(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板(2)の表面(2’)に対して実質的に垂直である少なくとも1つの側面を有するAlN層を作製する方法であって、各側面が下端部と上端部との間に延在し、トポロジー(4,4’,4a,4’a,4b)を有する前記基板の表面が少なくとも1つの段差型パターン(10,12,14,16)を備える方法において、
前記段差の上端部が前記側面の前記下端部に対応するように、少なくとも前記トポロジーの前記パターン上に、AlN層(31)を堆積する段階と、
マスク層の少なくとも1つの縁部が前記側面の前記上端部を画定するように配置して前記AlN層上にマスク層(40,40’)を形成する段階と、
前記側面の傾斜が、前記基板の前記表面に対して実質的に垂直な平面における前記上縁部及び下縁部の位置によって画定されるように、前記マスクを介して前記AlN層(31)を、100℃から140℃の間の温度で熱リン酸によって湿式エッチングして前記側面を得る段階であって、前記側面が、前記基板(2)の前記表面(2’)の垂線に対して15°以下の角度を成す段階と、
を有する方法。
前記段差型パターンが少なくとも得られるように、前記基板(2)の前記表面(2’)をエッチングすることによって、前記基板の前記トポロジー(4a,4’a,4b)を形成する予備段階を有する請求項1に記載の方法。
前記段差が、その中またはその上に形成される前記基板(2)の前記表面(2’)の垂線に対して15°以下の角度をなす少なくとも1つの側面(10,12,14,16)を有する、請求項1または2に記載の方法。
前記段差型パターンを得るために、材料の均一層を堆積し、次いで少なくとも前記層をエッチングすることによって前記中間層(4,4’)を得る請求項4に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、直角の側面、すなわち層がその上に作製される基板に対して実質的に垂直な側面を有するAlN層を作製する方法を見いだすという問題が提起される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
基板の表面に対して実質的に垂直である少なくとも1つの側面を有するAlN層を作製する方法であって、トポロジーを有する前記基板の表面が少なくとも1つの段差型パターンを備える方法において、
少なくともトポロジーの前記パターン上およびいかなるトポロジーも有さない少なくとも1つの部分上に、AlN層を堆積する段階と、
少なくとも1つの縁部が、基板の表面に対して実質的に垂直な平面において、パターンの段差の少なくとも1つの縁部または側面に隣接して位置するかまたは前記段差の少なくとも1つの縁部または側面と整列して位置するように、AlN層上にマスク層を形成する段階と、
マスクを介してAlN層をエッチングする段階と、
を有する方法に関する。
【0011】
「実質的に垂直」とは、側面が前記表面と75°以上の角度をなすことを意味すると理解される。
【0012】
この方法は、少なくとも段差型パターンを得るために基板の表面をエッチングすることによって、基板にトポロジーを形成する事前段階を含むことができる。
【0013】
段差は、段差がその中またはその上に形成される基板の表面の垂線に対して15°未満の角度をなす少なくとも1つの側面を有することができる。
【0014】
1つの実施形態によると、基板は中間層を備え、その1つの表面が基板の表面とともに段差型パターンを形成する。段差型パターンを得るために、この中間層は、材料の均一な層を堆積し、次いで少なくとも該層をエッチングすることによって得ることができる。
【0015】
中間層の少なくとも一部および/またはマスク層の少なくとも一部は、電極を形成することができる。
【0016】
中間層は、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)または窒化ケイ素からなることができる。
【0017】
トポロジー、段差型パターンまたは中間層は、10nmから1μmの間の厚さを有することができる。
【0018】
マスク層は、シリカ(SiO
2)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)または接着樹脂からなることができる。該層は、例えば10nmから10μmの間の厚さを有する。
【0019】
本発明による方法はさらに、AlN層をエッチングすることによって傾斜した側面を作製する段階を含むことができる。
