(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、キャップ部材が開く方向に倒れることを考慮したものではない。
また、特許文献1にキャップ部材やポケット部材が振動することによってキャップ部材が倒れてしまう虞がある。
仮にキャップ部材を立った状態を堅固に保持することができたものとしても、ネジの締結後にキャップ部材を容易に倒して閉じることが望まれる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、キャップ部材が立った状態を堅固に保持して、キャップ部材が表面側へ倒れることを抑制し、更に簡単な作業でキャップ部材を閉じることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するための請求項1に係る発明は、箱形に設けられ、上面が開口した内装部材と、前記内装部材の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部と、前記収容凹部の底面を貫通し、取付具が挿入される通孔と、前記収容凹部の底面を貫通した保持孔と、前記保持孔の上において立てた状態に保持され、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部に嵌め込まれるキャップ部材と、立てた状態の前記キャップ部材の下端部に設けられ、前記キャップ部材を立てた状態に保持するとともに、前記キャップ部材が
閉じる方向及び開く方向の双方に倒伏することを規制する規制部と、を備える、組み付け構造である。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記規制部が、立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出した支持片と、前記支持片の裏面に凸状に設けられた圧接片と、を有し、前記支持片及び前記圧接片が前記保持孔に差し込まれ、前記支持片の表面及び前記圧接片が前記保持孔の相対する縁にそれぞれ押し付けられている、請求項1に記載の組み付け構造である。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記規制部が、前記支持片の側面に凸状に設けられた第一引掛部と、前記第一引掛部から前記支持片の先端側へ離れた位置の前記支持片の側面に凸状に設けられた第二引掛部と、を更に有し、前記第一引掛部が前記保持孔の縁において前記収容凹部の底面に引っ掛かり、前記第二引掛部が前記保持孔の縁において前記収容凹部の底面の裏面に引っ掛かる、請求項2に記載の組み付け構造である。
【0010】
請求項4に係る発明は、前前記規制部が、立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出した支持片と、前記支持片の側面に凸状に設けられた第一引掛部と、前記第一引掛部から前記支持片の先端側へ離れた位置の前記支持片の側面に凸状に設けられた第二引掛部と、を更に有し、前記支持片が前記保持孔に差し込まれ、前記第一引掛部が前記保持孔の縁において前記収容凹部の底面に引っ掛かり、前記第二引掛部が前記保持孔の縁において前記収容凹部の底面の裏面に引っ掛かる、請求項1に記載の組み付け構造である。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記規制部が、前記支持片の先端から前記キャップ部材側へ切り欠くように前記支持片に形成されたノッチを更に有する、請求項3又は4に記載の組み付け構造である。
【0012】
請求項6に係る発明は、前記規制部が、前記支持片の先端から前記キャップ部材側へ切り欠くように前記支持片に形成されたノッチを更に有し、前記ノッチはその底が前記圧接片よりも前記支持片の先端側になるように切り欠いている、請求項3に記載の組み付け構造である。
【0013】
請求項7に係る発明は、前記ノッチはその底が前記第一引掛部よりも前記キャップ部材側になるように切り欠いている、請求項5又は6に記載の組み付け構造である。
【0014】
請求項8に係る発明は、前記第一引掛部及び前記第二引掛部が前記支持片の両側の側面にそれぞれ設けられ、前記支持片の一方の側面に設けられた前記第一引掛部と前記第二引掛部との間隔が、前記支持片の他方の側面に設けられた前記第一引掛部と前記第二引掛部との間隔よりも短い、請求項3から7の何れか一項に記載の組み付け構造である。
【0015】
請求項9に係る発明は、前記支持片のうち前記ノッチの両側の部位と、前記ノッチの底から前記キャップ部材の下端までの部位は厚さが等しい、請求項5から7の何れか一項に記載の組み付け構造である。
【0016】
請求項10に係る発明は、
