(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反転回路は、前記ワード線ごとの動作制御信号を受け、前記動作制御信号に基づいて、前記ワード線駆動回路が駆動する前記ワード線を選択し、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタを制御することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
書き込み動作時に、前記ワード線に第3電圧を印加して前記ワード線を選択状態にし、その後、前記第3電圧より大きい第4電圧を印加して書き込みを開始することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
書き込み終了後、前記ワード線の電圧を前記第4電圧から前記第3電圧に下げ、その後、前記第3電圧より低い第5電圧に下げて、前記ワード線を非選択状態にすることを特徴とする請求項3に記載の半導体記憶装置。
書き込み動作時に、前記メモリセルのnウェル、ソース及びドレインに印加される電圧の昇圧を、前記nウェル、前記ソース、前記ドレインの順で行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の半導体記憶装置。
前記nウェル、前記ソース及び前記ドレインに印加される電圧の昇圧後に、前記メモリセルに接続されたビット線を非選択とした状態で、前記nウェルの電圧をさらに昇圧して書き込みを行うことを特徴とする請求項5に記載の半導体記憶装置。
消去動作終了時に、前記メモリセルのnウェルの電圧を下げるよりも先に、前記メモリセルのソースの電圧を下げることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の半導体記憶装置。
消去動作時に前記メモリセルのドレインに印加される電圧を、消去動作終了時に下げてから、前記ワード線の電圧を上昇させることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の半導体記憶装置。
消去動作時に、前記ワード線の電圧を降圧する際に、当該電圧が印加される前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのゲート電圧を正の電圧から引き下げることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の半導体記憶装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の半導体記憶装置の一例を示す図である。
図1では、pチャネル型のメモリセルを有した不揮発性の半導体記憶装置1の一部の要素が示されている。
【0011】
半導体記憶装置1は、たとえば、フラッシュメモリであり、メモリセル部2、ワード線駆動回路3、反転回路4、動作制御回路5、ワード線選択回路6を有している。
メモリセル部2は、フローティングゲートを備えたpチャネル型のメモリセルM11,M12,…,M1n,M21,M22,…,M2n,…,Mm1,Mm2,…,Mmnを有している。さらに、メモリセル部2は、ワード線WL1,WL2,…,WLn、ビット線BL1,…,BLm、ソース線SLを有している。
【0012】
pチャネル型のメモリセルM11〜Mmnのうち、読み出し対象のものには、読み出し動作時に、ゲートに負の電圧(たとえば、−3.8V程度)が印加される。また、ソース及びバックゲートに正の電圧(たとえば、1.2V程度)、ドレインにプリチャージ電圧(たとえば、0.3V程度)が印加される。
【0013】
一方、pチャネル型のメモリセルM11〜Mmnのうち、書き込み対象のものには、書き込み動作時に、ゲートに比較的大きい正の電圧(たとえば、9.8V)が印加される。また、ソース及びバックゲートに正の電圧(たとえば、ソースには1.8V程度、バックゲートには5V程度)が印加される。ドレインは0Vとなる。
【0014】
このように、pチャネル型のメモリセルM11〜Mmnの場合、読み出し動作と書き込み動作で、ゲート電圧の正負が変わる。この点が、nチャネル型のメモリセルを用いる場合と異なっている。
【0015】
ワード線駆動回路3は、ワード線WL1〜WLnに第1電圧(たとえば、正の電圧)となる信号vpgを供給するトランジスタとワード線WL1〜WLnに第1電圧より低い第2電圧(たとえば、負の電圧)となる信号vngを供給するトランジスタを有している。
【0016】
図1では、ワード線WL1に信号vpgによる電圧を供給するpチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(以下pMOSと略す)3aが示されている。また、ワード線WL1に信号vngによる電圧を供給するnチャネル型のMOSFET(以下nMOSと略す)3bが示されている。pMOS3aは、ソースとバックゲートに信号vpgが供給されており、nMOS3bは、ソースとバックゲートに信号vngが供給されている。pMOS3aとnMOS3bのドレインはワード線WLに接続されている。pMOS3aとnMOS3bのゲートは、反転回路4に接続されている。
【0017】
他のワード線WL2〜WLnにも同様のトランジスタが接続されているが、図示が省略されている。
反転回路4は、メモリセルM11〜Mmnへの書き込み時と、メモリセルM11〜Mmnからの読み出し時で、オンするトランジスタを切り替えることで、ワード線駆動回路3がワード線WL1〜WLnに供給する電圧を、第1電圧と第2電圧とで切り替える。
【0018】
動作制御回路5は、メモリセルM11〜Mmnへの書き込み要求または、メモリセルM11〜Mmnからの読み出し要求などがあった場合、それらの動作を指示する指示信号を反転回路4に供給する。
【0019】
ワード線選択回路6は、図示しないアドレス生成回路で生成されたアドレスで指定されるワード線WL1〜WLnを選択可能とするワード線選択信号を反転回路4に供給する。
以下、半導体記憶装置1の動作を簡単に説明する。
【0020】
たとえば、ワード線WL1に接続されたpチャネル型のメモリセルM11〜Mm1への書き込み動作が要求されたとき、ワード線選択回路6により、ワード線WL1が選択される。また、動作制御回路5は、書き込み動作を指示する指示信号を反転回路4に供給する。このとき反転回路4は、
図1の例では、L(Low)レベルの信号を出力し、ワード線駆動回路3のpMOS3aをオンさせ、nMOS3bをオフさせる。これにより、信号vpgによる書き込み用の正の電圧がワード線WL1に印加され、書き込み動作が行われる。
【0021】
一方、ワード線WL1に接続されたpチャネル型のメモリセルM11〜Mm1からの読み出し動作が要求されたとき、ワード線選択回路6により、ワード線WL1が選択される。また、動作制御回路5は、読み出し動作を指示する指示信号を反転回路4に供給する。このとき反転回路4は、
図1の例では、H(High)レベルの信号を出力し、ワード線駆動回路3のpMOS3aをオフさせ、nMOS3bをオンさせる。これにより、信号vngによる読み出し用の負の電圧がワード線WL1に印加され、読み出しが行われる。
【0022】
このように、pch型のメモリセルに接続されるワード線に異なる電圧を供給するワード線駆動回路3のトランジスタのオンオフを、読み出し動作と書き込み動作の場合で切り替える反転回路4を設けることで、回路面積の増大を抑えられる。その理由を以下に示す。
【0023】
ワード線駆動回路3は、比較的大きな電圧を、選択ワード線に印加する。たとえば、ワード線駆動回路3は、書き込み動作時には9.8V程度、読み出し動作時には−3.8V程度、消去時には−9.3V程度の電圧を、選択ワード線に印加する。そのため、ワード線駆動回路3のトランジスタ(たとえば、pMOS3a、nMOS3b)のサイズが比較的大きい。
【0024】
そのため、ワード線駆動回路3に、書き込み時と読み出し時の電圧の正負を反転させる回路を設けると回路面積が大きくなる。これに対して、本実施の形態の半導体記憶装置1では反転回路4は、ワード線駆動回路3のトランジスタのオンオフを、読み出し動作と書き込み動作の場合で切り替えることで、ワード線WL1〜WLnに印加される電圧を反転させる。反転回路4は、ワード線駆動回路3のトランジスタを駆動する能力があればよいので、比較的小さいサイズで実現できる。したがって、半導体記憶装置1の回路面積の増大を抑えられる。
【0025】
(第2の実施の形態)
図2は、第2の実施の形態の半導体記憶装置の一例を示す図である。
半導体記憶装置10は、コマンド生成回路11、テストモード制御回路12、データ入出力回路13、内部電圧生成回路14、CAM(Content-Addressable memory)アクセス制御回路15、CAM16を有している。さらに、半導体記憶装置10は、動作制御回路17、アドレスコントローラ18、アドレス生成回路19、バス制御回路20、メモリコア21を有している。
【0026】
コマンド生成回路11は、外部からの信号などを受け、各種制御信号(読み出しコマンド、書き込みコマンド、消去コマンドなど)を生成し、半導体記憶装置10の各部に供給する。
【0027】
テストモード制御回路12は、外部アドレスや、コマンド生成回路11からのコマンドを受け、半導体記憶装置10の試験動作を制御する制御信号を、内部電圧生成回路14や動作制御回路17に供給する。
【0028】
データ入出力回路13は、半導体記憶装置10に書き込むデータの入力または、半導体記憶装置10から読み出されるデータの出力を行う。
内部電圧生成回路14は、コマンド生成回路11やテストモード制御回路12からの制御信号などを受け、CAM16やメモリコア21で使用する電圧を生成する。
【0029】
CAMアクセス制御回路15は、CAM16を制御する。CAM16は、不揮発性メモリであり、メモリコア21に供給する電圧値などを格納する。
動作制御回路17は、コマンド生成回路11やテストモード制御回路12からの制御信号に応じて、メモリコア21を制御するための制御信号を生成してメモリコア21に供給する。
【0030】
