(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大内側外側寸法が、大腿骨幹端スリーブの第1のテーパ形状の本体の最大内側外側寸法より大きいか又はこれに等しく、
前記第2の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大内側外側寸法が、前記大腿骨幹端スリーブの第2のテーパ形状の本体の最大内側外側寸法より小さい、請求項1に記載の整形外科用手術器具システム。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含されるすべての改変物、均等物及び代替物を網羅することを意図するものである点は理解されるべきである。
【0032】
解剖学的基準を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント及び整形外科用手術器具に関して、並びに患者の自然の解剖学的構造に関して使用されてよい。これらの用語は、解剖学的構造の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的基準を表す用語の使用は、特に断らない限りは、それらの広く理解されている意味と一貫性を有するものとする。
【0033】
図1は、本発明の原理を説明する、モジュール式膝補綴システムの大腿骨コンポーネントの例を示す。該システムの大腿骨コンポーネントは、遠位曲面凸状顆表面12、14を有する遠位大腿骨コンポーネント10を含む。図示された遠位大腿骨コンポーネントは、後部安定化コンポーネントである。
図1に示されるシステムはまた、大腿骨ステム16と、ステム16と遠位大腿骨コンポーネント10及びボルト20との間に配置されるカラー18とを含み、それにより、ステム16及びカラー18は遠位大腿骨コンポーネントに選択的に装着され得る。各ステム16は、平滑であり、かつ、遠位端における最大外径から、遠位端の近位にある位置における最小外径まで先細になる、切頭円錐外表面を有する。ステム拡張部22も提供される。前述のコンポーネントの全ては、例えば、DePuy Orthopaedics,Inc.(Warsaw,Indiana)から入手可能なP.F.C.SIGMA.(登録商標)膝用システムの標準部品であり得る。図示された実施形態の各ステム16は、「Modular Orthopaedic Implant System with Multi−Use Stems」と題された米国特許公開第2006/0030945号に例示されるもののような形状を有してもよい。ステム16はまた、「Medical Fastening System」と題された米国特許第6,171,342号、「Medical Fastening System」と題された米国特許第5,824,097号、「Modular Knee Prosthesis」と題された米国特許第5,782,921号に例示されるもののような形状を有してもよい。同様に、米国特許公開第2006/0030945号に記載されるように、ステム拡張部は、
図1に例示されるもののような形状を有してもよい。これらのコンポーネントは例示のみを目的に記載され、本請求項で明示しない限り、本発明は任意の特定の遠位大腿骨コンポーネント又はステム又は任意の他の特定のコンポーネントに限定するものではないことが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネント10は、図示されたステムアダプタ16、カラー18、及びボルト20の代わりに、一体式ステム16を有してもよい。
【0034】
図1に示される実施形態では、図示したシステムの大腿骨コンポーネントは、複数のサイズの骨幹端スリーブ24、24A、24B、24Cを含む。以下でより詳細に説明するように、4つのサイズの骨幹端スリーブ24、24A、24B、24Cの外面の幾何学形状は、それらの軸長の大部分にわたって同じである。複数のサイズの遠位大腿骨コンポーネント10及びステム拡張部22が、典型的には、モジュール式膝補綴システムに含まれることになることを理解すべきである。本発明の原理を利用するモジュール式膝補綴システムは、より少ない又は多くのサイズの骨幹端スリーブ24、24A、24B、24Cを含み得ることも理解すべきである。
【0035】
図2に示すように、脛骨側において、キットは脛骨トレイコンポーネント30、脛骨軸受挿入部32及びステム・エクステンション34を含む。図示された脛骨トレイコンポーネント30は、DePuy Orthopaedics,Inc.(Warsaw,Indiana)より入手可能な、商業用MBT改正脛骨トレイである。トレイコンポーネント30は、ステム・エクステンション34を取り付けることができる雌ネジ部を持つ1つの穴(図示せず)が開いた一体式ステム部分36を有する。ステム部分36の外表面は、滑らかに仕上げられており、関節動作面から離れる方向に先細になり、キール31、33を介して脛骨トレイコンポーネント30の下面に接続される。ステム部分36は、プラットフォーム38から遠位に延び、該プラットフォーム38は、その上に脛骨軸受挿入部32が載る近位面を有する。脛骨コンポーネントはまた、脛骨トレイコンポーネント30のテーパ形状のステム部分36と摩擦係止するようにサイズ設定されて成形されたテーパ穴(図示せず)を有するスリーブ40などのような、1種以上の種類又はサイズの骨幹端スリーブを含んでもよい。これら脛骨コンポーネントは例示のみを目的に記載され、特許請求の各項において明示的に要求されていない限りにおいて、本発明は任意の特定の種類の脛骨コンポーネント又はステム、あるいは任意の他の特定のコンポーネントに限定されるものではないことを理解すべきである。例えば、脛骨コンポーネントは、米国特許第7,628,818号及び同第8,128,703号(これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているような、一体型で全てポリマーのコンポーネント又は固定軸受システムを含んでもよい。
【0036】
遠位大腿骨コンポーネント10の曲面凸状顆12、14と、脛骨軸受挿入部32の曲面凸状顆表面(脛骨軸受挿入部の曲面凸状顆表面は、
図2に37、39に仮想線で示されている)の接合点は、膝を曲げ伸ばしする際の、大腿コンポーネントと脛骨コンポーネントとの関節接合を画定する。患者の脚が伸展状態にあるとき、曲面凸状顆12、14と凹状顆表面37、39との間の接点は、遠位継ぎ目に相当する。膝が完全伸展から曲げられると、完全屈曲(大腿顆の後面が軸受表面と接触するとき)における継ぎ目が遠位継ぎ目と若干異なり得るように、遠位大腿骨コンポーネント10及び脛骨軸受挿入部32は互いに対して運動する。脛骨インサート上の遠位大腿骨コンポーネントの顆表面の接点の接線である継ぎ目の平面は、
図1及び
図13では21、及び
図14では21Aで示されている。
【0037】
典型的なモジュール式膝補綴システム又はキットは、複数のサイズの図示した各脛骨コンポーネント30、32、34、40を含むことを理解すべきである。
【0038】
骨幹端スリーブ24、24A、24B、24Cは、骨の骨幹端における該骨の状態が追加的支持又は固定を必要としている骨と共に用いられるように設計される。大腿スリーブ24、24A、24B、24Cのそれぞれは、遠位基部47、47A、47B、47Cと、遠位基部から近位端26、26A、26B、26Cまで近位に延びる段付き部分49、49A、49B、49Cと、を含む外表面を有する。各段付き部分49、49A、49B、49Cは、
図3〜
図10では大腿スリーブ24、24A、24B、24Cに関して50A、50B、50C、及び50Dで示され、脛骨スリーブ40に関して54で示される(
図2)、複数の隣接する段差又は段丘を有する。大腿スリーブでは、段を有する外表面は近位に先細になる、即ち、遠位端56、56A、56B、56Cにおける段50、50A、50B、50Cは、最大前方後方及び内側外側寸法を有し、近位端26、26A、26B、26Cにおける段50、50A、50B、50Cは、最小前方後方及び内側外側寸法を有し、中間の段は、遠位端56、56A、56B、56Cから近位端26、26A、26B、26Cに向かって徐々に小さくなる。脛骨スリーブ40では、外表面は遠位に先細になる、即ち、最も遠位の段は、最小前方後方及び内側外側寸法を有し、最も近位の段は、最大前方後方及び内側外側寸法を有し、中間の段は、近位端から遠位端に向かって徐々に小さくなる。
【0039】
段50、50A、50B、50Cの数及びサイズは、図示された実施形態の段の数及びサイズと異なっていてもよいことを理解すべきである。例えば、骨幹端スリーブ24、24A、24B、24Cの外表面は、段を有してもよく、DePuy Orthopaedics,Inc.(Warsaw,Indiana)によって販売されている標準的な市販の骨幹端スリーブのように成形されてもよく、また、例えば、米国特許第7,799,085号などの従来技術に開示されているスリーブのように構成されてもよい。スリーブ24、24A、24B、24Cの外表面はまた、従来技術に開示されているように、骨内部成長を促進するために多孔質コーティングを施されていてもよく、この多孔質コーティングは、スリーブ24、24A、24B、24Cの段を有する外表面のほぼ全て又は一部に及んでもよい。
