特許第6207831号(P6207831)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207831
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】品目を分配するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06M 7/00 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   G06M7/00 301B
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2012-261692(P2012-261692)
(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公開番号】特開2013-137754(P2013-137754A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2015年11月26日
(31)【優先権主張番号】1120691.9
(32)【優先日】2011年12月1日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512289485
【氏名又は名称】データ ディテクション テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】アリ ティダール
(72)【発明者】
【氏名】イスラエル シュナイダーマン
(72)【発明者】
【氏名】ナクション カハナ
(72)【発明者】
【氏名】アミチャイ アダム
(72)【発明者】
【氏名】アリエ テイテルバウム
(72)【発明者】
【氏名】オデッド ダヴィドヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヨッシー ショマー
(72)【発明者】
【氏名】ユヴァル リチ
(72)【発明者】
【氏名】ツヴィ ヴァインベルゲル
(72)【発明者】
【氏名】イゴール ファイブ
【審査官】 吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/141919(WO,A2)
【文献】 特開2000−103417(JP,A)
【文献】 実開平4−40364(JP,U)
【文献】 特開平5−143808(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0088810(US,A1)
【文献】 特開平4−71092(JP,A)
【文献】 特開平4−318690(JP,A)
【文献】 特開2010−275093(JP,A)
【文献】 実開昭52−131071(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06M 7/00−15/00
B65B 59/00−65/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の数の離散品目を迅速かつ正確に分配するための方法であって、前記方法が、
複数の品目を画像センサーに向かって運搬するコンベヤーを作動させることであって、前記品目が単一層内に配列され、かつ、前記品目のうちの少なくともいくつかが、運搬の方向に直交する方向に平行して運搬されることと、
前記コンベヤーの端部の真下の領域の画像を、前記コンベヤーから落下する品目が軌道内にある間に前記画像内に記録されるように、継続して捕捉するために前記画像センサーを作動させることであって、前記コンベヤーから落下する品目のうちの少なくともいくつかが、運搬の方向に直交する方向に平行して落下していることと、
落下する品目の数を継続して決定するために、リアルタイムで前記画像を処理することとであって前記落下する品目の数を継続的に決定するための前記画像の処理が、
(a)ある品目が前記領域を出るときに品目カウントを1だけ増加させることを含み、前記ある品目が出たことが、前記品目の上部がある画像内に現れるが、連続する画像からは見つからないときに決定される、
(b)ある品目が前記領域に入るときに品目カウントを1だけ増加させることを含み、前記ある品目が入ったことが、前記品目の下部がある画像内に現れるが、直前の画像からは見つからないときに決定される、
(c)各品目を、前記領域に入ってから前記領域を出るまで、連続した画像に渡って追跡することと、前記画像のうちの1つ以上の中に偶発的なノイズが現れる場合に数え間違いを防ぐために、各追跡される品目が出たときに品目カウントを1だけ増加させることと、を含む、
の(a)〜(c)の工程のうちいずれか1つの工程を含み、
品目が慣性で前記コンベヤーから落下しなくなるまで、落下する品目の数を継続して決定しながら、落下する品目の数が前記所定の数に達する前に前記コンベヤーを停止することであって、落下する品目の総数が前記所定の数より最大で10だけ小さいことと、
品目の所定の数を満たすために必要な正確な数の品目を、一つずつ、自動的にかつ離散して分配する補助的品目分配装置を作動させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記補助的品目分配装置の作動が、前記コンベヤーの作動と少なくとも部分的に同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンベヤーの端部の真下の領域が、平行して運搬され、かつ、前記コンベヤーの端部から平行して落下する品目の全てが前記画像内に記録されるように、前記コンベヤーの端部の幅の有効部分まで延在する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コンベヤーの端面が前記画像内に記録されないことを確実にするために、前記コンベヤーの端部と前記領域の上縁部との間に垂直間隙が提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
所定の数の離散品目を迅速かつ正確に分配するための装置であって、前記装置が、
運搬の方向に直交する方向に平行して複数の品目を運搬するように構成された平行運搬コンベヤーであって、前記運搬はホッパーから前記コンベヤーの端部までである、コンベヤーと、
前記コンベヤーの端部の真下の領域の画像を、前記コンベヤーから落下する品目が軌道内にある間に前記画像内に記録されるように、継続して捕捉するように構成された画像センサーであって、前記コンベヤーから落下する品目のうちの少なくともいくつかが、運搬の方向に直交する方向で平行して落下している、画像センサーと、
落下する品目の数を継続して決定するために、リアルタイムで前記画像を処理するように構成された計数装置と、
前記落下する品目の数を継続的に決定するための前記画像の処理が、
(a)ある品目が前記領域を出るときに品目カウントを1だけ増加させることを含み、前記ある品目が出たことが、前記品目の上部がある画像内に現れるが、連続する画像からは見つからないときに決定される、
(b)ある品目が前記領域に入るときに品目カウントを1だけ増加させることを含み、前記ある品目が入ったことが、前記品目の下部がある画像内に現れるが、直前の画像からは見つからないときに決定される、
(c)各品目を、前記領域に入ってから前記領域を出るまで、連続した画像に渡って追跡することと、前記画像のうちの1つ以上の中に偶発的なノイズが現れる場合に数え間違いを防ぐために、各追跡される品目が出たときに品目カウントを1だけ増加させることと、を含む、
の(a)〜(c)の工程のうちいずれか1つの工程を含み、
複数のアクチュエータ制御コマンドに従って前記コンベヤーの作動を制御するように構成されたアクチュエータと、
コンピューティングプラットフォームであって、
落下する品目の数を前記計数装置から受信し、
前記複数のアクチュエータ制御コマンドのうちのあるアクチュエータ制御コマンドであって、前記あるアクチュエータ制御コマンドが、落下する品目の数が所定の数より最大で10だけ小さいように、落下する品目の数が前記所定の数に達する前に前記コンベヤーを停止するためのものである、あるアクチュエータ制御コマンド、を生成し、
品目の所定の数を満たすために必要な数の品目に基づき分配装置制御コマンドを生成する、
ように構成された、コンピューティングプラットフォームと、
前記分配装置制御コマンドに応答して、品目の所定の数を満たすために必要な数の品目を、一つずつ、正確にかつ離散して分配するように構成された補助的品目分配装置と、
を備える、装置。
【請求項6】
前記計数装置が、画像センサーを備え、かつ、前記画像センサーの所定の数の画素行を用いて、前記画像を捕捉するように構成され、前記所定の数が、前記画像センサー内に存在するセンサー行の総数より低い、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記計数装置が、前記画像センサーの連続したサンプル内で、落下する品目によって影響されたセンサー画素のパターンを分析することにより、落下する品目の数を決定するように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項8】
記装置が、前記落下する品目によって前記画像センサー上に反射される光を提供するための少なくとも1つの光源をさらに備える、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記落下する品目から反射された光を前記画像センサー上に集中させるためのレンズ組立体をさらに備える、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記補助的品目分配装置が、前記平行運搬コンベヤーによる前記複数の品目の運搬と少なくとも部分的に同時に、品目の所定の数を満たすために必要な数の品目を分配するようにさらに構成される、請求項に記載の装置。
【請求項11】
品目分配装置であって、
平行運搬コンベヤーであって、前記コンベヤーが、品目が少なくとも毎秒50品目の速度で前記コンベヤーの端部から落下するように、品目を運搬するように構成され、前記コンベヤーの端部から落下する品目のうちの少なくともいくつかが、運搬の方向に直交する方向で平行して落下する、コンベヤーと、
前記コンベヤーの端部の下の領域の画像を、前記コンベヤーから落下する品目が軌道内にある間に前記画像内に記録されるように、継続して捕捉するように構成された画像センサーと、
落下する品目の数を継続して決定するために、リアルタイムで前記画像を処理するように構成された計数装置と、
複数のアクチュエータ制御コマンドに従って前記コンベヤーの作動を制御するように構成されたアクチュエータと、
コンピューティングプラットフォームであって、
落下する品目の数を前記計数装置から受信し、
