(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作端末は、複数の前記家電機器のそれぞれと通信が可能なルータ機能を有しており、当該ルータ機能を利用して前記家電機器に対して節電機能を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の家電制御システム。
前記操作端末は、前記家庭内ネットワークに接続されている前記家電機器に対して節電機能を一括して設定するための一括操作手段を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の家電制御システム。
節電を開始する節電開始時刻を予め登録可能であり、前記節電開始時刻になると自動で前記家電機器に対して節電機能が設定されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項記載の家電制御システム。
節電を終了する節電終了時刻を予め登録可能であり、前記節電終了時刻になると自動で前記家電機器の節電機能が解除されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項記載の家電制御システム。
節電機能が設定されている状態において新たに電源がONされた前記家電機器に対して、自動で節電機能を設定することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項記載の家電制御システム。
節電機能は、前記家電機器が有する機能部の出力を制限する機能、または、機能部の少なくとも一部の利用を制限する機能であることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項記載の家電制御システム。
前記家電ネットワークに接続されている前記家電機器のうち節電機能の設定対象から除外する前記家電機器を設定すること、および、前記家電機器が有する機能部のうち節電機能の設定対象から除外する機能部を設定することのうち、少なくとも一方が可能であることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項記載の家電制御システム。
前記家電機器は、節電機能が設定されている状態であること、および節電機能が設定されている期間であることのうち、少なくとも一方を報知する報知手段を有することを特徴とする請求項1から18のいずれか一項記載の家電制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態について
図1から
図6を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の家電制御システム1では、住宅2内に存在する各種の家電機器(一例として、冷蔵庫3、洗濯機4、オーブンレンジ5、エアコン6、照明機器7、テレビ8、ロボット掃除機9、炊飯器10、湯沸かし器11等)および電力監視装置としての分電盤12に、通信手段としての通信アダプタ13がそれぞれ設けられている。この通信アダプタ13は、各家電機器に内蔵あるいは外付けで設けられており、ルータ装置としてのアクセスポイント14との間を通信可能に接続している。本実施形態では、通信アダプタ13は、アクセスポイント14との間を無線通信方式により接続している。また、分電盤12は、住宅2内の総消費電力を測定する測定機能、および、後述するように消費電力が予め定められた上限値を超えると操作端末に対してその旨を通知する通知機能を備えている。これらにより、家庭内ネットワーク15が構築されている。
【0008】
なお、
図1では説明の簡略化のために各家電機器等に同じ通信アダプタ13を設けた例を示しているが、通信機能を設けることができれば、例えば電力線通信や有線通信方式の通信手段を設ける構成であってもよい。また、例示した以外の家電機器が家庭内ネットワーク15に接続されていてもよいし、例えば複数の照明機器7が存在していたりエアコン6が複数台存在したりする構成であってもよいし、例示した家電機器が存在していない等、異なる構成であってもよい。すなわち、
図1に示す家庭内ネットワーク15は、一例であるとともに、その一例に限定されるものではない。
【0009】
家庭内ネットワーク15には、操作端末として携帯端末16やパソコン17(