アドレスコントローラ18は、アドレス生成回路19の動作を制御する。アドレス生成回路19は、外部アドレスを受けて、後述するプリデコードアドレスや、ローアドレスとカラムアドレスを生成する。
【0031】
バス制御回路20は、メモリコア21とデータ入出力回路13間の各種バスでのデータの送受信を制御する。
メモリコア21は、メモリセルアレイ21a、X制御回路21b、Y制御回路21c、リード・ライトアンプ21dを有する。
【0032】
メモリセルアレイ21aは、フローティングゲートを有する複数のpチャネル型のメモリセルや複数のワード線、ローカルビット線、ソース線などを有している。
X制御回路21bは、ワード線を選択する機能や、選択したワード線に電圧を印加する機能などを有している。
【0033】
Y制御回路21cは、ローカルビット線を選択する機能や、選択したローカルビット線に電圧を印加する機能を有している。
リード・ライトアンプ21dは、メモリコア21に入出力されるデータの増幅などを行う。
【0034】
図3は、メモリセルアレイとその周辺回路の一例を示す図である。
図2に示したメモリセルアレイ21a内の一例とX制御回路21bとY制御回路21cとリード・ライトアンプ21dなどの例が示されている。
【0035】
図3では、簡単のため、
図2で示したメモリセルアレイ21aが、たとえば、セクタサイズが64kBの2つのセクタ30−1,30−2を有するものとしている。読み出し動作時には1/2セクタの領域が活性化され、書き込み時/消去時には、1セクタ全体が活性化される。なお、セクタサイズやセクタ数は
図3に示される例に限定されない。
【0036】
セクタ30−1,30−2の周辺には、ローカルS/A(センスアンプ)31−1,31−2,31−3、セクタセレクタ32−1,32−2,32−3,32−4、アンプ/Yデコーダ33、制御信号生成部34−1,34−2が配置されている。さらに、Xデコーダ35−1,35−2,35−3,35−4、反転回路36−1,36−2,36−3,36−4、駆動回路37−1,37−2,37−3,37−4、ソース/nウェル駆動回路38−1,38−2が配置されている。
【0037】
ローカルS/A31−1〜31−3は、セクタ30−1,30−2内のローカルビット線(図示せず)に伝搬されるデータを検出する。なお、ローカルS/A31−2は、隣接する2つのセクタ30−1,30−2で共有されている。
【0038】
セクタセレクタ32−1〜32−4は、制御信号に応じてローカルS/A31−1〜31−3と接続するセクタ30−1,30−2内のローカルビット線を選択する。
アンプ/Yデコーダ33は、グローバルビット線となるリードグローバルデータバスRGBLやライトグローバルデータバスWGBLに接続されており、バス制御回路20との間でデータの入出力を行う。
【0039】
制御信号生成部34−1,34−2は、Xデコーダ35−1〜35−4、反転回路36−1〜36−4、駆動回路37−1〜37−4やセクタセレクタ32−1〜32−3などに供給する制御信号や電圧を生成する。
【0040】
Xデコーダ35−1〜35−4は、メインワード線選択信号を出力する。
反転回路36−1〜36−4は、制御信号生成部34−1,34−2とともに
図1に示した反転回路4の機能を有する。すなわち、セクタ30−1,30−2内のメモリセル(図示せず)への書き込み時と、メモリセルからの読み出し時で、駆動回路37−1〜37−4がワード線に印加する電圧の正負を反転させる。
【0041】
駆動回路37−1〜37−4は、書き込み動作や読み出し動作などに応じた電圧をワード線に印加する。
ソース/nウェル駆動回路38−1,38−2は、ソース線やnウェルをセクタごとに選択し、電圧を印加する。
【0042】
図4は、反転回路などの一例を示す図である。
図3と同一の要素については同一符号を付している。
図4では、反転回路36−1と駆動回路37−1において、ワード線WL1に電圧を印加し、その電圧の正負を反転させる部分を図示しているが、他のワード線に電圧を印加し、その電圧の正負を反転させる部分についても同様の回路となる。
【0043】
反転回路36−1は、pMOS36a,36b、nMOS36c,36dを有している。また、駆動回路37−1は、pMOS37a、nMOS37bを有している。
pMOS36aとnMOS36dのゲートは互いに接続されており、pMOS36bとnMOS36cのゲートは互いに接続されている。そして、各ゲートには、Xデコーダ35−1から、相補のメインワード線選択信号mwlx,mwlzが入力される。以下では、pMOS36aとnMOS36dのゲートには、メインワード線選択信号mwlxが入力され、pMOS36bとnMOS36cのゲートには、メインワード線選択信号mwlzが入力されるものとする。
【0044】
pMOS36aとnMOS36cの一方の入出力端子は接続されている。また、pMOS36aとnMOS36cの他方の入出力端子と、pMOS36bとnMOS36dの一方の入出力端子は、pMOS37aとnMOS37bのゲートに接続されている。pMOS36bとnMOS36dの他方の入出力端子は接続されている。また、pMOS36a,36bのバックゲートは互いに接続されている。また、nMOS36c,36dのバックゲートは互いに接続されている。
【0045】
pMOS37aとnMOS37bの一方の入出力端子はワード線WL1に接続されており、他方の入出力端子には自身のバックゲートが接続されている。
また、反転回路36−1と駆動回路37−1には、制御信号生成部34−1から各種の制御信号が供給される。以下では、pMOS36aとnMOS36cの一方の入出力端子に入力される制御信号を信号qwdz、pMOS36bとnMOS36dの他方の入出力端子に入力される制御信号を信号wdxと表記する。また、pMOS36a,36bのバックゲートに供給される信号を信号vpx、nMOS36c,36dのバックゲートに供給される信号を信号vnxと表記する。また、pMOS37aに供給される信号を信号vpg、nMOS27bに供給される信号を信号vngと表記する。信号vpgは正の電圧または接地電位であり、信号vngは、読み出し時に負の電圧となる。
【0046】
ワード線WL1を選択可能とするときには、Xデコーダ35−1から出力されるメインワード線選択信号mwlxの電位はLレベル、メインワード線選択信号mwlzの電位はHレベルとなる。これにより、pMOS36aとnMOS36cがオンし、pMOS36bとnMOS36dがオフする。このとき、pMOS36aとnMOS36cに入力される信号qwdzが、Hレベルの信号であるかLレベルの信号であるかによって、駆動回路37−1のpMOS37aとnMOS37bの何れかがオンする。
【0047】
書き込み動作時には、制御信号生成部34−1は、Lレベルの信号qwdzを出力する。そのため、pMOS37aがオンし、nMOS37bはオフする。これによりpMOS37aに供給される信号vpgにより、ワード線WL1には正の電圧が印加される。
【0048】
読み出し動作時には、制御信号生成部34−1は、Hレベルの信号qwdzを出力する。そのため、pMOS37aがオフし、nMOS37bはオンする。これによりnMOS37bに供給される信号vngにより、ワード線WL1には負の電圧が印加される。
【0049】
詳細な動作については後述する。
このような反転回路36−1を設けることにより、比較的大きなサイズのトランジスタが用いられる駆動回路37−1に、書き込み時と読み出し時の電圧の正負を反転させる回路を設ける場合よりも回路面積の増大を抑えられる。
【0050】
また、詳細は後述するが、反転回路36−1に入力される制御信号生成部34−1からの信号qwdzは、動作制御信号として機能するとともに、ワード線を選択するデコード信号として機能する。この信号qwdzとメインワード線選択信号mwlx,mwlzをもとに、ワード線WL1が選択される。このようにすることで、ワード線を選択する回路部とワード線の電圧の正負を反転させる回路部を別にする場合(後述の変形例)よりも、回路面積の増大を抑えられるとともに、アクセスタイムを高速化できる。
【0051】
セクタ30−1は、pチャネル型のメモリセルM11〜Mmn、ワード線WL1〜WLn、ローカルビット線lbl1〜lblm、ソース線SLを有している。
セクタセレクタ32−2は、ローカルビット線lbl1〜lblmと、ローカルS/A31−2の間に接続されたnMOS32a−1〜32a−mを有している。nMOS32a−1〜32a−mのゲートには、制御信号生成部34−1からの制御信号が入力され、制御信号に応じてローカルビット線lbl1〜lblmがローカルS/A31−2に選択的に接続される。
【0052】
ローカルS/A31−2は、NOR回路31a、nMOS31b,31c,31d,31e,31f、pMOS31gを有する。
nMOS31bは、セクタセレクタ32−2とライトグローバルデータバスWGBLとの間に接続されている。nMOS31bのゲートには制御信号生成部34−1からの制御信号が入力され、制御信号がHレベルのとき、セクタセレクタ32−2とライトグローバルデータバスWGBLが電気的に接続される。
【0053】
nMOS31cは、
図3に示したセクタセレクタ32−3とライトグローバルデータバスWGBLとの間に接続されている。nMOS31cのゲートには制御信号生成部34−1(あるいは制御信号生成部34−2)からの制御信号が入力され、制御信号がHレベルのとき、セクタセレクタ32−3とライトグローバルデータバスWGBLが電気的に接続される。
【0054】
nMOS31dは、セクタセレクタ32−2と、NOR回路31aの一方の入力端子との間に接続されている。nMOS31dのゲートには制御信号生成部34−1からの制御信号が入力され、制御信号がHレベルのとき、セクタセレクタ32−2と、NOR回路31aの一方の入力端子が電気的に接続される。
【0055】
nMOS31eは、
図3に示したセクタセレクタ32−3と、NOR回路31aの一方の入力端子との間に接続されている。nMOS31eのゲートには制御信号生成部34−1(あるいは制御信号生成部34−2)からの制御信号が入力され、制御信号がHレベルのとき、セクタセレクタ32−3と、NOR回路31aの一方の入力端子が電気的に接続される。なお、NOR回路31aの他方の入力端子には、制御信号生成部34−1(あるいは制御信号生成部34−2)からの制御信号が入力される。
