(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を
図1ないし
図7に基づいて説明する。
図1は、X線撮影装置1を示す斜視図である。このX線撮影装置1は、X線撮影装置本体部2と、水平移動機構部3とを備えている。
【0011】
X線撮影装置本体部2は、検査室内の床面上に据え付けられた基台4を有し、この基台4に長尺状の寝台5が回動可能に支持されている。寝台5は、図示したように長手方向を上下方向に向ける垂直位置と、長手方向を水平方向に向ける水平位置とに回動可能に設けられている。この寝台5の回動は、後述する寝台駆動モータにより行われる。
【0012】
寝台5には、この寝台5が水平位置に回動した場合に上方を向く側に長尺状の天板6が設けられている。この天板6は、胃部のX線検査等を受ける被検体が臥位状態で収容される部分であり、後述する天板駆動モータにより寝台5の長手方向に移動可能に設けられている。
【0013】
寝台5における天板6が設けられている側の面には、寝台5が回動した場合に、天板6上に収容されている臥位状態の被検体が自らの姿勢や位置を保つための部材として、足を載せるフットレスト7、手で把持するハンドグリップ8、肩を当てるショルダレスト9が設けられている。
【0014】
寝台5の長手方向に沿った一側には、寝台5の長手方向に沿って移動可能に保持部10が設けられている。この保持部10の移動は、後述するX線発生部駆動モータにより行われる。この保持部10にはスタンド11が立設され、スタンド11の先端側に、X線を発生するX線発生部12と、発生したX線の照射範囲を絞るX線絞り13とが取付けられている。X線発生部12は、発生したX線を天板6に向けて照射する向きに配置されている。
【0015】
また、寝台5における天板6が設けられている側と反対側である寝台5の裏面側には、X線発生部12で発生した後に被検体を透過したX線を検出するX線検出部14が設けられている。このX線検出部14は寝台5の長手方向に沿って移動可能に設けられており、このX線検出部14の移動は後述するX線検出部駆動モータにより行われる。
【0016】
X線発生部12とX線検出部14とは、寝台5が垂直位置に回動している場合には水平方向で対向している。また、これらのX線発生部12とX線検出部14とは、後述するX線発生部駆動モータとX線検出部駆動モータとにより、同じ方向に同じ寸法移動されるよう構成されている。
【0017】
次に、嚥下撮影操作時に操作される水平移動機構部3について説明する。
【0018】
水平移動機構部3は、寝台5が垂直位置に回動している場合、水平方向で対向するX線発生部12とX線検出部14との間に配置され、検査室内の床面上に設置されている。この水平移動機構部3は、六面体形状に形成された外装ケース15を有し、この一面は傾斜面部16とされ、後述する車椅子の乗り降りを援助するスロープとなっている。
【0019】
外装ケース15の上面側には開口部17が形成され、この開口部17に臨んで無端ベルト18が設けられている。この無端ベルト18の上面には、後述する車椅子が載置される水平方向移動部である移動板19が取付けられている。
【0020】
また、移動板19の上面には、被検体が座った車椅子が移動板19の上に乗っていること(移動板19の上に被検体が乗っていること)を検知する検知部である圧力センサ20が取付けられている。
【0021】
更に、
図2及び
図3を参照し水平移動機構部3の構成を説明する。
図2は、
図1に示した水平移動機構部3のA−A線断面図であり、
図3は、
図1に示した水平移動機構部3のB−B線断面図である。
【0022】
移動板19及び圧力センサ20が取付けられた無端ベルト18は、外装ケース15内に回転可能に配置された一対のローラ21a、21bに掛け渡されている。この一方のローラ21aの軸にはギア22が同軸上に固定されている。このギア22は、後述する移動板駆動モータのギア24にタイミングベルト25を介して連結されている。
【0023】
すなわち、この無端ベルト18は、ギア24、タイミングベルト25、ギア22を介して水平移動駆動部である後述する移動板駆動モータの駆動力により、X線発生部12とX線検出部14とが対向する方向と直交する向きに交差する水平方向(矢印X、X´方向)に移動するように構成されている。