箱形に設けられ、上面が開口した内装部材と、前記内装部材の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部と、前記収容凹部の底面を貫通し、取付具が挿入される通孔と、前記収容凹部の底面を貫通した保持孔と、前記保持孔の上において立てた状態に保持され、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部に嵌め込まれるキャップ部材と、立てた状態の前記キャップ部材の下端部に設けられ、前記キャップ部材を立てた状態に保持するとともに、前記キャップ部材が表面側へ倒伏することを規制する規制部と、を備え、前記規制部が、立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出した支持片と、前記支持片の裏面に凸状に設けられた圧接片と、を有する組み付け構造の製造方法であって、前記支持片と、
前記圧接片とを前記保持孔に圧入して、前記支持片の表面及び前記圧接片を前記保持孔の相対する縁にそれぞれ押し付け
る、組み付け構造の製造方法である。
【0017】
請求項11に係る発明は、
箱形に設けられ、上面が開口した内装部材と、前記内装部材の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部と、前記収容凹部の底面を貫通し、取付具が挿入される通孔と、前記収容凹部の底面を貫通した保持孔と、前記保持孔の上において立てた状態に保持され、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部に嵌め込まれるキャップ部材と、立てた状態の前記キャップ部材の下端部に設けられ、前記キャップ部材を立てた状態に保持するとともに、前記キャップ部材が表面側へ倒伏することを規制する規制部と、を備え、前記規制部が、立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出した支持片と、前記支持片の側面に凸状に設けられた第一引掛部と、前記第一引掛部から前記支持片の先端側へ離れた位置の前記支持片の側面に凸状に設けられた第二引掛部と、を有する組み付け構造の製造方法であって、前記支持片を前記保持孔に差し込むことによって、前記支持片の側面に凸状に設けられた第一引掛部を前記保持孔の縁において前記収容凹部の底面に引っ掛け、前記第一引掛部から前記支持片の先端側へ離れた位置の前記支持片の側面に凸状に設けられた第二引掛部に前記保持孔の縁を乗り越えさせて、前記第一引掛部と前記第二引掛部との間に前記保持孔の縁を挟
み込
む、組み付け構造の製造方法である。
【0018】
請求項12に係る発明は、取付穴が形成された内装品本体と、上面が開口した箱形に設けられ、その開口が前記取付穴に重なるように前記内装品本体に取り付けられた内装部材と、前記内装部材の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部と、前記収容凹部の底面を貫通し、取付具が挿入される通孔と、前記収容凹部の底面を貫通した保持孔と、前記保持孔の上において立てた状態に設けられ、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部に嵌め込まれるキャップ部材と、立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出した支持片と、前記支持片の裏面に凸状に設けられた圧接片と、を備え、前記支持片及び前記圧接片が前記保持孔に差し込まれ、前記支持片の表面及び前記圧接片が前記保持孔の相対する縁にそれぞれ押し付けられている、車両用内装品である。
【0019】
請求項13に係る発明は、請求項12に記載の車両用内装品を自動車の車室内に取り付ける方法において、前記内装品本体を車室の内面に組み付ける工程と、その後、前記通孔に取付具を通して前記取付具を前記車室内に固定して、前記内装部材を前記車室内に取り付ける工程と、その後、前記支持片及び前記圧接片を前記保持孔に押し込むことによって前記圧接片を前記保持孔から前記収容凹部の底面の裏側へ外す工程と、その後、前記キャップ部材を裏面側に倒伏して前記キャップ部材を前記収容凹部に嵌め込む工程と、を備える、車両用内装品の取り付け方法である。
【0020】
請求項14に係る発明は、取付穴が形成された内装品本体と、上面が開口した箱形に設けられ、その開口が前記取付穴に重なるように前記内装品本体に取り付けられた内装部材と、前記内装部材の内面に凹んだ状態に設けられた収容凹部と、前記収容凹部の底面を貫通し、取付具が挿入される通孔と、前記収容凹部の底面を貫通した保持孔と、前記保持孔の上において立てた状態に設けられ、その裏面側へ倒伏することで前記収容凹部に嵌め込まれるキャップ部材と、立てた状態の前記キャップ部材の下端から延出した支持片と、前記支持片の側面に凸状に設けられた第一引掛部と、前記第一引掛部から前記支持片の先端側へ離れた位置の前記支持片の側面に凸状に設けられた第二引掛部と、を備え、前記支持片が前記保持孔に差し込まれ、前記第一引掛部が前記保持孔の縁において前記収容凹部の底面に引っ掛かり、前記第二引掛部が前記保持孔の縁において前記収容凹部の底面の裏面に引っ掛かる、車両用内装品である。
【0021】