図1ではPCと示す)が接続されている。また、アクセスポイント14は、外部ネットワーク18(例えば、インターネット)にも接続されており、家庭内ネットワーク15に接続されている各家電機器と、外部ネットワーク18を介してクラウドサーバ19(サーバ)や電力会社のサーバ20等との間の通信を中継する。
操作端末としての携帯端末16は、本実施形態ではいわゆるスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット型端末を想定しており、住宅2内に存在している場合にはアクセスポイント14との間で近距離無線方式により接続可能であるとともに、住宅2外に存在している場合には広域通信により、家庭内ネットワーク15を介さずに直接的に外部ネットワーク18に接続可能である。すなわち、本実施形態における操作端末は、家庭内ネットワーク15に直接的あるいは外部ネットワーク18を介して間接的に接続されている。
【0010】
この携帯端末16は、周知のように各種のアプリケーションを実行可能であるとともに、そのアプリケーションを操作するためのタッチパネル等が設けられた表示部161(
図4参照)と、表示部161の周囲に設けられたスイッチ162等(
図4参照)を有している。これらタッチパネルやスイッチ162は、携帯端末16の操作入力手段として機能する、なお、操作端末としてのいわゆるタブレット型PCやノート型PCも、携帯端末16と同様または類似する構成となっている。また、パソコン17の場合、マウスやキーボード等も操作入力手段に相当する。
【0011】
クラウドサーバ19は、本実施形態では家庭内ネットワーク15に接続されている各家電機器に関する情報が登録されている。具体的には、家電機器の名称や型番等に対応付けて、各家電機器が有する節電機能、および、後述するようにその家電機器を節電対象とするか、家電機器の有する機能部のうちいずれを節電対象とするか、といった条件が登録されている。そして、本実施形態では、携帯端末16等の操作端末に対してなされた節電機能を設定する旨の操作がクラウドサーバ19を介して各家電機器に通知され、各家電機器に節電機能が設定される構成となっている。このため、クラウドサーバ19には、メールアドレス等のユーザに関する情報も登録されている。
電力会社のサーバ20は、後述するように住宅2が存在している地域の電力需給状態をクラウドサーバ19に対して通知する。つまり、電力会社のサーバ20は、節電に関して、クラウドサーバ19と連携するための機能を備えている。
【0012】
ここで、家電機器の一例である冷蔵庫3について具体的に説明する。
図2に示すように、冷蔵庫3は、制御部30を有している。この制御部30は、CPU31、ROM32、RAM33およびタイマ34等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、ROM32等に記憶されているプログラムを実行することで冷蔵庫3の全体を制御する。また、制御部30は、プログラムを実行することによりソフトウェア的に実現された節電設定部35を有している。この制御部30は、操作パネル36から設定された運転状態となるように、温度センサ37で検出した庫内の温度や開扉センサ38で検出した扉の開閉状態等に基づいて、周知の冷凍サイクルを構成する冷蔵用冷却機構39や冷凍用冷却機構40を制御する。なお、
図2では冷蔵室等用の冷蔵用冷却機構39と冷凍室等用の冷凍用冷却機構40とを設けた例を示しているが、両者を共用する構成であってもよい。
【0013】
また制御部30は、機能部の一例としての除霜装置41および製氷装置42の制御も行っている。除霜装置41は、周知の構成を採用可能であるため詳細な説明は省略するが、冷凍サイクルの冷却器に生じる霜を除去する装置であり、通電によって発熱するヒータ等を備えている。このため、除霜運転が開始されると、ヒータに通電が開始されることにより、除霜装置41を使用しない通常運転時よりも電力消費が増加する。製氷装置42は、周知の構成を採用可能であるため詳細な説明は省略するが、冷蔵庫3内に設けられている製氷皿に水を給水し、製氷皿の温度を検出することで水の温度を間接的に検出し、水が凍ったと判定するまで冷凍サイクルを製氷用に運転し、凍ったと判定すると製氷皿を回転させて氷を貯氷容器に貯蔵する装置である。このため、製氷運転が開始されると、製氷可能な状態となるように冷凍サイクルが制御されること、および、給水用モータ等が駆動されること等によって、電力消費が増加する。
【0014】
