(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スプロケットをモータで間欠駆動し、パーフォレーションが穿設されたテープを該パーフォレーションのピッチ以下のピッチで間欠送りさせるテープフィーダによる該テープの送り誤差を計測するテープフィーダ計測装置であって、
テープ走行方向および前記スプロケットの回転軸の延びる方向の双方に対し交わる方向から、前記モータによる該スプロケットの間欠駆動中の各停止時における該スプロケットの歯又は前記テープのパーフォレーションを撮影して、該各停止時ごとの各撮影画像を表わす画像信号を生成するカメラと、
前記各停止時における前記スプロケットの歯又は前記テープのパーフォレーションの、前記走行方向の停止位置に応じたエッジ形状を表わす複数のテンプレートを記憶しておくテンプレート記憶部と、
前記カメラによる各撮影画像と前記テンプレート記憶部に記憶されているテンプレートとのパターンマッチング処理により、該各撮影画像上の該スプロケットの歯の頂面又は該テープのパーフォレーションのエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジ検出部で検出された、前記各停止時の各撮影画像上の前記エッジの位置に基づいて、該スプロケット一周分にわたる、前記テープの各停止時の送り誤差を算出する誤差算出部とを備えたことを特徴とするテープフィーダ計測装置。
前記誤差算出部で算出された、前記スプロケットの一周にわたる前記テープの前記各停止時の送り誤差に基づいて、前記モータによる該スプロケットの、該各停止時に対応する各停止角度ごとの駆動量の補正値を算出する補正値算出部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のテープフィーダ計測装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上掲の特許文献1には、間欠送り誤差を正確に測定する方法として、スプロケットの上方にカメラを配置してそのカメラにより撮像された画像の処理を行なって撮像対象の位置認識を行い、画像処理により認識されたテープの停止位置と基準停止位置との誤差を測定する、と記載されている。しかしながら、この特許文献1には、これ以上の情報は記載されておらず、具体的にどのようにすると実際の停止位置を充分に正確に認識又は測定できるのか明らかではない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、テープ送り誤差を正確に計測することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明のテープフィーダ計測装置は、スプロケットをモータで間欠駆動し、パーフォレーションが穿設されたテープを該パーフォレーションのピッチ以下のピッチで間欠送りさせるテープフィーダによる該テープの送り誤差を計測するテープフィーダ計測装置であって、
テープ走行方向および前記スプロケットの回転軸の延びる方向の双方に対し交わる方向から、モータによるスプロケットの間欠駆動中の各停止時におけるスプロケットの歯又はテープのパーフォレーションを撮影して、各停止時ごとの各撮影画像を表わす画像信号を生成するカメラと、
各停止時におけるスプロケットの歯又はテープのパーフォレーションの、走行方向の停止位置に応じたエッジ形状を表わす複数のテンプレートを記憶しておくテンプレート記憶部と、
カメラによる各撮影画像とテンプレート記憶部に記憶されているテンプレートとのパターンマッチング処理により、各撮影画像上のスプロケットの歯の頂面又はテープのパーフォレーションのエッジを検出するエッジ検出部と、
エッジ検出部で検出された、各停止時の各撮影画像上のエッジの位置に基づいて、スプロケット一周分にわたる、テープの
各停止時の送り誤差を算出する誤差算出部とを備え
たことを特徴とする。
【0014】
ここで、本発明のテープフィーダ計測装置において、上記エッジ検出部が、各撮影画像上の、少なくとも走行方向両端の領域では、エッジのうちの、各撮影画像上の中央寄りの一部分
の形状を表わすテンプレートとのパターンマッチング処理により、該エッジを検出するものであることを特徴とする請求項1記載の。
