特許第6207844号(P6207844)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207844
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】支承用の仮固定具
(51)【国際特許分類】
   E01D 19/04 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   E01D19/04 G
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-40661(P2013-40661)
(22)【出願日】2013年3月1日
(65)【公開番号】特開2014-169542(P2014-169542A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2015年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229737
【氏名又は名称】日本ピラー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前村 直也
(72)【発明者】
【氏名】長峰 洋一
(72)【発明者】
【氏名】田邊 智里
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−231503(JP,A)
【文献】 特開2005−307458(JP,A)
【文献】 特開2012−077892(JP,A)
【文献】 特開2011−219942(JP,A)
【文献】 特開昭60−073904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00−24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部構造物に取り付けられる下沓と、上部構造物に取り付けられ、かつ前記下沓から浮かせた状態で当該下沓に連結される上沓とを仮固定するための仮固定具であって、
前記上沓側に取り付けられ、水平方向に沿って配置された板部を有する上固定部材と、
前記下沓側に取り付けられ、水平方向に沿って配置されるとともに前記上固定部材の前記板部の下面側に対向する板部を有する下固定部材と、
前記上固定部材の前記板部と前記下固定部材の前記板部とを連結する連結部材と、
前記上固定部材と下固定部材の上下方向の間隔を調節する調節部材と、を備え、
前記調節部材は、前記連結部材に沿って配置され、前記上固定部材の前記板部及び前記下固定部材の前記板部の一方に螺合し、他方に上下方向の一端部が当接することを特徴とする支承用の仮固定具。
【請求項2】
前記上固定部材の前記板部及び前記下固定部材の前記板部は、前記上沓及び前記下沓の側面から側方に突出している、請求項1に記載の支承用の仮固定具。
【請求項3】
前記調節部材を間に挟んだ状態で、その両側に2つの前記連結部材が並行して配置されている、請求項1又は2に記載の支承用の仮固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物を支持する支承の上沓と下沓とを仮固定するために用いられる仮固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの建物の間に架設される渡り廊下や連絡橋などの構造物(上部構造物)は、各建物から張り出した載置部(下部構造部)上に支承を介して支持されている。
例えば下記特許文献1には、2つの建物間に架設される橋梁などの長尺構造物を支持する支承を備えた支承構造が開示されている。この支承構造は、長尺構造物の一方の端部に配設され、長尺構造物と載置台との相対的な水平回転を許容する1つの第1可動支承と、長尺構造物の他方の端部に配設され、当該長尺構造物の長手方向に関する長尺構造物と載置台との相対的な移動を許容する2つの第2可動支承と、第1可動支承の、長尺構造物の幅方向の両側に配設され、長尺構造物と載置台との相対的な水平移動を許容する2つの第3可動支承とを備え、長尺構造物を合計5点で支持する構成とされている。
【0003】
また、特許文献1の第1可動支承は、長尺構造物側に取り付けられる上沓と、載置部側に取り付けられる下沓とを備えており、上沓は、下沓に対して水平に回転(上下方向の軸心回りに回転)することはできるが、水平方向の相対移動(例えば、前後左右の移動)が制限されている。また、特許文献1の支承構造では、長尺部材の荷重は第2,第3可動支承を介して載置部に付与されており、第1可動支承は、上沓が下沓から浮かせた状態で下沓に連結されることによって、長尺構造物の荷重を載置部に伝えないように構成されている。
