(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1以上のプロセッサとコンピュータプログラムコードを含む1以上のメモリとを含み、リソースをスケジュールするために、基地局へスケジューリング要求を送信するユーザ装置であって、
前回のスケジューリング要求から経過した伝送時間間隔又はサブフレームの数が所定の整数値を下回ると判定したこと、又はバースト性トラフィックにおけるデータの噴出の開始時間から終了時間までの期間を識別することによって高トラフィック/データ送信の期間であることと判定したことに応じて、スケジューリング要求の送信を抑制する手段
を有することを特徴とするユーザ装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、特に、排他的な意味ではないが、例えばリソースを要求してアップリンクパケットをスケジュールするための、ユーザ装置から進化型node B(eNB)などの基地局へのスケジューリング要求(SR)の送信に適用される。E−UTRAシステムでは、移動局などのユーザ装置(UE)に割り当てられた専用リソースを使用して、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上でSRが定期的に(すなわち、ある周期性で)送信される。SRは、ユーザ装置がアップリンクでデータを送信したいと望むことにより送信される。
【0006】
また、E−UTRAシステムでは、以前から送信に利用できるデータよりも優先度の高いデータがUEのバッファに到着した場合、或いは空のバッファに新たなデータが到着した場合、UEにおいてバッファステータス報告(BSR)が誘発される。現行の方法論によれば、UEが、(アップリンクでデータを送信するための)物理アップリンク共有チャネル上で利用可能な割り当てを、BSRが誘発された伝送時間間隔(TTI)にわたって有していない場合、SRが誘発される。例えば音声アプリケーションにおいて、アップリンクデータトラフィックが、小さなパケットの頻繁な送信を特徴とする非常に「バースト性」である場合、ユーザ装置は、ほとんど連続的にSRを送信することができる。SRが頻繁に送信されると、以下で示すような問題が生じる。
【0007】
実施形態は、上述の問題を克服してスケジューリング要求の制御効率を高める。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、第1のエンティティから第2のエンティティへスケジューリング要求が送信される通信リンクにおいてリソースをスケジュールする方法を提供し、この方法は、最後のスケジューリング要求から経過した時間が指定期間を超えていること、アップリンク要件が所定のレベルを超えていること、又は半永続的スケジューリンググラントが設定されていること、又は論理チャネル上でデータが到着してマスキングパラメータが設定されていることのうちのいずれかの条件が存在するかどうかを判定するステップを含み、存在する場合、スケジューリング要求の送信及び/又は誘発を抑制するステップを含む。
【0009】
第1の
エンティティはユーザ装置であることができ、第2
のエンティティは基地局であることができる。
【0010】
アップリンク要件が一定のレベルを超えているかどうかを判定するステップは、バースト性トラフィックにおけるデータの噴出(data spurts)の開始期間及び/又は終了期間を識別するステップを含むことができる。バースト性トラフィックは、音声トラフィック又はVoIPデータパケットであることができる。
【0011】
スケジューリング要求は、前回のアップリンクグラントから経過した伝送時間間隔又はサブフレームの数が所定の整数値を下回る場合に抑制することができる。
【0012】
スケジューリング要求は、前回のスケジューリング要求から経過した伝送時間間隔又はサブフレームの数が所定の整数値を下回る場合に抑制することができる。
【0013】
整数値は、トラフィックタイプ、基地局又はセルの負荷、又はバッファステータス報告の周期性により変化することができる。
【0014】
スケジューリング要求を抑制するステップは、スケジューリング要求を送信及び/又は誘発しないステップ、或いは前記第1のエンティティのトランシーバ
の送信のオン/オフを間欠的に切り替えるステップを含むことができる。
【0015】
