【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、独立請求項において医療装置およびコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。実施形態は従属請求項において与えられる。
【0005】
当業者は、本発明の諸側面が装置、方法またはコンピュータ・プログラム・プロダクトとして具現されうることを理解するであろう。よって、本発明の諸側面は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)またはソフトウェアおよびハードウェア側面を組み合わせた実施形態の形を取ることができ、これらはみな本稿では「回路」「モジュール」または「システム」と称されることがある。さらに、本発明の諸側面は、コンピュータ実行可能コードが具現されている一つまたは複数のコンピュータ可読媒体において具現されるコンピュータ・プログラム・プロダクトの形を取ることがある。
【0006】
一つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体でありうる。本稿で使われるところの「コンピュータ可読記憶媒体」は、コンピューティング装置のプロセッサによって実行可能な命令を記憶しうる任意の有体の記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読な非一時的な記憶媒体と称されることもある。コンピュータ可読記憶媒体は有体のコンピュータ可読媒体を称されることもある。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティング装置のプロセッサによってアクセスされることのできるデータを記憶できてもよい。コンピュータ可読記憶媒体の例は、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、半導体ハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスクおよびプロセッサのレジスタ・ファイルを含むがそれに限られない。光ディスクの例は、コンパクトディスク(CD)およびデジタル多用途ディスク(DVD)、たとえばCD-ROM、CD-RW、CD-R、DVD-ROM、DVD-RWまたはDVD-Rディスクを含む。コンピュータ可読記憶媒体という用語は、ネットワークまたは通信リンクを介してコンピュータ装置によってアクセスされることのできるさまざまな型の記録媒体をも指す。たとえば、データはモデムを通じて、インターネットを通じてまたはローカル・エリア・ネットワークを通じて取得されてもよい。コンピュータ可読媒体上に具現されるコンピュータ実行可能コードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなどまたは上記の任意の好適な組み合わせを含むがそれに限られない任意の適切な媒体を使って伝送されてもよい。
【0007】
コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ実行可能コードが、たとえばベースバンドにおいてまたは搬送波の一部として具現されている伝搬されるデータ信号を含みうる。そのような伝搬される信号は、電磁、光またはその任意の好適な組み合わせを含むがそれに限られない多様な形の任意のものを取りうる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、プログラムを命令実行システム、装置またはデバイスによるもしくはそれと関連した使用のために通信、伝搬または転送できる任意のコンピュータ可読媒体でありうる。
【0008】
「コンピュータ・メモリ」または「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。コンピュータ・メモリは、プロセッサにとって直接アクセス可能な任意のメモリである。「コンピュータ記憶」または「記憶」は、コンピュータ可読記憶媒体のさらなる例である。コンピュータ記憶は、任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。いくつかの実施形態では、コンピュータ記憶がコンピュータ・メモリであることもあり、逆に、コンピュータ・メモリがコンピュータ記憶であることもある。
【0009】
本稿で使われるところの「プロセッサ」は、プログラムまたは機械実行可能命令またはコンピュータ実行可能コードを実行することのできる電子コンポーネントを包含する。「プロセッサ」を有するコンピューティング装置という言及は、二つ以上のプロセッサまたは処理コアを含む可能性もあるものと解釈されるべきである。プロセッサはたとえば多コア・プロセッサであってもよい。プロセッサはまた、単一のコンピュータ・システム内の、または複数のコンピュータ・システムの間に分散されているプロセッサの集合を指すこともある。コンピューティング装置という用語も、可能性としてはそれぞれが一つまたは複数のプロセッサを有するコンピューティング装置の集合またはネットワークを指すものと解釈されるべきである。コンピュータ実行可能コードは、同じコンピューティング装置内にあってもよい、あるいは複数のコンピューティング装置にまたがって分散されていてもよい複数のプロセッサによって実行されてもよい。