【0056】
nMOS31fの一方の入出力端子は、リードグローバルデータバスRGBLに接続されており、他方の入出力端子は接地電位vssとなっている。また、nMOS31fのゲートには、NOR回路31の出力信号が入力される。nMOS31fは、NOR回路31の出力信号がHレベルのときに、リードグローバルデータバスRGBLの電位を接地電位vssにする。
【0057】
pMOS31gの一方の入出力端子は、nMOS31cとnMOS31eの間及びNOR回路31aの一方の入力端子に接続されており、他方の入出力端子には電源電圧vddが印加されている。pMOS31gのゲートには、制御信号生成部34−1からの制御信号が入力され、制御信号に応じてNOR回路31aの一方の入力端子に電源電圧vddが印加される。
【0058】
ローカルS/A31−2の動作を説明する。
ローカルS/A31−2において、nMOS31b,31cは、スタンバイ時では、何れもオフする。読み出し動作時または書き込み動作時では、セクタ30−1が選択される場合、nMOS31bがオンし、nMOS31cがオフし、セクタ30−2が選択される場合、nMOS31bがオフし、nMOS31cがオンする。
【0059】
nMOS31d,31eは、スタンバイ時では、何れもオンする。読み出し動作時では、セクタ30−1が選択される場合、nMOS31dがオンし、nMOS31eがオフし、セクタ30−2が選択される場合、nMOS31dがオフし、nMOS31eがオンする。書き込み動作時または消去動作時では、nMOS31d,31eは、何れもオフする。
【0060】
pMOS31gは、スタンバイ時と書き込み動作時または消去動作時ではオンし、読み出し動作時にはオフする。
読み出し動作時は、セクタ30−1またはセクタ30−2のローカルビット線lbl1〜lblmのうちで選択されたものからのデータが、nMOS31dまたはnMOS31eを介してNOR回路31aの一方の入力端子に入力される。NOR回路31aの一方の入力端子のデータが確定した時点で、NOR回路31aの他方の入力端子に入力される制御信号がLレベルとなると、データがHレベルの場合には、NOR回路31aの出力信号はLレベルとなる。そのため、nMOS31fはオフであり、リードグローバルデータバスRGBLの電位は維持される。一方、データがLレベルの場合には、NOR回路31aの出力信号はHレベルとなる。そのため、nMOS31fがオンし、リードグローバルデータバスRGBLの電位は接地電位vssとなる。
【0061】
アンプ/Yデコーダ33は、スタンバイ時には、リードグローバルデータバスRGBLを電源電圧vddに、ライトグローバルデータバスWGBLをプリチャージ用の電圧vprにそれぞれプリチャージする。また、アンプ/Yデコーダ33は、読み出し時には、リードグローバルデータバスRGBLのプリチャージを止めて、リードグローバルデータバスRGBLのデータを取り込む。また、アンプ/Yデコーダ33は、書き込み時には、ライトグローバルデータバスWGBLのプリチャージを止めて、書き込みを行うライトグローバルデータバスWGBLの電位をLレベルとする。
【0062】
次に制御信号生成部34−1に含まれる回路の例を説明する。
(qwdec回路)
図5は、信号qwdzを生成するqwdec回路の一例を示す図である。
【0063】
制御信号生成部34−1に含まれるqwdec回路34aは、読み出し動作時と書き込み動作時で、ワード線WL1〜WLnの電圧の正負を逆転させるための信号qwdzを反転回路36−1に供給する。つまり、動作制御信号としての機能をもつ。さらに、信号qwdzは、駆動回路37−1が8本のワード線を駆動する場合、8ビットの信号となり、デコード信号としての機能もある。
【0064】
なお、
図5では、あるワード線(たとえば、ワード線WL1)を選択するのに対応した1ビットの信号qwdzを生成する回路部分が示されている。他の7ビットを生成する回路も同様である。
【0065】
qwdec回路34aは、レベルシフタ41,42,43、インバータ44,45,46,47,48,49,50、pMOS51,52,53,54、nMOS55,56,57,58を有する。
【0066】
レベルシフタ41,42には、H側の電圧として電源電圧vddが印加されており、L側の電圧としては、信号vnxの電圧が用いられる。また、レベルシフタ43は、H側の電圧として、信号vpxの電圧が用いられ、L側の電圧としては、信号vnxの電圧が用いられる。
【0067】
レベルシフタ41は、制御信号生成部34−1に含まれるセクタ選択信号生成回路34bからセクタ30−1を選択する旨のセクタ選択信号が入力されると、アドレス生成回路19から供給されるプリデコードアドレスx012zのレベルシフトを行う。プリデコードアドレスx012zは、電源電圧vddの電位から接地電位vssの振幅をもつ。レベルシフタ41は、プリデコードアドレスx012zがLレベルのときの電圧を接地電位vssから信号vnxの電圧にレベルシフトする。信号vnxの電圧は、負の電圧である。
【0068】
pMOS51,52と、nMOS55,56は、プリデコードアドレスx012zがHレベルのときの電圧を電源電圧vddから信号vpxの電圧にレベルシフトするレベルシフタとして機能する。信号vpxの電圧は、書き込み時には、電源電圧vddよりも高くなる電圧である。
【0069】
pMOS51,52の一方の入出力端子及びバックゲートには、信号vpxが供給される。pMOS51の他方の入出力端子は、pMOS52のゲート、nMOS55とpMOS54とnMOS58の一方の入出力端子に接続されている。pMOS52の他方の入出力端子はpMOS51のゲート、nMOS56とpMOS53とnMOS57の一方の入出力端子に接続されている。nMOS55,56のゲートには電源電圧vddが印加され、バックゲートには信号vnxが供給される。nMOS55の他方の入出力端子には、レベルシフタ41の出力信号がインバータ44を介して入力される。nMOS56の他方の入出力端子には、レベルシフタ41の出力信号がインバータ45,46を介して入力される。インバータ44〜46には、H側の電圧として電源電圧vdd、L側の電圧として信号vnxの電圧が印加される。
【0070】
pMOS53,54、nMOS57,58の他方の入出力端子は、インバータ50の入力端子に接続されている。pMOS54とnMOS57のゲートには、レベルシフタ43の出力信号が、インバータ47,48を介して入力される。pMOS53とnMOS58のゲートには、レベルシフタ43の出力信号がインバータ47,48,49を介して入力される。なお、バッファとして機能する直列に接続された2つのインバータ45,46及びインバータ47,48は、駆動能力を上げるために設けられているが、なくてもよい。
【0071】
インバータ50の出力端子は、反転回路36−1の、
図4に示したようなpMOS36aとnMOS36cの一方の入出力端子に接続される。
動作制御回路17からの信号は、書き込み時(書き込み状態でのコラムリーク測定時も含む)にHレベルとなる信号であり、電源電圧vddの電位から接地電位vssの振幅をもつ。以下この信号を信号pgmと表記する。
【0072】
レベルシフタ42は、セクタ選択信号生成回路34bからセクタ30−1を選択する旨のセクタ選択信号が入力されると、信号pgmがLレベルのときの電圧を信号vnxの電圧にレベルシフトする。レベルシフタ43は、信号pgmがHレベルのときの電圧を信号vpxの電圧にレベルシフトする。
【0073】
インバータ47〜50には、H側の電圧として信号vpxの電圧、L側の電圧として信号vnxの電圧が印加される。信号vpx,vnxについては後述する。
書き込み時には、信号pgmがHレベルとなるので、pMOS53とnMOS57がオンし、pMOS54とnMOS58がオフする。これにより、pMOS52とnMOS56間のノードにおける信号(信号qwlzと表記する)がインバータ50に伝達される。読み出し時には、信号pgmがLレベルとなるので、pMOS53とnMOS57がオフし、pMOS54とnMOS58がオンする。これにより、pMOS51とnMOS55間のノードにおける信号(信号qwlxと表記する)がインバータ50に伝達される。
【0074】
インバータ50は、信号qwlzまたは信号qwlxの論理レベルを反転することで、反転回路36−1に供給する信号qwdzを生成する。信号qwdzは、書き込み時にはLレベルとなり、読み出し時にはHレベルとなる。反転回路36−1は、信号qwdzをもとに、
図4に示した駆動回路37−1のpMOS37aとnMOS37bを制御することで、書き込み時と読み出し時のワード線WL1の電圧の正負を反転させることができる。
【0075】
(vpxsw回路)
図6は、信号vpxを生成するvpxsw回路の一例を示す図である。
制御信号生成部34−1に含まれるvpxsw回路34cは、レベルシフタ61,62,69、インバータ63,64、pMOS65,66,67、nMOS68を有する。
【0076】
レベルシフタ61,69には、H側の電圧として電源電圧vddが印加されており、L側の電圧としては、信号vnxの電圧が用いられる。また、レベルシフタ62は、H側の電圧として、信号gvpxの電圧が用いられる。
【0077】
レベルシフタ61,69は、制御信号生成部34−1に含まれるセクタ選択信号生成回路34bからセクタ30−1を選択する旨のセクタ選択信号が入力されると、動作制御回路17から供給される制御信号のレベルシフトを行う。レベルシフタ61にセクタ30−1を非選択とする旨のセクタ選択信号が入力されると、レベルシフタ61は、Lレベル(信号vnxの電圧)の信号を出力する。
【0078】
セクタ30−1が選択された場合、レベルシフタ61は、動作制御回路17から、電源電圧vddの電位から接地電位vssの振幅をもつ制御信号を受けて、L側の電圧を接地電位vssから信号vnxの電圧にレベルシフトする。信号vnxの電圧は、負の電圧である。
【0079】
