(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1テーパ領域と前記第2テーパ領域との境界部が、軸線方向における前記テーパ領域の中心位置よりも先端側に位置していることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
前記境界部が、前記テーパ領域の先端部から当該テーパ領域の全長の1/4の距離だけ基端側に位置する箇所よりも先端側に位置していることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル。
前記テーパ領域の前記境界部では、前記断面積が前記テーパ領域の軸線方向両端部における前記各断面積の平均値よりも大きくなっていることを特徴とする請求項2又は3に記載のカテーテル。
【背景技術】
【0002】
従来から、PTA(経皮的血管形成術)やPTCA(経皮的冠動脈形成術)といった治療等においては、バルーンカテーテルが用いられている。バルーンカテーテルは、カテーテルチューブと、そのカテーテルチューブの遠位端側に設けられるバルーンとを備え、血管内に生じた狭窄箇所又は閉塞箇所にバルーンを導入し膨張させることで当該箇所の拡張を行うものとなっている。
【0003】
バルーンカテーテルでは、カテーテルチューブが、外側チューブと、その外側チューブに挿通される内側チューブとを備えて構成されている。この場合、外側チューブの遠位端部にバルーンが接合され、外側チューブの内腔を通じて圧縮流体を流通させることでバルーンが膨張又は収縮するようになっている。それに対して、内側チューブは、外側チューブよりも先端側に延出させた状態で設けられ、その延出部分がバルーン内部を通ってバルーンよりも先端側まで延びている。内側チューブの内腔は、ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤルーメンとなっており、バルーンカテーテルが体内に導入される際には、予め体内に導入しておいたガイドワイヤを内側チューブの内腔に挿通し、その挿通状態でバルーンカテーテルが体内に導入される。
【0004】
ガイドワイヤの挿通方式としては、ガイドワイヤを外側チューブの軸線方向の途中位置において外部に導出させるいわゆるRX型が知られている。RX型のバルーンカテーテルでは、外側チューブの軸線方向の途中位置に、同チューブの周壁部を貫通するようにしてガイドワイヤポートが形成されており、そのガイドワイヤポートを通じて内側チューブの内腔がカテーテル外部に開放されている。この場合、内側チューブの先端部から同チューブに導入されたガイドワイヤがガイドワイヤポートを通じてカテーテル外部に導出される。
【0005】
ところで、この種のバルーンカテーテルでは、その剛性を高める等の目的で、コアワイヤが設けられることがある(例えば特許文献1参照)。コアワイヤは、外側チューブの内腔に挿通させて設けられ、例えばガイドワイヤポートを軸線方向に跨いで配置される。この場合、外側チューブの内腔においてガイドワイヤポートよりも先端側の領域には内側チューブが設けられているため、当該先端側の領域ではコアワイヤが内側チューブの外周面と外側チューブの内周面との間を通じて挿通されることになる。そのため、コアワイヤにおいて当該先端側の領域に配設される部分については細径で形成する必要がある。
【0006】
その一方で、コアワイヤにおいて上記細径部分よりも基端側の部分については、先端側から基端側へ向けて外径が徐々に大きくなるように形成することが望ましい。例えば、先端側から基端側へ向けて外径が一定の度合いで緩やかに大きくなるように形成することが考えられる。この場合、コアワイヤの剛性を基端側から先端側へ向けて徐々に低くすることができ、耐キンク性の向上を図ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述したバルーンカテーテルにおいて、内側チューブの内腔にガイドワイヤが挿通された状態では、ガイドワイヤが挿通されているガイドワイヤポートよりも先端側の領域では剛性が高くなっている一方、ガイドワイヤが挿通されていないガイドワイヤポートよりも基端側の領域では剛性が低くなっていると考えられる。この場合、軸線方向におけるガイドワイヤポートの形成箇所において剛性が局所的に変化することとなるため、バルーンカテーテルをガイドワイヤに沿って体内に導入していく際、当該箇所において、基端側からの押し込み力を上手く先端側に伝達することができないおそれがある。そのため、操作性の低下が懸念される。
【0009】