【0010】
コンピュータ実行可能コードは、本発明のある側面をプロセッサに実行させる機械実行可能命令またはプログラムを有していてもよい。本発明の諸側面のための動作を実行するためのコンピュータ実行可能コードは、ジャバ、スモールトーク、C++などといったオブジェクト指向プログラミング言語および「C」プログラミング言語といった従来型の手続き型プログラミング言語または同様のプログラミング言語を含む、一つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよく、機械実行可能命令にコンパイルされてもよい。いくつかの事例では、コンピュータ実行可能コードは、高水準言語の形または事前コンパイルされた形であってもよく、オンザフライで機械実行可能命令を生成するインタープリターとの関連で使われてもよい。
【0011】
コンピュータ実行可能コードは、完全にユーザーのコンピュータ上で、部分的にユーザーのコンピュータ上で、スタンドアローンのソフトウェア・パッケージとして、部分的にはユーザーのコンピュータ上、部分的にはリモート・コンピュータ上で、あるいは完全にリモート・コンピュータまたはサーバー上で実行されてもよい。この最後のシナリオでは、リモート・コンピュータはユーザーのコンピュータに、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の型のネットワークを通じて接続されてもよく、あるいは接続は外部コンピュータに対して(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダーを使ってインターネットを通じて)なされてもよい。
【0012】
本発明の諸側面は、本発明の実施形態に基づく方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム・プロダクトのフローチャート図解および/またはブロック図を参照しつつ記述される。フローチャート、図解および/またはブロック図の各ブロックまたはブロックの一部が、該当する場合には、コンピュータ実行可能コードの形のコンピュータ・プログラム命令によって実装されることができることは理解されるであろう。さらに、互いに背反でない場合には、異なるフローチャート、図解および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせが組み合わされてもよいことは理解される。これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられて、前記命令が前記コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行されて、そのフローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)において指定される機能/工程を実装するための手段を作り出すよう機械を生じさせるのでもよい。
【0013】
これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置または他のデバイスに、特定の仕方で機能するよう指令できるコンピュータ可読媒体に記憶されていてもよく、それによりコンピュータ可読媒体に記憶されている命令が、そのフローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)において指定される機能/工程を実装する命令を含む製造物を生じさせるのでもよい。
【0014】
コンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置または他のデバイスにロードされて、該コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させて、該コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、そのフローチャートおよび/またはブロック図のブロック(単数または複数)において指定される機能/工程を実装するためのプロセスを提供するようにしてもよい。
【0015】
本稿で使われるところの「ユーザー・インターフェース」は、ユーザーまたは操作者がコンピュータまたはコンピュータ・システムと対話することを許容するインターフェースである。「ユーザー・インターフェース」は「ヒューマン・インターフェース・デバイス」と称されてもよい。ユーザー・インターフェースは、操作者に情報またはデータを提供してもよいし、および/または操作者から情報またはデータを受け取ってもよい。ユーザー・インターフェースは、操作者からの入力がコンピュータによって受領されることができるようにしてもよく、コンピュータからユーザーに出力を提供してもよい。換言すれば、ユーザー・インターフェースは操作者がコンピュータを制御または操作することを許容してもよく、該インターフェースはコンピュータが操作者の制御または操作の効果を示すことを許容してもよい。ディスプレイまたはグラフィカル・ユーザー・インターフェース上でのデータまたは情報の表示は、情報を操作者に提供することの例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィック・タブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカメラ、ヘッドセット、ギアスティック、ステアリングホイール、ペダル、ワイヤードグローブ、ダンスパッド、リモコンおよび加速度計を通じたデータの受領はみな、操作者から情報またはデータを受領することを可能にするユーザー・インターフェース・コンポーネントの例である。