【0024】
また、この移動板19の移動方向に沿った両側には、
図3に示すように下向きに屈曲した突出部26が設けられている。この突出部26は、外装ケース15の開口部17に設けられたガイドレール27に摺動可能に係合されている。
【0025】
したがって、移動板19は、無端ベルト18の移動に伴って、その突出部26がガイドレール27上に載置された状態で水平方向に移動するように構成されている。また、移動板19の上面に取付けられた圧力センサ20もこの移動板19とともに移動することになる。
【0026】
次に、寝台駆動モータ等の駆動系について、
図4を参照して説明する。
図4はX線撮影装置1における駆動系の電気的接続状態を示すブロック図である。
【0027】
28は、各駆動モータを制御する駆動制御部である。この駆動制御部28には、寝台操作レバー29と操作部である位置調整レバー30とが接続されている。寝台操作レバー29は、寝台5を垂直位置又は水平位置に回動させるように構成されている。位置調整レバー30は、例えば2軸操作型の多方向レバーであり、前後方向の操作によりX線発生部12及びX線検出部14を駆動し、左右方向の操作により天板6あるいは移動板19を駆動するものである。
【0028】
駆動制御部28内には、位置調整レバー30を操作するときの操作モードを第1操作モードと第2操作モードとに切替えるモード切替部31が設けられている。このモード切替部31は、圧力センサ20からの信号によりモードが切替えられるように構成されており、圧力センサ20からの信号が入力されていない場合には第1モードに切替えられ、圧力センサ20からの信号が入力されている場合には第2モードに切替えられる。
【0029】
さらに、この駆動制御部28には、寝台5を垂直位置又は水平位置に回動させる寝台駆動モータ32と、X線発生部12を移動させる上下移動駆動部であるX線発生部駆動モータ33と、X線検出部14を移動させる上下移動駆動部であるX線検出部駆動モータ34と、天板6を移動させる天板駆動モータ35と、移動板19を移動させる移動板駆動モータ36とが接続されている。
【0030】
これらの駆動モータ33〜36と、モード切替部31のモード切替との関係は、モード切替部31が第1モードに切替えられている場合には、位置調整レバー30を前後方向に操作することによりX線発生部駆動モータ33とX線検出部駆動モータ34とが駆動され、位置調整レバー30を左右方向に操作することにより天板駆動モータ35が駆動されるように構成されている。また、モード切替部31が第2モードに切替えられている場合には、位置調整レバー30を前後方向に操作することによりX線発生部駆動モータ33とX線検出部駆動モータ34とが駆動され、位置調整レバー30を左右方向に操作することにより移動板駆動モータ36が駆動されるように構成されている。位置調整レバー30を前後方向に操作することによりX線発生部駆動モータ33とX線検出部駆動モータ34とが駆動される場合、その駆動によりX線発生部12とX線検出部14とが同じ方向に同じ寸法移動するように構成されている。
【0031】
次に、嚥下撮影操作時の被検体の位置調整について、
図5及び
図6を用いて説明する。
図5は、被検体が座っている車椅子37が水平移動機構部3上に乗っている状態を説明する正面図である。
図6は、被検体の被撮影部位AとX線照射領域Bとの関係を拡大して示す説明図である。
【0032】
まず、撮影技師は、通常の胃検診等の為に水平位置に位置している寝台5を垂直位置に回動して、車椅子37が進入できるスペースを確保する必要がある。この操作は、操作室内に設置されている寝台操作レバー29を操作して行うことができる。この寝台操作レバー29の操作は、寝台駆動モータ32に伝達され、この寝台駆動モータ32により寝台5が垂直位置に回動し、車椅子37の進入スペースができる。この際、X線発生部12とX線検出部14とは、この寝台5の回動に伴い一体的に回動し、寝台5を挟んで水平方向に対峙する配置となり、これらのX線発生部12とX線検出部14と間にX線が照射されるX線照射領域Bが位置する。
【0033】
次に、撮影技師は、撮影操作室からX線撮影装置が置かれた検査室内に移動し、