【0040】
図1、
図3〜
図6、及び
図11〜
図12に示されるように、図示した大腿スリーブ24、24A、24B、24Cは、近位穴68、68A、68B、68C及び遠位穴72、72A、72B、72Cを画定する内面64、64A、64B、64Cを有する。各大腿スリーブ中の近位穴68、68A、68B、68C及び遠位穴72、72A、72B、72Cは、接続され、穴の中央長手方向軸76、76A、76B、76Cに沿って整列され得る。
【0041】
大腿スリーブ24、24A、24B、24Cの近位穴68、68A、68B、68Cは、ステム拡張部22の遠位端80を収容するようにサイズ設定されて成形される。したがって、その遠位端にモールステーパポストを有するステム拡張部では、近位穴は、モールステーパポストを収容しかつこれと摩擦係止するようにサイズ設定されて成形されたモールステーパ穴を含むことになる。あるいは、ねじ付き遠位端を有するステム拡張部では、ステム拡張部のねじ付き遠位端を受容してこれに係止するために、近位穴にはねじ山が設けられる。米国特許第7,799,085号に開示されているように、異なる種類のステム拡張部を使用可能とするアダプタを使用してもよい。
【0042】
大腿骨幹端スリーブ24、24A、24B、24Cの遠位穴72、72A、72B、72Cは、切頭円錐モールステーパ穴であり、スリーブ24、24A、24B、24Cの遠位端56、56A、56B、56Cから、スリーブ24、24A、24B、24Cの近位端26、26A、26B、26Cに向かって先細になる。これら遠位穴72、72A、72B、72Cは、遠位大腿骨コンポーネント10の、モールステーパポストを画定するステム又はアダプタ16に装着可能であり、かつ、遠位大腿骨コンポーネントのステムと骨幹端スリーブとの間に摩擦係止をもたらすように、サイズ設定され、成形され、仕上げられる。
【0043】
本明細書で使用するとき、「モールステーパ」は、嵌め合いコンポーネント間のロッキングテーパの一種類を指す。一般に、モールステーパポスト及び穴は、実質的に同じテーパ角の切頭円錐形状を有し、ポストと、穴を画定する壁との間の緊密な摩擦係合が可能となるように、それらの長さに沿ったある点で相補的な外径及び内径を有する。かかるロッキングテーパのための標準的なテーパ角及び標準的な表面仕上げを、本発明において用いることができる。他の種類のテーパ形状のコンポーネントを使用することができることが理解されるべきである。
【0044】
図示した膝補綴システムでは、各サイズのスリーブ24、24A、24B、24Cの遠位穴72、72A、72B、72Cは、スリーブの遠位端56、56A、56B、56Cにおいて同じ最大内径を有する。この最大内径は、遠位大腿骨コンポーネント10のステム又はアダプタ16のテーパ形状の切頭円錐外表面75の最大外径と実質的に一致する。スリーブ24の内面64、64A、64B、64Cが、ステム又はアダプタ16のテーパ形状の切頭円錐外表面75と係合及び摩擦係止すると、スリーブ24、24A、24B、24Cと、ステム又はアダプタ16との軸方向の相対移動が、2つをしっかりと係止するように、全てのサイズのスリーブ24、24A、24B、24Cの遠位穴72、72A、72B、72C、及びステム又はアダプタ16のテーパ形状の切頭円錐外表面75は、実質的に同じテーパ角で近位方向に先細になる。
【0045】
図3、
図7、及び
図13に示されるように、最小サイズの大腿骨幹端スリーブ24の段を有する外表面49は、遠位基部47と近位端26との間に「L」で示される軸方向の全長を有する。次に大きいサイズの大腿骨幹端スリーブ24Aの段を有する外表面49Aは、基部47Aと近位端26Aとの間に「L+X」である軸方向の全長を有する(寸法「L」及び「X」は
図4及び
図8に示されている)。次に大きいサイズの大腿骨幹端スリーブ24Bの段を有する外表面49Bは、基部47Bと近位端26Bとの間に「L+X+Y」である軸方向の全長を有する(「L」、「X」、及び「Y」は
図5及び
図9に示されている)。最も大きいサイズとして図示されている大腿骨幹端スリーブ24Cの段を有する外表面49Cは、基部47Cと近位端26Cとの間に「L+X+Y+Z」である軸方向の全長を有する(「L」、「X」、「Y」、及び「Z」は
図6、
図10及び
図14に示されている)。異なるサイズの大腿骨幹端スリーブは、それぞれのサイズ間の差が数ミリメートル(例えば、4ミリメートル)で提供されてもよく、したがって、X=4mm、Y=4mm、及びZ=4mmとなる。こうした寸法は、例としてのみ与えられるものであって、特許請求の各項において明示的に要求されていない限りにおいて、本発明は特定の寸法に限定されるものではないことを理解すべきである。
【0046】
図示したモジュール式膝補綴システムでは、全てのサイズの大腿骨幹端スリーブ24、24A、24B、24Cの段を有する外表面49、49A、49B、49Cの幾何学形状は、軸長「L」にわたって本質的に同一である。最小スリーブの「L」が68mmの場合、他のスリーブサイズ24A、24B、24Cの近位68mmのサイズ及び形状は、最小スリーブ24の近位68mmのサイズ及び形状と本質的に同一である。言い換えれば、スリーブは、図示した全てのサイズの大腿骨幹端スリーブ24、24A、24B、24Cの軸長「L」にわたって、同じ数の段を有し、各段は、同じ最大内側外側寸法、同じ最大前方後方寸法、同じ軸方向の高さ、及び同じ形状を有する。サイズの異なる大腿骨幹端スリーブは、基部47、47A、47B、47Cのサイズ、及び、最小スリーブ24の長さ「L」を超えた部分である、スリーブの軸方向延長部と一致する遠位部分の点だけが異なる。
【0048】
図13及び
図14は、最小及び最大の図示した大腿骨幹端スリーブ24、24Cと、遠位大腿骨インプラントコンポーネント10、大腿骨ステム拡張部22、脛骨トレイ30、脛骨インサート32、及び脛骨ステム拡張部34との組立体を示す。図示した組立体は、近位端26、26Cにおける面(100及び102で示される面)から、継ぎ目の面(
図13では21、及び
図14では21Aで示されている)までの最大軸長を有する。組立体のこれら最大軸長は、
図13ではAL1で、
図14ではAL2で示されている。AL2は、最小スリーブ24の長さ「L」を超えた部分である、スリーブ24Cの軸長である寸法「X+Y+Z」だけAL1より長い。
【0049】
図13及び
図14の比較からも分かるように、より大きなスリーブ24Cを使用して、継ぎ目21を位置21Aまで、オフセット距離o
1だけ遠位に移動させる。このオフセット距離o
1はまた、寸法「X+Y+Z」と一致する。同様に、スリーブ24Aを使用して継ぎ目を寸法「X」だけ遠位に移動させ、スリーブ24Bを使用して継ぎ目を寸法「X+Y」だけ遠位に移動させる。
【0050】
異なるサイズのスリーブ24、24A、24B、24Cの段を有する外表面49、49A、49B、49Cの幾何学形状は、軸長「L」にわたって同じであるので、外科医は、大腿遠位を、最も小さいサイズの大腿スリーブ24を収容するように準備することができる。外科医が手術中に、継ぎ目を遠位に移動させる必要があると決断した場合、外科医は、他のサイズのスリーブ24A、24B、24Cのいずれかを使用することができ、こうしたより大きなサイズのスリーブの近位部分は、より小さなスリーブを収容するために大腿骨中に準備された開口部に嵌入して、該大腿骨から距離「X」、「X+Y」又は「X+Y+Z」だけ遠位に延び、それによって継ぎ目を遠位にオフセットさせる。外科医は、骨空洞を更に作製することなく、この遠位への移動を達成することができる。
【0051】
上述したように、大腿増補体は、継ぎ目を遠位に移動させるときに、大腿骨インプラントコンポーネントの遠位及び後方骨接面上で使用され得る。例示の実施形態では、
図14に示されるように、遠位増補体110は、スリーブ24Cが用いられるときに、遠位大腿骨インプラントコンポーネント10の一対の遠位固定面109の一方に取り付けられることができる。例示の実施形態では、増補体109の厚さは、オフセット距離o
1と等しい。遠位固定面109の一方は、顆表面12に対向して配置され、他方の遠位固定面109は、顆表面14に対向して位置付けられる。別の遠位増補体も同様に、かかる表面に取り付けることができることが理解されるべきである。スリーブ24を使用する場合は、
図13に示されるように、増補体は必要ない。
【0052】
本発明の原理は、膝用インプラントシステムの脛骨コンポーネント、例えば、
図2に示される脛骨スリーブ40などにも適用され得ることもまた理解されるべきである。かかるシステムにより、外科医は、脛骨トレイのプラットフォーム38に近位オフセットを提供するコンポーネントを選択できるようになる。
【0053】
