(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207776
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】磁気共鳴撮像システムにおける使用のための、無線周波数シールドを有する空気換気システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
A61B5/05 362
A61B5/05 360
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-574234(P2016-574234)
(86)(22)【出願日】2015年6月2日
(65)【公表番号】特表2017-525409(P2017-525409A)
(43)【公表日】2017年9月7日
(86)【国際出願番号】EP2015062282
(87)【国際公開番号】WO2015197321
(87)【国際公開日】20151230
【審査請求日】2017年6月26日
(31)【優先権主張番号】14173472.3
(32)【優先日】2014年6月23日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ムルダー ゲラルドゥス ベルナルドゥス ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】ハム コーネリス レオナルダス ジェラルダス
【審査官】
亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−161093(JP,A)
【文献】
特開2011−143160(JP,A)
【文献】
特開2009−142646(JP,A)
【文献】
特開2008−125928(JP,A)
【文献】
特開2002−224079(JP,A)
【文献】
特開平10−225446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01R 33/20 −33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴撮像システムにおける使用のための空気換気装置であって、当該空気換気装置は、
動作中に、放射スペクトルを形成する電磁干渉信号を生成する、電気モータ駆動のファンと、
少なくとも1つの空気取入開口と少なくとも1つの空気吹出開口とを有するファンハウジングであって、前記少なくとも1つの空気取入開口と前記少なくとも1つの空気吹出開口との間で前記ファンが当該ファンハウジングの内部に配置され、少なくとも1つの動作状態において、前記少なくとも1つの空気取入開口を通じて空気を取り込み、当該空気を前記少なくとも1つの空気吹出開口に向かって搬送する、ファンハウジングと、
少なくとも1つの動作状態において、前記少なくとも1つの空気吹出開口に接続され、前記磁気共鳴撮像システムのスキャナユニットの少なくとも1つの空気換気吸気ポートに接続可能である、流体接続として設けられる少なくとも1つの換気ダクトと、
を含み、
前記ファンハウジングは、前記磁気共鳴撮像システムのEMIの影響を受けやすい電子機器との電磁干渉を回避するために、所定の振幅関係パラメータを超える放射スペクトルの最大周波数よりも大きいカットオフ周波数を有する電磁波を搬送するための、開放端の導波路としてデザインされ、
前記導波路の一方の端は、前記少なくとも1つの空気取入開口としての機能を果たし、前記導波路の反対側の端は、前記少なくとも1つの空気吹出開口としての機能を果たす、
空気換気装置。
【請求項2】
前記導波路は、当該導波路の伝播方向に垂直に配置される平面において、当該導波路の前記伝播方向に沿った少なくとも1つの連続した部分で、均一な断面領域を有する、請求項1に記載の空気換気装置。
【請求項3】
前記伝播方向に沿った前記導波路の長さと、前記伝播方向に垂直な前記導波路の最大寸法との比率は、2〜10の間の範囲内にある、請求項1又は2に記載の空気換気装置。
【請求項4】
前記導波路の前記均一な断面領域は、長方形、円形、又は楕円形の形状のうちの1つである、請求項1乃至3の何れか一項に記載の空気換気装置。
【請求項5】
前記導波路は、非金属材料から作られ、前記導波路の内部表面は、導電性被覆で被覆されている、請求項1乃至4の何れか一項に記載の空気換気装置。