【0015】
スプロケットの歯の場合、カメラには中央寄りのエッジ部分が撮影画像上に強いコントラストを持って写し出されるため、また、パーフォレーションのエッジの場合、中央寄りのエッジ部分はスプロケットの歯のエッジと分離して検出することができるため、中央寄りのエッジ部分を検出することで、さらに高精度な検出が可能である。
【0016】
また、本発明のテープフィーダ計測装置において、上記誤差算出部で算出された送り誤差が許容誤差以内であるか否かを判定する精度判定部をさらに備えることが好ましい。
【0017】
本発明のテープフィーダ計測装置は、この精度判定部を備えて、テープフィーダを選別する装置として利用してもよい。
【0018】
さらに、本発明のテープフィーダ計測装置において、上記誤差算出部で算出された、スプロケットの一周にわたるテープの各停止時の送り誤差に基づいて、モータによるスプロケットの、各停止時に対応する各停止角度ごとの駆動量の補正値を算出する補正値算出部をさらに備えることも好ましい態様である。
【0019】
この補正値算出部を備えると、元々の送り精度が低いテープフィーダであっても、算出された補正値を用いてテープを高精度に間欠送りさせることができる。
【0020】
尚、この補正値算出部は、上述の精度判定部と併用して、十分な精度のないテープフィーダのみについて補正値を算出してもよく、あるいは、上述の精度判定部は備えることなく、誤差の大小にかかわらず補正値を算出することとしてもよい。
【0021】
また、本発明のテープフィーダ計測装置での計測対象のテープフィーダがスプロケットの絶対回転角度を検出するアブソリュートエンコーダを備えたものであって、このテープフィーダ計測装置の補正値算出部が、アブソリュートエンコーダで得られたスプロケットの絶対回転角度に対応づけた補正値を算出するものであることが好ましい。
【0022】
このアブソリュートエンコーダは、前記ロータリエンコーダと同等の精度でスプロケットの回転角度を計測することができなくても、ロータリエンコーダに比べて安価で、取付スペースをそれほど必要としないものであることが好ましい。
【0023】
ここでは、テープフィーダの動作を一旦停止させた場合について考察する。テープフィーダが上記のアブソリュートエンコーダを備えずにスプロケットの初期位置(回転角度ゼロ)のみ検知することができるものであった場合、テープフィーダの動作を再開した後、直ちには高精度な間欠送りは実現できず、スプロケットが初期位置を通過した後に高精度な間欠送りが実現される。したがってスプロケットが初期位置を通過するまでの間のテープ上の電子部品はテープ上からの取り出しに失敗するおそれがある。このため、スプロケットが初期位置を通過することによって高精度な間欠送りが再開するまでテープ上の電子部品をテープ上に残したまま廃棄することになる。
【0024】
これに対し、補正値をアブソリュートエンコーダで得られたスプロケットの絶対回転角度に対応づけておくことにより、テープフィーダが動作を一旦停止して再開したとき、スプロケットの現在の絶対回転角度を知ってその絶対回転角度に対応する補正値を用いて補正することができる。こうすることにより、スプロケットが初期位置を通過するのを待つことなく、直ちに高精度な間欠送りを行なうことができる。
【0025】
尚、アブソリュートエンコーダは、スプロケットの絶対回転角度を検出するものであるが、そのアブソリュートエンコーダがスプロケット自体に備えられていて、スプロケットの絶対回転角度を直接に検出するものに限らない。例えば、モータからギア列を介在させてスプロケットに駆動力が伝達される構成の場合、アブソリュートエンコーダは、直接的にはそのギア列を構成するいずれかのギアの絶対回転角度を検出するものであって、そのギアの絶対回転角度からスプロケットの絶対回転角度に換算されるものであってもよい。
【0026】
また、上記目的を達成する本発明のテープフィーダ制御方法は、
上記の補正値を算出する態様の本発明のテープフィーダ計測装置を用いてテープフィーダの補正値を取得するステップと、
上記補正値を、又はその補正値により補正された、モータによるスプロケットの各停止角度ごとの補正済駆動量を、テープフィーダに記憶させるステップと、
上記モータに、スプロケットを、上記補正値により補正された補正済駆動量に基づいて駆動させるステップとを有することを特徴とする。