通信アダプタ13は、アクセスポイント14との間で近距離無線通信を行うものであり、本実施形態では、冷蔵庫3に着脱可能に設けられている。なお、通信アダプタ13は、冷蔵庫3に内蔵するようにしてもよい。通信アダプタ13を介して送受信される情報には、後述する節電機能の設定、冷蔵庫3の状態(機能部の運転状態や扉の開閉回数等)等が含まれている。なお、冷蔵庫3の場合には基本的には常時通電されているが、洗濯機4等の常時通電されていない家電機器の場合には、電源のON/OFF状態(特に、電源がONされたこと)も通信アダプタ13を介して情報として送信される。
【0015】
このような構成の冷蔵庫3において、機能部としての除霜装置41や製氷装置42は、その運転が節電設定部35により制限されることがある。具体的には、携帯端末16等から後述するように節電機能が設定された場合、節電設定部35は、除霜装置41や製氷装置42の利用を制限することで、消費電力が増加することを防止する。あるいは、節電設定部35は、冷凍サイクルの回転数を低下させること等により、通常運転時の消費電力の削減を図る。このように、冷蔵庫3は、節電設定部35により、機能部の一部を制限したり(例えば、冷凍サイクルの回転数を低下させる)、機能部の全部を制限したり(除霜装置41、製氷装置42の利用の制限。電力ピークのカット)すること等により、消費電力を低減する節電機能を有している。なお、除霜装置41や製氷装置42を夜間に運転するようにする等、電力需要が大きい時間帯には最大出力での運転を抑制して電力ピークをシフトすることも節電機能に含まれる。
【0016】
また、冷蔵庫3の操作パネル36は、報知手段としても機能する。この報知手段は、節電機能が設定されている状態であること、節電機能が設定されている期間であることのうち少なくとも一方をユーザに報知するものである。本実施形態の冷蔵庫3の場合、操作パネル36に例えば「節電中」といったメッセージあるいは記号等が表示されることで、節電機能が設定されている状態であることが報知される、また、例えば「節電中:10時から14時まで」のように節電設定がされている期間を報知してもよいし、「節電中:除霜不可」のように利用が制限されている機能部を直接的に報知したり、「節電中:除霜は夜間に実施します」のように電力ピークをシフトさせる旨を報知したりしてもよい。
【0017】
さて、冷蔵庫3以外の他の家電機器もそれぞれ節電機能を有しているとともに、節電設定部35や報知手段に相当する構成を備えている。
例えば、洗濯機4では、節電機能として、電力ピークをカットするために回転槽の回転数の立ち上げを緩やかにすること、電力ピークをシフトするために洗濯運転を一時的に停止することや洗濯運転の開始時期をずらすこと等が考えられる。また、洗濯機4のように運転中以外は完全に電源が遮断されているような家電機器の場合には、電源をONした際に「節電設定中です」のようなメッセージを表示あるいは音声出力等により報知することで、ユーザに利用を一考するよう促すことも考えられる。
【0018】
オーブンレンジ5の場合、例えば1500W、1000W、600Wのように出力を調節可能であれば、例えば600Wのみを利用可能とすることで上限ワット数を制限したり、スチーム機能を有しているものであればスチーム機能を利用不可としたりすることが考えられる。エアコン6の場合、不快でない程度、例えば夏期に設定温度が26℃であれば28℃に変更したり、冬期に設定温度が30℃であれば28℃に変更するよう、温度変化(室温を調整することにより生じる変化)を緩和させる方向に運転状態を制御すること等が考えられる。また、冷房運転を涼風運転(送風のみを行う運転)に変更したり、暖房運転を保温運転(空気を循環させるような運転)に変更したり、ダブルインバータ方式であれば一方のインバータを停止すること等も考えられる。
【0019】
照明機器7の場合、照度を低下させることが考えられる。テレビ8の場合、バックライトの光量やボリュームを低下させること等が考えられる。ロボット掃除機9の場合、運転を行わないことや、運転後にステーションに戻った際に充電を(節電設定がされている期間には)行わないこと等が考えられる。炊飯器10の場合、保温温度を低下させて電力ピークをカットしたり、炊飯中の停止は仕上がりの低下を招く可能性があるので炊飯を開始する前に節電設定中である旨を報知して電力ピークをシフトさせたりすること等が考えられる。湯沸かし器11の場合、飲料用の小型のものであれば出力の上限ワット数を低くすることで電力ピークをカットしたり、風呂の給湯用のような大型のものであれば夜間電力を利用することで電力ピークをシフトさせたりすること等が考えられる。