本明細書に記載される補綴システムのコンポーネントの全ては、脛骨軸受挿入部32に関しては標準的なポリマー(例えば、UHMWPE)などの標準材料で、また、残りのコンポーネントに関してはコバルト−クロム合金及びチタン合金などの標準的な金属で作製され得る。骨内部成長を促進するため、スリーブ24、24A、24B、24Cは、多孔質コーティングを施されてもよく、又は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第20100057212号(「Porous Titanium Tibial Sleeves and Their Use in Revision Knee Surgery」)及び同第20100076565号(「Porous Titanium Femoral Sleeves and Their Use in Revision Knee Surgery」)に開示されているようにチタンフォームを含むことができる。
【0054】
ここで
図15〜
図37を参照すると、別のモジュール式膝補綴システムが、大腿骨コンポーネント(以下コンポーネント200という)の異なる実施形態で示されている。モジュール式膝補綴システムと共に使用するための整形外科用手術器具システム300も示されている。
図15〜
図37に図示した実施形態のいくつかの特徴は、
図1〜
図14の実施形態を参照して上述されたものと実質的に同様である。そのような特徴は、
図15〜
図37では、
図1〜
図14で使用されたものと同じ参照番号を用いて指定される。
【0055】
図15に示されるように、システムの大腿骨コンポーネント200は、遠位曲面凸状顆表面12、14を含む大腿骨コンポーネント210を含む。表面12、14は、自然の大腿骨顆に近づけるやり方で成形される(即ち、曲げられる)。例示の実施形態では、顆表面12は内側顆表面12であり、顆表面14は外側顆表面14である。表面12、14は互いに離間され、それによって、それらの間に顆間切痕を画定する。
【0056】
顆表面12、14は、大腿骨コンポーネント210の軸受表面212に形成され、大腿骨コンポーネント210は、軸受表面212に対向して位置付けられる固定面214を含む。大腿骨コンポーネント210は、面214から離れる方向に上方に延びる細長いステムポスト216も含む。細長いステムポスト216は、例えば、ステム拡張部22などのステムコンポーネントを収容するように、又は、例えば、上述のスリーブ24、24A、24B、24C、若しくは以下により詳細に記載されるスリーブ224、224A、224Bなどの骨幹端スリーブと嵌合するように構成される。
【0057】
具体的には、
図15に示されるように、大腿骨コンポーネント210の細長いステムポスト216は、中に画定されたテーパ穴218を有し、ポスト216をステム拡張部22にテーパロックするために、ステム拡張部22のテーパ形状の遠位端80が該テーパ穴218の中に進められる。遠位大腿骨コンポーネント10のアダプタ16と同様に、細長いステムポスト216の外表面220も先細になっており、スリーブ24、24A、24B、24Cのそれぞれ遠位穴72、72A、72B、72Cのうちの1つ、又はスリーブ224、224A、224Bのそれぞれテーパ形状の遠位穴272、272A、272Bのうちの1つの中に進められる。上述したように、各遠位穴は、対応するスリーブと大腿骨コンポーネント210との間に、例えば、テーパロックなどの摩擦係止をもたらすように成形されかつ仕上げられる。例示の実施形態では、外表面220はモールステーパを形成する。
【0058】
大腿骨コンポーネント210の固定面214は、顆表面12、14に対向して位置付けられる多くの面230、232、234、236を含む。例示の実施形態では、固定面214は、遠位大腿骨コンポーネント10の遠位固定面109と同様の一対の遠位固定面230を含む。遠位固定面230の一方は内側に位置付けられ、他方は外側に位置付けられている。固定面214は、一方が内側に位置付けられ、他方は外側に位置付けられている、一対の後方固定面232を更に含む。
図15に示されるように、後方固定面232は、概ね上位/下位方向に延びる。
【0059】
固定面214は、一方が内側に位置付けられ、他方は外側に位置付けられている、一対の後方チャンファ面234をも含む。内側及び外側の後方チャンファ固定面234は、そのそれぞれの外側及び内側遠位固定面230から、そのそれぞれの後方固定面232まで、上方及び後方に延びる。
図15に示されるように、固定面214は、一方が内側に位置付けられ、他方は外側に位置付けられている、一対の前方チャンファ面236を有する。内側及び外側の前方チャンファ固定面236は、そのそれぞれの外側及び内側遠位固定面230から、そのそれぞれの後方固定面232まで、上方及び後方に延びる。
【0060】
固定面230、232、234、236のそれぞれは、その中に形成されたセメントポケットを有する。例示の実施形態では、大腿骨コンポーネント210の内側及び外側固定面214の両方に単一の連続したセメントポケット240が形成されるように、セメントポケットは互いに隣接している。各セメントポケット240は、対応の固定面214から底壁244まで内側に延びる側壁242によって確定される。
【0061】
装着開口250が各遠位固定面230に画定される。
図15に示されるように、開口250は、セメントポケット240内に位置付けられたリム254から内側に延びる円筒壁252によって確定される。以下により詳細に説明されるように、開口250は、増補体コンポーネント342、344を大腿骨コンポーネント210に固定するために、遠位増補体コンポーネント342、344の装着プラグ256を収容するようにサイズ設定される。
【0062】
別の装着開口260は、各後方固定面232に画定される。
図15に示されるように、開口260は、セメントポケット240内に位置付けられたリム254から内側に延びる円筒壁252によって確定される。以下により詳細に説明されるように、開口260は、増補体コンポーネント346、348を大腿骨コンポーネント210に固定するために、後方増補体コンポーネント346、348の装着プラグ256を収容するようにサイズ設定される。
【0063】
図15に示されるように、大腿骨コンポーネント200は、複数のサイズの骨幹端スリーブ224、224A、224Bを含む。上述したスリーブ24、24A、24B、24Cと同様に、3種類のサイズの外面を有するスリーブ224、224A、224Bの幾何学形状は、それらの軸長の一部にわたって同じである。本明細書で用いる用語「同じ」、「一致」、又は「同一」は、同じ寸法及び構造を有するように設計されたコンポーネントを指す。かかるコンポーネントは、コンポーネントがある点でわずかに変化する原因となる、一般に認められる公差又は製造ばらつきの影響を受け得る。例えば、骨幹端スリーブ224、224A、224Bの、同じとなるように設計された部分は、それにもかかわらず、製作公差に起因してわずかに異なる場合がある。それでもなお、かかるコンポーネントは、同じ構造及び寸法を有するように設計されているので、同じであり、一致し、又は同一である。複数のサイズの大腿骨コンポーネント210が、典型的には、モジュール式膝補綴システムに含められることになることを理解すべきである。本開示の原理を利用するモジュール式膝補綴システムは、より少ない又はより多くのサイズの骨幹端スリーブ224、224A、224Bを含み得ることも理解すべきである。
【0064】
スリーブ24、24A、24B、24Cと同様に、スリーブ224、224A、224Bは、骨の骨幹端における該骨の状態が追加的支持又は固定を必要としている骨と共に用いられるように設計される。
図15に示されるように、スリーブ224、224A、224Bのそれぞれは、遠位基部262、262A、262Bと、それぞれの遠位基部からそれぞれの近位端266、266A、266Bまで近位に延びる本体264、264A、264Bとを有する。
【0065】
図15に示されるように、スリーブ224、224A、224Bのそれぞれは、その近位端266、266A、266Bに画定された近位穴268、268A、268Bを有する。大腿スリーブ224、224A、224Bの近位穴268、268A、268Bは、ステム拡張部22の遠位端80を収容するようにサイズ設定されて成形される。したがって、その遠位端にテーパ形状のポストを有するステム拡張部では、近位穴は、テーパ形状のポストを収容しかつこれと摩擦係止するようにサイズ設定されて成形されたテーパ穴を備えることになる。あるいは、ねじ付き遠位端を有するステム拡張部では、ステム拡張部のねじ付き遠位端を受容してこれに係止するために、近位穴にはねじ山が設けられる。上述したように、スリーブ224、224A、224Bのそれぞれは、
図16〜
図18に示されるように、各スリーブのそれぞれの遠位基部262、262A、262Bに画定された遠位穴272、272A、272Bを有する。
【0066】
ここで
図16〜
図18を参照すると、スリーブ224、224A、224Bの本体264、264A、264Bは、複数の段付き壁274、274A、274Bを含む。隣接する段付き壁274、274A、274Bの各対は、環状面276、276A、276Bによって接続される。その結果、本体264、264A、264Bは、スリーブ24、24A、24B、24Cと同様に段丘を有する。例示の実施形態では、スリーブ224、224A、224Bが、そのそれぞれの近位端266、266A、266Bに最小前方後方寸法及び最小内側外側寸法を有し、本体264、264A、264Bがそのそれぞれの遠位基部262、262A、262Bまで延びるにつれて該スリーブが徐々に大きくなるように、本体264、264A、264Bは先細になっている。