【0004】
以上のような支承は、工場において製造された後、上沓と下沓とを紐や針金や平板等の仮固定具で仮固定し、両者を一体にした状態で施工現場に搬入される。そして、作業現場において必要に応じて上沓と下沓との仮固定を解いたうえで、これらをそれぞれ上部構造物と下部構造物とに溶接等によって取り付ける作業が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−219942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の第1可動支承のように、下沓から浮かせた状態で上沓が下沓に連結される構成の場合、上沓を上部構造物に取り付けるには、下部構造物上の下沓から上沓を持ち上げて上部構造物の下面に接触させ、下沓と上沓の間にスペーサ等を挿入した状態で上沓を上部構造物に溶接等で接合する必要がある。また、このときに上沓の高さ方向の位置合わせだけでなく、下沓に対する芯合わせも同時に行わなければならない。そのため、上部構造物に対する上沓の取り付けが非常に煩雑で時間を要する作業となっていた。
【0007】
このような問題を解決するため、工場出荷時に、予め設計で定められた上部構造物と下部構造物との上下方向の間隔に支承の高さを合わせた状態で、上沓と下沓とを仮固定しておき、施工現場において、両者を仮固定したまま各構造物に取り付けた後に仮固定を解くことが考えられる。しかし、上部構造物と下部構造物との上下方向の間隔は現地の施工精度によってばらつきがあるため、当該間隔が設計通りでなければ、仮固定したまま各構造物に取り付けることができず、結局、従来と同じ取付方法で取り付けざるを得なくなる。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、上下の構造物の実際の間隔に合わせて支承の高さを調節し、上沓と下沓とを仮固定したまま上下の構造物に取り付けることによって支承の施工作業性を向上させることができる支承用の仮固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る支承用の仮固定具は、下部構造物に取り付けられる下沓と、上部構造物に取り付けられ、かつ前記下沓から浮かせた状態で当該下沓に連結される上沓とを仮固定するための仮固定具であって、
前記上沓側に取り付けられる上固定部材と、
前記下沓側に取り付けられる下固定部材と、
前記上固定部材と前記下固定部材とを連結する連結部材と、
前記上固定部材と下固定部材の上下方向の間隔を調節する調節部材と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、上固定部材と下固定部材との上下方向の間隔を調節部材を用いて調節することによって、支承の高さを調節することができる。したがって、支承の施工現場において上部構造物と下部構造物の実際の間隔に合わせて支承の高さを調節することで、上沓と下沓とを仮固定したまま上下の構造物に取り付けることができる。そのため、支承の施工作業性を向上させることができる。
【0011】
(2)前記調節部材は、前記上固定部材と前記下固定部材との間に配置され、かつネジ操作によって前記上固定部材と前記下固定部材との間における上下方向の寸法が調節されることが好ましい。
この構成によれば、ネジ操作(ネジを回す操作)によって上部構造物と下部構造物の実際の間隔に合わせて支承の高さを容易に調節することができる。
【0012】
(3)前記調節部材は、前記上固定部材と前記下固定部材との間に上下方向に沿って配置されるとともに、一方の固定部材に螺合し、他方の固定部材に上下方向の一端部が当接する調節ネジであることが好ましい。
この構成によれば、調節部材そのものを回す操作を行うことによって上下の固定部材の間隔を調節することができ、調節部材を簡素に構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、上部構造物と下部構造物との実際の間隔に合わせて支承の高さを調節し、上沓と下沓とを仮固定したままそれぞれ上下の構造物に取り付けることができ、支承の施工作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)は本発明の第1の実施形態における支承構造の側面説明図、(b)は、同平面説明図である。