【0016】
本稿で使われるところの「ハードウェア・インターフェース」は、コンピュータ・システムのプロセッサが、外部コンピューティング装置および/または装置と対話するおよび/またはそれを制御することを可能にするインターフェースを包含する。ハードウェア・インターフェースは、プロセッサが制御信号または命令を外部コンピューティング装置および/または装置に送ることを許容してもよい。ハードウェア・インターフェースはまた、プロセッサが外部コンピューティング装置および/または装置とデータを交換できるようにしてもよい。ハードウェア・インターフェースの例は、ユニバーサル・シリアル・バス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS-232ポート、IEEE-488ポート、ブルートゥース接続、無線ローカル・エリア・ネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インターフェース、MIDIインターフェース、アナログ入力インターフェースおよびデジタル入力インターフェースを含むがそれに限られない。
【0017】
本稿で使われるところの「ディスプレイ」または「表示装置」は、画像またはデータを表示するよう適応された出力装置またはユーザー・インターフェースを包含する。ディスプレイは視覚的、聴覚的およびまたは触覚的データを出力しうる。ディスプレイの例は:コンピュータ・モニタ、テレビ画面、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字画面、陰極線管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトル・ディスプレイ、フラットパネル・ディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネッセント・ディスプレイ(ELD)、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード・ディスプレイ(OLED)、プロジェクターおよびヘッドマウント・ディスプレイを含むがこれに限られない。
【0018】
医療画像データは、本稿では、医療撮像スキャナを使って取得された二次元または三次元のデータとして定義される。医療撮像スキャナは、本稿では、患者の身体的構造についての情報を収集し、二次元または三次元の医療画像データのセットを構築するよう適応されている装置として定義される。医療画像データは、医師による診断のために有用な視覚化を構築するために使用できる。この視覚化はコンピュータを使って実行できる。
【0019】
磁気共鳴(MR)データは、本稿では、磁気共鳴撮像スキャンの間の磁気共鳴装置のアンテナによる、原子スピンによって放出された高周波信号の記録された測定として定義される。磁気共鳴データは医療画像データの例である。磁気共鳴撮像(MRI)画像は、本稿では、磁気共鳴撮像データ内に含まれる解剖学的データの、再構成された二次元または三次元の視覚化であるとして定義される。この視覚化はコンピュータを使って実行できる。
【0020】
磁気共鳴データは、磁気共鳴撮像スキャンの間の磁気共鳴装置のアンテナによる、原子スピンによって放出された高周波信号の測定であって、磁気共鳴温度測定のために使用されうる情報を含むものを含んでいてもよい。磁気共鳴温度測定は、温度に敏感なパラメータの変化を測定することによって機能する。磁気共鳴温度測定の際に測定されうるパラメータの例は:プロトン共鳴周波数シフト、拡散係数であり、あるいはT1および/またはT2緩和時間の変化が磁気共鳴を使って温度を測定するために使われてもよい。個々のプロトン、水素原子が経験する磁場は周囲の分子構造に依存するので、プロトン共鳴周波数シフトは温度依存である。温度の上昇は、温度が水素結合に影響するため、分子遮蔽を減少させる。これは、プロトン共鳴周波数の温度依存性につながる。
【0021】
プロトン密度は平衡磁化に線形に依存する。したがって、プロトン密度強調画像を使って温度変化を決定することが可能である。
【0022】
緩和時間T1、T2およびT2スター(時にT2*と書かれる)も温度依存である。したがって、T1、T2およびT2スター強調画像の再構成は、熱または温度マップを構築するために使用できる。
【0023】
温度は水溶液中での分子のブラウン運動にも影響する。したがって、パルス拡散グラジエントスピンエコー(pulsed diffusion gradient spin echo)のような拡散係数を測定できるパルス・シーケンスが温度を測定するために使用されてもよい。
【0024】