前記複数のアクチュエータ制御コマンドのうちのあるアクチュエータ制御コマンドであって、前記あるアクチュエータ制御コマンドが、落下する品目の数が所定の数より最大で10だけ小さいように、落下する品目の数が前記所定の数に達する前に前記コンベヤーを停止するためのものである、あるアクチュエータ制御コマンド、を生成し、
品目の所定の数を満たすために必要な数の品目に基づき分配装置制御コマンドを生成する、
ように構成された、コンピューティングプラットフォームと、
前記分配装置制御コマンドに応答して、毎秒1〜4品目の速度で、離散して、一つずつ、品目の所定の数を満たすために必要な数の品目を正確に分配するように構成された補助的品目分配装置と、
を備える、品目分配装置。
【請求項12】
前記補助的品目分配装置が、前記平行運搬コンベヤーによる前記品目の運搬と少なくとも部分的に同時に、品目の所定の数を満たすために必要な数の品目を正確に分配するようにさらに構成される、請求項11に記載の品目分配装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常に多数の離散品目(item)をグループ(または「一群(batch)」)に分配するための装置および方法に関し、各グループは、所定の数の品目を含む。
【背景技術】
【0002】
粒子状物質の品目を既知の数量の一群に分配することが、しばしば必要になる。例えば、錠剤、丸薬、カプセル、種子、キャンディ、または同様のものを瓶、袋、または他の容器に分配することや、異なる評価者が全体の品質および価値、または同様のものを評価できるようにするために、未加工のダイヤモンドをほぼ同数のサンプルのパッケージまたは容器に分類することがある。
【0003】
いくつかの分配タスクでは、仕上がった容器は、所定数より少ない品目を含んでいてはならない。例えば、ある丸薬を分配する場合、完全な治療周期が提供される必要があり得、従って、少なくとも所定数の品目が各容器内に提供されなければならない。
【0004】
一方、分配される品目が高価であり得、そのため、あまりに多くの容器に所定数を超える品目が含まれていると、それは、結果的にその品目の供給業者またはパッケージング組織の直接損害になる。
【0005】
多くの分配マシンでは、品目はコンベヤーに沿って運ばれ、その端部で品目は容器内に落下するか、または容器内に収集される。従って、品目がコンベヤー上に一列に置かれる場合、単純な計数または計量機構で十分な結果を提供し得る。しかし、かかる機構は、本質的に遅く、従って、品目が、かかる制限を課すことなくコンベヤー上に自由に置かれる場合よりも、少ない品目の分配しかできない。
【0006】
さらに、いくつかの分配マシンは、所望の量に達すると、品目がコンベヤーから物理的に落下するのを防止するために様々な障壁も利用する。
【0007】
「Methods and apparatus for controlling the feed rate of a discrete object sorter/counter」という名称のSmithに対する米国特許第5,473,703号は、センサーアレイが最初の物体を検知するまで、供給ボウルを所定の振幅で振動させるように振動器を調整するコントローラを開示する。コントローラは、次いで、より低い振幅で供給ボウルを振動させるように振動器を調整し、他の物体の検知をモニタリングする。物体を検知する間の時間間隔がモニタリングされ、コントローラが、一定の供給量を維持するために、供給ボウルを低いか、または高い振幅で振動させるように振動器を調整する。検知した物体の数が保持され、所定の最大数と比較される。物体の数が、最大数未満の所定の数と等しくなると、コントローラは、供給量を減らすために、供給ボウルを低い振幅で振動させるように振動器を調整する。物体の数が最大数と等しくなると、コントローラは、傾斜台(chute)を閉じるゲートを作動させる。
【0008】
「Cassettes for systems which feed,count and dispense discrete objects」という名称のGeltserらに対する米国特許第6,659,304号は、とりわけ、離散物体を出口の穴に向かって一列で供給する構造を含む、物体計数および分配システムのための大容量カセットを開示する。
【0009】
「Integrated automated drug dispense method and apparatus」という名称のHebronらに対する米国特許第6,449,927号は、とりわけ、薬剤がほぼ一列になってキャニスタ(canister)の中を進むプロセスである、単一化(singulation)制御を開示する。単一化制御のための手段が、加速ランプ(ramp)および分配ランプの幅によって提供される。適切なランプ幅を提供することにより、薬剤がほぼ一列以外になって移動するのを防ぐ。適切なランプ幅は、実際には、2つ以上の幅であり得、例えば、最大幅から最小幅まで漸減する幅であり得る。また、薬剤のサイズおよび形状に基づき、特定の薬剤に対するキャニスタを設計することも、好ましくあり得る。適切なランプ幅を選択するために、薬剤のサイズおよび形状が使用され得る。単一化制御は、薬剤がその上を移動する加速ランプおよび分配ランプの表面を水平位置に関して斜めに維持することにより、支援され得る。角度は、キャニスタの中央に最も近いランプ表面の縁部が、キャニスタの中心から最も遠いランプ表面の縁部を交差する水平面の上になるように、選択される。
【0010】
Hebronは、充填時間を最小限にするために、駆動周波数が、センサーの最大検出率に近づくまで、ゆっくり増加することをさらに開示する。薬剤数は、固定のサンプリング時間内に記録された離散整数カウントである。移動平均が、最後の薬剤がいつセンサーを通って落下するかを予測するための基準として使用される。薬剤数が総数に近づくにつれて、充填を終了する時間が、計数機構のサンプリング時間の分数として予測される。終了する予定時刻に近づくと、振動分配装置によるキャニスタまたは使用単位瓶の振動が終了する。1つまたは2つの固形の薬剤が不足するという予測されるイベントでは、例えば、最後に使用された周波数として、25ミリ秒から100ミリ秒の短時間パルスの間、駆動機構が再起動される。次いで、少なくとも次の薬剤数が記録されるまで、駆動機構がオフにされる。数がまだ不足している場合は、このプロセスが繰り返される。
【0011】
「Vibrating bowl,vibrating bowl feeder, and vacuum deposition apparatus」という名称の、Ogawaらに対する欧州特許出願第1,852,372号は、とりわけ、振動ボウルおよび同様のものを開示し、それは、供給する物体の数を正確に数えることができ、単位時間当たりに正確に物体を1つずつ外部位置に導き、単純な配列手段によって物体の集合体を供給路上の中間点で行または列に配置する。
【0012】
「Automated pill−dispensing apparatus」という名称のGeroldらに対する米国特許公開第2003/022291号は、とりわけ、固体の丸薬を自動的に分配するために便利な大量貯蔵装置を開示し、長さ、上流端部および下流端部を有するトラックを含み、そのトラックは、トラックが振動すると、その長さに沿って縦方向に丸薬を供給するように適合されている。貯蔵装置は、トラックの上に位置付けられ、上流端部上の丸薬を落とすための開口部を有するホッパーを含み、その貯蔵装置は、単一化した丸薬を下流端部から落とすことを可能にする開位置と、丸薬がトラックから落下するのを防ぐ閉位置との間で移動可能なドアを含む。そのドアは、閉位置に近接し、閉位置へ移動している場合、縦方向に平行に移動して、ドアが閉位置で止まると、下流端部から落ちかかっているどの丸薬もトラック上に押し戻されるようになる。
【0013】
「Automated pill−dispensing apparatus」という名称のChambersに対するに対する米国特許公開第2010/0205002号は、とりわけ、丸薬が震動性供給ボウルの螺旋状縁部まで進み、単一化装置(singulator)を通過することを開示する。概ね一列になって進むと、各丸薬は1つずつ、震動性供給ボウルの出口側縁部から、丸薬分配ルートの上流に落下する。丸薬が上流を通過するとき、それらは、第1および第2のセンサーのペアによって提供される光ビームも通過する。次いで、丸薬は続いて、分配ルート、通常は分配傾斜台(chute)の下流を通過する。分配傾斜台を通過した後、丸薬は分配用ネック部を通過し、丸薬分配装置から出て、丸薬用瓶に入る。所望の数の丸薬が分配されると、コントローラは震動性ベース装置をオフにするように信号を送る。さらに、出口側縁部に近接して位置しているどの追加の丸薬も分配ルートの上流に落下するのを防ぐため、丸薬停止機構がコントローラによって起動される。
【0014】
「Automatic high−speed pill counting appartus」という名称のIshizukaに対する米国特許第6,449,927号は、とりわけ、台板に丸薬用出口およびセンター穴を有する円筒状丸薬ホッパーを備える装置を開示し、回転式分離供給装置(rotational separative feeder)がその円筒状丸薬ホッパーに取り付けられ、かつ、台板のセンター穴で支えられた軸に移動可能に取り付けられており、供給装置は、丸薬ホッパーの下部の内径に近い外径を有する、上方の直径方向により小さい部分および下方の直径方向により大きい部分を含み、非常に多数の垂直貫通孔が下方の直径方向により大きい部分の外周に形成されて、複数の丸薬を垂直に収容するための丸薬用出口に一致されるようにされ、複数の垂直貫通孔は下方部分で拡大され、下方の直径方向により大きい部分の外周内の位置が実質的に1つの丸薬を底面から収容できるように、リング状の切れ込みが形成され、丸薬分離板が、丸薬用出口の上の円筒状丸薬ホッパーに取り付けられ、切れ込みにゆったりと適合した内向きに突き出た先端を有する。本装置は、ホッパーの円筒状部分の内壁が汚れて、丸薬が汚れたり破損したりするのを防ぎながら、丸薬を迅速かつ正確に数えることができる。
【0015】
「Article handling system with dispenser」という名称のLernerに対する米国特許第4,382,527号は、とりわけ、計量済みまたはカウント済みの品物を分配するためのシステムで、ボウル状フィーダーホッパー内の品物の制御レベルを維持するために、品物が振動コンベヤーによって供給ホッパーから供給されることを開示する。重量計の実施形態では、品物が最初にフィーダーホッパーから2つの吐出し口を通ってアキュムレーターバケツに放出される。計量装置は、バケツ内の品物の重さをモニタリングし、バケツ内の品物の重さが所定の重さに近づき始めると、ドアに信号を送って吐出し口の1つを閉める。計量装置は、続いて、バケツ内の品物の重さが所定の重さにさらに近づくと、フィーダーホッパー駆動に信号を送ってその供給動作を減速する。フィーダーホッパーの吐出し口は、ドアによって制御する開口部が品物の迅速な大量供給を提供する位置で互いに近接して配置されるが、一方、他の開口部は一列でぽつりぽつりと提供する。計数器の実施形態では、品物が一列でフィーダーホッパーから計数器を通ってアキュムレーターバケツに渡されるように、単一の吐出し口を有するフィーダーホッパーが使用される。