【0027】
本発明のテープフィーダ制御方法によれば、テープフィーダを使ってテープを高精度に間欠送りさせることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上の本発明によれば、テープフィーダによるテープの間欠送り誤差が正確に計測される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
図1は、テープフィーダの概要を示した斜視図である。
【0032】
また、
図2は、
図1に斜視図を示したテープフィーダの側面図である。
【0033】
これら
図1,
図2には、テープフィーダ10に加え、さらに電子部品を吸着する吸着ノズル21が示されている。この吸着ノズル21は、テープフィーダ10自体に備えられている部品ではなく、後述する電子部品実装装置の部品である。
【0034】
また
図3は、テープの一部分を示した平面図である。
【0035】
ここでは先ず、この
図3を参照してテープの構造について説明する。
【0036】
このテープ30には、一例として4mmピッチでパーフォレーション31が形成されている。また、このテープ30には、1mmピッチで電子部品32がそのテープ30に埋め込まれるようにして配置されており、それらの電子部品32を覆うように、
図3にハッチングで示すカバーテープ33が貼り付けられている。
【0037】
このテープ30のパーフォレーション31には、
図1,
図2に示すテープフィーダ10に備えられているスプロケット11の歯が入り込む。モータ12の間欠回転により、その駆動力がギア列13を介してスプロケット11に伝達されてスプロケット11が間欠回転し、これによりテープ30を間欠送りする。
【0038】
ここで、このテープフィーダ10のスプロケット11は、テープ30に穿設されたパーフォレーション31のピッチ(4mm)と同一ピッチの歯111(
図6参照)を有する。テープ30上の電子部品32は、1mmピッチで配列されているため、このスプロケット11は、歯111のピッチ(4mm)の1/4のピッチ(1mm)で間欠駆動され、テープ30を1mmずつ間欠送りさせる。
【0039】
このスプロケット11は、一周に30本の歯111が形成されている。したがって歯111のピッチは、このスプロケット11の回転角度にして12°となる。ここでは、その1/4のピッチで間欠回転を繰り返すため、1回の回転角度は3°となる。
【0040】
図1,
図2に示すように、テープ30はテープリール40に巻回されており、テープフィーダ10に設けられている通路を通り、カバー部材14に案内されてスプロケット11の歯111と係合し、そのスプロケット11の間欠回転により間欠送りされる。そのスプロケット11の歯111と係合する直前の位置でテープ30からカバーテープ33が剥がされ、そのカバーテープ33は、テープリール40側に引き戻される。
【0041】
テープ30からカバーテープ33が剥がされた直後の位置には、吸着ノズル21が移動してきてテープ30の走行が停止するたびにテープ30上の電子部品32が1つずつ吸着され、テープ30から取り出される。このテープ30上から取り出された電子部品32は、図示しない回路基板上に配置される。
【0042】
図4は、吸着ノズルの動作位置(
図4(a))とモータ動作速度(
図4(b))との対応関係を示した図である。
【0043】
また、
図5は、
図4の動作を図解した模式図である。
【0044】
ここでは、吸着ノズルは、ここでの関心のある上下方向の動きのみ示してあり、電子部品を回路基板に配置するための動きは図示を省略している。
【0045】
図5(a)〜(e)は、それぞれ
図4に示すA〜Eの各タイミングに対応している。
【0046】
・タイミングAでは、
図5(a)に示すように吸着ノズル21が下降中であり、かつモータは回転速度を緩めながら動作中である。
【0047】
・タイミングBは、モータが回転を停止した瞬間を示している。吸着ノズル21は未だ下降中である。
【0048】
・タイミングCは、モータは停止中であって吸着ノズルが最下部にて電子部品を吸着しているタイミングである。
【0049】