磁気共鳴を使って温度を測定する最も有用な方法の一つは、水プロトンのプロトン共鳴周波数(PRF: proton resonance frequency)シフトを測定することによる。プロトンの共鳴周波数は温度依存である。ボクセルにおいて温度が変わると、周波数シフトのため水プロトンの測定される位相が変化する。したがって、二つの位相画像の間の温度変化が決定できる。温度を決定するこの方法は、他の方法に比べて比較的高速であるという利点がある。PRF法は本稿では他の方法より詳細に論じられる。しかしながら、本稿で論じる方法および技法は、磁気共鳴撮像を用いて温度測定を実行する他の方法にも適用可能である。
【0025】
分光磁気共鳴データは、本稿では、磁気共鳴撮像スキャンの間の磁気共鳴装置のアンテナによる、原子スピンによって放出された高周波信号の記録された測定であって、複数の共鳴ピークを表わす情報を含むものとして定義される。
【0026】
分光磁気共鳴データはたとえば、絶対スケールでの温度マップを生成できるプロトン分光(PS: proton spectroscopic)撮像に基づく温度マッピング方法を実行するために使用されてもよい。したがって、この絶対スケール温度マップは、温度較正を実行するために使用されてもよい。この方法は、上記のプロトン共鳴周波数法のような水プロトン共鳴シフト温度依存性の物理的な原理に依拠するが、収集方法が異なる。周波数シフトは磁気共鳴スペクトルから計算されるのである。シフトは、水と参照プロトン・ピークの位置差から計算される。脂質中のプロトンがたとえば参照として使用されてもよい。水プロトン・ピークが温度に対して線形依存性をもつ一方、脂質の共鳴周波数はほとんど温度に依存しないことが知られているからである。これは、両方の組織型が存在するボクセルにおいてできる。同じボクセル中に水と脂質が存在しない場合、脂質以外の他の何らかの組織型を参照として使うことを試みてもよい。うまくいかなければ、参照ピークが、よって温度データが得られないいくつかのボクセルがあることがある。こうした状況を助けるためには、補間および/または温度フィルタリングが使用されてもよい。体温は、通常、空間的に急激に変化するとは予期されないからである。温熱療法によって典型的に引き起こされる高度に局在化された温度上昇は明らかな例外である。参照ピークの利用により、本方法は、場のドリフトまたはスキャン間の動きに比較的依存しなくなる。現行の方法では、スキャンは少なくとも一分のオーダーの時間がかかるので、PS法は、スキャン中のスキャン内動きまたは温度変化の影響を受ける。温度が一定であるまたは時間的にも空間的にも温度変動が小さい場合には、本方法は有用な情報を生成できる。たとえば、磁気共鳴案内式の高密度焦点式超音波(MR-HIFU: Magnetic Resonance Guided High Intensity Focused Ultrasound)では、温度計プローブを用いて測定された核心体温として取られる空間的に均一な出発温度を使うのではなく、MR-HIFUまたは他の温度処置の開始前に実際の体温分布を与えるためにPS法を使うことができる。あるいはまた、PS法は、処置領域の外部の熱処置どうしの間の累積的な温度についての健全性チェックとして使うことができる。
【0027】
本稿で使われるところの「超音波窓」は、超音波または超音波エネルギーに対して事実上透明である窓を包含する。典型的には、薄いフィルムまたは膜が超音波窓として使われる。超音波窓はたとえば、BoPET(biaxially-oriented polyethylene terephthalate[二軸延伸ポリエチレンテレフタラート])の薄膜から作成されうる。
【0028】
ある側面では、本発明は、高密度焦点式超音波システムを有する医療装置を提供する。高密度焦点式超音波システムは、加熱体積を加熱するための超音波トランスデューサ・アレイを有する。超音波トランスデューサ・アレイは複数の超音波トランスデューサ素子を有する。医療装置はさらに、機械実行可能な命令を記憶するためのメモリを有する。医療装置はさらに、医療装置を制御するためのプロセッサを有する。
【0029】
本発明の医療装置は、ある幾何学的パターンをもって配置された複数のトランスデューサ素子をもつ超音波トランスデューサ・アレイを有する。幾何学的パターンは、トランスデューサ・アレイの位置および配向とともに、すべてのトランスデューサ素子が位相を揃えて作動されたときに個々のトランスデューサ素子からの放射が合焦される幾何学的な焦点を定義する。焦点は、個々のトランスデューサ素子の位相および任意的には振幅を電子的に制御することによって調整されうる。個々のトランスデューサ素子の位相および振幅は、一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドによって制御される。個々のトランスデューサ素子の位相および振幅が調整されるとき、体積超音波ビームの形が調整され、超音波放射の実際の焦点のサイズおよび位置が変えられる。個々のトランスデューサ素子はさらに、局所的な増加的干渉が起こらず、せいぜいがより広い領域の部分的な増加的干渉が起こるだけであり、それにより実際上、有効な合焦が起こらないよう焦点領域を拡大するよう調整されてもよい。
【0030】
