(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207740
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】リッチリーン燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23D 14/08 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
F23D14/08 C
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-529962(P2016-529962)
(86)(22)【出願日】2014年11月13日
(65)【公表番号】特表2016-536553(P2016-536553A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】KR2014010887
(87)【国際公開番号】WO2015072759
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2016年5月12日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0138781
(32)【優先日】2013年11月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506278727
【氏名又は名称】キュンドン ナビエン シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】キム、スンキ
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ミョンギ
【審査官】
藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−071109(JP,A)
【文献】
特開2002−115817(JP,A)
【文献】
特開2003−254513(JP,A)
【文献】
特開2007−064503(JP,A)
【文献】
特開平07−019424(JP,A)
【文献】
特開平06−257721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 14/08
F23C 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向するように設けられ、それらの間の濃厚混合気流路(173)を介して濃厚混合気が流れる第1プレート(110)及び第2プレート(120)と、前記第2プレート(120)との間に形成される希薄混合気流路(176)を介して希薄混合気が流れるように設けられる第3プレート(130)と、前記濃厚混合気を燃焼させる第1炎孔部材(140)と、前記希薄混合気を燃焼させる第2炎孔部材(150)とを備え、
前記第1プレート(110)と第2プレート(120)との間には、送風器(300)から供給される空気のうち一部とノズル(710)から噴射される燃料ガスが導入される混合気流入口(161)と、前記混合気流入口(161)を介して流入される濃厚混合気が前記濃厚混合気流路(173)に流れるようにする混合気流路導入部(171)及び混合気流路拡散部(172)と、前記送風器(300)から供給される空気のうち残りが導入される空気流入口(162)と、前記空気流入口(162)を介して流入される空気が流れる空気流路導入部(174)が形成され、
前記第2プレート(120)には、前記空気流路導入部(174)の空気が前記第2プレート(120)と第3プレート(130)との間に形成される空気流路(175)に噴出されるように貫通する複数の空気通孔(121)と、前記混合気流路拡散部(172)を通過した混合気の一部が前記希薄混合気流路(176)に噴出されるように貫通する複数の分配孔(122)とが形成され、
前記第2炎孔部材(150)は、複数の炎孔プレート(152)の一部分が互いに離隔して第2炎孔(151)を形成し、前記第3プレート(130)に当接する面が凹設される複数の上部溝(153)と、前記上部溝(153)から下側に離隔して凹設される複数の下部溝(154)とよりなり、前記第3プレート(130)には、前記上部溝(153)に挿入されるように突出する上部エンボシング(131)と、前記下部溝(154)に挿入されるように突出する下部エンボシング(132)がそれぞれ複数個形成され、前記第2炎孔部材(150)は、前記第2プレート(120)と第3プレート(130)との間に介在され、前記上部溝(153)と上部エンボシング(131)、前記下部溝(154)と下部エンボシング(132)の挿入結合によって固定されることを特徴とする、
リッチリーン燃焼装置。
【請求項2】
前記空気流路導入部(174)は、一側の前記空気流入口(162)から水平方向に延長し、他側は、空気の流れが遮られるように形成され、前記空気通孔(121)は、前記空気流路導入部(174)の長さ方向に沿って複数個が離隔して形成されることを特徴とする請求項1に記載のリッチリーン燃焼装置。