図2】第1可動支承の平面図である。
図3】第1可動支承の正面図である。
図4図2におけるIV−IV矢視断面図である。
図5】仮固定具の正面図である。
図6】仮固定具の分解斜視図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る仮固定具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の支承構造の実施形態を詳細に説明する。
図1の(a)は本発明の第1の実施形態における支承構造の側面説明図であり、(b)は、同平面説明図である。
図1に示される支承構造は、所定距離を隔てて隣接する2つの建物(築造物)B1、B2の間に架設される渡り廊下や連絡橋などの長尺の上部構造物Uを支持するものであり、第1可動支承1と、第2可動支承2a、2bと、第3可動支承3a、3bとを備えている。そして、第1,第3可動支承1,3a,3bは、一方の建物B1から突出する載置部(下部構造物)5と上部構造物Uの一方の端部(固定端。図1における左側端部)との間に設けられ、第2可動支承2a,2bは、他方の建物B2から突出する載置部(下部構造物)11と上部構造物Uの他方の端部(可動端。図1における右側端部)との間に設けられている。
【0016】
第1可動支承1は、上部構造物Uの一方の端部と載置部5との相対的な水平回転を許容可能に構成されている。第2可動支承2a、2bは、上部構造物Uの他方の端部と載置部11との、当該上部構造物Uの長手方向(軸方向)における相対的な移動を許容可能に構成されている。また、第3可動支承3a、3bは、第1可動支承1を挟んで、上部構造物Uの幅方向両側(図1(b)における上下両側)に配設され、上部構造物Uの一方の端部と載置部5との相対的な水平移動(水平方向の全方向における移動)を許容可能に構成されている。
【0017】
第2,第3可動支承2a,2b,3a,3bは、上部構造物Uの荷重を直接的に受け、当該荷重を載置部5,11に伝達する。したがって、上部構造物Uは、専ら第2,第3可動支承2a,2b,3a,3bを介して載置部5,11に支持されている。これに対して、第1可動支承1は、上部構造物Uの荷重を載置部5には伝えず、専ら上部構造物Uと載置部5との相対的な水平回転を除く、他の全ての方向における相対移動を制限している。
【0018】
本発明の仮固定具30は、このような構成の第1可動支承1における上沓4と下沓6(図2図4参照)とを仮固定するために用いられる。以下、第1可動支承1及び仮固定具30の構成について詳細に説明する。
図2は、第1可動支承の平面図、図3は、第1可動支承の正面図、図4は、図2におけるIV−IV矢視断面図である。
【0019】
第1可動支承1は、互いに対向して配置される上部構造物Uの下面に固定される上沓4と、載置部5に固定される下沓6とから構成されている。下沓6は、本体部21と、ストッパ22とを有している。本体部21は、平面形状が略正方形の直方体形状に形成されている。本体部21の上面中央には、平面視円形状の凹部23が形成されている。この凹部23の底面には薄板状のすべり材24が設けられている。このすべり材24は、上沓4の下端面が凹部23の底面に接触した場合の摩擦抵抗を低減する機能を有している。すべり材24は、例えば、PTFE等の合成樹脂材料で形成される。
【0020】
ストッパ22は、本体部21における対向する2つの側面にそれぞれ複数のネジ(ボルト)25によって取り付けられている。このストッパ22は、本体部21の上面において凹部23の内側へ水平に突出することによって、凹部23内に挿入された上沓4の凸部14(詳細は後述)の上方への移動を制限する機能を有している。
【0021】
上沓4は、本体部13と、凸部14とを有している。本体部13は、平面形状が略正方形の厚板材で形成されている。凸部14は、円柱形状に形成され、本体部13の下面中央に下方突出状に設けられている。また、凸部14は、上部側の小径部14aと、この小径部14aよりも外径が大きい下部側の大径部14bとからなっている。本体部13と凸部14とは、溶接等によって一体的に結合されている。
【0022】