【0067】
段付き壁274、274A、274Bの数及び寸法は、図示された実施形態の数及びサイズと異なってもよいことを理解すべきである。従来技術において開示されているように、スリーブ262、262A、262Bの外表面もまた、骨内部成長を促進するために多孔質コーティングをされていてもよく、この多孔質コーティングは、スリーブ224、224A、224Bの段を有する外表面のほぼ全て又は一部に及んでもよい。こうした寸法は、例としてのみ与えられるものであって、特許請求の各項において明示的に要求されていない限りにおいて、本開示は特定の寸法に限定されるものではないことを理解すべきである。
【0068】
図16に示されるように、スリーブ224の本体264は、長手方向軸280と、軸280に沿って画定された軸長「L」を有するテーパ形状の外表面282とを有する。例示の実施形態では、環状面276は実質的に平らである。その結果、段付き壁274が組み合わさって本体264の軸長Lを画定する。例示の実施形態では、軸長Lは、約45ミリメートルに等しい。
【0069】
図17に示されるように、スリーブ224Aの本体264Aは、長手方向軸280Aと、テーパ形状の外表面282Aとを有する。テーパ形状の外表面282Aは、軸280Aに沿って画定された軸長「L」を有する近位セクション284Aと、近位セクション284Aから遠位基部262Aまで遠位に延びるセクション286Aとを有する。セクション286Aは、軸280Aに沿って画定された軸長「X」を有する。その結果、本体264Aの軸方向の全長は「L+X」となる。例示の実施形態では、軸長「L+X」は約50ミリメートルに等しい。
【0070】
図18に示されるように、スリーブ224Bの本体264Bは、長手方向軸280Bとテーパ形状の外表面282Bとを有する。テーパ形状の外表面282Bは、軸280Bに沿って画定された軸長「L」を有する近位セクション284Bと、近位セクション284Aから遠位に延びるセクション286Bとを有する。セクション286Aは、軸280Bに沿って画定された軸長「X」を有する。テーパ形状の外表面282Bは、セクション286Bから遠位基部262Bまで遠位に延びる別のセクション288Bを有する。セクション288Bは、軸280Bに沿って画定された軸長「Y」を有する。その結果、本体264Aの軸方向の全長は、「L+X+Y」となる。例示の実施形態では、軸長「L+X+Y」は約55ミリメートルに等しい。
【0071】
例示の実施形態では、異なるサイズの大腿骨幹端スリーブは、それぞれのサイズ間の差が数ミリメートル(例えば、5ミリメートル)で提供されてもよく、したがって、X=5mm、Y=5mm、及びZ=5mmとなる。更に、異なるスリーブの軸方向の全長は様々であってもよい。例えば、一実施形態では、スリーブの軸方向の全長は、30ミリメートル〜55ミリメートルであってもよい。
【0072】
図示したモジュール式膝補綴システムでは、大腿骨幹端スリーブ224、224A、224Bの全てのサイズのテーパ形状の外表面282、282A、282Bの幾何学外形は、軸長「L」にわたって本質的に同一である。したがって、スリーブ224の「L」が45mmである場合、他のスリーブサイズ224A、224Bの近位45mm(即ち、近位セクション284A、284B)のサイズ及び形状は、スリーブ224の近位45mmのサイズ及び形状と本質的に同一である。言い換えれば、
図16〜
図18に示されるように、スリーブは、図示した全てのサイズの大腿骨幹端スリーブ224、224A、224Bの軸長「L」にわたって、同じ数の段付き壁を有する。更に、
図19に示されるように、各段付き壁はまた、軸長「L」にわたって、同じ最大内側外側寸法290、同じ最大前方後方寸法292、及び同じ形状を有する。
図16〜
図18に示されるように、各段付き壁はまた、軸長「L」にわたって、同じ軸方向の高さを有する。
【0073】
サイズの異なる大腿骨幹端スリーブ224、224A、224Bは、基部262、262A、262Bのサイズ、及び、所与の軸長を超えた部分であるスリーブの軸方向延長部と一致する遠位部分の点だけが異なる。例えば、大腿骨幹端スリーブ224A、224Bのテーパ形状の外表面282A、282Bは、軸長「X」にわたって本質的に同一である。スリーブ224Aの「X」が5mmの場合、スリーブ224Bのセクション286Bのサイズ及び形状は、スリーブ224Aのセクション286Aのサイズ及び形状と本質的に同一である。言い換えれば、
図17〜
図18に示されるように、スリーブは、図示したサイズの大腿骨幹端スリーブ224A、224Bの軸長「X」にわたって、同じ数の段付き壁を有する。更に、
図20に示されるように、各段付き壁は同じ最大内側外側寸法294、同じ最大前方後方寸法296、及び同じ形状を有する。それにもかかわらず、大腿骨幹端スリーブ224Bは、基部262Bのサイズ及び遠位セクション288Bの構造においてスリーブ224Aとは異なる。
【0074】
ここで
図21〜
図25を参照すると、大腿骨コンポーネント200と共に用いることができる複数の手術器具300が示されている。例示の実施形態では、手術器具300は、複数のサイズの外科用穴ぐり器302、302A、302Bである。穴ぐり器302、302A、302Bのそれぞれは、例えば、ステンレス鋼又はコバルトクロムなどの金属材料から形成される。以下により詳細に説明されるように、穴ぐり器302、302A、302Bの幾何学外形は、それらの軸長の一部にわたって同じであり、かつ骨幹端スリーブ224、224A、224Bの幾何学外形に対応している。上述したように、他の実施形態では、大腿骨コンポーネント200は、より少ない又はより多くのサイズの骨幹端スリーブ224、224A、224Bを含んでもよい。かかる実施形態では、手術器具300は、より少ない又はより多くのサイズの穴ぐり器302、302A、302Bを含んでもよいことが理解されるべきである。
【0075】
穴ぐり器302、302A、302Bのそれぞれは、近位先端部304、304A、304Bと、近位先端部304、304A、304Bからそれぞれの遠位端308、308A、308Bまで延びる本体306、306A、306Bとを含む。例示の実施形態では、各穴ぐり器302、302A、302Bの先端部304、304A、304Bは、大腿骨ステムトライアルを収容するようにサイズ設定された、該先端部の中に画定された開口310、310A、310Bを有する。穴ぐり器302、302A、302Bの遠位端308、308A、308Bは、器具のハンドルの取付機構と嵌合するように構成される。各穴ぐり器302、302A、302Bの遠位端308、308A、308Bの例示的な構造は、本出願と同時に提出され、参照により本明細書に明示的に組み込まれる、「FEMORAL SYSTEM HANDLE SURGICAL INSTRUMENT AND METHOD OF ASSEMBLING SAME」と題された米国特許出願第13/834,862号(代理人整理番号265280−223293)に示されかつ説明されている。
【0076】
本体306、306A、306Bは、その外表面322、322A、322Bに画定された複数の切断歯312、312A、312Bを有する。切断歯312、312A、312Bは、スリーブを収容するようにサイズ設定された空洞を骨の中に画定するために、患者の大腿骨の髄管を取り囲む骨と係合するように構成される。切断歯312、312A、312Bは、協働して、そのそれぞれの外表面322、322A、322Bの複数の段付き面314、314、314Bを画定する。その結果、本体264、264A、264Bは段丘を有する。例示の実施形態では、本体306、306A、306Bは、穴ぐり器302、302A、302Bが、そのそれぞれの近位先端部304、304A、304Bに最小前方後方寸法及び最小内側外側寸法を有し、本体306、306A、306Bがそのそれぞれの遠位端308、308A、308Bまで延びるにつれて徐々に大きくなるように、先細になっている。例示の実施形態では、穴ぐり器302、302A、302Bの段付き面314、314、314Bの数は、それぞれ、スリーブ224、224A、224Bの段付き壁274、274A、274Bの数と一致する。
【0077】
図21に示されるように、穴ぐり器302の本体306は、長手方向軸320と、切断歯312の先端部324によって画定されるテーパ形状の外表面322とを有する。テーパ形状の外表面322は、軸320に沿って画定された軸長「L」を有する。このように、本体306は、スリーブ224の本体264と同じ軸方向の高さを有する。更に、本体306の段付き面314は、組み合わさって本体306の軸長Lを画定する。例示の実施形態では、段付き面314の数は、スリーブ224の段付き壁274の数に等しく、そのため、各段付き面314は、スリーブ224の段付き壁274と一致する。
【0078】
穴ぐり器302のテーパ形状の外表面322は、近位先端部304から延びる近位セクション326と、近位セクション326から遠位端308に至るセクション328とを有する。遠位セクション328は、軸長Lの約50%である軸長を有する。