【0020】
AlN層のエッチングは、好ましくは湿式エッチングである。
【0021】
本発明による方法ではさらに、垂直な縁部を有する少なくとも1つのホールを作製することが可能である。ホールの径とAlN層の厚さは、好ましくは径/厚さの比が0.5未満である。
【0022】
本発明はまた、
AlN層を有する不均質基板であって、
トポロジーを有する表面の1つが少なくとも1つの段差型パターンを備える支持基板と、
前記パターンを覆い、その少なくとも1つの側面が、基板の前記表面に実質的に垂直な平面において、段差型パターンの少なくとも1つの縁部に隣接して位置するAlN層と、
を備える基板に関する。
【0023】
少なくとも段差型パターンを得るために、基板の表面をエッチングすることによってトポロジーをもたらすことができる。
【0024】
段差は、段差がその中またはその上に形成される基板の表面の垂線に対して15°未満の角度をなす少なくとも1つの側面を有することができる。
【0025】
基板は、中間層を備え、その1つの表面が基板の表面とともに段差型パターンを形成する。
【0026】
中間層は、支持基板の表面トポロジーを形成する層の上に少なくとも部分的に形成されることができる。
【0027】
本発明による基板はさらに、垂直な縁部を有する少なくとも1つのホールを備えることが可能であり、前記ホールの径とAlN層の厚さの比は、好ましくは0.5以下である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の第1実施形態を
図1Aから1Dとともに説明する。
【0030】
層4は、連続的な層または結合された層であってよいが、必ずしもそうではなく、例えば基板2上に堆積によって形成され、該基板2は、例えばケイ素またはサファイアからなる。
図1Aの例では、この層は、開口部6によって第2部分4’から分離された第1部分4を備え、開口部6は基板2の表面2’を露出させる。
【0031】
この開口部は、例えば部分4,4’が作製される材料の初期連続層中に部分4,4’をエッチングすることによって得られ、エッチングは基板2の表面2’上で停止する。参照符号12および14は、それぞれ前記層の部分4’および4の側部を示し、開口部6のいずれかの側に位置する。2つの他の側部は参照符号10および12で
図1Aの左側および右側に示される。
【0032】
言い換えると、前記層4,4’、ならびに
図5Aから5Dおよび6Aから6Dの実施形態において形成されたトポロジー4a,4’a,4bは、基板の表面2’に隣接するかまたは取り囲まれ、該基板の表面は層4,4’、またはトポロジー4a,4’a,4bの上位置または上昇した位置に対してより低い位置に位置する。「トポロジー」との用語は、表面2’によって画定された平面に対する垂直方向の高さまたは位置の変動を意味する。
【0033】
図2Aおよび2Bの場合、層4の上昇した部分(層3上に位置するこの層の部分)は、
この同一の層4の上昇していない部分(基板2上に直接接しているこの層4の部分)に隣接するかまたは取り囲まれている。
【0034】
前記側部10,12,14,16はすべて直角、すなわち基板2の表面2’に実質的に垂直であるか、または前記表面の垂線と15°以下の角度を成す。
【0035】
層4,4’の材料は、例えばチタン(Ti)、ケイ素(Si)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、窒化ケイ素(SiNまたはSi
3N
4)または酸化ケイ素(SiO
2)である。
【0036】
この層4,4’は、200nm程度の厚さ、より一般的には10nmから1μmの間、または100nmから300nmの間の厚さを有し得る。
【0037】
この層4,4’の少なくとも一部分は電極を形成することができる。
【0038】
任意で、堆積される材料31の方向合わせを補助することができる構造化層または成長層7を基板2の表面上に形成してもよい。
【0039】
次にAlN層31が堆積され(
図1B)、該層は例えば約1μm程度の厚さを有し、より一般的には10nmから5μmの間の厚さを有する。用いられ得る堆積技術は、PVD(物理気相堆積法)である。
【0040】
この層31は、先に得られた層の部分4,4’(中間層またはトポロジー層とも称される)および基板2の表面2’の露出された部分の上、または表面2’上の層4,4’によって画定された低い位置および層4,4(または
図5Aから6Dにおけるトポロジー4a,4’a,4b)’の高い位置または上昇した部分の両方の上に均一に堆積される。
