特許第6207865号(P6207865)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6207865情報提供装置、および情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207865
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】情報提供装置、および情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20170925BHJP
   H04M 11/06 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   H04B1/16 C
   H04M11/06
【請求項の数】22
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-81730(P2013-81730)
(22)【出願日】2013年4月10日
(65)【公開番号】特開2014-204409(P2014-204409A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】513089914
【氏名又は名称】株式会社 スマートエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100168952
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】新 政行
(72)【発明者】
【氏名】稲付 智昭
(72)【発明者】
【氏名】井之上 一成
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−146377(JP,A)
【文献】 特開2002−135150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04M 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声放送の提供者から送信される音声放送データを受信する音声放送データ受信手段と、
ユーザによって音声放送再生画面上で前記音声放送の再生が指示されると、前記音声放送データ受信手段によって受信された前記音声放送データを出力して、前記音声放送を再生する音声放送再生手段と、
テキストメッセージの提供者から、前記音声放送データとは異なるデータとして送信されるテキストメッセージのデータを受信するテキストメッセージデータ受信手段と、
前記テキストメッセージデータ受信手段によって前記テキストメッセージデータを受信したときに、前記音声放送再生画面上に前記テキストメッセージデータを出力して、前記メッセージを表示するメッセージ表示手段とを備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置において、
ユーザの現在地を特定する現在地特定手段と、
前記テキストメッセージデータ受信手段によって前記テキストメッセージデータを受信したときに、前記音声放送再生画面上にユーザからの現在地の通知指示を受け付けるための現在地送信ボタンを表示する現在地送信ボタン表示手段と、
ユーザによって、前記現在地送信ボタンが操作されたことを検出したときに、前記現在地特定手段によって特定された現在地を示す現在地情報を、あらかじめ設定された現在地情報送信先へ送信する現在地情報送信手段とをさらに備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報提供装置において、
現在地送信ボタン表示手段は、前記テキストメッセージが緊急性が要求される災害情報であるときに、前記現在地送信ボタンを表示することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記音声放送データは、音声品質を優先させた高音質データと、音声品質を落としてデータ量を削減した低音質データとを含み、
前記テキストメッセージが緊急性が要求される災害情報であるときに、前記音声放送データ受信手段が受信する音声放送データを前記低音質データに切り替える切替手段をさらに備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記メッセージ表示手段によって前記音声放送再生画面上に前記テキストメッセージデータが出力されたときに、前記テキストメッセージデータの受信を通知するための通知音を出力する通知音出力手段をさらに備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報提供装置において、
前記通知音出力手段は、前記テキストメッセージデータが示すメッセージの種別に応じて、前記通知音の出力方法を切り替えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
ユーザからの情報提供を受け付ける情報提供受付手段と、
前記情報提供受付手段によって受け付けられた前記情報提供の内容を示すデータをあらかじめ設定された情報提供先へ送信する情報提供手段とをさらに備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記音声放送の提供者が提供している前記音声放送の番組情報を取得する番組情報取得手段と、
ユーザからの指示に基づいて、前記番組情報取得手段によって取得された前記番組情報を表示する番組情報表示手段とをさらに備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記テキストメッセージデータ受信手段によって受信された前記テキストメッセージデータを記録媒体へ記録するテキストメッセージデータ記録手段と、
ユーザからの指示に基づいて、前記記録媒体に記録された前記テキストメッセージデータを一覧表示するテキストメッセージデータ一覧表示手段とをさらに備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記音声放送の提供者が提供する前記音声放送の番組表情報を取得する番組表情報取得手段と、
ユーザからの指示に基づいて、前記番組表情報取得手段によって取得された前記番組表情報を表示する番組表情報表示手段とをさらに備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記音声放送は、ラジオ放送局または自治体が放送する音声放送であることを特徴とする情報提供装置。
