(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0009】
まず、本実施形態における医用診断装置の構成について、
図1又は
図2を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態における医用診断装置のブロック図である。本実施形態における医用診断装置は、例えばX線CT装置1である。
【0011】
図1に示すように、X線CT装置1は、撮像部2、コンソール3、操作部7a、寝台10、検査室用モニタ12を備える。撮像部2は所謂ガントリであり、X線管15、X線検出器16を備える。コンソール3は、画像データ生成部4、記憶部5、システム制御部6、操作部7b、断面抽出部、表示態様制御部9、操作室用モニタ11を備える。X線CT装置1は、検査室用モニタ12および位置情報取得部13に、有線あるいは無線による情報通信が可能に接続されている。本実施形態において、例えばコンソール3は操作室に位置し、撮像部2、操作部7a、寝台10、検査室用モニタ12、位置情報取得部13、位置センサ14は検査室に位置する。
【0012】
図2は、撮像部2、寝台10、検査室用モニタ12の概略図である。本実施形態において、被検体Pの体軸方向で
図2紙面左側に相当する方向をZ軸正方向とする。また、鉛直方向で
図2の紙面上側に相当する方向をX軸正方向、X軸とZ軸に対して垂直な方向で
図2の紙面奥側に相当する方向をY軸正方向とする。
【0013】
撮像部2は、システム制御部6からの指示に従って、X線管15およびX線検出器16を対向させたまま開口部2aの周りを回転させる。撮像部2は、システム制御部6からの指示に従って、X線管15にX線を照射させる。X線検出器16は、X線管15から照射され、寝台10に載置され開口部2aに位置する被検体を透過したX線を検出し、検出信号を生成する。X線検出器16は、当該検出信号を画像データ生成部4に送信する。撮像部2は、システム制御部6からの指示に従って、Z軸正方向又はZ軸負方向に移動する。
【0014】
画像データ生成部4は、X線検出器16から受信した検出信号に基づいて、X−Y平面と平行な断層画像のデータ(断層画像データ)と、当該断層画像データに基づく3次元のボリュームデータを生成する。画像データ生成部4は、生成した断層画像データおよびボリュームデータを記憶部5に送信する。
【0015】
記憶部5は、画像データ生成部4から受信した断層画像データおよびボリュームデータを記憶する。記憶部5は、システム制御部6からの指示に従って、断層画像データ又はボリュームデータを表示態様制御部9に転送する。記憶部5は、システム制御部6からの指示に従って、ボリュームデータを断面抽出部8に転送する。
【0016】
システム制御部6は、所定のタイミングで所定の操作画面データを生成し、生成した操作画面データを表示態様制御部9に転送する。システム制御部6は、操作部7aあるいは操作部7bを介した医師Dからの指示に従って、X線管15およびX線検出器16を回転させるように、撮像部2に対して指示する。システム制御部6は、操作部7aあるいは操作部7bを介した医師Dからの指示に従って、X線管15にX線を照射させるように、撮像部2に対して指示する。システム制御部6は、操作部7aあるいは操作部7bを介した医師Dからの指示に従って、撮像部2がZ軸正方向又はZ軸負方向に移動するように、撮像部2に対して指示する。システム制御部2は、操作部7aあるいは操作部7bを介した医師Dからの指示に従って、記憶部5に記憶されたボリュームデータを断面抽出部8に転送するように、記憶部5に対して指示する。システム制御部6は、操作部7aあるいは操作部7bを介した医師Dからの指示に従って、X−Y平面に平行な所定の断面、Y−Z平面に平行な所定の断面、Z−X平面に平行な所定の断面を、ボリュームデータから抽出するように、断面抽出部8に対して指示する。システム制御部6は、操作部7aあるいは操作部7bを介した医師Dからの指示に従って、X−Y平面に平行な任意の断面、Y−Z平面に平行な任意の断面、Z−X平面に平行な任意の断面をボリュームデータから抽出するように、断面抽出部8に対して指示する。
【0017】
操作部7a、操作部7bは、例えばマウスやトラックボール、キーボードといった入力手段を備える。操作部7a、操作部7bは、当該入力手段を用いた医師Dあるいは医師Dをサポートする医療従事者からの入力に基づいて、システム制御部6に指示する。
【0018】
断面抽出部8は、システム制御部6からの指示に従って、記憶部5から転送されたボリュームデータから断面を抽出し、当該断面における断面画像データを生成する。断面抽出部8は、生成した断面画像データを表示態様制御部9に送信する。本実施形態において、X−Y平面に平行な断面画像データをアキシャル断面データ、Y−Z平面に平行な断面画像データをコロナル断面データ、Z−X平面に平行な断面画像データをサジタル断面データと呼称し、以下説明する。