【請求項3】
前記第1プレート(110)及び第2プレート(120)は、スチール材質であって、その表面にアルミニウムコーティングが施され、前記第3プレート(130)と第1炎孔部材(140)及び第2炎孔部材(150)は、ステンレス材質であることを特徴とする請求項1に記載のリッチリーン燃焼装置。
【請求項4】
前記上部溝(153)は、上向きに開放され、下向きに閉塞される形状よりなり、前記下部溝(154)は、上向きに閉塞され、下向きに開放される形状よりなることを特徴とする請求項1に記載のリッチリーン燃焼装置。
【請求項5】
互いに対向するように設けられ、それらの間の濃厚混合気流路(173)を介して濃厚混合気が流れる第1プレート(110)及び第2プレート(120)と、前記第2プレート(120)との間に形成される希薄混合気流路(176)を介して希薄混合気が流れるように設けられる第3プレート(130)と、前記濃厚混合気を燃焼させる第1炎孔部材(140)と、前記希薄混合気を燃焼させる第2炎孔部材(150)とを備え、
前記第1プレート(110)と第2プレート(120)との間には、送風器(300)から供給される空気のうち一部とノズル(710)から噴射される燃料ガスが導入される混合気流入口(161)と、前記混合気流入口(161)を介して流入される濃厚混合気が前記濃厚混合気流路(173)に流れるようにする混合気流路導入部(171)及び混合気流路拡散部(172)と、前記送風器(300)から供給される空気のうち残りが導入される空気流入口(162)と、前記空気流入口(162)を介して流入される空気が流れる空気流路導入部(174)が形成され、
前記第2プレート(120)には、前記空気流路導入部(174)の空気が前記第2プレート(120)と第3プレート(130)との間に形成される空気流路(175)に噴出されるように貫通する複数の空気通孔(121)と、前記混合気流路拡散部(172)を通過した混合気の一部が前記希薄混合気流路(176)に噴出されるように貫通する複数の分配孔(122)とが形成され、
前記空気流路導入部(174)は、一側の前記空気流入口(162)から水平方向に延長し、他側は、空気の流れが遮られるように形成され、前記空気通孔(121)は、前記空気流路導入部(174)の長さ方向に沿って複数個が離隔して形成され、
前記第3プレート(130)には、前記分配孔(122)に対応する位置に前記分配孔(122)の方向に凹設される凹部(133)が形成されることを特徴とする、リッチリーン燃焼装置。
【請求項6】
前記第3プレート(130)には、前記凹部(133)の下部に前記空気通孔(121)を介して噴出される空気を水平方向に分散させるための少なくとも1つの分散エンボシングが形成されることを特徴とする請求項5に記載のリッチリーン燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッチリーン燃焼装置に関し、より詳細には、隣り合う一対の炎孔でリッチ燃焼とリーン燃焼が同時に行われることによって、NOxの発生量を低減させる一方で、燃焼に必要な燃料及び空気を炎孔に均一に供給することができるリッチリーン燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、気体燃料の燃焼方式には、ガス燃料と燃焼用空気をあらかじめ混合した後、燃焼室に供給する予混合燃焼と、燃料と空気を別に供給する拡散燃焼と、予混合燃焼と拡散燃焼方式を混合した部分予混合燃焼がある。
【0003】
前記部分予混合燃焼は、ブンゼンバーナーによって行われる燃焼を称し、前記ブンゼンバーナーは、供給される空気の一部である1次空気と燃料とをあらかじめ混合して供給し、これとは別に、2次空気を火炎発生部分に供給して、完全燃焼を誘導するものである。従来の家庭用ガスボイラーなどの燃焼機器には、火炎安定性と逆火現象などが発生する危険性が少ないという長所を理由として、ブンゼンバーナーを主に採用している。
【0004】
しかし、ブンゼンバーナーは、構造的にバーナーの火炎が長くて、火炎の温度が高いだけでなく、燃焼に必要な空気量が理論空気量に比べて多い過剰空気が必要であるから、高温の排気ガスによる熱損失とNOx及びCOの排出量が多いため、燃焼機器の効率極大化と公害物質の低減化に限界性を持っていた。
【0005】
このようなNOxの発生量を低減する燃焼方法の1つとして、リッチ−リーン燃焼(Rich−lean combustion)が知られている。
【0006】
リッチ−リーン燃焼は、予混合燃焼において火炎の温度が最も高い燃料と空気の過剰空気比が1である条件を避けて、過剰空気比が低いリッチ燃焼(fuel rich)と過剰空気比が高いリーン燃焼(fuel lean)を同時に形成し、火炎の温度を低めることによって、NOxの発生量を低める一方で、リーン燃焼時に発生し得る火炎の飛ばしなどの不安全現象を、リッチ燃焼による火炎が安定に維持させる役目をする。