本発明の別の実施形態では、プロセッサ上で実行されたときに上記の方法のいずれかのステップを実行するようになっているプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム、及びこのようなコンピュータプログラムを含むコンピュータ可読媒体を提供する。
【0016】
本発明の1つの実施形態では、通信リンクにおいてスケジューリング要求を送信又は受信するようになっているネットワーク要素又はそのプロセッサを提供し、このネットワーク要素又はそのプロセッサは、最後のスケジューリング要求から経過した時間が指定期間を超えていること、アップリンク要件がある所定のレベルを超えていること、半永続的スケジューリンググラントが設定されていること、又は論理チャネル上でデータが到着してマスキングパラメータが設定されていることのうちのいずれかの条件が存在する場合、スケジューリング要求の誘発、送信又は受信を抑制するための手段を有する。
【0017】
ネットワーク要素は、ユーザ装置又は基地局であることができ、E−UTRAシステムの物理アップリンク制御チャネルを介してスケジューリング要求を送信/受信するための手段を有することができる。
【0018】
ネットワーク要素は、アップリンクトラフィックパターンを分析してアップリンク要件を識別するための手段、及び/又はバースト性トラフィックにおけるデータの噴出の開始及び/又は終了を識別するための手段を有することができる。バースト性トラフィックは、音声トラフィック又はVoIPデータパケットであることができる。
【0019】
ネットワーク要素は、最後のアップリンクグラントから経過した伝送時間間隔又はサブフレームの数が所定の整数値を下回る場合に(単複の)スケジューリング要求を抑制するための手段を有することができる。
【0020】
ネットワーク要素又はそのプロセッサは、前回のスケジューリング要求から経過した伝送時間間隔又はサブフレームの数が所定の整数値を下回る場合にスケジューリング要求を抑制するための手段を有することができる。
【0021】
スケジューリング要求を抑制するための手段は、この手段のトランシーバ
の送信のオン/オフを間欠的に切り替えるための手段を含む。
【0022】
整数値は、トラフィックタイプ、基地局又はセル負荷、又はバッファステータス報告の周期性により変化することができる。
【0023】
本発明、及び本発明をいかにして実行に移すことができるかをよりよく理解するために、ここでほんの一例として添付図面を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
いくつかの例示的な実施形態を詳細に説明する前に、複数の通信装置1に無線通信を提供する通信システムを示す
図1を参照しながら無線アクセスについて簡単に説明する。無線通信システムを介して提供される様々なサービス及び/又はアプリケーションにアクセスするために、モバイルユーザ機器、又は装置又は中継ノードなどの通信装置1を使用することができる。通常、通信装置は、アクセスシステムの少なくとも1つの無線送信機及び/又は受信機ノード10を介して通信システムに無線でアクセスすることができる。アクセスノードの非限定的な例には、例えば、3G WCDMAノードB、拡張ノードB(eNB)又は3GPP LTE(ロングタームエボリューション)の中継ノードなどのセルラーシステムの基地局、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の基地局、及び衛星通信システムの人工衛星局がある。通信装置1は、互いに直接通信することもできる。
【0026】
通信は、適当な(1又は複数の)無線アクセス技術に基づいて様々な方法で構成することができる。アクセスは、アクセスチャネルとしても知られる無線チャネルを介して行われる。個々の通信装置1は、同時に開く1又はそれ以上の無線チャネルを有することができる。個々の通信装置は、1つよりも多くの基地局10又は同様のエンティティに接続することができる。また、複数の通信装置が基地局又は同様のものと通信し、及び/又は同じ基地局を介して通信システムにアクセスしようと試みることができる。複数の通信装置がチャネルを共有することもできる。例えば、通信を開始するために、又は新たなアクセスシステムに接続するために、複数の通信装置が、ランダムアクセスチャネル(RACH)などの単一のチャネルを介して最初の接続を行おうと試みることができる。このアクセスの試みは、ほぼ同時に行うことができる。
【0027】