また、ガイドワイヤポートを軸線方向に跨いでコアワイヤが配設される上述の構成では、コアワイヤによりガイドワイヤポートの基端側近傍に剛性が付与されるため、ガイドワイヤポートの形成箇所における剛性の局所的な変化を抑制する効果が期待できる。しかしながら、上述のコアワイヤは、ガイドワイヤポートよりも先端側に配置される細径領域から基端側に向けて外径が一定の度合いで緩やかに大きくなるものであるため、ガイドワイヤポートの基端側近傍においてその外径を十分な大きさとすることが難しく、それ故当該基端側近傍に十分な剛性を付与することが難しいと考えられる。したがって、上述のコアワイヤでは、カテーテルを体内に導入する際の押し込み力を上手く先端側に伝達するという上述の課題が依然として解消されず、その改善が求められる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カテーテルを体内へ導入する際の操作性向上を図ることができるカテーテルを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、第1の発明のカテーテルは、内部にルーメンを有するチューブを備え、前記チューブにおいて前記ルーメンを囲む周壁部には、軸線方向の途中位置に、前記チューブ内にその先端部から導入されたガイドワイヤを当該チューブの外部へ導出するためのガイドワイヤポートが形成されており、前記ルーメンには、前記ガイドワイヤポートを軸線方向に跨いで延びるコアワイヤが設けられており、前記コアワイヤは、前記ガイドワイヤポートよりも先端側に設けられた先端側領域と、前記先端側領域よりも基端側に設けられ、軸線方向と直交する方向の断面積が先端側から基端側に向けて連続して大きくなるように形成されたテーパ領域と、を備え、前記テーパ領域は、前記先端側領域に対して基端側に連続して設けられるとともに、軸線方向において前記ガイドワイヤポートと同じ位置を含む第1テーパ領域と、前記第1テーパ領域に対して基端側に連続して設けられた第2テーパ領域と、を有しており、前記第1テーパ領域では、先端側から基端側へ向けた前記断面積の増加の度合いが前記第2テーパ領域と比べて急になっていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、コアワイヤが、ガイドワイヤポートよりも先端側に設けられた先端側領域と、それよりも基端側に設けられたテーパ領域とを備え、そのテーパ領域が、軸線方向にてガイドワイヤポートと同位置を含む第1テーパ領域と、それよりも基端側の第2テーパ領域とを有して構成されている。第1テーパ領域では、先端側から基端側へ向けた断面積の増加の度合いが第2テーパ領域よりも急になっているため、テーパ領域の断面積が先端側から基端側へ向けて一定の度合いで大きくなっている構成と比べて、軸線方向におけるガイドワイヤポートの基端側近傍の位置においてコアワイヤの断面積を大きくすることができ、ひいてはコアワイヤの剛性を高めることができる。これにより、カテーテルを体内に導入する際の押し込み力の伝達性を高めることができ、その結果操作性の向上を図ることができる。
【0013】
第2の発明のカテーテルは、第1の発明において、前記第1テーパ領域と前記第2テーパ領域との境界部が、軸線方向における前記テーパ領域の中心位置よりも先端側に位置していることを特徴とする。
【0014】
第1テーパ領域と第2テーパ領域との境界部における断面積を同じとした条件の下で、当該境界部がテーパ領域において先端側に位置する場合と、基端側に位置する場合とで、第1テーパ領域における先端側から基端側へ向けた断面積の増加の度合いを大小比べた場合、前者の場合の方が後者の場合よりも断面積の増加の度合いが急になると考えられる。そこで本発明では、この点に着目し、第1テーパ領域と第2テーパ領域との境界部を、軸線方向におけるテーパ領域の中心位置よりも先端側に位置させている。この場合、第1テーパ領域における断面積の増加の度合いを急にすることで、軸線方向におけるガイドワイヤポートの基端側近傍の位置においてコアワイヤの断面積をより大きくすることができ、ひいてはコアワイヤの剛性をより高めることができる。そのため、カテーテルを体内に導入する際の押し込み力の伝達性をより高めることができる。
【0015】
第3の発明のカテーテルは、第2の発明において、前記境界部が、前記テーパ領域の先端部から当該テーパ領域の全長の1/4の距離だけ基端側に位置する箇所よりも先端側に位置していることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、第1テーパ領域と第2テーパ領域との境界部が、テーパ領域の先端部から当該テーパ領域の全長の1/4の距離だけ基端側に位置する箇所より先端側に位置しているため、第2の発明の場合よりもさらに第1テーパ領域の断面積が先端側から基端側へ向けて増大する度合いを急にすることができる。この場合、軸線方向におけるガイドワイヤポートの基端側近傍の位置においてコアワイヤの断面積をさらに大きくすることができ、ひいてはコアワイヤの剛性をさらに高めることができる。そのため、カテーテルを体内に導入する際の押し込み力の伝達性をさらに高めることができる。
【0017】
