(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6207954
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】容器搬送システム
(51)【国際特許分類】
B67C 3/24 20060101AFI20170925BHJP
B65G 47/86 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
B67C3/24
B65G47/86 B
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-207249(P2013-207249)
(22)【出願日】2013年10月2日
(65)【公開番号】特開2015-71434(P2015-71434A)
(43)【公開日】2015年4月16日
【審査請求日】2016年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100086852
【弁理士】
【氏名又は名称】相川 守
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】加森 慎也
(72)【発明者】
【氏名】鷲 奈央也
【審査官】
小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】
実開平01−126329(JP,U)
【文献】
特開2005−029225(JP,A)
【文献】
特開2005−041538(JP,A)
【文献】
特開2009−286566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 3/24
B65G 47/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を挟持する第1グリッパが回転ホイルの周縁部に沿って設けられた第1搬送手段と、容器を挟持する第2グリッパが回転ホイルの周縁部に沿って設けられた第2搬送手段とを備え、受け渡し位置において前記第1グリッパから前記第2グリッパへ容器を受け渡すようにした容器搬送システムにおいて、
上記第1搬送手段は、前記第1グリッパに係合して容器を挟持および開放させるためのカム手段を備え、
前記カム手段は、前記第1グリッパに係合して容器を挟持および開放させるための第1および第2カムを備え、前記第1カムは前記受け渡し位置を、前記第1搬送手段の回転ホイルと前記第2搬送手段の回転ホイルとの接点とするとともに、前記第2カムは前記受け渡し位置を、前記接点よりも上流または下流とし、さらに、前記第1カムと前記第2カムを切り替えることにより、前記第1搬送手段から前記第2搬送手段に容器を受け渡す際の受け渡し位置を、前記第1搬送手段の回転ホイルと前記第2搬送手段の回転ホイルとの接点と、前記接点より上流とで切り替え可能とする
ことを特徴とする容器搬送システム。
【請求項2】
容器を挟持する第1グリッパが回転ホイルの周縁部に沿って設けられた第1搬送手段と、容器を挟持する第2グリッパが回転ホイルの周縁部に沿って設けられた第2搬送手段とを備え、受け渡し位置において前記第2グリッパから前記第1グリッパへ容器を受け渡すようにした容器搬送システムにおいて、
上記第1搬送手段は、前記第1グリッパに係合して容器を挟持および開放させるためのカム手段を備え、
前記カム手段は、前記第1グリッパに係合して容器を挟持および開放させるための第1および第2カムを備え、前記第1カムは前記受け渡し位置を、前記第1搬送手段の回転ホイルと前記第2搬送手段の回転ホイルとの接点とするとともに、前記第2カムは前記受け渡し位置を、前記接点よりも上流または下流とし、さらに、前記第1カムと前記第2カムを切り替えることにより、前記第2搬送手段から前記第1搬送手段に容器を受け渡す際の受け渡し閉鎖位置を、前記第1搬送手段の回転ホイルと前記第2搬送手段の回転ホイルとの接点と、前記接点より下流とで切り替え可能とする
ことを特徴とする容器搬送システム。
【請求項3】
