特許第6207589号(P6207589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207589
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】SiO2顆粒の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/18 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   C01B33/18 E
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-507529(P2015-507529)
(86)(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公表番号】特表2015-516940(P2015-516940A)
(43)【公表日】2015年6月18日
(86)【国際出願番号】EP2013058585
(87)【国際公開番号】WO2013160388
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2016年1月29日
(31)【優先権主張番号】102012008175.8
(32)【優先日】2012年4月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507332918
【氏名又は名称】ヘレーウス クヴァルツグラース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】マリオ ズーフ
(72)【発明者】
【氏名】ゲアハート シェッツ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ラングナー
【審査官】 浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭47−001367(JP,A)
【文献】 米国特許第04054536(US,A)
【文献】 特開昭61−158810(JP,A)
【文献】 特表2005−505489(JP,A)
【文献】 特表2010−503599(JP,A)
【文献】 特公昭49−007800(JP,B1)
【文献】 特開昭55−042294(JP,A)
【文献】 米国特許第02649388(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00−33/193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiO2粒子を水性液体中に含む懸濁液の提供、該懸濁液の凍結および液相の除去を含む、SiO2顆粒製造する方法であって、前記凍結した懸濁液を解凍して液相および凝集したSiO2粒子の沈殿物を形成させ、前記液相を除去して、残留湿分を除去するために前記沈殿物を乾燥させてSiO2顆粒を形成させ、前記懸濁液が、pH値7超の調整のために、アルカリ金属を含まない塩基の添加物を窒素水素化物の形態で含む前記方法において、前記水性液体に、アルカリ金属を含まない窒素水素化物が、pH値が9.5〜14の範囲になる量で添加されることを特徴とする前記方法。
【請求項2】
前記懸濁液の凍結での含水量が、少なくとも30質量%、最大90質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記懸濁液の凍結での含水量が、少なくとも70質量%、最大90質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
記懸濁液の凍結が、−5℃〜−40℃の温度範囲で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記懸濁液が、少なくとも12時間の期間にわたって凍結されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