【0079】
テーパ形状の外表面322の近位セクション326において、段付き面314によって画定された穴ぐり器302の幾何学外形は、段付き壁274によって画定されたスリーブ224の対応する幾何学外形と同じである。言い換えれば、段付き面314の数は段付き壁274の数に等しく、各段付き面314は、対応する段付き壁274と同じ最大内側外側寸法、同じ最大前方後方寸法、及び同じ軸方向の高さを有する。例えば、
図24に示されるように、近位セクション326内の段付き面314は、スリーブ224の対応する段付き壁274と同じ最大内側外側寸法290及び同じ最大前方後方寸法292を画定する。その結果、穴ぐり器302は、スリーブ224と実質的に同じである近位セクションを含む空洞を患者の大腿骨に画定するように構成され、それにより、スリーブ224は該セクションに嵌着される。
【0080】
テーパ形状の外表面322の遠位セクション328において、段付き面314の数は段付き壁274の数に等しく、各段付き面314は、対応する段付き壁274と同じ軸方向の高さを有する。しかしながら、段付き面314の最大内側外側寸法及び最大前方後方寸法は、対応する段付き壁274の最大内側外側寸法及び最大前方後方寸法よりも小さい。言い換えれば、段付き面314によって画定される穴ぐり器302の幾何学外形は、段付き壁274によって画定されるスリーブ224の対応する幾何学外形よりも小さい。その結果、穴ぐり器302は、スリーブ224よりも小さい遠位セクションを含む空洞を患者の大腿骨に画定するように構成され、それにより、スリーブ224は該セクションに圧入される。
【0081】
例示の実施形態では、遠位セクション328内の各段付き面314の最大内側外側寸法は、スリーブ224の対応する段付き壁274の最大内側外側寸法よりも0.35mm小さい。同様に、遠位セクション328内の各段付き面314の最大前方後方寸法は、スリーブ224の対応する段付き壁274の最大前方後方寸法よりも0.35mm小さい。他の実施形態では、スリーブ224をよりきつく又はより緩く圧入するように、穴ぐり器302の寸法を調節することができることが理解されるべきである。
【0082】
更に、大腿骨幹端スリーブ224、224A、224Bの外表面282、282A、282Bの幾何学形状は、軸長「L」を通して本質的に同一であるので、スリーブ224A、224Bは、穴ぐり器302によって患者の大腿骨に形成された空洞に嵌入し、距離「X」又は「X+Y」だけ骨から遠位に延出する。そのため、穴ぐり器302によって形成された空洞にスリーブ224Aが挿入されると、穴ぐり器302の遠位セクション328に対応するスリーブ224の部分は圧入され、一方で、穴ぐり器302の近位セクション326に対応する部分は、該空洞のその部分に嵌着される。
【0083】
図22に示されるように、穴ぐり器302Aの本体306Aは、長手方向軸320Aと、切断歯312Aの先端部324Aによって画定されるテーパ形状の外表面322Aとを有する。テーパ形状の外表面322Aは、軸320Aに沿って画定される軸長「L+X」を有する。このように、本体306Aは、スリーブ224Aと同じ軸方向の高さを有する。加えて、本体306Aの段付き面314Aが組み合わさって、本体306Aの軸長「L+X」を画定する。例示の実施形態では、段付き面314Aの数は、スリーブ224Aの段付き壁274Aの数に等しくそのため、各段付き面314Aは、スリーブ224Aの段付き壁274Aと一致する。
【0084】
穴ぐり器302Aのテーパ形状の外表面322Aは、近位先端部304Aから延びる近位セクション326Aと、近位セクション326Aから遠位端308Aに至るセクション328Aとを有する。遠位セクション328Aは、軸長「L+X」の約50%である軸長を有する。
【0085】
テーパ形状の外表面322Aの近位セクション326Aにおいて、段付き面314Aによって画定された穴ぐり器302Aの幾何学外形は、段付き壁274Aによって画定されたスリーブ224Aの対応する幾何学外形と同じである。言い換えれば、段付き面314Aの数は段付き壁274Aの数に等しく、各段付き面314Aは、対応する段付き壁274Aと同じ最大内側外側寸法、同じ最大前方後方寸法、及び同じ軸方向の高さを有する。例えば、
図24に示されるように、近位セクション326A内の段付き面314は、スリーブ224Aの対応する段付き壁274Aと同じ最大内側外側寸法290及び同じ最大前方後方寸法292を画定する。その結果、穴ぐり器302Aは、スリーブ224Aと実質的に同じである近位セクションを含む空洞を患者の大腿骨に画定するように構成され、それにより、スリーブ224Aは該セクションに嵌着される。
【0086】
テーパ形状の外表面322Aの遠位セクション328Aにおいて、段付き面314Aの数は段付き壁274Aの数に等しく、各段付き面314Aは、対応する段付き壁274Aと同じ軸方向の高さを有する。しかしながら、各段付き面314Aの最大内側外側寸法及び最大前方後方寸法は、対応する段付き壁274Aの最大内側外側寸法及び最大前方後方寸法よりも小さい。言い換えれば、段付き面314Aによって画定される穴ぐり器302Aの幾何学外形は、段付き壁274Aによって画定されるスリーブ224Aの対応する幾何学外形よりも小さい。
【0087】
例えば、
図25に示されるように、遠位セクション328A内の段付き面314Aは、対応する段付き壁274Aの最大内側外側寸法294よりも小さい最大内側外側寸法330を画定する。同様に、遠位セクション328A内の同じ段付き面314Aは、対応する段付き壁274Aの最大前方後方寸法296よりも小さい最大前方後方寸法332を画定する。その結果、穴ぐり器302Aは、スリーブ224Aよりも小さい遠位セクションを含む空洞を患者の大腿骨に画定するように構成され、それにより、スリーブ224Aは該セクションに圧入される。
【0088】
例示の実施形態では、遠位セクション328A内の各段付き面314Aの最大内側外側寸法は、スリーブ224Aの対応する段付き壁274Aの最大内側外側寸法よりも0.35mm小さい。同様に、遠位セクション328A内の各段付き面314Aの最大前方後方寸法は、スリーブ224Aの対応する段付き壁274Aの最大前方後方寸法よりも0.35mm小さい。他の実施形態では、スリーブ224Aをよりきつく又はより緩く圧入するように、穴ぐり器302Aの寸法を調節することができることが理解されるべきである。内側外側圧入及び前方後方圧入は、等しくてもよく、又は等しくなくてもよいこともまた理解されるべきである。
【0089】
更に、大腿骨幹端スリーブ224A、224Bの外表面282A、282Bの幾何学形状は、軸長「L+X」を通して本質的に同一であるので、スリーブ224Bは、穴ぐり器302Aによって患者の大腿骨に形成された空洞に嵌入し、距離「X+Y」だけ骨から遠位に延出する。そのため、穴ぐり器302Aによって形成された空洞にスリーブ224Bが挿入されると、穴ぐり器302Aの遠位セクション328Aに対応するスリーブ224Bの部分は圧入され、一方で、穴ぐり器302Aの近位セクション326Aに対応するスリーブ224Bの部分は、該空洞のその部分に嵌着される。
【0090】
図23に示されるように、穴ぐり器302Bの本体306Bは、長手方向軸320Bと、切断歯312Bの先端部324Bによって画定されるテーパ形状の外表面322Bとを有する。テーパ形状の外表面322Bは、軸320Bに沿って画定された軸長「L+X+Y」を有する。このように、本体306Bは、スリーブ224Bと同じ軸方向の高さを有する。更に、本体306Bの段付き面314Bは、組み合わさって本体306Bの軸長「L+X+Y」を画定する。例示の実施形態では、段付き面314Bの数は、スリーブ224Bの段付き壁274Bの数に等しく、そのため、各段付き面314Bは、スリーブ224Bの段付き壁274Bと一致する。
【0091】
穴ぐり器302Bのテーパ形状の外表面322Bは、近位先端部304Bから延びる近位セクション326Bと、近位セクション326Bから遠位端308Bに至るセクション328Bとを有する。遠位セクション328Bは、軸長「L+X+Y」の約50%である軸長を有する。
【0092】
テーパ形状の外表面322Bの近位セクション326Bにおいて、段付き面314Bによって画定された穴ぐり器302Bの幾何学外形は、段付き壁274Bによって画定されたスリーブ224Bの対応する幾何学外形と同じである。言い換えれば、段付き面314Bの数は段付き壁274Bの数に等しく、各段付き面314Bは、対応する段付き壁274Bと同じ最大内側外側寸法、同じ最大前方後方寸法、及び同じ軸方向の高さを有する。その結果、穴ぐり器302Bは、スリーブ224Bと実質的に同じである近位セクションを含む空洞を患者の大腿骨に画定するように構成され、それにより、スリーブ224Bは該セクションに嵌着される。
【0093】
