(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
股下部と、該股下部の前後から延出する腹側部及び背側部と、該腹側部の両側縁部と、該背側部の両側縁部とがそれぞれ接合されてなる一対のサイドシール部とを具備し、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有するパンツ型使い捨ておむつであって、
前記サイドシール部は、前記おむつの縦方向に沿って連続して延びる接合部を有しており、
前記腹側部及び前記背側部の双方に、前記おむつの横方向に延びる弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方において、前記弾性部材の端部のうち前記サイドシール部寄りに位置する端部が、該サイドシール部の位置まで達しておらず、該サイドシール部よりも横方向の内方寄りの位置で終端しており、それによって該サイドシール部と該弾性部材の端部との間に、弾性部材非配置領域が形成されており、
前記弾性部材非配置領域においては、前記弾性部材が配された位置から横方向へ延びる延長線上の位置に、前記おむつの縦方向に沿って間欠的に、接着剤が施されており、該接着剤によって該弾性部材の前記端部が固定されており、
前記サイドシール部の厚みが、これを構成する前記腹側部及び前記背側部それぞれの該サイドシール部に隣接する部分の厚みに比して大きくなっている、パンツ型使い捨ておむつ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態が示されている。同図に示すおむつ1は、着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有する。おむつ1は、表面シート2と、裏面シート3と、両シート間に介在する吸収体4とを有する吸収性本体5、及び吸収性本体5の裏面シート3側に配された外装体6を備えている。またおむつ1は、股下部Cと、該股下部Cの前後から、着用者の前後方向に延出する腹側部A及び背側部Bを有している。おむつ1は、
図1及び
図2に示すとおり、縦方向Xに沿って延びる縦中心線CLに対して左右対称に形成されている。
【0013】
おむつ1の外装体6は、
図2に示すとおり、吸収性本体5の外方全域にわたって延出している。外装体6は、縦方向Xに沿って延びる各側縁が、縦方向Xの中央域において横方向Yの内方に向けて括れている形状をしている。そして外装体6における腹側部Aの両側縁部6a,6aの内面と背側部Bの両側縁部6b,6bの内面どうしを合掌状に重ね合わせて接合することでサイドシール部Sが形成されている。サイドシール部Sの形成によって、
図1に示すとおり、ウエスト開口部WO及び一対のレッグ開口部LO,LOを有するおむつ1が形成される。サイドシール部Sは、おむつ1の縦方向Xに沿って延びている。そしてサイドシール部Sは、外装体6の接合によって形成された接合部(後述する
図6(c)における符号40で表される部位)を含み、該接合部はおむつ1の縦方向Xに沿って直線状に連続して延びている。
【0014】
外装体6の内面側には吸収性本体5が配置固定される。吸収性本体5は、
図2に示すとおり、縦方向Xに長い長方形状に形成されている。吸収性本体5が具備する吸収体4も、縦方向Xに長い長方形状に形成されている。吸収性本体5は、縦方向Xの一方の端部5a側の領域が、外装体6における腹側部Aに接着剤を介して固定され、縦方向Xの他方の端部5b側の領域が、外装体6における背側部Bに接着剤を介して固定されている。
【0015】
表面シート2、裏面シート3、吸収体4及び外装体6としては、従来、この種の吸収性物品に用いられてきたものと同様のものを特に制限なく用いることができる。例えば表面シート2としては、親水性を有する不織布や、親水性を有する穿孔された樹脂フィルムなどを用いることができる。裏面シート3としては、樹脂フィルムや撥水性を有する不織布の積層体などを用いることができる。吸収体4としては、フラップパルプの積繊体や、プラップパルプと高吸収性ポリマーとの混合積繊体や、パルプシートに高吸収性ポリマーが保持されてなる吸収シートなどを用いることができる。外装体6としては、例えば撥水性の不織布を用いることができる。後述するとおり、外装体6は複数枚の不織布を積層したものから構成されていてもよい。
【0016】
本明細書において、縦方向Xは、おむつ1又はその構成部材である吸収性本体5の長辺に沿う方向、すなわち長手方向に一致し、横方向Yは、おむつ1又はその構成部材である吸収性本体5の幅方向に一致する。
【0017】
外装体6には、
図1及び
図2に示すとおり、おむつ1の横方向Yに延びる弾性部材80a,80bが、おむつ1の縦方向Xに間隔を置いて伸長状態下に複数本配されている。詳細には、外装体6は、
図2に示すとおり、おむつ1の外面をなす外層シート61と、外層シート61の内面側に配された内層シート62と、両シート61,62間に位置し、かつ幅方向Yに沿って伸長した状態の複数本の弾性部材80a,80bとを備えている。弾性部材80a,80bは、おむつ1の胴周り域及びウエスト域に配置される。
【0018】
更に外装体6には、縦方向Xに沿って延びる側縁のうち、縦方向Xの中央域の湾曲した部位に沿って、レッグ部弾性部材90が伸長状態で配されている。レッグ部弾性部材90も外層シート61と内層シート62との間に挟持固定されている。
【0019】
おむつ1における外層シート61は、該外層シート61と内層シート62とによって複数本の糸状の弾性部材80a,80bを挟持固定する領域よりも更に縦方向Xに延出する長さを有しており、外層シート61における内層シート62よりも延出した延出領域61L(
図2参照)は、吸収性本体5側に折り返され、吸収性本体5の縦方向Xの端部5a,5bを覆っている。折り返された延出領域61Lは、例えば接着剤(図示せず)によって内層シート62に接着されている。
【0020】