【0041】
次に(
図1C)、その縁部20,22,24が中間層4,4’の縁部10,12,14と並んだハードマスク40,40’を層31上に形成する段階が実施される。ここでも、前記マスクの1つまたは複数の部分が、例えば図示されていないデバイスの電極を形成することができる。
【0042】
言い換えると、層4,4’の縁部10,12,14の各々と共に、これらの縁部20,22,24は、それぞれ基板2の表面2’と実質的に垂直な平面を画定する。実際には、この平面は表面2’と厳密に垂直でなくてもよく、例えば0°から15°の角度だけわずかに垂直方向から傾斜していてもよい。このマスク層40,40’は例えば10nmから10μmの間の厚さを有し得る。前記層は、例えばモリブデン(Mo)または窒化ケイ素(SiNまたはSi
3N
4)からなり得る。
【0043】
縁部10,12,14の各々と縁部20,22,24との配列はそれぞれ、1μm程度または1μm以下の精度、例えば1Xステッパで±1μm、遠紫外線リソグラフィーでは±150nm、電子ビームリソグラフィーでは±50nmの精度で得ることかできる。
【0044】
この整列によって、層31中に作製される、側面30,32,34の上端部30
1,32
1,34
1および下端部30
2,32
2,34
2を画定することが可能となる。
【0045】
マスク40,40’の縁部は、エッチングされた側面の上端部30
1,32
1,34
1を画定する(すわなち、前記上端部はマスクの縁部の位置に位置する)。
【0046】
同様に、層4,4’の縁部は、エッチングされた側面の下端部30
2,32
2,34
2を画定する(すなわち、前記下端部は前記層の縁部の位置に位置する)。
【0047】
この実施例では、
図1Cに見られるように、この場合直角の側面26であるマスク40の側面の一方が、中間層4の直角の側面16と整列していない。
【0048】
次に、
図1Dに示されるように、エッチング段階が実施される。この段階によって、AlN材料の層31のマスク40,40’によって保護されていない領域がエッチングされる。このエッチングは、基板2の表面2’まで継続されるため、エッチングが完了した後には表面2’が露出される。
【0049】
上端部30
1,32
1,34
1と下端部30
2,32
2,34
2との間の各側面の斜面は、対応する上端部および下端部の対30
1,32
1,34
1および30
2,32
2,34
2によって画定される。
【0050】
マスク40,40’の縁部の中間層4,4’の縁部との整列条件によって、層31の側面30,32,34が得られ、これらは中間層4,4’およびマスク層40,40’の対応する側面に整列される。
【0051】
すなわち、AlN層31の前記側面30,32,34は、基板2の表面2’と垂直であるかまたは、数°未満、例えば±15°未満の角度だけ前記垂線に対して角度をなす。
【0052】
図面に示された実施例では、エッチングによって、ハードマスク部分40,40’の下部に位置する、AlNの2つの部分31aおよび31bの間にホール60が形成される。
【0053】
上述のように、このホールの壁部が側面32,34であり、層2の表面2’に垂直である。この技術を使用すると、径φが約10μm、より一般的には100nmから100μmであるホールを得ることが可能であり、かつ/または層31を貫通して、層の厚さHに対する径φの比が約1/2以下(φ/H≦0.5)であるホールを得ることが可能である。
【0054】
先に説明したように、マスク層40の直角の側面26は、成長層4の直角の側面16とは整列していない。
【0055】
従って、これにより基板2の表面2’と垂直でないが、前記表面2’と角度αをなす層31bの側面36が得られる。
【0056】
次に、
図2Aおよび2Bを参照して別の実施形態を説明する。
【0057】
これらの図面において、後に中間層4(または、ここでもトポロジー層)中にトポロジーを形成するために、先に説明したものと同一の基板2上に厚さeの層3が形成される。
【0058】
この層3は、例えば電極を画定するために使用される層とすることができる。例えば、SiO
2、SiN、モリブデン(Mo)または白金(Pt)からなり得る。厚さeは、例えば10nmから1μmの間、または100nmから300nmの間である。
【0059】
第1実施形態のように、構造化中間層7’を事前に作製してもよい。この中間層は層3を構造化し、層3自体が層31を構造化する。
【0060】