・タイミングDは、吸着ノズルが部品を吸着したまま、吸着ノズルとテープ上の電子部品との間の干渉を避ける位置まで上昇した瞬間を示している。モータは回転を開始する。
【0050】
・タイミングEは、モータの回転が最大速度に達したタイミングである。吸着ノズル21は未だ上昇を続けている。
【0051】
以上のA〜Eの動作を繰り返すことにより、テープ30上の電子部品32が1つずつ、テープの間欠送りと同期して吸着ノズルにより取り出される。
【0052】
図6は、
図1、
図2に示すテープフィーダの、テープ駆動機構の概要を示した図である。
【0053】
前述の通り、モータ12が回転すると、その回転駆動力がギア列13を介してスプロケット11に伝達される。モータ12は回転と停止を繰り返し、これによりスプロケット11が間欠的に回転する。スプロケット11の歯111はテープ30(
図1参照)のパーフォレーション31に入り込み、スプロケット11が間欠的に回転することによりテープ30が間欠的に送り出される。
【0054】
このモータ12は、制御部15によって、その回転、停止が制御される。この制御部15には補正値が記録された補正テーブル(後述する)を記憶する記憶部151が備えられており、この制御部15は、その記憶部151に記憶された補正テーブルに従ってモータ12の一回ごとの回転量を制御する。これにより、テープ30(
図1,
図2参照)を高精度に一定ピッチで間欠送りさせることができる。
【0055】
本実施形態では、スプロケット11にアブソリュートエンコーダ50が配備されており、このアブソリュートエンコーダ50によりスプロケット11の絶対回転角度が検出される。ただし、このアブソリュートエンコーダ50は、これのみでテープ30を必要な精度を保って一定ピッチで間欠送りさせるまでの分解能はない。
【0056】
図7は、アブソリュートエンコーダの概要を示した図である。
【0057】
このアブソリュートエンコーダ50は、スプロケット11に刻設された凹凸パターン51と、その凹凸パターン51を検出するアブソリュートセンサ52とを有する。
【0058】
凹凸パターン51は、スプロケット11の半径方向に一定ピッチを持つとともに回転方向に符号化された凹凸パターンが刻設されたものであり、半径方向の複数の凹凸パターンの組合せがアブソリュートエンコーダ50の絶対回転角度を表わしている。
【0059】
アブソリュートセンサ52は、凹凸パターン51の半径方向のピッチと同一ピッチで並んだ複数の検出素子521を有し、凹凸パターン51上に破線で示した位置に、その凹凸パターン51に近づけて配置されて、半径方向の凹凸パターンを読み取るセンサである。このアブソリュートセンサ52は光電センサであってもよく、磁気センサであってもよく、凹凸パターンに準じる位置(角度)情報を読み取ることができれば、その検出原理の如何を問うものではない。
【0060】
このアブソリュートセンサ52はテープフィーダ10のフレームに固定されており、スプロケット11の回転によって凹凸パターン51が回転し、これによりアブソリュートセンサ52で検出される凹凸パターンが変化し、スプロケット11の絶対回転角度が検出される。
【0061】
図8は、電子部品実装装置の概要を示した外観斜視図である。
【0062】
この電子部品実装装置60には、図示のようにテープフィーダ10が横に並べられて複数台装着される。これは、回路基板(図示せず)には多数個、多数種類の電子部品が搭載されるため、それらの多数の電子部品それぞれが配置された複数種類のテープを、この電子部品実装装置60に送り込む必要があるからである。
【0063】
この電子部品実装装置60には、矢印W方向に、ガイド部材62に案内されながら回路基板(図示せず)が送り込まれる。この電子部品実装装置60に送り込まれた回路基板には、各テープフィーダ10により送り込まれた各テープ上の電子部品が、この電子部品実装装置60内に備えられている吸着ノズル21(
図1,
図2参照)によりテープ上から取り出されて回路基板上に配置される。電子部品が実装された回路基板は、送り込まれた側とは反対の側から送り出される。
【0064】
この電子部品実装装置60の上部には、何かエラーが発生したときに点灯するランプ63が備えられている。
【0065】
この電子部品実装装置60自体は本発明および本実施形態のテーマではなく、ここでは、電子部品実装装置60についてのこれ以上の説明は省略する。