【0016】
「Granular material discharging device」という名称のKazumiらに対する日本特許第2,132,011号は、その公開された英語の要約で、とりわけ、振動式フィーダーを利用する薬剤の定量的放出装置(quantitative discharging device)内の流速が一定になるように、負荷変動に応じて振動周波数を選択するか、または各振動周波数に対する負荷および流速の測定データに基づきフィーダーを選択することによる、放出制御精度の向上を開示する。その装置は、例えば、D1など、入力された大量材料のタイプに応じて、振動周波数、負荷、および流速の中から関係データを選択する中央処理装置を含む。現在の負荷に対応する最適回数が、重量測定装置から計算された負荷信号SLに基づきデータD1から選択され、周波数信号に対応するAC電源がD/A変換回路、積分回路、V/F変換回路、および電力駆動回路を介して電磁気部に供給される。振動式フィーダーが現在の周波数で操作され、流速がほぼ一定にされる。放出制御精度が、この構造に従って向上できる。
【0017】
いくつかの配分および梱包機械は、収集した物体の実際の数を決定するための計数機構を含む。画素化された配列への光源の照明を遮断する物体をモニタリングすることにより、注ぎ込んでいる物体の数を数えることができる。
【0018】
かかる機構が、例えば、「Method and apparatus for optically counting discrete objects」という名称のPintoらに対する米国特許第5,768,327号で開示されている。Pintoは、円錐台形状部を有する供給漏斗を含む物体計数器について記述し、その狭い端部が、概ね矩形断面を有する概ね垂直な供給路に連結されている。1対の線形光学センサーアレイが、供給路の隣接する直交側に沿って配置され、対応する対の平行光源が、各アレイ内の各センサーが対応する光源を受信するように、供給路の反対の隣接する側に沿って配置される。供給漏斗内に置かれた物体が供給路に落ち、供給漏斗を通過する際に、アレイ内のセンサー上に影を落とす。2本の線形光学アレイの各々からの出力が、好ましくは様々な控えめな基準に従って、別々に処理され、2つの物体のカウントがそれによって取得される。2つの控えめなカウントの高い方が正確なカウントとして受け入れられ、数値表示部に表示される。別の実施形態では、4つのセンサーアレイおよび光源が提供される。第3および第4のセンサーアレイならびに対応する光源が、第1および第2のアレイの下流に配置される。センサーアレイの各々の出力が別々に処理され、最も高い控えめなカウントが正確なカウントとして受け入れられ、数値表示部に表示される。
【0019】
「Method and apparatus for the recognition and counting of discrete objects」という名称のProzekらに対する米国特許第5,317,645号は、とりわけ、様々なサイズおよび形状の離散物体を、それらが無秩序な流れで装置内を移動する際に、カウントするための装置を開示する。その装置は、直線状に配置された複数の光検出器を含むセンサーアレイを含む。離散物体は、センサーアレイを横切る。センサーアレイを離散物体に関する情報を取得するための手段として利用することにより、その装置は、所定の時間間隔でセンサーアレイをサンプリングし、サンプリングを通して生成された画像の様々な外形を検査し、所定の基準に基づいて、画像が1つまたは複数の物体を表しているか否かを決定する。
【0020】
「Method and apparatus for sorting granular objects with at least two different threshold levels」という名称のSatoruらに対する欧州特許第1,083,007号は、とりわけ、異なるサイズの品目を分類するための方法およびシステムを開示し、その方法およびシステムでは、連続した形態で流れる粒状の物体が照明によって照射される。結果として生じるソリッドステート画像装置からの画素信号は、第1のレベルの粒状の物体の不完全な部分を検出するために決定された所定の輝度の閾値によって二値化され、前述の画素信号は、第2のレベルの不完全な部分を検出するために決定された所定の輝度の閾値によっても二値化される。第2のレベルは、第1のレベルよりもどんよりとした色調に対するものである。不完全な画素信号が二値化された画素から検出されると、中心位置における不完全な粒状の物体の画素が指定され、指定された中心位置における画素に対応する不完全な粒状の物体の中心位置に作用するため、分類信号が出力される。サイズは小さいが、製品価値に影響を及ぼす、極度に色の付いた部分を有する粒状の物体を効果的に押し出すことができる。分類の出来高(yield)は、小さくて、少しだけ色が付いている、従って、製品価値に影響を及ぼさない、不完全な部分を有する粒状の物体を選び出さないことにより、向上する。
【0021】
従って、当技術分野における分配装置および方法に対する必要性があり、それは、各グループ内の所定の数量の品目を、正確、迅速、および効果的な方法で分配することを提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
一実施形態による、所定の数の離散物体を迅速かつ正確に分配するための方法が提供され、その方法は、複数の品目を撮像装置に向かって運搬するようにコンベヤーを作動させることであって、その品目が単一層に配列され、少なくともいくつかの品目が平行して運搬される、コンベヤーを作動させること;コンベヤーから落下する品目が軌道内にある間に画像に記録されるように、コンベヤーの端部の真下の領域の画像を継続して捕捉するように撮像装置を作動させること;落下する品目の数を継続して判断するためにリアルタイムで画像を処理すること;品目が慣性でコンベヤーから落下しなくなるまで落下する品目の数を継続して判断しながら、落下する品目の数が所定の数に達する前に、コンベヤーを停止すること;および、品目の所定の数を満たすため、追加の数量の品目を自動的に分配することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、追加の数量の品目を自動的に分配することは、品目の所定数を満たすために必要な数の品目の正確に分配するために、補助的品目分配装置を作動させることを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、追加の数量の品目を自動的に分配することは、コンベヤーのパルスを設定することを含み、パルスの長さは、パルス長の品目の落下に対する比が統計的に推定される初期の較正段階に基づき決定される。
【0025】
いくつかの実施形態では、コンベヤーの端部の真下の領域が、平行して運ばれ、かつ、コンベヤーの端部から平行して落下する全ての品目が画像に記録されるように、コンベヤーの端部の幅の有効部分まで延在する。
【0026】
いくつかの実施形態では、コンベヤーの端面が画像に記録されないことを確実にするために、垂直間隙(vertical gap)が、コンベヤーの端部とその領域の上縁部との間に提供される。
【0027】
いくつかの実施形態では、落下する品目の数を継続的に判断するために画像を処理することは、品目が領域を出る際に品目カウントを1だけ増加させることを含み、出たことは、品目の上部が1つの画像に現れるが、連続した画像からは見つからない場合に判断される。
【0028】
いくつかの実施形態では、落下する品目の数を継続的に判断するために画像を処理することは、品目が領域に入る際に品目カウントを1だけ増加させることを含み、入ったことは、品目の下部が1つの画像に現れるが、直前の画像からは見つからない場合に判断される。
【0029】
いくつかの実施形態では、落下する品目の数を継続的に判断するために画像を処理することは、各品目を、領域に入ってからその領域を出るまで、連続した画像に渡って追跡すること、および1つまたは複数の画像に偶発的なノイズが現れる場合に数え間違いを防ぐため、各追跡する品目が出る際に品目カウントを1だけ増加させることを含む。
【0030】
一実施形態により、離散物体をカウントする方法がさらに提供され、その方法は、カウントする複数の品目を提供すること;その品目を撮像装置に向かって運搬するためにコンベヤーを作動させることであって、品目が一列に配列され、少なくともいくつかの品目が平行して運搬される、コンベヤーを作動させること;コンベヤーから落下する品目が軌道内にある間に画像に記録されるように、コンベヤーの端部の真下の領域の画像を継続して捕捉するように撮像装置を作動させること;落下する品目の数を継続して判断するためにリアルタイムで画像を処理すること;および、所定の期間、品目が落下していないことを処理が示すと、落下する品目の決定された総数を提供することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法は、所定の期間、品目が落下していないことを処理が示すと、コンベヤーを自動的に停止することをさらに含む。
【0032】
一実施形態により、所定の数の離散物体を迅速かつ正確に分配するための装置がさらに提供され、その装置は、複数の品目を平行して、ホッパーからコンベヤーの端部まで運搬するように構成された平行運搬コンベヤー;コンベヤーから落下する品目が軌道内にある間に画像に記録されるように、コンベヤーの端部の真下の領域の画像を継続して捕捉するように構成された撮像装置;落下する品目の数を継続して判断するためにリアルタイムで画像を処理するように構成された計数装置;アクチュエータ制御コマンドに従って前記コンベヤーの作動を制御するように構成されたアクチュエータ;落下する品目の数が所定の数に達する前に前記コンベヤーを停止するためのアクチュエータ制御コマンドを生成するため、および品目の所定の数を満たすために必要な品目数に基づき分配装置制御コマンドを生成するために、落下する品目の数を前記計数装置から受信するように構成されたコンピューティングプラットフォーム;および分配装置制御コマンドに応答して、品目の所定の数を満たすために必要な数の品目を正確に分配するように構成された補助的品目分配装置を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記計数装置は、画像センサーを含み、前記画像センサーの所定の数の画素行を用いて、前記画像を捕捉するように構成され、その所定の数は、前記画像センサー内に存在するセンサー行の総数より少ない。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記計数装置は、画像センサーの連続したサンプル内で、落下する品目によって影響を受けたセンサー画素のパターンを分析することにより、落下する品目の数を判断するように構成される。