【請求項12】
音声放送の提供者から送信される音声放送データを受信する音声放送データ受信手順と、
ユーザによって音声放送再生画面上で前記音声放送の再生が指示されると、前記音声放送データ受信手順で受信した前記音声放送データを出力して、前記音声放送を再生する音声放送再生手順と、
テキストメッセージの提供者から、前記音声放送データとは異なるデータとして送信されるテキストメッセージのデータを受信するテキストメッセージデータ受信手順と、
前記テキストメッセージデータ受信手順で前記テキストメッセージデータを受信したときに、前記音声放送再生画面上に前記テキストメッセージデータを出力して、前記メッセージを表示するメッセージ表示手順とをコンピュータに実行させるための情報提供プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の情報提供プログラムにおいて、
ユーザの現在地を特定する現在地特定手順と、
前記テキストメッセージデータ受信手順で前記テキストメッセージデータを受信したときに、前記音声放送再生画面上にユーザからの現在地の通知指示を受け付けるための現在地送信ボタンを表示する現在地送信ボタン表示手順と、
ユーザによって、前記現在地送信ボタンが操作されたことを検出したときに、前記現在地特定手順で特定した現在地を示す現在地情報を、あらかじめ設定された現在地情報送信先へ送信する現在地情報送信手順とをさらに有することを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の情報提供プログラムにおいて、
現在地送信ボタン表示手順は、前記テキストメッセージが緊急性が要求される災害情報であるときに、前記現在地送信ボタンを表示することを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれか一項に記載の情報提供プログラムにおいて、
前記音声放送データは、音声品質を優先させた高音質データと、音声品質を落としてデータ量を削減した低音質データとを含み、
前記テキストメッセージが緊急性が要求される災害情報であるときに、前記音声放送データ受信手順が受信する音声放送データを前記低音質データに切り替える切替手順をさらに有することを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項16】
請求項12〜15のいずれか一項に記載の情報提供プログラムにおいて、
前記メッセージ表示手順で前記音声放送再生画面上に前記テキストメッセージデータを出力したときに、前記テキストメッセージデータの受信を通知するための通知音を出力する通知音出力手順をさらに有することを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の情報提供プログラムにおいて、
前記通知音出力手順は、前記テキストメッセージデータが示すメッセージの種別に応じて、前記通知音の出力方法を切り替えることを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項18】
請求項12〜17のいずれか一項に記載の情報提供プログラムにおいて、
ユーザからの情報提供を受け付ける情報提供受付手順と、
前記情報提供受付手順で受け付けた前記情報提供の内容を示すデータをあらかじめ設定された情報提供先へ送信する情報提供手順とをさらに有することを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項19】
請求項12〜18のいずれか一項に記載の情報提供プログラムにおいて、
前記音声放送の提供者が提供している前記音声放送の番組情報を取得する番組情報取得手順と、
ユーザからの指示に基づいて、前記番組情報取得手順で取得した前記番組情報を表示する番組情報表示手順とをさらに有することを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項20】
請求項12〜19のいずれか一項に記載の情報提供プログラムにおいて、
前記テキストメッセージデータ受信手順で受信した前記テキストメッセージデータを記録媒体へ記録するテキストメッセージデータ記録手順と、
ユーザからの指示に基づいて、前記記録媒体に記録された前記テキストメッセージデータを一覧表示するテキストメッセージデータ一覧表示手順とをさらに有することを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項21】
請求項12〜20のいずれか一項に記載の情報提供プログラムにおいて、
前記音声放送の提供者が提供する前記音声放送の番組表情報を取得する番組表情報取得手順と、
ユーザからの指示に基づいて、前記番組表情報取得手順で取得した前記番組表情報を表示する番組表情報表示手順とをさらに有することを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項22】
請求項12〜21のいずれか一項に記載の情報提供プログラムにおいて、
前記音声放送は、ラジオ放送局または自治体が放送する音声放送であることを特徴とする情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、および情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような放送装置が知られている。この放送装置では、デジタル放送の特定のセグメントを介して番組を送信する放送装置において、緊急時には、番組に代えて緊急情報を特定のセグメントを介して送信する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−199542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の放送装置は、緊急時には、番組に代えて緊急情報を特定のセグメントを介して送信するため、番組放送用のセグメントは、緊急情報の送信に利用されてしまい、ユーザに対して、緊急情報と緊急時に放送される番組とを同時に配信することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による情報提供装置は、音声放送の提供者から送信される音声放送データを受信する音声放送データ受信手段と、ユーザによって音声放送再生画面上で音声放送の再生が指示されると、音声放送データ受信手段によって受信された音声放送データを出力して、音声放送を再生する音声放送再生手段と、テキストメッセージの提供者から、前記音声放送データとは異なるデータとして送信されるテキストメッセージのデータを受信するテキストメッセージデータ受信手段と、テキストメッセージデータ受信手段によってテキストメッセージデータを受信したときに、音声放送再生画面上にテキストメッセージデータを出力して、メッセージを表示するメッセージ表示手段とを備えることを特徴とする。