図3には、着用状態でのおむつ1の側面図が示されている。同図に示すとおり、腹側部Aにおいては、おむつ1の横方向Yに延びる腹側弾性部材80aが、おむつ1の縦方向Xに間隔を置いて伸長状態下に複数本配されている。同様に、背側部Bにも、おむつ1の横方向Yに延びる背側弾性部材80bが、おむつ1の縦方向Xに間隔を置いて伸長状態下に複数本配されている。腹側弾性部材80aは、縦方向Xに間隔を置いて隣り合う2本の間隔が等間隔になっている。同様に、背側弾性部材80bに関しても、縦方向Xに間隔を置いて隣り合う2本の間隔が等間隔になっている。腹側部Aと背側部Bとでは、弾性部材間の間隔は同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。縦方向Xに沿って弾性部材80a,80bの配置位置を見たとき、腹側弾性部材80aの配置位置と、背側弾性部材80bの配置位置とは略一致している。略一致しているとは、腹側弾性部材80a(又は背側弾性部材80b)の配置位置と、それに最も近接している背側弾性部材80b(又は腹側弾性部材80a)の配置位置との縦方向Xにおける距離が2mm以下であることをいう。
【0021】
腹側弾性部材80a及び背側弾性部材80bは、おむつ1を
図2に示す平面視したときに、外装体6が吸収性本体5と重なる領域には配されていない。したがって腹側弾性部材80a及び背側弾性部材80bは、それらのうちウエスト開口部WO寄りに位置するものについては、一方のサイドシール部Sから他方のサイドシール部Sにわたって延在しているのに対して、ウエスト開口部WOから離れた位置にあるものについては、サイドシール部Sから吸収性本体5の側縁部までの間にわたってのみ延在している。このように腹側弾性部材80a及び背側弾性部材80bは、2種類の延在領域を有するものを含んでいる。
【0022】
腹側弾性部材80a及び背側弾性部材80bのサイドシール部S寄りに位置する端部の位置に着目すると、
図3に示すとおり、腹側弾性部材80aのサイドシール部S寄りの端部の位置と、背側弾性部材80bのサイドシール部S寄りの端部の位置とが異なっている。詳細には、腹側弾性部材80aのサイドシール部S寄りの端部の位置はサイドシール部Sの位置と一致している。これに対して、背側弾性部材80bのサイドシール部S寄りに位置する端部は、サイドシール部Sの位置まで達しておらず、サイドシールSよりも横方向Yの内方寄りの位置で終端している。それによって、背側部Bにおいては、サイドシール部Sと背側弾性部材80bの端部との間に、弾性部材非配置領域9bが形成されている。一方、腹側部Aにおいては弾性部材非配置領域は形成されていない。
【0023】
背側部Bにおいて、弾性部材非配置領域9bは、おむつ1の縦方向Xの全域にわたって形成されている。尤も、おむつ1の製造条件の振れ等に起因して、不可避的に1本ないし数本の背側弾性部材80bの端部がサイドシール部Sに位置していることは、本発明の効果が損なわれない限り許容される。
【0024】
腹側弾性部材80a及び背側弾性部材80bが、外層シート61と内層シート62との間に配されていることは先に述べたとおりであるところ、これらの弾性部材80a,80bは、その長手方向のうち、両端部においてのみ外層シート61及び内層シート62の少なくとも一方に固定されている。腹側弾性部材80a及び背側弾性部材80bは、両端部間の部位においては、外層シート61及び内層シート62のいずれとも非固定の状態になっていてもよく、あるいは外層シート61及び内層シート62のうちのいずれか一方に固定されていてもよい。
【0025】
弾性部材80a,80bの端部におけるシート61,62との固定には例えばホットメルト接着剤等の接着剤が用いられる。したがってサイドシール部Sの近傍の腹側部Aにおいては、
図3に示すとおり、腹側弾性部材80aが配された位置に、おむつ1の縦方向Xに沿って間欠的に、接着剤10aが施されており、該接着剤10aによって腹側弾性部材80aの端部が固定されている。一方、サイドシール部Sの近傍の背側部Bでは、先に述べた弾性部材非配置領域9b及びそれよりも横方向Yの内方の領域において、背側弾性部材80bが配された位置から横方向Yへ延びる延長線上の位置に、おむつ1の縦方向Xに沿って間欠的に、接着剤10bが施されており、該接着剤10bによって背側弾性部材80bの端部が固定されている。
【0026】
以上のとおりの構成を有する本実施形態のおむつ1によれば、サイドシール部Sを介して腹側弾性部材80aと背側弾性部材80bとが連なっていないので、サイドシール部Sを縦方向Xに沿って引き剥がすときに、該サイドシール部Sを構成する内層シート62どうしが剥離するか、又はサイドシール部Sに沿ってシートが材料破壊するので、弾性部材80a,80bの連結体がサイドシール部Sに残存することを効果的に防止できる。詳細には、サイドシール部Sの接合強度よりも、シートの引張強度の方が高い場合には、サイドシール部Sの剥離が優先的に生じやすいところ、本実施形態では、サイドシール部Sを介して腹側弾性部材80aと背側弾性部材80bとが連なっていないので、弾性部材80a,80bの連結体がサイドシール部Sに残存しづらくなる。逆に、シートの引張強度よりも、サイドシール部Sの接合強度の方が高い場合には、サイドシール部Sに隣接した位置でシートの材料破壊が優先的に生じやすいところ、その位置における接着剤の量は少量なので、サイドシール部Sに沿ってシートの均一な材料破壊が起こりやすくなるとともに、弾性部材80a,80bの連結体がサイドシール部Sに残存しづらくなる。
【0027】
以上の有利な効果を一層顕著なものとする観点から、弾性部材非配置領域9bの幅は、0mm超であればよく、例えば0.01mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることが更に好ましい。また、3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることが更に好ましい。例えば弾性部材非配置領域9bの幅は0mm超3mm以下であることが好ましく、0.01mm以上3mm以下であることが更に好ましく、0.1mm以上2mm以下であることが一層好ましい。この幅は、サイドシール部Sをおむつ1から切り取り、該サイドシール部Sを非伸長状態下でマイクロスコープによって観察して測定される。
【0028】