1又はそれ以上の適当なゲートウェイノードのために、アクセスシステムの基地局10を、適当な接続を介して通信システムの他の部分に接続することもできる。説明を明確にするために、これらについては図示していない。通常、基地局は、
図1に11で大まかに示す少なくとも1つの適当なコントローラにより制御される(このことは、GSM(登録商標)及びWCDMAについても当てはまる。しかしながら、LTE及びWiMAXにはもはやコントローラが存在せず、制御機能は、一般的なアクセスノード、基地局、ノードB、eNB、APなどの適当なネットワーク要素に分散される)。コントローラ11を提供して、基地局の動作及び/又は基地局を介した通信を管理することができる。通常、コントローラ装置は、メモリ容量及び少なくとも1つのデータプロセッサを備える。コントローラのデータ処理機能により、コントローラ内に様々な機能エンティティを提供することができる。基地局コントローラ内に提供される機能エンティティは、無線リソース制御、アクセス制御、パケットデータコンテキスト制御、中継制御などに関する機能を提供することができる。
【0028】
通信装置1を使用して、電話を掛けたり受けたりなどの様々なタスクを行い、データネットワークとの間でデータを送信及び受信し、また例えばマルチメディア又はその他のコンテンツを体験することができる。例えば、通信装置は、インターネットプロトコル(IP)又はその他のいずれかの適当なプロトコルに基づいて提供されるアプリケーションなどの、電話ネットワーク及び/又はデータネットワークを介して提供されるアプリケーションにアクセスすることができる。アクセスシステムからの無線信号を少なくとも送信及び/又は受信できるいずれかの装置により、適当なモバイル通信装置を実現することができる。非限定的な例として、携帯電話機又はスマートフォンなどの移動局(MS)、無線インターフェイスカード又はその他の無線インターフェイス手段を備えたポータブルコンピュータ、無線通信能力を備えた携帯情報端末(PDA)、又はこれらのいずれかの組み合わせなどが挙げられる。
【0029】
図2に示すように、通常、通信装置1は、少なくとも1つのデータプロセッサ5などの適当なデータ処理装置を備える。通常は、少なくとも1つの記憶装置6も備える。これらのデータ処理及び記憶エンティティは、適当な回路基板上、及び/又はチップセット内に設けることができる。異なるチップによって異なる機能及び動作を提供することができる。或いは、少なくとも部分的に統合されたチップを使用することもできる。アンテナ手段4、ディスプレイ2、及び/又はキーパッド3を提供することもできる。
【0030】
遅延の観点から見れば、アップリンクスケジューラの応答時間を改善するには、SRが非常に頻繁に発生する(すなわち、SRの周期性が低い)ことが好ましい。この遅延は、UEバッファ内にデータパケットが到着してから同じデータパケットが物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上で(HARQなどで)最初に送信されるまでの時間とみなすことができる。データパケットは、例えばVoIPアプリケーションではVoIPパケットであることができる。一方で、SRの周期性が低いと、限られたPUCCHリソースの利用頻度が高くなる。また、アップリンクパケットスケジューラが必要としていないときにSRが送信されると、PUCCH SR領域(セル内及びセル間の両方)で不必要な干渉が生じる。
【0031】
このような問題に対処する(SRの不必要な送信を防ぐ)既知の方法として、SRの周期性を変更することにより、ULグラントを受け取らずに誘発できるSRの最大数(dsr−TransMaxとして示す)が定義されるようにすることが挙げられる。SRの発生を減少させることにより、SRのオーバーヘッドを低減することはできるが、これにより同時に、例えばVoIPアプリケーションの場合の音声活動期間中などの、データパケットが高度に/頻繁に送信される期間の初めなどにアップリンクスケジューラの応答時間が増加する。この結果、(音声などの)品質が許容レベルを下回ることがある。一方では、UL同期を失ったUEがSRをアップリンクで連続的に送信しないようにパラメータdsr−TransMaxが設けられる。従って、dsr−TransMaxに達するとともに、PUSCH上でデータを送信するためのULグラントを受け取っていない場合、UEは、PUCCH(SR)リソースを解放してランダムアクセス手順を開始する。従って、SRの周期性を変更することによっても、又はdsr−TransMaxによっても、全ての問題が克服されるわけではない。