レベルシフタ61に入力される制御信号は、書き込み動作時(書き込み状態でのコラムリーク測定時は含まず)に、Hレベルになる信号であり、以下では信号vpxswzと表記する。
【0080】
レベルシフタ62は、信号vpxswzがHレベルのときの電圧を電源電圧vddから信号gvpxの電圧にレベルシフトする。信号gvpxの電圧は、書き込み動作時の書き込みパルスに対応した電圧であり、電源電圧vddよりも高くなる電圧である。信号gvpxは、セクタ30−1,30−2で共通に用いられる。
【0081】
レベルシフタ62の出力信号は、インバータ63を介してpMOS65のゲートに入力され、インバータ63,64を介してpMOS66のゲートに入力される。pMOS65の一方の入出力端子及びバックゲートには、信号gvpxが供給される。pMOS66の一方の入出力端子には、電源電圧vddが印加され、pMOS66のバックゲートには、信号gvpxが供給される。pMOS65,66の他方の入出力端子の電圧が、信号vpxの電圧となる。
【0082】
pMOS67とnMOS68は、ゲートに入力されるレベルシフタ69の出力信号に応じて、レベルシフタ62とインバータ63,64のL側の電圧を供給する。
pMOS67及びnMOS68の一方の入出力端子には、レベルシフタ62、インバータ63,64が接続されている。pMOS67の他方の入出力端子の電位は、接地電位vssとなっている。またpMOS67のバックゲートには電源電圧vddが印加される。nMOS68の他方の入出力端子及びバックゲートには、負の電圧である信号vnxが供給される。pMOS67、nMOS68のゲートにレベルシフタ69を介して入力される制御信号は、書き込み時にLレベル、それ以外の場合にはHレベルとなる信号である。
【0083】
そのため、レベルシフタ62、インバータ63,64のL側の電圧は、書き込み時には接地電位vssとなり、読み出し時や消去時には信号vnxの電圧となる。これにより、読み出し時や消去時にはpMOS65,66の駆動能力を高めることができる。また、書き込み時には、レベルシフタ62、インバータ63,64のH側の電圧が電源電圧vddよりも大きくなるので、昇圧直前にL側の電圧が接地電位vssになることで、素子が破壊されることを防止できる。
【0084】
このようなvpxsw回路34cでは、セクタ30−1が非選択の場合、セクタ選択信号により、レベルシフタ61の出力信号はLレベル(信号vnxの電圧)となり、pMOS65はオフ、pMOS66がオンし、信号vpxの電圧は電源電圧vddとなる。一方、セクタ30−1が選択された状態で、書き込み動作が開始し、動作制御回路17からの信号vpxswzがHレベルとなると、pMOS65がオン、pMOS66がオフし、信号vpxの電圧は、信号gvpxの電圧になる。
【0085】
図7は、書き込み時の信号vpswzと信号vpxの一例の様子を示すタイミングチャートである。
書き込み動作開始時は、信号vpswzはLレベル、信号vpxは、電源電圧vddとなっている。
【0086】
書き込み動作の開始直後にはセクタ30−1内の各ワード線の電位を一斉に遷移させるため(詳細は後述する)、その遷移が完了するまでは、動作制御回路17は、信号vpxswzをLレベルとし、pMOS66がオン状態を維持するようにしている。
【0087】
動作制御回路17が信号vpxswzをHレベルとすると(タイミングt1)、pMOS66がオフし、pMOS65がオンする。これにより、タイミングt2にて信号vpxの電圧は、信号gvpxの電圧になる。
【0088】
タイミングt3では、選択ワード線への書き込みパルスの印加が終わり、信号vpxswzがLレベルに遷移している。これにより、タイミングt4で、pMOS65がオフ、pMOS66がオンし、信号vpxの電圧は、電源電圧vddになる。
【0089】
なお、他のセクタ30−2用にも同様のvpxsw回路が用いられる。
(vpgsw回路)
図8は、信号vpgを生成するvpgsw回路の一例を示す図である。
【0090】
制御信号生成部34−1に含まれるvpgsw回路34dは、レベルシフタ71,72、インバータ73,74,75、pMOS76,77、nMOS78を有する。
レベルシフタ71には、H側の電圧として電源電圧vddが印加されており、L側の電圧としては、信号vnxの電圧が用いられる。また、レベルシフタ72は、H側の電圧として、信号vpxの電圧が用いられる。レベルシフタ72のL側の電圧としては信号vnxの電圧が用いられる。
【0091】
レベルシフタ71は、セクタ選択信号生成回路34bからセクタ30−1を選択する旨のセクタ選択信号が入力されると、動作制御回路17から供給される制御信号のレベルシフトを行う。レベルシフタ71にセクタ30−1を非選択とする旨のセクタ選択信号が入力されると、レベルシフタ71は、Lレベル(信号vnxの電圧)の信号を出力する。
【0092】
セクタ30−1が選択された場合、レベルシフタ71は、動作制御回路17から、電源電圧vddの電位から接地電位vssの振幅をもつ制御信号を受けて、L側の電圧を接地電位vssから信号vnxの電圧にレベルシフトする。信号vnxの電圧は、負の電圧である。レベルシフタ71に入力される制御信号は、消去時に、Hレベルになる信号であり、以下では信号vpgvsszと表記する。
【0093】
レベルシフタ72は、信号vpgvsszがHレベルのときの電圧を電源電圧vddから信号vpxの電圧にレベルシフトする。
レベルシフタ72の出力信号は、インバータ73,74を介してpMOS76、nMOS78のゲートに入力され、インバータ73〜75を介してpMOS77のゲートに入力される。pMOS76の一方の入出力端子及びバックゲートには、信号vpxが供給される。pMOS76の他方の入出力端子は、nMOS78の一方の入出力端子及びpMOS77の一方の入出力端子及び駆動回路37−1に接続されている。nMOS78の他方の入出力端子は接地電位vssとなっており、バックゲートには信号vnxが供給される。pMOS77の他方の入出力端子の電位は接地電位vssとなっており、バックゲートには、信号vpxが供給される。
【0094】
インバータ73〜75は、H側の電圧として信号vpxの電圧、L側の電圧として信号vnxの電圧が印加される。なお、インバータ75の出力である信号wdxvssxは、後述のwdxdrv回路に入力される。
【0095】
このようなvpgsw回路34dでは、セクタ30−1が非選択の場合、セクタ選択信号により、レベルシフタ71の出力信号はLレベルとなり、pMOS76はオン、pMOS77、nMOS78はオフし、駆動回路37−1に供給される信号vpgの電圧は、信号vpxの電圧となる。
【0096】
一方、セクタ30−1が選択された状態で、消去動作が開始し、動作制御回路17から供給される信号vpgvsszがHレベルとなると、pMOS76がオフ、nMOS78、pMOS77がオンし、信号vpgの電圧は、接地電位vssとなる。
【0097】
図9は、消去動作時のvpgsw回路の各部の信号の一例の様子を示すタイミングチャートである。
動作制御回路17からvpgsw回路34dに供給される信号vpgvsszと、vpgsw回路34dから出力される信号wdxvssx、信号vpg及びvpgsw回路34dにL側の電圧を供給する信号vnxの一例が示されている。
【0098】
消去動作が始まる前は、信号vpgvsszはLレベル、信号wdxvssxはHレベル、信号vpgは、信号vpxと同じ電圧となっている。また、信号vnxは、Lレベル(たとえば、−3.8V)となっている。
【0099】
消去動作時、信号vpgvsszがHレベルに遷移し(タイミングt5)、信号wdxvssxは、Lレベルとなる。また、pMOS76がオフ、nMOS78、pMOS77がオンし、信号vpgは、接地電位vssとなる(タイミングt6)。
【0100】
消去動作が終わり、信号vpgvsszがLレベルに遷移すると(タイミングt7)、信号wdxvssxは、Hレベルとなる。また、pMOS76がオン、nMOS78、pMOS77がオフし、信号vpgは、信号vpxと同じ電圧となる(タイミングt8)。
【0101】
消去時には、ワード線には比較的大きな負の電圧が印加される。そのため、vpsw回路34dは、駆動回路37−1のpMOS37a(
図4)のソースに供給する信号vpgの電圧を信号vpxの正の電圧から、接地電位vssに下げることで、pMOS37aに大きな電位差がかかることを抑制できる。これにより、耐圧違反の発生を抑制できる。
【0102】
なお、他のセクタ30−2用にも、同様のvpgsw回路が設けられる。
(wdxdrv回路)
図10は、反転回路に供給される信号wdxを生成するwdxdrv回路の一例を示す図である。
【0103】
信号wdxは、
図4に示した反転回路36−1のpMOS36b、nMOS36dに入力される信号であり、たとえば、ワード線をリセットする際の駆動回路37−1のpMOS37a、nMOS37bのゲート電圧を与える信号である。
【0104】
制御信号生成部34−1に含まれるwdxdrv回路34eは、レベルシフタ81,82、インバータ83,84、nMOS85、pMOS86を有する。レベルシフタ81には、H側の電圧として電源電圧vddが印加されており、L側の電圧としては、信号vnxの電圧が用いられる。また、レベルシフタ82及びインバータ83,84では、H側の電圧として信号vpxの電圧が用いられる。レベルシフタ82及びインバータ83では、L側の電圧としては、信号vnxの電圧が用いられる。
【0105】
レベルシフタ81は、セクタ選択信号生成回路34bからセクタ30−1を選択する旨のセクタ選択信号が入力されると、動作制御回路17から供給される制御信号のレベルシフトを行う。レベルシフタ81にセクタ30−1を非選択とする旨のセクタ選択信号が入力されると、レベルシフタ81は、Lレベル(信号vnxの電圧)の信号を出力する。
【0106】
セクタ30−1が選択された場合、レベルシフタ81は、動作制御回路17から、電源電圧vddの電位から接地電位vssの振幅をもつ制御信号を受けて、L側の電圧を接地電位vssから信号vnxの電圧にレベルシフトする。信号vnxの電圧は、負の電圧である。レベルシフタ81に入力される制御信号は、書き込み時と、消去時に全ワード線を一旦、接地電位にするときにHレベルになる信号である。以下では信号wdxswzと表記する。
