を欠いている材料を含むフィルターハウジングが、より少ない量のBMS-747158-01を保持することが見出された。対照的に、ポリスチレンおよびポリアクリレートなどの芳香環を含むフィルターハウジングは、あまり適していない。
【0026】
図6は、特定のフィルターが、高レベルの非特異的結合を有することを実証する。このようなフィルターの例は、最初のろ過後に、大量のBMS-747158-01を保持する(BMS-747159-01はそのように保持されない)ポールPVDFフィルターである。興味深いことに、同じフィルターで、溶液マトリックス自体(10 mL)の二回目のろ過の後に、BMS-747158-01のほぼ100%の回収が得られたが、このことは、分析物組成物の最初のろ過中に、非特異的結合が起こったことを示している。
【0027】
図7は、個々の分析物回収における、フィルター径(または表面領域)を増加させることの効果を実証する。具体的には、データは、より大きいフィルター径が、より多い量のBMS-747158-01を保持することを実証する。BMS-747159-01の回収値が高いことは、溶液の機械的保持(フィルター死容積の増加)が、起こらなかったことを示す。括弧内の数字が、フィルター径値を示すことに留意。
【0028】
図8は、選ばれたフィルターの直接比較を提供する。具体的には、データは、PTFEおよびRCフィルター膜が、PVDFと比較して、より少ない量のBMS-747158-01を保持したことを示す。しかしながら、BMS-747158-01およびBMS-747159-01のさらにより低い回収パーセントは、25 mm PTFEフィルターを用いた場合に観察され、このことは、より大きいハウジング径のフィルターを利用する場合に分析物組成物の機械的保持が起こることを示す。
【0029】
図9は、18F含有放射性薬剤、フルルピリダズF18に対するPVDF、PTFEおよびRCフィルター膜の保持プロフィール、ならびにマニュアルろ過 対 Siemens Explora GN/LCおよびGE TracerLab MXモジュールそれぞれによる自動ろ過技術の効果を実証する。明らかに、PTFEおよびRCフィルターは、PVDFフィルターよりも非常に少ない放射性薬剤を保持した。PVDFは、RCフィルターよりもPTFEフィルターに構造的および科学的に類似しているので、このことは、特に驚くべきことであった。さらに、データは、RCフィルター膜の使用が、複数の合成モジュールプラットホームを通る、18F含有放射性薬剤の回収を改善することを実証する。
【0030】
これらの実験は、フルルピリダズF18などの18F含有放射性薬剤のためのPTFEおよびRCフィルターの優位性を実証する。
他に特記しない限り、本明細書に引用されたすべての特許出願および特許は、その全体において参照することによって本明細書に援用される。相反する場合には、定義を含む本明細書が優先する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9