【0019】
表示態様制御部9は、システム制御部6から転送された所定の操作画面データを、所定の表示態様に制御し、操作室用モニタ11および検査室用モニタ12に転送する。表示態様制御部9は、記憶部5から転送された断層画像データあるいはボリュームデータを、所定の表示態様に制御し、操作室用モニタ11および検査室用モニタ12に転送する。表示態様制御部9は、断面抽出部8から受信したアキシャル断面データ、コロナル断面データ、サジタル断面データの表示態様を、位置情報取得部13から受信した医師Dの位置情報に基づいて制御し、操作室用モニタ11および検査室用モニタ12に転送する。なお、医師Dの位置情報に基づく表示態様の制御の詳細については後述する。
【0021】
操作室用モニタ11は、表示態様制御部9から転送された所定の操作画面データを表示する。操作室用モニタ11は、表示態様制御部9から転送された断層画像データあるいはボリュームデータを表示する。操作室用モニタ11は、表示態様制御部9から転送されたアキシャル断面データ、コロナル断面データ、サジタル断面データを表示する。
【0022】
検査室用モニタ12は、表示態様制御部9から転送された所定の操作画面データを表示する。検査室用モニタ12は、表示態様制御部9から転送された断層画像データあるいはボリュームデータを表示する。検査室用モニタ12は、表示態様制御部9から転送されたアキシャル断面データ、コロナル断面データ、サジタル断面データを表示する。なお、検査室用モニタ12は可搬式であり、例えば検査室内の医師Dが表示を確認できる位置に常に配置される。
【0023】
位置情報取得部13は、位置センサ14から医師Dの位置情報を随時取得し、取得した医師Dの位置情報を表示態様制御部9に送信する。
【0024】
位置センサ14は、例えば医師Dによって所持される。位置センサ14は、磁場発生部17によって検査室内に発生した磁場を検出し、検出した磁場に基づいて検査室内における医師Dの位置情報を生成する。なお、生成した位置情報は位置情報取得部13によって取得される。
【0025】
磁場発生部17は、検査室内に磁場を発生させる。
【0026】
次に、本実施形態における医用診断装置の動作について、
図3乃至
図12のいずれかを用いて説明する。
【0027】
図3は、本実施形態におけるフロー図である。なお、本実施形態では、X線CT装置1を用いた穿刺について説明する。
【0028】
ステップS1において、穿刺を開始する。まず医師Dは、被検体Pを寝台10に載置させる。次に、医師Dは、操作部7aを介してシステム制御部6に指示し、X線管15とX線検出器16の間に、穿刺対象部位が位置するように撮像部2を移動させる。
【0029】
ステップS2において、医師Dは操作部7aを介して、1回目の撮像を開始するようにシステム制御部6に対して指示する。システム制御部6は、操作部7aを介した医師Dからの指示に従って撮像部2に対して指示し、X線管15およびX線検出器16を回転させ、更にX線管15にX線を照射させる。X線検出器16は、X線管15から照射され、寝台10に載置され被検体を透過したX線を検出し、検出信号を生成する。X線検出器16は、当該検出信号を画像データ生成部4に送信する。画像データ生成部4は、X線検出器16から受信した検出信号に基づいて断層画像データを生成し、更に当該断層画像データに基づくボリュームデータを生成する。なお、このとき生成された断層画像データとボリュームデータを、それぞれ第1断層画像データと第1ボリュームデータと呼称する。画像データ生成部4は、生成した第1断層画像データおよび第1ボリュームデータを記憶部5に送信する。記憶部5は、画像データ生成部4から受信した第1断層画像データおよび第1ボリュームデータを記憶する。記憶部5が第1断層画像データおよび第1ボリュームデータの記憶を完了すると、1回目の撮像は終了し、ステップS3に移行する。
【0030】