【0020】
すなわち、各家電機器は、家電機器の種類に応じて、大きく分けて以下のような節電機能を備えている。
・家電機器の電力ピークをシフトする機能。
・家電機器の電力ピークをカットする機能。
・温度変化を生じさせるような機能部を有する家電機器の場合、その温度変化を緩和させる機能。
・家電機器が有する機能部の出力を制限する機能、または、機能部の少なくとも一部の利用を制限する機能。
なお、これらの節電機能は一例であり、家電機器は、上記したもののうち複数の節電機能を有していてもよいし、例示した以外の節電機能を有していてもよい。また、住宅2内の総消費電力に上限を設け、それを超えるおそれがある場合には例えば家電機器の新たな利用を制限する等、住宅2全体での総消費電力の電力ピークをカットすることも節電機能に含まれる。すなわち、節電機能は、各家電機器を連携させて実現するものであってもよい。
【0021】
次に、上記した家電制御システム1の作用について説明する。なお、説明の簡略化のために、複数の状況に場合分けしつつ説明する。
<<ユーザ操作による節電機能の一括設定>>
まず、家電制御システム1における処理の概略的な流れについて説明する。
図3に示すように、各家電機器は、節電設定指令を受信したか(S1)、および、予め設定されている節電開始時刻になったか(S2)を判定しており、いずれかの場合に(S1:YES、又はS2:YES)、節電制御を行う(S3)。ここで、節電設定指令とは、ユーザが操作端末に対して節電機能を設定するための設定操作を入力(S11。節電設定操作を入力)した際に、クラウドサーバ19を経由して家庭内ネットワーク15に接続されている各家電機器に向けて通知される情報である。また、節電開始時刻とは、節電制御を開始する時刻としてユーザにより予め設定されている時刻である。
【0022】
さて、上記したように、家電制御システム1では住宅2内には複数の家電機器が存在しており、各家電機器が有する節電機能もそれぞれ異なっている。そのため、各家電機器に対して節電機能を設定するのに手間がかかる。そこで、家電制御システム1では、各家電機器に対して節電機能を一括で設定することを可能としている。
より具体的には、
図4に示す設定画面のように携帯端末16の表示部161には、節電機能を一括で設定するための一括設定ボタンM1が表示され、節電設定操作が行われると(一括設定ボタンM1がクリックされると)、節電機能を設定するというユーザの意思が示されたとして、その旨を示す情報である節電設定情報がクラウドサーバ19に通知される。なお、
図4および後述する
図5、
図6の画面表示は、携帯端末16で実行される単独のアプリケーションにより表示してもよいし、各情報をクラウドサーバ19側から取得するいわゆるブラウザアプリケーションにより表示してもよい。
【0023】
このとき、クラウドサーバ19には、上記したように家庭内ネットワーク15に接続された各家電機器に関する情報が予め登録されているため、クラウドサーバ19から各家電機器に対して節電設定指令が通知される。そして、節電設定指令を受信した各家電機器は、それぞれが有する節電機能を設定(節電機能を実行)することで節電制御を行う。このとき、例えば冷蔵庫3であれば、操作パネル36に「節電中」のようなメッセージが表示され、節電機能が設定されている状態であることがユーザに報知される。
このように、家電制御システム1では、操作端末に対する一度の操作により、家庭内ネットワーク15に接続されている複数の家電機器に対して、一括で節電機能を設定することができる。なお、節電機能を設定する節電設定操作は、室外の携帯端末16からも行うことができる。
【0024】
つまり、特許請求の範囲に記載した「節電機能を設定する旨を示す設定操作を1度行う」とは、「ユーザの意思表示が一度行われたこと」を意味するものであり、必ずしも携帯端末16等への操作回数が1回のみということを示すものでは無い。そのため、
図4に示す設定画面を表示させるまでに携帯端末16に対して複数回の操作を行うような場合であっても、最終的に一度の意思表示(本実施形態の場合、一括設定ボタンM1のクリック)により複数の家電機器に対して節電機能を一括で設定できるものであれば、均等の範囲に含まれる。
【0025】