おむつ1においては、外装体6における腹側部A及び背側部Bにそれぞれ弾性部材80a,80bが伸長状態で配されているので、おむつ1の装着状態においては、これらの弾性部材80a,80bの収縮に起因して、おむつ1の縦方向Xに沿って延びる皺が、おむつの横方向Yに多条に形成されている。しかし、上述した背側部Bの弾性部材非配置領域9bには弾性部材80bが配置されていないので、該領域9bには皺が形成されず、おむつ1の外観の印象を低下させる可能性がある。そこで、弾性部材非配置領域9bにおいては、おむつ1の着用前の状態において、サイドシール部Sと背側弾性部材80bの端部との間の距離が、横方向Yにおいて隣り合う二条の皺の間隔よりも小さくなっていることが好ましい。この構成を作用することで、弾性部材非配置領域9bが皺の中に隠されて、外部から視認しづらくなる。その結果、おむつ1の外観の低下を効果的に防止できる。皺の間隔は、例えば弾性部材80a,80bを伸長状態で外装体6に固定するときの伸長倍率を調整することでコントロールできる。
【0029】
横方向Yにおいて隣り合う二条の皺の間隔は、次のようにして測定される。おむつ1を横方向Yに伸長した状態を100%とし、80%伸長時において皺と皺の頂点間の距離を測定する。この距離を皺の間隔とする。おむつ1を横方向Yに100%伸長した状態とは、
図2に示すような展開かつ伸長状態をいい、展開かつ伸長状態とは、サイドシール部Sを引き剥がして、おむつ1を展開状態とし、その展開状態のおむつ1を、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで広げた状態をいう。このようにして測定された皺の間隔は、3mm以上であることが好ましく、4mm以上であることが更に好ましい。また、10mm以下であることが好ましく、7mm以下であることが更に好ましい。皺の間隔は、例えば3mm以上10mm以下であることが好ましく、4mm以上7mm以下であることが更に好ましい。
【0030】
以上の構成を有するおむつ1は、好適には次の方法で製造することができる。すなわち、外層シート61及び内層シート62を用意し、両シート間に、複数本の腹側弾性部材80aを同方向に延びるように、かつ各弾性部材80a間に所定の間隔が生じるように伸長状態で配置・固定する。また、両シート61,62間に、複数本の背側弾性部材80bを同方向に延びるように、かつ各弾性部材80b間に所定の間隔が生じるように伸長状態で配置・固定する。更に、各シート61,62における湾曲した部位に、複数本のレッグ部弾性部材90を伸長状態で配置・固定する。これによって外装体6を得る。このようにして得られた外装体6の内面に吸収性本体5を配置して、該外装体6に接合する。次に、外装体6の腹側部Aの両側縁部6a,6aの内面と、外装体6の背側部Bの両側縁部6b,6bの内面どうしを合掌状に重ね合わせ、重ね合わされた部位をおむつ1の縦方向Xに沿って接合する。この接合時に、上述した弾性部材非配置領域9bを形成することができる。その詳細については後述する。
【0031】
サイドシール部Sは、おむつ1の縦方向Xに沿って延びる連続線からなる接合部を有するように形成されていてもよく、あるいは複数の不連続な接合線の集合体によって形成されていてもよい。サイドシール部Sの接合強度や引き裂きやすさ、及びおむつ1の外観等を総合的に勘案すると、サイドシール部Sは、おむつ1の縦方向Xに沿って延びる連続線からなる直線状の接合部を有するように形成されていることが好ましい。
【0032】
また、おむつ1の外観を一層良好なものとする観点から、サイドシール部Sにおいては、接合部よりも横方向Yの外方に非接合部が極力存在しないことが好ましい。この非接合部は完全に非存在であることが最も好ましいが、非接合部が存在する場合には、その幅が、最も広い部位においても3mm以下、特に2mm以下であることが好ましい。
【0033】
同様の観点から、サイドシール部Sにおける接合部はその幅が極力小さいことも好ましい。尤も、サイドシール部Sの幅を過度に小さくすると、外装体6の腹側部Aと背側部Bとを接合する力が低下する傾向にあり、おむつ1の着用状態において該接合部が破壊してしまうことがある。これらの事項を考えあわせると、接合部はその幅が0.01mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることが更に好ましい。また、3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることが更に好ましい。例えば接合部の幅は、0.01mm以上3mm以下であることが好ましく、0.1mm以上2mm以下であることが更に好ましい。
【0034】
本実施形態のおむつ1において、上述した弾性部材非配置領域9bを首尾よく形成するためには、例えば
図5に示すレーザー式溶断装置120を用いてサイドシール部Sを形成することが好ましい。この装置120を用いることは、(i)サイドシール部Sに、おむつ1の縦方向Xに沿って延びる連続線からなる直線状の接合部形成すること、(ii)サイドシール部Sにおいて、接合部よりも横方向Yの外方に非接合部が極力非存在であるようにすること、及び(iii)サイドシール部Sにおける接合部の幅を狭くすること等の観点からも有利である。
【0035】
図5に示すレーザー式溶断装置120を用いたサイドシール部Sの形成方法は、外装体6の腹側部Aの両側縁部6a,6aと、外装体6の背側部Bの両側縁部6b,6bとの縁部が重なった状態で融着した接合部40(
図6(c)参照)を有するサイドシール部Sの形成方法であって、
外装体6を構成するシートのうちの少なくとも一部のシートは樹脂材を含み、
外装体6の腹側部Aの両側縁部6a,6aと、外装体6の背側部Bの両側縁部6b,6bとが重ねられたシート積層体の一方の面を、レーザー光が通過可能な光通過部を有する支持部材に当接させ、加圧状態となった該シート積層体に対して、該支持部材側から該光通過部を介して、該シート積層体を構成するシートに吸収され該シートを発熱させる波長のレーザー光を照射することにより、該シート積層体を分断するのと同時に、その分断によって生じた前記加圧状態にある外装体6の切断縁部どうしを融着させて前記接合部40を形成する工程を有する。以下、この方法を
図5を参照しながら説明する。
【0036】
レーザー式接合装置120は、
図5に示すとおり、矢印A方向に回転駆動される円筒状(環状)の支持部材121を備えた中空の円筒ロール123と、該支持部材121の中空部に配され、レーザー光130を照射する照射ヘッド135と、加圧手段として無端状の加圧ベルト124(押さえ部材)及び該加圧ベルト124が架け渡された状態で回転する複数本のロール125a,125b,125cを備えたベルト式加圧装置126とを備えている。レーザー式接合装置120は、環状の支持部材121の外周面(円筒ロール123の周面部)に巻き掛ける加圧ベルト124の張力を増減調整できる張力調整機構(図示せず)を備え、該張力の調整により、支持部材121と加圧ベルト124とによって、おむつ連続体110(シート積層体)に加える圧力を適宜調整することができる。おむつ連続体110は、本実施形態のおむつ1を製造するための前駆体であり、おむつ1が横方向Yに沿って複数連なった形状をしているものである。このおむつ連続体110においては、後述する切断予定部110C(