第4の発明のカテーテルは、第2又は第3の発明において、前記テーパ領域の前記境界部では、前記断面積が前記テーパ領域の軸線方向両端部における前記各断面積の平均値よりも大きくなっていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、第1テーパ領域と第2テーパ領域との境界部がテーパ領域の中心位置よりも先端側に位置する第2の発明の構成において、当該境界部における断面積が、テーパ領域の軸線方向両端部における各断面積の平均値よりも大きくなっている。この場合、当該境界部における断面積が、上記各断面積の平均値以下となっている構成と比べて、第1テーパ領域の断面積が先端側から基端側へ向けて増大する度合いを急にすることができる。そのため、軸線方向におけるガイドワイヤポートの基端側近傍の位置においてコアワイヤの断面積をより一層大きくすることができ、ひいてはコアワイヤの剛性をより一層高めることができる。これにより、カテーテルを体内に導入する際の押し込み力の伝達性をより一層高めることができる。
【0019】
第5の発明のカテーテルは、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記コアワイヤは、前記第2テーパ領域に対して基端側に連続して設けられる基端側領域をさらに備え、前記基端側領域は、先端側から基端側へ向けて一定の前記断面積で形成されているか、又は、先端側から基端側へ向けて前記断面積が前記第2テーパ領域と比べて小さい増加度合いで大きくなるように形成されており、前記第1テーパ領域と前記第2テーパ領域との間における前記断面積の増加の度合いの差が、前記第2テーパ領域と前記基端側領域との間における前記断面積の増加の度合いの差と同じ又は略同じとなっていることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、第1テーパ領域と第2テーパ領域との間における断面積の増加の度合いの差が、第2テーパ領域と基端側領域との間における断面積の増加の度合いの差と同じ又は略同じとなっているため、第1テーパ領域と第2テーパ領域との境界部、及び第2テーパ領域と基端側領域との境界部それぞれにおいて生じる断面積の増加の度合いの局所的な変化(量)を同じとすることができる。つまり、この場合、上記各境界部にてそれぞれ生じる断面積の増加度合いの局所的な変化を各境界部に均一に振り分けることができるため、結果として上記各境界部それぞれにおいて生じる上記局所的な変化を抑制することができ、ひいては上記各境界部それぞれにおいて生じる剛性の局所的な変化を抑制することができる。これにより、テーパ領域に断面積の増加の度合いが異なる2つの領域を設けた構成にあって、耐キンク性の低下を抑制することができる。
【0021】
第6の発明のカテーテルは、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記ルーメンとしての流体ルーメンを内部に有する前記チューブとしての外側チューブと、前記外側チューブよりも先端側に延出された状態で前記流体ルーメンに挿通させて設けられるとともに、前記ガイドワイヤを挿通可能であってかつ基端部が前記ガイドワイヤポートに通じるガイドワイヤルーメンを有する内側チューブと、前記内側チューブの前記延出部分を外側から覆うように設けられ、基端部が前記外側チューブの先端部に接合されたバルーンと、を備え、前記コアワイヤの前記先端側領域は、前記流体ルーメンにおいて前記内側チューブの外周面と前記外側チューブの内周面との間に挿通されていることを特徴とする。
【0022】
バルーンカテーテルでは、外側チューブの流体ルーメンに内側チューブが挿通されており、内側チューブの外周面と外側チューブの内周面との間を通じて流体が流通される。本発明では、かかるバルーンカテーテルに上記第1の発明を適用し、コアワイヤの先端側領域を内側チューブの外周面と外側チューブの内周面との間に挿通している。この場合、これら両チューブ間を流れる流体の流通性低下を抑制すべく、先端側領域の断面積をできるだけ小さくする必要があるため、その先端側領域から基端側へと延びるテーパ領域についても、ガイドワイヤポートの基端側近傍の位置において断面積が小さくなってしまい易い。この点を鑑みると、バルーンカテーテルに第1の発明を適用し、ガイドワイヤポートの基端側近傍の位置においてコアワイヤの断面積を大きくすることの意義は大きいといえる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、膨張及び収縮可能なバルーンを備えるバルーンカテーテルについて具体化している。
図1はバルーンカテーテルの構成を示す全体側面図である。
【0025】
図1に示すように、バルーンカテーテル10は、カテーテルシャフト11と、当該カテーテルシャフト11の基端部(近位端部)に取り付けられたハブ12と、カテーテルシャフト11の先端側(遠位端側)に取り付けられたバルーン13と、を備えている。
【0026】