【0066】
次に、テープフィーダ計測装置の実施形態について説明する。
【0067】
以下に説明するテープフィーダ計測装置は、これまで説明してきたテープフィーダ10を動作させたときのテープの間欠送り誤差を計測し、その送り精度を向上させるための補正値を算出する装置である。ここで算出された補正値は、
図6に示す制御部15内の記憶部151に記憶され、制御部15によるテープの高精度な間欠送り制御に用いられる。
【0068】
図9は、テープフィーダに、本実施形態のテープフィーダ計測装置を構成するカメラを取り付けた状態を示した斜視図である。
【0069】
このカメラ70は、カバー部材14の上面に形成された、テープ30に配置されている電子部品32(
図3参照)を吸着ノズル21により取り出すために開けられている開口から、テープ30およびスプロケット11の歯111を覗く位置に設置される。尚、このカメラ70は、吸着ノズル21により電子部品32の取り出しを行なう動作よりも前の、テープフィーダ10の調整の段階で行なわれるため、吸着ノズル21との干渉が生じることはない。
【0070】
図10は、各テープ送り量ごとのスプロケットの歯又はパーフォレーションの穴の位置を示した図である。
【0071】
ここでは、1回の撮影範囲内にスプロケットの歯の頂面、又はパーフォレーションを構成する穴が常に2つ写り込まれるようにカメラ70による撮影範囲が調整されている。
【0072】
図3に示した通り、パーフォレーション31のピッチは4mmであり、スプロケット11の歯111もそれと同じ4mmのピッチである。一方、テープ30上の電子部品32の配列のピッチは1mmである。そこでここでは、スプロケット11は、テープ30の1mm相当分ずつ回転し、スプロケット11の歯111又はパーフォレーション31は、誤差を無視したとき
図10(a)〜(d)の4つの位置関係となる。ただし、これは、誤差を無視したときの話であり、実際は誤差が含まれるため、
図10(a)〜(d)の各位置は、スプロケット11の歯111又はパーフォレーション31ごとに変動することになる。パーフォレーション31の位置変動は、スプロケット11に起因するため、スプロケット11の一周分を1周期として位置変動を繰り返すことになる。
【0073】
図11は、本実施形態のテープフィーダ計測装置の概要を示した図である。
【0074】
このテープフィーダ計測装置90は、
図9にも示したカメラ70のほか、さらに演算部80を備えている。
【0075】
図12は、
図11の演算部で実行される処理を表わしたフローチャートである。
【0076】
ここでは、テープ30の間欠送りを行ないながら、スプロケット11の一周分について、そのテープ30の各停止時におけるアブソリュートセンサ52(
図7参照)によるスプロケット11の絶対回転角度とカメラ70による撮影画像を表わす画像信号が取得され(ステップS11,S12)、一旦、演算部80内のバッファに格納される。
【0077】
スプロケット一周分についてアブソリュートセンサによる角度と撮影画像の取得が終了すると、各停止時における撮影画像に基づいてエッジ検出が行なわれる。
【0078】
ここでは、
図10に示す撮影範囲内の2つのエッジがそれぞれ検出され、その中点がスプロケットの歯の代表点、又は、パーフォレーションの代表点として算出される。ただし、それら2つのエッジについてのエッジ検出方法はいずれも同一であるため、以下では1つのエッジを取り挙げて説明する。
【0079】
またここでは、スプロケットの歯の頂面のエッジを取り上げて説明する。また、ここでは、円形の頂面の歯を持つスプロケットを取り上げて説明する。
【0080】
エッジの検出にあたっては、パターンマッチングが行なわれる(ステップS13)。
【0081】
図13は、撮影画像上のテープ走行方向の各位置に対応する、撮影画像上にあらわれるスプロケットの歯の頂面の形状を示した模式図である。
【0082】
カメラ70による撮影範囲内の中央の領域ではスプロケットの歯の頂面は、ほぼ円形にあらわれる。ところが、撮影範囲内の走行方向両端の領域では、スプロケットの歯の頂面は端に寄るほど走行方向に縮んだ楕円としてあらわれる。
【0083】