【0035】
いくつかの実施形態では、前記計数装置は画像センサーを含み、本装置は、落下する品目によって画像センサー上に反射するための光を提供するための少なくとも1つの光源をさらに含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、本装置は、落下する品目から反射された光を撮像装置上に集めるためのレンズ組立体をさらに含む。
【0037】
一実施形態により、品目分配装置がさらに提供され、その品目分配装置は、品目を、少なくとも毎秒50品目の速度で運搬するように構成された平行運搬コンベヤー;コンベヤーから落下する品目が軌道内にある間に画像に記録されるように、コンベヤーの端部の真下の領域の画像を継続して捕捉するように構成された撮像装置;落下する品目の数を継続して判断するためにリアルタイムで画像を処理するように構成された計数装置;アクチュエータ制御コマンドに従って前記コンベヤーの作動を制御するように構成されたアクチュエータ;落下する品目の数が所定の数に達する前に前記コンベヤーを停止するためのアクチュエータ制御コマンドを生成するため、および品目の所定の数を満たすために必要な品目数に基づき分配装置制御コマンドを生成するために、落下する品目の数を前記計数装置から受信するように構成されたコンピューティングプラットフォーム;および分配装置制御コマンドに応答して、毎秒1〜4品目の速度で、品目の所定の数を満たすために必要な数の品目を正確に分配するように構成された補助的品目分配装置を含む。
【0038】
一実施形態により、品目分配装置がさらに提供され、その品目分配装置は、平行運搬コンベヤー;品目がコンベヤーから落下する際に、品目の少なくとも1つの画像を捕捉するための撮像装置であって、ほとんどの品目が、撮像装置によって捕捉される際に実質的に同一平面上に位置している、撮像装置;少なくとも1つの画像に基づき、品目をカウントするための計数装置;前記コンベヤーおよび前記計数装置に連結されたコンピューティングプラットフォームであって、現在の一群が前記計数装置によってほぼ所望の品目カウントに達していると示されるまで、前記コンベヤーを連続モードで、また、少なくとも、所望の品目カウントから不足している品目の数量を満たすためのパルスモードで、動作するように構成され、パルスモードは、パルスに続く慣性力に起因して、間接的のみならず、コンベヤーの操作の直接的結果として、設定された数の品目がコンベヤーから落下するように事前決定された長さを有する少なくとも1つのパルスで前記コンベヤーを作動させるコンピューティングプラットフォームを含む。
【0039】
例示的な実施形態を参照図に示す。図に示すコンポーネントの寸法および特徴は、一般に、便宜上および提示を明確にするために選択され、必ずしも原寸に比例して示されていない。図は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1A】品目を分配するためのマシンの第1の例示的な実施形態の略図を示す。
図1B】品目を分配するためのマシンの第2の例示的な実施形態の略図を示す。
図2A】分配マシンを較正するための方法におけるステップの流れ図である。
図2B】分配マシンを操作するための方法におけるステップの流れ図である。
図2Cコンベヤーから落下する品目をカウントするために使用される撮像機構の較正段階の例示的な実施形態におけるステップの流れ図である。
図3A】コンベヤーから落下する品目をカウントするために使用されるレンズ、センサーおよび照明器材の例示的な実施形態である。
図3B】滑り領域(sliding area)から落下する品目をカウントするために使用されるレンズ、センサーおよび照明器材の例示的な実施形態である。
図4A】滑り領域から落下する品目の例示的なスナップショットを示す。
図4B】3つの例示的な錠剤の落下中に捕捉された非常に多数のセンサー線の略図である。
図5】コンベヤーおよび補助的品目分配装置の操作モードを示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の説明は、種子、宝石、錠剤、丸薬、カプセル、キャンディまたは同様のものなど、離散物体の所定の数量を迅速で、正確かつ効率的に分配することに関する。
【0042】
開示する方法および装置で対処する1つの技術的な問題は、実質的に同一の品目を容器から別個のパッケージに分配する必要があり、各パッケージが同じ所定数の品目を含む、状況に関する。分配は、顧客の不満および不平を回避するために、どのパッケージに含まれる要素も所定数より少なくないように、高精度で行われる必要がある。一方、無駄および経済的損失を回避するため、所定数よりも多くを含むパッケージは稀でなければならない。
【0043】
1つの技術的解決策は、所定数の品目を分配するための装置および方法を提供することである。
【0044】
本装置は、分配する大量の品目を含むことができるホッパーまたはサイロなどの、供給装置を含み得る。ホッパーは、品目を、アクチュエータによって作動されたコンベヤー上に放出し、そのアクチュエータは、コンピューティングプラットフォームによって制御される。コンベヤーは、コンベヤーベルト、振動コンベヤー、振動傾斜台、勾配が変化する傾斜台、または経路に沿って品目を運搬するための任意の類似の手段であり得る。いくつかの実施形態では、品目は、第1の品目が完全に放出される前に第2の品目の放出を開始できるように、複数の品目が同時に、または最小限の時間差で放出できるような、自由な方法でホッパーから放出される。コンベヤーの移動および/またはその振動の結果として、品目がコンベヤーの表面に、単一層で、かつ、複数の品目が(一列とは対照的に)平行に進む方法で、無作為に配列される。
【0045】
アクチュエータの振動は、コンベヤー上の品目を振動させ得、それらの各々が最終的に安定した体勢をとるようにする。例えば、錠剤などのいくつかの品目は、直円柱の形状、または少なくとも1つの実質的に平坦な面を有する類似の形状であり得る。振動により、錠剤は、それらの任意の1つの平坦な側面をコンベヤー上に位置付けるようにされ得、通常、錠剤は互いに寄り掛かからず、各錠剤の完全に平坦な面がコンベヤーの表面に置かれる。平坦な側面を有していない品目は、それらの形状、重心および同様のものに従って、相対的に安定した体勢をとり得る。例えば、端部が丸みを帯びた管状カプセルは、先端に相対して、管状面をコンベヤー上に向けて位置し得る。対称的であるため、たとえカプセルが管状面に関して回転しても、上から見ると、同じ投影を有するであろう。
【0046】
品目がコンベヤーの端部に達すると、品目は、コンベヤーを外れて弾道軌道内に落ち始めて、容器または最終的に容器に通じる軌道に入る。品目がコンベヤーを外れて落ち始めると、それらの間の間隙が増える傾向があり、コンベヤー上で以前は互いに触れあっていた品目が、分離し易くなる。その結果、一実施形態では、撮像装置は、品目の大部分が、全部ではないにしても、散らばって互いに接触していないときに、落下する品目が、軌道内にある間に画像に示されるよう、コンベヤーの端部の真下の領域(「計数領域」)の画像を継続して捕捉する。これは、補足した画像のコンピュータ分析中に、品目をうまく数えられるようにする。
【0047】
代替実施形態では、概ね水平なコンベヤーは、傾斜した滑り領域で終了する。品目は、コンベヤーから滑り領域へ落ち、その領域を横切って滑り、その端部で充填中の容器の中か、またはその容器に通じる軌道に落下する。滑り領域の傾斜は、その滑り領域に沿って移動する品目に対して、実質的に同一の速度機能、従って、品目が滑り領域を離れる瞬間に実質的に同一の品目の落下速度を提供する。それはまた、品目の間の間隔を増やし、一旦滑り領域を離れると実質的に同様な軌道を提供し、それ故、撮像装置に関して同様な角度を提供する。
【0048】
いくつかの実施形態では、起動時のコンベヤーの付随的な加速および停止時の減速を除いて、アクチュエータは、速度、振動周波数、振動振幅、傾斜台の傾き、および/または同様のものなど、一定の特性でコンベヤーを動かす。
【0049】
品目は、コンベヤーの縁部または滑り領域から落下する際にカウントされ、少なくとも所定の数の品目が容器の中に落下すると、コンベヤーは停止する。いくつかの実施形態では、コンベヤーが停止した後に、慣性力によって1つまたは複数の品目がまだ容器の中に落ち得ることが考慮に入れられるため、所定数は、アンダーシュート、すなわち、最終的な分配に必要な品目数よりも少ない。コンベヤーが停止した後に落下する品目もカウントされ、容器内の品目の総数が決定される。
【0050】
一実施形態では、システムは、たとえ慣性力が働いても、分配する品目の総数がほとんど全ての場合、最終的に必要な数よりもまだ少ないように構成され得る。これらの場合、制御システムが、追加の品目が落ちて最終数を満たすように、必要に応じて、1または複数のパルスでコンベヤーを再作動させる。
【0051】
パルスは、コンベヤーが短期間、その一定の速度(または他の特性)で動作する、短い作動に関連する。数パルスはまだ非常に短い可能性があるため、コンベヤーはその以前の一定の速度に何とか達するようにさえできない。通常は、パルスは、ほんの一瞬持続し得、例えば、1〜10品目など、いくつかの品目が、コンベヤーまたは滑り領域から落下するようにする。
【0052】
追加のパルスが必要か否かを判断するために、分配された品目の累算数が、各パルスの後に決定される。分配された品目の数が品目の必要数に達する(または超える)と、容器が取り除かれ、新しい容器が置かれて同様の方法で充填される。
【0053】
最終的な数からまだ足りない品目を満たすため、パルスの代替として、補助的品目分配装置と呼ばれる追加の装置が使用され得る。補助的品目分配装置は、複数の品目を貯蔵庫内に保持し、それらを機械的に1つずつ、離散的に押し出す機構を含み得る。この機構は、特に、不足している品目数が、例えば、5以上の場合、比較的低速であり得る。低速の追加のステップが毎回必要であれば、コンベヤーによる非常に高速な分配が役に立たないように見えるので、この低速は、理論上は、プロセス全体を非効率にし得る。例として、コンベヤーは、少なくとも毎秒約50品目(または、別の実施形態では、少なくとも毎秒約90品目)の速度で分配し得、一方、補助的品目分配装置は、発明者によって実験的に検証された通り、毎秒1〜4品目を分配することができるだけである。