本発明によれば、トランスデューサ素子は、トランスデューサ・アレイによって放出される超音波トランスデューサ・ビームの近距離場(near field)の横断面が処置される表面領域に対応するよう制御される。すなわち、体積超音波ビームの近距離場の横断面は、処置される表面領域をカバーするよう構成される。好ましくは、近距離場の横断面は処置される表面領域と一致する。注目すべきことに、トランスデューサ素子は、処置される表面領域に対応する近距離場の横断面において、超音波エネルギー密度が事前設定された療法閾値を超えるよう制御される。横断面における超音波エネルギー密度は該表面領域において療法効果を引き起こす。たとえば、横断面における超音波エネルギー密度は、骨表面における神経組織の不活性化を引き起こす。これは、癌に冒されている骨における痛みを軽減する。本発明の基礎となる洞察は、体積超音波ビームの横断面において、緩和効果を誘起するよう十分な超音波エネルギー密度が達成されるというものである。さらに、本発明によれば、トランスデューサ素子は、体積超音波ビームが焦点をぼかすよう制御される。これは、超音波放射の伝搬方向において上記表面領域の背後の領域における高い超音波エネルギー密度を回避する。この脱合焦は、たとえば上記幾何学的焦点のまわりの、ある程度は超音波放射の増加的干渉が高まった超音波エネルギー密度を引き起こす領域のサイズを増加させるよう実装されてもよい。幾何学的焦点における脱合焦はさらに、実際の焦点がもし生じるとしても、該実際の焦点を、有害な効果が生じ得ない位置に移してもよい。たとえば、実際の焦点は、処置されるべき患者の外部の位置に移されてもよい。あるいは、小さな領域(すなわち、上記表面領域よりずっと小さな領域)において高エネルギー密度が生じることなく部分的な増加的干渉しか起こらず、局所的なホットスポットが回避されるよう、実際の焦点領域が拡大されてもよい。よって、本発明は、処置される表面領域における療法的な、たとえば痛み軽減の効果を誘起しつつ、他の場所での意図しない超音波ホットスポットを回避するよう、近距離場内の超音波エネルギー密度を利用することを可能にする。
【0031】
体積超音波ビームが処置されるべき表面領域に対して横方向に、特に直交して配向されるときに、特に良好な結果が達成される。この配向は、体積超音波ビームの主軸を超音波放射の伝搬に沿って配向させる個々のトランスデューサ素子の位相および振幅を適用する一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドによって達成される。処置される表面領域に対して横方向の体積超音波ビームの配向は、幾何学的焦点における正確な脱合焦とともに、近距離場断面における超音波エネルギー密度の正確な設定を許容する。
【0032】
前記命令の実行は、前記プロセッサに、表面の位置を表わす表面データを受領させる。表面データは、加熱体積の位置を定義する。高密度焦点式超音波システムは、加熱するために、超音波を焦点上に合焦する。それは典型的には、点または照射位置として記述される。本発明に基づく医療装置の動作は少し異なる動作をする。照射点を指定するのではなく、表面が記述され、それが照射される体積を制御するために使用されるのである。
【0033】
前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、加熱位置データおよび超音波トランスデューサ素子モデルを使って一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを決定させる。超音波トランスデューサ素子モデルは、特定のトランスデューサ素子によって生成される超音波が取り得る経路を予測するために使用されうるモデルである。このモデルはごく単純であってもよく、単に、超音波を直線的に進むものとしてモデル化するレイトレーシング型のモデルであってもよい。トランスデューサによって生成される、より現実的な超音波場を説明しうる、他の、より複雑なモデルもありうる。一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドは、加熱体積の断面形状が上記表面を包含するよう制御するための、所定の強度より上または下の、複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての強度レベルを含む。換言すれば、全体的な超音波トランスデューサ・アレイによって生成される超音波が上記表面の形状にマッチするよう、各トランスデューサ素子の強度が、ある特定のレベルより上または下に設定される。たとえば、上記所定の強度の強度レベルは、個々の超音波トランスデューサ素子のそれぞれを事実上オンまたはオフにするために使われる閾値であってもよい。
【0034】
前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて高密度焦点式超音波システムを制御することによって、加熱体積を加熱させる。いくつかの実施形態では、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて高密度焦点式超音波システムが制御されず、単にトランスデューサ・スイッチング・コマンドが計算される。この実施形態は、医療装置が比較的大きな領域を同時に加熱することができるという恩恵をもちうる。たとえば、高密度焦点式超音波システムは、典型的には、個々の点に照射することによって動作する。本発明の諸実施形態は、大きな領域を同時に加熱できてもよい。これは、大きな領域を非常に迅速に加熱または処置することが望ましい応用のために有用でありうる。たとえば、骨の悪性腫瘍の緩和処置に潜在的な応用がありうる。前記表面は骨の表面を記述することができる。その場合、加熱体積は、加熱体積内の神経細胞を加熱して不活性化し、それにより癌の際に患者が被る痛みを低減するために使用されることができる。