本発明による情報提供プログラムは、音声放送の提供者から送信される音声放送データを受信する音声放送データ受信手順と、ユーザによって音声放送再生画面上で音声放送の再生が指示されると、音声放送データ受信手順で受信した音声放送データを出力して、音声放送を再生する音声放送再生手順と、テキストメッセージの提供者から、前記音声放送データとは異なるデータとして送信されるテキストメッセージのデータを受信するテキストメッセージデータ受信手順と、テキストメッセージデータ受信手順でテキストメッセージデータを受信したときに、音声放送再生画面上にテキストメッセージデータを出力して、メッセージを表示するメッセージ表示手順とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、音声放送の提供者から送信される音声放送の再生をしながら、音声放送再生画面上にテキストメッセージの提供者から送信されるテキストメッセージを表示させることができるため、音声放送を中断することなく、音声放送とテキストメッセージとをユーザに配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報配信システム100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2】情報提供装置200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図3】情報配信装置300の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図4】音声放送再生画面の一例を示した第一の図である。
図5】音声放送再生画面の一例を示した第二の図である。
図6】情報提供装置200で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施の形態における情報配信システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。情報配信システム100は、複数の情報提供装置200と、情報配信装置300とで構成される。情報提供装置200は、複数のユーザがそれぞれ所持する端末であって、例えばスマートフォン、タブレット、PDA、パソコン等の情報端末が用いられる。また、情報配信装置300は、複数の情報提供装置200と通信を行って種々の処理を実行するための装置であって、例えば、サーバ装置やパソコン等が用いられる。
【0009】
本実施の形態では、情報配信装置300と各情報提供装置200とは、例えばインターネットや携帯電話網等の通信回線を介して接続される。なお、図1では、1台の情報配信装置300と2台の情報提供装置200とで構成される例を示しているが情報配信システム100の構成はこれに限定されない。例えば、複数の情報配信装置300で処理を分散させるようにしてもよい。また、情報提供装置200の数は特に限定されるものではない。
【0010】
図2は、本実施の形態における情報提供装置200としてスマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、スマートフォンに情報提供アプリケーションをインストールすることにより、本実施の形態における情報提供装置200として動作する。なお、情報提供アプリケーションのプログラムは、インターネットを介して接続されたサーバ上で公開されることにより提供され、ユーザがこれをダウンロードにより入手し、情報提供装置200にあらかじめインストールされているものとする。あるいは、情報提供アプリケーションのプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されて提供されるようにしてもよい。
【0011】
情報提供装置200は、タッチパネル201と、通信モジュール202と、マイク203と、制御装置204と、スピーカー205とを備えている。
【0012】
タッチパネル201は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、情報提供装置200のユーザは、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、情報提供装置200を操作することができる。タッチパネル201は、ユーザによるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置204へ出力する。
【0013】
通信モジュール202は、無線または有線により、LANや携帯電話通信網を介してインターネットに接続するためのモジュールが用いられる。情報提供装置200は、この通信モジュール202を介して情報配信装置300と通信を行う。また、通信モジュール202には、GPS衛星と通信を行って、情報提供装置200の現在地を特定するためのGPS情報を取得するGPSモジュールも含まれる。
【0014】
マイク203は、ユーザによる発話音声を入力するための集音装置である。マイク203から入力されたアナログデータは、制御装置204でデジタル信号に変換される。
【0015】
制御装置204は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、情報提供装置200の全体を制御する。なお、制御装置204を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、情報提供装置200を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。本実施の形態では、この不揮発性のメモリに、上述した情報提供アプリケーションのプログラムが記録されている。
【0016】
スピーカー205は、音声を出力するための出力装置である。情報配信装置300からから受信した音声データは、制御装置204でアナログ信号に変換された後、スピーカー205から出力される。
【0017】
図3は、本実施の形態における情報配信装置300としてサーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。情報配信装置300は、操作部材301と、接続IF(インターフェース)302と、制御装置303と、記録装置304とを備えている。
