(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207750
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】直線縫合切断装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-542994(P2016-542994)
(86)(22)【出願日】2014年12月19日
(65)【公表番号】特表2017-500163(P2017-500163A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】CN2014094365
(87)【国際公開番号】WO2015101184
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2016年6月24日
(31)【優先権主張番号】201320885569.1
(32)【優先日】2013年12月31日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201310747332.1
(32)【優先日】2013年12月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515172670
【氏名又は名称】▲蘇▼州天臣国▲際▼医▲療▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 望▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】▲単▼ ▲騰▼
【審査官】
槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】
特表2016−512739(JP,A)
【文献】
特開平08−033642(JP,A)
【文献】
特公昭45−012915(JP,B1)
【文献】
国際公開第2011/007351(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B17/068−17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに閉じる又は開くことが可能な、ステープルアンビルを含む上部クランプと、ステープルカートリッジが着脱可能に設置されるステープルカートリッジホルダを含む下部クランプとを含み、
前記ステープルカートリッジ内に、その作動表面を貫通するステープルカートリッジホールと、前記ステープルカートリッジホール内に設置されるとともにそれに対し摺動可能なステープル押込スライスとが配列される一方、前記ステープル押込スライスを前記ステープルカートリッジホール内で摺動させ得るくさび状のステープル押込部を有する発射片も摺動可能に設置される、直線縫合切断装置において、
前記ステープルカートリッジホールは、前記ステープルカートリッジの遠位端へ傾斜するように設置されることを特徴とする直線縫合切断装置。
【請求項2】
前記発射片は前記ステープルカートリッジの近位端から遠位端へと運動し、
前記くさび状のステープル押込部は、前記ステープル押込スライスと嵌合するステープル押込面を有し、前記ステープル押込面が遠位端から近位端へと上向きに傾斜することを特徴とする請求項1に記載の直線縫合切断装置。
【請求項3】
前記ステープルカートリッジホールは、前記ステープル押込面に垂直に設置されることを特徴とする請求項2に記載の直線縫合切断装置。
【請求項4】
前記ステープルカートリッジの遠位端から近位端へと延びる方向において、それぞれの前記ステープルカートリッジホールの上端面は上向きの傾斜面であることを特徴とする請求項1に記載の直線縫合切断装置。
【請求項5】
前記ステープルアンビルは、第1のステープルアンビルユニット、及びそれぞれ前記第1のステープルアンビルユニットの両側に固定される第2のステープルアンビルユニットを含み、
前記第1のステープルアンビルユニットと前記第2のステープルアンビルユニットとは別個に製造されることを特徴とする請求項4に記載の直線縫合切断装置。
【請求項6】
前記ステープルカートリッジは、その長手軸に沿って設置されるカッター溝を含み、
前記カッター溝の任意側の隣接列の前記ステープルカートリッジホールは交錯して設置されることを特徴とする請求項5に記載の直線縫合切断装置。
【請求項7】
前記カッター溝の両側のステープルカートリッジホールは互いに対称に設置される、ことを特徴とする請求項6に記載の直線縫合切断装置。
【請求項8】
前記ステープルアンビルは、前記ステープルカートリッジに対向するステープルアンビル成形面を有し、