【0035】
もう一つの実施形態では、前記表面データは医療撮像システムに由来することができる。
【0036】
もう一つの実施形態では、前記表面は、超音波吸収表面である。本稿で使われるところの超音波吸収表面は、筋肉のような典型的な軟組織よりずっと大きな超音波減衰をもつ領域の境界である。たとえば、超音波吸収領域は、筋肉の3〜20倍の大きさの吸収をもつことがある。
【0037】
もう一つの実施形態では、前記加熱体積は、超音波トランスデューサ・アレイによって生成される超音波の近距離場と称されてもよい。
【0038】
もう一つの実施形態では、前記複数のトランスデューサ素子のそれぞれについての各強度レベルが個々に割り当てられる。
【0039】
もう一つの実施形態では、前記所定の強度は、トランスデューサ素子が事実上オンまたはオフにされるようなものであってもよい。
【0040】
もう一つの実施形態では、前記超音波トランスデューサ素子モデルは、前記加熱体積を前記超音波トランスデューサ・アレイ上に投影することによって、前記超音波トランスデューサ素子のどれがオンまたはオフにされるかを決定してもよい。本稿で使われるところの「投影」は、ある表面が別の表面上に移されるという幾何学的な意味で使われている。超音波トランスデューサ素子モデルはたとえば、そのような投影を実行するために使われてもよい。
【0041】
もう一つの実施形態では、前記超音波トランスデューサ素子モデルは、個々の超音波トランスデューサ素子のそれぞれが、前記加熱体積に対して、あるレベルより上の超音波強度を寄与するかどうかを決定するために使われるまたは決定するよう動作可能である。これは、高密度焦点式超音波システムの動作の間、本質的には超音波トランスデューサ素子が前記所定の強度より上に設定されているか下に設定されているかまたは本質的にオンまたはオフにスイッチングされるかを決定するものであってもよい。
【0042】
もう一つの実施形態では、超音波トランスデューサ・アレイは焦点をもつ。加熱体積は超音波トランスデューサと焦点との間である。この実施形態は、個々の照射点の集合において加熱体積を指定するために大きな表面が使われるので、有益でありうる。
【0043】
もう一つの実施形態では、前記焦点は電子的に制御可能な焦点である。本稿で使われるところでは、電子的に制御可能な焦点は、個々の超音波トランスデューサ素子の強度(または振幅)および/または位相を制御することによってシフトまたは制御されうる超音波トランスデューサ・アレイの焦点である。トランスデューサ・スイッチング・コマンドはさらに、前記複数のトランスデューサ素子のそれぞれについての位相値を含む。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記電子的に制御可能な焦点を脱合焦させるよう、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての位相値を決定させる。この実施形態は、前記焦点が、意図的に加熱されるまたは照射される領域としては使用されないので、有益でありうる。前記電子的に制御可能な焦点を脱合焦させることにより、被験体のある領域が意図せずして加熱される可能性が低下する。脱合焦は、前記焦点の位相をずらすことと等価であると考えられてもよい。たとえば、個々の超音波トランスデューサ素子の位相は、前記焦点において相殺的干渉により強度が大幅に低下するよう、選択される。この特定の実施形態では、超音波トランスデューサ・アレイは、高密度焦点式超音波システムからの超音波トランスデューサ・アレイを使うための通常の方法ではない、合焦されないモードで動作させられる。
【0044】
もう一つの実施形態では、前記複数のトランスデューサ素子から選ばれるトランスデューサ素子は、やはり前記複数のトランスデューサ素子から選ばれる最も近い隣接素子をもつ。前記トランスデューサ素子の位相値および前記最も近い隣接トランスデューサ素子の位相値は所定の位相値内である。この実施形態は、電子的に制御可能な焦点が脱同調されるときに有益でありうる。互いに近くにあるトランスデューサ素子は、前記所定の位相範囲内であった位相値をもつ。これは、相殺的干渉が加熱体積内の強度を低下させる可能性を減らす助けとなりうる。これは、増加的および相殺的干渉が加熱ゾーンを加熱するために使われる近接場に影響することを防ぐのを助けるために、最も近い隣接素子間の位相の差を制限することがある。
【0045】
もう一つの実施形態では、前記命令の実行は、前記プロセッサに、前記電子的に制御可能な焦点の脱合焦を引き起こすよう位相値における所定の勾配があるよう、前記所定の強度より上の強度をもつ前記複数のトランスデューサ素子に位相値を割り当てさせる。この実施形態は、前記焦点を脱合焦させつつ加熱体積中の増加的および相殺的干渉を低減する手段を提供するので、有益でありうる。
【0046】
もう一つの実施形態では、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記複数のトランスデューサ素子を諸グループに分割させる。特定のグループ内の前記複数のトランスデューサ素子の各素子の位相値は、同一である。換言すれば、前記複数のトランスデューサ素子、特に前記所定の強度より上の強度をもつものは、諸グループに割り当てられるまたは分割される。その際、これら個々のグループのそれぞれは、同一の位相値をもつ。各グループの位相値は、前記電子的に制御可能な焦点を脱合焦させるよう選択されてもよい。