カテーテルシャフト11は、複数の管状シャフト(チューブ)から構成されており、少なくとも軸線方向(長手方向)の途中位置からバルーン13の位置まで内外複数管構造となっている。具体的には、カテーテルシャフト11は、外側シャフト15と、当該外側シャフト15よりも内径及び外径が小さい内側シャフト16と、を備えており、外側シャフト15に内側シャフト16が内挿されていることで内外2重管構造となっている。なお、外側シャフト15が「外側チューブ」及び「チューブ」に相当し、内側シャフト16が「内側チューブ」に相当する。
【0027】
外側シャフト15は、軸線方向の全体に亘って連続するとともに両端にて開放された外側管孔15a(
図2参照)を有する管状に形成されている。なおここで、外側管孔15aが「ルーメン」に相当する。外側シャフト15は、軸線方向に並んだ複数のシャフト17〜19が溶着(熱溶着)等により互いに接合されることで構成されている。但し、各シャフト17〜19は必ずしも溶着により接合されている必要はなく、接着等その他の接合方法により接合されていてもよい。
【0028】
これら各シャフト17〜19は、基端側から順に、プロキシマルシャフト17、ミッドシャフト18、ディスタールシャフト19となっている。プロキシマルシャフト17は、Ni―Ti合金やステンレスなどの金属により形成されており、その基端部がハブ12に接合されている。ミッドシャフト18は、熱可塑性のポリアミドエラストマにより形成されており、プロキシマルシャフト17よりも剛性が低くなっている。ディスタールシャフト19は、熱可塑性のポリアミドエラストマにより形成されており、ミッドシャフト18よりも剛性が低くなっている。
【0029】
なお、プロキシマルシャフト17は、必ずしも金属製である必要はなく、合成樹脂により形成されていてもよい。また、ミッドシャフト18及びディスタールシャフト19は、必ずしもポリアミドエラストマにより形成される必要はなく、他の合成樹脂により形成されていてもよい。また、本明細書において剛性とは、カテーテルを軸線方向に対して直交する方向に曲げようとするときに作用するモーメントの大きさのことをいう
内側シャフト16は、軸線方向の全体に亘って連続するとともに両端にて開放された内側管孔16a(
図2参照)を有する管状に形成されている。内側管孔16aは、ガイドワイヤGが挿通されるガイドワイヤルーメンとして機能するものである。内側シャフト16は、外側シャフト15のディスタールシャフト19に挿入されており、その基端部が外側シャフト15における軸線方向の途中位置、具体的にはミッドシャフト18とディスタールシャフト19との境界部に接合されている。
【0030】
外側シャフト15における内側シャフト16との接合部分にはガイドワイヤポート21が形成されている。以下、このガイドワイヤポート21周辺の構成について
図2に基づいて説明する。なお、
図2はガイドワイヤポート21周辺の構成を示す縦断面図である。また、
図2は
図1におけるC1の領域を示している。
【0031】
図2に示すように、ガイドワイヤポート21は、ディスタールシャフト19の基端部に形成されている。ディスタールシャフト19は、その内部に外側管孔15aの一部を構成する管孔19aを有しており、この管孔19aを囲む周壁部23を貫通するようにしてガイドワイヤポート21が形成されている。
【0032】
ディスタールシャフト19(周壁部23)におけるガイドワイヤポート21の周縁部には内側シャフト16の基端部が接合されている。この場合、内側シャフト16の内側管孔16aがその基端においてガイドワイヤポート21を介してカテーテル10外側に開放されている。これにより、内側シャフト16の先端側開口から内側管孔16aに導入されたガイドワイヤGがガイドワイヤポート21を通じて内側管孔16aから外部に導出可能とされている。つまり、本バルーンカテーテル10は、軸線方向の途中位置よりガイドワイヤGが導出される所謂RX型のカテーテルとなっている。
【0033】
図1の説明に戻って、内側シャフト16は、その一部が外側シャフト15よりも先端側に延出されており、その延出された領域を外側から覆うようにしてバルーン13が設けられている。バルーン13は、熱可塑性のポリアミドエラストマにより形成されている。但し、バルーン13は、ポリエチレンやポリプロピレン等その他の熱可塑性樹脂により形成されていてもよい。
【0034】
バルーン13は、その基端部が外側シャフト15の先端部と接合され、その先端部が内側シャフト16の先端部と接合されている。バルーン13の内部は外側シャフト15の外側管孔15aを介してハブ12と連通しており、ハブ12を介して供給される圧縮流体が外側管孔15aを通じてバルーン13に供給されるようになっている。この場合、外側管孔15aは圧縮流体を流通させるための流体ルーメンとして機能する。この外側管孔15aを通じてバルーン13に圧縮流体が供給されるとバルーン13が膨張状態となり、外側管孔15aに対して陰圧が付与され圧縮流体が排出されるとバルーン13が収縮状態となる。
【0035】
ところで、本バルーンカテーテル10には、当該カテーテル10の剛性を高める等の目的でコアワイヤ30が設けられている。以下、かかるコアワイヤ30の構成について