図6参照)及びその近傍の領域にのみにおいて、胴周囲部の弾性部材80a,80bが、外層シート61及び/又は内層シート62に接着剤で接合されている。
【0037】
支持部材121は、円筒ロール123の周面部(被加工物との当接部)を形成しており、円筒ロール123の左右両側縁部を形成する一対の環状の枠体122,122間に挟持固定されている。支持部材121は、例えば環状の枠体122の周長と同じ長さの単一の環状部材から構成されており、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属材料又はセラミックス等の耐熱性を有する材料からなる。
【0038】
支持部材121は、レーザー光が通過可能な光通過部を有している。支持部材121は、光通過部として、該支持部材121を厚み方向に貫通するスリット状の開口部127を有している。開口部127は、平面視して矩形形状を有し、その長手方向を支持部材121の幅方向(円筒ロール123の回転軸と平行な方向)に一致させて、円筒状の支持部材121の周方向に所定間隔を置いて複数形成されている。支持部材121は、開口部127ではレーザー光を通過させる一方、開口部127以外の部分ではレーザー光を通過(透過)させない。支持部材121に開口部127を形成する方法としては、1)支持部材121の所定箇所にエッチング、パンチング、レーザー加工等により開口部127を穿設する方法の他、2)支持部材121として、単一の環状部材に代えて、湾曲した矩形形状の部材を複数用い、それら複数の部材を、一対の枠体122,122間に、該枠体122の周方向に所定間隔を置いて配置する方法が挙げられる。前記2)の方法では、隣接する2つの部材の間隔が、スリット状の開口部127となる。
【0039】
なお、レーザー式接合装置20においては、レーザー光が通過可能な光通過部が、支持部材121を厚み方向に貫通するスリット状の開口部127からなるため、おむつ連続体10における開口部127と重なる部分、すなわち分断予定部分は、加圧ベルト124が当接するだけで、支持部材121と加圧ベルト124とで挟まれない。したがって厳密にいえば、分断予定部分には、両部材121,124で挟持されることにより発生する加圧力は発生しない。しかし、開口部127と重なる分断予定部分は、それ自体は両部材121,124で挟持されなくとも、その近傍、すなわち、おむつ連続体110における開口部127の近傍と重なる部分は両部材121,124で挟持されるため、レーザー光の照射前後で動かず、したがって、レーザー光の照射によるおむつ連続体110の分断によって生じた切断縁部は動かない。つまり、おむつ連続体110の分断予定部分は、両部材121,124での挟持による加圧力により拘束された部分であり、該加圧力が事実上影響する部分である。
【0040】
ベルト式加圧装置126は、無端状の加圧ベルト124及び該加圧ベルト124が架け渡された状態で回転する3本のロール125a,125b,125cを備えている。ロール125a,125b,125cは駆動ロールでもよく、円筒ロール123に連れ回りする従動ロールでもよい。加圧ベルト124は、ロール125a,125b,125cのうちのいずれか1以上を回転駆動して、円筒ロール123(支持部材121)と同速度で移動する。支持部材121及び加圧ベルト124は、空冷、水冷等により温度を所定の温度範囲に維持することが好ましい。
【0041】
加圧ベルト124としては、加工時に発生する熱に耐え得る耐熱性を有する金属又は樹脂製のベルトを用いることができ、例えば鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料からなる。また、加圧ベルト124としては、通常、被加工物であるおむつ連続体110に対して照射されるレーザー光の透過性を有しないものが用いられるが、該透過性を有するものを用いることもできる。
【0042】
図5に示すとおり、中空の円筒ロール123(支持部材121)の中空部には、該円筒ロール123の周面部を形成する支持部材121に向けてレーザー光130を照射する照射ヘッド135が設けられている。照射ヘッド135は、レーザー光130を自在に走査するガルバノスキャナであり、レーザー光130を円筒ロール123の回転軸と平行な方向に進退させる機構、レーザー光130が支持部材121上のおむつ連続体110に当たる位置(照射点)を円筒ロール123の周方向に移動させる機構、及び円筒ロール123の周面上でレーザー光130のスポット径を一定にする機構等を備えている。レーザー照射機構は、このような構成を有することによって、レーザー光130の照射点を、円筒ロール123の周方向及び該周方向と直交する方向円筒ロール123の回転軸と平行な方向)の両方向に任意に移動させることができる。
【0043】
図5に示すとおり、おむつ連続体110は、図示しない案内ロール等によって、所定のテンションが掛けられた状態で、矢印A方向に回転駆動される円筒ロール123の周面部を形成する支持部材121の外面上に導入され、該支持部材121に巻き掛けられるようにして該円筒ロール123の回転によりその周方向に所定距離搬送された後、図示しない導出ロール及びニップロール等によって該支持部材121から離れる。このように、おむつ連続体110を、円筒ロール123の周面部を形成する支持部材121に所定のテンションで巻き掛け、かつ加圧ベルト124によって圧接するようにして搬送することにより、おむつ連続体110における支持部材121と加圧ベルト124とに挟まれた部分及びその近傍は、レーザー光の照射による分断前からその厚み方向に加圧された状態となるため、おむつ連続体110が合成樹脂製の不織布を含む場合等に、該おむつ連続体110をより効率的に圧縮させることができ、結果として、かかる圧縮中のおむつ連続体110に対してレーザー光を照射してこれを分断したときに、その分断された部分を構成する複数枚のシートの切断縁部どうしをより確実に融着させることが可能となり、サイドシール部Sにおける接合部の融着強度の一層の向上が図られる。