【0054】
従って、一実施形態では、コンベヤーによる分配および補助的品目分配装置による分配が、少なくとも部分的に同時に実行され得、それにより、遅さの問題が軽減または除去される。この実施形態では、2つの容器ステーションが提供され、第1のステーションは、落下する品目を受け取るために、コンベヤーの端部の下にあり、第2のステーションは、離散的に分配された品目を受け取るために、補助的品目分配装置のところにある。このように、補助的品目分配装置が、コンベヤーによって既に充填されている容器内に不足している品目を満たす間に、他の品目が第1のステーションでコンベヤーにより第2の容器内に分配されている。第2の容器が品目の数量に届かないアンダーシュートで充填されると、完了のために第2のステーションに移動される、などと続く。
【0055】
第2のステーションで充填する時間が第1のステーションで充填する時間を超えない限り、補助的品目分配装置はいかなる遅延も生じないであろう。第2のステーションでの時間が第1のステーションでの時間よりも幾分長い場合、第2のステーションでの時間のほとんどは、それでも無駄ではないので、プロセス全体は依然として有益と見なされるであろう。
【0056】
本方法および装置は、各タイプの分配タスクに対して較正を必要とする。較正は、例えば、サイズ、形状、重さ、コンベヤーまたは滑り領域に対する摩擦係数、および/または同様のものなど、分配する品目の特性によって決まり得る。較正は、最小または最大速度、加速および減速速度、物理的寸法および/または同様のものなど、装置の動作パラメータによっても決まり得る。
【0057】
較正は、品目がホッパーからコンベヤーに分配される速度、必要な数量のほとんどを分配するために制御システムがコンベヤーを作動させる時間の初期長、および所定の数量の分配を完了するために必要なパルスの持続時間など、装置の起動に関連する1つまたは複数のパラメータの決定を含む。
【0058】
滑り領域が使用される場合、滑り領域の長さまたは傾斜も決定され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、パルス長は、容器内でまだ不足している品目数によって決まり得る。例えば、1つまたは2つの品目が不足している場合、装置は、コンベヤーを100ミリ秒パルスの間作動させるように較正され得る。しかし、20品目が不足している場合、パルス長は500ミリ秒に決定され得、その後、いくつかの品目がまだ不足している可能性があり、従って、もう1つのパルスを必要とする。当然ながら、これらの例示的な値は、分配する品目のタイプおよび/または装置の動作パラメータによって変わり得る。
【0060】
コンベヤーが各分配タイプに対して異なる特性(例えば、速度、関連する場合傾斜、振動速度、振動振幅、および/または同様のもの)を仮定し得るいくつかの実施形態では、これらの特性も、較正段階で決定され得る。
【0061】
新しいタイプの分配タスクの前に実行される較正ステップに加えて、分配タスクが実行されている間に、較正はその場でも実行され得る。品目の1つのグループの分配が終了した後、このグループを特性化した動作パラメータが、次のグループに対するパラメータを調整するために使用され得る。例えば、最初の較正で、最終カウントに達する5品目前でコンベヤーを停止すべきことが決定されたが、タスク中に最終カウントを超えるオーバーシュートが頻繁に発生するような場合は、後で、その場の較正で、最終カウントの6品目前にコンベヤーを停止するように装置を設定し得る。同様に、所望の結果からのいずれかの逸脱がどこかのポイントで検出された場合は、他のパラメータが調整され得る。このように、特に、分配する多数のグループを有する長い分配タスク中、分配に対する一定の制御が行われて、最初の較正からのいずれの逸脱も阻止するか、または少なくとも軽減する。
【0062】
容器内に入った品目数を判断するために採用された計数装置は、様々な方法で実施され得る。いくつかの例示的な実施形態では、方法および装置は、画素の行および列から成る画像センサーを使用し得る。
【0063】
センサーは、センサー行が実質的に水平に向けられ、センサー列が、例えば、軌道に垂直、45°と90°の間、または90°と135°の間など、計数領域で品目の軌道に対してある角度で傾斜するように設置され得る。センサーは、落下する品目の軌道の上、または軌道の下、すなわち、コンベヤー(または、存在する場合は滑り領域)の下のいずれかに位置付けられ得る。
【0064】
センサーは、コンピューティングプラットフォームに関連する制御および処理装置によって制御され得る。センサーは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサー、電荷結合素子(CCD)センサーまたは任意の他のセンサーであり得る。通常の実施形態では、レンズはセンサーと品目の落下領域との間に設置され、白色発光ダイオード(LED)など、1つまたは複数の随意の光源が、落下する品目に光を当て得る。LEDは、落下する品目以外の物体から最小限の光だけが反射されるような角度で、落下領域を照らし得、レンズは、落下する品目から反射された光をセンサー上に集める。あるいは、LEDは、センサーが落下する品目の影を捕捉するように、軌道の下に位置付けられ得る。
【0065】
随意に、センサーの全部の行の中から、例えば、1〜20行など、センサー行の所定のグループだけがサンプリングされて、センサー行の値の収集が、比較的狭い平面状の切れ込みを通過する落下品目の撮像として記述され得るようになる。代替実施形態では、センサー全体が、例えば、1〜20行など、少数の画素行のみを含み得る。
【0066】
品目の落下速度は、コンベヤー速度または滑り領域に起因して実質的に一定であるので、平均速度で落下する品目から反射された光が、少なくとも所定の数の連続したセンサーサンプルによって捕捉されるように、センサーのサンプリングレートが設定され得る。品目によって影響を受けるセンサー上の画素数は、落下する品目の形状によって決まり得る。例えば、直円柱の形状をした錠剤は、その平坦面が実質的に円に見えるように落下する可能性が高い。従って、その品目が見られるセンサー行は、品目が捕捉される最初および最後のセンサーサンプルが、中間のサンプルよりも少ない影響を受けた画素を含み得るパターンを生成し得る。
【0067】
各錠剤が落下する際にそれによって影響を受けたセンサーサンプル内の画素の既知のパターンにより、かつ、品目は、通常、互いに寄り掛かからず別々に落下するので、単一のセンサーサンプルによって捕捉される2つ以上の隣り合った落下する品目は、以前に、または連続して捕捉されたサンプルを用いて区別できる。
【0068】
開示した主題の1つの技術的効果は、所定数の品目を容器内に分配するための方法および装置の提供であり、ほぼ100%の事例で、パッケージが必要数を正確に含むような高精度で、また、利用可能な資源がうまく利用されるようにタスクが高効率で実行される。
【0069】
ここで図1Aを参照すると、これは、所定数の品目を高精度および高効率で分配するために提供する装置の略図を示す。
【0070】
本装置は、コンピューティングプラットフォーム104と通信し、制御コマンドを受信するマシン100を含む。マシン100は、撮像(または「捕捉」)装置135ならびに情報を制御および処理装置144に提供する計数装置136を含む。コンピューティングプラットフォーム104は、制御コマンドをマシン100に提供する。
【0071】
マシン100は、ホッパーまたはサイロ112などの貯蔵器を含み、それは、容器に分配される複数の品目116を含む。容器132などの各容器は、最終的に、所定数の品目116を含むことになる。
【0072】
貯蔵器の一例としてここに示す、ホッパー112は、その下側の開口部にゲートを含み得る。そのゲートを上下させて、ホッパー112からコンベヤー120上に分配される品目116の数を制限する。いくつかの実施形態では、下側の開口部114は、複数の品目116がコンベヤー120上に平行して分配できるように十分な広さである。複数の品目の同時処理は、本方法および装置に対して、高速分配および高収量を提供する。しかし、当業者は、品目は、当技術分野で周知の他の手段を使用して、コンベヤー120上に分配し得ることを認識するであろう。
【0073】
コンベヤー120は、コンベヤーベルト、振動傾斜台、勾配が変化する傾斜台、または同様のものであり得る。随意に、コンベヤー120は、複数の品目を、運搬方向に直交する方向で、少なくとも部分的に平行して運搬可能にする形態(以下、「平行運搬コンベヤー」)である。コンベヤー120は、複数の品目がその上面に平行して適合するような幅である。
【0074】
コンベヤー120は、アクチュエータ124によって制御され、それは、コンピューティングプラットフォーム104からコマンドを受信する。アクチュエータ124は、電流、作動液圧、空気圧、または任意の他のエネルギー源によって動作し得、エネルギーを、コンベヤー120に加わる運動に変換する。
【0075】
アクチュエータ124の機能性は、コンベヤー120の本質によって決まる。例えば、コンベヤー120がコンベヤーベルトであれば、アクチュエータ124は、ベルトを駆動または停止し、コンベヤー120が振動傾斜台であれば、アクチュエータ124は、振動エンジンを始動または停止し、コンベヤー120が変動勾配傾斜台であれば、アクチュエータ124は、傾斜台の片側を上下させる、などである。
【0076】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ124は、コンベヤー120に振動を引き起こし、それによりコンベヤー120上の品目にある体勢をとらせる。例えば、分配される品目が円筒状の錠剤の場合、振動させると、錠剤は、平坦な側面の1つを下にしてコンベヤー120上に置かれ、かつ、通常、どの品目も別の品目の上に一部または完全に寄り掛かかることがないように、コンベヤー120上に配置される。しかし、品目は、時折、互いに接触し得る。
【0077】
品目116は、操作時には、コンベヤー120に沿ってまたはそれと一緒に、コンベヤーの端部128まで進む。
【0078】
コンベヤーの端部128から、品目は落ちて、直接または、図示するように、容器に至る軌道(図示せず)を通ってのいずれかで、容器132に達する。
【0079】
いくつかの実施形態では、コンベヤー120の作動速度、従って、その上に置かれている品目の速度は、例えば、毎秒約2cmと毎秒20cmの間、例えば、毎秒6cmであり得る。
【0080】