【0018】
操作部材301は、情報配信装置300の操作者によって操作される種々の装置、例えばキーボードやマウスを含む。
【0019】
接続IF302は、情報配信装置300をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。
【0020】
制御装置303は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、情報配信装置300の全体を制御する。なお、制御装置303を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続IF302を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0021】
記録装置304は、情報配信装置300が蓄える種々のデータや、制御装置303が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記録装置であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記録装置304に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、使用者が取得したプログラムのデータを記録装置304にインストールすることによって、制御装置303がプログラムを実行できるようになる。
【0022】
本実施の形態における情報配信システム100では、情報配信装置300は、音声放送の提供者によって管理され、この音声放送の提供者としては、例えば、ラジオ放送局、特に地域住民に向けたラジオ番組を放送するコミュニティ放送局や、地域住民に向けた地域情報を放送する自治体等が想定される。また、情報提供装置200は、ラジオ番組や地域情報の視聴を希望するユーザが所持する端末装置が想定される。
【0023】
音声放送の提供者が提供する音声放送データは、空中波を介して受信端末に配信されるとともに、情報配信装置300からインターネット等の通信回線を介して情報提供装置200へ配信される。情報配信装置300から通信回線を介して配信される音声放送データは、音声放送の提供者による放送内容のステレオ音声またはモノラル音声が、所定のビットレートかつ所定のサンプリングレートの音声データに変換されたものである。情報配信装置300からインターネット等の通信回線を介して音声放送データを配信する処理は、公知の処理であるためここでは説明を省略する。
【0024】
音声放送の提供者は、行政情報や生活情報等の一般行政情報、気象庁から発令される注意報や警報等の警報情報、緊急地震速報や津波情報等の緊急性が要求される災害情報といった種々の情報を示すテキストメッセージのデータを、情報配信装置300からインターネット等の通信回線を介して情報提供装置200へ配信することができる。これによって、情報提供装置200を用いて音声放送データを視聴しているユーザに対して、種々の情報をテキストメッセージによりPUSH通知することが可能となる。
【0025】
情報配信装置300からテキストメッセージデータを情報提供装置200へ配信するためには、音声放送の提供者における担当者が、情報配信装置300にテキストメッセージを入力し、制御装置303が入力されたテキストメッセージのデータを情報提供装置200へ送信する。あるいは、情報配信装置300は、気象庁が発令する緊急地震速報や津波警報等の災害警報や、大雨警報や強風警報等の気象警報を気象庁が管轄するサーバから受信し、制御装置303は、これらの警報を受信したときに、自動的に警報内容を示すテキストメッセージのデータを情報提供装置200へ送信する。
【0026】
情報提供装置200では、制御装置204は、音声放送の提供者から送信される音声放送データを受信して音声放送を再生するとともに、音声放送の提供者から送信されるテキストメッセージデータを受信して音声放送再生画面上にテキストメッセージを表示させることにより、ユーザへの通知を行う。以下、情報提供装置200で実行される処理について説明する。
【0027】
ユーザは、上述したように、情報提供装置200にあらかじめ情報提供アプリケーションをインストールした上で、タッチパネル201に表示されている情報提供アプリケーションのアイコンにタッチすることにより、情報提供アプリケーションの起動を指示することができる。制御装置204は、ユーザによって情報提供アプリケーションの起動が指示されたことを検出した場合には、音声放送再生画面をタッチパネル101に表示する。音声放送画面は、自治体からの音声放送を再生するための画面と、コミュニティ放送局からの音声放送を再生するための画面とを共通にしてもよいし、それぞれの放送局の特性に合わせて異なるものとしてもよい。
【0028】
図4は、音声放送再生画面を示す図であり、例えば、コミュニティ放送局からの音声放送を再生することを想定して設計された画面の一例を示している。この図4に示す音声放送再生画面では、画面上に、「再生」ボタン4a、「音量上げる」ボタン4b、「音量下げる」ボタン4c、テキストメッセージ表示欄4d、「番組情報」ボタン4e、「メッセージ」ボタン4f、「HOME」ボタン4g、「Web」ボタン4h、「通知一覧」ボタン4i、「番組表」ボタン4j、「Config」ボタン4kが配置されている。
【0029】
ユーザは、「再生」ボタン4aにタッチすることにより、音声放送の再生開始を指示することができる。また、再生を開始した後は、「音量上げる」ボタン4bにタッチすることにより音量を上げるように指示することができ、「音量下げる」ボタン4cにタッチすることにより音量を下げるように指示することができる。
【0030】
制御装置204は、ユーザによって「再生」ボタン4aがタッチされたことを検出した場合には、情報配信装置300から送信される音声放送データを受信してバッファメモリに記録するとともに、スピーカー205を介して音声放送を出力する。これによって音声放送の再生が開始される。
【0031】
また、制御装置204は、ユーザによって「音量上げる」ボタン4bがタッチされたことを検出した場合には、出力中の音声放送の音量を上げるように制御し、「音量下げる」ボタン4cがタッチされたことを検出した場合には、出力中の音声放送の音量を下げるように制御する。
【0032】