そこで、ここでは、スプロケットの歯が撮影画像中の位置に応じて、円形あるいは種々の楕円形のテンプレートが用いられる。ここで、その楕円の、中央寄りのエッジ部分は、明瞭に撮影される。これに対し、端寄りのエッジ部分は、歯の頂面の周縁は面取りされていることもあって、弱いコントラストでしか撮影されない。このため、ここでは、撮影範囲が中央の領域と両端それぞれ領域に分けられ、中央の領域についてはエッジ全周分のテンプレートが用いられ、両端それぞれの領域では、
図13に実線で示した、中央寄りの半周分のテンプレートが用いられる。
【0084】
図12のステップS13では、この
図13で説明したようなテンプレートを用いてパターンマッチング処理が行なわれ、スプロケットの歯の頂面のエッジが検出される。
【0085】
尚、パーフォレーションのエッジを検出する場合も、
図13を参照して説明した、スプロケットの歯の頂面と同様、両端の領域では内側半周分のテンプレートが採用される。これは、以下の理由による。すなわち、パーフォレーションにはスプロケットの歯が入り込んでいて、両端の領域では、そのスプロケットの歯が撮影範囲の端側に斜めに傾いた状態にある。したがって、この両端の領域ではスプロケットの歯が傾いているとパーフォレーションの穴の中央寄りのエッジとスプロケットの歯のエッジとの距離が離れるため、それら双方のエッジを容易に分離して認識することができる。これに対し、端寄りのエッジについてはパーフォレーションの穴のエッジとスプロケットの歯のエッジが互いに近づき、スプロケットの歯のエッジのコントラストが弱いこともあって、それら双方のエッジを分離して認識し難くなる。このため、パーフォレーションのエッジを検出する場合も、撮影範囲内の両側では中央寄りの半周分のエッジ部分を表わすテンプレートが用いられる。
【0086】
尚、ここでは、中央の領域と両端それぞれの領域との3つの領域に分けてテンプレートを使い分ける旨、説明したが、中央の領域は無くし、撮影範囲をテープ走行方向について2つに分け、常に中央寄りの半周分のテンプレートを採用してもよい。
【0087】
ここでは、以下においても、パーフォレーションではなく、スプロケットの歯の頂面のエッジを検出するものとして説明を続行する。
【0088】
図12、ステップS13のパターンマッチング処理により、スプロケットの歯の頂面のエッジが検出されると、次にそのエッジに基づいてスプロケットの歯の代表点の位置の検出が行なわれる(ステップS14)。この代表点はどこに定めてもよいが、ここでは隣接する2つの歯の頂面の中心点どうしの中点が採用される。以下、この代表点の位置をスプロケットの歯の位置と称する。ここでは、常に2つのエッジを検出して、その中点を代表点としているため、エッジ検出誤差が低減し、より高精度な誤差の計測、より高精度な補正値の算出が行なわれる。
【0089】
図11に示す演算部80内には、スプロケット11の、
図10(a)〜(d)の各姿勢におけるスプロケット歯111の、テープ走行方向(Y方向とする)の理論上の位置のデータ(「理論値」と称する)が記憶されている。この理論値は、スプロケット11の形状や1回あたりのモータ12の回転量等から計算される、テープ間欠送りの誤差がゼロであるとしたときの値である。これは理論値なので、
図10に示す4パターンだけでスプロケット一周分について使うことができる。
【0090】
図12のステップS14でスプロケット歯の実際の位置(「測定値」と称する)が算出されると、テープ走行方向(Y方向)についての、測定値の、理論値からの誤差(スプロケット歯のY方向のずれ誤差)が算出される(ステップS15)。ここでは、この誤差を「dY」と称する。この誤差dYが、スプロケットの一周分の各停止位置についてそれぞれ算出される。
【0091】
次に、この誤差dYが基準値と比較される(ステップS16)。この基準値は、これ以内の誤差であればテープ30上の電子部品32が吸着ノズル21により確実に吸着されて取り出されることが保証される値である。
【0092】
次いで、スプロケット一周分に渡る各停止位置の誤差dYが全て基準値以内か、あるいは基準値から外れている誤差dYが存在するかが判定される(ステップS17)。スプロケット一周分に渡る誤差dYが全て基準値以内であったときは、これ以上補正する必要がなく、この時点で終了する。
【0093】