落下する品目は、コンベヤーの端部128またはそのわずかに下から一定距離の下まで延在し、補足装置に面する仮想凸状長方形(convex rectangle)を形成する、仮想「計数領域」129に沿って移動する際に、補足装置135によって撮像される。画像は次いで、計数装置136によって分析され得る。計数装置136は、補足装置135内でセンサーをサンプリングするコマンドなどの制御コマンドを、制御および処理装置164から受信し得る。制御および処理装置164は、以下で説明するコンピューティングプラットフォーム104の一部であり得るか、またはそうでなければ、それと結合し得る。計数装置136は、画像データをカウントのために制御および処理装置164に提供し得る。制御および処理装置164は、生データまたはカウント結果または中間結果をコンピューティングプラットフォーム104に転送し得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、制御および処理装置164は、コンピューティングプラットフォーム104の一部として、例えば、コンピューティングプラットフォーム104によって実行されるアプリケーションとして、実施され得る。しかし、他の実施形態では、制御および処理装置164は、コンピューティングプラットフォーム104とは別に、または計数装置136の一部として、実施され得る。
【0082】
計数装置136および制御および処理装置164の動作については、以下で図3および図4A図4Cに関連してさらに詳細に説明する。
【0083】
コンピューティングプラットフォーム104は、プロセッサ144を含み得る。プロセッサ144は、任意の中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、電子回路、集積回路(IC)または同様のものであり得る。あるいは、コンピューティングプラットフォームは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)などのハードウェアまたは設定可能ハードウェアとして実装できる。さらに別の代替案では、プロセッサ144は、デジタル信号プロセッサ(DSP)またはマイクロコントローラなどの専用プロセッサ用に書かれたか、または移植されたファームウェアとして実装できる。プロセッサ144は、数学的、論理的、またはコンピューティングプラットフォーム104もしくはそのサブコンポーネントのいずれかで必要な任意の他の命令を実行するために使用され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、コンピューティングプラットフォーム104は、MMI(マンマシンインターフェース)モジュール148を含み得る。MMIモジュール148は、例えば、装置の較正および操作に関連する特定のユーザーコマンドまたはパラメータの受信、情報の格納および検索、装置の性能分析のための出力の提供、または同様のものなど、マシン100、計数装置140、またはユーザーから入力を受信したり、またはそれに対して出力を提供したりするために利用され得る。
【0085】
いくつかの例示的な実施形態では、コンピューティングプラットフォーム104は、記憶装置152など、1つまたは複数の記憶装置を含み得る。記憶装置152は、持続的(不揮発性)または一時的(揮発性)であり得る。例えば、記憶装置152は、フラッシュディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリチップ、CD、DVD、またはレーザーディスク(登録商標)などの光学式記憶装置;テープ、ハードディスク、ストレージエリアネットワーク(SAN)、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、またはその他などの磁気記憶装置;フラッシュ装置、メモリスティック、または同様のものなどの半導体記憶装置であり得る。いくつかの例示的な実施形態では、記憶装置152は、以下で詳細に説明する、ユーザーに情報を表示するなど、図2のいずれかのステップに関連する動作をプロセッサ144に実行させる働きをする、以下で詳細に説明する制御コンポーネント160のプログラムコードを保持し得る。記憶装置152は、特定タイプの分配タスク、仕上がった容器の数、各容器内の品目数、または同様のものに対して、マシンを操作する際に使用した較正結果などの情報も保持し得る。
【0086】
コンピューティングプラットフォーム144は、マシンを較正するための命令または同様のものを提供するため、システムとやりとりするために、例えば、端末、ディスプレイ、キーボード、入力装置または同様のものなどのMMIモジュール148と通信する1つまたは複数の入力/出力(I/O)装置156をさらに含み得るか、またはそれと結合され得る。
【0087】
コンピューティングプラットフォーム144は、例えば、計数装置136から受信したカウントに従って、随意に較正中に、および随意に動作中に、アクチュエータ124に提供される制御コマンドを決定および生成するための制御コンポーネント160も実行し得る。
【0088】
制御コンポーネント160は、相互に関連するコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のセットとして実装でき、それらは、任意のプログラミング言語を用い、かつ、任意の開発環境下で開発し得る。コンピュータプログラム命令は、記憶装置152上に格納され、かつ、プロセッサを介して実行する命令が、流れ図またはブロック図に指定されている機能を実装するための手段を作成できるように、マシンを製作するために、プロセッサ144または任意の他のプログラム可能処理装置に提供され得る。
【0089】
コンピュータプログラム命令は、製品を製作するために、コンピュータ可読持続媒体上にも格納され得る。制御コンポーネント160によって実行されるステップについては、以下で図2に関連してさらに詳細に説明する。
【0090】
コンピューティングプラットフォーム144は、マシン100からリモートで、マシン100の一部として、またはそれらの任意の組合わせで、提供できることが理解されるであろう。
【0091】
ここで図1Bを参照すると、これは、所定数の品目を高精度および高効率で分配するために提供する装置の別の実施形態の略図を示す。
【0092】
図1Aにおけるように、本装置はマシン100、下方の開口部114にゲートを備えたホッパーまたはサイロ112、コンベヤー120、アクチュエータ124、コンピューティングプラットフォーム104、補足装置135、計数装置136、および容器132を含む。
【0093】
品目116は、コンベヤー120上に放出され、作動時にコンベヤー120に沿ってまたはそれと一緒にコンベヤーの端部128まで進む。
【0094】
コンベヤーの端部128から、品目が傾斜134に沿って落下する。傾斜134は、いくつかの実施形態では、品目が傾斜134に沿って加速せず、それらの速度が摩擦によって維持されるように、起伏のある材料で作られ得ることが理解されるであろう。しかし、傾斜134と品目との間の摩擦係数は、摩擦が、品目が滑るのを妨げず、また、品目を回転させない程度であるため、従って、品目が傾斜134に接する面が変わらないように維持する。
【0095】
傾斜134は、補足装置135に対する品目の角度の同様になるように、品目が同様の軌道から継続して自由に落下するだけでなく、品目が傾斜134の端部138から落下する際に実質的に一定の速度になるようにする。
【0096】
いくつかの実施形態では、コンベヤー120の速度、従って、その上に置かれている品目の速度は、例えば、毎秒約2cmと毎秒20cmの間、例えば、毎秒6cmであり得る。傾斜134に沿って滑る品目の速度は、コンベヤー120の速度に比例して増加し得、傾斜134の材料およびその角度によって、毎秒約20cmと毎秒約2メートルの間まで達し得る。
【0097】
傾斜134の端部138で、品目が落ちて容器132に達する。
【0098】
補足装置135は、品目が、傾斜134の端部138またはそのわずかに下から一定距離の下まで延在し、補足装置に面する仮想凸状長方形を形成する、仮想「計数領域」139に沿って移動する際に補足される図1Aの設定とは異なり、品目を、傾斜134の端部138から落下する際に捕捉するように位置付けられて設定される。図1Aの実施形態におけると同様に、画像が分析され、マシン100が制御および作動される。
【0099】
ここで図2Aおよび図2Bを参照すると、これらは、品目の高精度および高効率での分配を提供し、従って、高スループットを得るために、図1に示すような、分配装置を較正および操作するための方法におけるステップの流れ図を示す。
【0100】
図2Aは、分配マシンの較正段階200の実施形態におけるステップの流れ図を示す。較正段階200は、装置の製造時に実行され得、装置が、様々なタイプの品目および/または他のパラメータに対する較正を事前に設定して、工場から提供され得るようになる。追加または代替として、較正段階200は、各タイプの分配ジョブの前にエンドユーザーによって実行され得る。ユーザーは、これらの較正を後に使用するために保存もし得る。
【0101】
ステップ208で、コンベヤーが第1の時間間隔の間、作動される。いくつかの実施形態では、第1の時間間隔は、コンベヤーの最初の付随的な加速期間(通常、ほんの一瞬持続する)が完了した後、落下する品目が実質的に一定の速度に達するのに十分な長さである。
【0102】
ステップ212で、容器に入っている品目の数を判断する。落ちた品目には、コンベヤーが停止した後、慣性力に起因して落ちた品目も含む。記録が、慣性で落ちた品目数から作成され得る。ステップ212は、品目が落下する際にカウントされ得るので、少なくとも部分的にステップ208と同時に、かつ/またはコンベヤーが停止した後に、実行できることが理解されるであろう。
【0103】
ステップ216で、連続作動中にシステムのスループットに関連する、第1の機能が決定され、それは、コンベヤーの動作中およびそれに起因して落下する品目の数を、コンベヤーを作動する必要のある期間と関連付ける。第1の機能は、連続スループット機能とも呼ばれ得、また、分析的にルックアップテーブルとして、部分的(part−wise)機能として、または任意の他の方法で記述され得る。随意に、第1の機能は、2つの部分に分割され得る。第1の部分は、コンベヤーの作動時間とその時間中に落下する品目の数との間の線形相関を示す。他方、第2の部分は、コンベヤーが停止した後、慣性力に起因して落下すると予期される品目数を示す。当然ながら、慣性で落下する品目数は、コンベヤーの作動時間ではなく、速度、振動の周波数、振動の振幅、傾斜および/または同様のものなどの作動特性に依存する。例として、コンベヤーが、作動特性のあるセットでX秒間作動される場合、落下する品目数は、f(x)+cとなり、ここで、f(x)は、正確にX秒間に落下する品目数を示し、cは、慣性で落下する品目数を示し、以後、それは、Xとは無関係の定数である。
【0104】