【0032】
導入部で述べたように、「バースト性」のデータアプリケーションは、これによりユーザ装置がほとんど連続的にSRを誘発して送信するようになり得るという点で厄介である。「バースト性」のデータアプリケーションの典型的な例は、Voice Over IP(VoIP)などの小さなパケットが頻繁に送信される場合である。アップリンクパケットスケジューラは、アップリンクでのVoIPトラフィックパターンに関する(約NビットのVoIPパケットを20msごとに1つ生成することができるなどの)一般情報を有しており、この場合のNは、適応マルチレート(AMR)、コーデックレート、IPヘッダの圧縮方法の種類などによって決まる。従って、VoIPトラフィックなどのアプリケーションでは、(eNode B内に存在する)アップリンクスケジューラは、原則として音声活動期間がいつ始まっていつ終わるかのみを知っていればよく、非活動期間中は無線リソースを他のユーザに割り当てることができる。このような休眠期間(音声が非活動の期間など)の開始は、例えば音声活動を適切にモニタすることによって判断することができるが、UEにより送信されるSRによっても音声活動期間の開始を識別することができる。
【0033】
例えば、音声活動期間中などにSRを送信することはあまり有用ではない。音声活動期間中は、スケジュールすべきデータが常に存在するであろうと想定することができる。例えば、(Node B内に存在するような)アップリンクパケットスケジューラは、音声活動期間の開始/終了を識別するために、音声活動期間の開始時にのみSRを受け取ればよい。
【0034】
本発明の実施形態は、アップリンクにおけるSRの誘発/送信及び/又は受信に様々な制約を課し、以下、一般にこの制約をSR送信/受信の抑制と呼ぶ。
【実施例1】
【0035】
1つの実施形態では、NTを整数とし、最後のNT個の伝送時間間隔(TTI)又はサブフレーム内にSRが以前にPUCCH上で送信されていた場合、スケジューリング要求の送信及び誘発に、新たなSRを送信できないように(又は無視するように)制約を課す。
【0036】
この実施形態では、(ユーザ装置などの)ネットワーク要素が、最後のSRをいつ送信/受信したかについての記録を保持し、その時から経過したTTIの数を判定する。この数が一定の整数値NTを超えた場合、SRを誘発してアップリンクで送信することができる。超えない場合、ユーザ装置はいずれのSRも送信しない。換言すれば、従来はSRが送信されていたであろう条件であってもSRが抑制される。
【0037】
整数NTは事前に設定することができ、或いはリソース、基地局の負荷などの様々な要因によって動的に変化することができる。この数は、ユーザ装置、又は基地局(eNB)、又はネットワークコントローラによって設定することができる。
【0038】
図3は、この実施形態の例を示す概略図である。PUCCHチャネルに関連するいくつかのTTI31を示している。なお、全てのサブフレームにおいてPUCCH上でSRリソースを利用できるわけではなく、E−UTRA Rel’8では、最小のSRの周期性が5msである。上向き矢印32によって示すように、最初のTTI内に、ユーザ装置がSRを送信する。8つのTTIが経過した後、時点33において、ある条件によりUEがSRを送信すると決定する。この決定は、例えば、バッファステータス報告が誘発され、UEがPUSCH上で利用できる割り当てを有していない場合に行われ得る。この例では、最後のSRを送信してから別のSRを送信できるようになるまでに経過しておく必要があるTTIの数であるNTの値が5である。時点33において、最後のSRを送信してから少なくとも5つのTTIが経過したので、さらなるSR32を送信することができる。
【0039】
34は、通常の状況では別のSRが送信されるであろう条件にある。しかしながら、最後のSRを送信してから3つのTTIしか経過していないので、ユーザ装置は別のSRを送信しない。点線矢印35は、制約が課せられていなければSRが送信されていたであろうにもかかわらず送信されなかったSRを表す。
【0040】
このような実施形態では、低い周期性(すなわち、低いレイテンシ/応答時間)を達成できる一方で、実際のSRの送信は減少する。以前は、SRが発生する周期性を制御することによってのみSRの周期性を高めていた。
【実施例2】
【0041】