【請求項6】
前記ファンハウジングは、前記ファンに電気を提供するための少なくとも1つの導線を受けるための少なくとも1つの無線周波数フィードスルーを含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載の空気換気装置。
【請求項7】
対象の被験者から磁気共鳴撮像を得るためのスキャナユニットと、
請求項1乃至6の何れか一項に記載の空気換気装置と、
を含む、磁気共鳴撮像システム。
【請求項8】
前記磁気共鳴撮像システムは無線周波数シールドルーム内に前記スキャナユニットを有し、前記空気換気装置は、前記スキャナユニットの少なくとも1つの空気換気吸気ポートに接続される前記少なくとも1つの換気ダクトと共に配置される、請求項7に記載の磁気共鳴撮像システム。
【請求項9】
前記導波路は、前記無線周波数シールドルームに電気的に結合される、請求項8に記載の磁気共鳴撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴撮像システムにおける使用のための空気換気装置、及び斯様な空気換気装置を含む磁気共鳴撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴撮像の分野では、患者、又は磁気共鳴撮像システムのスキャナユニットの他の部分を冷却するためのファンを有する空気換気システムを使用することが知られている。空気等の冷媒を循環させて、磁気共鳴撮像システムの円筒状の患者ボアを冷却するための冷却システムは、例えば米国特許出願公開第2005/0030028A1号に説明されている。米国特許出願公開第2009/0134875号は、RFコイルの回路素子の冷却空気を循環させるためのダクト及びファンを有する、磁気共鳴撮像システムのための冷却ユニットを開示している。ファンの電気系統がRFコイルによって受信される信号に影響を及ぼすことを回避するために、ファンはシールドルームの外部に設けられている。
【0003】
効率性を考慮すると、中にスキャナユニットが通例設置される無線周波数シールドルームの内部にファンを配置することが好ましい。斯様な配置では、例えばファンの周りに無線周波数シールドを設置することによって、電磁干渉(EMI)の影響を受けやすいスキャナユニットの電子機器と動作中のファンとの間のEMIを回避するための対策が講じられなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線周波数シールドルームの内部に、磁気共鳴撮像システムのスキャナユニットと共に空気換気装置の空気ファンが配置される磁気共鳴撮像システムにおいて、空気換気装置によって引き起こされる許容最大限の電磁干渉に関する要件を満たすための労力を低減させることが望ましい。
【0005】
したがって、本発明の目的は、効率的に機能し、且つ単純化された空気換気装置であって、動作中の空気換気装置によって生成される電磁信号からの電磁干渉を効率的に低減するか、又は回避することもできる、空気換気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、当該目的は、磁気共鳴撮像システムにおける使用のための空気換気装置であって、当該空気換気装置は、
‐動作中に、放射スペクトルを形成する電磁干渉信号を生成する、電気モータ駆動のファンと、
‐少なくとも1つの空気取入開口と少なくとも1つの空気吹出開口とを有するファンハウジングであって、当該少なくとも1つの空気取入開口と少なくとも1つの空気吹出開口との間でファンが当該ファンハウジングの内部に配置され、少なくとも1つの動作状態において、少なくとも1つの空気取入開口を通じて空気を取り込み、当該空気を少なくとも1つの空気吹出開口に向かって搬送する、ファンハウジングと、
‐流体接続として設けられる少なくとも1つの換気ダクトであって、少なくとも1つの動作状態において、少なくとも1つの空気吹出開口に接続され、磁気共鳴撮像システムのスキャナユニットの少なくとも1つの空気換気吸気ポートに接続可能である、少なくとも1つの換気ダクトと、
を含む、空気換気装置によって達成される。
【0007】
ファンハウジングは、所定の振幅関係パラメータを超える放射スペクトルの最大周波数よりも大きいカットオフ周波数を有する電磁波、特に無線周波数波のための開放端の導波路としてデザインされる。導波路の一方の端は、少なくとも1つの空気取入開口としての機能を果たし、導波路の反対側の端は、少なくとも1つの空気吹出開口としての機能を果たす。