【0107】
レベルシフタ82は、信号wdxswzがHレベルのときの電圧を電源電圧vddから信号vpxの電圧にレベルシフトする。
レベルシフタ82の出力信号は、インバータ83,84を介して反転回路36−1に入力される。
【0108】
インバータ84には、nMOS85、pMOS86の一方の入出力端子が接続されており、インバータ84のL側の電圧が制御される。nMOS85の他方の入出力端子及びバックゲートには、信号vnxが供給される。pMOS86の他方の入出力端子は、接地電位vssとなっており、バックゲートには電源電圧vddが印加される。nMOS85、pMOS86のゲートには、前述のvpgsw回路34dで生成された信号wdxvssxが入力され、nMOS85、pMOS86のオンオフが制御される。
【0109】
このようなwdxdrv回路34eでは、セクタ30−1が非選択の場合、Lレベルのセクタ選択信号により、反転回路36−1には、Lレベルの信号wdxが供給される。
一方、セクタ30−1が選択された状態で、書き込み動作または消去動作が行われると、wdxdrv回路34eは、以下のような動作を行う。
【0110】
図11は、書き込み時のwdxdrv回路の各部の信号の一例の様子を示すタイミングチャートである。
動作制御回路17からwdxdrv回路34eに供給される信号wdxswz、前述のvpgsw回路34dで生成された信号wdxvssx、nMOS85にL側の電圧を供給する信号vnx、wdxdrv回路34eから出力される信号wdxの一例が示されている。
【0111】
書き込み動作が始まる前は、信号wdxswzはLレベルとなっており、信号wdxvssxは、消去動作時ではない場合にはHレベルとなっている。また、信号vnxは、負の電圧(たとえば、−3.8V)である。信号wdxvssxがHレベルであることから、nMOS85がオン、pMOS86がオフしているので、インバータ84の出力である信号wdxは、信号vnxと同じ電圧となっている。
【0112】
書き込み動作時、信号wdxswzがHレベルに遷移し(タイミングt9)、信号wdxは信号vpxの電圧となる。タイミングt10で、信号vnxの電圧が、接地電位vssに上がり、タイミングt11で負の電圧に下がる。
【0113】
書き込み動作が終わり、信号wdxswzがLレベルに遷移すると(タイミングt12)、信号wdxは信号vnxと同じ電圧となる。
図12は、消去時のwdxdrv回路の各部の信号の一例の様子を示すタイミングチャートである。
【0114】
動作制御回路17からwdxdrv回路34eに供給される信号wdxswz、vpgsw回路34dで生成された信号wdxvssx、nMOS85にL側の電圧を供給する信号vnx、wdxdrv回路34eから出力される信号wdxの一例が示されている。
【0115】
消去動作が始まる前は、信号wdxswzはLレベルとなっており、信号wdxvssxも、Hレベルとなっている。また、信号vnxは、負の電圧(たとえば、−3.8V)であり、信号wdxは、信号vnxと同じ電圧となっている。
【0116】
消去動作時、信号wdxswzがHレベルに遷移し(タイミングt13)、信号wdxは信号vpxの電圧となる。また、タイミングt14で、信号wdxvssxがLレベルに下がる。
【0117】
図12の例では、wdxをvpxに切り替えてワード線WLを一旦全てvssにしてから、ワード線を消去パルス時の電圧(たとえば、−9.3V)に下げる前にwdx=vssにする例が示されている。タイミングt15で信号wdxswzがLレベルになると、信号wdxもLレベルとなる。ただ、このとき信号wdxvssxがLレベルとなっているため、nMOS85がオフ、pMOS86がオンしている。そのため、信号wdxのLレベルは接地電位vssとなる。これにより、たとえば、10V程度以上の大きな電圧がかかることが抑制され、耐圧違反の発生が抑制される。
【0118】
消去パルスが終了し、タイミングt16で信号wdxswzがHレベルになると、信号wdxも信号vpxの電圧に立ち上がる。
タイミングt17で信号wdxvssxがHレベルに立ち上がった後、信号wdxswzがLレベルに立ち下がると(タイミングt18)、信号wdxの電圧は信号vnxの電圧に立ち下がり、消去動作が終わる。
【0119】
他のセクタ30−2用にも同様のwdxdrv回路が用いられる。
次に、
図3に示したXデコーダ35−1の一例を説明する。
(Xデコーダ)
図13は、Xデコーダの一例を示す図である。
【0120】
Xデコーダ35−1は、メインワード線選択信号mwlx,メインワード線選択信号mwlzを生成する。
図13では、Xデコーダ35−1のうち、1本のワード線を選択可能にする部分について図示されている。他のワード線を選択可能とする部分も同様の回路となる。
【0121】
Xデコーダ35−1は、レベルシフタ90,91、NAND回路92、インバータ93,94,95、pMOS96,97、nMOS98,99を有する。
レベルシフタ90,91は、セクタ選択信号生成回路34bからセクタ30−1を選択する旨のセクタ選択信号が入力されると、アドレス生成回路19から供給されるプリデコードアドレスのレベルシフトを行う。
【0122】
レベルシフタ90は、アドレス生成回路19から、電源電圧vddの電位から接地電位vssの振幅をもつプリデコードアドレスx345zを受ける。そして、レベルシフタ90は、プリデコードアドレスx345zがLレベルのときの電圧を接地電位vssから信号vnxの電圧にレベルシフトする。信号vnxの電圧は、負の電圧である。
【0123】
レベルシフタ91は、アドレス生成回路19から、電源電圧vddの電位から接地電位vssの振幅をもつプリデコードアドレスx678zを受ける。そして、レベルシフタ91は、プリデコードアドレスx678zがLレベルのときの電圧を接地電位vssから信号vnxの電圧にレベルシフトする。
【0124】
NAND回路92はレベルシフタ90,91からの2出力の論理積を出力する。
pMOS96,97と、nMOS98,99は、NAND回路92の出力がHレベルのときの電圧を電源電圧vddから信号vpxの電圧にレベルシフトするレベルシフタとして機能する。信号vpxの電圧は、書き込み動作時には、電源電圧vddよりも高くなる電圧である。
【0125】
pMOS96,97の一方の入出力端子及びバックゲートには、信号vpxが供給される。pMOS96の他方の入出力端子は、pMOS97のゲート、nMOS98の一方の入出力端子及び反転回路36−1のpMOS36b及びnMOS36cのゲート(
図4参照)に接続されている。pMOS97の他方の入出力端子は、pMOS96のゲート、nMOS99の一方の入出力端子及び反転回路36−1のpMOS36a、nMOS36dのゲートに接続されている。nMOS98,99のゲートには電源電圧vddが印加され、バックゲートには信号vnxが供給される。nMOS98の他方の入出力端子には、NAND回路92の出力信号がインバータ93を介して入力される。nMOS99の他方の入出力端子には、NAND回路92の出力信号が、インバータ94,95を介して入力される。バッファとして機能する直列に接続された2つのインバータ94,95は、駆動能力を上げるために設けられているが、なくてもよい。
【0126】
なお、レベルシフタ90,91、NAND回路92、インバータ93〜95にはH側の電圧として電源電圧vddが印加されており、L側の電圧としては、信号vnxの電圧が用いられる。
【0127】
セクタ30−1を選択する旨のセクタ選択信号がレベルシフタ90,91に入力されると、プリデコードアドレスx345z,x678がともにHレベルである場合に、NAND回路92の出力信号がLレベルとなる。このとき、pMOS96とnMOS98の間のノードの電位がHレベル(信号vpxの電圧)となり、反転回路36−1に供給されるメインワード線選択信号mwlzがHレベルとなる。pMOS97とnMOS99の間のノードの電位がLレベル(信号vnxの電圧)となり、反転回路36−1に供給されるメインワード線選択信号mwlxがLレベルとなる。これにより、ワード線WL1が選択可能となる。
図3に示した他のXデコーダ35−2〜35−4も同様の回路である。
【0128】
(電源供給パスの一例)
図14は、電源供給パスの一例を示す図である。内部電圧生成回路14が生成する各電圧と、前述した各信号の関係の例が示されている。上記では省略していた電圧や信号、回路部なども図示されている。なお、
図14では、主に
図3に示したセクタ30−1用の回路に対する電源供給パスが示されている。セクタ30−2用の回路に関する電源供給パスは同様であるので省略されている。
【0129】
内部電圧生成回路14は、電圧vPGM,vRD,vsrc,vERS,vNW,vii,vcc、電源電圧vdd、接地電位vssを各部に供給する。なお、これらの電圧の一部または全ては、半導体記憶装置10の外部端子を介して外部から供給されるようにしてもよい。
【0130】
図14には、前述した回路の他、muxvhv回路101,106、vnxsw回路102、vngsw回路103、arvss回路104、vnwsw回路105、vsgsw回路107、secydrv回路108、wgtdrv回路109が示されている。
【0131】
これらのうち、muxvhv回路101,106は、各セクタ30−1,30−2で共有されている。vnxsw回路102、vngsw回路103、arvss回路104、vnwsw回路105、vsgsw回路107、secydrv回路108、wgtdrv回路109は、vpxsw回路34cなどと同様に、セクタ30−1,30−2ごとに設けられる。
【0132】
なお、muxvhv回路101,106、vnxsw回路102、vngsw回路103、arvss回路104、vnwsw回路105は、内部電圧生成回路14に含まれていてもよい。arvss回路104、vnwsw回路105は、ソース/nウェル駆動回路38−1に含まれていてもよい。
【0133】
muxvhv回路101は、前述した動作制御回路17からの制御信号に応じて、書き込み用の電圧vPGMまたは電源電圧vddの何れかを選択して、信号gvpxとして各セクタ30−1,30−2用のvpxsw回路34cに供給する。
