(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207688
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】道路分離構造体
(51)【国際特許分類】
E01F 13/02 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
E01F13/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-150215(P2016-150215)
(22)【出願日】2016年7月29日
(62)【分割の表示】特願2012-53380(P2012-53380)の分割
【原出願日】2012年3月9日
(65)【公開番号】特開2016-183560(P2016-183560A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2016年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090402
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 法明
(72)【発明者】
【氏名】松藤 弘
(72)【発明者】
【氏名】岡田 英之
(72)【発明者】
【氏名】石川 昌克
【審査官】
須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−174587(JP,A)
【文献】
特開2008−019585(JP,A)
【文献】
特開2009−270259(JP,A)
【文献】
特開2007−284952(JP,A)
【文献】
特開平11−247141(JP,A)
【文献】
特開平05−287713(JP,A)
【文献】
特開平08−053817(JP,A)
【文献】
実開平01−150624(JP,U)
【文献】
特開平11−241320(JP,A)
【文献】
特開2011−231579(JP,A)
【文献】
米国特許第7325999(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0159516(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 1/00
E01F 9/00−11/00
E01F 13/00−15/14
E01C 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩道又は車道の長手方向に設置して所定幅の自転車道を区画する断面略台形状で長尺の畦畔体と、該畦畔体の上部に取り付けられた所定高さを有する標識体と、該標識体の基部を該畦畔体の上部に取り付ける取付具とを備え、該畦畔体の上部には該取付具をボルトで取付け固定するための取付穴が長手方向に複数個設けられ、該標識体の基部は該取付具と一体的に連結され、該取付具は該畦畔体の上部の所定位置に該ボルトと該取付穴により取り付けられていることを特徴とする道路分離構造体。
【請求項2】
前記標識体がポール状、柵状のものからなることを特徴とする請求項1に記載の道路分離構造体。
【請求項3】
前記標識体に交通標識が表示されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の道路分離構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩道又は車道から自転車道を区画・分離する道路分離構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路交通法では、歩行者は歩道を歩き、自転車は車道を走ることになっている。しかし、車道には多数の自動車が走っているので、自転車にとって非常に危険である。そこで、歩道を自転車が通行することが特例として認められている。
【0003】
しかし、最近、歩道を通行する自転車の数が増加し、自転車が歩行者に衝突して、歩行者を負傷させる事故が多発している。
【0004】
そこで、自転車が歩行者に衝突する事故を防止するため、
図9に示すように、歩道に柵を長手方向に連続的に設置したり、歩道に細長い略台形状の鋼製ブロック{以下、畦畔体(けいはんたい)という。}を長手方向に連続的に設置して、歩道に自転車道を区画形成することが試みられている。