制御装置204は、情報配信装置300から上述したテキストメッセージのデータを受信した場合には、受信したテキストメッセージデータをバッファメモリに記録した後、テキストメッセージ表示欄4dに表示する。このとき、制御装置204は、受信したテキストメッセージの文字数がテキストメッセージ表示欄4dに一度に表示可能な文字数よりも多い場合には、テキストメッセージが画面上で右から左へ移動するように、テキストメッセージ表示欄4d内でテキストメッセージをスクロール表示させる。なお、図4では、テキストメッセージ表示欄4dを点線で示しているが、この点線はテキストメッセージ表示欄4dの範囲を明確にするために表したものであり、実際には画面上に表示される必要はない。
【0033】
さらに、制御装置204は、情報配信装置300からテキストメッセージのデータを受信した場合には、音声放送再生画面上に、ユーザが自身の現在地を音声放送の提供者に報告するための「現在地送信」ボタンを表示する。図5は、情報配信装置300から地震発生の警報を示すテキストメッセージデータの受信に伴い、テキストメッセージ表示欄4d内にテキストメッセージを表示するとともに、音声放送再生画面上の「番組情報」ボタン4eを「現在地送信」ボタン5aに切り替えて表示させた例を示している。
【0034】
ユーザは、テキストメッセージ表示欄4d内に表示されたテキストメッセージが災害の発生を通知する災害情報である場合等、自身の安否を報告したいと考える場合や、自身の現在地を報告したいと考える場合に、「現在地送信」ボタン5aにタッチして、自身の現在地を送信するように指示することができる。
【0035】
制御装置204は、ユーザによって「現在地送信」ボタン5aがタッチされた場合には、通信モジュール202に含まれるGPSモジュールを制御してGPS衛星から取得したGPS情報に基づいて情報提供装置200の現在地を特定する。そして、特定した現在地を示す現在地情報、例えば緯度経度情報を情報配信装置300へ送信する。これによって、ユーザは音声放送の提供者に自身の現在地を報告することができ、音声放送の提供者は、災害発生時等にユーザの安否確認及び現在地の把握を行うことができる。制御装置204は、情報配信装置300へ現在地情報を送信した後に、音声放送再生画面上の「現在地送信」ボタン5aを「番組情報」ボタン4eに戻す。
【0036】
ユーザは、「番組情報」ボタン4eにタッチすることにより、再生中の音声放送、すなわち現在放送されている番組の内容を示す番組情報を表示するように指示することができる。制御装置204は、ユーザによって「番組情報」ボタン4eがタッチされたことを検出した場合には、情報配信装置300で提供されている番組情報を通信回線を介して取得し、該番組情報を表示した不図示の番組情報画面をタッチネル201に表示する。これによって、ユーザは、視聴している番組に関する情報を閲覧することができる。
【0037】
ユーザは、「メッセージ」ボタン4fにタッチすることにより、音声放送の提供者に対して送信するメッセージの作成開始を指示することができる。制御装置204は、ユーザによって「メッセージ」ボタン4fがタッチされたことを検出した場合には、不図示のメッセージ送信画面をタッチパネル201に表示する。
【0038】
ユーザは、このメッセージ送信画面上で音声放送の提供者に対するメッセージを入力して送信を指示することができる。制御装置204は、ユーザによってメッセージの送信が指示された場合には、入力されたメッセージのデータを情報配信装置300へ送信する。これにより、ユーザは、音声放送の提供者に対して、視聴中の番組の感想や曲のリクエスト等の種々のメッセージを送信して、情報提供を行うことができる。
【0039】
次に画面下部に設けられたボタン4g〜4kがタッチされた場合の処理について説明する。「HOME」ボタン4gは、タッチパネル201上の表示を図4に示す音声放送再生画面に切り替えるように指示するためのボタンである。制御装置204は、ユーザによって「HOME」ボタン4gがタッチされたことを検出すると、タッチパネル201上の表示を後述する他の画面から音声放送再生画面に切り替える。
【0040】
「Web」ボタン4hは、タッチパネル201上の表示を音声放送の提供者が開設するWEBサイトを閲覧するためのブラウザ画面に切り替えるように指示するためのボタンである。制御装置204は、ユーザによって「Web」ボタン4hがタッチされたことを検出すると、タッチパネル201上の表示を不図示のブラウザ画面に切り替えるとともに、音声放送の提供者が開設するWEBサイトへアクセスし、ブラウザ画面上に音声放送の提供者が開設するWEBサイトを表示する。
【0041】
また、ブラウザ画面には、音声放送の提供者が情報提供のために利用しているSNS(Social Networking Service)の画面を表示させるためのボタンが表示されており、制御装置204は、ユーザによって該ボタンがタッチされたことを検出すると、音声放送の提供者がSNSを利用して提供している情報を取得し、取得した情報をブラウザ画面に表示する。なお、音声放送の提供者が複数のSNSを利用して情報提供を行っている場合に、ブラウザ画面には、それぞれのSNSから情報を取得して表示するための複数のボタンが表示される。このように、ブラウザ画面に、音声放送の提供者が情報提供のために利用しているSNSの画面を表示させるためのボタンを表示すれば、ユーザは、容易に音声放送の提供者が提供する情報を閲覧することができる。
【0042】
「通知一覧」ボタン4iは、過去に受信したテキストメッセージを一覧表示するように指示するためのボタンである。制御装置204は、情報配信装置300から受信したテキストメッセージをメモリに記録しておき、ユーザによって「通知一覧」ボタン4iがタッチされたことを検出した場合には、メモリから過去に受信したテキストメッセージを読み出して、履歴情報として画面上に表示させる。これにより、ユーザは過去に受信したテキストメッセージの履歴を閲覧することができる。
【0043】
「番組表」ボタン4jは、音声放送の提供者が提供する音声放送の番組表を表示するように指示するためのボタンである。制御装置204は、ユーザによって「番組表」ボタン4jがタッチされたことを検出した場合には、情報配信装置300から番組表情報を取得して画面上に表示させる。これにより、ユーザは音声放送の番組表を閲覧することができる。
【0044】