テーパ形状の外表面322Bの遠位セクション328Bにおいて、段付き面314Bの数は段付き壁274Bの数に等しく、各段付き面314Bは、対応する段付き壁274Bと同じ軸方向の高さを有する。しかしながら、各段付き面314Bの最大内側外側寸法及び最大前方後方寸法は、対応する段付き壁274Bの最大内側外側寸法及び最大前方後方寸法よりも小さい。言い換えれば、段付き面314Bによって画定される穴ぐり器302Bの幾何学外形は、段付き壁274Bによって画定されるスリーブ224Bの対応する幾何学外形よりも小さい。その結果、穴ぐり器302Bは、スリーブ224Bよりも小さい遠位セクションを含む空洞を患者の大腿骨に画定するように構成され、それにより、スリーブ224Bは該セクションに圧入される。
【0094】
例示の実施形態では、遠位セクション328B内の各段付き面314Bの最大内側外側寸法は、スリーブ224Bの対応する段付き壁274Bの最大内側外側寸法よりも0.35mm小さい。同様に、遠位セクション328B内の各段付き面314Bの最大前方後方寸法は、スリーブ224Bの対応する段付き壁274Bの最大前方後方寸法よりも0.35mm小さい。他の実施形態では、スリーブ224Bをよりきつく又はより緩く圧入するように、穴ぐり器302Bの寸法を調節することができることが理解されるべきである。
【0095】
ここで
図26〜
図35を参照すると、大腿骨コンポーネント200の複数の増補体340が示されている。増補体340は、複数の遠位増補体342、344と(
図26〜29参照)、複数の後方増補体346、348とを包含する。上述したように、増補体340のそれぞれは、装着開口250に収容されるように構成された装着プラグ256を含む。各増補体340は、以下により詳細に説明されるように、対応する増補体340を大腿骨コンポーネント210に固定するように構成された保持機構350も含む。例示の実施形態では、増補体340は、例えば、コバルト−クロム合金、チタニウム、又はステンレス鋼などの、任意の好適な任意の好適なインプラント等級の金属材料から形成される。
【0096】
図26〜
図27に示されるように、遠位増補体342は、近位面360と、近位面360に対向して位置付けられる遠位面362と、これら面360、362を接続する側壁364とを有するくさび形状の本体358を含む。側壁364は、面360、362に対して斜めに延びる、テーパ形状の前面366とテーパ形状の後面368とを含む。テーパ形状の前面366は、遠位増補体342が大腿骨コンポーネント210に固定されると、大腿骨コンポーネント210の前方チャンファ面236と係合するように構成され、テーパ形状の後面368は、大腿骨コンポーネント210の後方チャンファ面234と係合するように構成される。
【0097】
図26に示されるように、遠位増補体342の近位面360は、リム面370と、リム面370から内側に延びる側壁372とを有する。側壁372は、底面374と協働して、近位面360の中にポケット376を画定する。
図27に示されるように、装着プラグ256の上端部378は、底面374に画定された開口部380の中に位置付けられ、プラグ256の本体382は、増補体本体358を通って本体358の下方に位置付けられた末端部384まで延びる。本体382の端部384は、4つの脚部386に分かれている。
【0098】
増補体340の保持機構350は、装着プラグ256の本体382にねじ込まれる締結具388を含む。締結具288は、その中にドライバを挿入して締結具288を回転させることができる受け口を含む。締結具388が第1の方向に回転されると、締結具388は本体382の端部384に向かって駆動され、それによって脚部386を外向きに拡張させる。締結具が反対方向に回転されると、締結具388は、脚部386を後退させることができるように、本体382の端部384から離れる方向に移動する。
【0099】
くさび形状の本体358の遠位面362は、大腿骨コンポーネント210の遠位面230と係合するように構成される。例示の実施形態では、複数の足部390が、くさび形状の本体358の遠位面362から延出する。各足部390は、大腿骨コンポーネント210のセメントポケット240内に位置付けられるようにサイズ設定される。
図27に示されるように、くさび形状の本体358はまた、遠位面362と近位面360との間に画定される厚さ392を有する。
【0100】
図28〜
図29に示されるように、遠位増補体344は、近位面402と、近位面402に対向して位置付けられる遠位面404と、これら面402、404を接続する側壁406とを有するくさび形状の本体400を含む。側壁406は、面408、410に対して斜めに延びる、テーパ形状の前面408とテーパ形状の後面410とを含む。テーパ形状の前面408は、遠位増補体344が大腿骨コンポーネント210に固定されると、大腿骨コンポーネント210の前方チャンファ面236と係合するように構成され、テーパ形状の後面410は、大腿骨コンポーネント210の後方チャンファ面234と係合するように構成される。
【0101】
側壁406は、中に画定される後方切欠き部412を有する。
図28〜
図29に示されるように、切欠き部412は、近位面402に対して平行に延び、かつテーパ形状の後面410の縁部から前方に延びる平面的な近位面414と、近位面414に対して直角に延びる実質的に平面的な後面416とによって画定される。以下により詳細に説明されるように、切欠き部412は後方増補体348を収容するようにサイズ設定される。
【0102】
図28に示されるように、遠位増補体344の近位面402は、遠位増補体342の近位面360と同様の構造を有する。面402は、リム面420と、リム面420から内側に延びる側壁422とを有する。側壁422は、底面424と協働して、近位面402の中にポケット426を画定する。
図29に示されるように、装着プラグ256の上端部428は、底面424に画定された開口部430の中に位置付けられ、プラグ256の本体432は、本体358の下方に位置付けられた末端部384まで増補体本体358を通って延びる。本体432の端部384は、4つの脚部386に分かれている。
【0103】
増補体340の保持機構350は、装着プラグ256の本体432にねじ込まれる締結具438を含む。締結具438は、その中にドライバを挿入して締結具438を回転させることができる受け口を含む。締結具438が第1の方向に回転されると、締結具438は本体432の端部384に向かって駆動され、それによって脚部386を外向きに拡張させる。締結具が反対方向に回転されると、締結具438は、脚部386を後退させることができるように、本体432の端部384から離れる方向に移動する。
【0104】
くさび形状の本体400の遠位面404は、大腿骨コンポーネント210の遠位面230と係合するように構成される。例示の実施形態では、複数の足部440が、くさび形状の本体400の遠位面404から延出する。各足部440は、大腿骨コンポーネント210のセメントポケット240内に位置付けられるようにサイズ設定される。
図29に示されるように、くさび形状の本体358はまた、遠位面404と近位面402との間に画定される厚さ442を有する。
【0105】
図27及び
図29に示されるように、増補体344の厚さ442は、増補体342の厚さ392よりも厚い。例示の実施形態では、厚さ392は約4ミリメートルに等しく、厚さ442は約12ミリメートルに等しい。他の実施形態では、増補体の厚さは、他の大腿骨コンポーネント200のサイズに応じて増加又は減少してもよいことが理解されるべきである。更に、
図27及び
図29に示されるように、増補体344の遠位面404は、増補体342の遠位面362よりも広い。
【0106】
上述したように、大腿骨コンポーネント200はまた、後方増補体346、348を含む。後方増補体346、348のそれぞれは、前面452と、前面452に対向して位置付けられる後面454とを有する本体450を含む。
図30及び
図32に示されるように、後方増補体346、348のそれぞれは、遠位増補体342、344に関して上述した構造と同様の構造を有する装着プラグ256を含む。
【0107】
本体450の後面454は、大腿骨コンポーネント210の後方固定面232と係合するように構成される。例示の実施形態では、複数の足部456が後面454から延出している。各足部456は、大腿骨コンポーネント210のセメントポケット240内に位置付けられるように寸法設定される。
図30に示されるように、後方増補体346は、前面452と後面454との間に画定される厚さ460を有する。
図32に示されるように、後方増補体348は、前面452と後面454との間に画定される厚さ462を有する。例示の実施形態では、増補体348の厚さ462は、増補体346の厚さ460よりも厚い。
【0108】
使用するとき、増補体340は、使用する増補体340の組み合わせにかかわらず、同じ順序で大腿骨コンポーネント210に取り付けられてもよい。例えば、
図30〜
図31に示されるように、後方増補体346が、最初に、開口260に挿入される装着プラグ256を介して大腿骨コンポーネント210の後方固定面232に取り付けられてもよい。装着プラグ256の締結具(図示せず)を使用して、装着プラグ256の脚部386を拡張させて開口250を画定する壁252と係合させ、それによって、増補体346を後方固定面232に固定する。
【0109】