いくつかの実施形態では、高トラフィック/データ送信の期間(例えば、音声トラフィックなどにおけるバースト性トラフィックの噴出)を識別する。これは、特定のユーザ装置に関して行うことができる。このような時間中は、このユーザ装置のSRの送信が抑制される。このような実施形態の利点は、このような条件下で、ユーザ装置及び/又は基地局がSRの送信/受信に時間を割くことが防がれる点である。一般に、通常はネットワーク要素が既に知っていると思われるデータ送信パターンを使用して(例えば、高トラフィック期間の開始/終了を識別することにより)SRを抑制すべきかどうかを判断することができる。例えば、VoIPにおける音声の噴出の開始時間及び終了時間を検出することができ、これらの期間中にはSRの送信が抑制される。
【0042】
当業者であれば、これを達成できる様々な特定の方法に気付くであろう。例えば、上述した状況では、高データ送信期間中にはより多くのULグラントを発行することなどによってより多くのリソースが割り当てられるようになる。従って、1つの特定の実施形態では、頻繁なULグラントがあった場合にSRの抑制を課すことができる。例えば、NGを整数とし、最後のNG個の伝送時間間隔(TTI)内に特定のユーザ装置にアップリンクグラントが発行された場合には、SRを誘発/送信できなくしてもよい。ネットワーク要素(通常はユーザ装置である)は、最後のアップリンクグラントがいつ発行又は決定されたかを記録することができ、この時から経過したTTIの数をカウントする。この数が指定の整数NGを下回る場合、ユーザ装置によってSRが送信されないようになる。この実施形態によって課される制約は、VoIPのためのリソースが動的スケジューリングを使用してスケジュールされる場合に、例えばeNodeBが、音声活動期間中にUEによるSRの誘発及び送信を回避できることを意味する。動的スケジューリングでは、UEがSRを送信するが、eNodeBは、パラメータを適当に設定することにより、UE内におけるSRの誘発を回避することができる。動的スケジューリングとは、PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)をサブフレームベースで使用してPUSCH上のリソースを割り当てることを意味する。このことは、PDCCH上で1つのULグラントを使用してPUSCHリソースを半永続的に(すなわち、1つのサブフレームよりも長い期間にわたって)割り当てる半永続的スケジューリングとは対照的である。
【0043】
図4は、1つのこのような実施形態の例を示す概略図である。前回の例と同様にいくつかのTTI41を示している。下部の線は、太い矢印によって表すアップリンクグラント44、45に関連する時系列を示している。上部の線は、前回の例と同様にPUCCHを示している。最初のTTI(TTI1)内にアップリンクグラント44が発行されている。10個のTTIが経過した後の時点43は、SRの送信を生じさせる条件にある(ここでも、バッファステータス報告が誘発されること、及び空のバッファに新規データが到着することを例にとることができる)。この例では、最後のアップリンクグラントからさらなるSRを送信できるようになるまでに経過していなければならないTTIの数であるNGが8の値に設定される。特定のUEに最後のアップリンクグラントが発行されてから10個のTTIが経過しており、この数は8よりも大きいので、SR42を送信することができる。時点45において、別のアップリンクグラントが発行される。時点40において、再びSRが送信されるように条件が整う。しかしながら、この時点から経過したTTIの数は4であり、この数は必要である8を下回るので、この時点ではさらなるSRは送信されず、点線矢印46によって未送信のSRが示されている。
【0044】
ここでもNGの値は、利用可能な基地局リソース、トラフィックタイプ、セル負荷などの一般的条件によって動的に設定又は変化することができる。この実施形態は、例えば、音声活動期間中にはSRの送信が実際にオフに切り替えられ、データ送信要件が高いことに起因して頻繁なアップリンクグラントを発行するように決定したことがアップリンクスケジューラにとって明らかなVoIPアプリケーションなどで有用である。
【0045】
事実上、(例えば、スケジューラが)トラフィックパターンに関する情報を使用して、SRを抑制すべきかどうかを判断することができる。ある特定のユーザ装置からのトラフィックが多いと判断される場合には、(より多くのULグラントを発行することなどによって)より多くのリソースが割り当てられ、これらの状況下では、SRを送信/容認すること、又はこれらを送信するためにリソースを割り当てることに時間及びリソースが費やされることはない。