図2に加え
図3に基づいて説明する。なお、
図3において(a)はコアワイヤ30の構成を示す側面図であり、(b)はコアワイヤ30の一部を拡大して示す拡大側面図である。
【0036】
コアワイヤ30は、金属材料により線状に形成されており、具体的には、ステンレスにより形成されている。コアワイヤ30は、
図3(a)に示すように、その横断面が円形状をなしており、基端側から先端側に向けて外径が連続して小さくなるように形成されている。したがって、コアワイヤ30は、基端側から先端側に向かうにつれて剛性が連続して低くなっている。
【0037】
なお、コアワイヤ30は、ステンレス以外の材料により形成してもよく、例えばニッケルチタン合金等の超弾性合金により形成してもよい。また、コアワイヤ30の横断面は必ずしも円形状である必要はなく、四角形状や六角形状等その他の形状であってもよい。
【0038】
コアワイヤ30は、その先端部から基端側に向けた所定範囲を構成する先端側領域31と、その先端側領域31に対して基端側に連続して設けられたテーパ領域32と、そのテーパ領域32に対して基端側に連続して設けられるとともにコアワイヤ30の基端部を含む基端側領域33とを備える。
【0039】
先端側領域31は、コアワイヤ30の各領域31〜33のうちで最も外径の小さい領域であり、その外径が先端側から基端側に向けて徐々に大きくなるようにテーパ状に形成されている。本実施形態では、先端側領域31の軸線方向の長さL1が80mmに設定されている。なお、先端側領域31は、必ずしもテーパ状に形成する必要はなく、軸線方向全域に亘って一定の外径で形成してもよい。
【0040】
テーパ領域32は、先端側から基端側に向けて外径が連続して大きくなるようにテーパ状に形成されている。本実施形態では、テーパ領域32の軸線方向の長さ(L2+L3)が130mmに設定されている。
【0041】
基端側領域33は、軸線方向全域に亘って一定の外径で形成されている。つまり、基端側領域33は、先端側領域31及びテーパ領域32とは異なり、非テーパ領域となっている。基端側領域33は、その軸線方向の長さが先端側領域31及びテーパ領域32よりも十分に長くなっており、本実施形態ではその長さが700〜1500mmに設定されている。
【0042】
続いて、テーパ領域32について詳しく説明する。
【0043】
テーパ領域32は、先端側領域31に対して基端側に連続して設けられた第1テーパ領域34と、その第1テーパ領域34に対して基端側に連続して設けられた第2テーパ領域35とを有している。第1テーパ領域34では、先端側から基端側へ向けて外径が増加する度合いが第2テーパ領域35と比べて急になっている。したがって、第1テーパ領域34では、
図3(b)に示すように、軸線方向に対する外周面の傾き(傾斜角度α)が、第2テーパ領域35における軸線方向に対する外周面の傾き(傾斜角度β)よりも大きくなっている。また、換言すると、第1テーパ領域34では、先端側から基端側へ向けて横断面積が増加する増加の度合いが第2テーパ領域35と比べて急になっている。
【0044】
なお、軸線方向に対する外周面の傾斜角度α、βには、鋭角側の角度と鈍角側の角度とが存在するが、本明細書における「傾斜角度α,β」とは鋭角側の角度を指すものとする。また、本明細書において、コアワイヤ30(各領域31〜35)の横断面積とは、コアワイヤ30の軸線方向に対して直交する方向の断面積をいう。
【0045】
また、第1テーパ領域34では、先端側から基端側へ向けて外径が増加する度合いが先端側領域31よりも急になっている。つまり、第1テーパ領域34では、その軸線方向の両側に隣接する各領域31,35のいずれよりも、先端側から基端側へ向けた外径(横断面積)の増加の度合いが急になっている。なお、本実施形態では、先端側領域31と第2テーパ領域35とのそれぞれにおいて、先端側から基端側へ向けた外径の増加の度合いが同じとなっており、換言すると、軸線方向に対する外周面の傾きが先端側領域31と第2テーパ領域35とでそれぞれ同じとなっている。
【0046】
第1テーパ領域34は、その軸線方向の長さL2が第2テーパ領域35の軸線方向の長さL3よりも短くなっている。つまり、第1テーパ領域34の長さL2と第2テーパ領域35の長さL3との寸法比をL2/L3で表した場合に、L2/L3が1よりも小さくなっている(0<L2/L3<1)。詳しくは、L2/L3は1/3よりも小さくなっており、より詳しくは1/5よりも小さくなっている。
【0047】
換言すると、テーパ領域32における第1テーパ領域34と第2テーパ領域35との境界部36は、テーパ領域32における軸線方向の中心位置よりも先端側に位置している。詳しくは、境界部36は、テーパ領域32(換言すると第1テーパ領域34)の先端部から当該テーパ領域32の全長(L2+L3)の1/4長さ分だけ基端側に位置する箇所よりも先端側に位置しており、より詳しくはテーパ領域32の先端部からテーパ領域全長(L2+L3)の1/6長さ分だけ基端側に位置する箇所よりも先端側に位置している。