【0007】
このようなリッチ−リーン燃焼方式の燃焼装置の一例として、韓国登録特許第965277号が公開されている。
【0008】
しかしながら、韓国登録特許第965277号に開示された燃焼装置は、濃厚混合気及び希薄混合気を供給するためのノズルがそれぞれ設けられていて、構成部品が多いため、構造が複雑であり、送風器から供給される空気の一部は、仕切り板に形成される孔を介して供給されるようになっていて、空気の供給が一定でないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述したような諸問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、1つのノズルだけで濃厚混合気及び希薄混合気をそれぞれ供給することができ、送風器から供給される空気を均一に供給することができるリッチリーン燃焼装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、火炎に露出する部品と露出しない部品の材質を相異にすることによって、製造コストを節減できるリッチリーン燃焼装置を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、バーナー本体を構成するプレートと炎孔部材を結合するに際して、簡単な構成によって構成部品間の間隔を一定に維持できるリッチリーン燃焼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した問題点を解決するための本発明のリッチリーン燃焼装置は、互いに対向するように設けられ、それらの間の濃厚混合気流路173を介して濃厚混合気が流れる第1プレート110及び第2プレート120と、前記第2プレート120との間に形成される希薄混合気流路176を介して希薄混合気が流れるように設けられる第3プレート130と、前記濃厚混合気を燃焼させる第1炎孔部材140と、前記希薄混合気を燃焼させる第2炎孔部材150とを備える。
前記第1プレート110と第2プレート120との間には、送風器300から供給される空気のうち一部とノズル710から噴射される燃料ガスが導入される混合気流入口161と、前記混合気流入口161を介して流入される濃厚混合気が前記濃厚混合気流路173に流れるようにする混合気流路導入部171及び混合気流路拡散部172と、前記送風器300から供給される空気のうち残りが導入される空気流入口162と、前記空気流入口162を介して流入される空気が流れる空気流路導入部174が形成され、前記第2プレート120には、前記空気流路導入部174の空気が前記第2プレート120と第3プレート130との間に形成される空気流路175に噴出されるように貫通する複数の空気通孔121と、前記混合気流路拡散部172を通過した混合気の一部が前記希薄混合気流路176に噴出されるように貫通する複数の分配孔122とが形成される。
【0013】
前記空気流路導入部174は、一側の前記空気流入口162から水平方向に延長し、他側は、空気の流れが遮られるように形成され、前記空気通孔121は、前記空気流路導入部174の長さ方向に沿って複数個が離隔して形成されることを特徴とする。
【0014】
前記第1プレート110及び第2プレート120は、スチール材質であって、その表面にアルミニウムコーティングが施され、前記第3プレート130と第1炎孔部材140及び第2炎孔部材150は、ステンレス材質であることを特徴とする。
【0015】
前記第2炎孔部材150は、複数の炎孔プレート152の一部分が互いに離隔して第2炎孔151を形成し、前記第3プレート130に当接する面が凹設される複数の上部溝153と、前記上部溝153から下側に離隔して凹設される複数の下部溝154とよりなり、前記第3プレート130には、前記上部溝153に挿入されるように突出する上部エンボシング131と、前記下部溝154に挿入されるように突出する下部エンボシング132がそれぞれ複数個形成され、前記第2炎孔部材150は、前記第2プレート120と第3プレート130との間に介在され、前記上部溝153と上部エンボシング131、前記下部溝154と下部エンボシング132の挿入結合によって固定されることを特徴とする。
【0016】
前記上部溝153は、上向きに開放され、下向きに閉塞される形状よりなり、前記下部溝154は、上向きに閉塞され、下向きに開放される形状よりなることを特徴とする。
【0017】
前記第3プレート130には、前記分配孔122に対応する位置に前記分配孔122の方向に凹設される凹部133が形成されることを特徴とする。
【0018】
前記第3プレート130には、前記凹部133の下部に前記空気通孔121を介して噴出される空気を水平方向に分散させるための少なくとも1つの分散エンボシングが形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のリッチリーン燃焼装置によれば、1つのノズルから供給される燃料ガスによりリッチ燃焼とリーン燃焼を具現することができ、構成部品の個数を簡単にすることができる。