【0046】
この実施形態の利点は、発生する(セル内及びセル間の両方の)干渉が減少する点である。VoIPアプリケーションにこのような制約を適用する別の潜在的な利点は、VoIPトラフィックの存在下でダウンリンク不連続受信(DRX)を展開した場合にDRXの利得が高くなる点である。しかしながら、本発明は、VoIPアプリケーションに限定されるものではない。
【0047】
さらなる実施形態では、SRを抑制すべき場合に、ユーザ装置のトランシーバ
の送信を短期間にわたって非アクティブ/オフに切り替えることができる。換言すれば、トランシーバ
の送信機能を間欠的にして、このようなSR抑制時間中に使用されないようにすることができる。
【0048】
図5に、トランシーバ
の送信のオン/オフを間欠的に切り替えてスケジューリング要求の送信を抑制するさらなる実施形態を示す。図示の例は、VoIP通話の音声活動期間中などにSRを抑制することに関するものであるが、この原理はあらゆるデータ送信に適用することができる。51において、空のバッファにVoIPパケットが到着する。52において、SRを送信する。53において、UL割り当てを行ってVoIPパケットをアップリンクで送信する。この時点以降、新たなパケットをさらに送信する必要はない。56においてSRが発生するが、バッファ内にはデータが存在しないのでSRは送信されない。この送信は、この期間中にトランシーバ
の送信をオフに切り替えることによって防がれる。SRは、この期間中にUEトランシーバ
の送信をオフ又は非アクティブに切り替えることによって抑制される。換言すれば、「SR禁止タイマ」を使用することにより、SRパケットが送信されないようにすることができる。54において、空のUEバッファに新たなVoIPパケットが到着し、従って55において、PUCCH上で別のSRが行われる。パケットがUEのバッファに到着する時間間隔は20ミリ秒である。51、52、53、54の期間中は、UEトランシーバ
の送信が(ボックスで示すように)オンであり、その他の時点ではオフである。時点56において、UEはSRを送出できたであろうが、既にこれらのSRは不要と判断されているので、UEトランシーバ
の送信はオフに切り替えられる。
【実施例3】
【0049】
半永続的スケジューリング(SPS)は、バースト性トラフィック中の「有音期間(talk−spurts)」などの、アップリンクトラフィックが多く存在する期間中に周期的UL送信リソースを割り当てる技術である。毎回、同じリソースが割り当てられる。個々の有音期間中にはリソース割り当てがオンになり、有音期間の合間はオフになる。このようにして、割り当てを要求するために、及び特定のVoIP割り当てを許可するために明示的にシグナリングする必要をなくす。
【0050】
1つの実施形態では、SPSグラントが設定されている限り、すなわち高トラフィックと指定される期間中(有音期間中など)は、SRを送信すべきでない。この実施形態では、このような制約により、前の実施形態と同じ結果が得られる。
【0051】
UEがこの制約を適用する必要があるかどうかは、eNodeBが設定することができる。
【実施例4】
【0052】
1つの代替実施形態では、論理チャネルに基づくSRマスキングによってSRを抑制することができる。eNBにより設定された個々の論理チャネルに対し、この論理チャネルで新たなデータが到着したときにSRを誘発すべきかどうかをUEに伝える新規パラメータを導入する。ある論理チャネルでデータが到着した場合(及びこのデータの優先度が、既に他の論理チャネルで送信を待っているデータよりも高い場合)、バッファステータス報告が誘発される。UEが、このバッファステータス報告を送信するためのアップリンクリソースを有していない場合、スケジューリング要求が誘発される。1つの実施形態では、論理チャネルによってもSRを誘発できるようにする条件を設定する機構が加わる。この条件は、パラメータとして設定することができる。以下の例では、パラメータをSPS−SRmaskと指定する。
【0053】
以下は、このような実施形態の例である。スケジューリング要求(SR)を使用して、新たな送信のためのUL−SCHリソースを要求する。SRは、誘発されたらキャンセルされるまで保留中であるとみなす。MAC PDUが構築され、このPDUがBSRを含み、このBSRが、BSRを誘発した最後のイベントまでの(及びこのイベントを含む)バッファステータスを含む場合、或いはULグラントが、送信に利用できる全ての保留中のデータに対応できる場合には、全ての保留中のSRがキャンセルされるものとする。1つの実施形態では、以下の手順を採用する。