【0048】
なお、本実施形態では、第1テーパ領域34の長さL2が20mmに設定されており、第2テーパ領域35の長さL3が110mmに設定されている。したがって、L2/L3が2/11となっている。
【0049】
また、第1テーパ領域34と第2テーパ領域35との境界部36が、テーパ領域32における軸線方向の中心位置よりも先端側に位置する上記の構成において、境界部36の外径D1は、テーパ領域32における先端部の外径D2(テーパ領域32の最小外径)と、テーパ領域32における基端部の外径D3(テーパ領域32の最大外径)との平均値よりも大きくなっている。また、境界部36の横断面積は、テーパ領域32先端部の横断面積(テーパ領域32の最小横断面積)と、テーパ領域32基端部の横断面積(テーパ領域32の最大横断面積)との平均値よりも大きくなっている。
【0050】
ここで、第1テーパ領域34及び第2テーパ領域35における先端側から基端側へ向けた横断面積の増加の度合いについてさらに説明を行う。
【0051】
テーパ領域34,35における先端側から基端側へ向けた横断面積の増加の度合い(以下、横断面積の増加率ともいう)は、軸線方向の単位長さ当たりにおける横断面積の変動量(先端側から基端側へ向けて見た場合には、横断面積の増加量)として表される。すなわち、テーパ領域34,35における横断面積の増加率は、テーパ領域34,35の基端部の横断面積(つまり最大横断面積)と、テーパ領域34,35の先端部の横断面積(つまり最小横断面積)との差(換言すると横断面積の変動量)を、テーパ領域34,35の軸線方向長さL2,L3で除することにより求まる。
【0052】
ここで、第1テーパ領域34における横断面積の増加率をΔS1、第2テーパ領域35における横断面積の増加率をΔS2とした場合、上述したように、第1テーパ領域34では第2テーパ領域35と比べて横断面積の増加の度合いが大きいことからΔS1>ΔS2となる。また、第2テーパ領域35に対して基端側に連続する基端側領域33は非テーパ領域となっているため、基端側領域33における横断面積の増加率をΔS3とした場合、ΔS3=0となる。したがって、第1テーパ領域34、第2テーパ領域35、基端側領域33の各横断面積の増加率ΔS1〜ΔS3の大小関係は、ΔS1>ΔS2>ΔS3となる。
【0053】
そして、本実施形態では、第1テーパ領域34における横断面積の増加率ΔS1と、第2テーパ領域35における横断面積の増加率ΔS2との差が、第2テーパ領域35における横断面積の増加率ΔS2と、基端側領域33における横断面積の増加率ΔS3との差と同じ又は略同じとなっている。したがって、コアワイヤ30における第1テーパ領域34と第2テーパ領域35との境界部36、及び第2テーパ領域35と基端側領域33との境界部37ではそれぞれ横断面積の増加率の変化量(変動量)が同じとなっている。
【0054】
上記構成のコアワイヤ30は、
図2に示すように、外側シャフト15の外側管孔15aに挿通されており、ガイドワイヤポート21を軸線方向に跨いで配置されている。図示は省略するが、コアワイヤ30は、その基端部においてハブ12に対して固定されている。
【0055】
コアワイヤ30のかかる配置状態において、先端側領域31はガイドワイヤポート21よりも先端側に配置され、内側シャフト16の外周面と外側シャフト15の内周面との間に挿通されている。また、その先端側領域31に対して基端側に連続する第1テーパ領域34はガイドワイヤポート21を軸線方向に跨ぐように配置され、その先端側においてガイドワイヤポート21と軸線方向で同位置となるように配置されている。
【0056】
ここで、上述したように、テーパ領域32において先端側の第1テーパ領域34は、基端側の第2テーパ領域35と比べて、先端側から基端側へ向けた外径(横断面積)の増加の度合が急になっている。そのため、テーパ領域の外径(横断面積)が先端側から基端側へ向けて一定の度合いで増加する構成と比べて、テーパ領域32の先端側にて外径を大きくすることができる。これにより、軸線方向におけるガイドワイヤポート21の基端側近傍の位置においてコアワイヤ30の外径(横断面積)を大きくすることができ、ひいてはコアワイヤ30の剛性を高めることができる。
【0057】
次に、バルーンカテーテル10の使用方法について簡単に説明する。
【0058】
先ず血管内に挿入されたシースイントロディーサにガイディングカテーテルを挿通し、ガイディングカテーテルの先端開口部を冠動脈入口部まで導入する。次いで、ガイドワイヤGをガイディングカテーテルに挿通し、その挿通したガイドワイヤGを冠動脈入口部から狭窄箇所などの治療部位を経て末梢部位まで導入する。
【0059】
続いて、ガイドワイヤGをバルーンカテーテル10の内側管孔16aに挿通する。そして、かかる挿通状態で、バルーンカテーテル10をガイドワイヤGに沿わせながら、押引操作を加えつつ体内に導入する。そして、体内における治療部位にバルーン13を配置する。