窒素水素化物として、アンモニア(NH3)または炭酸アンモニウム((NH42CO3)またはヘキサメチレンテトラミン(C6124)またはカルバミン酸アンモニウム(CH622)が添加されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記凝集したSiO2粒子の沈殿物が、前記液相の除去後に、完全脱塩水中でスラリー化することにより洗浄されることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記沈殿物の残留湿分を除去するための乾燥工程が、100℃〜500℃の温度範囲で行われることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記沈殿物が、乾燥の間に動かされることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記液相の除去が、さらなる水性液体の分離下に、前記凝集したSiO2粒子の沈殿物のデカンテーション、およびそれに続く遠心分離を含むことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
記懸濁液が、密閉容器内で凍結されることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
記懸濁液が、SiO2粒子の他にドーパントも含むことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ドーパントとして、以下の元素の群:Al、B、P、Nb、Ta、Mg、Ga、Zn、Ca、Sr、Ba、Cu、Sb、Bi、Ge、Hf、Zr、Ti、ならびにあらゆる希土類金属から選択される、1種または複数の酸化物(またはその前駆体)が使用されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
500μmまでの顆粒粒子の粒径を有するSiO2顆粒が得られることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法により製造されるSiO2顆粒の、レーザー活性コンポーネントのための光学活性材料の出発材料としての使用。
【請求項16】
請求項12に記載の方法により製造されるSiO2顆粒の、ドライエッチングプロセスにおける使用のための石英ガラスを製造するための出発材料としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SiO2粒子を水性液体中に含む懸濁液の提供、この懸濁液の凍結および前記液体の除去を含む、SiO2顆粒の製造方法であって、前記凍結したSiO2懸濁液を解凍して液相および凝集したSiO2粒子の沈殿物を形成させ、前記液相を除去して、残留湿分を除去するために前記沈殿物を乾燥させてSiO2顆粒を形成させる前記方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、前記顆粒の使用に関する。
【0003】
セラミックプロセス技術では、SiO2または別のガラスの場合にも使用される、顆粒を製造するための種々の方法が公知である。ここでは、根本的に、懸濁液から湿分を取り除いて、粒状の材料が生成される。圧力比および温度比は、ここで重要な役割を果たしている。さらに、湿分除去の工程は、機械的作用により促進することができる。
【0004】
DE19729505A1からは、SiO2顆粒を製造する方法が公知であり、この方法では、水性SiO2分散液を、撹拌容器内でまず強い撹拌動作により均一化し、その後、比較的遅い回転速度にて、約100℃に加熱された窒素流を前記SiO2分散液に作用させる。このように湿分除去が行われ、撹拌容器内にほぼ無孔のSiO2顆粒が生じる。この方法は、手間がかかり、エネルギーを消費するものである。さらに、混交をもたらす危険が生じる、それというのは、顆粒化装置および撹拌皿が、顆粒化プロセス全体を通して、SiO2分散液ときわめて集中的に接触するからである。
【0005】
さらにUS3,401,017から、とりわけ、充填物としてゴムまたはプラスチック中で使用されるSiO2顔料が公知である。このSiO2顔料の製造は、根本的に以下の方法工程により行われる:SiO2スラリーの凍結および解凍する工程、ならびに液相の除去後にSiO2沈殿物を乾燥する工程。US3,401,017に記載の方法を使用して、SiO2顔料の沈降特性もしくは凝集特性が改善され、それによって、乾燥費用が軽減される。
【0006】
JP02−199015Aも、凍結されて、その後乾燥工程に供される水性SiO2スラリーを使用する方法に関する。解凍されたスラリー中のSiO2粒子が沈殿および濃縮される解凍工程は、「シックナー」で実施される。その後、熱風送風装置および真空ポンプによって補助されるろ過乾燥機で乾燥が行われる。この方法の最後に、合成石英ガラスの乾燥したろ過ケーキが得られる。