【0008】
本願で用いられるとき、「無線周波数波」との語句は、特に、30kHz〜300MHzの間の周波数範囲の電磁波を含むものと理解されたい。
【0009】
導波路は、電磁波の周波数が導波路のカットオフ周波数よりも大きいことを条件に、当該導波路の端点間で電磁波を搬送するためにデザインされる。周波数がカットオフ周波数よりも低い電磁波は、導波路の内部を伝播することができない。電磁波の振幅は、非常に効率的に、すなわち指数関数的に、伝播方向において減衰される。つまり、導波路は、カットオフ周波数がハイパス特性のエッジに適用されるハイパスフィルタとしての機能を果たす。例えば、カットオフ周波数を下回る減衰は、3dB、30dB、又は100dBに設定される。
【0010】
この態様で、空気取入開口においてファンによって取り込まれた空気を、空気吹出開口ハウジングに向かって誘導するファンハウジングの機能と、動作中にファンによって生成される電磁干渉信号を、EMIの影響を受けやすいスキャナユニットの電子機器に干渉しないように、空気換気装置の1つの部材、すなわち開口端の導波路内に封じ込める機能との組合せが達成され得る。空気換気装置の構成要素の数が低減されて構造が単純化され、重量、スペース、及びコストを節約できる。
【0011】
好ましい実施形態では、導波路は、当該導波路の誘導方向に垂直な平面において、当該導波路の誘導方向に沿った少なくとも1つの連続した部分で、均一な断面領域(断面積)を有する。これにより、所望の空気流量での最大許容圧力降下、及び生成される電磁干渉信号の最小限の所望の減衰に関する要件を満たすデザインパラメータが容易に決定され得る。
【0012】
導波路のカットオフ周波数よりも低い周波数の電磁波が指数関数的に減衰されるときに、動作中にファンによって生成される電磁干渉信号の十分な減衰は、伝播方向に沿った導波路の長さと、伝播方向に垂直な導波路の最大寸法との比率が、2〜10の間の範囲内にあるようにデザインされる場合に達成される。
【0013】
一般的に、導波路の均一な断面領域は、任意の形状を有してよい。好ましくは、均一な断面領域は、例えば三角形又は長方形といった正多角形状、円形状、又は楕円形状のうちの1つである。任意のこれらの形状の断面領域を有する導波路に対して、カットオフ周波数は、いかなる実験も実行する必要なく、理論的考察から容易に得られる。更に、長方形又は円形の断面領域の導波路は広く用いられており、ひいては広範囲の周波数に対して市販品を利用可能である。
【0014】
例えば、長方形の断面領域を有する導波路に対して、周波数は、式
【数1】
によって容易に決定されることができ、この式において、aは長方形の長辺を示し、c
0は真空中の光の速度を示す。
【0015】
0.3mの長辺を有する長方形の導波路に対して、500MHzのカットオフ周波数が得られ、動作中にファンによって生成される、周波数が500MHzのカットオフ周波数を下回るいかなる電磁干渉信号も、伝播方向に沿って指数関数的に減衰される。
【0016】
別の好ましい実施形態では、導波路は非金属材料から作られ、導波路の内部表面は、導電性被覆で被覆されている。当業者に明らかであるように、表皮効果のために、電磁波の電磁場は、侵入深さとして知られているパラメータによって特徴付けられる範囲までしか材料内へ侵入することができない。通常の表皮効果の形態では、侵入深さδは
【数2】
によって与えられ、この式において、σは材料の導電率であり、ωは角周波数2πfであってfは電磁波の周波数であり、μ
0は1.257・10
−6Vs/Amの磁気定数を示す。
【0017】
例えば、銅層(σ=5.6・10
7(Ωm)
−1)及び300kHzの周波数の電磁波に対し、表皮深さは約125μmである。銅層が少なくとも0.5mm(=4・δ)の厚さである場合、特定の周波数の電磁波の侵入に関し、銅のバルク材料との顕著な違いはほとんどない。
【0018】
したがって、導波路の内部表面における導電性被覆の厚さは、式(2)を用いることによって、動作中にファンによって生成される電磁干渉信号を減衰させるための要件に従ってデザインされ得る。導電性被覆のための好ましい材料は、銅及びアルミニウムである。導波路のために例えばプラスチック材料といった非金属材料を用いることによって、及び導波路を導電性被覆で被覆することによって、ファンハウジングの重さがかなり低減されると同時に、動作中にファンによって生成される電磁干渉信号を封じ込めることに関する有利な特性が保たれる。