前記第1のステープルアンビルユニットのステープルアンビル成形面と第2のステープルアンビルユニットのステープルアンビル成形面とが波形をなすことを特徴とする請求項6に記載の直線縫合切断装置。
【請求項9】
前記ステープルアンビル成形面は、前記ステープルカートリッジの作動表面と互いに噛合可能に構成されることを特徴とする請求項8に記載の直線縫合切断装置。
【請求項10】
互いに閉じる又は開くことが可能な、ステープルアンビルを含む上部クランプと、ステープルカートリッジが着脱可能に設置されるステープルカートリッジホルダを含む下部クランプとを含み、
前記ステープルカートリッジ内に、その作動表面を貫通するステープルカートリッジホールと、前記ステープルカートリッジホール内に設置されるとともにそれに対し摺動可能なステープル押込スライスとが配列される一方、前記ステープル押込スライスを前記ステープルカートリッジホール内で摺動させ得るくさび状のステープル押込部を有する発射片も摺動可能に設置される、直線縫合切断装置において、
前記くさび状のステープル押込部は、前記ステープル押込スライスと嵌合可能なステープル押込面を備え、前記ステープルカートリッジホールは前記ステープル押込面に垂直に設置されることによって、前記くさび状のステープル押込部が前記ステープル押込スライスを前記ステープルカートリッジホール内で摺動させる時に、前記ステープル押込スライスが受けた推力の方向は前記ステープルカートリッジホールの延伸方向と一致していることを特徴とする直線縫合切断装置。
【請求項11】
前記ステープルカートリッジホールは、前記ステープルカートリッジの遠位端又は近位端へ傾斜するように設置されることを特徴とする請求項10に記載の直線縫合切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具製造技術分野に属し、具体的に、直線縫合切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、発射片とステープル押込スライスとの嵌合をよくするために、発射片の端部は通常にくさび状にされることによって、ステープル押込スライスの押込みに対し比較的良い案内作用を奏する。しかしながら、このようにして、ステープルカートリッジホールが直立に設けられ、発射片におけるくさび状部分とステープル押込スライスとが嵌合する際に傾斜する推進力が加えられたため、ステープル押込スライスがステープルカートリッジホールで運動する際に、ステープルカートリッジホールの側壁との付勢力が比較的大きく、ステープルが押し出される難易度は大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ステープルをステープルカートリッジホール内でより容易に移動させ得る直線縫合切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の発明目的を達成するために、本発明は直線縫合切断装置を提供し、互いに閉じる又は開くことが可能な、ステープルアンビルを含む上部クランプと、ステープルカートリッジが着脱可能に設置されるステープルカートリッジホルダを含む下部クランプとを含み、前記ステープルカートリッジ内に、その作動表面を貫通するステープルカートリッジホールと、前記ステープルカートリッジホール内に設置されるとともにそれに対し摺動可能なステープル押込スライスとが配列される一方、前記ステープル押込スライスを前記ステープルカートリッジホール内で摺動させ得るくさび状のステープル押込部を有する発射片も摺動可能に設置され、前記ステープルカートリッジホールは、前記ステープルカートリッジの遠位端へ傾斜するように設置される。
【0005】
本発明の更なる改良としては、前記発射片は前記ステープルカートリッジの近位端から遠位端へと運動し、前記くさび状のステープル押込部は、前記ステープル押込スライスと嵌合するステープル押込面を有し、前記ステープル押込面が遠位端から近位端へと上向きに傾斜する。
【0006】
本発明の更なる改良としては、前記ステープルカートリッジホールは、前記ステープル押込面に垂直に設置される。
【0007】
本発明の更なる改良としては、前記ステープルカートリッジの遠位端から近位端へと延びる方向において、それぞれの前記ステープルカートリッジホールの上端面は上向きの傾斜面である。
【0008】
本発明の更なる改良としては、前記ステープルアンビルは、第1のステープルアンビルユニット、及びそれぞれ前記第1のステープルアンビルユニットの両側に固定される第2のステープルアンビルユニットを含み、前記第1のステープルアンビルユニットと前記第2のステープルアンビルユニットとは別個に製造される。
【0009】