【0060】
ここで、内側管孔16aにおけるガイドワイヤGの挿通状態では、ガイドワイヤGが挿通されているガイドワイヤポート21よりも先端側の領域では剛性が高くなっているのに対し、ガイドワイヤGが挿通されていないガイドワイヤポート21よりも基端側の領域では剛性が低くなっていると考えられる。その場合、軸線方向におけるガイドワイヤポート21の形成箇所において、バルーンカテーテル10の剛性が局所的に変化することとなるため、当該箇所において、バルーンカテーテル10を基端側から押し込む力を上手く先端側に伝達することができないおそれがある。
【0061】
この点本実施形態では、上述したように、コアワイヤ30のテーパ領域32を横断面積の増加の度合いが大小異なる2つの領域34,35を有して構成することで、ガイドワイヤポート21の基端側近傍の位置においてコアワイヤ30の横断面積を大きくし剛性を高めたため、ガイドワイヤポート21の形成箇所における剛性の局所的な変化を抑制することができ、その結果バルーンカテーテル10の押し込み力の伝達性を高めることができる。これにより、バルーンカテーテル10を体内に導入する際の操作性の向上を図ることができる。
【0062】
バルーン13を治療部位に配置した後、加圧器を用いてハブ12側から外側シャフト15の外側管孔15aを介してバルーン13に圧縮流体を供給する。これにより、バルーン13が膨張し、その膨張したバルーン13により狭窄箇所が拡張される。
【0063】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0064】
第1テーパ領域34と第2テーパ領域35との境界部36における横断面積を同じとする条件の下で、当該境界部36がテーパ領域32において先端側に位置する場合と、基端側に位置する場合とで、第1テーパ領域34における先端側から基端側へ向けた横断面積の増加の度合いを大小比べた場合、前者の場合の方が後者の場合よりも増加の度合いが急になると考えられる。そこで上記の実施形態では、この点に鑑みて、当該境界部36を、軸線方向におけるテーパ領域32の中心位置よりも先端側に位置させるようにした。この場合、第1テーパ領域34における横断面積の増加の度合いを急にすることで、軸線方向におけるガイドワイヤポート21の基端側近傍の位置においてコアワイヤ30の横断面積をより大きくすることができ、ひいてはコアワイヤ30の剛性をより高めることができる。そのため、バルーンカテーテル10を体内に導入する際の押し込み力の伝達性をより高めることができる。
【0065】
具体的には、境界部36を、テーパ領域32の先端部から当該テーパ領域32の全長(L2+L3)の1/4の距離だけ基端側に位置する箇所よりも先端側に位置させるようにしたため、第1テーパ領域34における横断面積の増加の度合いをさらに急にすることができ、その結果軸線方向におけるガイドワイヤポート21の基端側近傍の位置においてコアワイヤ30の横断面積をさらに大きくすることができ、ひいてはコアワイヤ30の剛性をさらに高めることができる。そのため、バルーンカテーテル10を体内に導入する際の押し込み力の伝達性をさらに高めることができる
境界部36をテーパ領域32の中心位置よりも先端側に位置させた上述の構成にあって、当該境界部36の横断面積をテーパ領域32の軸線方向両端部における各横断面積の平均値よりも大きくした。この場合、当該境界部36における横断面積が、テーパ領域32の軸線方向両端部における各横断面積の平均値以下となっている構成と比べて、第1テーパ領域34の横断面積が先端側から基端側へ向けて増大する度合いを急にすることができる。そのため、軸線方向におけるガイドワイヤポート21の基端側近傍の位置においてコアワイヤ30の横断面積をより一層大きくすることができ、ひいてはコアワイヤ30の剛性をより一層高めることができる。これにより、バルーンカテーテル10を体内に導入する際の押し込み力の伝達性をより一層高めることができる。
【0066】
第1テーパ領域34における横断面積の増加率ΔS1と、第2テーパ領域35における横断面積の増加率ΔS2との差を、第2テーパ領域35における横断面積の増加率ΔS2と基端側領域33における横断面積の増加率ΔS3との差と同じとしたため、第1テーパ領域34と第2テーパ領域35との境界部36、及び第2テーパ領域35と基端側領域33との境界部37それぞれにおいて生じる横断面積の増加の度合いの局所的な変化(量)を同じとすることができる。つまり、この場合、上記各境界部36,37にてそれぞれ生じる横断面積の増加度合いの局所的な変化を各境界部36,37に均一に振り分けることができるため、結果として各境界部36,37それぞれにおいて生じる上記局所的な変化を抑制することができ、ひいては各境界部36,37それぞれにおいて生じる剛性の局所的な変化を抑制することができる。これにより、テーパ領域32に横断面積の増加の度合いが異なる2つのテーパ領域34,35を設けた構成にあって、耐キンク性の低下を抑制することができる。