ステップS3において、システム制御部6は、所定の操作画面データを生成し、生成した操作画面データを表示態様制御部9に転送する。ここで所定の操作画面データとは、例えば記憶部5に記憶されているデータがリストアップされたリストデータである。表示態様制御部9は、システム制御部6から転送された当該リストデータを、所定の表示態様に制御し、操作室用モニタ11および検査室用モニタ12に転送する。操作室用モニタ11と検査室用モニタ12は、表示態様制御部9から転送されたリストデータを表示する。医師Dは、操作部7aを介して、検査室用モニタ12に表示されたリストデータの中から例えばステップS2において生成され記憶部5に記憶されたボリュームデータ、即ち第1ボリュームデータを選択し、ボリュームデータのまま表示させるように指示する。システム制御部6は、操作部7aを介した医師Dの指示に従って、第1ボリュームデータを、表示態様制御部9に転送するように、記憶部5に対して指示する。記憶部5は、システム制御部6からの指示に従って、第1ボリュームデータを表示態様制御部9に転送する。表示態様制御部9は、記憶部5から転送された第1ボリュームデータを、所定の表示態様に制御し、操作室用モニタ11および検査室用モニタ12に転送する。操作室用モニタ11と検査室用モニタ12は、表示態様制御部9から転送された第1ボリュームデータを表示する。
【0031】
図4は、ステップS4において操作室用モニタ11と検査室用モニタ12に表示される第1ボリュームデータ20aの概略図である。
【0032】
ステップS4において、医師Dは、検査室用モニタ12に表示された第1ボリュームデータ20aを参照し、穿刺計画を立てる。具体的には、例えば
図4に示すような穿刺対象部位21と穿刺開始位置22を決める。穿刺計画を立て終わると、医師Dは、穿刺針を被検体Pの穿刺開始位置22から穿刺対象部位21に向けて刺し入れる。医師Dは、ある程度被検体Pに対して穿刺針を刺し入れると、穿刺針の位置や方向の確認のための2回目の撮像を開始するように、操作部7aを介してシステム制御部6に指示する。
【0033】
ステップS5において、システム制御部6は、操作部7aを介した医師Dからの指示に従って撮像部2に対して指示し、X線管15およびX線検出器16を回転させ、更にX線管15にX線を照射させる。X線検出器16は、X線管15から照射され、寝台10に載置され被検体を透過したX線を検出し、検出信号を生成する。X線検出器16は、当該検出信号を画像データ生成部4に送信する。画像データ生成部4は、X線検出器16から受信した検出信号に基づいて断層画像データを生成し、更に当該断層画像データに基づくボリュームデータを生成する。なお、このとき生成された断層画像データとボリュームデータを、それぞれ第2断層画像データと第2ボリュームデータと呼称する。画像データ生成部4は、生成した第2断層画像データおよび第2ボリュームデータを記憶部5に送信する。記憶部5は、画像データ生成部4から受信した第2断層画像データおよび第2ボリュームデータを記憶する。記憶部5が第2断層画像データおよび第2ボリュームデータの記憶を完了すると、2回目の撮像は終了し、ステップS6に移行する。
【0034】
ステップS6において、システム制御部6は、所定の操作画面データを生成し、生成した操作画面データを表示態様制御部9に転送する。ここで所定の操作画面データとは、例えばステップS3においてシステム制御部6が生成したものと同様で、記憶部5に記憶されているデータがリストアップされたリストデータである。表示態様制御部9は、システム制御部6から転送された当該リストデータを、所定の表示態様に制御し、操作室用モニタ11および検査室用モニタ12に転送する。操作室用モニタ11と検査室用モニタ12は、表示態様制御部9から転送されたリストデータを表示する。医師Dは、操作部7aを介して、検査室用モニタ12に表示されたリストデータの中から例えばステップS5において生成され記憶部5に記憶されたボリュームデータ、即ち第2ボリュームデータを選択し、ボリュームデータから断面を抽出して表示させるように指示する。システム制御部6は、操作部7aを介した医師Dの指示に従って、第2ボリュームデータを、表示態様制御部9に転送するように、記憶部5に対して指示する。記憶部5は、システム制御部6からの指示に従って、第2ボリュームデータを断面抽出部8に転送する。
【0035】
図5は、断面抽出部8によって第2ボリュームデータから抽出される断面の概略図である。
【0036】
断面抽出部8は、システム制御部6からの指示に従って、記憶部5から転送された第2ボリュームデータから断面を抽出し、アキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26をそれぞれ生成する。断面抽出部8は、生成したアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26を表示態様制御部9に送信する。なお、ここでのアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26は、例えば第2ボリュームデータの中心を通る断面を抽出したものである。断面抽出部8がアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26を表示態様制御部9に送信すると、ステップS7に移行する。
【0037】