【0005】
ここで、柵を歩道の長手方向に連続的に設置して自転車道を区画形成する場合は、柵の下部を支える基礎のための工事をすべての柵について行わなければならず、工事が大がかりになり、費用がかかるので、畦畔体を歩道に設置する方法が好まれる。
【0006】
ただ、畦畔体を歩道に設置した場合、足下を良く見ないで歩いている歩行者が、目線の下方に設置されている低い畦畔体の存在を認識することができず、畦畔体につまずいて転んでしまうことがあるという問題がある。
【0007】
また、畦畔体を歩道に設置した場合、自転車に乗っている運転者が、目線の下方に設置されている低い畦畔体の存在を認識することができず、畦畔体に自転車を乗り上げて転んでしまうことがあるという問題がある。
【0008】
そこで、
図10に示すように、畦畔体10と畦畔体10の間に空き地を所々設け、ここに防護柵や標識柱などの標識体12を設置し、歩行者や自転車運転者に標識体12と共に、足下の畦畔体10の存在を認識させるようにしている。
【0009】
しかし、標識体12を設置する際に、この位置に標識体12を設置すれば畦畔体10の存在を歩行者や自転車運転者に最も認識性が高いと考えられる計画をし、標識体12を設置しても、実際に運用してみると畦畔体10の存在を歩行者や自転車運転者に対して効果的に認識させることができないことがある。
【0010】
そして、
図12に示すように、歩行者が畦畔体10につまずいて転んだり、自転車が畦畔体10に乗り上げて転倒するなどの事故を生ずることがあった。このため、標識体12を設置した後でも、標識体12を効果的な場所に移動させる必要性があった。
【0011】
しかし、
図11に示すように、標識体12を移動させるのに適当と思われる場所には畦畔体10が設置されており、標識体12だけを単純に移動させることができず、標識体12の移動を畦畔体10とともに全体の配置として工事をやり直さなければならず、標識体12の位置を変更すると非常にコストが掛かるという問題があった。
【0012】
また、従来のように畦畔体10を設ける方法では、連続的に設置される畦畔体10の途中に標識体12を設置するための空き地を所々設けなければならないが、標識体12の設置状況によっては畦畔体10の長さが不揃いとなり、バランスの悪いデザインとなり、歩道の景観が非常に悪くなるという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】実用新案登録第3158292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、歩行者や自転車運転者に対して畦畔体の存在を認識させる標識体である防護柵や標識柱の位置を容易に変更させることができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、歩道又は自転車道上の畦畔体の存在を歩行者又は自転車運転手が常に認識可能とするため、所定高さを有する標識体を畦畔体の上部に取り付け、移動可能としたことを最も主要な特徴とする。
【0016】
すなわち、本発明に係る道路分離構造体は、歩道又は車道の長手方向に設置して所定幅の自転車道を区画する略台形状の畦畔体と、該畦畔体の上部に取り付けられた所定高さを有する標識体と、該標識体の基部を該畦畔体に固定する取付具とを備え、該取付具は該畦畔体の任意の長手方向位置に取り付け可能になっていることを特徴とする。
【0017】
ここで、前記取付具は前記畦畔体に摺動可能に取り付けられていてもよい。このような取付具としては、前記畦畔体の上部及び側部と略同一の断面形状を有する上部カバー部材と、前記畦畔体の下縁部に係合する一対の断面略L字形の係合部材と、該係合部材を該上部カバー部材の側部に連結させるボルトとで構成したものを挙げることができる。
【0018】
また、このような取付具として、前記畦畔体の上部に長手方向に沿って形成された断面略コ字状の溝と、該溝内に摺動可能に挿入された取付具とを備え、該溝は側部に長手方向に沿って嵌合溝又は嵌合スリットを有し、該取付具は所望位置で回転させることにより該嵌合溝又は嵌合スリットに嵌合できるようにしたものでもよい。
【0019】
また、前記畦畔体の上部に前記取付具を取り付けるための取付穴を長手方向に複数個設けるようにしてもよい。
【0020】