このとき、クラウドサーバ19から各家電機器への節電設定指令の通知は、いわゆるブロードキャストで一斉に通知する構成としてもよいし、各家電機器に対して個別の通知をバックグラウンドで繰り返す構成としてもよい。さらには、アクセルポイントに対して節電設定指令を通知し、アクセスポイント14が各家電機器に節電設定指令を再通知する構成(アクセスポイント14を経由して通知する構成)としてもよい。つまり、操作端末に対するユーザの意思表示が1度であれば、ユーザ操作を伴わない部分における情報の通知回数や伝達経路がどの様なものであっても、均等の範囲に含まれる。
【0026】
また、図示は省略するが、操作端末からは、節電機能を設定する(節電制御を開始する)時刻を節電開始時刻として設定することもできる。この節電開始時刻を予め設定しておくことで、
図3に示したように、家電機器は、ユーザが設定操作を行わなくても節電機能が自動で設定される(節電制御が開始される)。この場合、クラウドサーバ19に節電開始時刻を登録しておき、節電開始時刻になると節電設定指令を通知する構成であってもよい。
【0027】
<<メール機能と連動した節電機能の一括設定:その1>>
上記したユーザ操作による節電機能の一括設定では、ユーザの操作に応じて節電機能を設定したが、地域の電力需要が増加した場合、電力会社等から電子メールにより節電の協力依頼をすることがある。そして、家電制御システム1では、電子メールを受信した際の節電機能の設定をより簡便に行うことができるようになっている。
【0028】
家電制御システム1の場合、
図3に示すように、電力会社のサーバ20から電力需給情報の通知が行われると(S21)、クラウドサーバ19に対して地域の電力需給を示す情報である電力需給情報が通知される。そして、クラウドサーバ19から電子メールにて電力情報が操作端末に通知される。この電力情報は、対応する地域の電力需給状態を電子メール形式で通知するものである。具体的には、電力情報は、
図5に示すような態様で通知され、件名表示部M10に表示された件名、送信元表示部M11(「From」)に表示された送信元、本文表示部M12に表示されたメール本文が含まれている。そして、メール本文には、
図4に示した設定画面へのリンクM13(
図5の場合、「こちら」の文字)や、クラウドサーバ19の節電設定画面(図示省略)のURLへのリンクM14(
図5の場合、https:///www.xxx.co.jp/SETSUDEN)が含まれている。
【0029】
ユーザが設定画面へのリンクM13をクリックすると、
図4の画面が表示される。つまり、携帯端末16は、電力情報を受信する受信画面(
図5)から、節電機能を設定するための設定画面(
図4)へ直接的に遷移可能となっている。また、URLへのリンクM14をクリックすると、クラウドサーバ19の節電設定画面へ遷移する。つまり、電子メールを見たユーザは、アプリケーションを切り替える等の手間をかけなくとも、リンクM13あるいはリンクM14をクリックすれば節電機能の設定画面を表示させることができる。そして、上記したように、一括設定ボタンM1をクリックすることで各家電機器に対して節電機能を一括で設定することができる。
【0030】
<<メール機能と連動した節電機能の一括設定:その2>>
上記したメール機能と連動した節電機能の一括設定:その1では、電子メールを受信した際、ユーザがその内容を確認した後に節電設定操作を行うことで、手動で節電機能を設定するようにしたが、電子メールを受信した際に自動で節電機能を設定してもよい。
この場合、自動で節電機能を設定するか否かは、事前に条件登録されている。具体的には、携帯端末16は、
図4に示す節電設定画面において条件登録タブT2がクリックされると、
図6に示す条件登録画面を表示する。なお、
図6の場合、冷蔵庫3の条件登録画面を示しており、名称表示部M20(
図6では「冷蔵庫」となっている)をクリックすることで、登録対象を他の家電機器に切り替えることができる。なお、節電設定タブT1をクリックすると、
図5に示した節電設定画面となる。
【0031】
この条件登録画面には、第1条件表示部M21、第2条件表示部M22、機能部の一覧を示す第3条件表示部M23および第4条件表示部M24、一覧をスライド表示させるスライドバーM25、条件を登録するための登録ボタンM26等が表示されている。第1条件表示部M21は、節電機能を一括で設定する際に当該家電機器を節電制御の対象とするか否かを設定するものであり、「対象」が選択されている場合には一括設定の対称となり、「対象外」が選択されている場合には、一括設定の対象から除外される。つまり、家電制御システム1では、節電機能の設定対象とする家電機器を個別に設定することが可能となっている。