【0007】
凍結した懸濁液を適用するガラス顆粒の製造方法は、DE4100604C1から公知である。この方法では、微細なガラス顆粒は、平均粒度のガラス粉末を水性粉砕液体(Mahlfluessigkeit)中でガラスの粉砕体を使って分散および粉砕させて製造される。この粉砕体の分離後、ガラススラリーを低温凍結して、続いて凍結乾燥させ、ここで、高真空において、凍結された水性粉砕液体が昇華により気化される。得られたガラス顆粒は、0.5〜3μmの範囲の平均粒径を有している。より小さい顆粒の粒径は、粉砕時間をはるかに長くするだけで達成可能である。
【0008】
したがって、前記顆粒化方法から出発して、本発明の基礎をなす課題は、特に簡単かつ経済的に高純度の微細な顆粒を生成する、SiO2顆粒の製造方法を提示することである。
【0009】
さらに、本発明の基礎をなす課題は、前記顆粒の好適な使用を提示することである。
【0010】
前記課題は、冒頭に記載の方法から出発して、本発明によれば、前記懸濁液が、pH値7超の調整のために、アルカリ金属を含まない塩基の添加物を窒素水素化物の形態で含むことにより解決される。
【0011】
本発明による方法によれば、水性SiO2懸濁液(SiO2スラリーとも表される)は、容器、例えば、プラスチック容器内でまず下処理され、その後、低温凍結され、続いて再び室温に解凍される。前記SiO2懸濁液の製造では、本発明によれば、アルカリ金属を含まない塩基の添加物が、窒素水素化物の形態で前記懸濁液に加えられる。この添加物は、pH値7超の調整をもたらし、SiO2粒子の水和殻(Hydrathuelle)が破壊されるようにする、それによって、前記懸濁液の安定化が起こり、きわめて均一なスラリーも数時間にわたって維持される。この下処理段階では、前記SiO2懸濁液のSiO2アグロメレートは、前記容器の底に沈殿しない。凍結の場合、もしくは解凍プロセスの間、最初のSiO2粒子は凝集して、微細な顆粒として前記容器の底に沈殿する。最初の懸濁液体、つまり窒素水素化物の添加物を含む水は、ほぼ澄明な液相として、凝集したSiO2粒子の沈殿物の上にある。したがって、前記液体は、例えば、デカンテーション、吸引ろ過または遠心分離により容易に除去することができる。湿ったSiO2顆粒が沈殿物として残り、この顆粒は、さらに、残留水分を除去するための乾燥工程に供されねばならない。約700μmまでの顆粒粒子径を有する、得られたSiO2顆粒は、比較的軟質であり、それによって微細な顆粒に分解しやすい。この結果生じるSiO2顆粒は、さらなる粉砕処置をせずに使用することもできる。窒素水素化物を前記SiO2スラリーに添加することによって、比較的小さい粒径を得るのに有利に、前記得られたSiO2顆粒の粒度分布が変化する、つまり、粗含分が最小限に抑えられることがさらに示された。
【0012】
顆粒化には、撹拌装置または別の機械的補助装置は必要ではない。前記スラリーの凍結および解凍は、同一の容器で行われてよく、この容器内ではスラリーバッチは均一化されているため、別の材料との接触混交(Kontaktkontamination)の危険が最小限に抑えられる。したがって、本発明による方法は、特に、高純度の、ドープされたおよびドープされていないSiO2顆粒の製造に好適である。
【0013】
SiO2顆粒の製造のための前記方法は、簡単、迅速、かつ確実である。
【0014】
解凍における沈殿物および液相への注目に値する相分離は、氷−水の相転移における大きな体積変化に基づくと推測される。最初に、前記SiO2スラリーはコロイド状懸濁液であり、その安定性は、SiO2粒子の表面上のイオン被覆により得られる。したがって、静止状態の水性SiO2懸濁液の放置による沈降は、長らくしてからようやく起こり、その後、一般に、ほぼ固体の「SiO2ケーキ」がもたらされるが、微細な顆粒はもたらされない。本発明による方法の場合、凍結において形成する大きな樹枝状氷結晶が、SiO2粒子の表面上のイオン被覆を破壊し、それによって、SiO2粒子の凝集傾向もしくは流動特性が変化することが考えられる。解凍の場合、SiO2粒子は、互いに分離しやすくなる、もしくははるかに低下した付加力により集まって沈降しやすい小さな顆粒粒子になる。
【0015】