次に、遠位増補体342が遠位固定面230に取り付けられてもよい。
図31に示されるように、装着プラグ256は、遠位固定面230の開口250と位置合わせされる。プラグ256が開口250の中に収容されるように、遠位増補体342を下方に進めることができる。次に、壁252を装着プラグ256の脚部386と係合させるように締結具388を操作し、それによって、増補体342を遠位固定面230に固定することができる。
【0110】
図32〜
図35に示されるように、増補体340の別の組み合わせ(この場合には、より大きな増補体344、348)が、増補体342、346と同じ順序で取り付けられる。そうすることによって、後方増補体348が、最初に、開口260に挿入される装着プラグ256を介して大腿骨コンポーネント210の後方固定面232に取り付けられてもよい。装着プラグ256の締結具(図示せず)を使用して、装着プラグ256の脚部386を拡張させて開口250を画定する壁252と係合させ、それによって、増補体348を後方固定面232に固定する。
【0111】
次に、遠位増補体344が遠位固定面230に取り付けられてもよい。そうすることによって、遠位増補体344は、
図33に示されるように遠位固定面230の上方位置付けられる。次に、増補体344は
図34に示されるように回転されて、下方に進められることができる。
【0112】
図34に示されるように、ユーザーは、遠位増補体344の後方縁部を後方増補体348の下に滑らせて、遠位増補体344を定位置に「留める」ことができる。そうすることによって、後方増補体348は、遠位増補体344の後方切欠き部412の中に進められる。遠位増補体344のプラグ256が開口250の中に収容されると、増補体344は、
図35に示されるように適切に設置され、後方増補体348は後方切欠き部412の中に留まる。次に、壁252を装着プラグ256の脚部386と係合させるように締結具388を操作し、それによって、増補体348を遠位固定面230に固定することができる。
【0113】
図36〜
図37に示されるように、大腿骨コンポーネント200は大腿骨整形外科用補綴具を形成するように組立てられることができる。
図36では、最小大腿スリーブ224及び最小増補体342、346は、大腿骨コンポーネント210に組み付けられて、補綴具470を形成する。
図37では、最大大腿スリーブ224B及び最大増補体344、348が大腿骨コンポーネント210に組み付けられて、補綴具472を形成する。
図36〜
図37に示されるように、顆表面12、14の最遠位点474は、患者の脚が伸びたときの大腿骨整形外科用補綴物の継ぎ目を画定する。
図36では、継ぎ目は線476で示されており、
図37では、継ぎ目は線478で示されている。
【0114】
図示した組立体は、近位端266、266Bにおける平面(480及び482で示される平面)から、継ぎ目の平面(
図36では476及び
図37では478で示される)までの最大軸長を有する。組立体のこれら最大軸長は、
図36ではAL1、及び
図37ではAL2で示されている。例示の実施形態では、AL2はAL1よりも、最小スリーブ224の長さ「L」を超えた部分である、スリーブ224Bの軸長である寸法「X+Y」だけ長い。
【0115】
図36〜
図37の比較からも分かるように、より大きなスリーブ224Bを使用して、継ぎ目476を位置478まで、オフセット距離o
1だけ遠位に移動させる。このオフセット距離o
1はまた、寸法「X+Y」と一致する。同様に、スリーブ224Aを使用して、継ぎ目を、継ぎ目476に対して寸法「X」だけ遠位に移動させる。
【0116】
異なるサイズのスリーブ224、224A、224Bの段を有する本体264、264B、264Cの幾何学形状は、軸長「L」にわたって同じであるので、外科医は、穴ぐり器302を使用して、最も小さいサイズの大腿スリーブ224を収容するように大腿遠位を準備することができる。外科医が手術中に、継ぎ目を遠位に移動させる必要があると決断した場合、外科医は、他のサイズのスリーブ224A、224Bのいずれかを使用することができ、こうしたより大きなサイズのスリーブの近位部分は、より小さなスリーブを収容するために大腿骨中に準備された開口部に嵌入して、該大腿骨から距離「X」又は「X+Y」だけ遠位に延び、それによって継ぎ目を遠位にオフセットさせる。例示の実施形態では、継ぎ目が遠位に移動させられたときに、補綴具472のスリーブ224Bを安定させることができるように、遠位増補体344の厚さ442は、オフセット距離o
1と等しい。外科医は、したがって、骨空洞を更に作製することなく、この遠位への移動を達成することができる。
【0117】
継ぎ目を遠位へ移動させるという選択肢を提供する別のシステムは、Peter J.James、Richard E.Jones、Benjamin J.Sordelet、Timothy G.Vendrely、及びStephanie M.Wainscottによる、本出願と同時に提出された「Knee Prosthesis System with Standard and Distally Offset Joint Line」と題された米国特許出願(代理人整理番号DEP6328USPSP、第61/703,412号)に開示されており、該出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0118】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したものにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更及び改変は全て保護されることが望ましい点は理解されるであろう。
【0119】
本開示は、本明細書において述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく多くの利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、ここで述べた特徴の全てを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利するものである点に留意されたい。当業者であれば、本発明の1つ又は2つ以上の特徴を取り入れた、特許請求の範囲において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に容易に実施することが可能である。
【0120】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科用手術器具システムであって、
(i)ハンドルに別々に固定されるように構成された第1の端部と、(ii)該第1の端部に対向して位置付けられる第2の端部から遠位に延び、かつ、中に画定された複数の切断歯を有するテーパ形状の本体と、を含む第1の穴ぐり器、及び
(i)前記第1の穴ぐり器の代わりに前記ハンドルに別々に固定されるように構成された第1の端部と、(ii)該第1の端部に対向して位置付けられる第2の端部から遠位に延び、かつ、中に画定された複数の切断歯を有する第1のテーパ形状の本体と、(iii)前記第1のテーパ形状の本体から遠位に延び、かつ中に画定された複数の切断歯を有する第2のテーパ形状の本体と、を含む第2の穴ぐり器、を含み、
前記第1の穴ぐり器の前記テーパ形状の本体、及び前記第2の穴ぐり器の前記第1のテーパ形状の本体が、第1の幾何学外形(first outer geometry)を有し、前記第2のテーパ形状の本体が、前記第1の幾何学外形と異なる第2の幾何学外形を有する、整形外科用手術器具システム。
(2) 前記テーパ形状の本体の前記第1の幾何学外形が、前記テーパ形状の本体の前記複数の切断歯の先端部によって画定され、
前記第1のテーパ形状の本体の前記第1の幾何学外形が、前記第1のテーパ形状の本体の前記複数の切断歯の先端部によって画定される、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(3) 前記第2の幾何学外形が、前記第2のテーパ形状の本体の前記複数の切断歯の先端部によって画定される、実施態様2に記載の整形外科用手術器具システム。
(4) (i)前記第1の幾何学外形の前記各切断歯の先端部が、最大内側外側寸法を有し、(ii)前記第2の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部が、最大内側外側寸法を有し、(iii)前記第1の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大内側外側寸法が、前記第2の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大内側外側寸法よりも小さい、実施態様3に記載の整形外科用手術器具システム。
(5) 前記第1の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大内側外側寸法が、大腿骨幹端スリーブの第1のテーパ形状の本体の最大内側外側寸法より大きいか又はこれに等しく、