請求項15に係る発明は、請求項14に記載の車両用内装品を自動車の車室内に取り付ける方法において、前記内装品本体を車室の内面に組み付ける工程と、その後、前記通孔に取付具を通して前記取付具を前記車室内に固定して、前記内装部材を前記車室内に取り付ける工程と、その後、前記支持片を前記保持孔に押し込むことによって前記第一引掛部に前記保持孔の縁を乗り越えさせる工程と、その後、前記キャップ部材を裏面側に倒伏して前記キャップ部材を前記収容凹部に嵌め込む工程と、を備える、車両用内装品の取り付け方法である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に係る発明によれば、キャップ部材が立った状態に保持され、キャップ部材が
閉じる方向及び開く方向の双方に倒れることも抑制することができる。また、キャップ部材が振動又は衝撃等によって倒れることを抑制することができる。
【0023】
請求項2,10,12に係る発明によれば、支持片及び圧接片が保持孔の縁に押し付けられることによって、キャップ部材が立った状態に保持されるとともに、振動又は衝撃等によって支持片及び圧接片が保持孔に対してがたつきにくい。そのため、キャップ部材がその裏面側或いはその表面側に倒れて閉じることを抑制することができる。
請求項2,10,12に係る発明によれば、支持片及び圧接片を保持孔に押し込めば、圧接片が保持孔から収容凹部の底面の裏側へ抜け、キャップ部材と支持片の付け根部分を中心にしてキャップ部材を裏面側へ倒して、キャップ部材を収容凹部に嵌め込むことができる。よって、キャップ部材を閉じる作業が容易である。
請求項12に係る発明によれば、規制部を保持孔に差し込むだけで、キャップ部材を立てた状態に簡単に保持することができる。
【0024】
請求項3,4、11,14に係る発明によれば、保持孔の縁が第一引掛部及び第二引掛部によって挟まれ、これによりキャップ部材がその裏面側及び表面側へ倒れる際のキャップ部材の回転力が第一引掛部及び第二引掛部から内装部材に受けられる。よって、キャップ部材がその表面側及び裏面側へ倒れることを抑制することができる。
請求項3,4、11,14に係る発明によれば、支持片を保持孔に押し込めば、第一引掛部が保持孔の縁を収容凹部の底面からその裏側へ乗り越えるので、これによりキャップ部材を裏面側へ倒して閉じることができる。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、支持片にノッチが形成されているので、ノッチの両側の部位がノッチを閉じる方向に撓みやすい。そのため、支持片を保持孔に差し込む際には、第二引掛部が保持孔の縁を収容凹部の底面からその裏側へ乗り越えやすく、キャップ部材を内装部材に組み付けやすい。また、キャップ部材を内装部材に組み付けた状態から支持片を保持孔に押し込む際には、第一引掛部が保持孔の縁を収容凹部の底面からその裏側へ乗り越えやすく、キャップ部材を閉じる作業が容易になる。
【0026】
請求項6に係る発明によれば、ノッチの両側の部位を圧接片によって補強することができる。
【0027】
請求項7に係る発明によれば、ノッチの両側の部位がより撓みやすいので、請求項5に係る発明の効果がより効果的になる。
【0028】
請求項8に係る発明によれば、保持孔の縁を第一引掛部と第二引掛部の間に係合させやすい。
【0029】
請求項9に係る発明によれば、支持片のうちノッチの底からキャップ部材の下端までの部位の剛性を確保することができる。
【0030】
請求項13に係る発明によれば、支持片及び圧接片を保持孔に押し込むだけで、キャップ部材を簡単に閉じることができる。
【0031】
請求項15に係る発明によれば、支持片を保持孔に押し込むだけで、キャップ部材を簡単に閉じることができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が以下の実施形態に付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0034】
図1は、車両用内装品1の分解斜視図である。本実施形態では、この車両用内装品1がドアトリムであるものとして、車両用内装品1の説明を行う。但し、本発明に係る車両用内装品はドアトリム以外の内装品にも適用することができる。
【0035】
車両用内装品1は内装品本体10、内装部材20、キャップ部材40及び規制部41等を備える。
【0036】
内装品本体10は、ボルト、ネジ、金属製リベット、樹脂製リベット、鋲、係止爪その他の留め具によって自動車のドア本体の車室内側の面に取り付けられる。内装品本体10は樹脂成形品であって、射出成形法、モールドプレス法、複数色成形法、モールド成形法その他の成形法によって成形されたものである。内装品本体10は、別々に成形された樹脂成形品を組み立てることによって作られた複合品であってもよい。
【0037】
内装品本体10の上部には、ドアノブが収まる穴11が形成されている。
内装品本体10の上端と下端の間の中間部には膨出部15形成されており、この膨出部15が車室の内側へ膨出し、膨出部15の裏側(車室の外側)に空洞が形成されている。この膨出部15は、穴11の下において前後に延在する。膨出部15の上面には、膨出部15の上面には、取付穴17が形成されている。その取付穴17は膨出部15の裏側の空洞に通じている。