図5に示すように被検体Pが座っている車椅子37を水平移動機構部3上に乗せる。そして、車椅子37を押して、被検体Pの被撮影部位AがX線発生部12及びX線検出部14との間に位置する場所まで移動させる。この際、撮影技師は、車椅子37を水平移動機構部3の移動板19上の圧力センサ20がオンする位置で停止させる。
【0034】
すなわち、被検体Pの被撮影部位AがX線発生部12及びX線検出部14により形成されるX線照射領域B内に位置するように調整する。
【0035】
次に、撮影技師は、撮影操作室内に戻り、被検体Pの被撮影部位AがX線照射領域B内に適正に位置しているかどうかを確認する。この際、被撮影部位AがX線撮影に最適な位置となっていない場合には、検査室内に戻ることなく、次のようにして位置調整を行う。
【0036】
この位置調整につき、
図7のフローチャートを用いて説明する。まず、被撮影部位Aの水平方向での調整について説明する。ここで、先に説明したように車椅子37により圧力センサ20はオン状態となっている(ステップS1のYES)。この圧力センサ20により、駆動制御部28のモード切替部31は、第2駆動モードに切り替えられる(ステップS2)。この状態で、位置調整レバー30を操作し(ステップS3)、移動板19、X線発生部12及びX線検出部14を移動させながら、被撮影部位AがX線照射領域B内での適正位置となるよう調整する。
【0037】
このとき、位置調整レバー30の前後方向の操作は、X線発生部駆動モータ33及びX線検出部駆動モータ34に伝達される。また、位置調整レバー30の左右方向の操作は、移動板駆動モータ36に伝達される。
【0038】
この状態で、まず、位置調整レバー30を前後方向に操作し、X線発生部駆動モータ33及びX線検出部駆動モータ34を駆動させる(ステップS4)。この操作により、X線発生部12及びX線検出部14は、寝台5の長手方向に沿って同じ寸法、上下方向に移動する。この移動量を確認しながらX線照射領域Bの上下方向の位置を被検体Pの被撮影部位Aに合わすように調整する。
【0039】
次に、位置調整レバー30を左右方向に操作し、移動板駆動モータ36を駆動させる(ステップS5)。この移動板駆動モータ36の駆動により、ギア24、タイミングベルト25、ギア22を介して無端ベルト18が水平方向に移動する。そして、この無端ベルト18の移動に伴って移動板19が移動することにより、被検体Pが座っている車椅子37が水平方向に移動する。この移動量を確認しながら被検体Pの被撮影部位Aの水平方向位置がX線照射領域B内の適正位置となるよう調整する。
【0040】
この撮影部位AとX線照射領域Bとの調整は、被撮影部位AがX線照射領域B内の適正位置に位置するまで繰り返し行われる(ステップS6のNO)。そして、被撮影部位AがX線照射領域B内の適正位置に位置した状態で、この調整は終了する(ステップS6のYES)。
【0041】
以上のように、嚥下造影検査の際には、圧力センサ20からの信号により第2駆動モードが選択され、撮影技師が操作室内に設置された位置調整レバー30を前後方向に操作することにより、X線照射領域Bの上下方向の位置を調整することができ、また左右方向に操作することにより被撮影部位Aの水平方向の位置を調整することができる。これにより、最終的に被検体Pの撮影部位AをX線照射領域B内の適正位置に位置させることができる。
【0042】
尚、通常の胃検診等の場合には、寝台5が水平位置に配置され、移動板19上に車椅子37が乗っていない状態であるので、圧力センサ20はオフとなっており(ステップS1のNO)、位置調整レバー30は、第1駆動モードとなっている(ステップS7)。この状態で、位置調整レバー30を前後方向に操作してX線発生部駆動モータ33及びX線検出部駆動モータ34を駆動してX線発生部12及びX線検出部14を水平方向に移動させるとともに位置調整レバー30を上下方向に操作して天板6を水平方向に移動させて、検査部位がX照射領域に適正に配置されるよう調整する。
【0043】
以上のように撮影技師は、検査室の戻ることなく位置調整レバー30を操作することにより、検査内容に応じた位置調整を手間と時間とをかけずに容易に行うことができる。
【0044】
また、寝台5が水平位置に回動している場合にX線発生部12及びX線検出部14と天板6とを移動させる位置調整レバー30を、寝台5が垂直位置に回動している場合にはX線発生部12及びX線検出部14と移動板19とを移動させるために使用することができ、移動板19を移動させるための新たな操作部を設ける必要がなく、操作部の部品点数を少なくすることができる。