基準値から外れる誤差dYが存在していたときは、その誤差dYからスプロケットの角度θが算出される。
【0094】
図14は、誤差dYと角度θとの関係を表わした図である。
【0095】
ここでは、スプロケット11の歯111を模式的に三角形で示している。破線で示した歯111aは、理論的な位置(理論値)である。また、実線で示した歯111bは測定された位置(測定値)である。テープ走行方向(Y方向)の測定値の、理論値からの誤差が誤差dYであり、その誤差dYをスプロケット11の回転角度に換算した値が角度θである。
【0097】
ステップS18で角度θの算出が行なわれると、以下において
図15〜
図17を参照しながら説明するテーブルへの書込みが行なわれる(ステップS19)。このテーブルの内容は、
図11に示す制御部15(
図6を合わせて参照)中の記憶部151に記憶される。この制御部15は、この記憶部151に記憶されたテーブル中の値を補正値として使って、テープ1回あたりの送り量を、一回ごとに、スプロケット全周について調整する。
【0098】
図15は、計測前のテーブルを示した図である。
【0099】
図15(a)はスプロケットの回転角度[°]の理論値と、スプロケットの歯の番号と、前述の誤差dY(
図14参照)との関係を表わしたテーブルである。
【0100】
この
図15(a)のテーブルを、ここでは「スプロケット誤差テーブル」と称する。
【0101】
スプロケット11には、回転角度12°ごとに歯111が設けられており、この回転角度12°がテープ30の走行距離4mm、すなわち、テープ30に設けられているパーフォレーション31の間隔4mmに対応する。
【0102】
これに対し、テープの間欠送りにおける1回の走行距離は1mmである。これは、スプロケットの回転角度3°に相当する。したがって、この
図15(a)の「スプロケット誤差テーブル」の「スプロケットの回転角度[°]」の欄には、スプロケット一周分にわたって3度ずつの値が記入されている。また、テープの1回の走行距離1mmはスプロケットの歯のピッチ(4mm相当)に換算すると、1ピッチの0.25倍である。このため、この「スプロケット誤差テーブル」の「スプロケットの歯の番号」の欄には、ピン番号1番以降、0.25ずつの値が記入されている。誤差dYの欄には、初期値として全てゼロが書き込まれている。
【0103】
図15(b)は、アブソリュートセンサにより計測される角度が書き込まれるテーブルである。ここでは、このテーブルを「補正テーブルA」と称する。
【0104】
この補正テーブル内の値は、書き込まれる前は不定であってもよい。
【0105】
また、
図15(c)は、補正角度[°]が書き込まれるテーブルである。ここでは、この補正角度は、
図15(a)のスプロケット誤差テーブル中の誤差dYがスプロケットの回転角度に換算された角度θである(
図14参照)。この補正テーブルBにも、
図15(a)のスプロケット誤差テーブルの誤差dYの欄に初期値ゼロが書き込まれていることに対応して、全て初期値ゼロが書き込まれている。
【0106】
図16は、計測終了時のテーブルを示した図である。
【0107】
図16(a),(b),(c)は、それぞれ
図15(a),(b),(c)に対応しており、計測終了後の、スプロケット誤差テーブル(
図16(a))、補正テーブルA(
図16(b))、および補正テーブルB(
図16(c))である。
【0108】
図16(a)のスプロケット誤差テーブルには、誤差dYが書き込まれている。
【0109】
ここでは、dY1,dY1.25,・・・等の記号で示されているが、ここには計測により得られた実際の誤差dY(
図14参照)が書き込まれる。
【0110】
図16(b)の補正テーブルAには、アブソリュートセンサから得られた、各停止時の角度が書き込まれる。
【0111】
この補正テーブルAは、テープフィーダが動作を一旦停止した後、動作を再開する際に参照される。この補正テーブルAを参照することにより、スプロケットの現在の姿勢(回転角度)を、スプロケットの歯の番号を特定できる程度の精度で知ることができる。
【0112】
図16(c)の補正テーブルBには、
図16(a)のスプロケット誤差テーブルにおける誤差dYがスプロケットの角度に変換された各値θ1,θ1.25,θ1.5・・・が書き込まれる(