本発明の有利な実施態様は、前記懸濁液の凍結での含水量が、少なくとも30質量%〜最大90質量%、好ましくは少なくとも70質量%であることにある。この比較的多い含水量が、SiO2粒子の優れた湿潤を保証するため、大きな氷結晶は、前記懸濁液の解凍においてその作用を示すことができる。さらに、水は、前記SiO2懸濁液の製造において均一なスラリー化をもたらす。個々のSiO2粒子が、含水量の高い懸濁液中で比較的広い間隔を互いにとっているため、ドーパントは相応して好適に分布することができ、それによって均一のドーピングが可能である。その上、固形成分含有量が比較的少ないSiO2懸濁液は、むしろ微細な顆粒をもたらす。
【0016】
さらに、SiO2懸濁液の凍結を、−5℃〜−40℃の温度範囲で行うことが有利であることが明らかになった。前記温度範囲は、生産性とエネルギー消費との好適な妥協を意味する。0℃足らずの温度では、SiO2懸濁液を完全に凍結するための凍結工程は、時間が長くかかり、前記方法は傾向的に不経済である。−40℃未満の凍結温度は充分に可能であるが、そのための装置費用は相応して高く、本発明による方法の効率はそれによって改善されない。前記懸濁液の凍結にかかる時間は、好ましくは少なくとも12時間であり、通常の工業における製造の経過に取り入れられうる時間の長さである。
【0017】
好ましくはアンモニア(NH3)、炭酸アンモニウム(NH42CO3、ヘキサメチレンテトラミン(C6124)、またはカルバミン酸アンモニウム(CH622)の形態の窒素水素化物を添加することによって、前記懸濁液のpH値は、7超、好ましくは12〜14の間に調整可能であり、これは、ドーパントを添加する場合、その均一な分布に有利に影響する。前記助剤は、SiO2粒子の水和殻を破壊するため、前記懸濁液の安定化が起こる。ドーパントを添加する場合、前記助剤は、それに応じて前記SiO2粒子に好適に付加して、前記懸濁液中に分布することができる。
【0018】
窒素水素化物、好ましくは濃アンモニア溶液1〜2体積%を添加することが、特に好適であることが分かった。
【0019】
解凍工程の場合、この工程は、20℃〜100℃の範囲の周囲温度の静止した懸濁液で行われる場合に有利であることが明らかになった。より高い温度では、前記水性液体の一部はすでに気化するため、乾燥工程への転移相が起こり、これは、個別の場合でも有利でありうる。
【0020】
解凍過程を加速するために、凍結したSiO2スラリーにマイクロ波が供給されてよい。わずかな出力のマイクロ波照射の作用によって、解凍にかかる時間が減少する。
【0021】
前記懸濁液が可溶性の不純物を含む場合、凝集したSiO2粒子の沈殿物を、前記液相の分離後、完全脱塩水(VE水)中でスラリー化することにより洗浄することが有利であることが明らかになった。前記不純物、例えば、塩の形態の不純物は、このようにして簡単に除去することができる。この洗浄工程は、容易に実施可能である、それというのは、水を前記沈殿物に注ぎ足すと、SiO2懸濁液が生じ、そのSiO2粒子がすばやく沈降し、再び沈殿物を形成するからである。つまり、前記洗浄工程は、複数回繰り返す場合も短時間で実施可能である。
【0022】
前記沈殿物の残留湿分を除去するための乾燥に関して、100℃〜500℃の温度範囲を選択することがさらに有利である。この温度範囲は、簡素な乾燥棚に含まれるため、乾燥工程のための高額な装置費用は不必要である。根本的に、凝集したSiO2粒子の沈殿物を、循環炉内の乾燥区間に供給することも可能である。室温と比べて高められた温度は、前記沈殿物を迅速に乾燥させて、所望のSiO2顆粒にする。
【0023】
前記乾燥工程をさらに最適化するために、前記沈殿物は機械的に動かされる、例えば、SiO2顆粒を有する容器を軽く振動させて動かされるのが有利であることが明らかになった。
【0024】
前記沈殿物を乾燥する場合、残留湿分をろ過によって最小限に抑えることが有益でありうる。
【0025】
乾燥をさらに最適化するため、凝集したSiO2粒子の前記沈殿物は、液相の除去後、遠心分離にかけられて、さらなる水性液体が分離されてよい。この遠心分離は、乾燥時間を短縮するものである、それというのは、数分以内に、前記沈殿物中に存在する液体が除去されるからである。遠心分離では、さらに、最小浮遊粒子が前記液体から確実に沈殿するため、固体と液体との分離が最適化される。
【0026】
本発明の有利な実施態様は、前記SiO2懸濁液が、密閉容器内で凍結されて、再び解凍されることにある。この方策によって、凍結段階および解凍段階の間に起こりうる不純物の注入が阻止される。