次に、層4が堆積される。該層4の性質および厚さは第1実施形態において説明したものとすることができる。従って、この堆積後、層4が得られ、その一部分は基板2の表面2’上に直接接し、その他の部分は層3の表面3’上に接する。層3の縁部13a,13bは、堆積された層4において表面2’の垂直方向に対してわずかに傾斜し得る側面10a、10bをもたらす。この態様は
図3に詳細に示されており、側面10aと水平面(ここでは層3の表面3’を参照)とは角度βをなし、該角度は80°程度またはそれ以上であり得る。
【0061】
ここでも再び、層4に段差が形成され、該段差は層3の厚さeと実質的に等しい高さを有する。この段差の縁部は基板2の表面2’に対して厳密に垂直である必要はない。段差は、層4の下部にパターン3が存在しない領域における層4の上部表面によって画定される低い位置と、同一の層4の高い位置または上昇した部分との両方によって画定される。
【0062】
次に、PVD法を使用して、前記層4の上昇していない部分の表面上、およびパターン3の存在によって上昇した部分における前記層4の表面上に、例えばAlNの層31が堆積される。
【0063】
次いで、マスク層40が形成され、先に定義したように、また説明した方法で、その側面20,22は層3の側面13a,13bおよび層4の側面10a,10bと整列される。この整列により、層31中に作製される、側面30,32の上端部30
1,32
1および下端部30
2,32
2を画定することが可能となる。
【0064】
マスク40の縁部は、エッチングによって画定される側面の上端部30
1,32
1を画定する(すなわち、前記上端部はマスクの縁部の位置に位置する)。
【0065】
同様に、層4の上昇した部分の縁部は、エッチングされる側面の下端部30
2,32
2を画定する(すなわち、前記下端部は前記層の上昇した部分の縁部の位置に位置する)。
【0066】
このマスク層は、1つまたは複数の電極を形成することができる。
【0067】
次に(
図2B)、層31がエッチングされ、前記層31の側面30,32が形成される。これらの側面は、先に説明した整列に起因して、層3の表面3’または層4の表面4’と垂直である。
【0068】
上端部30
1,32
1と下端部30
2,32
2との間に延在する各側面の斜面は、対応する上端部および下端部の対30
1,32
1および30
2,32
2によって画定される。
【0069】
この第2実施形態では、層4,31,40の厚さ及び材料は、第1実施形態において説明された厚さおよび材料と同一または類似のものとすることができる。層3については、例えば酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(SiN)、モリブデン(Mo)、または白金(Pt)からなり得、中間層4と同様に10nmから1μmの間の厚さを有し得る。
【0070】
この第2実施形態によると、層4は必ずしもエッチングされる必要はないが、中間層4が堆積されたときに側面10a,10bをもたらす側面を有する下部層3を事前に形成することによって、前記中間層4の表面にトポロジー、段差または隆起した表面が形成される。
【0071】
次に、マスク40の下部に位置しない領域における層31がエッチングされる。層31はその厚さ全体にわたってエッチングされ、中間層4の表面4’が露出される。
【0072】
その結果、AlNからなる部分31aが得られ、その側面30,32は、中間層4の上表面4’によって画定される水平表面に垂直である。
【0073】
すなわち、層3を使用して中間層4にトポロジーまたは隆起した表面を形成することが可能であり、その縁部10a,10bによってマスク層40の縁部を整列し、エッチングの後に層31の垂直側面が得られる領域を画定ことが可能となる。
【0074】
この第2実施形態でも、
図1Dのホール60のように、垂直な側面および先に説明した形状的特徴を有する1つまたは複数のホールを形成することができる。これを達成するために、例えば中間層4のトポロジーの形状およびマスク40の形状は
図1Cのように構成することができる。そのために、基板2および層3上に堆積した後に中間層4をエッチングして、次いでAlN層31を堆積した後に、マスク40を作製することができる。該マスク40も中間層4のエッチングされた領域と整列されたエッチングされた領域を有する。ここでも、
図1Dの側面36のように、1つまたは複数の傾斜した側面をさらに形成することが可能である。
【0075】