【0032】
第2条件表示部M22は、メール受信時に自動で節電を行うか否かを設定するものであり、「自動節電」が選択されている場合には、
図5に示したような電子メールを受信すると、ユーザの操作を必要とすることなく、自動で節電機能を一括設定する。第3条件表示部M23および第4条件表示部M24は、家電機器が有する機能部毎に節電制御を行うか否かを設定するためのものであり、例えば冷蔵庫3であれば上記した除霜機能や製氷機能等が設定対象として表示される。つまり、家電制御システム1では、家電機器が有する機能部のうち節電機能の設定対象とする機能部を設定することが可能となっている。また、家電機器に多くの機能部(節電機能の対象となる機能部)がある場合には、スライドバーM25を操作することで表示されていない他の機能部を表示させることができる。
【0033】
この場合、各家電機器が有する節電機能は、操作端末側に登録してもよいが、クラウドサーバ19側にて家電機器の仕様等の情報を記憶しておき、条件登録画面ではクラウドサーバ19にアクセスすることで設定可能な機能部を取得して表示するようにしてもよい。なお、機能部に対する設定だけでなく、上記した例えばオーブンレンジ5の出力の上限ワット数の設定等もこの条件登録画面にて行うことができる。登録ボタンM26は、上記した各設定を登録するためのボタンであり、登録ボタンM26をクリックすることで、節電設定を行う際の条件が、操作端末およびクラウドサーバ19に記憶される。
【0034】
さて、家電制御システム1の場合、電子メールはクラウドサーバ19から送信されている。そのため、件名や本文に節電協力であることを識別可能な文言等を設定しておき、電力その文言等を含む電子メールを受信した際には、自動で節電機能を設定するようにすればよい。あるいは、上記したように家電機器はクラウドサーバ19に予め登録されているので、
図6の条件登録画面で設定した条件をクラウドサーバ19に記憶させておき、電力会社から電力需給情報が通知されると、事前に「自動節電」が選択されている家電機器に対して、電子メールを送信することなく節電機能を設定するようにしてもよい。この場合、自動節電した旨を電子メールでユーザに通知してもよい。
このように、メール機能と連動させて自動で節電機能を設定することにより、例えば電子メールを受信したことに気がつかないような場合であっても、節電に寄与することができる。
【0035】
<<ユーザ操作またはメール機能と連動した節電機能の個別設定>>
上記では節電機能を一括設定する例を示したが、家電制御システム1では、各家電機器を個別に設定することもできる。具体的には、
図4に示す節電設定画面において個別設定ボタンM3をクリックすることにより、操作端末の画面には対称となる家電機器が例えば一覧で表示される。そして、ユーザは、表示された家電機器からいずれかを選択することで、節電機能を家電機器に対して個別に設定することができる。
【0036】
<<ユーザ操作による節電機能の解除>>
家電制御システム1では、節電機能を解除することもできる。具体的には、
図3に示すように、各家電機器は、節電制御中には節電解除指令を受信したか(S4)、および、予め設定されている節電終了時刻になったか(S5)を判定しており、いずれかの場合には(S4:YES、またはS5:YES)、節電制御を終了して節電解除する(S6)。ここで、節電解除指令とは、ユーザが操作端末に対して節電機能を解除するための設定操作を入力(S12。節電解除操作を入力)した際に、クラウドサーバ19を経由して家庭内ネットワーク15に接続されている各家電機器に向けて通知される情報である。また、節電終了時刻とは、節電制御を終了する時刻としてユーザにより予め設定されている時刻である。
【0037】
この場合、携帯端末16の表示部161には
図4に示すように節電機能を一括で解除するための一括解除ボタンM2が表示されるため、ユーザは、一括解除ボタンM2をクリックすることで、節電機能を解除する(節電制御を終了させる)旨を示す節電解除操作を入力することができる。そして、節電解除操作が行われた旨を示す節電解除情報がクラウドサーバ19に通知され、クラウドサーバ19から各家電機器に対して節電解除指令が通知され、各家電機器は節電機能を解除する。
【0038】