【0027】
前記水性SiO2懸濁液は、SiO2粒子の他にドーパントも含んでいるのが有利である。
【0028】
本発明による方法は、特に、ドーパント分布の均一性がきわめて高度に要求される、ドープされたSiO2顆粒の製造にも好適である。これは、一般に、光学系分野での適用の場合である。その例として、受動光導波路(passive optische Lichtwellenleiter)用石英ガラス、レーザーガラスおよびフィルターガラスが挙げられる。
【0029】
この関連においては、ドーパントとして、以下の元素の群:Al、B、P、Nb、Ta、Mg、Ga、Zn、Ca、Sr、Ba、Cu、Sb、Bi、Ge、Hf、Zr、Ti、ならびにあらゆる希土類金属から選択される、1種または複数の酸化物(またはその前駆体;例えば、塩化物またはフッ化物)が使用される場合に好適であることが分かった。
【0030】
前記適用のためのドーパントの量および均一分布がきわめて重要であるため、凍結顆粒化に基づく本発明による方法はまさにこれに好適である、それというのは、ここで、適切に使用されるドーパントの作用を妨げうる外的要素(Fremdelementen)の注入の危険が最小限に抑えられるからである。
【0031】
本発明による方法により得られるSiO2顆粒は、顆粒粒子の粒径が700μm以下の範囲であることを特徴としている。前記顆粒は、軟質であり、ほんのわずかな圧力下に比較的小さいアグリゲートに分解する。これは、さらに加工する場合に利点である、それというのは、軟質の顆粒を圧砕する場合、この顆粒がさらに混合されるからである。
【0032】
本発明による方法により製造されるSiO2顆粒は、特に、レーザー活性コンポーネント、例えば、ファイバーレーザー、ロッドレーザーまたはディスクレーザーのための光学活性材料の出発材料として好適である。さらに、前記SiO2顆粒は、フィルターガラスの出発材料として、またはシリコンを溶融するための石英ガラスるつぼにおける合成内層を製造するために好適である。その他に、本発明による方法により製造されるSiO2顆粒の適用として、半導体産業のドライエッチングにおける使用のための石英ガラス製部品の製造も挙げられる。これらの使用可能性は、特に、SiO2懸濁液にドーパントが添加された場合である。均一なドーパント分布が顆粒中にも得られ、これによって最適なさらなる加工可能性が与えられている。
【0033】
以下において、本発明を、実施例および図面をもとに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明によるSiO2顆粒の製造を説明するための方法工程のフローチャートを示す図
図2】製造されたSiO2顆粒のふるい分析を示す図
【0035】
実施例
例1
SiO2顆粒を製造するため、VE水中のSiO2アグレゲートの形態の離散したSiO2粒子の懸濁液を、密閉可能なプラスチック容器、例えば、蓋付きPTFE容器内で製造した。このSiO2懸濁液に、濃アンモニア溶液を滴下しながら加え、pH値は9.5になる。
【0036】
スラリーの形態のSiO2アグリゲートは、10μmの平均粒径を有しており、5nm〜100nmの範囲の粒径を有するSiO2一次粒子からなる。
【0037】
前記SiO2懸濁液の固形含有量は、12質量%である。均一化のために、前記SiO2懸濁液を複数時間充分に撹拌して、最終的に、安定した、均一なSiO2懸濁液が得られる。この懸濁液を有する容器を、蓋または好適なシートで密閉して、その後、冷凍庫内で−18℃にて一晩、低温凍結させる。解凍するため、前記凍結したSiO2懸濁液を有する前記容器を冷凍庫から取り出して、室温で解凍させる。
【0038】
解凍では、前記凝集したSiO2粒子が沈殿物として水から分離するため、前記容器の下半分にこの沈殿物が、その上にはほぼ澄明な液体の水がある。
【0039】
その後、前記液体を注ぎ捨てる。前記沈殿物中に残る残留水分は、この沈殿物を120℃にて乾燥棚で乾燥させて気化することができる。この乾燥工程は、例えば、前記湿った沈殿物を有する前記容器を軽く振動させて加速することができる。
【0040】
前記乾燥工程を加速させるための代替的な方法は、凝集したSiO2粒子の湿った沈殿物を、遠心分離にかけることである。回転数5000rpmでは、秤量および遠心分離出力に応じて、約5分後にほぼ完全に乾燥したSiO2顆粒が得られる。残っている残留湿分が、前記顆粒のさらなる加工で無用である場合、この残留湿分は、ごく短時間にわずかに加熱することによって除去することができる。