図14参照)。
【0113】
これら補正テーブルAと補正テーブルBがテープフィーダ10の制御部15内の記憶部151に記憶される(
図6,
図11参照)。
【0114】
このテープフィーダ10の制御部15は、必要なときには、補正テーブルAから現在のスプロケットの歯の番号(
図16(a)参照)を知り、補正テーブルBからその歯の番号に応じた補正角度を知り、モータ12(
図1,
図2,
図6参照)をそれに応じた回転角度に制御する。こうすることにより、テープ30は、テープフィーダ10により、正確に1mmずつ間欠送りする。
【0115】
図17は、補正テーブルの第2例を示した図である。
【0116】
図17(a)の補正テーブルAは、
図16(b)の補正テーブルAと同一であり、テープフィーダ10の制御部15内の記憶部151に記憶される。
【0117】
図17(b)の補正済テーブルCは、テープフィーダ10の制御部15内の記憶部151に、
図16(c)の補正テーブルBに代えて記憶されるテーブルである。
【0118】
この補正済テーブルCには、補正テーブルAのアブソリュートセンサ角度にそれぞれ対応する、補正後の回転角度、すなわち0−θ1[°],3−θ1.25[°],・・・が書き込まれている。
【0119】
図16(c)の補正テーブルBを参照するときは、制御部15内で
図17(b)の補正済テーブルC相当の各回転角度、すなわち0−θ1,3−θ1.25・・・などを演算し、モータをその演算後の回転角度相当の回転量となるように制御することになる。
【0120】
これに対し、
図17(b)の補正テーブルCを参照するときは、既に演算済であるため、制御部15は、モータ12を、その補正テーブルCに書き込まれている回転角度相当の回転量となるように制御すればよい。
【0121】
誤差や、その誤差から換算される補正角度は、スプロケットの理論値と測定値との差異として算出される。ここで、スプロケットの理論値は、スプロケットの機械的な寸法や形状等から算出されるため、この理論値の算出はスプロケットの具体的な寸法や形状などに依存する。
【0122】
以下では、スプロケットの機械的な寸法や形状の一例を示して、そのスプロケットを例に取り上げて、理論値や誤差、さらに補正角度の算出方法を例示しておく。
【0123】
図18は、スプロケットに対するxyzの各軸の定め方を示した図である。
【0124】
ここでは、この3つの図に示すようにxyzの各軸を定義する。
【0125】
図19は、スプロケットの歯の頂面の中心を基準としたときの誤差算出方法の説明図である。
【0126】
スプロケット歯の位置は画像処理によりエッジを検出し、その検出したエッジが半周分の場合は、エッジのもう半周分を追加してエッジの重心のxz座標を求め、その重心を歯の位置とする。
【0127】
ここでは回転方向(テープ送り方向)であるx座標の位置ずれを補正する。
【0128】
歯先の中心のxz座標は以下で与えられる。
【0130】
スプロケット歯の位置のx座標Aを画像処理により求める。
スプロケット歯の位置の理論値A’は一つ前の停止位置を基準にして求める。
・テープ送り量0[mm]のとき
最初の測定値を基準値とする。
【0132】
・テープ送り量1,2,3[mm]のとき
一つ前の停止位置の歯の位置Aから求めた歯の角度θに、理論上の回転量Δθを足して理論上のスプロケット歯の角度θ’=θ+Δθとして理論値X’とする。
歯の位置Aから歯の角度θは以下の式で求められる。
【0134】
理論上のスプロケット歯の角度θ’は以下のようになる。
【0136】
よって、スプロケット歯の位置の理論値A’は次で求められる。
【0138】
スプロケット歯の位置Aと理論値A’からスプロケット歯位置誤差dを求める。
スプロケット歯位置誤差dは、
図19に示すように、歯底円の接線方向とする。
【0142】
ここでは、一例であるが、以上のようにして誤差および補正値が算出される。
【0143】
尚、本実施形態では、
図10に示すように2つのエッジ全周分が撮影範囲内に常に入るように撮影範囲が定められているが、
図13を参照して説明したように両端の領域では内側のエッジ部分の検出が行なわれるため、2つのエッジ全周が写り込まれている必要はなく、撮影範囲は、隣接する2つのエッジの検出を行なうことができる範囲であればよい。