本発明の更なる改良としては、前記ステープルカートリッジは、その長手軸に沿って設置されるカッター溝を含み、前記カッター溝の任意側の隣接列の前記ステープルカートリッジホールは交錯して設置される。
【0010】
本発明の更なる改良としては、前記カッター溝の両側のステープルカートリッジホールは互いに対称に設置される。
【0011】
本発明の更なる改良としては、前記ステープルアンビルは、前記ステープルカートリッジに対向するステープルアンビル成形面を有し、前記第1のステープルアンビルユニットのステープルアンビル成形面と第2のステープルアンビルユニットのステープルアンビル成形面とが波形をなす。
【0012】
本発明の更なる改良としては、前記ステープルアンビル成形面は、前記ステープルカートリッジの作動表面と互いに噛合可能に構成される。
【0013】
上記の発明の目的は以下の方式にて実現され得る。直線縫合切断装置を提供し、互いに閉じる又は開くことが可能な、ステープルアンビルを含む上部クランプと、ステープルカートリッジが着脱可能に設置されるステープルカートリッジホルダを含む下部クランプとを含み、前記ステープルカートリッジ内に、その作動表面を貫通するステープルカートリッジホールと、前記ステープルカートリッジホール内に設置されるとともにそれに対し摺動可能なステープル押込スライスとが配列される一方、前記ステープル押込スライスを前記ステープルカートリッジホール内で摺動させ得るくさび状のステープル押込部を有する発射片も摺動可能に設置され、前記ステープルカートリッジホールはこのように構成されることによって、前記くさび状のステープル押込部が前記ステープル押込スライスを前記ステープルカートリッジホール内で摺動させる時に、前記ステープル押込スライスが受けた推力の方向は前記ステープルカートリッジホールの延伸方向と一致している。
【0014】
本発明の更なる改良としては、前記ステープルカートリッジホールは、前記ステープルカートリッジの遠位端又は近位端へ傾斜するように設置される。
【0015】
本発明の更なる改良としては、前記くさび状のステープル押込部は、前記ステープル押込スライスと嵌合可能なステープル押込面を備え、前記ステープルカートリッジホールは前記ステープル押込面に垂直に設置される。
【0016】
従来技術に比べて、本発明の提示する直線縫合切断装置は、ステープルカートリッジ内のステープルカートリッジホールを前記ステープルカートリッジの遠位端へ傾斜するように設置することによって、ステープルカートリッジホール内のステープル押込スライスが押される時に、その力を受けた方向がステープルカートリッジホールの延伸方向と一致しており、ステープル押込スライスはステープルカートリッジホールの内壁と比較的大きな摩擦付勢力を生成することはなく、ステープル押込スライスはより順調に推進され得、手術の難しさは低減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の直線縫合切断装置の一実施形態の構造を模式的に示す図である。
【
図2】
図1における点線フレームにおける一部の構造の拡大摸式図である。
【
図3】本発明の直線縫合切断装置の一実施形態におけるステープルカートリッジの一部の断面を模式的に示す図である。
【
図4】本発明の直線縫合切断装置の一実施形態におけるステープルカートリッジの平面図である。
【
図5】本発明の直線縫合切断装置の一実施形態におけるステープルアンビルの構造を模式的に示す図である。
【
図6】
図5における点線フレームにおける一部の構造の拡大摸式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面に示す具体的な実施形態を組み合わせて本発明を詳細に説明する。ただし、これらの実施形態は本発明を限定するものでなく、当業者がこれらの実施形態に基づいて構造、方法、又は機能について行なう変更の何れも本発明の保護範囲に含まれる。
【0019】
本発明における位置と方向を表現する用語は、何れも器具のオペレータを参照対象とするものであり、オペレータにとって手前端を近位端、オペレータにとって遠方端を遠位端とする。
【0020】
図1〜
図3を参照して、本発明の直線縫合切断装置100の具体的な実施形態を説明する。この実施形態において、該直線縫合切断装置100は、互いに閉じる又は開くことが可能な上部クランプ101及び下部クランプ102を含む。ここで、この「上部」、「下部」は位置関係を厳格に限定することを意味するものでなく、容易に記載できるために用いられる用語にすぎない。
【0021】