また、前記取付具を前記畦畔体の長手方向に移動させる直線駆動機構を設けてもよい。直線駆動機構としては、ラック・アンド・ピニオン、ウォームラック、チェーン、ねじ軸、ボール・ナット等を使用した機構を採用することができる。
【0021】
また、前記標識体に交通標識を表示してもよいし、前記標識体に反射テープ又は反射板を取り付けるようにしてもよい。また、前記畦畔体、前記標識体及び前記取付具の全部又は一部に光を反射する反射塗料を被覆してもよい。
【0022】
また、前記標識体に、太陽電池と、該太陽電池によって作られた電気を蓄える蓄電池と、該蓄電池に蓄えられた電気によって発光する発光体とが取り付けられていてもよい。
【0023】
また、前記標識体としてポール状、柵状のものを使用することができる。前記畦畔体の側部を潤滑性の良い材料によって被覆又は形成してもよい。
【0024】
また、前記標識体にロープやベルトの端部を係合させる係合部を設けても良いし、前記標識体にロープやベルトを内蔵させてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、畦畔体の上部に所定高さを有する標識体が設けられているので、歩行者や自転車運転者が標識体を見ることによって標識体の下方に畦畔体が設置されていることを認識し、畦畔体につまづいて転んだり、畦畔体に接触しないように気を付け、従って、歩行者が畦畔体につまずいて転ぶ事故が防止され、自転車が畦畔体に接触して転倒する事故が防止される。
【0026】
また、本発明は、取付具が畦畔体に摺動可能に取り付けられている場合、標識体を畦畔体の所望の位置に容易に移動させることができ、場合によっては、標識体を一ヶ所に集めて歩道をイベントスペースなどとして用いることができる。
【0027】
また、本発明は、畦畔体を連続的に設置することができ、認識性を確認後、標識体(防護柵、標識柱、標識板)の付け替えが可能で、標識体などを設置状況に合わせて配置することができ、自転車道全体として連続性のあるデザインとすることができる。
【0028】
また、本発明は、取付具が、畦畔体の上部及び側部と略同一の断面形状を有する上部カバー部材と、畦畔体の下縁部に係合する一対の断面略L字形の係合部材と、係合部材を上部カバー部材の側部に連結させるボルトとからなる場合、畦畔体に取付具を挟み込むように取り付けることができ、従って、標識体を畦畔体の所望の位置に容易に取り付けることができる。
【0029】
すなわち、専用のL字金物を使用し畦畔体の下部に金物を差し込む構造のため、畦畔体と防護柵等をほぼ一体化的に、しっかりした取付強度で取り付けることができ、しかも、畦畔体に取付具を被せる形式のため、畦畔体がある位置ならば、何処にでも設置することができる。
【0030】
また、本発明は、標識体の設置が簡易で、標識体の取り外しも容易に行うことができるので、道路分離用構造体の施工性が向上し、従来のように、標識体(防護柵、標識柱、標識板)を歩道に埋め込むための特別な施工管理などが必要ない。
【0031】
また、本発明は、畦畔体の上部に長手方向に沿って形成された断面略コ字状の溝と、該溝内に摺動可能に挿入された取付具とを備え、該溝は側部に長手方向に沿って嵌合溝又は嵌合スリットを有し、該取付具は所望位置で回転させることにより該嵌合溝又は嵌合スリットに嵌合可能になっている場合、取付具が畦畔体の上部に設けられた溝に摺動可能で、且つ所望位置で嵌合可能なので、標識体を畦畔体の所望の位置に容易に取り付けることができるという効果がある。
【0032】
また、本発明は、畦畔体の上部に取付具を取り付けるための取付穴が長手方向に複数個設けられている場合、畦畔体の所望の位置に標識体を取り付けることができるという効果がある。
【0033】
また、本発明は、取付具を畦畔体の長手方向に移動させる直線駆動機構を有している場合、標識体を畦畔体の所望の位置に容易に移動させることができるという効果がある。
【0034】
また、本発明は、標識体に交通標識が表示されている場合、歩道及び自転車道が歩行者及び自転車により混乱なく利用され、自転車が歩行者に衝突する事故を更に防止することができるという効果がある。
【0035】
また、本発明は、標識体に、太陽電池と、該太陽電池によって作られた電気を蓄える蓄電池と、該蓄電池に蓄えられた電気によって発光する発光体とが取り付けられている場合、暗がりの中で標識体や畦畔体を自転車の運転者や歩行者に認識させ、自転車の運転者や歩行者が標識体や畦畔体にぶつかる事故を防止することができるという効果がある。