【0054】
SRが誘発され、他に保留中のSRが存在しない場合、UEは、SR_COUNTERを0に設定するものとする。
【0055】
1つのSRが保留中である限り、UEは、各TTIに関して以下を行うものとする。
− このTTI内に、送信に利用できるUL−SCHリソースがない場合、
− UEが、いずれかのTTI内に設定されたSRのための有効なPUCCHリソースを有していない場合、ランダムアクセス手順(従属節5.1を参照)を開始して、全ての保留中のSRをキャンセルする。
− それ以外の場合に、UEが、このTTIのために設定されたSRのための有効なPUCCHリソースを有している場合、及びこのTTIが測定ギャップの一部でない場合、
− SR_COUNTER<dsr−TransMaxの場合、
− SR_COUNTERを1増分する。
− SPS−SRmaskが真に設定されており、かつ半永続的なスケジューリングアップリンクグラントが設定されていない場合、
− 或いは、SPS−SRmaskが真に設定されていない場合、
− PUCCHでSRをシグナリングするように物理層に指示する。
− それ以外の場合、
− PUCCH/SRSを解放するようにRRCに通知する。
− 設定されたダウンリンク割り当て及びアップリンクグラントを全てクリアする。
− ランダムアクセス手順(従属節5.1を参照)を開始して、全ての保留中のSRをキャンセルする。
【0056】
バッファステータス報告が設定されている限り、1つの実施形態では、さらなる実施形態により以下の手順を以下のように採用することができる。
【0057】
バッファステータス報告手順において、最後のBSRの送信から後に少なくとも1つのBSRが誘発されていたと判定された場合、或いは少なくとも1つのBSRが初めて誘発される場合、
− UEが、このTTIのための新たな送信のために割り当てられたULリソースを有している場合、
− 多重化及び構築手順に、BSR MAC制御要素を生成するように指示する。
− BSRが短縮型BSRの場合を除き、periodicBSR−Timerを開始又は再開する。
− retxBSR−Timerを開始又は再開する。
− それ以外の場合に、標準的BSRが誘発されている場合、
− データを送信に利用できるようになったことのみによる誘発の場合、
− データを送信に利用できるようになった少なくとも1つの論理チャネルに関し、logicalChannel−SRMaskが真に設定されていない場合、
− スケジューリング要求が誘発されるものとする。
− それ以外の場合、
− スケジューリング要求が誘発されるものとする。
【0058】
上述の機能は、適当なソフトウェア及びデータ処理装置によって提供することができる。いずれかの適当なネットワーク要素又は管理システムに機能を組み込み、この機能を1又はそれ以上のデータプロセッサによって提供することができる。このデータプロセッサは、例えば、少なくとも1つのチップによって提供することができる。適当なデータ処理は、移動局などの通信装置に関連して提供される処理ユニット内で行うことができる。このデータ処理は、いくつかのデータ処理モジュールに分散することができる。上述の機能は、独立プロセッサにより提供することも、又は一体型プロセッサにより提供することもできる。適切に適応する(1又は複数の)コンピュータプログラムコード製品を適当なデータ処理装置にロードした場合、このコンピュータプログラムコード製品を使用して実施形態を実現することができる。動作を実現するプログラムコード製品を適当なキャリア媒体に記憶し、この媒体によって実現することもできる。適当なコンピュータプログラムをコンピュータ可読記録媒体上で具体化することもできる。プログラムコード製品を、データネットワークを介して通信装置にダウンロードすることもできる。
【0059】
なお、上記では無線ネットワーク、技術及び規格の例示的なアーキテクチャを参照しながらいくつかの実施形態を一例として説明したが、本明細書で例示し説明した以外のいずれかの好適な形の通信システムに実施形態を適用することもできる。
【0060】
また、上記では本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、開示した解決策にいくつかの変更及び修正を加えることもできる。