【0038】
この取付穴17には、内装部材20とキャップ部材40を仮組した組み付け構造が設けられている。この組み付け構造は内装部材20及びキャップ部材40等を備えるものであり、組み付け構造の構成について以下に詳細に説明する。
【0039】
内装部材20は、自動車のドアを閉める際に利用される。つまり、人差し指、中指、薬指及び小指を取付穴17から内装部材20の中空21に入れて、内装部材20及び膨出部15を掴んで、車両用内装品1ごとドア本体を引くことで、ドアを閉じることができる。つまり、内装部材20は把手部である。
【0040】
図2は内装部材20の平面図である。
図1及び
図2に示すように、内装部材20は上面が開口したポケット部材である。つまり、内装部材20が箱形に形成されているとともに中空21を有し、内装部材20の上面が開口して、中空21の上側が開放されている。この内装部材20が車室外のほうから膨出部15の裏側の空洞に収められて、内装部材20の上面開口が取付穴17に重なり、内装部材20の中空21が取付穴17を通じて車室内に開放されている。内装部材20は、ボルト、ネジ、金属製リベット、樹脂製リベット、鋲、係止爪その他の留め具によって内装品本体10に固定されている。
【0041】
内装部材20の内側の底面22の中央部には、矩形状の第一収容凹部23が凹んだ状態に形成されている。第一収容凹部23の底面23eの中央部には、円形状の第二収容凹部24が凹んだ状態に形成されている。第二収容凹部24の底面の中央部には円形状の通孔25が形成され、その通孔25が内装部材20の下面22a(
図1及び
図3等参照)まで貫通する。この通孔25と第二収容凹部24が同心状に配置されている。
【0042】
第一収容凹部23の底面23eには保持孔26と2つの係合孔27が形成されており、これら保持孔26及び係合孔27は内装部材20の下面22aまで貫通する。
【0043】
保持孔26は、第一収容凹部23を囲う4つの立壁23a〜23dのうち立壁23a寄りに形成されている。保持孔26は平面視で矩形状に形成されており、その一辺の縁26bが立壁23aに沿っている。そして、保持孔26は、第一収容凹部23の底面23eと立壁23aとの間の角部を通じて立壁23aの外面に貫通する。また、保持孔26の4辺の縁26b〜26eのうち立壁23aと反対側の縁26cの中央部には、凸部26aが形成されている。
【0044】
係合孔27は、立壁23aに相対する立壁23b寄りに形成されている。係合孔27は、立壁23bに沿って形成されて、第一収容凹部23の底面23eと立壁23bとの間の角部を通じて立壁23bの外面及び内装部材20の下面22aに貫通する。
【0045】
矩形板状のキャップ部材40は、内装部材20の中空21に収容されている。
図3、
図4及び
図5に示すように、このキャップ部材40は、規制部41によって、内装部材20の中空21の底面22、具体的には第一収容凹部23の底面23eに対して立てられた状態で保持されている。ここで、
図3は、キャップ部材40が内装部材20に保持された状態のキャップ部材40の正面図であり、
図4は、
図2及び
図3に示すIV−IVに沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。
図5は、キャップ部材40が内装部材20に保持された状態で内装部材20の中空21の底面及びキャップ部材40を示した平面図である。
【0046】
このキャップ部材40が倒伏可能である。車両用内装品1がドア本体に取り付けられる前には、
図3及び
図4に示すようにキャップ部材40が立った状態に保たれ、車両用内装品1がドア本体に取り付けられた後には、
図5に示すようにキャップ部材40が倒伏されて、キャップ部材40が第一収容凹部23の底面23eに伏した状態で第一収容凹部23に嵌め込まれる。なお、
図5は、キャップ部材40が倒伏した状態の場合の
図4に相当する断面図である。
【0047】
図3及び
図4に示すように、立った状態のキャップ部材40の下端40cには、保持孔26に圧入された規制部(圧入部)41が設けられている。この規制部41が保持孔26の縁を挟持するとともに保持孔26の縁に圧接し、キャップ部材40が閉じる方向A及び開く方向Bへ倒れることが規制部41によって規制される。規制部41は、支持片42、ノッチ44、圧接片46、第一引掛部50、第二引掛部55及び係合凹部59等からなる。まず、支持片42、ノッチ44及び圧接片46について詳細に説明する。
【0048】
支持片42は、キャップ部材40の下端40cの裏面40a側に設けられている。この支持片42は、立った状態のキャップ部材40の下端40cの中央部から延出しているとともに、キャップ部材40と略平行となるような板状に設けられている。支持片42の先端(下端)43の中央部には、その先端43からキャップ部材40の下端40cに向かって切り欠いたノッチ44が形成されており、そのノッチ44によって支持片42が二股に分岐する。ノッチ44はU字型であり、ノッチ44の両側の縁が略平行であり、ノッチ44の底45が凹状の円弧型に形成されている。
