(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、表示パネルと計算機とを備える営業端末システムにおいて、前記表示パネルは、第一の表示部と第一の制御部とを備え、前記計算機は、画面情報を記憶する記憶部と第二の制御部とを備え、前記第一の制御部は、前記表示パネルと前記計算機とが接続中であるか否かを判断し、接続されていない場合は、予め設定された画面を前記第一の表示部に表示し、接続されている場合は、前記計算機から前記画面情報を受信し、前記画面情報を前記第一の表示部に表示し、前記第二の制御部は、前記表示パネルと前記計算機とが接続中であるか否かを判断し、接続されている場合は、前記画面情報を検索し、検索された前記画面情報を前記表示パネルに送信することを特徴とする営業端末システムの実施形態について説明する。
【0014】
最初に、
図1〜
図5に示す図を用いて、本発明における営業端末システムの構成について説明する。営業端末システムは、防犯機能付表示パネルと、持ち運び可能なポータブル計算機とを含むものである。
【0015】
図1は、営業端末システムの平面図である。営業端末システム100は、少なくとも防犯機能付表示パネル201と、ポータブル計算機202とを備えている。
【0016】
防犯機能付表示パネル201は、窓口行員と銀行利用者との間に設置される窓口カウンタ301の天板上の1箇所または複数箇所に設けられており、窓口行員の安全性を確保する防犯機能と銀行利用者へ銀行の案内等を表示する機能と備えた表示パネルである。外観の詳細については、後述にて説明する。
【0017】
ポータブル計算機202は、タッチパネルなどの操作表示部を備えた持ち運び可能な計算機である。本実施例においては、窓口行員が利用する装置であり、表示機能と操作受付機能と計算機能が一体化した装置である。また、ポータブル計算機202は、防犯機能付表示パネル201の窓口行員側に接続される装置である。なお、ポータブル計算機202は、操作表示部の代わりに、キーボードなどの操作部とディスプレイなどの表示部とが分かれた計算機であっても良い。
【0018】
図2は、営業端末システムの正面図(銀行利用者側から見た図)である。防犯機能付表示パネル201にポータブル計算機202が接続されたとしても、銀行利用者側から見た場合は、防犯機能付表示パネル201に隠れるようになっている。なお、中央部に2つ設けられた防犯機能付表示パネル201は1つとしても良く、当該防犯機能付表示パネル201を他の防犯機能付表示パネル201より大きくしても良い。
【0019】
図3は、防犯機能付表示パネル201を窓口カウンタ301の天板上に設置した場合の側面図である。カウンタ301は銀行利用者側に設けられた天板の高さが、窓口行員側に設けられた行員机の高さより高くなっている。また、行員机の一部が天板の下側に隠れるように設けられているため、行員机上の書類が銀行利用者に見えることを防止することが可能である。なお、行員机のプライバシーを確保することが可能であれば、銀行利用者側に設けられた天板の高さと行員机の高さとをほぼ同一としても問題はない。また、ポータブル計算機202は防犯機能付表示パネル201の内側に設置される形となる。
【0020】
図4は、防犯機能付表示パネル201の構成図である。この内、
図4(a)は、防犯機能付表示パネル201の側面図であり、
図4(b)は、防犯機能付表示パネル201の正面図である。防犯機能付表示パネル201は、表示部(第一の表示部)2011と、記憶部2012と、ポータブル計算機202との接続部2013とから構成されている。
【0021】
表示部2011は、例えば、防犯板上に液晶パネルを設置した構成や、透明な防犯板の中に透明な液晶パネルを搭載した構成である。記憶部2012は、防犯機能付表示パネル201に表示する画面コンテンツを格納する部分であり、例えばRAM、ROMなどである。
【0022】
これらの内、表示部2011は銀行利用者側から視認可能な位置に設置されており、記憶部2012と接続部2013とは、窓口行員側から視認可能な位置に設置されている。
【0023】
図5は、防犯機能付表示パネル201にポータブル計算機202を接続した状態を示す図である。防犯機能付表示パネル201とポータブル計算機202とは、上記接続部2013と、ポータブル計算機202の接続部2025とを介して接続される。このとき、ポータブル計算機202は、防犯機能付表示パネル201から露出せずに、銀行利用者から視認できない状態で接続されている。例えば、
図5に示すように、ポータブル計算機202は、銀行利用者側に傾いた状態で接続されている。すなわち、防犯機能付表示パネル201は、ポータブル計算機202の収納部を備えている。
【0024】
図6は、本実施例における営業端末システムの機能ブロック図である。防犯機能付表示パネル201は、表示部2011と、記憶部2012と、接続部2013と、これらを制御する制御部(第一の制御部)2014とを備えている。
【0025】
ポータブル計算機202は、液晶パネルなどの表示部(第二の表示部)2021と、入力部2022と、記憶部2023と、通信部2024と、接続部2025と、これらを制御する制御部(第二の制御部)2026とを備えている。