【0020】
また、バーナー本体のうち火炎に露出する部品は、耐食性に強いステンレス材質で構成し、火炎に露出しない部品は、スチール材質にアルミニウムコーティングを施すことによって、部品の製造コストを節減することができる。
【0021】
また、バーナー本体を構成する複数のプレートと炎孔部材との間に、溝とエンボシングによる結合が達成されるようにして、簡単な構成によって構成部品間の間隔が一定に結合されるようにすることができる。
【0022】
また、第3プレートに凹部と分散エンボシングを形成することによって、混合気の混合が均一に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の燃焼装置が結合された状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1の燃焼装置が分解された状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1の燃焼装置においてバーナー組立体とガスノズル組立体が分解された状態を示す斜視図である。
【
図4】
図1の燃焼装置においてバーナー組立体とガスノズル組立体が結合された状態を示す斜視図である。
【
図6】
図5のバーナー本体が分解された状態を示す斜視図である。
【
図8】
図1の燃焼装置において燃料ガスと空気がバーナー本体に流入されて流動する過程を示す図である。
【
図9(a)】
図1の燃焼装置において第1、第2炎孔部材が第1、第2、第3プレートに結合された状態を示す斜視図である。
【
図9(b)】
図1の燃焼装置において第2炎孔部材が分解された状態を示す斜視図である。
【
図10】第2プレートと第3プレートとの間の空間を流動する空気の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態に対する構成及び作用を詳しく説明する。
【0025】
図1は、本発明の燃焼装置が結合された状態を示す斜視図であり、
図2は、
図1の燃焼装置が分解された状態を示す斜視図であり、
図3は、
図1の燃焼装置でバーナー組立体とガスノズル組立体が分解された状態を示す斜視図であり、
図4は、
図1の燃焼装置でバーナー組立体とガスノズル組立体が結合された状態を示す斜視図である。
【0026】
本発明の燃焼装置1は、複数のバーナー本体100と、前記バーナー本体100の前後方でバーナー本体100を支持するためのバーナーベース210及びバーナーカバー220よりなるバーナー組立体200と、前記バーナー本体100に燃焼用空気を供給するための送風器300と、前記バーナー組立体200の上部に設けられ、前記バーナー本体100で燃焼によって生成される燃焼ガスの熱交換が行われる熱交換器組立体400と、前記バーナー組立体200が内部に収容され、底面には前記送風器300が結合され、前記バーナー組立体200の上側空間で燃焼が行われる燃焼空間を提供する燃焼室胴体500と、前記燃焼室胴体500の開放された一側面に結合されるカーバー組立体600と、前記バーナー本体100に燃料ガスを供給するためのノズル710が設けられ、前記カーバー組立体600の下側に結合されるガスノズル組立体700とで構成される。
【0027】
前記バーナー本体100は、複数個が隣接するように設けられ、当該内部空間を流動する混合気を燃焼させて火炎を生成する炎孔部材140、150(
図5)が上端部に設けられる。
【0028】
前記バーナーベース210は、断面形状が略「L」字形状を呈し、前記バーナー本体100の前方側の端部を支持する側板213と、バーナー本体100の下端部を支持する底板214とよりなり、前記バーナーカバー220は、前記バーナー本体100の後方側の端部が結合されて支持される。
【0029】
前記側板213には、前記バーナー本体100の混合気流入口161に対応する位置に形成され、ノズル710から噴射される燃料ガスと送風器300から供給される空気の一部とが混合して流入されるように、水平方向に離隔して複数個形成される第1流入孔211と、前記バーナー本体100の空気流入口162に対応する位置に形成され、送風器300から供給される空気の残りが流入されるように、水平方向に離隔して複数個形成される第2流入孔212が形成されている。
【0030】
前記ガスノズル組立体700は、前記側板213の第1流入孔211と第2流入孔212を覆うように位置し、且つ前記複数の第1流入孔211と同じ個数のノズル710が水平方向に離隔して設けられる。
【0031】
前記送風器300は、前記燃焼室胴体500の底面に結合され、送風器300から供給される空気は、送風器の出口310を介してバーナー組立体200のバーナーベース210の底面の下側空間に流入される。
【0032】
図5は、本発明のバーナー本体を示す斜視図であり、
図6は、
図5のバーナー本体が分解された状態を示す斜視図であり、
図7は、
図5のA−A断面図であり、
図8は、
図1の燃焼装置において燃料ガスと空気がバーナー本体に流入されて流動する過程を示す図であり、