上部クランプ101はステープルアンビル10を含み、下部クランプ102はステープルカートリッジホルダ103を含み、該ステープルカートリッジホルダ103には、ステープルカートリッジ20が着脱可能に配置され、上部クランプ101及び下部クランプ102は互いに閉じることができることによって、対象組織をステープルアンビル10とステープルカートリッジ20との間に挟む。ステープルカートリッジホルダ103内には、カッタ押し棒(未図示)、及びカッタ押し棒の遠位端に配置されるカッターは移動可能に設置され(未図示)、カッターはカッタ押し棒の作用でステープルカートリッジ20の近位端から遠位端へと運動することによって、ステープルアンビル10とステープルカートリッジ20との間の対象組織を切断する。これとともに、ステープルカートリッジ20内には、その作動表面を貫通するステープルカートリッジホール21、及び、ステープルカートリッジホール21内に配置されそれに対し摺動可能なステープル押込スライス40が配列され、ステープルカートリッジホルダ103内で発射片30は摺動可能に設置され、該発射片30がステープル押込スライス40をステープルカートリッジホール21内で摺動させ得るくさび状のステープル押込部31を有し、発射片30が動力機構の作用でステープルカートリッジ20の近位端から遠位端へと運動する際に、その上のくさび状のステープル押込部31がステープル押込スライス40をステープルカートリッジホール21に沿って押すことによって、ステープルに組織を縫合させる。
【0022】
この実施形態において、ステープルカートリッジホール21はステープルカートリッジ20の遠位端に傾斜するように配置される。くさび状のステープル押込部31とステープル押込スライス40との嵌合面は傾斜するステープル押込面32であるため、ステープル押込面32は遠位端から近位端へと上向きに傾斜し、くさび状のステープル押込部31が近位端から遠位端へと運動する際に、ステープル押込スライス40を押して運動させ、ステープル押込スライス40に加えられた推進力も実質的に傾斜する力である。ステープルカートリッジホール21をステープルカートリッジ20の遠位端へ傾斜するように設置することによって、ステープル押込スライス40の受けたステープルカートリッジホール21の延伸方向と異なる付勢力を低減でき、ステープル押込スライス40が運動する際にステープルカートリッジホール21の内壁との摩擦力を低減することによって、ステープル押込スライス40はより順調に押し出され得る。
【0023】
くさび状のステープル押込部31は、ステープル押込スライス40と嵌合可能なステープル押込面32を有し、該ステープル押込面32がステープル押込スライス40に直接的に作用するとともに、ステープル押込スライス40にステープル押込面32に垂直する付勢力を加える。好ましい実施形態としては、この実施形態において、ステープルカートリッジホール21が該ステープル押込面32に垂直に設置され、即ち、ステープル押込スライス40の受けた推力方向がステープルカートリッジホール21の延伸方向と一致しており、ステープル押込スライス40が運動する際に、ステープルカートリッジホール21の内壁との間の摩擦力を最大に低減することによって、ステープル押込の最適な順調さを提供する。
【0024】
通常の直線縫合切断装置において、ステープルアンビルとステープルカートリッジとの対向面は相対的に均一に設定されており、医師が手術する時に、ステープルアンビルとステープルカートリッジとの間に挟持される対象組織はある程度摺動したりずれたりする恐れがある。上記の欠点を解消するために、この実施形態において、ステープルカートリッジ20の遠位端から近位端へと延びる方向に、それぞれのステープルカートリッジホール21の上端面211は上向きの傾斜面に設置されて(即ち、それとステープルカートリッジ20の底部との間の距離が次第に大きくなる)、これに対応するように、ステープルカートリッジ20の作動表面(即ち、ステープルカートリッジホールのある表面)は非均一の状態に構成されることによって、対象組織はより確実にステープルアンビル10とステープルカートリッジ20との間に挟持され得る。なお、このような設計は本実施形態におけるステープルカートリッジホール21がステープルカートリッジ20の遠位端に向かって傾斜するという設置に適合できる。
【0025】
取替可能な実施形態において、ステープルカートリッジホールの上端面を他の形式の傾斜状態に設置することによって、この実施形態と類似する技術効果を達成する可能性はある。例えば、ステープルカートリッジホール21をステープルカートリッジ20の近位端に傾斜するように設置し、前記発射片30が前記ステープルカートリッジ20の遠位端から近位端へと運動し、前記くさび状のステープル押込部31は前記ステープル押込スライスと嵌合するステープル押込面32を有し、前記ステープル押込面32は遠位端から近位端へと下向きに傾斜する。このようにして、同様に、ステープル押込スライスが運動する際に、ステープルカートリッジホールの内壁との摩擦力を低減するという技術効果を達成できる。しかしながら、これらの変換は、何れも本発明技術が改良された上に行なわれる均等の変換であり、本発明の保護範囲内のものに該当すると、見なされるべきである。