【0045】
さらに、モード切替部31による位置調整レバー30の操作モードの切替えは、圧力センサ20の検知結果により自動的に行われるため、位置調整レバー30の操作モードの切替えを忘れるという事態の発生を防止することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、車椅子21に座った被検体Pが移動板19の上に乗っていることを圧力センサ20で検出し、その検出結果に基づいて位置調整レバー30の操作モードを自動的に第2操作モードに切替える場合を例に挙げて説明したが、このモード切替を手動で行うようにしてもよい。
【0047】
また、本実施形態では、X線発生部12をX線発生部駆動モータ33で移動させ、X線検出部14をX線検出部駆動モータ34で移動させる場合を例に挙げて説明したが、X線発生部12とX線検出部14とを共通のモータで移動させる構造としてもよい。
【0048】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を
図8乃至
図12に基づいて説明する。なお、第1の実施形態で説明した構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付け、重複する説明は省略する。
【0049】
第2の実施形態の基本的構成は第1の実施形態と同じであり、第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、嚥下造影検査を行う場合に、座位状態の被検体Pを前後方向に傾けることにより被検体Pの被撮影部位Aを異なる角度から撮影できるようにした点である。
【0050】
この実施形態では、
図8に示すように、第1の実施形態で説明した車椅子37に代わり、被検体Pが座る部分として水平移動機構部3の移動板19上に椅子38を取付けている。この椅子38の下部には、椅子38に被検体Pが座っていることを検知する圧力センサ20が設けられている。
【0051】
また、この椅子38には、前後方向に回動可能な背もたれ部39が設けられており、さらに、この背もたれ部39を回動させる後述する背もたれ部駆動モータと、背もたれ部39の回動角度を検出する後述する角度センサとが設けられている。
【0052】
図9は、椅子38の背もたれ部39を角度“θ”回動させた場合において、被検体Pの被撮影部位Aが水平方向に寸法“M”移動するとともに上下方向に寸法“N”移動する状態を示す説明図である。ここで、椅子38の座面から被検体Pの被撮影部位Aまでの寸法を“a”で示している。
【0053】
背もたれ部39を角度“θ”回動させた場合において、被検体Pの被撮影部位Aが水平方向に移動する寸法“M”は、“M=a×sinθ”の演算式により演算することができる。また、被検体Pの被撮影部位Aが上下方向に移動する寸法“N”は、“N=a×(1−cosθ)”の演算式により演算することができる。これらの演算は、後述する制御部内の演算部(水平移動寸法演算部、上下移動寸法演算部)で行われる。また、これらの演算式においては、被撮影部位Aの中心が背もたれ部39の延長線上に位置していると見なしている。
【0054】
図10は、背もたれ部39を回動させた場合において、被検体Pを水平方向(矢印X方向)に移動させるとともにX線発生部12とX線検出部14とを下方方向(矢印Y方向)に移動させて、被撮影部位AをX線発生部12とX線検出部14とが対向するX線照射領域B内に位置するように位置合わせした状態を示している。
【0055】
図11は、X線撮影装置1における駆動系の電気的接続状態を示すブロック図である。40は、入力された信号に基づいて各部を制御する駆動制御部であり、第1の実施形態と同様に寝台駆動モータ32と、X線発生部駆動モータ33と、X線検出部駆動モータ34と、天板駆動モータ35と、移動板駆動モータ36と、圧力センサ20と、寝台操作レバー29と、位置調整レバー30とが接続されている。
【0056】
さらに、この第2の実施形態の駆動制御部40には、背もたれ部39を回動させる背もたれ部回動操作レバー41と、背もたれ部39の回動角度を検出する回動角度検出部である角度センサ42と、背もたれ部39を回動させる回動駆動部である背もたれ部駆動モータ43と、が接続されている。