前記第1および第2カムをそれぞれ進退動させる移動手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の容器搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPETボトル等の樹脂製の容器搬送システムに関し、特に、容器の首部の上側または下側の部分を保持して搬送する間に、充填あるいはキャッピング等の処理を行う容器搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィラ、キャッパ等の回転式のボトル処理機に樹脂製の容器を順次受け渡して、液体の充填あるいはキャッピング等の処理を行う搬送システムとして、特許文献1、2に開示された構成が知られている。これらの搬送システムは、同一口径の容器を、特定の受け渡し位置において受け渡すように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−236123号公報
【特許文献2】特開2003−276838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の容器搬送システムにおいて、通常搬送する容器とは異なる口径の容器を搬送しようとすると、受け渡し位置において容器とグリッパが干渉し、受け渡しをスムーズに行うことができない。そこで搬送される容器が変更される度にグリッパを交換することが必要であるが、その交換作業は容易ではなく、時間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、通常搬送する容器とは異なる口径の容器を搬送する場合に、グリッパを交換することなく、複数種類の口径の容器の受け渡しを正常に行うことができる容器搬送システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1の容器搬送システムは、容器を挟持する第1グリッパが回転ホイルの周縁部に沿って設けられた第1搬送手段と、容器を挟持する第2グリッパが回転ホイルの周縁部に沿って設けられた第2搬送手段とを備え、受け渡し位置において第1グリッパから第2グリッパへ容器を受け渡すようにした容器搬送システムにおいて、第1搬送手段は、第1グリッパに係合して容器を挟持および開放させるためのカム手段を備え、カム手段は、
第1グリッパに係合して容器を挟持および開放させるための第1および第2カムを備え、第1カムは受け渡し位置を、第1搬送手段の回転ホイルと第2搬送手段の回転ホイルとの接点とするとともに、第2カムは受け渡し位置を、接点よりも上流または下流とし、さらに、第1カムと前記第2カムは切り替えることにより、第1搬送手段から第2搬送手段に容器を受け渡す際の受け渡し位置を、第1搬送手段の回転ホイルと第2搬送手段の回転ホイルとの接点と、接点より上流とで切り替え可能とすることを特徴としている。
【0007】
本発明に係る第2の容器搬送システムは、容器を挟持する第1グリッパが回転ホイルの周縁部に沿って設けられた第1搬送手段と、容器を挟持する第2グリッパが回転ホイルの周縁部に沿って設けられた第2搬送手段とを備え、受け渡し位置において第2グリッパから第1グリッパへ容器を受け渡すようにした容器搬送システムにおいて、第1搬送手段は、第1グリッパに係合して容器を挟持および開放させるためのカム手段を備え、カム手段は、
第1グリッパに係合して容器を挟持および開放させるための第1および第2カムを備え、第1カムは受け渡し位置を、第1搬送手段の回転ホイルと第2搬送手段の回転ホイルとの接点とするとともに、第2カムは受け渡し位置を、接点よりも上流または下流とし、さらに、第1カムと前記第2カムは切り替えることにより、第2搬送手段から第1搬送手段に容器を受け渡す際の受け渡し位置を、第1搬送手段の回転ホイルと第2搬送手段の回転ホイルとの接点と、接点より下流とで切り替え可能とすることを特徴としている。
【0008】
第1および第2の容器搬送システムにおいて
、第1および第2カムをそれぞれ進退動させる移動手段を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通常搬送する容器とは異なる口径の容器を搬送する場合に、グリッパを交換することなく、複数種類の口径の容器の受け渡しを正常に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態である容器搬送システムの概略構成を示す平面図である。
【
図2】導入ホイルの構成を概略的に示す断面図である。
【
図3】首部の径が相対的に小さい容器を受け渡す状態を示す平面図である。
【