【0026】
図4を参照して、ステープルカートリッジ20はその長手軸に沿って設置されるカッター溝22を含み、該カッター溝22の任意側の隣接列のステープルカートリッジホール21が交錯して設置されており、このように設置するのは、同様に、ステープルカートリッジ20とステープルアンビル10とが閉じる際に、対象組織をよりよく挟持し、且つ縫合する効果を達成することを目的とするからである。
【0027】
図5及び
図6を参照して、特に、この実施形態において、ステープルアンビル10は、別個に製造される、第1のステープルアンビルユニット11、及びそれぞれ第1のステープルアンビルユニット11の両側に固定される第2のステープルアンビルユニット12を含む。ここで、この実施形態において、4列のステープルカートリッジホール21を有するステープルカートリッジ20を例として、ステープルアンビル10は、対応して、1つの第1のステープルアンビルユニット11と、2つの第2のステープルアンビルユニット12とを含むように設置されるが、より多くの取替可能な実施形態において、例えば、6列のステープルカートリッジホールを有する直線縫合切断装置において、対応して、より多くの第2のステープルアンビルユニットを設置する必要はある。
【0028】
この実施形態において、カッター溝22の任意側の隣接列のステープルカートリッジホールは交錯して設置されるので、ステープルアンビルを容易に成形するために、ステープルアンビルを第1のステープルアンビルユニットと第2のステープルアンビルユニットとに分けて別個に製造し、実際的な製造中に、別個に製造される第1のステープルアンビルユニット11と第2のステープルアンビルユニット12とは、後続のタック溶接によって嵌合され得、組立て易い。
【0029】
カッター溝22の両側のステープルカートリッジホール21は互いに対称に設置されることによって、対応して、第1のステープルアンビルユニット11の成形の難しさを低減できる。ステープルアンビル10は、ステープルカートリッジ20に対向するステープルアンビル成形面を有し、ここで、第1のステープルアンビルユニット11のステープルアンビル成形面111と第2のステープルアンビルユニット12のステープルアンビル成形面121とが波形であり、ステープルカートリッジ20とステープルアンビル10との対向表面は全体的に起伏するように設置され、且つ均一である。
図2を参照して、ステープルアンビル成形面は、ステープルカートリッジ20の作動表面と互いに噛合可能に構成されることによって、押し出す効果を極力低減し、対象組織に対する挟持作用を最適化する。
【0030】
本発明は上記の実施形態によって以下のような有益な効果を備える。本発明に提示される直線縫合切断装置はステープルカートリッジ内のステープルカートリッジホールを前記ステープルカートリッジの遠位端へ傾斜するように設置することによって、ステープルカートリッジホール内のステープル押込スライスが推進される時、その力を受けた方向とステープルカートリッジホールの延伸方向とが一致しており、ステープル押込スライスがステープルカートリッジホールの内壁と比較的大きな摩擦付勢力を生成することはなく、ステープル押込スライスはより順調に推進され得、手術の難しさを低減できる。
【0031】
本明細書は実施形態に基づき記述するものであるが、各実施形態は1つの独立した技術案だけを含むことを意味しなく、明細書の明確記載を考慮してこのように明細書を記載するのであり、当業者は明細書を全体とすべきであり、各実施形態に係る技術案は適宜に組み合わせられて当業者の理解できる他の実施形態として構成され得ると、理解すべきである。
【0032】
上記の一連の詳細な記述は、本発明の実行可能な実施形態についての具体的な説明にすぎず、本発明の保護範囲を限定するものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない均等の実施形態又は変更の何れも本発明の保護範囲に含まれると、理解すべきである。
【符号の説明】
【0033】
10 ステープルアンビル
11 第1のステープルアンビルユニット
12 第2のステープルアンビルユニット
20 ステープルカートリッジ
21 ステープルカートリッジホール
22 カッター溝
30 発射片
31 ステープル押込部
32 ステープル押込面
40 ステープル押込スライス
100 直線縫合切断装置
101 上部クランプ
102 下部クランプ
103 ステープルカートリッジホルダ
111 ステープルアンビル成形面
121 ステープルアンビル成形面
211 上端面