【0026】
入力部2022は、主にタッチパネルを想定しているが、タッチパネルの代わりにキーボードやマウスなどを用いても良い。記憶部2023は、ポータブル計算機202に表示する画面コンテンツ情報や、後述するコンテンツサーバ203から受信した画面コンテンツ情報を格納する部分であり、例えばRAM、ROMなどである。通信部2024は、コンテンツサーバ203や営業店端末204と通信をする部分である。無線の通信方式として無線LAN(Local Area Network)を想定しているが、情報の送受信が可能であれば、無線LANの代わりに、赤外線通信や有線LANなどを用いてもよい。接続部2025は、防犯機能付表示パネル201と接続する機能を有しており、接続部2013に接続される。接続部2013と接続部2025との接続方式は、無線LAN、有線LAN、赤外線通信など任意の接続方式で良いが、通信部2024の通信と混信しないことが求められる。
【0027】
営業端末システム100は、防犯機能付表示パネル201と、ポータブル計算機202との他に、コンテンツサーバ(第一の上位装置)203と、営業店端末(第二の上位装置)204とを含む。コンテンツサーバ203は、ポータブル計算機202に対して、ポータブル計算機に表示する画面コンテンツ情報を送信する。営業店端末204は、キャッシャや通帳プリンタやスタンド型スキャナやディスプレイやキーボードやマウス等で構成された端末である。なお、営業店端末204の詳細な構成に関しては、本実施例に説明においては省略する。
【0028】
図7は、記憶装置2012に格納するデータを示したテーブルである。
図7は、後述するフローチャート(
図8)のステップS30において表示する、画面コンテンツ情報を格納するデフォルト画面コンテンツ情報700である。デフォルト画面コンテンツ情報700は、識別番号情報701と、表示コンテンツ情報702とから構成される。識別番号情報701は、デフォルト画面コンテンツ情報を識別するための識別番号である。表示コンテンツ情報702は、防犯機能付表示パネル201の表示部2011に、後述するフローチャート(
図8)のステップS30において表示する画面コンテンツである。
【0029】
図8は、本実施例における営業端末システムの処理を示す基本フローチャートである。ステップS10〜ステップS50までは、防犯機能付表示パネル201で実施される。また、ステップS60〜S70、S90、S110は、ポータブル計算機202で実施される。また、ステップS80は、ポータブル計算機202及びコンテンツサーバ203で実施され、ステップS100は、ポータブル計算機202及び営業店端末204で実施される。なお、防犯機能付表示パネル201で実施される処理は、制御部2014が実行し、ポータブル計算機202で実施される処理は、制御部2016で実施するものとする。
【0030】
ステップS10では、防犯機能付表示パネル201がポータブル計算機202と接続しているかを確認する処理を準備する。ステップS20では、防犯機能付表示パネル201がポータブル計算機202と接続しているか否かを判断する。防犯機能付表示パネル201がポータブル計算機202と接続していない場合(NO)には、ステップS20の次に、ステップS30を実行する。一方、防犯機能付表示パネル201がポータブル計算機202と接続している場合(YES)には、ステップS20の次に、ステップS40を実行する。
【0031】
ステップS30では、防犯機能付表示パネル201に搭載した記憶部2012に格納した情報を読込み、その情報を表示部2011に表示する。一方、ステップS40では、ポータブル計算機202から、防犯機能付表示パネル201に表示する画面コンテンツ情報を受信する。その後、ステップS50では、ステップS40にて受信した画面コンテンツ情報を、防犯機能付表示パネル201に搭載した表示部2011に表示する。
【0032】
ステップS60では、防犯機能付表示パネル201がポータブル計算機202と接続しているかを確認する処理を準備する。ステップS70では、ポータブル計算機202が防犯機能付表示パネル201と接続しているか否かを判断する。ポータブル計算機202が防犯機能付表示パネル201と接続している場合(YES)には、ステップS70の次に、ステップS80を実行する。一方、ポータブル計算機202が防犯機能付表示パネル201と接続していない場合(NO)には、ステップS70の次に、ステップS100を実行する。
【0033】
ステップS80では、コンテンツサーバ203から、ポータブル計算機202の画面に表示する、画面コンテンツ情報を受信する。その後、ステップS90では、ポータブル計算機202の画面に表示する情報を、防犯機能付表示パネル201に送信する。
【0034】
一方、ステップS100では、営業店端末204から画面コンテンツを受信する。ステップS70の次にステップS100を実行することにより、窓口行員が営業店端末からポータブル計算機202に画面を切り替える操作をすることが不要となる。その後、ステップS110では、ステップS100で受信した画面コンテンツをポータブル計算機202の表示部2021に表示する。また、入力部2022から営業店端末204の操作を受付け、営業店端末204へ情報を送信する。