【0019】
一実施形態では、導電性被覆は、非金属材料に付着する導電性塗料を塗布することによって調製される。一実施形態では、導電性被覆は、非金属材料に取り付けられる導電性フォイルを含む。一実施形態では、導電性被覆は、プラスチック材料と導電性金属又は炭素繊維とを含む複合材料を含む。原則として、導電性被覆は当業者にとって適切と思われる任意の材料を含んでよい。
【0020】
本発明の別の態様では、本明細書に開示される任意の空気換気装置の実施形態又はこれらの組合せは、無線周波数シールドルーム内に、磁気共鳴撮像システムのスキャナユニットと共に配置され、少なくとも1つの換気ダクトは、スキャナユニットの少なくとも1つの空気換気吸気ポートに接続される。
【0021】
一実施形態では、導波路は、無線周波数シールドルームに電気的に結合される。この態様では、導波路は規定された安定した電位を有し、無線周波数シールドルームに対する容量結合のおかげで、ファンハウジングの電位のシフトが防止される。一実施形態では、無線周波数シールドルームはグランドに接続される。
【0022】
別の好ましい実施形態では、ファンハウジングは、ファンに電気を提供するための少なくとも1つの導線を受けるための少なくとも1つの無線周波数フィードスルーを含む。無線周波数フィードスルーの実施形態は、当業者にとって一般的である。例えば、無線周波数フィードスルーは、キャパシタンスの機能が高周波に対して電気的グランドへの短絡を提供することである当該キャパシタンスを含む。この態様で、動作中にファンによって生成される電磁干渉信号の電線を介した伝播が防止される。
【0023】
本発明の更に別の態様では、対象被験者から磁気共鳴撮像を得るためのスキャナユニットを含む磁気共鳴撮像システムが提供され、当該磁気共鳴撮像システムは、本明細書に開示される任意の空気換気装置の実施形態又はこれらの組合せを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかとなり、これらの実施形態を参照して解明されるであろう。しかしながら、斯様な実施形態は必ずしも本発明の完全な範囲を示すものではなく、したがって、本発明の範囲を解釈するために、請求項及び本明細書が参照される。
【0025】
【
図1】無線周波数シールドルーム内に、磁気共鳴撮像システムのスキャナユニットと共に配置される本発明による空気換気装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明による空気換気装置の概略図である。空気換気装置は、磁気共鳴撮像システムにおける使用に適合され、電気的接地接続18を備える無線周波数シールドルーム16内に、磁気共鳴撮像システムのスキャナユニット10と共に配置される。スキャナユニット10は、普及しているボアタイプの磁気共鳴スキャナのうちの1つである。磁気共鳴撮像を得るために内部に対象被験者を位置決めするように、スキャナユニットのマグネットのボアの内部に検査空間12が設けられる。スキャナユニット10は、空気換気装置から空気を受けるための空気換気吸気ポート14を含む。空気換気吸気ポート14は、受けた空気を、特に検査空間12及びスキャナユニット10の勾配コイル(示されていない)に分配するために、スキャナユニット10の内部に配置されるマニホールド(連結管)(示されていない)に接続される。
【0027】
空気換気装置は、動作中に、放射スペクトルを形成する電磁干渉信号を生成する、電気モータ駆動のファン30を含む。EMIの影響を受けやすいスキャナユニット10の電子機器(示されていない)に電磁干渉信号が干渉しないことを保証する、放射スペクトルのパワースペクトル密度(W・Hz
−1/2で表される)によって与えられる許容最大限の振幅関係パラメータが、予め規定される。所定の許容最大限のパワースペクトル密度に達するか、又はこれを超える放射スペクトルの最大周波数は、約1MHzである。
【0028】