【0044】
おむつ連続体110が、支持部材121上に導入されてからこれを離れるまでの該支持部材121(円筒ロール123)の回転角度は、例えば、90度以上270度以下とすることができ、より好ましくは120度以上270度以下である。また、加圧ベルト124によっておむつ連続体110を支持部材121に圧接させる角度の範囲は、円筒状の支持部材121(円筒ロール123)の周方向の全周にわたって圧接させる場合を360度とした場合に、90度以上270度以下であることが好ましく、より好ましくは120度以上270度以下である。
【0045】
サイドシール部Sの形成方法においては、
図5に示すとおり、おむつ連続体110を連続搬送しつつ、その一方の面110a(
図6(a)参照)を、円筒ロール123の周面部を形成し、かつレーザー光130が通過可能なスリット状の開口部127を有する、支持部材121の外面に当接させ、加圧状態となったおむつ連続体110に対して、支持部材121側から開口部127を介してレーザー光130を照射することにより、おむつ連続体110を分断するのと同時に、その分断によって生じた前記加圧状態にある複数枚のシートの切断縁部どうしを融着させて、サイドシール部Sを形成する。
【0046】
詳細には、
図5に示すとおり、支持部材121に当接しているおむつ連続体110の他方の面110b(
図6(a)参照。支持部材121との当接面である一方の面110aとは反対側の面)に、加圧ベルト124を押し付け、その状態のおむつ連続体110に対して、支持部材121側からスリット状の開口部127を介してレーザー光130を照射することにより、一対のサイドシール部Sを有するおむつ1を連続的に製造する。このように、レーザー光130の照射は、支持部材121と加圧ベルト124とに挟まれることによって加圧状態にあるおむつ連続体110に対して行うことが、該照射によって生じた複数枚のシートの切断縁部どうしを確実に融着させて、サイドシール部Sの融着強度を向上させる観点から好ましい。
【0047】
図6(a)ないし(c)は、レーザー式接合装置120を用いておむつ連続体110を分断するのと同時にサイドシール部Sを形成する様子を説明する図であり、
図6(a)には、おむつ連続体110のレーザー光130による分断予定部分110C及びその近傍が模式的に示されている。おむつ連続体110の分断予定部分110Cは、おむつ連続体110の吸収性本体5が配置されていない領域における搬送方向Aの中央である。かかる分断予定部分110Cは、例えば4枚のシートが重ねられた4層構造部分となっている。4層構造部分は、
図6(a)に示すとおり、腹側部Aにおける2枚のシート(外層シート61及び内層シート62)と、背側部Bにおける2枚のシート61,62とからなり、これら4枚のシートが積層されて構成されている。なお、互いに重なり合うシート61,62間には弾性部材80a,80bが介在配置されているが、
図6(a)ないし(c)では、説明容易の観点から、該弾性部材80a,80bの図示を省略している。
【0048】
おむつ連続体110における分断予定部分110Cにおいて、おむつ連続体110の一方の面110a(支持部材121との当接面)を構成する外層シート61及び一方の面110aを構成するシート以外のシート(内層シート62)は、いずれか一方又は両方が、レーザー光130を吸収して発熱するシートである。また、分断予定部分110C及びその近傍における互いに重なり合う2枚のシート間は、レーザー光130の照射前において、接着剤等により接合されていてもよく、全く接合されていなくてもよい。
【0049】
おむつ連続体110は、
図6(b)に示すとおり、一方の面110aが支持部材121に当接し、かつ分断予定部分110Cがスリット状の開口部127上に位置するように、矢印A方向に回転する支持部材121上に導入されるとともに、他方の面110bに加圧ベルト124が押し付けられることによって、矢印A方向に搬送されつつ厚み方向に加圧される。そして、かかる搬送中に、加圧状態の分断予定部分110Cに対して、支持部材121側から開口部127を介してレーザー光130が照射される。前述したように、レーザー光130の照射点は、円筒ロール123の周方向に任意に移動可能に構成されており、開口部127の該周方向に沿った移動に追従して移動するように設定されているので、該開口部127上に位置する分断予定部分110Cには、その搬送中にレーザー光130が一定時間連続的に照射される。
【0050】
分断予定部分110Cにレーザー光130が照射されると、該分断予定部分110Cに存するシート61,62の形成材料(合成繊維等)は、レーザー光130の直射による発熱によって気化して消失し、該分断予定部分110Cの近傍に存する該形成材料は、レーザー光130によって間接的に熱せされて溶融する。その結果、
図6(c)に示すとおり、分断予定部分110Cが溶断されて、おむつ連続体110から1つのおむつ1が切り分けられる形で、該おむつ連続体110が分断されるのと同時に、その分断によって生じた該おむつ1における4枚のシート61,62の切断縁部どうし、及び、切り分けられた該おむつ連続体110における4枚のシート61,62の切断縁部どうしが、それぞれ融着する。これらの切断縁部どうしは、それぞれ、その形成前(レーザー光130の照射によるおむつ連続体110の分断前)から、支持部材121と加圧ベルト124とに挟まれることによって加圧状態(圧縮状態)とされていたものである。
【0051】
また、レーザー光130による分断予定部分110Cの溶断に起因して、おむつ連続体110において弾性部材80a、80bを固定していた接着剤(図示せず)が軟化する。これに起因して、シートの溶断とともに生じた弾性部材80a、80bの端部は、該弾性部材80a、80bが伸長状態にあることから、横方向Yの内方へ向けて若干引き寄せられる。その結果、弾性部材80a、80bの端部は、溶断及び融着によって形成されたサイドシール部Sの接合部40から離間する。この離間によって、上述した弾性部材非配置領域が形成される。
【0052】
以上の説明から明かなとおり、弾性部材非配置領域は、分断によって生じた弾性部材80a,80bの端部がサイドシール部Sの接合部40から離間することによって形成されるので、該弾性部材非配置領域は、サイドシール部Sを挟んだ腹側部A及び背側部Bのいずれにも形成される可能性がある。どちらの部位(又は双方の部位)に弾性部材非配置領域が形成されるか否かは、弾性部材80a、80bを固定していた接着剤の種類や塗布量、あるいはレーザー光130の照射条件に依存する。