図4に示すように、2つの実施形態を組み合わせることが可能である。従って、層3などの層から得られたトポロジー上にAlN層の第1部分31aを形成すること、および基板2の表面2’上に直接堆積された中間層4の部分をエッチングすることによって得られたトポロジーを使用してAlN層の第2部分31bを形成することが可能である。例えば、この中間層4を事前にエッチングすることで、この第2部分中にホール60’を作製することが可能である。各側面の斜面は、上端部30
1,32
1,34
1と下端部30
2,32
2,34
2との間に延在し、対応する上端部および下端部の対30
1,32
1,34
1および30
2,32
2,34
2によって画定される。
【0076】
本発明のさらに別の実施形態について、
図5Aから5Dとあわせて説明する。
【0077】
例えばケイ素またはサファイアからなる基板2の表面上にトポロジーが形成されるため、表面は高さに変化を有する。従って、部分4a,4’aは、低い位置を形成している表面2’の残りの部分に対して上昇している。これらの部分は、前記表面2’に実質的に垂直な縁部10,12,14を有する。代替として、例えば
図5Aの部分4’aのような単一の上昇した部分を有することが可能である。すなわち、上昇した部分は連続的であるかまたは連結され得る。前記部分4a,4’aは、当初は一様に平坦な基板2をエッチングすることによって得ることができるため、基板2と同一の材料から成り得る。
【0078】
次に、例えば
図1Aから1Dとあわせて先に説明したものと同一の特徴、特に厚さを有し得るAlN層31が堆積される(
図5B)。上記で既に示したものと同一の堆積法を使用することができる。堆積は、表面2’によって画定される低い位置および高い位置またはトポロジー4a,4’aの上昇した部分上の両方に実施される。
【0079】
前記層31は、基板の上昇した部分4a,4’a、および低い位置にある基板2の表面2’のその他の部分上に均一に堆積される。
【0080】
次に(
図5C)、層31上に、ハードマスク40,40’を形成する段階が実施され、その縁部20,22,24は領域4a,4’aの縁部10,12,14と整列される。前記マスクの1つまたは複数の部分は、例えば図面に示されていないデバイスの電極を形成することができる。
【0081】
この整列によって、層31中に作製される、側面30,32,34の上端部30
1,32
1,34
1および下端部30
2,32
2,34
2を画定することが可能となる。
【0082】
マスク40,40’の縁部は、エッチングされた側面の上端部30
1,32
1,34
1を画定する(すわなち、前記上端部はマスクの縁部の位置に位置する)。
【0083】
同様に、上昇した部分4a,4a’の縁部は、エッチングされた側面の下端部30
2,32
2,34
2を画定する(すなわち、前記下端部は前記上昇した部分の縁部の位置に位置する)。
【0084】
すなわち、前記縁部20,22,24は各縁部10,12,14とともに、それぞれ基板2の表面2’と実質的に垂直な平面を画定する。実際には、ここでも、この平面は、表面2’と厳密に垂直でなくてもよく、垂直方向に対してわずかに、例えば0°から15°の間の角度だけ傾斜していてもよい。このマスク層40、40’は、例えば10nmから10μmの間であり得る厚さを有する。例えば、モリブデン(Mo)または窒化ケイ素(SiN、Si
3N
4)かなることができる。
【0085】
示された側面のうちの1つである、マスク40の直角の側面26のみがトポロジー領域4aの四角形の側面16と整列されていない。
【0086】
次に、
図5Dに示すように、エッチング段階が実施される。この段階によって、マスク40,40’によって保護されていない領域においてAlN材料の層31がエッチングされる。このエッチングは基板2の表面2’まで継続されるため、エッチングが完了した後には前記表面2’が露出される。
【0087】
上端部30
1,32
1,34
1と下端部30
2,32
2,34
2との間に延在する各側面の斜面は、対応する上端部および下端部の対30
1,32
1,34
1および30
2,32
2,34
2によって画定される。
【0088】
マスク40,40’の縁部のトポロジー4a,4’aの縁部との整列条件によって、層31の側面30,32,34が得られ、これらはトポロジー4a,4’aおよびマスク層40,40’の対応する側面に整列される。
【0089】
すなわち、AlN層31の前記側面30,32,34は、基板2の表面2’に対して垂直であるかまたは、前記垂直方向に対して数°、例えば±15°未満の角度だけ傾斜している。