更に、空気換気装置は、空気取入開口36と空気吹出開口38とを有するファンハウジング34を含む。ファン30は、空気取入開口36と空気吹出開口38との間でファンハウジング34の内部に配置され、動作のアクティブ状態において、空気取入開口36を通じて空気を取り込み、当該空気を空気吹出開口38に向かって搬送する。ファン30はファンハウジング34内に、ファンハウジング34の内部の空気取入開口36から空気吹出開口38までの方向において空気がファン30を迂回できないように設置される。例えば蛇腹型ホースによって形成される可撓性換気ダクト40が、流体接続として設けられ、動作可能状態において、可撓性換気ダクト40の一方の端を用いて空気吹出開口38と接続され、可撓性換気ダクト40の反対側の端を用いて磁気共鳴撮像システムのスキャナユニット10の空気換気吸気ポート14に接続される。
【0029】
ファンハウジング34は、電磁波を搬送するための導波路24の開放端のピースとしてデザインされる。開放端の導波路24の一方の端は、空気取入開口36としての機能を果たし、開放端の導波路24の反対側の端は、空気吹出開口38としての機能を果たす。電磁波の伝播方向28に垂直に配置される平面において、導波路24は、伝播方向28での導波路24の全伸長に沿って、円形状の均一な断面領域を有する。
図1では、図面平面内に伝播方向28がある。
【0030】
導波路24は、主に非金属材料、特にプラスチック材料から作られ、したがって軽量である。導波路24の全内部表面は、導電性被覆として2mmの厚さの銅箔26で銅被覆されている。導電性被覆は、大きな無線周波数に対しても導波路24に接地電位を確実に提供するように、低インダクタンスを有する銅のスタッド20によって、無線周波数シールドルーム16に電気的に結合される。
【0031】
ファンハウジング34は、ファン30に電気を提供するための1つの導線32
1、32
2を各々受けるための、2つの無線周波数フィードスルー22
1、22
2を具備する。ファンハウジング34にある無線周波数フィードスルー22
1、22
2は、銅箔26に電気的に接続される。同様に、無線周波数シールドルーム16は、2つの導線32
1、32
2を受けるための2つの無線周波数フィードスルー22
3、22
4を含む。フィードスルー22
3、22
4は、無線周波数シールドルーム16に電気的に接続される。
【0032】
導波路24の円形状の均一な断面領域は、200mmの直径dを有する。伝播方向28に沿った導波路24の長さと、伝播方向28に垂直な導波路24の直径との比率は、2〜10の間の範囲内であるようにデザインされ、特には約2.8である。
【0033】
円形状の導波路に対して、導波路24の内部を伝播することのできる任意の電磁波の最低周波数であるカットオフ周波数f
cは、
【数3】
によって与えられ、約880MHzの導波路24のカットオフ周波数f
cがもたらされる。
【0034】
したがって、導波路24のカットオフ周波数f
cは、パワースペクトル密度によって形成される所定の振幅関係パラメータを超える放射スペクトルの最大周波数(1MHz)よりもかなり大きい。したがって、動作中にファン30によって生成される電磁干渉信号は、導波路24の伝播方向28において指数関数的に減衰され、導波路24を出るときに、EMIの影響を受けやすいスキャナユニット10の電子機器とのいかなる許容されない干渉も引き起こし得ない。
【0035】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に例示され説明されたが、斯様な例示及び説明は、例示的又は典型的であると考えられるべきであり、限定と考えられるべきではなく、本発明は、開示された実施形態に限定されない。当業者によって、特許請求された発明を実施するにあたり、図面、明細書、及び添付の請求項の研究から、開示された実施形態の他のバリエーションが理解され達成されることができる。請求項で、「含む」の文言は他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外するものではない。特定の手段が、相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用できないことを意味するわけではない。請求項のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0036】
10 スキャナユニット
12 検査空間
14 空気換気吸気ポート
16 無線周波数シールドルーム
18 電気的接地接続
20 銅のスタッド
22 フィードスルー
24 導波路
26 銅箔
28 伝播方向
30 ファン
32 導線
34 ファンハウジング
36 空気取入開口
38 空気吹出開口
40 換気ダクト
d 導波路の直径
f
c カットオフ周波数