【0067】
バルーンカテーテル10において外側シャフト15の外側管孔15aにコアワイヤ30を設け、そのコアワイヤ30の先端側領域31を外側シャフト15の内周面と内側シャフト16の外周面との間に挿通させた。外側シャフト15の内周面と内側シャフト16の外周面との間には圧縮流体が流れるため、その流体の流通性低下を抑制すべく先端側領域31の横断面積はできるだけ小さくする必要がある。そうすると、先端側領域31から基端側へと延びるテーパ領域32についても、ガイドワイヤポート21の基端側近傍の位置において横断面積が小さくなってしまい易い。この点を鑑みると、バルーンカテーテル10に対して本実施形態のコアワイヤ30を適用し、ガイドワイヤポート21の基端側近傍の位置にてコアワイヤ30の横断面積を大きくしたことの意義は大きいといえる。
【0068】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0069】
(1)上記実施形態では、第1テーパ領域34の長さL2と第2テーパ領域35の長さL3との寸法比L2/L3を1/5よりも小さくしたが、L2/L3を1/5以上であってかつ1よりも小さい数値にしてもよい。この場合においても、第1テーパ領域34と第2テーパ領域35との境界部36はテーパ領域32における軸線方向の中心位置よりも先端側に位置するため、当該境界部36がテーパ領域32の中心位置よりも基端側に位置する場合と比べて、第1テーパ領域34における基端側から先端側へ向けた外径(横断面積)の増加の度合いを急にすることができる。そのため、軸線方向におけるガイドワイヤポート21の基端側近傍の位置においてコアワイヤ30の外径をより大きくすることができ、ひいてはコアワイヤ30の剛性をより高めることができる。よって、この場合にも、バルーンカテーテル10を体内へ導入する際の押し込み力の伝達性をより高めることが可能となる。
【0070】
なお、境界部36がテーパ領域32における軸線方向の中心位置よりも基端側に位置していてもよい。つまり、L2/L3が1以上であってもよい。
【0071】
(2)上記実施形態では、基端側領域33を、軸線方向全域に亘って外径(横断面積)が一定である非テーパ状に形成したが、これを変更して、基端側から先端側に向けて外径(横断面積)が大きくなるテーパ状に形成してもよい。この場合、例えば基端側領域33における、基端側から先端側に向けた横断面積の増加の度合い(横断面積の増加率ΔS3)を第2テーパ領域35よりも小さくすることが考えられる。かかる構成においても、第2テーパ領域35における横断面積の増加率ΔS2と基端側領域33における横断面積の増加率ΔS3との差を、第1テーパ領域34における横断面積の増加率ΔS1と第2テーパ領域35における横断面積の増加率ΔS2との差と同じとすれば、第2テーパ領域35と基端側領域33との境界部37、及び第1テーパ領域34と第2テーパ領域35との境界部36それぞれにおける横断面積の局所的な変化量を同じとすることができ、ひいてはコアワイヤ30の剛性の局所的な変化量を同じとすることができる。そのため、テーパ領域32に横断面積の増加の度合いが異なる2つの領域34,35を設けた構成にあって、耐キンク性の低下を抑制することができる。
【0072】
また、コアワイヤ30に、基端側領域33を設けないようにしてもよい。この場合、第2テーパ領域35がコアワイヤ30の基端部まで連続して延びることになる。
【0073】
(3)上記実施形態では、第1テーパ領域34における横断面積の増加率ΔS1と第2テーパ領域35における横断面積の増加率ΔS2との差を、第2テーパ領域35における横断面積の増加率ΔS2と基端側領域33における横断面積の増加率ΔS3との差と同じとしたが(ΔS1−ΔS2=ΔS2−ΔS3)、これを変更して、ΔS1−ΔS2>ΔS2−ΔS3としてもよいし、又はそれとは逆にΔS1−ΔS2<ΔS2−ΔS3としてもよい。
【0074】
(4)上記実施形態では、第1テーパ領域34と第2テーパ領域35との境界部36における横断面積を、テーパ領域32先端部の横断面積と、テーパ領域32基端部の横断面積との平均値よりも大きくしたが、これを変更して、上記平均値と同じか又はそれよりも小さくしてもよい。
【0075】
(5)上記実施形態では、第1テーパ領域34を、その先端側がガイドワイヤポート21と軸線方向で同位置となるように配置したが、これを変更して、その基端側がガイドワイヤポート21と軸線方向で同位置となるように配置してもよい。また、第1テーパ領域34は、必ずしもガイドワイヤポート21を軸線方向に跨いで配置する必要はない。例えば第1テーパ領域34を、その先端部にてガイドワイヤポート21と軸線方向で同位置となるように配置してもよい。
【0076】
(6)上記実施形態では、本発明をバルーンカテーテルに適用した場合について説明したが、軸線方向の途中位置にガイドワイヤポート21が設けられるその他のRx型のカテーテルに本発明を適用してもよい。