ステップS7において、位置情報取得部13は、位置センサ14から医師Dの位置情報を随時取得し、取得した医師Dの位置情報を表示態様制御部9に送信する。
【0038】
図6は、位置情報取得部13から受信した医師Dの位置情報に基づく表示態様制御の概念図である。
【0039】
表示態様制御部9は、位置情報取得部13から医師Dの位置情報を受信すると、当該位置情報が
図6における検査室30の領域A、B、C、D、E、Fのうちどの領域に属するのかを判断する。
【0040】
図6のY−Z平面に示すように、領域Aは、例えばY軸方向において寝台10より紙面上側で、Z軸方向において穿刺対象部位21から寝台10の紙面右側の端部までの領域である。
図6のY−Z平面に示すように、領域Bは、例えばZ軸方向において寝台10より紙面右側の領域である。
図6のY−Z平面に示すように、領域Cは、例えばY軸方向において寝台10より紙面下側で、Z軸方向において穿刺対象部位21から寝台10の紙面右側の端部までの領域である。
図6のY−Z平面に示すように、領域Dは、例えばY軸方向において寝台10より紙面下側で、Z軸方向において穿刺対象部位21から寝台10の紙面左側の端部までの領域である。
図6のY−Z平面に示すように、領域Eは、例えばZ軸方向において寝台10より紙面左側の領域である。
図6のY−Z平面に示すように、領域Fは、例えばY軸方向において寝台10より紙面上側で、Z軸方向において穿刺対象部位21から寝台10の紙面左側の端部までの領域である。
【0041】
表示態様制御部9は、上記判断の結果、次の
図7乃至
図12のうちいずれか一つの表示態様になるように、断面抽出部8から受信したアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26の表示態様を制御し、操作室用モニタ11および検査室用モニタ12に転送する。操作室用モニタ11と検査室用モニタ12は、表示態様制御部9から転送されたアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26を表示する。
【0042】
図7は、医師Dが領域Aに位置すると判断された場合において、表示態様制御部9による表示態様の制御の結果、操作室用モニタ11と検査室用モニタ12に表示されるアキシャル断面データ24a、コロナル断面データ25a、サジタル断面データ26aの概略図である。なお、
図7では、
図5のボリュームデータ20bとの対応をわかりやすくするため、穿刺対象部位21の位置をアキシャル断面データ24a、コロナル断面データ25a、サジタル断面データ26aにそれぞれ投影した仮想穿刺対象部位27を図示している。
【0043】
図8は、医師Dが領域Bに位置すると判断された場合において、表示態様制御部9による表示態様の制御の結果、操作室用モニタ11と検査室用モニタ12に表示されるアキシャル断面データ24b、コロナル断面データ25b、サジタル断面データ26bの概略図である。なお、
図8では、
図5のボリュームデータ20bとの対応をわかりやすくするため、穿刺対象部位21の位置をアキシャル断面データ24b、コロナル断面データ25b、サジタル断面データ26bにそれぞれ投影した仮想穿刺対象部位27を図示している。
【0044】
図9は、医師Dが領域Cに位置すると判断された場合において、表示態様制御部9による表示態様の制御の結果、操作室用モニタ11と検査室用モニタ12に表示されるアキシャル断面データ24c、コロナル断面データ25c、サジタル断面データ26cの概略図である。なお、
図9では、
図5のボリュームデータ20bとの対応をわかりやすくするため、穿刺対象部位21の位置をアキシャル断面データ24c、コロナル断面データ25c、サジタル断面データ26cにそれぞれ投影した仮想穿刺対象部位27を図示している。
【0045】
図10は、医師Dが領域Dに位置すると判断された場合において、表示態様制御部9による表示態様の制御の結果、操作室用モニタ11と検査室用モニタ12に表示されるアキシャル断面データ24d、コロナル断面データ25d、サジタル断面データ26dの概略図である。なお、
図10では、
図5のボリュームデータ20bとの対応をわかりやすくするため、穿刺対象部位21の位置をアキシャル断面データ24d、コロナル断面データ25d、サジタル断面データ26dにそれぞれ投影した仮想穿刺対象部位27を図示している。
【0046】
図11は、医師Dが領域Eに位置すると判断された場合において、表示態様制御部9による表示態様の制御の結果、操作室用モニタ11と検査室用モニタ12に表示されるアキシャル断面データ24e、コロナル断面データ25e、サジタル断面データ26eの概略図である。なお、
図11では、