【0049】
支持片42の厚さは一様であり、支持片42のうち二股に分かれた部位とそれよりもキャップ部材40側の部位は厚さが等しい。そのため、支持片42のうちノッチ44の底45からキャップ部材40の下端40cまでの部位の剛性を確保することができる。
【0050】
支持片42の裏面42aには、板状(リブ状)の2つの圧接片46が凸状に形成されている。これら圧接片46はノッチ44の両側にそれぞれ配置され、これら圧接片46の間にノッチ44がある。
図4に示すように、圧接片46は側面視で台形状に形作られており、圧接片46の頂部47が台形の上底を構成し、圧接片46の上縁部48及び下縁部49が台形の脚を構成する。圧接片46の頂部47が支持片42の裏面42a及び表面42bに対して平行であり、上縁部48及び下縁部49が圧接片46の裏面に対して傾斜する。傾斜角について詳細に説明すると、上縁部48と頂部47の成す内角が90°を超えて180°未満であり、下縁部49と頂部47の成す内角が90°を超えて180°未満であり、上縁部48と支持片42の裏面42aが成す外角は180°を超えて270°未満であり、下縁部49と支持片42の裏面42aが成す外角は180°を超えて270°未満である。
【0051】
圧接片46の上端(上縁部48と支持片42の裏面42aの成す角部)の上下方向の位置と、ノッチ44の底45の上下方向の位置との関係は、以下の(1)〜(3)の何れかである。
(1)
図3に示すように、圧接片46の上端の上下方向の位置がノッチ44の底45の上下方向の位置に揃っている。
(2)
図3に示す場合よりもノッチ44が浅いか、或いは圧接片46の上下方向の長さが長く、圧接片46の上端がノッチ44の底45よりも上に位置している。そうすれば、支持片42の強度がノッチ44によって低下しても、その低下分を圧接片46によって補強することができる。
(3)
図3に示す場合よりもノッチ44が深いか、或いは圧接片46の上下の長さが短く、圧接片46の上端がノッチ44の底45よりも下に位置している。そうすれば、支持片42のうち二股に分かれた部位の間隔を広げたり、狭めたりするように弾性変形させやすい。
【0052】
図4に示すように、キャップ部材40が立てられ、支持片42がキャップ部材40から下へ垂下している。そして、
図4及び
図5に示すように、キャップ部材40及び支持片42の表面40b,42bが立壁23a側に向けられ、キャップ部材40及び支持片42の裏面40a,42aが立壁23b側に向けられている。そして、2つの圧接片46の間に凸部26aを置いた状態で圧接片46及び支持片42が保持孔26に差し込まれ、圧接片46及び支持片42が保持孔26の縁に圧接されている。つまり、支持片42の表面42bが保持孔26の4辺の縁26b〜26eのうち立壁23a側の縁26bに押し付けられ、圧接片46の頂部47がその反対側の縁26cに押し付けられ、保持孔26が圧接片46及び支持片42によって弾性的に押し広げられ、圧接片46及び支持片42が保持孔26の縁26b,26cによって弾性的に圧縮されている。これによりキャップ部材40及び支持片42が支えられ、キャップ部材40及び支持片42が立った状態に保たれる。よって、キャップ部材40が閉じる方向A及び開く方向Bに倒れることを抑制することができる。
【0053】
図4に示すように、圧接片46の頂部47が支持片42の表面42bに対して平行であるため、圧接片46の頂部47が保持孔26の縁26cに押し付けられる力の向きはその境界面に対してほぼ垂直となり、支持片42の表面42bが保持孔26の縁26bに押し付けられる力の向きがその境界面に対して垂直となる。そのため、圧接片46及び支持片42が保持孔26の縁26b,26cに対して滑りにくく、圧接片46及び支持片42が振動等の外部荷重によって保持孔26から抜けてしまうことを抑制することができる。
なお、支持片42及び圧接片46によってキャップ部材40が立てられている状態では、支持片42が第一収容凹部23から上方に突き出ており、キャップ部材40が第一収容凹部23の立壁23a及び保持孔26の上に配置される。
【0054】
続いて、第一引掛部50、第二引掛部55及び係合凹部59について詳細に説明する。
図3に示すように、第一引掛部50、第二引掛部55及び係合凹部59は支持片42の両側面に形成されている。第一引掛部50及び第二引掛部55は支持片42の側面から側方へ突出した突起であり、支持片42の側面を基準とした第二引掛部55の突出高さが第一引掛部50の突出高さよりも高い。これら引掛部50,55が支持片42の側面に沿って間隔を置いて上下に並べられ、第二引掛部55が第一引掛部50よりも支持片42の側面の先端43寄りに配置されている。これら引掛部50,55の間に係合凹部59が窪んだ状態に設けられている。
図3に示す例では支持片42の一方の側面に設けられた引掛部50,55の間隔が他方の側面に設けられた引掛部50,55の間隔に等しいが、一方の引掛部50,55の間隔が他方の引掛部50,55の間隔と相違してもよい。
【0055】