【0134】
vnxsw回路102は、動作制御回路17からの制御信号に応じて、接地電位vssまたは読み出し用の電圧vRDの何れかを選択して、信号vnxとしてxデコーダ35−1,35−2、反転回路36−1,36−2に供給する。
【0135】
vngsw回路103は、動作制御回路17からの制御信号に応じて、接地電位vss、読み出し用の電圧vRDまたは消去用の電圧vERSの何れかを選択して、信号vngとして駆動回路37−1,37−2に供給する。
【0136】
arvss回路104は、動作制御回路17からの制御信号に応じて、電圧vsrc、電源電圧vdd、書き込み用の電圧vPGMの何れかを選択して、信号slとして、セクタ30−1のソース線SLに供給する。
【0137】
vnwsw回路105は、動作制御回路17からの制御信号に応じて、電源電圧vdd、書き込み用の電圧vPGM、電圧vNWの何れかを選択して、信号vnwとして、セクタ30−1のメモリセルのバックゲートとなるnウェルに供給する。
【0138】
muxvhv回路106は、動作制御回路17からの制御信号に応じて、電圧vii、電圧vccの何れかを選択して、信号gvsgとして、各セクタ30−1,30−2用のvsgsw回路107に供給する。
【0139】
vsgsw回路107は、動作制御回路17からの制御信号に応じて、電圧vii、信号gvsgの電圧の何れかを選択して、信号vsgとして、secydrv回路108及びwgtdrv回路109に供給する。
【0140】
なお、secydrv回路108は、
図4に示したようなセクタセレクタ32−2に選択信号を供給する回路である。wgtdrv回路109は、
図4に示したようなローカルS/A31−2のnMOS31bに制御信号を供給する回路である。
【0141】
vsgsw回路107、secydrv回路108、wgtdrv回路109は、たとえば、
図3、
図4に示した制御信号生成部34−1に含まれる。
図15は、アンプ/Yデコーダに対する電供給パスの一例を示す図である。
【0142】
アンプ/Yデコーダ33には、内部電圧生成回路14から、たとえば、電源電圧vdd、電圧vcc,vpr,vblが供給される。これらの電圧の一部または全ては、半導体記憶装置10の外部端子を介して外部から供給されるようにしてもよい。
【0143】
以下、動作制御回路17で制御される半導体記憶装置10の動作例を、タイミングチャートを用いてより具体的に説明する。
(読み出し動作、ベリファイ(検証時)の動作)
図16は、読み出し動作またはベリファイ時の半導体記憶装置の各部の信号の一例の様子を示すタイミングチャートである。
【0144】
セクタ30−1内において、ローカルビット線lbl1、ワード線WL1に接続されたメモリセルM11に対する読み出し動作が行われる例を説明する。
相補のメインワード線選択信号mwlx(波形w1),mwlz(波形w2)、qwdec回路34aから出力される信号qwdz(波形w3)、wdxdrv回路34eから出力される信号wdx(波形w4)、ワード線の電圧wlの様子が示されている。また、secydrv回路108から出力される信号secy、wgtdrv回路109から出力される信号sprpgm0z、制御信号生成部34−1から出力される信号srd1zの様子が示されている。さらに、ローカルビット線lbl1の電圧LBL1、制御信号生成部34−1から出力される信号ssae0xの様子が示されている。また、ライトグローバルデータバスWGBLの電圧wgbl、リードグローバルデータバスRGBLの電圧rgblの様子が示されている。
【0145】
なお、図示を省略しているが、メモリセルM11のnウェルに供給される信号vnwと、ソースに供給される信号slの電圧は、電源電圧vdd(たとえば、1.2V程度)となっている。
【0146】
動作制御回路17で読み出しコマンドが検出されると、まず、信号secyと信号srd1zが、HレベルからLレベルに下げられる(タイミングt20)。信号secyと信号srd1zのHレベルは、電圧vii(たとえば、2.5V程度)であり、Lレベルは接地電位vssである。
【0147】
図16では、信号secyは、
図4に示したようなセクタセレクタ32−2のnMOS32a−1〜32a−mのうち、非選択ローカルビット線に接続されるものに入力される信号としている。図示を省略しているが、セクタセレクタ32−2のnMOS32a−1〜32a−mのうち、選択するローカルビット線に接続されるnMOS32a−1には、Hレベルの信号が入力される。
【0148】
また、信号srd1zは、
図4に示したようなローカルS/A31−2のnMOS31eのゲートに入力される信号であり、Lレベルとなることで、セクタ30−2側とNOR回路31aの入力端子との接続が遮断される。一方、図示を省略しているが、ローカルS/A31−2のnMOS31dのゲートにはHレベルの信号が入力され、セクタ30−1側とNOR回路31aの入力端子とが接続される。
【0149】
読み出しまたはベリファイ対象となるメモリセルM11に接続されたワード線WL1を選択するために、メインワード線選択信号mwlxがLレベルに下降し始め、メインワード線選択信号mwlzがHレベルに上昇し始める(タイミングt21)。ここで、メインワード線選択信号mwlx,mwlzのHレベルは、電源電圧vddであり、Lレベルは、電圧vRD(たとえば、−3.8V程度)である。
【0150】
また、qwdec回路34aは、ワード線WL1に対応した信号qwdzをHレベルに上げていく。信号qwdzのHレベルは電源電圧vddであり、Lレベルは電圧vRDである。信号wdxは、波形w4のように、読み出し動作またはベリファイ動作中は、Lレベル(電圧vRD)に維持される。
【0151】
これにより、ワード線WL1を駆動する駆動回路37−1のpMOS37aがオフし、nMOS37bがオンし、選択されるワード線の電圧wlは、nMOS37bに入力される信号vngの電圧となる。信号vngは、
図14に示したように、vngsw回路103から駆動回路37−1に供給される。読み出し時やベリファイ時には、信号vngは電圧vRDとなる。そのため、ワード線の電圧wlは電圧vRDに下がっていく(タイミングt22)。
【0152】
また、このとき制御信号生成部34−1は、信号sprpgm0zをLレベルからHレベルに上げる。信号sprpgm0zのLレベルは接地電位vssであり、Hレベルは電圧viiである。信号sprpgm0zは、
図4に示したようなローカルS/A31−2のnMOS31bのゲートに入力される。
【0153】
セクタセレクタ32−2によってローカルビット線lbl1がローカルS/A31−2に接続されている場合、ローカルビット線lbl1が、プリチャージ用の電圧vprが印加されているライトグローバルデータバスWGBLに接続される。なお、電圧vprは、たとえば、0.3V程度である。ローカルビット線lbl1には、予め電源電圧vddが印加されており、ライトグローバルデータバスWGBLが接続されることにより、プリチャージが開始される。そのため、
図16に示されているように、ローカルビット線lbl1の電圧LBL1は電圧vprに下がっていく。
【0154】
ローカルビット線lbl1のプリチャージが終了すると(タイミングt23)、制御信号生成部34−1は、信号sprpgm0zをLレベルに戻す。ローカルビット線lbl1に接続されている選択されたメモリセルM11が“0”を保持している場合には、
図16のようにセル電流によりローカルビット線lbl1がディスチャージされ、電圧LBL1が電源電圧vddに戻っていく。
【0155】
ディスチャージが終了すると(タイミングt24)、制御信号生成部34−1は、ローカルS/A31−2のセンス動作を開始するために、信号ssae0xをHレベルからLレベルに下げる。信号ssae0xは、
図4に示したローカルS/A31−2のNOR回路31aに入力される信号であり、Lレベルは接地電位vssであり、Hレベルは電源電圧vddである。ローカルビット線lbl1の電圧LBL1がHレベルの場合、NOR回路31aの出力は、LレベルとなりnMOS31fはオフのままである。したがって、予め電源電圧vddが印加されているリードグローバルデータバスRGBLの電圧rgblは、電源電圧vddのままである。
【0156】
一方、選択されるメモリセルが“1”を保持している場合には、ローカルビット線lbl1の電圧LBL1はLレベルとなるので(図示せず)、NOR回路31aの出力が、HレベルとなりnMOS31fがオンする。したがって、リードグローバルデータバスRGBLはディスチャージされ、電圧rgblは、接地電位vssに下がっていく。
【0157】
アンプ/Yデコーダ33は、タイミングt25でリードグローバルデータバスRGBLの電圧rgblの値を保持することで、メモリセルのデータを検出する。
(書き込み動作)
図17は、書き込み時の半導体記憶装置の各部の信号の一例の様子を示すタイミングチャートである。
【0158】
セクタ30−1内において、ローカルビット線lbl1、ワード線WL1に接続されたメモリセルM11に対する書き込み動作が行われる例を説明する。
相補のメインワード線選択信号mwlx(波形w5)、mwlz(波形w6)、信号qwdz(波形w7)、wdxdrv回路34eから出力される信号wdx(波形w8)、ワード線WL1〜WLnの電圧wlの様子が示されている。また、vnwsw回路105から出力される信号vnw、arvss回路104から出力される信号slの様子が示されている。さらに、secydrv回路108から出力される信号secy1、wgtdrv回路109から出力される信号sprpgm0z、制御信号生成部34−1から出力される信号srd1zの様子が示されている。また、ライトグローバルデータバスWGBLの電圧wgbl、ローカルビット線lbl1の電圧LBL1の様子が示されている。
【0159】