前記第2の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大内側外側寸法が、前記大腿骨幹端スリーブの第2のテーパ形状の本体の最大内側外側寸法より小さい、実施態様4に記載の整形外科用手術器具システム。
【0121】
(6) 前記第1の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部が、最大前方後方寸法を有し、
前記第2の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部が、最大前方後方寸法を有し、
前記第1の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大前方後方寸法が、前記第2の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大前方後方寸法より小さい、実施態様5に記載の整形外科用手術器具システム。
(7) 前記第1の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大前方後方寸法が、前記大腿骨幹端スリーブの前記第1のテーパ形状の本体の最大内側外側寸法より大きいか又はこれに等しく、
前記第2の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大内側外側寸法が、前記大腿骨幹端スリーブの前記第2のテーパ形状の本体の最大内側外側寸法より小さい、実施態様6に記載の整形外科用手術器具システム。
(8) (i)前記ハンドルに別々に固定されるように構成された第1の端部と、(ii)該第1の端部に対向して位置付けられる第2の端部から遠位に延び、かつ、中に画定された第1の複数の切断歯を有する、第1のテーパ形状の本体と、(iii)前記第1のテーパ形状の本体から遠位に延び、かつ、中に画定された第2の複数の切断歯を有する、第2のテーパ形状の本体と、(iv)前記第2のテーパ形状の本体から遠位に延び、かつ、中に画定された第3の複数の切断歯を有する、第3のテーパ形状の本体と、を含む第3の穴ぐり器を更に含み、
(i)前記第1のテーパ形状の本体が、前記第1の複数の切断歯の先端部によって画定される前記第1の幾何学外形を有し、(ii)前記第2のテーパ形状の本体が、前記第2の複数の切断歯の先端部によって画定される前記第2の幾何学外形を有し、(iii)前記第3のテーパ形状の本体が、前記第1の幾何学外形及び前記第2の幾何学外形と異なり、かつ、前記第3の複数の切断歯の先端部によって画定される、第3の幾何学外形を有する、実施態様1に記載の整形外科用手術器具システム。
(9) 前記第3の複数の切断歯の前記各切断歯の先端部が、最大内側外側寸法を有し、
前記第2の幾何学外形を画定する前記各切断歯の先端部の前記最大内側外側寸法が、前記第3の複数の切断歯の前記各切断歯の先端部の前記最大内側外側寸法より小さい、実施態様8に記載の整形外科用手術器具システム。
(10) 整形外科用手術器具システムであって、
(i)ハンドルに別々に固定されるように構成された第1の端部と、(ii)該第1の端部から、該第1の端部に対向して位置付けられる第2の端部まで延び、かつ、中に画定された複数の切断歯を有する、テーパ形状の本体と、を含む第1の穴ぐり器、及び
(i)前記第1の穴ぐり器の代わりに前記ハンドルに別々に固定されるように構成された第1の端部と、(ii)該第1の端部に対向して位置付けられる第2の端部から遠位に延び、かつ、中に画定された複数の切断歯を有する、第1のテーパ形状の本体と、(iii)該第1のテーパ形状の本体から遠位に延び、かつ、中に画定された複数の切断歯を有する、第2のテーパ形状の本体と、を含む第2の穴ぐり器、を含み、
(i)前記第1の穴ぐり器の前記テーパ形状の本体が、前記第2の穴ぐり器の前記第1のテーパ形状の本体の複数の内側外側寸法と同一である複数の内側外側寸法を有し、(ii)前記第1の穴ぐり器の前記テーパ形状の本体が、前記第2の穴ぐり器の前記第1のテーパ形状の本体の複数の前方後方寸法と同一である複数の前方後方寸法を有し、(iii)前記第2の穴ぐり器の前記第2のテーパ形状の本体が、前記第1のテーパ形状の本体の前記内側外側寸法及び前記前方後方寸法と異なる、複数の内側外側寸法及び複数の前方後方寸法を有する、整形外科用手術器具システム。
【0122】
(11) 前記第1の穴ぐり器が、前記第1の端部及び前記第2の端部を通って延びる長手方向軸を有し、前記テーパ形状の本体が、前記第1の穴ぐり器の前記長手方向軸に沿って画定される軸長を有し、
前記第2の穴ぐり器が、前記第1の端部及び前記第2の端部を通って延びる長手方向軸を有し、前記第1のテーパ形状の本体が、前記第2の穴ぐり器の前記長手方向軸に沿って画定される軸長を有し、
前記第2の穴ぐり器の前記第1のテーパ形状の本体の前記軸長が、前記第1の穴ぐり器の前記テーパ形状の本体の前記軸長より短い、実施態様10に記載の整形外科用手術器具システム。
(12) (i)前記ハンドルに別々に固定されるように構成された第1の端部と、(ii)該第1の端部に対向して位置付けられる第2の端部から遠位に延び、かつ、中に画定された第1の複数の切断歯を有する第1のテーパ形状の本体と、(iii)前記第1のテーパ形状の本体から遠位に延び、かつ、中に画定された第2の複数の切断歯を有する第2のテーパ形状の本体と、(iv)前記第2のテーパ形状の本体から遠位に延び、かつ、中に画定された第3の複数の切断歯を有する第3のテーパ形状の本体と、を含む第3の穴ぐり器を更に含み、
(i)前記第3の穴ぐり器の前記第1のテーパ形状の本体が、前記第2の穴ぐり器の前記第1のテーパ形状の本体の複数の内側外側寸法及び複数の前方後方寸法と同一である複数の内側外側寸法及び複数の前方後方寸法を有し、(ii)前記第3の穴ぐり器の前記第2のテーパ形状の本体が、前記第2の穴ぐり器の前記第2のテーパ形状の本体の複数の内側外側寸法及び複数の前方後方寸法と同一である複数の内側外側寸法及び複数の前方後方寸法を有し、(ii)前記第3の穴ぐり器の前記第3のテーパ形状の本体が、前記第3の穴ぐり器の前記第1のテーパ形状の本体及び前記第2のテーパ形状の本体の前記内側外側寸法及び前記前方後方寸法と異なる複数の内側外側寸法及び複数の前方後方寸法を有する、実施態様11に記載の整形外科用手術器具システム。
(13) 前記第3の穴ぐり器が、前記第1の端部及び前記第2の端部を通って延びる及ぶ長手方向軸を有し、前記第3の穴ぐり器の前記第1のテーパ形状の本体が、前記第3の穴ぐり器の前記長手方向軸に沿って画定される軸長を有し、
前記第3の穴ぐり器の前記第1のテーパ形状の本体の前記軸長が、前記第2の穴ぐり器の前記第1のテーパ形状の本体の前記軸長より短い、実施態様12に記載の整形外科用手術器具システム。
(14) 患者の大腿骨の遠位端に整形外科手術を行う方法であって、
大腿骨補綴コンポーネントを選択することと、
前記大腿骨補綴コンポーネントと共に使用するための、第1の幾何学外形を有するテーパ形状の本体を含む第1のスリーブコンポーネントを選択することと、
複数の切断歯を前記患者の大腿骨と係合するために、前記患者の大腿骨の前記遠位端に第1の穴ぐり器を挿入することであって、前記複数の切断歯が、前記第1の穴ぐり器のテーパ形状の外表面に画定され、かつ、前記第1のスリーブコンポーネントの前記第1の幾何学外形と一致する第1の幾何学外形を画定する、ことと、
前記患者の大腿骨の前記遠位端に、前記第1の穴ぐり器を用いて空洞を画定することと、
前記大腿骨補綴コンポーネントの継ぎ目を決定することと、
前記継ぎ目の決定に基づいて第2のスリーブコンポーネントを選択することであって、前記第2のスリーブコンポーネントは、前記第1の幾何学外形を有する第1のテーパ形状の本体と、前記第1の幾何学外形と異なる第2の幾何学外形を有する第2のテーパ形状の本体とを含む、ことと、
前記第1の穴ぐり器によって画定された前記空洞に前記第2のスリーブコンポーネントを挿入することと、を含む方法。
(15) 前記第1の穴ぐり器の前記第1の幾何学外形が、前記複数の切断歯によって画定された、それぞれが最大内側外側寸法を有する複数の段付きセクションを含み、
前記第1のスリーブコンポーネントの前記第1の幾何学外形が、それぞれが最大内側外側寸法を有する複数の段付き壁、及び段付き壁の対を接続する複数の環状壁によって画定され、
前記第1の穴ぐり器の前記近位端における前記段付きセクションの前記最大内側外側寸法が、前記第1のスリーブコンポーネントの前記近位端における前記段付き壁の前記最大内側外側寸法と等しい、実施態様14に記載の方法。
【0123】
(16) 前記第1の穴ぐり器の前記遠位端における前記段付きセクションの前記最大内側外側寸法が、前記第1のスリーブコンポーネントの前記遠位端における前記段付き壁の前記最大内側外側寸法より小さい、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記第2のスリーブコンポーネントの前記第2の幾何学外形が、それぞれが最大内側外側寸法を有する複数の段差壁、及び段差壁の対を接続する複数の環状壁によって画定され、及び
前記複数の段差壁のそれぞれの前記最大内側外側寸法が、前記第1の穴ぐり器の各段差セクションの前記最大内側外側寸法より大きい、実施態様15に記載の方法。