図4】首部の径が相対的に大きい容器を受け渡す状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態である容器搬送システムを、図面を参照して説明する。
図1は容器搬送システムの概略構成を示し、導入ホイル(第1搬送手段)11とフィラ(第2搬送手段)12と排出ホイル(第1搬送手段)13を備える。導入ホイル11は供給コンベヤ14によって搬送されてきた容器を1つずつ受け取り、矢印A方向に回動してフィラ12に受け渡す。フィラ12は矢印B方向に回動しつつ容器に液体を充填し、容器を排出ホイル13に受け渡す。排出ホイル13は矢印C方向に回動して容器を1つずつ排出コンベヤ15に受け渡し、排出コンベヤ15は容器を次の工程へ搬送する。
【0012】
図2は導入ホイル11の構成を概略的に示し、
図1において左上から導入ホイル11を見た状態であり、導入ホイル11からフィラ12へ容器Xを受け渡す位置を示している。円板状の回転ホイル21は支持本体22に支持され、図示しない駆動源により駆動されて支持本体22を中心に回転する。回転ホイル21の周縁部に沿って第1グリッパ23が一定間隔毎に設けられる。第1グリッパ23は容器Xの首部を挟持するために設けられ、後述するようにカムによって開閉駆動される。
【0013】
第1グリッパ23の支持軸24は回転ホイル21の周縁部に設けられ、第1グリッパ23は支持軸24の軸心周りに回動して開閉する。支持軸24の下端には連結部材25の先端が固定され、連結部材25の他端にはカムフォロア26が設けられる。カムフォロア26は、第1および第2カム31、32に係合可能であり、第1および第2カム31、32は、図示しない支持台に取付けられたエアシリンダ(移動手段)33、34によって進退駆動される。
【0014】
回転ホイル21に取り付けられた支持部材27の下端には、バネ28の一端が連結される。バネ28の他端は、連結部材25の端部に固定されたピン29に連結される。バネ28は常時連結部材25を、カムフォロア26が回転ホイル21の中心側に近づく方向、すなわち第1グリッパ23が閉じる方向に付勢する。
【0015】
第1グリッパ23は一対の把持部材41、42(
図3、4参照)を有する。これらの把持部材41、42は図示しないギアを介して連動し、カムフォロア26の変位に応じて開閉する。すなわち把持部材41、42は、カムフォロア26が第1または第2カム31、32に係合することにより開閉し、容器Xを挟持または開放する。
【0016】
フィラ12にも同様に、回転ホイル51の周縁部に沿って第2グリッパ52が一定間隔毎に設けられる。第2グリッパ52は従来公知のように、板バネ53(
図3、4参照)の弾性力によって容器を挟持するように構成されている。
【0017】
第1および第2カム31、32は回転ホイル21の下方であってフィラ12に近接した部分、すなわち容器Xの受け渡し位置に設けられる。
図3、4に示されるように、第1および第2カム31、32の外周面は共に、回転ホイル21の軸心を中心とする円弧を若干変形させた形状を呈する。容器Xは第1グリッパ23に挟持されて、
図3、4において上方から矢印Aに沿って搬送され、第1および第2カム31、32よりも上流側には固定カム35が設けられる。固定カム35は回転ホイル21の軸心を中心とする円弧状の板部材であり、供給コンベヤ14(
図1参照)の最下流部分から第1および第2カム31、32の近傍まで延びる。
【0018】
第1および第2カム31、32は選択的に前進してカムフォロア26に係合可能な位置に定められる。第1カム31は相対的に口径の小さい首部を有する小径容器を搬送するときに用いられ、第2カム32は相対的に口径の大きい首部を有する大径容器を搬送するときに用いられる。第1カム31が前進位置にあるとき、
図3に示されるように、第1カム31の上流側端部の外周面は固定カム35の外周面に連続する。第1カム31の外周面は、上流側端部よりも所定量だけ下流の部分において内側へ凹み、それよりも下流側では外方へ膨らんでいる。この曲面に沿ってカムフォロア26が移動することにより、第1グリッパ23が開放する。
【0019】
第2カム32は、第1カム31が前進位置にあるときは後退しているが(
図3)、大径容器の搬送時に前進位置に定められ(
図4)、この状態において第2カム32の上流側端部の外周面は固定カム35の外周面に連続する。第2カム32は、上流側端部よりも所定量だけ下流の部分において内側へ凹み、それよりも下流側では外方へ膨らんでいる。
【0020】