【0041】
図2は、このようにして得られた顆粒のDIN66165−2に準拠する方法によるふるい分析の結果を、比較例2によるSiO2顆粒と比べて示している。SiO2顆粒の粒径D(μm)に対する(質量パーセントでの総質量に対する)相対的百分率Mがプロットされている。曲線Aは、本発明により製造された残量湿分約40%でのSiO2顆粒の粒度分布を、凍結顆粒化法を用いるが、最初のSiO2懸濁液に窒素水素化物を添加しないで(曲線B)製造されたSiO2顆粒と比べて示している。本発明により製造されたSiO2顆粒は、300μm〜600μmの範囲の粒度の割合が高い一方、SiO2スラリーに窒素水素化物を添加しないで製造されたSiO2顆粒は、800μm超の顆粒のきわめて高い粗含分を示すことが判明した。
【0042】
したがって、SiO2スラリーへの窒素水素化物の添加は、比較的小さい粒径を得るのに有利に、得られるSiO2顆粒の粒度分布に影響し、それによって生じる粗含分を減少させる。粒度分布は、全体的に幅広く、均一である。これによって、本発明による方法が、特に微細なSiO2顆粒を提供するのに好適であることが確認される。
【0043】
本発明により製造されるSiO2顆粒は、高純度石英ガラスの製造で使用されるのに好適である。
【0044】
例2
例1の水性SiO2懸濁液から出発して、このスラリーを、濃アンモニア溶液を滴下しながら添加してpH値9.5に調整する。その後、前記均一化されたアルカリ性SiO2懸濁液に、ドーパントを溶解した形態で、およびAlCl3とYbCl3とからの水性ドーパント溶液を時間的に制御して滴下しながら添加して絶えず撹拌しながら供給する。
【0045】
例1に記載の通り、その後、このドープされたスラリーを凍結して、再び解凍する。ここでも、固形物が解凍において沈殿物を形成し、その上にアンモニア液体があり、この液体をデカンテーションする。前記沈殿物は、アンモニアと前記ドーパントとの反応からの塩化アンモニウム(NH4Cl)を含んでいる。この塩化アンモニウムは、相応の高い乾燥温度で昇華できるか、または洗浄抽出できる。洗浄抽出するには、前記沈殿物にVE水を加え、湿った顆粒が短時間後に再び沈殿物として沈殿するので、上澄液を注ぎ捨てて、溶解したアンモニウム塩を除去する。最初の凍結工程および解凍工程の後、SiO2粒子は、(ドープされているか、またはドープされていなくても)強い沈降傾向を示すため、前記洗浄工程は、必要に応じて複数回繰り返されてよく、手間はかからない。
【0046】
前記得られた顆粒は、特に、レーザー活性コンポーネント、例えば、ファイバーレーザーのための光学活性材料の部材のさらなる加工に、ならびにドライエッチングプロセスで使用するための石英ガラスの製造に好適である。
【0047】
比較例1
例1によるSiO2懸濁液を凍結させるのではなく、複数日間、静止状態で放置する。SiO2粒子と水性液体との分離は起こらない。水を除去するために、前記スラリーを24時間かけて乾燥棚で120℃にて乾燥する。
【0048】
固体の「SiO2ケーキ」が残留し、これを乳鉢を使用して手で細かく砕いて、粗く割れやすい顆粒にする。乳鉢を使用して加工することにより、さらに、SiO2顆粒への混入がもたらされる危険が高まる。
【0049】
比較例2
VE水中のSiO2アグリゲートの形態の離散したSiO2粒子の水性SiO2懸濁液を、密閉可能なプラスチック容器、例えば、蓋付きPTFE容器内で製造する。続いて、このSiO2懸濁液を、窒素水素化物を添加しないで凍結棚で凍結させる。室温で解凍する間に、前記凝集したSiO2粒子が、沈殿物として水から分離して、前記容器の下半分にはこの沈殿物が、その上にはほぼ澄明な液体の水がある。
【0050】
その後、前記液体を注ぎ捨てる。前記沈殿物中に残る残留水分は、この沈殿物を、120℃にて乾燥棚で乾燥させて気化することができる。
【0051】
窒素水素化物が添加されないSiO2スラリーは、比較的硬質のSiO2顆粒をもたらし、この顆粒は、部分的に小さな塊としても存在している。図2に記載の粒度分析の曲線Bは、窒素水素化物としてアンモニアが添加されたSiO2スラリーが出発材料であった顆粒(図2の曲線A)と比べて、約800μm〜1000μm超の粒径の場合に65%までの高い粗含分を示している。
図1
図2