【0053】
図5に示す装置を用いたサイドシール部Sの形成方法によれば、一回のレーザー光の照射で、おむつ連続体110の分断と、その分断によって生じた2箇所の加圧状態にあるシートの切断縁部どうしの融着とを同時に実施するため、2箇所の融着箇所を二回のレーザー光の照射で融着する方法に比べ、おおよそ半分のレーザー出力で融着と分断とを同一工程で実施でき、おむつ1を効率良く製造することができる。また、融着と分断とを同一工程で行えるため、シートの切断縁部どうしが融着されていない非接合部が発生しないのでおむつ1の外観が良好になる。
【0054】
シート61,62の切断縁部は、レーザー光130の照射中及び照射終了直後は、発熱して溶融状態となっているが、レーザー光130の照射によっておむつ連続体110から切り分けられた1つの毎葉のおむつ及びおむつ連続体110それぞれの、支持部材121と加圧ベルト124とによる加圧状態がされたまま、照射終了後からは支持部材121の接触により冷却されやすくなり、外気や支持部材121、加圧ベルト124への伝熱によって速やかに冷却されて固化し、接着剤を含む該切断縁部の形成材料が溶融一体化した接合部40となる。こうして接合部40が形成されることによって、1個のおむつ1における一対のサイドシール部S,Sのうちの一方が形成される。必要に応じ、吸引装置、排気装置等の公知の冷却手段を用いてシート61,62の切断縁部を強制的に冷却し、接合部40の形成を促進してもよい。
【0055】
こうして1箇所の分断予定部分110Cが分断されると、レーザー光130は、その照射点が搬送方向Aとは逆方向に隣接する別の開口部127に当たるように移動され、該別の開口部127を介してその上に位置する別の分断予定部分110Cに照射される。これにより、別の分断予定部分110Cが前記と同様に分断・融着され、先に形成されたサイドシール部Sと対をなす他方のサイドシール部Sが形成される。以後、同様の操作を繰り返すことにより、一対のサイドシール部S,Sを有するおむつ1が連続的に製造される。この方法においては、おむつ1のサイドシール部Sは、レーザー光の照射による融着法によって形成され、他の融着法によっては形成されない。
【0056】
レーザー光130が照射されるスリット状の開口部127の幅W(
図6(b)参照。開口部127の、円筒ロール123の周方向に沿った長さ。)に比して、おむつ連続体110におけるレーザー光130のスポット(レーザー光130が照射されている部分)の直径φが小さい場合(φ/Wが1未満の場合)には、
図7に示すとおり、レーザー光130の照射によって形成された一対のサイドシール部S,Sは、おむつ連続体110における開口部127と重なる部位(平面視において、スリット状の開口部127の、搬送方向Aと直交する方向に沿う一対の開口縁部に挟まれた部位)に位置し得る。すなわち、おむつ連続体110において、支持部材121と加圧ベルト124とで挟まれていない部位であっても、開口部127の近傍、すなわち前述したように、両部材121,124での挟持による加圧力が事実上影響する部位であれば、接合部40は形成され得る。
【0057】
このようにして得られたおむつ1においては、
図8に示すとおり、サイドシール部Sの厚みT1が、これを構成する外装体6の腹側部A及び背側部Bそれぞれの該サイドシール部Sに隣接する部分の厚みT2に比して大きくなっている。サイドシール部Sの厚みT1は、サイドシール部Sをカットし、無荷重の状態で断面をマイクロスコープにて観察して測定される。外装体6の腹側部A及び背側部Bの厚みT2は、サイドシール部Sに隣接し、かつ接着剤が塗布された10a,10bが塗布された皺の生じていない位置において、該外装体6の断面をマイクロスコープにて観察して測定される。外装体6の腹側部A及び背側部Bの厚みT2は、該外装体6を平板間に挟んで0.5cN/cm
2の荷重を加えた状態における、平板間の距離を測定し、その値を厚みとする。マイクロスコープによるサイドシール部等の厚みの測定は、一つのおむつのサイドシール部において長手方向に離間した3箇所の断面をマイクロスコープ(KEYENCE社製 VHX−1000)等により50〜200倍の倍率で観察し、各断面において厚みをそれぞれ求め、測定した3箇所の厚みの平均値として求めることができる。サイドシール部Sの厚みT1は、好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.25mm以上であり、好ましくは2mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。サイドシール部Sの厚みT1は、例えば0.2mm以上2mm以下であることが好ましく、0.25mm以上1.5mm以下であることが更に好ましい。
【0058】
以上の製造方法によれば、サイドシール部Sを形成するときに、それとほぼ同時に弾性部材非配置領域が形成されたが、これに代えて、おむつ1の着用状態において弾性部材非配置領域が形成されるようにしてもよい。具体的には、前記の製造方法において、使用する接着剤の種類や塗布量、あるいはレーザー光130の照射条件を適切に調整して、サイドシール部Sを形成するときには弾性部材非配置領域を形成させないようにする。このようにして得られたおむつ1においては、各弾性部材80a,80bの端部の位置は、サイドシール部Sの位置と一致している。この状態のおむつ1を着用すると、着用によって各弾性部材80a,80bが伸長されることで各弾性部材80a,80bに応力が加わる。このとき、接着剤の種類や塗布量を適切に選択することで、各弾性部材80a、80bの端部を、横方向Yの内方へ向けて若干引き寄せることが可能である。この引き寄せによって各弾性部材80a、80bの端部は、サイドシール部Sの接合部40から離間する。この離間によって、上述した弾性部材非配置領域が形成される。これらの結果、おむつ1のサイドシール部Sを引き裂いておむつ1を脱ぐときには、弾性部材80aと弾性部材80bとがサイドシール部Sを介して連なった状態になっていないので、背景技術の項で述べた
図10に示すような不都合が生じにくくなる。
【0059】