【0057】
また、この駆動制御部40内には、モード切替部31と、椅子38に座った被検体Pの被撮影部位Aが背もたれ部39の回動角度に応じて水平方向に移動する水平移動寸法“M”を演算する水平移動寸法演算部44と、椅子38に座った被検体Pの被撮影部位Aが、背もたれ部39の回動角度に応じて上下方向に移動する移動寸法“N”を演算する上下移動寸法演算部45とが設けられている。
【0058】
図12は、椅子38の背もたれ部39を回動させた場合において、被検体Pの被撮影部位AをX線照射領域B内に位置させる位置合わせの制御動作を説明するフローチャートである。
【0059】
この制御動作では、まず背もたれ部回動操作レバー41が操作されたか否かが判断される(ステップ11)。
【0060】
背もたれ部回動操作レバー41が操作された場合には(ステップS11のYES)、背もたれ部39が回動され(ステップS12)、背もたれ部39の回動角度が角度センサ42により検出される(ステップS13)。
【0061】
そして、角度センサ42の検出結果に基づき、水平移動寸法演算部44において水平移動寸法“M”が演算され(ステップS14)、さらに、上下移動寸法演算部45において上下移動寸法“N”が演算される(ステップS15)。
【0062】
そして、これらの演算結果に基づき、移動板駆動モータ36が駆動されることにより椅子38が水平方向に移動され(ステップS16)、X線発生部駆動モータ33とX線検出部駆動モータ34とが駆動されることによりX線発生部12とX線検出部14とが上下方向に移動され(ステップS17)、背もたれ部39を回動させた場合の位置合わせの制御動作が終了する。なお、ステップS16での水平方向の移動は、水平移動寸法演算部44で演算された水平移動寸法“M”と同じ寸法でその移動方向と逆方向に行われる。また、ステップS17での上下方向の移動は、上下移動寸法演算部45で演算された上下移動寸法“N”と同じ寸法で同じ方向に行われる。
【0063】
このように、背もたれ部39の回動に伴って被検体Pの被撮影部位Aが水平方向と上下方向とに移動しても、被検体Pの被撮影部位AをX線照射領域B内に位置させる位置合わせを自動的に行うことができ、被撮影部位Aの嚥下造影検査を良好に行うことができる。
【0064】
なお、この第2の実施形態においても、モード切替部31により位置調整レバー30の操作モードが第2操作モードに切替えられている場合には、位置調整レバー30の操作に基づく被検体Pの被撮影部位AをX線照射領域B内に位置させる位置合わせを、第1の実施形態で説明した
図7のフローチャートに基づいて同様に行うことができる。
【0065】
したがって、X線照射領域Bでの被撮影部位Aの更なる調整が必要な場合には、第1の実施形態と同様に、モード切替部31により第2操作モードに切替えられている位置調整レバー30を操作することにより行える。
【0066】
すなわち、位置調整レバー30を前後方向に操作することにより、X線照射領域Bを、被撮影部位Aに対して上下方向に移動させることができ、被撮影部位AとX線照射領域Bとの上下方向の位置合わせを行うことができる。また、位置調整レバー30を左右方向に操作することにより、被撮影部位Aを水平方向に移動させることができ、被撮影部位AとX線照射領域Bとを水平方向で位置合わせすることができる。
【0067】
以上のように、被検体Pの被撮影部位AとX線照射領域Bとの上下方向での位置合わせと水平方向での位置合わせとを、位置調整レバー30の操作によって手間をかけず容易に行うことができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のX線撮影装置によれば、X線撮影される被検体Pを載せる水平方向移動部である移動板19を、操作部である位置調整レバー30の操作によりX線発生部とX線検出部とが水平方向で対向する方向と交差する水平方向に移動させることができ、これにより、被検体Pの被撮影部位Aを、X線発生部12とX線検出部14とが対向するX線照射領域B内に位置させる位置合わせを、手間をかけず容易に行うことができる。
【0069】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。