第二引掛部55の上縁56が支持片42の側面に対して垂直に切り立っている。第二引掛部55の下縁57の法線が下斜め側方に延びており、その下縁57が支持片42の側面に対して傾斜する。そして、第二引掛部55の上縁56と下側の下縁57の成す内角は鋭角である。
【0056】
第一引掛部50は正面から見て三角形の山型に形成されている。第一引掛部50の上縁51の法線が上斜め側方に延びており、その上縁51が支持片42の側面に対して傾斜する。第一引掛部50の下縁52の法線が下斜め側方に延びており、その下縁52が支持片42の側面に対して傾斜する。
【0057】
係合凹部59の上下方向の位置は圧接片46の上下方向の位置に揃っている。詳細には、係合凹部59の上下方向の位置が圧接片46の頂部47の上下方向の位置に揃っている。また、ノッチ44の底45は係合凹部59よりも上に位置しているとともに、第一引掛部50よりも上に位置している。また、第一引掛部50の上縁部48と支持片42の側面との間の角部の上下方向の位置が圧接片46の上縁部48に上下方向の位置にラップする。
【0058】
支持片42が第一収容凹部23の底面23eからその裏面23fまで保持孔26を貫通し、第一引掛部50が第一収容凹部23の底面23eに引っ掛かり、第二引掛部55が裏面23fに引っ掛かり、保持孔26の両側の縁26d,26eが一方の引掛部50,55及び他方の引掛部50,55によってそれぞれ把持され、縁26d,26eが両側の係合凹部59,59にそれぞれ係合する。係合凹部59の上下方向の位置は圧接片46の上下方向の位置に揃っているので、保持孔26の縁26d,26eが係合凹部59,59に入り込んだ状態では、圧接片46の頂部47が保持孔26の縁26cに位置決めされる。
【0059】
支持片42及び圧接片46が保持孔26から上へ抜けてしまうことが第二引掛部55によって抑制される。支持片42及び圧接片46が保持孔26から下へ抜けてしまうことが第一引掛部50によって抑制される。保持孔26の縁26dが引掛部50,55の間に挟まれ、反対側の縁26eが反対側の引掛部50,55の間に挟まれることによって、キャップ部材40が閉じる方向A及び開く方向Bに倒れることを抑制することができる。
【0060】
キャップ部材40の裏面40aであって上側の縁40dには、2つのフック60がこれらの間に間隔をおいて設けられている。フック60はキャップ部材40の上側の縁40dから僅かに突出する。
図6に示すように、キャップ部材40が倒伏した状態ではフック60が係合孔27に差し込まれ、このフック60が立壁23bの下の係合孔27の縁に引っ掛かる。
【0061】
キャップ部材40が倒伏した状態では、圧接片46が保持孔26から第一収容凹部23の裏側に抜けており、支持片42が保持孔26を立壁23aの裏側へ貫通し、その支持片42が振り上げられた状態となって内装部材20の下面22aに対向する。支持片42の表面42bが立壁23aの下の保持孔26の縁26bに引っ掛かり、反対側ではフック60が引っ掛かっているので、キャップ部材40が第一収容凹部23内に止められている。キャップ部材40によって第二収容凹部24の上が閉塞されている。
【0062】
図6に示すように、車両用内装品1がドア本体に組み付けられた状態では、ドア本体に設けられたブラケット99が膨出部15の裏側において第二収容凹部24の下に配置される。取付ネジ(締結具)98が通孔25に通され、その取付ネジ98がブラケット99の雌ネジに噛み合ってブラケット99に締め付けられている。更に取付ネジ98がブラケット99を貫通して、その取付ネジ98が膨出部15の下壁に締め付けられている。取付ネジ98の頭部が第二収容凹部24に収容され、その取付ネジ98の頭部が第二収容凹部24の底に締め付けられている。以上により、内装部材20及び内装品本体10がドア本体に固定される。
【0063】
続いて、車両用内装品1及び組み付け構造の製造方法について説明する。
内装品本体10を成形するとともに、内装部材20も成形する。
また、キャップ部材40を成形するとともに、キャップ部材40の成形に際して支持片42、ノッチ44、第二引掛部55、第一引掛部50及び係合凹部59をキャップ部材40と一体成形する。
【0064】
次に、内装部材20を内装品本体10の裏側から膨出部15の裏側の空洞に収容し、内装部材20の上面開口を取付穴17に重ねる。そして、内装部材20を留め具によって内装品本体10に固定する。
【0065】
次に、
図3、
図4及び
図5に示すように、キャップ部材40及び支持片42の表面40b,42bを第一収容凹部23の立壁23a側に向けるようにしてキャップ部材40を立て、支持片42の先端43を先にしてキャップ部材40及び支持片42を内装部材20の中空21に入れて、支持片42及び圧接片46を保持孔26に差し込む。支持片42及び圧接片46を保持孔26に差し込む際には、支持片42の表面42bを保持孔26の縁26bに接触させ、圧接片46を反対側の縁26cに接触させ、圧接片46及び支持片42によって保持孔26を押し広げるようにして圧接片46及び支持片42を保持孔26に押し込む。圧接片46の下縁部49が傾斜しているので、圧接片46及び支持片42を保持孔26に押し込みやすい。