【0036】
また、本発明は、標識体に反射テープ又は反射板が取り付けられている場合、暗がりの中で標識体や畦畔体を自転車の運転者に認識させ、自転車の運転者が標識体や畦畔体にぶつかる事故を防止することができるという効果がある。
【0037】
また、本発明は、畦畔体、標識体及び取付具の全部又は一部に光を反射する反射塗料が被覆されているので、暗がりの中で標識体や畦畔体を自転車の運転者や歩行者に認識させ、自転車の運転者や歩行者が標識体や畦畔体にぶつかる事故を防止することができるという効果がある。
【0038】
また、本発明は、畦畔体の側部が潤滑性の良い材料によって被覆又は構成されているので、畦畔体に接触した自転車を道路の中央方向に滑らかに戻すことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1はポールタイプの標識体を取り付けた道路分離構造体(部分)の斜視図である。
【
図2】
図2はポールタイプの標識体を取り付けた道路分離構造体(部分)の断面図である。
【
図3】
図3はポールタイプの標識体を取り付けた道路分離構造体(部分)の側面図である。
【
図4】
図4は柵タイプの標識体を取り付けた道路分離構造体(部分)の斜視図である。
【
図5】
図5は上部に交通標識が取り付けられ、下部に取付具が取り付けられたポールタイプの標識体の斜視図である。
【
図6】
図6は畦畔体の上部に設けた溝に取付具を標識体とともに取り付ける様子を示す説明図である。
【
図7】
図7は畦畔体の上部に設けた溝に取付具を標識体とともに取り付ける様子を示す断面図である。
【
図8】
図8は畦畔体の上部に設けた穴に取付具を標識体とともに取り付ける様子を示す説明図である。
【
図9】
図9は従来の道路分離構造体の一例の説明図である。
【
図10】
図10は従来の道路分離構造体の他の例の説明図である。
【
図11】
図11は従来の道路分離構造体の問題点の一例を説明するための説明図である。
【
図12】
図12は従来の道路分離構造体の問題点の他の例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
歩行者や自転車運転者に対して畦畔体の存在を認識させるための防護柵や標識柱の位置を容易に変更できるようにするという目的を、簡単な構成で、畦畔体の強度を損なわずに実現した。
【実施例1】
【0041】
図1はポールタイプの標識体を取り付けた道路分離構造体(部分)の斜視図、
図2はポールタイプの標識体を取り付けた道路分離構造体(部分)の断面図、
図3はポールタイプの標識体を取り付けた道路分離構造体(部分)の側面図である。
【0042】
これらの図に示すように、道路分離構造体は、歩道又は車道の長手方向に設置して所定幅の自転車道を区画する略台形状の畦畔体10と、畦畔体10の上部に取り付けられた所定高さを有する標識体12と、標識体12の基部を畦畔体10に固定する取付具14とにより構成されている。
【0043】
畦畔体10は長尺の略台形状の鋼製ブロックからなり、断面形状は上部が台形で下部が矩形になっている。畦畔体10の両端部の裏面には短尺の足部(図示せず)が各々設けられ、畦畔体10の中間部の底面が道路の表面から少し浮き上がるようになっていて、道路の表面の不陸に対応できるようになっている。
【0044】
標識体12は、ポールタイプのものに限らず、
図4に示すような柵タイプのものでもよい。標識体12には、
図5に示すように、交通標識を表示してもよいし、標識体12に反射テープや反射板を取り付けるようにしてもよい。
【0045】
取付具14は、畦畔体10の上部及び側部と略同一の断面形状を有する上部カバー部材16と、畦畔体10の下縁部に係合する一対の断面略L字形の係合部材18と、係合部材18を上部カバー部材16の側部に連結させるボルト20とにより構成されている。取付具14は畦畔体10に対して摺動可能で、畦畔体10の任意の長手方向位置に固定できるようになっている。
【0046】
係合部材18には取付穴22が設けられ、上部カバー部材16の側部にはねじ穴24が設けられ、係合部材18の取付穴22を通して上部カバー部材16の側部のねじ穴24にボルト20をねじ込むことにより、上部カバー部材16の側部に係合部材18が固定されている。
【0047】