【0090】
図示した実施例では、エッチングによって、ハードマスク部分40,40’の下部に位置するAlNの2つの部分31aおよび31bの間にホール60がもたらされる。
【0091】
上記のように、このホールの壁部は層2の表面2’に垂直な側面32,34である。この方法を用いて、径φが約10μm、より一般的には100nmから100μmの間であり、かつ/または層31を貫通し、層の厚さHに対する径φの比が約1/2以下であるホールを得ることが可能である。
【0092】
既に上記で説明したように、マスク層40の直角の側面26は、成長層4の直角の側面15と整列されていない。
【0093】
従って、層31bの一方の側面36は、基板2の表面2’と垂直でなく、前記表面2’とともに角度αをなすようになる。
【0094】
本発明のさらに別の実施形態を
図6Aから6Dとあわせて説明すると、基板2の表面上にトポロジーが形成され、トポロジーの表面は段差10を有し、表面2’の他の部分に対して上昇した部分4bを画定する。この構成は、当初は一様に平坦な基板をエッチングすることによってもたらされ得る。
【0095】
次いで、上記で説明したように、AlN層31が堆積され(
図6B)、マスク層40の縁部20は縁部10と整列するようにマスク層40が形成され(
図6C)、エッチングが実施される(
図6D)。
【0096】
マスク40(電極となり得る)の縁部20とトポロジー4’bの整列条件によって、層31の側面30が得られ、これは中間層4’bおよびマスク層40の対応する側面と整列される。
【0097】
すなわち、AlN層31の前記側面30は、基板2の表面2’に対して垂直であるかまたは、前記垂直方向に対して数°、例えば±15°未満の角度だけ傾斜している。
【0098】
各側面の斜面は上端部30
1と下端部30
2との間に延在し、対応する上端部および下端部30
1および30
2の対によって画定される。前記端部自体は、段差の上部領域の縁部およびマスク層40の縁部によって画定される。
【0099】
図5Aから5Dおよび6Aから6Dの2つの実施形態では、
部分4a,4’a、4bの上部表面は、表面2’に対して上昇し、200nm程度、より一般的には10nmから1μmの間、または100nmから300nmの間の高さまたは厚さを有することができ、
参照符号7は、先の実施例と同一の機能を有する構造化層または成長層7を指定し、
マスク層40,40’の性質および/または厚さは、先の実施例のものとすることができ、
堆積、エッチング、および整列方法は先の実施例と同一とすることができる。
【0100】
本発明による方法またはデバイスでは、AlN層の直角の側面30,32,34が、基板2の表面上に形成されたトポロジー4a,4’a,4bまたは成長中間層4,4’の縁部によって画定される。
【0101】
トポロジーまたは上昇した表面は、前記と同一の層をエッチングする(
図1A〜1Dの場合)、以前から存在するトポロジー上に前記層を成長させる(
図2A〜2Bの場合)、または基板2をエッチングする(
図5A〜6Dの場合)ことによって得ることができる。
【0102】
AlN層の側面30,32,34の実際の角度は、中間層4,4’の側面およびマスク40,40’の縁部の整列精度によって得られる。各側面30,32,34の傾斜は、ハードマスク40,40’の縁部および成長中間層4,4’またはトポロジー4a,4’a,4bの縁部によって画定される。
【0103】
これらの実施形態はさらに、単一のデバイスにおいて、直角の側面30,32,34を有する部分、および側面36のような1つまたは複数の傾斜した側面を有する1つまたは複数の部分を得ることが可能であることを示す。
【0104】
上記の実施例すべてにおいて、
層31に用いるエッチングは、好ましくは例えば熱リン酸(H
3PO
4)(実質的に100℃から140℃の間の温度)を用いた湿式エッチングであり、かつ/または
当初の基板2は、例えば多層型の不均質な基板、または均一または中実(または「中空」)型の基板とすることができる。
【0105】
マスク部分40,40’の全てまたは一部分を、AlN層のエッチングの後に除去することができる。
【0106】
いずれの実施形態を選択しても、上述の方法によって、過度にエッチングすることなくAlN層中に直角の側面を得ることが可能である。
【0107】
前記方法によってさらに、微細な「隙間」の横方向の寸法が小さなエッチングが可能となり、かつ/または小さな径を有する1つまたは複数の真っ直ぐなホール、すなわちビアホールを形成することが可能となる。