【0066】
支持片42及び圧接片46を保持孔26に差し込む際には、支持片42のうち二股に分かれた部位の間隔を狭めるようにこの二股部を挟み込み、左右の第二引掛部55,55に第一収容凹部23の底面23eからその裏面23fへ保持孔26の縁26e,26dを乗り越えさせる。第二引掛部55,55の下縁57,57が傾斜しているので、第二引掛部55,55が保持孔26の縁26d,26eを乗り越えやすい。
【0067】
左右の第二引掛部55,55が保持孔26の縁26e,26dを乗り越えると、左右の第一引掛部50,50が第一収容凹部23の底面23eに当たって、保持孔26の縁26d,26eが係合凹部59,59に嵌まる。それによりクリック感が得られる。そのクリック感を得たら、支持片42及び圧接片46の圧入を止める。その状態では、圧接片46の頂部47が保持孔26の縁26cに押し当てられ、支持片42の表面42bが保持孔26の縁26bに押し当てられる。
【0068】
以上の説明では、キャップ部材40と内装部材20の組み付け工程が内装部材20と内装品本体10の組み付け工程の後であった。それに対して、キャップ部材40と内装部材20の工程が内装部材20と内装品本体10の組み付け工程の前であってもよいし、これらの工程が同時であってもよい。
【0069】
以上のようにキャップ部材40を内装部材20に取り付けると、キャップ部材40が内装部材20の底面22において立った状態に保たれる。
【0070】
その後、車両用内装品1を組み立て工場に搬送して、車両用内装品1を車室の内側(ドア本体の内側)に組み付ける。その組付け方法について以下に詳細に説明する。
まず、内装品本体10をドア本体に組み付ける。つまり、内装品本体10の裏側面をドア本体の車室内側の面に向けて、内装品本体10をドア本体に貼り合わせ、内装品本体10を留め具によってドア本体に固定する。この際、ドア本体に設けられたブラケット99を膨出部15の裏側の空洞に挿入して、そのブラケット99を第二収容凹部24の下に位置合わせする。
【0071】
次に、取付ネジ98を通孔25に通して、その取付ネジ98をブラケット99及び膨出部15の下壁に共締めする。これにより、内装部材20をドア本体に取り付ける。
次に、圧接片46及び支持片42を上から下へ保持孔26に押し込み、左右の第一引掛部50,50に第一収容凹部23の底面23eからその裏面23fへ保持孔26の縁26e,26dを乗り越えさせる。第一引掛部50,50の下縁52,52が傾斜しているので、第一引掛部50,50が保持孔26の縁26d,26eを乗り越えやすい。
【0072】
第一引掛部50,50が保持孔26の下へ抜けると、圧接片46も保持孔26の下へ抜ける。ここで、第一引掛部50と支持片42の側面との間の角部の上下方向の位置が圧接片46の上縁部48に上下方向の位置にラップするため、第一引掛部50,50が保持孔26の縁26d,26eを下へ乗り越えた時には、圧接片46の上縁部48が保持孔26の縁26cに押し付けられる。圧接片46の上縁部48が傾斜しているため、圧接片46の上縁部48と保持孔26の縁26cとの押付力が下向きの分力に分解され、圧接片46が保持孔26から下へ抜けやすい。
【0073】
次に、支持片42のうち保持孔26内の部分を支点にして、キャップ部材40を倒してキャップ部材40を第一収容凹部23に収容する。この際、キャップ部材40を下に押し込むことによって、フック60を係合孔27に押し込んで、フック60を立壁23bの下の係合孔27の縁に引っ掛けて、キャップ部材40を第一収容凹部23に嵌め込む。この際に、クリック感が得られる。
【0074】
圧接片46が支持片42の裏面42aに凸設されているから、キャップ部材40が裏面側に倒れても、圧接片46が内装部材20の下面22aに当たらない(
図5参照)。
【0075】
以上の実施の形態によれば、下記のような作用効果を奏する。
【0076】
(1) キャップ部材40が立った状態では、支持片42及び圧接片46が保持孔26の縁26b,26cにそれぞれ圧接される。そのため、支持片42及び圧接片46が保持孔26に対してがたつきづらい。よって、支持片42及び圧接片46が保持孔26にしっかり保持され、キャップ部材40が閉じる方向A及び開く方向Bへ倒れることを抑制することができる。特に、振動又は衝撃が生じても、キャップ部材40が簡単には倒れない。
【0077】
(2) キャップ部材40が立った状態の場合に支持片42及び圧接片46を保持孔26に押し込めば、圧接片46が保持孔26から下に外れる。そのため、簡単にキャップ部材40を方向Aへ倒して閉じることができる。
【0078】
(3) 保持孔26の縁26d,26eが第一引掛部50と第二引掛部55の間に挟まれるので、これによりキャップ部材40の方向A及び方向Bへのキャップ部材40の回転力が第一引掛部50と第二引掛部55から内装部材20に受けられ、キャップ部材40の倒れを抑制することができる。更に、支持片42の左右の側面に第一引掛部50及び第二引掛部55が設けられているので、キャップ部材40の横方向への傾きも抑制することができる。よって、支持片42及び圧接片46が保持孔26にしっかり保持され、キャップ部材40が立った状態にしっかり保持される。