なお、畦畔体10及び標識体12の材料としては、強度・耐久性の点で鋼製のものを挙げることができるが、木製、コンクリート製、その他いかなる材料のものでもよい。また、畦畔体10及び標識体12の側部を潤滑性の良い材料によって被覆又は形成するようにしてもよい。
【0048】
また、畦畔体10の内部に取付具14を畦畔体10の長手方向に移動させるための直線駆動機構を設けてもよい。直線駆動機構としては、ラック・アンド・ピニオン、ウォームラック、チェーン、ねじ軸、ボール・ナットを使用した機構を採用することができる。
【0049】
また、畦畔体10の内部は空洞になっているが、場合によっては、畦畔体10を設置した後、図示しないがこの空洞内にコンクリート、土等を充填し、若しくは、水を入れた容器を格納して畦畔体10を重くし、設置された畦畔体10が移動し難くなるようにしてもよい。
【0050】
また、畦畔体10、標識体12及び取付具14の全部又は一部に光を反射する反射塗料を被覆するようにしてもよい。また、標識体12に、太陽電池と、太陽電池によって作られた電気を蓄える蓄電池と、蓄電池に蓄えられた電気によって発光する発光体とを取り付けてもよい。
【0051】
また、標識体12にロープやベルトの端部を係合させる係合部を設けてもよいし、ロープやベルトを内蔵させてもよい。
【0052】
この道路分離構造体は次のようにして設置し、その標識体の取付位置を調整することができる。
【0053】
まず、歩道又は車道に自転車が通れる程度の幅を空けて畦畔体10を連続的に設置する。次に、畦畔体10の、標識体12を設置したい位置に上部カバー部材16を被せ、この位置で畦畔体10の下縁部に係合部材18を係合させ、この状態で係合部材18の取付穴22を通して上部カバー部材16の側部のねじ穴24にボルト20をねじ込む。
【0054】
ボルト20の先端部がねじ穴24を貫通して畦畔体10の側部に当接するまでボルト20を締めると、上部カバー部材16の側部と係合部材18がボルト20によって固定されるとともに、畦畔体10の所望位置に取付具14が標識体12とともに固定される。
【0055】
この道路分離構造体を設置した後、標識体12の位置を調整する必要が出てきた場合は、ボルト20を緩め、この状態で取付具14を標識体12とともに所望の位置まで摺動させ、ここでボルト20を締め、取付具14を標識体12とともに畦畔体10に固定する。
【実施例2】
【0056】
図6は畦畔体10の上部に設けた溝に取付具を標識体とともに取り付ける様子を示す説明図、
図7は畦畔体の上部に設けた溝に取付具を標識体とともに取り付ける様子を示す断面図である。
【0057】
これらの図に示すように、畦畔体10の上部に長手方向に沿って形成された断面略コ字状の溝26と、溝26内に摺動可能に挿入された取付具14とを備え、溝26は側部に長手方向に沿って嵌合溝28又は嵌合スリット30を有し、取付具14は所望位置で回転させることにより嵌合溝28又は嵌合スリット30に嵌合できるようになっている。
【0058】
標識体12を移動させる必要がある場合は、取付具14を回転させて取付具14の方向を溝26の方向と略平行にし、この状態で取付具14を所望位置まで移動(摺動)させ、この位置で取付具14を回転させる。取付具14を回転させると、取付具14の一部が溝26の嵌合溝28に嵌合し、取付具14の他の一部が嵌合スリット30に嵌合し、取付具14が標識体12とともにその位置で固定される。
【実施例3】
【0059】
図8は畦畔体の上部に設けた穴に取付具を標識体とともに取り付ける様子を示す説明図である。この実施例では、畦畔体10の上部に取付具14を取り付けるための取付穴32が長手方向に複数個設けられている。
【0060】
標識体12を移動させる必要がある場合は、取付具14からボルト20を外し、取付具14を標識体12とともに所望位置まで移動させ、この位置で取付具14及び取付穴32にボルト20を取り付ける。取付具14は標識体12とともにその位置で固定される。
【産業上の利用可能性】
【0061】
この構造体をグラウンドの適宜位置に設置することにより、グラウンドをサッカー、野球、ラグビー、トラック競技等に適した競技場に仕切る用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0062】
10 畦畔体
12 標識体
14 取付具
16 上部カバー部
18 係合部材
20 ボルト
22 取付穴
24 ねじ穴
26 溝
28 嵌合溝
30 嵌合スリット
32 取付穴