このように、家電制御システム1では、各家電機器の節電設定を一括で解除することができる。
また、家電制御システム1では、
図4に示すように節電機能を個別に解除するための個別解除ボタンM4がクリックされると、解除対称となる家電機器が例えば一覧表示され、ユーザは、対象となる家電機器をクリックすること等により選択することで、家電機器の節電機能を個別に解除することもできる。
【0039】
また、図示は省略するが、操作端末からは、節電機能を解除する(節電制御を終了する)時刻を節電終了時刻として設定することもできる。この節電終了時刻を予め設定しておくことで、
図3に示したように、ユーザが設定操作を行わなくても節電機能が自動で解除される(節電制御が終了する)。この場合、クラウドサーバ19に節電終了時刻を登録しておき、節電開始時刻になると節電解除指令を通知する構成であってもよい。
【0040】
以上説明した本実施形態によれば次のような効果を奏する。
通信機能および節電機能を有する複数の家電機器と、操作端末と、を備え、操作端末に対して節電機能を設定する旨を示す設定操作を一度行うことにより、家庭内ネットワーク15に接続されている複数の家電機器がそれぞれ有する節電機能を一括で設定するので、複数の家電機器に対して手間をかけることなく節電機能を設定することができる。
【0041】
家庭内ネットワーク15と接続されている外部ネットワーク18に設けられたクラウドサーバ19をさらに備え、操作端末に対して入力された設定操作を、クラウドサーバ19を経由して節電設定指令として家電機器に通知するので、クラウドサーバ19にアクセスできる場所であればどこからでも節電機能を設定することができ、利便性を向上させることができる。
このとき、操作端末は、家庭内ネットワーク15を介することなく外部ネットワーク18に直接的に接続可能であるので、外出先等からでも節電機能を設定することができ、さらに利便性を向上させることができる。
【0042】
操作端末は、家庭内ネットワーク15に接続されている家電機器に対して節電機能を一括して設定するための一括設定ボタンM1(一括操作手段)を有しているので、一回の操作により節電機能を設定することができる。
操作端末は、対応する地域の電力需給状態を示す電力需給情報を電力情報として受信可能であり、電力情報を受信する受信画面から節電機能を設定するための節電設定画面へ直接的に遷移可能であるので、ユーザは、簡便に節電機能を設定することができる。
この場合、実施形態によれば、電力情報はクラウドサーバ19を介して電子メール形式で操作端末に通知されるので、外出先等であっても受信することができ、積極的に節電に協力することができる。
【0043】
家電機器との間で個別に通信が可能なアクセスポイント14(ルータ装置)を備え、アクセスポイント14に節電設定指令を通知し、アクセスポイント14から各家電機器に対して節電機能を設定することができるので、外部ネットワーク18に接続されていない場合であっても、節電機能を設定することができる。この場合、操作端末からアクセスポイント14に対して節電設定情報が送信されることになる。
また、対応する地域の電力需給状態を示す電力需給情報を受信すると自動で家電機器に対して節電機能を設定するので、ユーザが通知に気がつかないような場合であっても、節電機能を設定することができる。
【0044】
この場合、実施形態のように、予め「自動節電」の登録がなされている家電機器に対しては、電力需給情報を受信したクラウドサーバ19が、ユーザに事前の通知を行うことなく家電機器に対して節電機能を設定してもよい。これにより、電力需給情報が通知されたとき、換言すると、電力が逼迫している状況において、早急に節電機能を設定することができる。また、実施形態のように事後的にユーザに節電機能を設定したことを通知すれば、節電機能を設定する操作をしていないユーザが疑問に感じることもない。
節電を開始する節電開始時刻を予め登録可能であり、節電開始時刻になると、家電機器が自身で判断して節電制御を行うことにより、あるいは、クラウドサーバ19から節電設定指令が通知されることにより、節電機能が自動で設定されるので、昼間等の電力需要が大きい時間帯等、定期的に行う節電制御を容易に設定することができる。
【0045】
節電を終了する節電終了時刻を予め登録可能であり、節電終了時刻になると、家電機器が自身で判断して節電制御を終了することにより、あるいは、クラウドサーバ19から節電解除指令が通知されることにより、節電機能が自動で解除されるので、例えばユーザの帰宅時間に合わせるような定期的な動作を容易に設定することができる。