図9(a)及び
図9(b)は、
図1の燃焼装置において第1、第2炎孔部材が第1、第2、第3プレートに結合された状態を示す斜視図及び第2炎孔部材が分解された状態を示す斜視図であり、
図10は、第2プレートと第3プレートとの間の空間を流動する空気の流れを示す図である。
以下、
図5〜
図10を参照して本発明のバーナー本体の構成及び混合気の流動経路について説明する。
【0033】
バーナー本体100は、互いに対向するように設けられ、それらの間の空間を介して濃厚混合気が流れる第1プレート110及び第2プレート120と、前記第2プレート120との間の空間を介して希薄混合気が流れるように設けられる第3プレート130と、前記濃厚混合気を燃焼させる第1炎孔部材140と、前記希薄混合気を燃焼させる第2炎孔部材150とを備える。
【0034】
前記第1プレート110及び第2プレート120は、混合気及び空気が流れる流路部分が、外側方向に突出して互いに接触しないように成形される。混合気及び空気が流れない部分は、閉塞されるように、互いに接触するように成形された薄板であって、端部が互いに結合され、上端部には、第1炎孔部材140が設けられる。
【0035】
前記第1プレート110と第2プレート120との間に形成され、濃厚混合気が流れる流路は、ノズル710から噴射される燃料ガスと送風器300から供給される空気の一部が流入される混合気流入口161と、前記混合気流入口161を介して流入される濃厚混合気が流れるようにするために、水平方向に延長する混合気流路導入部171と、前記混合気流路導入部171から上向きに延長し、断面積が上向きに行くほど広くなる混合気流路拡散部172と、前記混合気流路拡散部172の上側に延長し、前記第1炎孔部材140に濃厚混合気を供給する濃厚混合気流路173とで構成される。
【0036】
前記混合気流路拡散部172を通過した濃厚混合気のうち一部は、前記第2プレート120の幅方向に一定の間隔をもって離隔して形成される複数の分配孔122を介して第2プレート120と第3プレート130との間の空間に噴出される。
【0037】
また、前記第1プレート110と第2プレート120との間に形成され、希薄混合気を形成するための流路は、前記混合気流入口161の下側に形成され、前記送風器300から供給される空気の残りが流入される空気流入口162と、前記空気流入口162を介して流入される空気が流れるように、水平方向に延長する空気流路導入部174と、前記空気流路導入部174に流入される空気が前記第2プレート120と第3プレート130との間の空間に噴出されるように、前記空気流路導入部174の長さ方向に沿って前記第2プレート120に貫通形成される複数の空気通孔121と、前記空気通孔121を介して噴出される空気が上向きに流れるように形成される空気流路175と、前記空気流路175の上側に延長し、第2炎孔部材150に希薄混合気を供給するための希薄混合気流路176とで構成される。
【0038】
このような構成による燃焼装置において燃料ガスと空気の流動経路を説明すると、送風器300から供給される空気は、バーナーベース210下部の空間に流入された後、前記混合気流入口161と空気流入口162に向けて水平方向に流動した後、混合気流入口161と空気流入口162を介して分散してバーナー本体100の内部に流入される。
ノズル710から噴射される燃料空気は、前記混合気流入口161を介して流入される空気と混合され、混合気流路導入部171、混合気流路拡散部172、濃厚混合気流路173を順次経由した後、第1炎孔部材140の第1炎孔141を介して噴出されながらリッチ燃焼が行われる。
【0039】
また、前記空気流入口162を介して空気流路導入部174に流入される空気は、空気通孔121を介して噴出されて空気流路175を介して流動する。
前記空気流路175を介して流動する空気は、前記複数の分配孔122を介して噴出される混合気と混合され、かくして生成される希薄混合気は、第2炎孔部材150の第2炎孔151を介して噴出されながらリーン燃焼が行われる。
【0040】
このように本発明は、2個のノズルを使用する必要がなく、1つのノズル710だけでリッチ燃焼とリーン燃焼を同時に具現することができ、燃焼装置の構造を簡単にすることができる。
【0041】
また、従来技術の場合、送風器から供給される空気の一部は、仕切り板(本願発明のバーナーベースに対応する)に形成される孔を介して上向きに供給されるが、この場合、空気を複数のバーナー本体に均一に供給するか、または1つのバーナー本体でも前方及び後方に均一に供給するために、各孔のサイズを相異に設計しなければならないが、仕切り板の全体面積に形成されるすべての孔に対するサイズを個別に設定することは非常に難しいという問題点があった。
【0042】