図5のボリュームデータ20bとの対応をわかりやすくするため、穿刺対象部位21の位置をアキシャル断面データ24e、コロナル断面データ25e、サジタル断面データ26eにそれぞれ投影した仮想穿刺対象部位27を図示している。
【0047】
図12は、医師Dが領域Fに位置すると判断された場合において、表示態様制御部9による表示態様の制御の結果、操作室用モニタ11と検査室用モニタ12に表示されるアキシャル断面データ24f、コロナル断面データ25f、サジタル断面データ26fの概略図である。なお、
図12では、
図5のボリュームデータ20bとの対応をわかりやすくするため、穿刺対象部位21の位置をアキシャル断面データ24f、コロナル断面データ25f、サジタル断面データ26fにそれぞれ投影した仮想穿刺対象部位27を図示している。
【0048】
図7乃至
図12のうちいずれか一つの表示態様でアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26が操作室用モニタ11と検査室用モニタ12に表示されると、ステップS8に移行する。
【0049】
ステップS8において、システム制御部6は、所定の操作画面データを生成し、生成した操作画面データを表示態様制御部9に転送する。ここで所定の操作画面データとは、例えばステップS6において断面抽出部8によって抽出された断面を変更させ、異なる断面を表示させるための断面変更指示画面である。より具体的には、アキシャル断面データを抽出する断面をZ軸正方向又は負方向に、サジタル断面データを抽出する断面をY軸正方向又は負方向に、コロナル断面データを抽出する断面をX軸正方向又は負方向に、それぞれ変更させる操作画面である。表示態様制御部9は、システム制御部6から転送された当該断面変更指示画面を、所定の表示態様に制御し、操作室用モニタ11および検査室用モニタ12に転送する。操作室用モニタ11と検査室用モニタ12は、表示態様制御部9から転送された断面変更指示画面を表示する。医師Dが操作部7aを介して検査室用モニタ12に表示された断面変更指示画面に指示をすると、システム制御部6は、当該指示に従って、X−Y平面に平行な新たな断面、Y−Z平面に平行な新たな断面、Z−X平面に平行な新たな断面を第2ボリュームデータから抽出するように、断面抽出部8に対して指示する。断面抽出部8は、システム制御部6からの指示に従って、記憶部5から転送された第2ボリュームデータから断面を抽出し、アキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26をそれぞれ生成する。断面抽出部8は、生成したアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26を表示態様制御部9に送信する。なお、ここでのアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26は、例えば
図5のように被検体Pに指し入れられた穿刺針23の先端を通る断面を抽出したものである。表示態様制御部9は、ステップS7における制御態様と同様にアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26の表示態様を制御し、操作室用モニタ11および検査室用モニタ12に転送する。操作室用モニタ11と検査室用モニタ12は、表示態様制御部9から転送されたアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26を表示する。アキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26が表示されると、ステップS9に移行する。
【0050】
ステップS9において、医師Dは、アキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26上にそれぞれ表示された穿刺針23の先端位置を参照し、例えば穿刺針23の位置が穿刺対象部位21に到達しているか否かを判断する。医師Dによって、穿刺針23の位置が穿刺対象部位21に到達していると判断されると、ステップS4に移行する。なお、n回目(nは2以上の自然数)のステップS4における穿刺計画は、例えば穿刺針23の位置の確認や穿刺針23を刺し入れる方向の補正である。医師Dは、穿刺計画に基づいて更に穿刺針23を被検体Pに刺し入れると、刺し入れた後の穿刺針23の位置や方向の確認のためのn+1回目の撮像を行い、第n+1ボリュームデータを生成するように、操作部7aを介してシステム制御部6に指示することになる。
【0051】
一方、ステップS9において、医師Dによって穿刺針23の位置が穿刺対象部位21に到達していると判断されると、ステップS10に移行する。
【0052】