上沓4の凸部14は、下沓6の凹部23内に挿入されている。凸部14における大径部14bの厚さは、下沓6の凹部23の深さよりも小さい寸法に設定されている。また、大径部14bの外径は、凹部23の内径よりも若干小さく形成され、凹部23に大径部14bを挿入したときに、大径部14bの外周面と凹部23の内周面との間に僅かな隙間(例えば、半径4mm程度)が形成される。したがって、上沓4の凸部14は、下沓6の凹部23内で水平に回転(凸部14及び凹部23の中心軸線回りに回転)することができる。なお、大径部14bの外周面及び凹部23の内周面のいずれか一方又は双方には、両者が接触したときの摩擦抵抗を低減するために、すべり材が設けられていてもよい。
【0023】
凹部23内に挿入された大径部14bは、その外周部がストッパ22に係合することによって上方への移動が制限されている。したがって、大径部14bは、凹部23の深さの範囲内で上下方向に移動することができる。また、第1可動支承1は、上沓4の凸部14の下面が、下沓6の凹部23の底面に接触しないように浮かせた状態で使用される。
【0024】
仮固定具30は、上沓4と下沓6とを組み立てた後、両者を一時的に固定(仮固定)するために用いられる。第1可動支承1は、上沓4と下沓6とを仮固定した状態で工場から出荷され、施工現場に搬入される。そして、仮固定具30は、上沓4及び下沓6がそれぞれ上部構造物U及び載置部5に取り付けられた後に、上沓4及び下沓6から取り外される。
仮固定具30は、第1可動支承1の4隅に設けられている。より具体的には、下沓6における2つのストッパ22の両側に隣接して設けられている。そして、各仮固定具30は、上固定部材31と、下固定部材32と、連結ネジ(連結部材)33と、調節ネジ(調節部材)34とを備えている。
【0025】
図5は、仮固定具の正面図である。図6は、仮固定具の分解斜視図である。
上固定部材31及び下固定部材32は、断面L字形状のアングル材によって構成されている。具体的に、上固定部材31及び下固定部材32は、それぞれ長方形状に形成された2つの板部31a,31b,32a,32bを備えており、一方の板部(第1板部)31a,32aが鉛直方向に沿って配置され、他方の板部(第2板部)31b、32bが水平方向に沿って配置されている。
【0026】
各第1板部31a,32aの長手方向両側には、それぞれ2個の挿通孔31a1,32a1が形成されている。そして、この挿通孔31a1,32a1に挿通された固定ネジ37(図5参照)によって上固定部材31が上沓4の側面に、下固定部材32が下沓6の側面にそれぞれ固定されている。
【0027】
上固定部材31における第2板部31bの長手方向両側には、2つの挿通孔31b1が形成され、長手方向中央部には、1つの雌ネジ孔31b2が形成されている。
一方、下固定部材32における第2板部32bの長手方向両側には、上固定部材31の2つの挿通孔31b1に対応する2つの雌ネジ孔32b1が形成されている。
そして、上固定部材31の挿通孔31b1に挿通された連結ネジ33を、それぞれ下固定部材32の雌ネジ孔32b1に螺合することによって、上下の固定部材31,32が連結され、これによって上沓4と下沓6とが仮固定される。
【0028】
また、上固定部材31における雌ネジ孔31b2には、調節ネジ34が上方から螺合され、この調節ネジ34の下端部は、下固定部材32における第2板部32bの上面に当接される。したがって、上固定部材31の第2板部31bから下方に突出する調節ネジ34の長さによって、上固定部材31と下固定部材32の上下方向の間隔が設定される。また、雌ネジ孔31b2に対する調節ネジ34の螺合量(螺合位置)を調節することによって、第2板部31bから下方に突出する調節ネジ34の長さを調節し、上固定部材31と下固定部材32の上下方向の間隔も調節することができる。
【0029】
具体的に、上固定部材31と下固定部材32の間隔を拡げるには、まず、連結ネジ33を緩め、調節ネジ34を締める(調節ネジ34の第2板部31bからの突出長さを大きくする)ことによって上固定部材31を上方に持ち上げ、所望の位置で再び連結ネジ33を締めればよい。また、上固定部材31と下固定部材32の間隔を狭くする場合は、調節ネジ34を緩める(調節ネジ34の第2板部31bからの突出長さを小さくする)ことによって上固定部材31を下方に下げ、所望の位置で連結ネジ33を締め付ければよい。
【0030】
第1可動支承1の4隅の仮固定具30において、上固定部材31と下固定部材32の間隔を調節することによって、第1可動支承1の高さ寸法Hを調節することができる。従って、現場における上部構造物Uと載置部5との実際の間隔に応じて第1可動支承1の高さ寸法Hを調節することができる。すなわち、仮固定具30は、工場からの出荷時や現場への搬入時には、主に上沓4と下沓6とを一体的に連結するために用いられるが、現場においては、上部構造物Uと載置部5との間隔に合わせて第1可動支承1の高さ寸法Hを調節するためにも用いられる。