「Config」ボタン4kは、タッチパネル201上の表示を情報提供アプリケーションの設定を変更するための設定画面に切り替えるように指示するためのボタンである。制御装置204は、ユーザによって「Config」ボタン4kがタッチされたことを検出すると、タッチパネル201上の表示を不図示の設定画面に切り替える。なお、設定画面上で設定ができる内容としては、例えば、情報配信装置300からテキストメッセージのデータを受信した場合の動作内容として、音声放送の音量を自動で上げるように設定したり、音声放送の音飛び防止のためのバッファ調整等を行うことができる。さらに、設定した時間が経過すると音声放送の再生を自動停止するためのスリープタイマー機能を設け、このときの時間を設定できるようにしてもよい。
【0045】
図6は、本実施の形態において、情報提供装置200で実行される音声放送の再生、およびテキストメッセージの表示のための処理の流れを示すフローチャートである。図6に示す処理は、ユーザによって情報提供アプリケーションの実行が指示されると起動するプログラムとして、制御装置204によって実行される。
【0046】
ステップS10において、制御装置204は、タッチパネル201に図4に示した音声放送再生画面を表示する。その後、ステップS20へ進む。
【0047】
ステップS20では、制御装置204は、ユーザによって、「再生」ボタン4aがタッチされることにより、音声放送の再生が指示されたか否かを判断する。ステップS20で肯定判断した場合には、ステップS30へ進む。
【0048】
ステップS30では、制御装置204は、情報配信装置300から送信される音声放送データを受信してバッファメモリに記録するとともに、スピーカー205を介して音声放送を出力する。その後、ステップS40へ進む。
【0049】
ステップS40では、制御装置204は、ユーザによって「音量上げる」ボタン4bがタッチされたことにより、音声放送の音量を上げるように指示されたか否かを判断する。ステップS40で否定判断した場合には、後述するステップS60へ進む。これに対して、ステップS40で肯定判断した場合には、ステップS50へ進む。
【0050】
ステップS50では、制御装置204は、音声放送の音量を上げるための制御を行って、再生音量のボリュームを上げる。その後、ステップS60へ進む。
【0051】
ステップS60では、制御装置204は、ユーザによって「音量下げる」ボタン4cがタッチされたことにより、音声放送の音量を下げるように指示されたか否かを判断する。ステップS60で否定判断した場合には、後述するステップS80へ進む。これに対して、ステップS60で肯定判断した場合には、ステップS70へ進む。
【0052】
ステップS70では、制御装置204は、音声放送の音量を下げるための制御を行って、再生音量のボリュームを下げる。その後、ステップS80へ進む。
【0053】
ステップS80では、制御装置204は、情報配信装置300から上述したテキストメッセージのデータを受信したか否かを判断する。ステップS80で否定判断した場合には、後述するステップS140へ進む。これに対して、ステップS80で肯定判断した場合には、ステップS90へ進む。
【0054】
ステップS90では、制御装置204は、情報配信装置300から受信したテキストメッセージデータをバッファメモリに記録した後、テキストメッセージ表示欄4dに表示する。このとき、制御装置204は、受信したテキストメッセージの文字数がテキストメッセージ表示欄4dに一度に表示可能な文字数よりも多い場合には、上述したように、テキストメッセージが画面上で右から左へ移動するように、テキストメッセージ表示欄4d内でテキストメッセージをスクロール表示させる。その後、ステップS100へ進む。
【0055】
ステップS100では、制御装置204は、図5に示したように、音声放送再生画面上の「番組情報」ボタン4eを「現在地送信」ボタン5aに切り替えて表示する。その後、ステップS110へ進む。
【0056】
ステップS110では、制御装置204は、ユーザによって「現在地送信」ボタン5aがタッチされることにより、現在地の送信が指示されたか否かを判断する。ステップS110で否定判断した場合には、後述するステップS140へ進む。これに対して、ステップS110で肯定判断した場合には、ステップS120へ進む。
【0057】
ステップS120では、制御装置204は、通信モジュール202に含まれるGPSモジュールを制御してGPS衛星からGPS情報を受信する。その後、ステップS130へ進む。
【0058】
ステップS130では、制御装置204は、ステップS120で受信したGPS情報に基づいて情報提供装置200の現在地を特定し、特定した現在地を示す現在地情報を情報配信装置300へ送信する。その後、ステップS140へ進む。
【0059】
ステップS140では、制御装置204は、ユーザによってタッチパネル201上であらかじめ設定された情報提供アプリケーションを終了させるための操作が行われることにより、情報提供アプリケーションの終了が指示されたか否かを判断する。ステップS140で否定判断した場合には、ステップS20へ戻る。これに対して、ステップS140で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0060】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)制御装置204は、ユーザによって音声放送再生画面上で音声放送の再生が指示されると、情報配信装置300から音声放送データを受信して出力するようにした。そして、情報配信装置300からテキストメッセージのデータを受信すると、音声放送再生画面上にテキストメッセージデータを出力して、テキストメッセージを表示するようにした。これによって、音声放送の提供者は、音声放送の視聴者に対してテキストメッセージを配信することができる。
【0061】
(2)制御装置204は、情報配信装置300からテキストメッセージデータを受信したときに、音声放送再生画面上にユーザからの現在地の通知指示を受け付けるための「現在地送信」ボタン5aを表示し、ユーザによって、「現在地送信」ボタン5aがタッチされたことを検出したときに、GPS情報に基づいて特定した現在地情報を、情報配信装置300へ送信するようにした。これによって、ユーザは音声放送の提供者に自身の現在地を報告することができ、音声放送の提供者は、災害発生時等にユーザの安否確認及び現在地の把握を行うことができる。
【0062】
(3)制御装置204は、ユーザによって「メッセージ」ボタン4fがタッチされた場合には、ユーザによるメッセージの入力を受け付け、入力されたメッセージのデータを情報配信装置300へ送信するようにした。これにより、ユーザは、音声放送の提供者に対して、情報提供を行うことができる。
【0063】