【0047】
もう一つの実施形態では、前記超音波トランスデューサ素子モデルはレイトレーシング・モデルである。
【0048】
もう一つの実施形態では、前記超音波トランスデューサ素子モデルは、超音波トランスデューサ素子によって生成される経路または強度場が解析的に計算される解析モデルである。
【0049】
もう一つの実施形態では、前記超音波トランスデューサ素子モデルは、幾何学的モデルである。この実施形態では、超音波トランスデューサ素子によって生成される超音波場を近似するために幾何学的形状が使われる。これが超音波の経路を予測するために使用されてもよい。
【0050】
もう一つの実施形態では、前記高密度焦点式超音波システムはさらに、前記超音波トランスデューサ・アレイを機械的に位置決めするための機械的アクチュエータを有する。
【0051】
もう一つの実施形態では、前記高密度焦点式超音波システムはさらに、前記超音波トランスデューサ・アレイを機械的に位置決めするための機械的アクチュエータを有する。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、加熱体積に超音波エネルギーを集中させるよう前記アクチュエータを位置決めするようアクチュエータ・コマンドを決定させる。
【0052】
前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記アクチュエータ・コマンドを使って前記アクチュエータを制御させる。この実施形態は、前記超音波トランスデューサ・アレイが前記超音波トランスデューサ・アレイの加熱体積または近距離場を形作る助けとなるよう位置決めされるので、有益でありうる。
【0053】
もう一つの実施形態では、前記アクチュエータ・コマンドは、前記アクチュエータに、アクチュエータを加熱ゾーンのより近くに移動させること、標的ゾーンの断面を増大させるようアクチュエータを移動および/または回転させることおよびそれらの組み合わせの任意の一つを実行させるよう機能できる:
もう一つの実施形態では、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記超音波トランスデューサ素子モデルを使って、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについて、前記表面との入射角を決定させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記入射角が所定の角度範囲外である前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれに、前記所定の強度より下の前記強度レベルを割り当てさせる。この実施形態では、特定の超音波トランスデューサ素子によって生成される超音波が、所定の範囲より大きい入射角をもつ場合、その超音波トランスデューサ素子は事実上スイッチ・オフされる。これは、対象の正しくない部分が加熱されることにつながる散乱超音波の量を減らすことにおいて有益でありうる。これはたとえば、前記表面データおよびこれを行なうためのモデルを使って達成できる。レイトレーシングまたは幾何学的モデルのような上述したモデルがそのような計算に役立つであろう。
【0054】
もう一つの実施形態では、前記高密度焦点式超音波システムはさらに、前記超音波トランスデューサ・アレイを機械的に位置決めするための機械的アクチュエータを有する。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記複数の超音波トランスデューサ素子のうち何個が前記所定の範囲外の入射角をもつかを減らすアクチュエータ・コマンドを決定させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記アクチュエータ・コマンドを使って前記アクチュエータを制御させる。本質的には、この実施形態では、超音波トランスデューサ・アレイは、動作している超音波トランスデューサ素子の数を増すよう異なる位置に機械的に位置決めされる。これは、前記プロセッサによって、既存の位置のまわりのあるパターンを使ったいくつかの試験位置を計算して、前記超音波トランスデューサ・アレイを位置決めし直すためにアクチュエータを動かすことが実際にアクティブである前記複数の超音波トランスデューサ素子の数を増すかどうかを判定することによって、簡単に達成できる。
【0055】
もう一つの実施形態では、前記トランスデューサ・アレイは、放物トランスデューサ・アレイ、平坦トランスデューサ・アレイおよび球面状トランスデューサ・アレイのうちの任意のものである。
【0056】
もう一つの実施形態では、前記医療装置はさらに、撮像体積から医療画像データを収集するための医療撮像システムを有する。前記加熱体積は前記撮像体積内である。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記医療画像データを取得させ、前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記医療画像データ中の加熱位置データを指定することによって前記表面データを受領させる。これはたとえば、前記医療画像データを使ってレンダリングされた画像または医療画像をディスプレイ上に表示し、次いでユーザー・インターフェースから前記表面データを受領することによって達成されてもよい。他の実施形態では、前記表面データは、前記共画像(co-image)データまたは前記医療画像データから導出された画像の画像セグメンテーションを実行することによって受領されることができる。