以上の説明から明かなとおり、弾性部材非配置領域は、おむつ1を着用する前の状態で既に形成されていてもよく、あるいはおむつ1を着用する前の状態では形成されていないが、おむつ1の着用状態において弾性部材非配置領域が形成されてもよい。要するに、サイドシール部Sを引き裂いておむつ1を脱ぐまでに弾性部材非配置領域が形成されればよい。
【0060】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、サイドシール部Sの好ましい製造方法として、
図5に示す装置を用いたレーザー光による溶断を例に挙げたが、サイドシール部Sの製造方法はこれに限られず他の方法、例えばヒートシール法、超音波シール法、高周波シール法、接着剤による接着法等を採用してもよい。
【0061】
また外装体として
図9に示すものを用いてもよい。同図に示す外装体6は、外層シート61と内層シート62とを有し、両シート61,62間に、おむつ1の横方向に沿って延びる複数本の弾性部材80が伸長状態で配置されているものである。各弾性部材80は、その両端部においてのみ外層シート61及び内層シート62の少なくとも一方に固定されている。これとともに各弾性部材80は、両端部間の部位においては外層シート61及び内層シート62のいずれとも非固定の状態になっている。そして、外層シート61及び内層シート62は、おむつ1の縦方向Xに沿って隣り合う2つの弾性部材80の間において接合部位63によって間欠的に接合されている。接合部位63は、同図に示すとおり、おむつ1の縦方向Xに沿って直列した接合部位列64をなしていることが好ましい。そして、この接合部位列64が、おむつ1の横方向Yに並列配置されていることが好ましい。このような外装体6を採用することで、外観が一層良好な皺を形成することができる。
【0062】
また、前記実施形態のおむつは、腹側部Aから股下部Cを通り、背側部Bにわたる外装体6と、その内面に配置された吸収性本体とを有するものであったが、これに代えて、胴周囲部弾性部材を含む腹側シート部材と、同様に胴周囲部弾性部材を含む背側シート部材との間を、吸収性本体が跨ぐ形態のパンツ型使い捨ておむつに本発明を適用してもよい。
【0063】
また、前記実施形態においては、おむつ1の背側部Bにのみ弾性部材非配置領域9bが形成されていたが、これに代えておむつ1の腹側部Aにのみ弾性部材非配置領域を形成してもよい。あるいは腹側部A及び背側部Bの双方に弾性部材非配置領域を形成してもよい。
【0064】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下のパンツ型使い捨ておむつを開示する。
<1>
股下部と、該股下部の前後から延出する腹側部及び背側部と、該腹側部の両側縁部と、該背側部の両側縁部とがそれぞれ接合されてなる一対のサイドシール部とを具備し、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有するパンツ型使い捨ておむつであって、
前記サイドシール部は、前記おむつの縦方向に沿って連続して延びる接合部を有しており、
前記腹側部及び前記背側部の双方に、前記おむつの横方向に延びる弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方において、前記弾性部材の端部のうち前記サイドシール部寄りに位置する端部が、該サイドシール部の位置まで達しておらず、該サイドシール部よりも横方向の内方寄りの位置で終端しており、それによって該サイドシール部と該弾性部材の端部との間に、弾性体非配置領域が形成されており、
前記弾性体非配置領域においては、前記弾性部材が配された位置から横方向Yへ延びる延長線上の位置に、前記おむつの縦方向に沿って間欠的に、 接着剤が施されており、該接着剤によって該弾性部材の前記端部が固定されている、パンツ型使い捨ておむつ。
【0065】
<2>
前記弾性体非配置領域が、前記おむつの縦方向の全域にわたって形成されている<1>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<3>
前記弾性体非配置領域の幅が、0mm超であることが好ましく、0.001mm以上であることが更に好ましく、0.01mm以上であることが一層好ましく、また、3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることが更に好ましい<1>又は<2>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<4>
前記腹側部においては、前記おむつの横方向に延びる腹側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記背側部においては、前記おむつの横方向に延びる背側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記サイドシール部を介して前記腹側弾性部材と前記背側弾性部材とが連なっていない<1>ないし<3>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<5>
前記サイドシール部における前記接合部よりも前記おむつの横方向の外方に、非接合部が存在していない<1>ないし<4>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<6>
前記弾性部材の収縮によって前記腹側部及び前記背側部に、前記おむつの縦方向に沿って延びる皺が該おむつの横方向に多条に形成されており、
前記弾性体非配置領域においては、前記おむつの着用前の状態において、前記サイドシール部と前記弾性部材の端部との間の距離が、横方向において隣り合う二条の前記皺の間隔よりも小さくなっている<1>ないし<5>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0066】
<7>
前記皺の間隔は、3mm以上であることが好ましく、4mm以上であることが更に好ましく、10mm以下であることが好ましく、7mm以下であることが更に好ましい<6>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<8>
前記腹側部及び前記背側部が、外層シートと、内層シートと、両シート間に配置された前記弾性部材を有し、