(4)制御装置204は、ユーザによって「番組情報」ボタン4eがタッチされたことを検出した場合には、情報配信装置300で提供されている番組情報を通信回線を介して取得し、該番組情報を表示した不図示の番組情報画面をタッチネル201に表示するようにした。これによって、ユーザは、視聴している番組に関する情報を閲覧することができる。
【0064】
(5)制御装置204は、情報配信装置300から受信したテキストメッセージをメモリに記録しておき、ユーザによって「通知一覧」ボタン4iがタッチされたことを検出した場合には、メモリから過去に受信したテキストメッセージを読み出して、履歴情報として画面上に表示させるようにした。これにより、ユーザは過去に受信したテキストメッセージの履歴を閲覧することができる。
【0065】
(6)制御装置204は、ユーザによって「番組表」ボタン4jがタッチされたことを検出した場合には、情報配信装置300から番組表情報を取得して画面上に表示させるようにした。これにより、ユーザは音声放送の番組表を閲覧することができる。
【0066】
(7)音声放送再生画面で再生される音声放送は、ラジオ放送局が放送するラジオ番組であるようにした。これによって、音声放送の提供者は、情報提供アプリケーションを用いてラジオ番組を視聴しているユーザに対して、テキストメッセージを配信することができる。特に、災害発生時等は、ユーザは、必ずしも防災情報を取得できる環境にない可能性があるが、本実施の形態における情報提供アプリケーションを利用すれば、普段所持しているスマートフォンを介して、迅速に情報を取得することができる。また、音声放送再生画面で再生される音声放送を自治体が放送する音声放送とすれば、ユーザは、普段所持しているスマートフォンを介して、自治体からの情報を音声放送により取得することができるとともに、災害発生時等の緊急時には、PUSH通知により迅速に情報を取得することができる。
【0067】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の情報提供装置は、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、制御装置204は、情報配信装置300からテキストメッセージデータを受信した場合には、テキストメッセージ表示欄4dにテキストメッセージを表示する例について説明した。しかしながら、制御装置204は、情報配信装置300からテキストメッセージデータを受信した場合には、テキストメッセージ表示欄4dにテキストメッセージを表示するとともに、通知音を出力してテキストメッセージを受信したことをユーザに通知するようにしてもよい。
【0068】
この場合、制御装置204は、受信したテキストメッセージデータの内容に基づいて分類されるメッセージ種別に応じて、ユーザへの通知方法を切り替えるようにしてもよい。例えば、情報配信装置300から送信されるテキストメッセージデータには、メッセージの内容を表すメッセージ種別情報が含まれており、制御装置204は、受信したテキストメッセージデータのメッセージ種別情報に基づいて、テキストメッセージの種別を特定して、特定結果に応じて通知方法を切り替えればよい。
【0069】
具体的には、制御装置204は、テキストメッセージの種別が行政情報や生活情報等の一般情報である場合には、テキストメッセージ表示欄4dにテキストメッセージを表示するのみで、通知音による通知は行わない。また、制御装置204は、テキストメッセージ種別が気象庁から発令される注意報や警報等の警報情報である場合には、テキストメッセージ表示欄4dにテキストメッセージを表示するとともに、あらかじめ設定された通知音を出力する。また、制御装置204は、テキストメッセージ種別が緊急地震速報や津波情報等の緊急性が要求される災害情報である場合には、テキストメッセージ表示欄4dにテキストメッセージを表示するとともに、警報情報を受信したときよりもより緊急性が高いことをイメージさせる通知音を出力する。
【0070】
通知音による通知を行うか否かは、ユーザが「Config」ボタン4kにタッチすることで表示される設定画面内で任意に設定できるようにしてもよい。また、ユーザへの通知は、通知音とLEDの点灯や点滅とを組み合わせて行ってもよい。
【0071】
(2)上述した実施の形態では、制御装置204は、情報配信装置300からテキストメッセージのデータを受信した場合には、音声放送再生画面上に、ユーザが自身の現在地を音声放送の提供者に報告するための「現在地送信」ボタンを表示するようにし、例えば、図5に示すように、音声放送再生画面上の「番組情報」ボタン4eを「現在地送信」ボタン5aに切り替えて表示する例について説明した。しかしながら、制御装置204は、情報配信装置300からテキストメッセージのデータを受信した場合に、そのテキストメッセージの内容がユーザに対して現在地の送信を要求することが好ましい場合にのみ、音声放送再生画面上に「現在地送信」ボタンを表示するようにしてもよい。例えば、上述したように、情報配信装置300から送信されるテキストメッセージデータには、メッセージの内容を表すメッセージ種別情報が含まれており、制御装置204は、受信したテキストメッセージデータのメッセージ種別情報に基づいて特定したテキストメッセージ種別が緊急地震速報や津波情報等の緊急性が要求される災害情報である場合に音声放送再生画面上に「現在地送信」ボタンを表示するようにすればよい。これによって、ユーザに対して現在地の送信を要求することが好ましい場合に「現在地送信」ボタンを表示させて、ユーザへ現在地の通知を促すことができる。
【0072】
(3)上述した実施の形態では、情報配信装置300から通信回線を介して配信される音声放送データは、音声放送の提供者による放送内容のステレオ音声またはモノラル音声が、所定のビットレートかつ所定のサンプリングレートの音声データに変換されたものである例について説明した。しかしながら、情報配信装置300からは、音声放送データとして、音声品質を優先させた高音質データと、音声品質を落としてデータ量を削減した低音質データとを配信するようにしてもよい。この場合、情報提供装置200で高音質データと低音質データのどちらを受信するかは、ユーザが上述した「Config」ボタン4kにタッチして表示される設定画面内で任意に設定することができるようにすればよく、制御装置204は、ユーザによる設定内容に基づいて、高音質データまたは低音質データを音声放送データとして受信して再生すればよい。ここで、高音質データは、例えば、ビットレートが48kbpsでサンプリングレートが44.1khzのステレオ音声データとし、低音質データは、例えば、ビットレートが24kbpsでサンプリングレートが44.1khzのモノラル音声データとすればよい。