動作制御回路17で書き込みコマンドが検出されると、制御信号生成部34−1のwdxdrv回路34eは、波形w8で示されている信号wdxをLレベルからHレベルに上げ始める(タイミングt30)。ここでの信号wdxのLレベルは、電圧vRDであり、Hレベルは電源電圧vddである。また、このタイミングでは、セクタ30−1の全ワード線WL1〜WLnに対応した、メインワード線選択信号mwlx,mwlzは同じ値となる。すなわち、波形w5で示されるメインワード線選択信号mwlxはHレベル、波形w6で示されるメインワード線選択信号mwlzはLレベルとなっている。
【0160】
そのため、
図4に示したような反転回路36−1のpMOS36aとnMOS36cがオフ、pMOS36bとnMOS36dがオンしている。これにより、Hレベルの信号wdxで、駆動回路37−1のpMOS37aがオフ、nMOS37bがオンし、ワード線WL1の電圧は、nMOS37bに入力される信号vngの電圧となる。同様に、セクタ30−1の他のワード線も、信号vngの電圧となる。
【0161】
信号vngは、
図14に示したように、vngsw回路103から駆動回路37−1に供給される。書き込み動作時には、信号vngは接地電位vssとなる。そのため、セクタ30−1の全てのワード線WL1〜WLnの電圧wlは接地電位vssとなる。
【0162】
また、タイミングt30では、信号secy1がLレベルからHレベルに上がり、信号srd0zがHレベルからLレベルに下がる。このときの信号secy1のHレベルは電圧vcc(たとえば、5.6V程度)であり、Lレベルは電圧viiである。信号srd0zのHレベルは、電圧viiであり、Lレベルは接地電位vssである。
【0163】
信号secy1は、
図4に示したようなセクタセレクタ32−2のnMOS32a−1〜32a−mのうち、ローカルビット線lbl1に接続されるnMOS32a−1のゲートに入力される。
【0164】
信号srd0zは、
図4に示したようなローカルS/A31−2のnMOS31dのゲートに入力される信号であり、Lレベルとなることで、セクタ30−1側とNOR回路31aの入力端子との接続が遮断される。一方、図示を省略しているが、ローカルS/A31−2のnMOS31eのゲートにはHレベルの信号が入力され、セクタ30−2側とNOR回路31aの入力端子とが接続される。
【0165】
その後、qwdec回路34aは、セクタ30−1のワード線WL1〜WLnの電圧を同時に制御するため、全ての信号qwdzをLレベルからHレベルに上げ始める(タイミングt31)。
【0166】
その後、書き込み対象となるメモリセルM11に接続されたワード線WL1を選択するためのメインワード線選択信号mwlxがLレベルに下降し始め、メインワード線選択信号mwlzがHレベルに上昇し始める(タイミングt32)。また、全ての信号qwdzがHレベルになると、qwdec回路34aは、全ての信号qwdzのうち、ワード線WL1の電圧を制御する信号qwdzをLレベルに戻す。他の信号qwdzはHレベルのままである。
【0167】
ワード線WL1が選択される場合、反転回路36−1のpMOS36aとnMOS36cがオン、pMOS36bとnMOS36dがオフしている。これにより、Lレベルの信号qwdzで、駆動回路37−1のpMOS37aがオン、nMOS37bがオフし、ワード線WL1の電圧は、pMOS37aに入力される信号vpgの電圧となる。信号vpgは、
図9に示したように、消去時以外では信号vpxと同じ電圧であり、信号vpxは、
図7に示したように書き込み開始時には、電源電圧vddになっている。これによりワード線WL1の電圧wlが、一旦、電源電圧vddに上昇していく。
【0168】
なお、非選択ワード線の電圧wlは、
図17において点線で示されているように、接地電位vssのままとなる。
次に、vnwsw回路105が、信号vnwを電源電圧vddから電圧vblに上げる(タイミングt33)。電圧vblは、たとえば、2.5V程度である。これによりメモリセルM11のバックゲートであるnウェルが電圧vblに昇圧される。また、同じタイミングで、アンプ/Yデコーダ33は、ライトグローバルデータバスWGBLの電圧wgblをプリチャージ用の電圧vprから、電圧vblに昇圧する。
【0169】
その後、arvss回路104が、信号slを電源電圧vddから電圧vsrcにする(タイミングt34)。電圧vsrcは、たとえば、1.8V程度である。これによりメモリセルM11のソースが電圧srcに昇圧される。
【0170】
また、wgtdrv回路109は、信号sprpgm0zをLレベル(接地電位vss)からHレベル(電圧vcc)に上げる(タイミングt35)。信号sprpgm0zは、
図4に示したようなローカルS/A31−2のnMOS31bのゲートに入力される。
【0171】
セクタセレクタ32−2によってローカルビット線lbl1がローカルS/A31−2に接続されている場合、ローカルビット線lbl1が、電圧vblが印加されているライトグローバルデータバスWGBLに接続される。ローカルビット線lbl1には、予め電源電圧vdd(たとえば、1.2V程度)が印加されており、ライトグローバルデータバスWGBLが接続されることにより、電圧LBL1は、電圧vblに昇圧される。
【0172】
また、
図17では図示していないが、たとえば、タイミングt35とタイミングt36の間で、
図7に示した信号vpxswzがHレベルになり、信号vpxが電源電圧vddから信号gvpxの電圧vPGM(たとえば、9.8V)になる。これによりワード線WL1の電圧wlが、電源電圧vddから電圧vPGMに上昇していく。信号vpxを用いているqwdec回路34a、wdxdrv回路34e、xデコーダ35−1においても、信号vpxが電圧vPGMに昇圧されることにより、出力される信号qwdz,wdx、メインワード線選択信号mwlx,mwlzが昇圧される。
【0173】
次に、wgtdrv回路109は、信号sprpgm0zを電圧vccから、電圧viiに下げる(タイミングt36)。このとき、ローカルビット線lb1の電圧LBL1は電圧vblで、信号sprpgm0zにより、
図4に示したようなローカルS/A31−2のnMOS31bのゲートが電圧viiとなる。電圧vblと電圧viiは、ともに2.5V程度と、ほぼ等しく、nMOS31bのソース/ドレインとゲート間電圧がほぼ等しくなるため、nMOS31bはオフする。
【0174】
また、secydrv回路108は、信号secy1を電圧vccから電圧viiに下げる(タイミングt37)。このとき、ローカルビット線lb1の電圧LBL1は電圧vblで、信号secy1により、
図4に示したようなセクタセレクタ32−2のnMOS32a−1のゲートが電圧viiとなる。電圧vblと電圧viiは、ともに2.5V程度と、ほぼ等しく、nMOS32a−1のソース/ドレインとゲート間電圧がほぼ等しくなるため、nMOS31bはオフする。このようなタイミングt36,t37の制御により、ローカルビット線lbl1にチャージされた電荷がセクタ30−1内に閉じ込められる。
【0175】
次に、vnwsw回路105が、信号vnwを電圧vblから電圧vNWに上げる(タイミングt38)。電圧vNWは、たとえば、5V程度である。これによりメモリセルM11のバックゲートであるnウェルが電圧vNWに昇圧される。
【0176】
これによって、ローカルビット線lbl1の電圧LBL1が、メモリセルM11のnウェルからのカップリングで上昇する(タイミングt39)。電圧vblが、2.5V、電圧vNWが5Vとすると、電圧LBL1は、たとえば、3.6V程度まで上昇する。
【0177】
また、タイミングt39では、アンプ/Yデコーダ33は、ライトグローバルデータバスWGBLを接地電位vssに接続する。これにより、データの書き込みが開始される。
タイミングt40で、書き込みが終了すると、上記と逆の手順でディスチャージが行われていく。信号vnwは、電圧vblに、信号slの電圧と電圧LBL1は、電源電圧vddにそれぞれディスチャージされる。
【0178】
その後、タイミングt41で、信号vnwは電源電圧vddになり、信号sprpgm0zは接地電位vssになり、信号srd0zは電圧viiになり、電圧wgblは電圧vprとなり、スタンバイ状態となる。
【0179】
このような書き込み動作によれば、以下のような効果が得られる。
タイミングt36〜t40では、メインワード線選択信号mwlz、信号wdx、非選択ワード線に対応した信号qwdz、ワード線WL1の電圧wlが、大きな正の電圧となる電圧vPGMとなっている。このとき、メインワード線選択信号mwlx、選択ワード線に対応した信号qwdzが負の電圧vRDから、接地電位vssに上がっている。これにより、反転回路36−1のpMOS36a,36b、nMOS36c,36dや、駆動回路37−1のpMOS37a、nMOS37bに、10V程度以上の大きな電圧がかかることが抑制され、耐圧違反の発生が抑制される。
【0180】
また、pch型のメモリセルM11〜Mnmでは、ソース/ドレインがp型領域となるため、ソース/ドレインの電圧がnウェルの電圧よりも大幅に大きいと、フォワードバイアスにより大きな基板電流が流れてしまう。本実施の形態では、タイミングt33〜35に示されているように、メモリセルM11〜Mnmのnウェルに供給される信号vnwの電圧が上昇してから、メモリセルM11〜Mnmのソースに供給される信号slの電圧が上がる。また、その後、ローカルビット線lbl1の電圧LBL1(メモリセルM11のドレイン電圧)が上がるように制御されている。このため、フォワードバイアスの発生を抑制できる。
【0181】
また、大きい電圧で論理反転を行うような制御(このような制御はホットスイッチと呼ばれることもある)が行われると、メモリセルM11〜Mnmが劣化する可能性がある。本実施の形態では、ワード線WL1の電圧wlを、接地電位vssからいきなり書き込み用の電圧vPGMに上げず、タイミングt32〜t36のように、電圧vPGMよりも低いHレベルの電圧(電源電圧vdd)に上げる。これにより、メモリセルM11が選択状態になる。その後、電圧wlが電圧vPGMに上がるように制御されているため、ホットスイッチの発生が抑制される。また、タイミングt40〜t41のように、電圧wlを下げるときも同様に、電圧vPGMから電源電圧vddに下げてから、接地電位vssに下げていることで、ホットスイッチの発生が抑制される。