節電機能として、家電機器の電力ピークをシフトすること、家電機器の電力ピークをカットすること、温度変化を生じさせる機能部を有する家電機器においてその温度変化を緩和させること、家電機器が有する機能部の出力を制限すること、または、機能部の少なくとも一部の利用を制限すること等を設定できるので、家電機器の種類に応じて適切な節電制御を行うことができ、地域の電力バランスに貢献することができる。また、例えばエアコン6等の場合、運転を停止するのではなく、不快でない程度に温度設定を変更するので、家電機器の利便性やユーザの快適性を過度に低下させることがない。
【0046】
節電機能の設定対象から除外する家電機器を設定すること、および、家電機器が有する機能部のうち節電機能の設定対象から除外する機能部を設定することができるので、例えば熱中症等が懸念される状況ではエアコン6を設定対象から除外したり、温度設定の変更を禁止あるいは変更可能な範囲を狭くしたりすること等ができ、過度に快適性が低下することがない。
家電機器は、節電機能が設定されている状態であること、および節電機能が設定されている期間であることを報知するので、ユーザに対して節電意識を持たせることができる。また、それらを報知することで、例えば機能部を制限している際に誤って故障等と誤判断されることを防止できる。
【0047】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態にて例示したものに限定されることなく、変形、拡張或いは組み合わせることができる。
一実施形態では、アクセスポイント14を介して家電機器と通信する構成を示したが、操作端末にルータ機能を設け、当該ルータ機能を利用して操作端末から家電機器に対して直接的に節電機能を設定する構成としてもよい。つまり、操作端末と通信アダプタ13との間を直接的に通信可能に接続する構成としてもよい。この場合、
図7に示すように、節電設定操作が行われると(S11)、あるいは、節電解除操作が行われると(S12)、それを示す節電設定情報あるいは節電解除情報が家電機器に対して通知されることになる。このとき、上記した一括設定、一括解除、個別設定あるいは個別解除を行うこともできる。また、一括設定する場合、ユーザの一度の操作で、複数の家電機器に対してブロードキャストにて通知してもよいし、個別の通知をバックグラウンドで繰り返してもよい。
【0048】
一実施形態では地域の電力需要を電力会社のサーバ20から取得する例を示したが、家庭内の消費電力を測定する測定機能と、消費電力が予め定められた上限値を超えるとその旨を通知する通知機能とを有する分電盤12(電力監視手段)から、
図6に示したような電子メール形式等で通知を行い、その受信画面から節電設定画面へ直接的に遷移する構成としてもよい。これにより、住宅2単位で電力ピークのカット等を行うことができる。
また、分電盤12からの通知を受信した場合に、自動で家電機器に対して節電機能を設定する構成としてもよい。この場合、一実施形態と同様に、操作端末で通知を受信したことに応じて自動で設定してもよいし、分電盤12からクラウドサーバ19に通知するようにし、「自動節電」の登録が行われている家電機器についてはユーザの操作を要することなく節電機能を設定してもよい。いずれにしろ、一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
家電機器から自身の電源のON/OFFの状態が通知されるので、例えば節電機能が設定された時点では電源がOFFされており、節電制御が行われている期間に電源がONされたことが通知された場合、その家電機器に対して節電機能を設定してもよい。この場合、電源がONされた家電機器からの通知を操作端末で受信する構成とし、ユーザの操作により節電機能を設定してもよいし、通知をクラウドサーバ19に対して行う構成とし、ユーザの操作を伴わずに自動で節電機能を設定してもよいし、通知をアクセスポイント14に対して行う構成とし、ユーザの操作を伴わずに自動で節電機能を設定してもよい。また、電源をONした際に「節電設定中です」のようなメッセージを表示あるいは音声出力等により報知することで、ユーザに利用を一考するよう促すこともできる。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。