【0073】
また、制御装置204は、情報配信装置300からテキストメッセージのデータを受信した場合に、そのテキストメッセージの内容が通信回線における輻輳を回避することが望ましい状況を示す内容である場合には、受信する音声放送データを自動的に低音質データに切り替えるようにしてもよい。例えば、上述したように、情報配信装置300から送信されるテキストメッセージデータには、メッセージの内容を表すメッセージ種別情報が含まれており、制御装置204は、受信したテキストメッセージデータのメッセージ種別情報に基づいて特定したテキストメッセージ種別が緊急地震速報や津波情報等の緊急性が要求される災害情報である場合に、受信する音声放送データを自動的に低音質データに切り替えるようにすればよい。これによって、災害発生時に通信回線に流れるデータ量を削減して、輻輳を避けることができ、ユーザに対して遅延なく災害情報のテキストメッセージを通知することが可能となる。
【0074】
(4)上述した実施の形態では、音声放送再生画面は、図4図5に示す画面である例について説明した。しかしながら、音声放送再生画面のレイアウトはこれに限定されない。例えば、音声放送再生画面の上部や下部に広告を表示するための広告表示欄を設け、情報提供アプリケーションの提供者が広告収入を得ることができるようにしてもよい。この場合、制御装置204は、受信したテキストメッセージデータのメッセージ種別情報に基づいて特定したテキストメッセージ種別が緊急地震速報や津波情報等の緊急性が要求される災害情報である場合には、広告表示欄を非表示に切り替えるようにしてもよい。これによって、災害発生時には重要な情報ではない広告を非表示にすることができる。
【0075】
(5)上述した実施の形態では、情報提供装置200は、例えばスマートフォン、タブレット、PDA、パソコン等の一般的な情報端末が用いられる例について説明した。しかしながら、これらの汎用性のある情報端末ではなく、情報配信装置300から送信される音声放送データ、およびテキストメッセージデータを受信するための専用端末を用いてもよい。
【0076】
(6)上述した実施の形態では、テキストメッセージデータは、音声放送の提供者によって入力されて情報配信装置300から送信される例について説明した。しかしながら、テキストメッセージデータは、音声放送の提供者以外の組織や人物が入力できるようにしてもよい。例えば、警察署や消防署などが災害時に地域住民に向けたメッセージを配信する際に、音声放送の提供者に代わってテキストメッセージの提供者となり、テキストメッセージデータを入力して送信できるようにしてもよい。
【0077】
(7)上述した実施の形態では、制御装置204は、ユーザによって「現在地送信」ボタン5aがタッチされた場合には、情報提供装置200の現在地を特定するための現在地情報を情報配信装置300へ送信する例について説明した。しかしながら、現在地情報の通報先は、あらかじめ設定された他の装置であってもよい。例えば、警察署や消防署などが災害時にユーザの安否確認を行う場合には、これらの組織が有するサーバをあらかじめ送信先として設定しておくようにしてもよい。
【0078】
(8)上述した実施の形態では、制御装置204は、情報配信装置300から受信したテキストメッセージをメモリに記録しておき、ユーザによって「通知一覧」ボタン4iがタッチされたことを検出した場合には、メモリから過去に受信したテキストメッセージを読み出して、履歴情報として画面上に表示させる例について説明した。音声放送の提供者は、テキストメッセージにより配信した内容を番組内で話すことにより音声配信を行うことも考えられる。この場合は、情報配信装置300の制御装置303は、テキストメッセージとその内容が話された音声データとを関連付けて記録装置304に記録しておけば、ユーザがテキストメッセージの受信履歴の中から、いずれかのテキストメッセージを選択して、その内容を示す音声を聞くことが可能となる。例えば、制御装置204は、ユーザによってテキストメッセージの受信履歴の中から、いずれかのテキストメッセージが選択された場合には、情報配信装置300から選択されたテキストメッセージに関連付けられている音声データをダウンロードして出力すればよい。これにより、ユーザは、見逃したテキストメッセージを履歴から選択して、その音声データを視聴することができる。
【0079】
(9)上述した実施の形態では、情報配信装置300からテキストメッセージデータを受信した場合には、テキストメッセージ表示欄4dにテキストメッセージを表示する例について説明した。しかしながら、この場合は、音声放送再生画面をタッチパネル201に表示させて、音声放送を視聴しているユーザしかテキストメッセージを確認することができない。このため、制御装置204は、タッチパネル201に音声放送再生画面が表示されていない場合には、スマートフォンの待ち受け画面上や通知領域にテキストメッセージを表示して、音声放送を視聴していないユーザもテキストメッセージを確認できるようにしてもよい。
【0080】
(10)上述した実施の形態では、情報提供装置200はスピーカー205を備え、制御装置204は、情報配信装置300から受信した音声放送のデータをスピーカー205から出力する例について説明した。しかしながら、音声放送のデータはスピーカー205以外の音声出力機器から出力するようにしてもよい。例えば、情報提供装置200は、外部のヘッドホン、イヤホン、スピーカー等の音声出力機器を有線接続するための接続端子を備えるようにし、該接続端子を介して外部の音声出力機器から音声データを出力するようにしてもよい。あるいは、情報提供装置200は、Bluetooth(登録商標)やWi−Fi(登録商標)などの無線通信モジュールを備えるようにし、無線により接続された外部のヘッドホン、イヤホン、スピーカー等の音声出力機器から音声放送のデータを出力するようにしてもよい。
【0081】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0082】
100 情報配信システム
200 情報提供装置
201 タッチパネル
202 通信モジュール
203 マイク
204 制御装置
205 スピーカー
300 情報配信装置
301 操作部材
302 接続IF
303 制御装置
304 記録装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6