随意に、第1の機能においてcが定義されるのと同様に、コンベヤーの任意の加速および/または減速期間が、これらの加速/減速期間もXの長さに依存しないので、別の定数値を使用して説明され得る。その結果、機能の第1の部分は、実際には2つのサブ部分に分割され得、一方は、加速/減速期間中に落下する(またはしない)品目数を示し、他方は、加速/減速期間を差し引いたXの間、すなわち、コンベヤーが既にその所望の作動特性で作動するXの一部中に、落下する品目数を示す。
【0105】
ステップ220で、コンベヤーが、パルス時間間隔と呼ばれる、第2の時間間隔の間、作動されて操作され、その時間間隔は、実質的に第1の時間間隔より短く、通常、ほんの一瞬持続するが、随意で、いくつかの実施形態では、それよりも長い。ステップ224で、前記作動中およびそれに起因して落下している品目の数が、慣性での落下および加速/減速期間の説明を含め、前述のステップ212と同様に決定される。パルスは、コンベヤーが比較的短い期間、その一定の速度(または他の特性)で動作する、短い時間間隔に関連し得る。
【0106】
ステップ220および224は、コンベヤーを短期間作動させる場合、加速/減速期間は総パルス時間に関して非常に長いため、落下する品目数への加速/減速期間の影響が高い可能性があるので、1回または複数回、繰り返され得る。
【0107】
ステップ228で、パルス起動におけるシステムのスループットに関連する、第2の機能が決定され、それは、再度、一定の加速/減速期間および慣性での落下を説明する。その機能は、パルススループット機能と呼ばれ得、コンベヤーを作動する必要がある期間でのコンベヤーの作動中およびそれに起因して落下する品目の数に関連し得る。その機能は、分析的にルックアップテーブルとして、部分的機能として、または任意の他の方法で記述され得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、第1および第2の機能が、単一の、おそらくは部分的な機能として決定できる。
【0109】
第1および第2の機能は、各単一の作動ではなく、複数の作動で決定され得る。従って、機能は、随意に分析法を採用しながら、統計的に決定され得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、第1および第2の機能が決定され、コンベヤーが、加速および減速時を除いて、速度、振動周波数、振動振幅、または同様のものなど、一定の特性下で作動する場合に、後で使用される。
【0111】
ステップ208、212、および216を含む第1の機能の決定、およびステップ220、224、および228を含む第2の機能の決定は、逆の順番で実行できる。
【0112】
第1および第2の機能は、品目および設定依存であり得、すなわち、異なる品目の分配が異なる機能を生じ得ることも理解されるであろう。さらに、コンベヤー速度、周波数、ホッパーゲートの高さ、または同様のものなど、マシンの他のパラメータが決定され得る。
【0113】
ここで図2Bを参照すると、これは、分配マシンの分配段階204の実施形態におけるステップの流れ図を示す。
【0114】
ステップ232で、起動に起因して落下する品目数が、各容器に分配する必要のある品目数に、達するのではなく、近づくように決定された期間の間、コンベヤーが作動される。その期間は、較正段階のステップ216で決定された第1のスループット機能に従って決定される。いくつかの実施形態では、ほとんどの場合、容器が必要数より少ない品目を含むように、期間が決定される。その理由は、通常、多すぎる品目が分配されるよりも、品目を追加することによって修正可能な、品目数が少ない方が望ましいためでる。
【0115】
ステップ236で、容器に入っている品目数が判断される。品目数には、コンベヤーが停止した後、慣性力に起因して落ちた品目も含む。いくつかの実施形態では、品目は、落下する際にカウントされ、それは、コンベヤーが運転中およびその後も起こることが理解されるであろう。
【0116】
ステップ240で、分配される必要のある全数量を満たすために品目がまだ不足しているか否かを判断する。
【0117】
稀な場合であり得るが、品目が不足していない場合は、随意のステップ242で、スループット機能における特定のポイントの値など、較正ステップ200で設定されたようなスループット機能またはそのパラメータが、最初の作動および1つまたは複数のパルス中に落下した品目数に基づいて更新される。同様に、不足している品目数が、時間内に、較正ステップまたは以前に分配されたグループで前に設定された数よりも少ないか、または多い場合、スループット機能における特定のポイント値が、最初の動作および1つまたは複数のパルス中に落下した品目数に基づいて更新される。更新されたパラメータは、品目のさらなるグループを分配する時、または後の起動時に、採用され得る。品目を1つの容器に分配した後、いくつかの容器に分配された後、完全な分配タスクが完了した後など、較正パラメータのその場の更新が実行できることが理解されるであろう。機能またはパラメータを繰返し更新すると、精度、従って、方法および装置のスループットが向上する。
【0118】
較正パラメータがその場で更新されているか否かに関わらず、ステップ244で、容器が取り除かれ、次の容器が設置される。
【0119】
品目がまだ不足していれば、2つの実施形態または単一化した実施形態において、2つの選択肢が利用可能である。第1の選択肢は、ステップ248で、パルスに起因して落下する品目が、品目の必要数に近づくかまたはそれを満たすように、パルス長に対して必要な持続期間が決定される。持続期間は、較正段階のステップ228で決定された第2のスループット機能に従って決定される。
【0120】
いくつかの実施形態では、容器内で不足している品目の数または割合が、例えば、10%または10品目を超える品目が不足しているなど、所定の値を上回ると、パルス長は、パルスの後に落下した品目の総数が多くの場合に必要数をまだ満たしていない可能性があるように決定され得、そして、もう1つ別のパルスが必要とされ得、それがより高い精度を提供し得る。すなわち、あまりに多くの品目が不足している場合は、単一の長いパルスは不正確で、いくつかの短いパルスより劣っている可能性がある。しかし、不足している品目数が閾値より低ければ、パルス長は、パルス後の品目の総数が必要数に等しくなるように、決定され得る。
【0121】
代替実施形態では、1つまたは複数の所定の長さのパルスだけが可能にされ得、品目が容器から不足している場合に、所定の長さのうちの1つが選択できるようになる。かかる1つだけの所定の長さが可能な場合、ステップ248は省略できる。
【0122】
従って、ステップ252で、コンベヤーは、決定されたか、または所定のパルス長の間、作動され得る。
【0123】
ステップ256で、落下した品目の数が、前述のステップ236と同様に判断され、制御がステップ240に戻る。
【0124】
分配する品目の用法および本質に従って、いくつかの実施形態では、十分な割合で、分配する品目数が必要数から満足のいく範囲内であることを確実にするため、コンベヤーの単一の作動で十分であろう。しかし、より高い精度が必要な場合には、オーバーシュートが発生しないように、1つまたは複数のパルスが、目標を達成するために必要であろう。
【0125】
ステップ240で品目がまだ不足している場合に採用される第2の選択肢では、不足している品目を分配するために補助的品目分配装置が利用され得る。ここで一時的に図5を参照すると、この図は、この選択肢を示す。まず、例えば、1回の作動で、10、100、または1000の品目など、比較的多数の品目を迅速に分配するためにコンベヤー502が使用される。容器504内の品目506の数がほぼ所望の最終数に達すると、コンベヤー502が停止され、慣性での落下の後でさえ、いくつかの品目(例えば、1〜10)がまだ不足しているであろう。容器504が次いで、自動的手段を用いて、コンベヤーの近くのステーションAから補助的品目分配装置508の近くのステーションBに運ばれる。補助的品目分配装置508は次いで、通常、コンベヤー502のスループットよりもずっと遅い速度で、不足している品目510を容器504に分配する。補助的品目分配装置508が作動している間、コンベヤー502は、別の容器を充填するために、再度、作動する。このプロセスが、所望の数量の容器を充填し終えるまで、続く。
【0126】
ここで図2Cを参照すると、これは、落下する品目をカウントするために使用される撮像機構の較正段階の一実施形態におけるステップの流れ図を示す。
【0127】
ステップ260で、コンベヤーなどの移動要素が時間間隔の間、作動される。
【0128】
ステップ264で、滑り領域から落下する1つまたは複数の品目が、規定値または予め設定された撮像速度で取得される非常に多数の画像によって、捕捉される。各画像は、撮像機構の感光性センサーの1つまたは複数の画素線を含む。
【0129】
ステップ268で、落下する各品目が捕捉されるサンプルの数が、自動的に、またはサンプルを検査するオペレータによって決定される。
【0130】
ステップ268と一緒に、または別々に実行され得る、ステップ272で、落下する各品目が影響を与える各サンプル内の画素数が判断される。例えば、丸い横断面を有する円筒状の錠剤は、それが捕捉される最初および最後のセンサー行上で、中間行上で影響を与える画素数よりも少ない画素に影響を与え得る。
【0131】
ステップ276で、必要であれば、落下する各品目が捕捉されるサンプル数、およびそれが各サンプル内で影響を与える画素数が、全ての品目を正確に検出および区別できるように、捕捉速度が調整される。
【0132】
例えば、各品目が最大で1つのサンプルで捕捉されるように捕捉速度が調整される場合、これは、十分でない可能性があり、より高い速度が必要とされ得る。他方、捕捉される各品目が、落下する品目を検出し、それらを区別するのに十分過ぎるサンプルで、捕捉される場合、計算の複雑性を低下させるために、より低い捕捉速度が使用され得る。一実施形態では、標準的な捕捉速度は、毎秒25〜100フレームの間であり得る。別の実施形態では、標準的な捕捉速度は、毎秒101〜200フレームの間であり得る。さらに別の実施形態では、標準的な捕捉速度は、毎秒201〜400フレームの間であり得る。
【0133】
ステップ260、264、268、272および276は、作動パルスに比例して異なる回数繰り返され得ることが理解されるであろう。例えば、移動要素が停止した後に、慣性力に起因して落下した品目は、移動要素の安定作動中に落下した要素とは異なる速度であり得る。従って、計数装置の撮像速度は、移動要素の作動速度に従って変動し得る。
【0134】
ステップ280で、必要な捕捉速度、または異なる作動フェーズが異なる捕捉速度を必要とする場合は捕捉速度体系が、決定され、分配中に品目を捕捉するために使用され得る。
【0135】
異なる形状の品目は、異なる撮像速度を必要とし得ることがさらに理解されるであろう。例えば、撮像のため、長い期間、各センサー線によって見られる大きな品目は、低速の捕捉速度を用いて撮像され得、他方、小さい品目は、より高速の撮像速度が必要とされ得る。