【0031】
そして、第1可動支承1の高さ寸法Hを調節することによって、載置部5上に下沓6を載置した状態で、上沓4の上面を上部構造物Uの下面に当接させ、仮固定具30で上沓4と下沓6とを仮固定したまま、それぞれを上部構造物U及び載置部5に溶接等によって取り付けることができる。したがって、作業者が上沓4を持ち上げながら下沓6との間にスペーサ等を挿入しなくても、第1可動支承1を容易に取り付けることができる。また、調節ネジ34を回す操作を行うだけで第1可動支承1の高さ寸法Hを容易に調節することができる。以上より、第1可動支承1の施工作業性を大きく向上させることができる。
【0032】
〔第2の実施形態〕
図7は、本発明の第2の実施形態に係る仮固定具の側面図である。
第2の実施形態の仮固定具30は、調節部材41としての2つのブロック体42,43と、一方のブロック体43を操作するための操作ネジ44とを有している。2つのブロック体42,43は上下に重ね合わされており、上側のブロック体42が上固定部材31に固定され、下側のブロック体43が、下固定部材32に前後方向(図7の矢印a方向)に移動可能に連結されている。そして、上下のブロック体42,43の接触面は傾斜しており、上側のブロック体42に対して下側のブロック体43を前後に移動させると、上側のブロック体42が上下動し、上固定部材31と下固定部材の上下方向の間隔を調節することができる。
【0033】
操作ネジ44は、水平方向(前後方向)に沿って配置されており、下固定部材32の第2板部32bの先端から上方に屈曲する取付片32b3に螺合され、その先端部が下側のブロック体43に相対回転可能に連結されている。そして、取付片32b3に対する操作ネジ44の螺合量(螺合位置)を調節することによって下側のブロック体43を前後に移動させることができる。
【0034】
したがって、本実施形態においては、操作ネジ44を操作することによって上固定部材31と下固定部材32の上下方向の間隔を調節し、第1可動支承1の高さ寸法を調節することができる。そのため、第1の実施形態と同様に、施工現場において上部構造物Uと載置部5との上下方向の間隔に応じて第1可動支承1の高さ寸法を調節し、上沓4と下沓6とを仮固定したまま上部構造物U及び載置部5に取り付けることができる。また、操作ネジ44を回す操作するだけで第1可動支承1の高さ寸法を容易に調節することができる。したがって、本実施形態においても、第1可動支承1の施工作業性を向上させることができる。
【0035】
ただし、本実施形態では、第1の実施形態と比べて、調節部材の構成部品が増え、この調節部材を操作するための操作ネジ44も別途必要となっている。したがって、構造の簡素化や製造コスト等の点では、第1の実施形態の方がより有利である。
【0036】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更することが可能である。
例えば、前述した実施形態では、上沓4に凸部14を形成し、この凸部14を挿入させる凹部23を下沓6に形成しているが、これとは逆に、上沓4に凹部を形成し、下沓6に凸部を形成してもよい。
【0037】
また、上記第1実施形態の仮固定具30には、2本の連結ネジ33と1本の調節ネジ34とが設けられていたが、これらの本数については適宜変更することができる。例えば、連結ネジ33と調節ネジ34とを各1本とし、これらを前後に並べて(支承に近い側と遠い側とに並べて)配置することができる。
また、上記実施形態では、2つの建物(下部構造物)B1,B2の間に架設される上部構造物Uを支持するための支承に仮固定具を適用する例を示したが、これに限定されるものではなく、上下の構造物の間において上沓4を下沓6から浮かせた状態で使用する支承であれば本発明の仮固定具を適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 :第1可動支承
4 :上沓
5 :載置部(下部構造物)
6 :下沓
30 :仮固定具
31 :上固定部材
32 :下固定部材
33 :連結ネジ(連結部材)
34 :調節ネジ(調節部材)
41 :調節部材
42 :ブロック体
43 :ブロック体
44 :操作ネジ
U :上部構造物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7