【0057】
もう一つの実施形態では、前記医療撮像システムは、磁気共鳴撮像システム、コンピュータ断層撮影システムおよび診断超音波システムのうちの任意のものである。
【0058】
もう一つの実施形態では、前記医療撮像システムは、少なくとも前記加熱体積から熱磁気共鳴データ(thermal magnetic resonance data)を収集するよう動作可能な磁気共鳴撮像システムである。前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれは調整可能な振幅または強度レベルをもつ。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記加熱ゾーンの温度を記述する処置計画を受領させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記熱磁気共鳴データを収集させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記熱磁気共鳴データを使って熱マップを計算させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記熱マップおよび前記処置計画に従って前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについて強度調整を決定させる。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記強度調整を使って前記複数の超音波トランスデューサ素子の強度を制御させる。たとえば、前記強度調整は、前記熱マップが前記処置計画における要求されるまたは投影される温度を満たすよう温度を上昇または低下させるようなされることができる。
【0059】
もう一つの側面では、本発明はコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。本コンピュータ・プログラム・プロダクトは、医療装置を制御するプロセッサによる実行のためのコンピュータ実行可能コードを有するコンピュータ可読記憶媒体を有する。医療装置は、高密度焦点式超音波システムを有する。高密度焦点式超音波システムは、加熱体積を加熱するための超音波トランスデューサ・アレイを有する。超音波トランスデューサ・アレイは、複数の超音波トランスデューサ素子を有する。前記命令の実行は、前記プロセッサに、表面を記述する表面データを受領させる。前記表面は、前記加熱体積の位置を定義する。
【0060】
前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記加熱位置データおよび超音波トランスデューサ素子モデルを使って一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを割り当てさせる。前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドは、加熱体積の断面形状が上記表面を包含するよう制御するための、所定の強度より上または下の、複数の前記超音波トランスデューサ素子のそれぞれについての強度レベルを含む。前記命令の実行は、前記プロセッサにさらに、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて前記高密度焦点式超音波システムを制御することによって、前記加熱体積を加熱させる。
【0061】
もう一つの側面では、本発明は、医療装置を使った緩和処置の方法を提供する。医療装置は、高密度焦点式超音波システムを有する。高密度焦点式超音波システムは、対象の加熱体積を加熱するための超音波トランスデューサ・アレイを有する。超音波トランスデューサ・アレイは、複数の超音波トランスデューサ素子を有する。本方法は、対象内の骨表面の位置を表わす表面データを受領する段階を含む。前記表面データは、前記加熱体積の位置を定義する。本方法はさらに、前記加熱位置データおよび超音波トランスデューサ素子モデルを使って一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを割り当てる段階を含む。前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドは、前記加熱体積の断面形状が骨表面を包含するよう制御するために、前記複数の超音波トランスデューサ素子のそれぞれについて、所定の強度より上または下の強度レベルを有する。本方法はさらに、前記一組のトランスデューサ・スイッチング・コマンドを用いて高密度焦点式超音波システムを制御することによって、前記加熱体積を加熱する段階を含む。
【0062】
本発明の上述した実施形態の一つまたは複数が、組み合わされる実施形態が背反なものでない限り、組み合わされてもよいことが理解される。