【0136】
楕円形断面または任意の他の形状を有する円筒など、より均等でない形状を有する品目に対して、それらの品目は、センサーに相対する位置によって、異なる配置をとり得、かつ、異なるパターンおよび異なる数のサンプルに現れ得るので、何らかのさらなる分析が実行され得る。かかる場合、捕捉速度は、その品目の異なる位置に対して許容可能な撮像速度の平均または別の組合わせに設定され得る。
【0137】
ここで、前述した図1Aの実施形態で使用されるような捕捉装置の一実施形態を示す、図3Aを参照する。本捕捉装置は、品目116などの品目の画像を、それらがコンベヤー120の端部128から落下する際に、捕捉する。捕捉装置135は、センサー300を含み、それは、CMOS、CCDまたは任意の他の画像センサーであり得る。センサーは、各画素が光検出器および増幅器を含む、画素センサーの1次元または2次元の集合として実施され得る。センサー300は、2次元配列を含み、画素センサーの行および列は、位置合わせされ得ることもあれば、されないこともある。
【0138】
センサーは、その正面が、仮想計数領域において、落下する品目の軌道の接線に対して、約45°と約135°の間、例えば、90°の角度になるように、位置付けられ得る。
【0139】
センサー300は、その中央領域、例えば、1つまたは複数の中心の行が、コンベヤー120の端部128に最も近くなるように、設置され得る。いくつかの例示的な実施形態では、センサー300の中央領域は、端部128の中央領域から約20cmと約40cmの間の距離で位置付けられ得る。
【0140】
捕捉装置135は、落下する品目に常にまたは断続的に光を当てる、光源306および308などの、1つまたは複数の光源をさらに含む。
【0141】
光が断続的に当てられる実施形態では、LEDのパルス長および周波数は、センサーを作動させるために、各品目から十分な光が反射されるように、選択され得る。
【0142】
光源306および308は、随意に、端部128から落下した品目を除いて、他の物体から光が反射しないか、または最小限のみ反射するように、位置付けられる。
【0143】
捕捉装置135は、落下する品目から反射された光をセンサー300上に集めるためのレンズ312をさらに含む。レンズ312は、随意にレンズ組立体であり、それは、いくつかの実施形態では、光学ズーム機能も提供し得る。
【0144】
センサー300によってサンプリングされた画像は、画像制御および処理装置164に転送され得、それは、カウントを実行し、その数をコンピューティングプラットフォーム144に報告するか、またはコンピューティングプラットフォーム144によって処理するために、生のセンサーデータを転送し得る。
【0145】
ここで、前述した図1Bに示す実施形態で使用されるような捕捉装置135の一実施形態を示す、図3Bを参照する。前述の図3Aのように、捕捉装置135は、センサー300、光源306および308、ならびにレンズ312を含む。しかし、センサー300は、品目の画像を、それらが傾斜134の端部138から落下する際に捕捉するように位置付けられる。
【0146】
センサー300は、その中央領域、例えば、1つまたは複数の中心の行が、傾斜134の端部138に最も近くなるように、設置され得る。いくつかの例示的な実施形態では、センサー300の中央領域は、端部138の中央領域から約20cmと約40cmの間の距離で位置付けられ得る。
【0147】
慣性力に起因して、品目は、それらが傾斜134に沿って滑るのと実質的に同じ体勢で端部138から落下する。従って、センサー300は、傾斜134の端部138から落下する品目の平坦面と実質的に平行、かつ、傾斜134の平面の延長と実質的に平行であり得る。
【0148】
光源306および308は、落下する品目に常にまたは断続的に光を当て得、かつ、光が、品目118など、端部138から落下した品目からだけを除いて、反射されないか、または、傾斜134から最小限のみ反射されるように、位置付けられる。
【0149】
ここで、図1Aの実施形態におけるコンベヤー120の端部128から、または、図1Bの実施形態における傾斜134の端部138から、落下する複数の品目を示す、図4Aを参照する。品目は、実質的に一様な速度とともに、コンベヤー120上で概ね一定の体勢をとり、互いに寄り掛かからないので、錠剤が一部または完全に重なって撮像されることは稀である。従って、図4Aの結果として生じる比較的狭い水平方向のスライスを考察すると、落下する各品目が検出できる。2つ以上の品目が互いに隣接する場合でさえ、それらが縁部で傾くと、品目間の間隙が広がってカウントを可能にするので、それらは依然として分離できる。
【0150】
ここで、センサー線のサンプルの連続したシーケンスを示す図4Bを参照する。述べた通り、センサーの1本または複数の線が利用され得る。それ故、この図に示す事例は、最も一般的なものであり、画素の単一線のみを示す。時間Tで取得されたサンプル420は、シーケンス444、448、450、452および454から成る第1の品目の下縁部によって影響を受ける画素の狭いシーケンス444を含み、他方、時間T、TおよびTで取得されたサンプル422、424、426および428はそれぞれ、品目408のもっと広いシーケンス448、450、および452をそれぞれ示し、時間Tで取得されたサンプル428もまた、品目408によって影響を受けた画素の狭いシーケンス454を示す。
【0151】
同様に、時間T、T、T、TおよびTでそれぞれ取得されたサンプル424、426、428、430および432のそれぞれのシーケンス458、460、462、464および468は、第2の品目から反射された光によって作成され、時間T、T、T、TおよびTでそれぞれ取得されたサンプル432、434、436、438および440のそれぞれのシーケンス470、472、474、478および480は、第3の品目から反射された光によって作成される。
【0152】
落下する品目によってセンサー線の連続捕捉上に作成された、影響を受けた画素の既知のパターンを使用して、時間T〜Tで取得されたセンサー線サンプルのシーケンスが分析され、3つの品目が検出されてカウントされる。例えば、直円柱の形状を区別してカウントすることは、端のサンプルにおいて影響を受けた画素の低い数、および中間のサンプルにおける高い数に基づき得る。
【0153】
たとえ品目が異なる速度で落下しても、一般的なパターンは、若干変わり得るが、依然として有効であり得ることが理解されるであろう。例えば、品目が高速で落下すると、その中心部分は3未満のサンプルに現れ得るか、またはそのより狭い最初または最後のサンプルが失われている可能性がある。従って、いくつかの実施形態では、パターンは、いくぶん柔軟に検索され得る。
【0154】
2つ以上の品目がセンサー上で隣接しているように見える場合、品目の数は、影響を受けた画素の数を、単一の品目によって影響を受ける画素の最大推定数で割り、結果を高い方の数に丸めることにより決定され得ることも理解されるであろう。いくつかの分析結果によれば、約1%の割合で2つの品目が隣接して見え得、他方、著しく小さい割合で、3つ以上の品目が隣接することが示されており、それ故、かかる除算は、満足のいく結果を提供し得る。
【0155】
単一のセンサーを使用し、単一のセンサー線または、20本のセンサー線など、いくつかのセンサー線をサンプリングすると、落下する品目の効率的な検出のみならず、コスト削減を提供する。有効な検出は、検出速度を高めるために使用でき、従って、時間単位当たりにより多くの品目のカウントが可能になる。しかし、他の実施形態では、2つ以上のセンサーが使用され得る。
【0156】
センサー線の分析は、図1の制御および処理機構164、またはコンピューティングプラットフォーム104によって実行できる。
【0157】
いくつかのさらなる分析では、画像分析技術は、センサー上のその様々な投影に従って、落下している品目が全体か、または破損しているかを判断するために使用され得る。この機能が提供される場合、容器には、少なくとも、適切な品目の必要数が含まれるように、破損した品目は、無視されるか、または品目の流れから除去されるかのいずれかであり得る。あるいは、パッケージ単位132全体が廃棄され得る。
【0158】
〔例〕
本開示は、各容器に所定数の品目が含まれるように、品目を容器内に分配し、分配した品目の数をカウントするための方法および装置を提供する。本方法は、必要数の品目が高い割合で正確に分配されるように高精度を可能にする。本方法は、容器内に分配されている品目の効率的なカウントも可能にし、そのため、コンベヤー120を動かしたり停止したりするために、関連する制御コマンドが提供できる。
【0159】
分配された品目の数が、例えば、約1品目と約10品目の間で不足しているなど、必要な数よりもわずかに少ない状況では、開示するマシンの容器への充填速度を落とさないように、残りの品目が、おそらくは低速の異なるマシンを使用して、容器内に分配され得る。
【0160】
実験結果により、開示する方法は、例えば、各容器が100品目を含む場合に、間違った数の品目を含むものが500パッケージ内で1未満になるように、5万(50,000)内で1未満の計数誤差を説明できることが示されている。本方法および装置の高い分配速度を前提として、驚くべきこれらの結果は、とりわけ、撮像装置構成、その位置および方向、2つの機能をもつ較正段階、コンベヤーおよび/または補助的品目分配装置などの1つまたは複数のパラメータ、ならびに前述した他のパラメータのおかげであり得る。
【0161】
実験結果は、約70mmの幅のコンベヤーから実質的に同時に落下する円筒状の錠剤を10まで正確にカウントことも示している。
【0162】
本開示は、例示的な実施形態を参照して説明しているが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ得、また、相当物でそれらの要素を置き換え得ることが理解されるであろう。さらに、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況、材料、ステップまたはコンポーネントを教示に適合させるため多くの修正が行われ得る。従って、開示する主題は、本発明を実行するために最良の形態として検討された、開示する特定の実施形態に限定されるのではなく、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図する。
【0163】
本出願の記述および特許請求の範囲では、「含む(comprise)」、「含む(include)」および「有する(have)」の各語およびその語形は、その語が関連し得るリスト内のメンバーに必ずしも限定しない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5