【0182】
さらに、タイミングt37で信号secy1を下げて、ローカルビット線lbl1をフローティング状態(非選択状態)としているときに、nウェルを電圧vNWに昇圧することで、電圧LBL1を上昇させている。これにより、電圧LBL1をチャージポンプ回路で昇圧するのと比較して動作電流を抑制しながら、プログラムディスターブが回避される。
【0183】
(消去動作)
図18は、消去動作時の半導体記憶装置の各部の信号の一例の様子を示すタイミングチャートである。
【0184】
消去動作はセクタ30−1,30−2ごとに行われる。以下では、セクタ30−1に対して消去動作が行われる例を説明する。
図17に示した例と同様に、相補のメインワード線選択信号mwlx(波形w10),mwlz(波形w11)、信号qwdz(波形w12)、信号wdx(波形w13)の様子が示されている。さらに、vpgsw回路34dから出力される信号vpg(波形w14)、ワード線WL1〜WLnの電圧wlの様子が示されている。また、信号vnw、信号sl、secydrv回路108から出力される信号secy1−m、wgtdrv回路109から出力される信号sprpgm0z、制御信号生成部34−1から出力される信号srd0zの様子が示されている。また、ライトグローバルデータバスWGBLの電圧wgbl、ローカルビット線lbl1の電圧LBL1の様子が示されている。
【0185】
消去動作の際、セクタ30−1の全ワード線に対応したメインワード線選択信号mwlx,mwlzは同じ値で固定される。すなわち、波形w10で示されるメインワード線選択信号mwlxはHレベル(電源電圧vdd)、波形w11で示されるメインワード線選択信号mwlzはLレベル(電圧vRD)を維持する。また、qwdec回路34aは、セクタ30−1の各ワード線WL1〜WLnに対応した全ての信号qwdzをLレベル(電圧vRD)に維持する。
【0186】
タイミングt50では、secydrv回路108は、
図4に示したようなセクタセレクタ32−2のnMOS32a−1〜32a−mのゲートに入力する信号secy1−mをHレベル(電圧vii)からLレベル(接地電位vss)に下げる。また、制御信号生成部34−1は、
図4に示したようなローカルS/A31−2のnMOS31dのゲートに入力する信号srd0zを、Hレベル(電圧vii)からLレベル(接地電位vss)に下げる。また、アンプ/Yデコーダ33は、ライトグローバルデータバスWGBLの電圧wgblをLレベル(電圧vpr)からHレベル(電源電圧vdd)にする。信号sprpgm0zは、Lレベル(接地電位vss)のままである。
【0187】
また、タイミングt50において、wdxdrv回路34eは、波形w13で示されている信号wdxをLレベル(電圧vRD)からHレベル(電源電圧vdd)に上げ始める。
【0188】
このとき、メインワード線選択信号mwlxがHレベル、メインワード線選択信号mwlzがLレベルであることから、
図4に示したような反転回路36−1のpMOS36aとnMOS36cがオフ、pMOS36bとnMOS36dがオンしている。これにより、pMOS36b、nMOS36dに入力される信号wdxがHレベルとなると(タイミングt51)、駆動回路37−1のpMOS37aがオフ、nMOS37bがオンする。そのため、ワード線WL1の電圧は、nMOS37bに入力される信号vngの電圧となる。同様に、セクタ30−1の他のワード線も、信号vngの電圧となる。
【0189】
信号vngは、
図14に示したように、vngsw回路103から駆動回路37−1に供給される。消去開始時には、信号vngは電圧vRDとなる。そのため、セクタ30−1の全てのワード線WL1〜WLnの電圧wlは電圧vRDとなる。
【0190】
全てのワード線WL1〜WLnの電圧wlが電圧vRDとなると、vpgsw回路34dは、Hレベル(電源電圧vdd)であった信号vpgをLレベル(接地電位vss)に下げていく(タイミングt52)。また、wdxdrv回路34eは、信号wdxをHレベルからLレベル(接地電位vss)に下げていく(タイミングt53)。
【0191】
その後、タイミングt54で、信号vnw,slが電源電圧vddから電圧vPGMに上げられ、信号vngが電圧vERS(たとえば、−9.3V程度)になる。これにより、電圧vERSの消去パルスがワード線WL1〜WLnに印加され、消去が開始され、ローカルビット線lbl1の電圧LBL1は、電圧vPGMとなる。セクタ30−1内の他のローカルビット線も同様である。
【0192】
タイミングt55では、arvss回路104は、信号slを徐々に電源電圧vddに下げていく。これにより、カップリングによるメモリセルM11〜Mnmのコントロールゲートの耐圧違反の発生が抑制される。
【0193】
信号slが電源電圧vddに下がると、secydrv回路108は、信号secy1−mを電圧viiに戻す(タイミングt56)。
その後、信号vngが電圧vRDに戻ることにより、ワード線WL1〜WLnも
図18のようにディスチャージされ、電圧vRDに上がっていく(タイミングt57)。このとき、信号vnwも電源電圧vddに下がり、信号sprpgm0zは電圧viiに上がる。これにより、ローカルビット線lbl1の電圧LBL1は、ライトグローバルデータバスWGBLの電圧wgbl(タイミングt57では電源電圧vdd)+vt(メモリセルの閾値電圧)となる。セクタ30−1内の他のローカルビット線も同様である。
【0194】
その後、vpgsw回路34dは、信号vpgを電源電圧vddに戻す(タイミングt58)。またタイミングt59において、wdxdrv回路34eは、信号wdxを電源電圧vddから電圧vRDに下げ始める。すると、ワード線WL1〜WLnは、信号vpgの電圧である電源電圧vddに上昇していく。ワード線WL1〜WLnが電源電圧vddに上昇した後、信号sprpgm0zがLレベルに下げられる(タイミングt60)。
【0195】
そして、タイミングt61で、信号vnwは電源電圧vddになり、信号srd0zは電圧viiになり、電圧wgblは電圧vprとなり、ローカルビット線lbl1の電圧LBL1は電源電圧vddとなり、スタンバイ状態となる。
【0196】
このような消去動作によれば、以下のような効果が得られる。
タイミングt54〜t57のように、大きな負の電圧となる電圧vERSの消去パルスがワード線WL1〜WLnに印加されるときに、信号vpg,wdxは接地電位vssとなっている。これにより、信号vpgが入力されるpMOS37aの一方の入出力端子は接地電位vssとなり、反転回路36−1は、駆動回路37−1のpMOS37a、nMOS37bのゲートを接地電位vssにする。そのため、pMOS37a、nMOS37bに10V程度以上の大きな電圧がかかることが抑制され、耐圧違反の発生が抑制される。
【0197】
また、pch型のメモリセルM11〜Mnmでは、ソース/ドレインがp型領域となるため、ソース/ドレインの電圧がnウェルの電圧よりも大幅に大きいと、フォワードバイアスにより大きな基板電流が流れてしまう。本実施の形態では、タイミングt55〜57に示されているように、メモリセルM11〜Mnmのnウェルに供給される信号vnwの電圧を下げるよりも先に、メモリセルM11〜Mnmのソースに供給される信号slの電圧が下がっている。このため、フォワードバイアスの発生を抑制できる。
【0198】
また、ローカルビット線lbl1〜lblmの電圧が大きい状態で、信号secyの電圧を接地電位vssから電圧viiに論理反転すると、ホットスイッチによりnMOS32a−1〜32a−mが劣化する可能性がある。本実施の形態では、ローカルビット線lbl1〜lblmの電圧がセルトランジスタを介してソースからディスチャージされ電源電圧vdd+vtに下がったあとで、タイミングt56〜t60で、信号secy1−m,sprpgm0zをHレベルとして、ローカルビット線lbl1〜lblmをライトグローバルデータバスWGBLに接続している。これにより、電圧LBL1(メモリセルM11のドレイン電圧)が電源電圧vdd+vtに下げられた状態で、信号secyの論理反転が行われるので、ホットスイッチの発生が抑制される。
【0199】
(変形例)
図19は、第2の実施の形態の半導体記憶装置の一変形例を示す図である。
図4に示した要素と同じものについては、同一符号を付している。
図19では、反転回路36−1と駆動回路37−1の間にインバータ110,111が接続されている。
【0200】
インバータ110には、H側の電圧として信号vpxの電圧が印加され、L側の電圧として信号vnxの電圧が印加されている。
インバータ111のpMOS111aの一方の入出力端子は、制御信号生成部34−1及び自身のバックゲートに接続されている。pMOS111aの他方の入出力端子は、nMOS111bの一方の入出力端子及び、駆動回路37−1のpMOS37aとnMOS37bのゲートに接続されている。nMOS111bの他方の入出力端子は、自身のバックゲートに接続されている。nMOS111bの他方の入出力端子には、信号vnxの電圧が印加される。pMOS111aとnMOS111bのゲートは、インバータ110の出力端子に接続されている。
【0201】
インバータ111において、pMOS111aには、制御信号生成部34−1から、ワード線WL1を選択するデコード信号が入力される。一方、反転回路36−1には、前述したqwdec回路34eから、ワード線WL1〜WLnで共通とした信号qwdzが入力される。
【0202】
すなわち、
図19に示されている回路では、
図4に示したものと異なり、ワード線WL1〜WLnのデコード信号を入力する回路部(インバータ111)が設けられている。
このような回路でも、第2の実施の形態の半導体記憶部と同様の処理を行える。ただ、回路面積や、ワード線の駆動スピードという観点から、反転回路36−1に動作制御信号及びワード線を選択するデコード信号として機能する信号qwdzを入力するようにした
図4の半導体記憶装置の方が望ましい。
【0203】
以上、実施の形態に基づき、本発明の半導体記憶装置の一観点について説明してきたが、これらは一例にすぎず、上記の記載に限定されるものではない。