次に本実施形態の作用について説明する。本実施形態においてフィラ12において液体を充填される容器は2種類あり、1つは首部の外径が例えば25〜35ミリの大径容器、他は首部の外径が大径容器よりも数ミリ程度小さい小径容器である。これらの容器は共に首部にフランジが形成され、第1グリッパ23は容器の首部をフランジよりも上側において挟持し、第2グリッパ52は容器の首部をフランジよりも下側において挟持するが、これに替えて第1グリッパ23がフランジの下側を挟持し、第2グリッパ52がフランジの上側を挟持するようにしてもよい。なお、排出ホイル13に関しては詳述しないが、容器の受け渡し動作は導入ホイル11と同様である。
【0021】
小径容器の搬送では、
図3に示すように第1カム31が前進位置に定められ、第2カム32は後退位置にある。第1グリッパ23は供給コンベヤ14から受け取った容器Xを首部において挟持し、回転ホイル21の回転により、矢印Aに沿って搬送する。容器Xが回転ホイル21、51の接点Pに来たとき、第1グリッパ23に挟持された容器Xはフィラ12の第2グリッパ52に押し込まれて係合する。
【0022】
回転ホイル21がさらに回転すると、カムフォロア26が第1カム31によって外側へ押され、これにより第1グリッパ23が開放し、容器Xはフィラ12の第2グリッパ52のみに保持される。これにより容器Xはフィラ12に受け渡され、液体が充填される。フィラ12から排出ホイル13への受け渡しは、第1グリッパ23から第2グリッパ52への受け渡しとは逆の動作である。すなわち第2グリッパ52により保持されている容器Xに、排出ホイル13の開放状態のグリッパが接近し、閉塞して容器Xの首部を挟持し、排出コンベヤ15まで搬送する。
【0023】
大径容器の搬送では、
図4(a)に示すように第2カム32が前進位置に定められ、第1カム31は後退位置にある。容器Xは、回転ホイル21、51の接点Pよりも若干上流の位置まで搬送されてきたとき、フィラ12の第2グリッパ52に押し込まれて係合する。これと略同時に、第2カム32の作用により、第1グリッパ23は開放し始める。このように接点Pよりも上流において容器Xの受け渡しを行うのは、容器Xの首部の外径が小径容器よりも大きいので、容器Xの中心が移動する軌跡は小径容器よりも相対的に大きい円であり、接点Pよりも上流において容器Xが第2グリッパ52に接近するからである。
【0024】
回転ホイル21がさらに回転して容器Xが接点Pへ達すると、
図4(b)に示すように第1グリッパ23は完全に容器Xを開放し、容器Xはフィラ12の第2グリッパ52のみによって保持される。この後、容器Xはさらに図の下方へ搬送され、第1グリッパ23はさらに開放して容器Xは第1グリッパ23から離脱し、受け渡し動作は完了する。
【0025】
フィラ12から排出ホイル13への受け渡しは、第1グリッパ23から第2グリッパ52への受け渡しとは逆の動作である。すなわち排出ホイル13のグリッパは、回転ホイル21との接点よりも下流側において、第2グリッパ52に保持された容器Xに接近し、閉塞して受取り、容器Xの首部を挟持して排出コンベヤ15まで搬送する。
【0026】
以上のように本実施形態では、グリッパ23、52によって保持される首部の外径が異なる複数種類の容器に対して、フィラ12と導入ホイル11または排出ホイル13との間における受け渡しを正常に行うことができる。例えば、フィラ12において通常充填処理される容器の首部よりも大径の首部を有する容器に対して充填処理を行う場合であっても、グリッパを交換することなく、カム31、32の切替えのみを行えばよい。したがって容器の種類が変更になったときの切替え作業は簡単かつ短時間で実行できる。
【0027】
上記実施形態では、小径容器と大径容器の搬送のために第1カム31と第2カム32を設けていたが、カムは1つだけでもよい。この場合の構成を
図4を参照して説明すると、カム32を回転ホイル21(
図2)の中心軸を中心として回転変位するようにすればよい。すなわちカム32は、大径容器を搬送するときは
図4の位置にあり、小径容器を搬送するときは、カム32を反時計周りに変位させ、カム32の凹み部分32aを図の下方へ移して、接点Pにおいて第1グリッパ23が容器を開放し始めるようにすればよい。
【符号の説明】
【0028】
11 導入ホイル(第1搬送手段)
12 フィラ(第2搬送手段)
13 排出ホイル(第1搬送手段)
21 回転ホイル
23 第1グリッパ
31 第1カム
32 第2カム
52 第2グリッパ
X 容器