【0035】
図9は、防犯機能付表示パネル201の表示部2011に表示される表示例である。
図9(a)は、901は、表示部2011内に表示する画面枠である。902は、デフォルト画面の「いつも○○銀行をご利用いただきありがとうございます。」といった御礼コンテンツ902の例を含む画面である。
図9(b)は、911は、デフォルト画面の「年末の時期は店内が混みますので、できるだけ、早めに当行へ来店されるようお願いします」のお知らせコンテンツ912の例を含む画面である。
図9(c)は、921は、デフォルト画面の「振込み詐欺にはご注意願います」の注意喚起コンテンツ922の例を含む画面である。
【0036】
続いて、
図10を用いて、ステップS80の詳細フローを説明する。ステップS81とステップS82とは、コンテンツサーバ203で実行する処理である。ステップS83は、ポータブル計算機202で実行する処理である。
【0037】
ステップS81は、コンテンツサーバ203内の記憶装置から、ポータブル計算機202に表示する画面コンテンツ情報を読み込む。ステップS82は、ステップS81で読み込んだ画面コンテンツ情報を、ポータブル計算機202に送信する。ステップS83は、ステップS82でコンテンツサーバ203から送信された画面コンテンツ情報を、通信部2024にて受信する。
【0038】
図11は、コンテンツサーバ203から受信した画面例を示す。
図11(a)の1101は金融情報画面であり、
図11(b)の1111は金融商品情報画面である。これらの金融情報画面1101や、金融商品情報画面1111は、リアルタイムに変化する情報である。ここで、「リアルタイム」とは、システムが処理を行うのに要する制限や、データを正確に処理するために要した時間を考慮した上で、防犯機能付表示パネル201の表示部2011の表示に遅延が生じない間隔毎に情報を取得することである。
【0039】
金融情報画面1101は、為替情報や、平均株価情報などからなる金融情報1102を含む。また、金融商品情報画面1111は、定期預金の金利などからなる金融商品情報1112を含む。
【0040】
コンテンツサーバ203は、金融情報1102や金融商品情報1112など画面コンテンツ情報に含まれる情報をリアルタイムに取得する手段を有しており、これらのリアルタイムな情報を、図示しない通信部を用いてポータブル計算機202の通信部2024へ送信する。更に、ポータブル計算機202は、防犯機能付表示パネル201にリアルタイムな情報を含む画面コンテンツを送信することにより、防犯機能付表示パネル201の表示部2011へ当該画面を表示する。これにより、リアルタイムな情報を防犯機能付表示パネル201へ表示することが可能となる。
【0041】
続いて、
図12を用いて、ステップS100の詳細フローを説明する。ステップS101は営業店端末204で実行する処理である。ステップS102とステップS103とは、ポータブル計算機202で実行する処理である。
【0042】
ステップS101は、営業店端末204のディスプレイ(図示せず)に表示されている画面コンテンツ情報を、ポータブル計算機202に送信する。ステップS102は、ステップS101で営業店端末204から送信された画面コンテンツ情報を、通信部2024にて受信する。
【0043】
図13は、ポータブル計算機202の表示部2012に表示される画面例である。
図13(a)は、入金画面の例である。1301は、表示部2021内に表示する画面枠である。1302は、営業窓口端末204で実行される窓口業務の例としての「入金」の業務を示す文字である。1303は「口座番号」や「入金金額」といったことを示す文字であり、1304は、口座番号や入金金額を入力するエリアである。
図13(b)は、振込画面の例である。1311は、表示部2021内に表示する画面枠である。1312、は営業窓口端末204で実行される窓口業務の例としての「振込み」の業務を示す文字である。1313は、「振込先口座番号」や「振出口座番号」、「振込金額」といったことを示す文字であり、1314は、口座番号や入金金額を入力するエリアである。
【0044】
本発明によれば、設置スペースを増やすことなく、金融商品のコンテンツや営業店端末の画面を窓口の利用者に表示する営業端末システムを提供することが可能となる。また、本発明が解決しようとする課題とその効果には、以下のものも含まれる。
【0045】
窓口行員が店内を移動して窓口業務を実施しようとすると、営業店端末からポータブル計算機に画面を切り替える操作をすることが必要であり、その切替動作が煩雑となる。これに対し、本発明によれば、営業店端末にポータブル計算機を接続可能となり、防犯機能付表示パネルとポータブル計算機の連携によって、柔軟に防犯機能付表示パネルの表示を変更することが可能となる。また、従来型の営業店端末からポータブル計算機への画面切替えを容易にする。
【0046】
また、防犯板に搭載した表示部へは、予め登録した情報のみの表示となり、リアルタイムに表示を変更することができないといった課題がある。本発明によれば、防犯板に搭載した表示部に表示する情報は、コンテンツサーバからリアルタイムに取得した情報を含むため、表示の変更が容易となる。