前記弾性部材は、その両端部においてのみ前記外層シート及び前記内層シートの少なくとも一方に固定されているとともに、両端部間の部位においては該外層シート及び該内層シートのいずれとも非固定の状態になっており、
前記外層シート及び前記内層シートは、前記おむつの縦方向に沿って隣り合う2つの前記弾性部材の間において間欠的に接合されている<1>ないし<7>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<9>
前記サイドシール部の厚みが、これを構成する前記腹側部及び前記背側部それぞれの該サイドシール部に隣接する部分の厚みに比して大きくなっている<1>ないし<8>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<10>
前記接合部はその幅が0.01mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることが更に好ましく、3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることが更に好ましい<1>ないし<9>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<11>
前記サイドシール部の厚みは、好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.25mm以上であり、好ましくは2mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である<1>ないし<10>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0067】
<12>
前記腹側部においては、前記おむつの横方向に延びる腹側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記腹側弾性部材は、縦方向に間隔を置いて隣り合う2本の間隔が等間隔になっている<1>ないし<11>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<13>
前記背側部においては、前記おむつの横方向に延びる背側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記背側弾性部材は、縦方向に間隔を置いて隣り合う2本の間隔が等間隔になっている<1>ないし<12>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<14>
前記腹側部においては、前記おむつの横方向に延びる腹側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記背側部においては、前記おむつの横方向に延びる背側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
縦方向に間隔を置いて隣り合う2本の前記腹側弾性部材の間隔と、縦方向に間隔を置いて隣り合う2本の前記背側弾性部材の間隔とが同じである<1>ないし<13>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<15>
前記腹側部においては、前記おむつの横方向に延びる腹側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記背側部においては、前記おむつの横方向に延びる背側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
縦方向に沿って前記腹側弾性部材及び前記背側弾性部材の配置位置を見たとき、該腹側弾性部材の配置位置と、該背側弾性部材の配置位置とが略一致している<1>ないし<14>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<16>
前記腹側部においては、前記おむつの横方向に延びる腹側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記背側部においては、前記おむつの横方向に延びる背側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記腹側弾性部材の前記サイドシール部寄りの端部の位置と、前記背側弾性部材の前記サイドシール部寄りの端部の位置とが異なっている<1>ないし<15>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<17>
前記腹側部においては、前記おむつの横方向に延びる腹側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記背側部においては、前記おむつの横方向に延びる背側弾性部材が、該おむつの縦方向に間隔を置いて伸長状態下に複数本配されており、
前記腹側弾性部材の前記サイドシール部寄りの端部の位置は該サイドシール部の位置と一致しており、
前記背側弾性部材の前記サイドシール部寄りに位置する端部は、該サイドシール部の位置まで達しておらず、該サイドシールよりも横方向の内方寄りの位置で終端している<1>ないし<16>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0068】
<18>
前記背側部にのみ前記弾性部材非配置領域が形成されているか、前記腹側部にのみ前記弾性部材非配置領域が形成されているか、又は前記腹側部及び前記背側部の双方に前記弾性部材非配置領域が形成されている<1>ないし<17>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<19>
前記弾性部材非配置領域が、前記おむつを着用する前の状態で既に形成されている<1>ないし<18>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<20>
前記弾性部材非配置領域が、前記おむつを着用する前の状態では形成されていないが、前記おむつの着用状態において前記弾性部材が伸長して、該弾性部材の端部が横方向の内方へ向けて引き寄せられることで前記弾性部材非配置領域が形成される<1>ないし<18>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。