これに対し、本願発明は、送風器出口310を介して供給される空気は、バーナーベース210下部の空間に沿って拡散した後、空気流入口162を介して空気流路導入部174に流入され、前記空気流路導入部174の空気は、空気通孔121を介して空気流路175に噴出される。このため、空気流入口162と空気通孔121で空気の通過量が制限され、複数のバーナー本体100各々に空気の供給が均一に行われ、空気流路導入部174の長さ方向に沿って複数の空気通孔121を介して噴出される空気量が均一になって、第2炎孔部材150の前方及び後方に空気の供給が均一に行われる。この場合、空気の供給量の調節は、1つの空気流入口162のサイズだけを調節すればよいので、設計容易性が向上する。
【0043】
なお、リッチ燃焼が行われる第1炎孔部材140とリーン燃焼が行われる第2炎孔部材150に供給される混合気の比率は、2:8程度であって、第2炎孔部材150に多くの混合気が供給されるので、第2炎孔部材150の炎孔面で形成される火炎が、第1炎孔部材140で形成される火炎に比べて非常に大きくなる。
【0044】
したがって、第3プレート130と第1炎孔部材140及び第2炎孔部材150は、耐食性を向上させるために、ステンレス材質で構成し、バーナー本体100を構成する部品のうち、火炎のサイズが小さくて、火炎に直接接触しない第1プレート110及び第2プレート120は、スチール材質のプレート表面にアルミニウムコーティングが施されたものを使用することによって、製造コストを節減することができる。
【0045】
図6と
図7を参照する。第3プレート130には、前記分配孔122に対応する位置に前記分配孔122の方向に凹設される凹部133が形成されていて、第2プレート120と第3プレート130との間の間隔は、前記分配孔122が形成された部分において狭くなる。
【0046】
もし第2プレート120と第3プレート130との間の間隔が広くなれば、第2炎孔部材150に供給される混合気が第3プレート130側に偏るようになり、前記のように、凹部133が形成され、第2プレート120と第3プレート130との間の間隔が狭くなれば、混合気が第2炎孔部材150に均一に供給される。
【0047】
また、
図9を参照する。第2炎孔部材150は、第3プレート130に当接する面150aに凹設される複数の上部溝153と、前記上部溝153から下側に離隔して凹設される複数の下部溝154が形成されており、前記第3プレート130には、前記上部溝153に挿入されるように突出する上部エンボシング131と、前記下部溝154に挿入されるように突出する下部エンボシング132がそれぞれ複数個形成されている。
【0048】
前記上部溝153は、上方向が開放され、下方向が閉塞される形状よりなり、前記下部溝154は、上方向が閉塞され、下方向が開放される形状よりなる。
【0049】
前記第2炎孔部材150は、前記第2プレート120と第3プレート130との間に介在され、前記上部溝153に上部エンボシング131を挿入し、前記下部溝154に下部エンボシング132を挿入することによって、第2炎孔部材150が第2プレート120と第3プレート130との間で固定結合される。この場合、上部溝153は、上向きに開放され、下部溝154は、下向きに開放される形状よりなるので、組立が容易になる。
【0050】
このような構成によれば、簡単な構成によって第2炎孔部材150と第2プレート120及び第3プレート130が結合され、製造費用を節減することができ、第2炎孔部材150と第2プレート120及び第3プレート130の間の間隔を一定に維持することができる。
【0051】
なお、
図6、
図7、
図10を参照する。第3プレート130には、前記凹部133の下部に第2プレート120の方向に凹設される第1分散エンボシング134と第2分散エンボシング135が形成されている。
【0052】
したがって、前記空気通孔121を介して噴出される空気は、前記第1分散エンボシング134と第2分散エンボシング135によって水平方向に分散した後、空気流路175を介して上向きに流動するので、分配孔122を介して流入される混合気と一定の比率で均一に混合される。
【0053】
以上説明した本発明は、前述した実施形態に限定されず、請求範囲で請求される本発明の技術的思想を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって自明な変形実施が可能であり、このような変形実施形態は、本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0054】
1 燃焼装置
100 バーナー本体
110 第1プレート
120 第2プレート
121 空気通孔
122 分配孔
130 第3プレート
140 第1炎孔部材
150 第2炎孔部材
161 混合気流入口
162 空気流入口
171 混合気流路導入部
172 混合気流路拡散部
173 濃厚混合気流路
174 空気流路導入部
175 空気流路
176 希薄混合気流路
200 バーナー組立体
210 バーナーベース
211 第1流入孔
212 第2流入孔
213 側板
214 底板
220 バーナーカバー
300 送風器
400 熱交換器組立体
500 燃焼室胴体
600 カーバー組立体
700 ガスノズル組立体
710 ノズル