ステップS10において、穿刺を終了する。
【0053】
以上説明したように、本実施形態における医用診断装置は、医師Dの位置情報に基づいて、操作室用モニタ11と検査室用モニタ12に表示されるアキシャル断面データ24a、コロナル断面データ25a、サジタル断面データ26aの表示態様を変化させる。これによって医師Dは、自身から見える被検体Pの向きに対応したアキシャル断面データ24a、コロナル断面データ25a、サジタル断面データ26aを参照できるようになるため、穿刺針23の位置や方向の確認が行いやすくなる。また、医師Dのサポートのために操作室で作業をしている医療従事者は、医師Dから見える被検体Pの向きに対応したアキシャル断面データ24a、コロナル断面データ25a、サジタル断面データ26aを共有できるため、操作室からのサポートを行いやすくなる。
【0054】
本実施形態では、操作部7aを検査室内の医師Dが使用することで種々の操作を行う場合について説明したが、コンソール3に設けられた操作部7bを医師Dのサポートのために操作室で作業をしている医療従事者が使用することで、上記種々の操作を行っても良い。
【0055】
本実施形態においては、アキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26の全てを表示する場合について説明したが、アキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26のうち1つ乃至2つが表示されても良い。
【0056】
本実施形態では、ボリュームデータからアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26を抽出する場合について説明したが、例えばシステム制御部6が記憶部5に記憶された断層画像データ、即ちアキシャル断面データ24を直接表示態様制御部9に転送し、表示態様制御部9が当該アキシャル断面データ24の表示態様を医師Dの位置情報に基づいて制御しても良い。
【0057】
本実施形態では、アキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26の3種類の画像データ操作室用モニタ11と検査室用モニタ12に表示させる場合について説明したが、例えばボリュームデータや穿刺針23の進行方向を通るオブリーク断面の画像データといったアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26以外の画像データが表示されても良い。
【0058】
本実施形態では、医用診断装置がX線CT装置1である場合について説明したが、他の医用診断装置においても適用が可能である。例えば、X線透視撮影装置を用いたカテーテル手技を実施する場合、医師の位置に応じて表示態様を変化させる。これによって医師は、自身から見える被検体の向きに対応したX線透視画像を参照できるようになるため、手技が実施しやすくなる。
【0059】
本実施形態では、検査室内に一つのモニタが設けられており医師Dが一人で断面データを参照する場合について説明したが、複数のモニタが検査室内に設けられており、複数の医療従事者がそれぞれで断面データを参照しても良い。例えば、
図6における領域Bと領域Eにそれぞれ1人ずつ医療従事者が位置しており、それぞれ別のモニタでアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26を参照する場合、領域Bに位置する医療従事者に対応するモニタには
図8に示すような断面データ、猟奇Eに位置する医療従事者に対応するモニタには
図11に示すような断面データがそれぞれ表示される。
【0060】
本実施形態では、医師Dの位置情報を位置センサ14で検知し、当該位置情報が属する領域で操作室用モニタ11と検査室用モニタ12の表示態様を変化させる場合について説明したが、例えば
図6のような表示画面が検査室用モニタ12に表示され、医師Dが操作部7a介して領域A、B、C、D、E、Fのいずれかを選択することで、自身の位置する領域を決定しても良い。これによって、例えば隣り合う領域との境界に医師Dが位置する場合において、表示態様が医師Dの意図に反して変化してしまうことを回避することができる。
【0061】
本実施形態では、簡略化のため被検体Pが常に仰向けの状態である場合について説明したが、本実施形態の適用は被検体Pの向きが仰向けである場合に限定されない。例えば被検体がうつ伏せの状態であっても、本実施形態と同様に、医師から見える被検体の向きに対応したアキシャル断面データ24、コロナル断面データ25、サジタル断面データ26を表示させることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。