【0079】
(4) 両側の第二引掛部55,55の上縁56,56が支持片42の側面に対して垂直に切り立っているので、キャップ部材40が仮組み状態の場合には、上縁56,56が第一収容凹部23の底面23eの裏面23fに面接触する。そのため、キャップ部材40の仮組み状態が安定し、キャップ部材40のがたつきを抑制することができ、キャップ部材40の横方向への傾きも抑制することができる。
【0080】
(5) キャップ部材40を内装部材20に仮組みする際に、第一引掛部50がストッパとして機能し、支持片42及び圧接片46を保持孔26に差し込みすぎることを抑制することができる。
【0081】
(6) 支持片42にノッチ44が形成されているので、キャップ部材40を内装部材20に仮組みしやすく、更にキャップ部材40を仮組状態から閉じやすい。
【0082】
(7) 圧接片46の下縁部49及び第二引掛部55の下縁57が傾斜しているので、キャップ部材40を内装部材20に仮組みしやすい。また、第一引掛部50の下縁52が傾斜しているので、キャップ部材40を仮組状態から閉じやすい。
【0083】
(8) 第一引掛部50と支持片42の側面との間の角部の上下方向の位置が圧接片46の上縁部48に上下方向の位置にラップし、その上縁部48が傾斜するので、第一引掛部50を保持孔26の下に乗り越えさせるだけで、圧接片46が保持孔26を下へ抜ける。
【0084】
(9) 内装部材20が取付ネジ98によってドア本体に固定されるので、乗員が内装部材20を掴んでドアを閉じても、内装部材20がドア本体に対してがたつかない。
【0085】
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下の変形例の組み合わせが可能であれば、それらを組み合わせて適用してもよい。
【0086】
〔変形例1〕
上記実施形態では、キャップ部材40を内装部材20に仮組みする際には、保持孔26の両側の縁26d,26eを同時に両側の係合凹部59,59に係合させた。
それに対して、
図6に示すように、キャップ部材40を横に傾けた状態で、縁26d,26eのうち一方(キャップ部材40が傾いた側にある方)を一方の係合凹部59に係合した後、キャップ部材40を逆に傾けて他方を他方の係合凹部59に係合する。こうすれば、キャップ部材40を内装部材20に簡単に仮組みすることができる。
【0087】
特に、一方の引掛部50,55の間隔が他方の引掛部50,55の間隔よりも広い場合には、以下のように行うことが好ましい。つまり、
図6に示すように、係合凹部59,59のうち幅の狭い係合凹部59が設けられた側へキャップ部材40及び支持片42を傾けて、支持片42の先端43を保持孔26に差し込む。こうして、幅の狭い係合凹部59の下にある第二引掛部55を保持孔26の縁26eを乗り越えさせて、その係合凹部59にその縁26eを係合させる。次に、キャップ部材40及び支持片42を反対に傾けて、幅の広い係合凹部59の下にある第二引掛部55に保持孔26の縁26dを乗り越えさせて、その係合凹部59にその縁26dを簡単に係合させることができる。
【0088】
〔変形例2〕
上記実施形態では、引掛部50,55が支持片42の左右両側面に設けられていたが、引掛部50,55が支持片42の片側の側面にだけ設けられていてもよい。但し、引掛部50,55が支持片42の左右両側面に設けられている方が、キャップ部材40の安定性が向上する。
【0089】
〔変形例3〕
支持片42の側面に引掛部50,55が設けられていなくてもよい。但し、支持片42の側面に引掛部50,55が設けられている方が、支持片42及び圧接片46が保持孔26から抜けにくい。
【0090】
〔変形例4〕
支持片42に圧接片46が設けられていなくてもよい。但し、支持片42に圧接片46が設けられている方が、キャップ部材40の倒れを効率的に抑制することができる。
【0091】
〔変形例5〕
ノッチ44が支持片42に形成されていなくてもよい。ノッチ44が形成されていないと、キャップ部材40を裏表逆にした状態で支持片42及び圧接片46を保持孔26に差し込もうとしても、支持片42が凸部26aに当たってしまう。そのため、キャップ部材40を裏表逆にした状態で、支持片42及び圧接片46を保持孔26に差し込んでしまうことを抑制することができ、キャップ部材40を誤った向きで内装部材20に組み付けてしまうことを抑制することができる。
【0092】
〔変形例6〕
キャップ部材40の中心が保持孔26の中心から左又は右にずれて、片側の係合凹部59内における縁26dから支持片42の側面までの隙間の幅が反対側の係合部59内における縁26eから支持片42の側面までの隙間の幅と等しくなくてもよい。そうすれば、両側の第一引掛部50,50のうち隙間の幅の広い方の第一引掛部50を保持孔26の裏側へ押し込んだ後、他方の第一引掛部50を保持孔26の裏側へ押し込めば、これらの第一引掛部50,50の係合を簡単に解除することができる。