(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記刈り草排出カバーの終端が前記ブレードハウジングの天板の外縁まで延びており、前記外気流通口に、前記外気流通口の吸引ないしは吹き出し方向を下向きする偏向体が設けられている請求項3または4に記載のモアーユニット。
前記ブレードハウジングは、前記回転軸芯から径方向外側に延びた内側天板と、前記内側天板の外縁から上方に延びる段差板と、前記段差板の上縁から径方向外側に延びた外側天板と、前記外側天板の外縁から下方の延びた側板とから構成され、前記中間空間は、前記内側天板と前記段差板と前記デッキ蓋とによって境界付けられた空間である請求項1から5のいずれか一項に記載のモアーユニット。
前記ファンユニットは、前記ブレードとの間に位置する底壁と前記底壁の外縁から立ち上がった側壁とを有するファンシュラウドを備えており、前記側壁に吹き出し口が形成されており、前記底壁に前記回転軸のための貫通孔が形成され、前記底壁の外周端は前記回転軸芯を中心とする渦巻状に延びており、前記吹き出し口に対応する中心角領域で最大径となっている請求項2、9、10のいずれか一項に記載のモアーユニット。
【背景技術】
【0002】
上述したタイプのモアーユニットは、このモアーユニットから搬送ダクトを介して送られてきた刈り草を収納する集草容器と組み合わされて使用されることが少なくない。その際、スムーズに刈り草をモアーユニットから集草容器に送り込むためには、十分な搬送風が必要となる。この搬送風は、ブレードに設けられた起風翼によって生成される空気流または付加的なファンユニットによる空気流あるいはその両方によって作り出される。基本的には、そのような空気流の元になる空気(外気)は、ブレードユニットと地面との隙間から入り込んでくるが、特に芝や草が密集している場合、搬送風の風量が不十分となる。
【0003】
搬送風の風量を増加させるためにブレードハウジングの天板に複数の空気取り入れ口を形成した草刈機が、特許文献1から知られている。この草刈機では、横並びした2つのブレードのそれぞれによって刈り取られた刈り草を、各ブレードによって作り出された搬送風に乗せる。搬送風となる空気の第1の供給元は、ブレードハウジングと地面との間の隙間から吸い込まれる外気であり、第2の供給元は、ブレードハウジングに設けられた空気取り入れ口(孔)から吸い込まれる外気である。従って、第1と第2の供給元を通じて取り込んだ外気を用いて作り出された搬送風と刈り草とは、ブレードハウジングの天板を切り欠いて設けられた刈り草排出口から排出され、排出カバーを経て、後続の集草容器につながる搬送ダクトに流れ込む。この従来構造では、第2の供給元としてブレードハウジングの天板に設けられた空気取り入れ口領域が外部に露出しているため、この領域に刈り草などが溜まると、十分に外気を取り込めないという問題が生じる。
【0004】
搬送風の風量を増大するため、ブレードハウジングの天板とブレードとの間の空間に位置するようにブレード軸にファンを設けた芝刈機が特許文献2から知られている。このファンは、ファンロータとファンケースとからなり、ブレードハウジングの内部においてブレードと同軸に配置されている。天板には、ファンが吸気するための吸気開口が形成されており、この吸気開口を介して外部とファンとを直線状に結ぶ吸気の流れが作り出される。ファンロータの外周囲を覆う円筒状のファンケースがブレードハウジングに設けられた吸気開口の縁部領域に取り付けられている。これにより、外気を吸気開口から吸引した空気が円筒脚部に形成された送風口から吹き出され、搬送風の風量を増大させている。しかしながら、この従来構造では、ファンロータと外部とが吸気開口を介して直線的にかつ障害なしに連通しているので、外部からの異物がファンロータ、さらにはブレードに進入しやすいという問題が生じる。
【0005】
また、上述したようなブレードハウジングは、ブレードの回転に伴って生起される風を効果的に集合させながら送り出すため、草刈り空間に関してブレード外端の回転軌跡部の上方が高くなるような構造となっている。このため、ブレードハウジングの上面には凹部が形成されることになるが、この凹部に刈草が堆積してしまうという問題もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記実情に鑑み、刈り草を搬送風によって送り出すモアーユニットにおいて、外気を搬送風の流れに補給するための従来の構造上の問題を解消することが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1発明によるモアーユニットは、
上下向きに延びた回転軸芯を有する回転軸と、前記回転軸芯周りで回転するように前記回転軸に設けられたブレードとを含むブレードユニットと、
その内部に草刈り空間を作り出すために前記ブレードユニットを上方から覆うとともに、その外部に前記回転軸から径方向外側に拡がる凹部を形成しているブレードハウジングと、
前記凹部の上方を覆うことで中間空間を作り出すデッキ蓋と、
外部と前記中間空間との間の空気流通を可能する一次空気流通部と、
前記中間空間と前記草刈り空間との間の空気流通を可能する二次空気流通部と、を備え、
前記一次空気流通部が、上方から下方に向けて外部より前記中間空間に空気を取り込むように構成されており、
前記中間空間が、前記回転軸に動力を分配する伝動機構よりも下方に位置し、かつ、前記伝動機構を収容する空間と区切られているものである
。
本発明の第
2発明によるモアーユニットは、
上下向きに延びた回転軸芯を有する回転軸と、前記回転軸芯周りで回転するように前記回転軸に設けられたブレードとを含むブレードユニットと、
その内部に草刈り空間を作り出すために前記ブレードユニットを上方から覆うとともに、その外部に前記回転軸から径方向外側に拡がる凹部を形成しているブレードハウジングと、
前記凹部の上方を覆うことで中間空間を作り出すデッキ蓋と、
外部と前記中間空間との間の空気流通を可能する一次空気流通部と、
前記中間空間と前記草刈り空間との間の空気流通を可能する二次空気流通部と、を備え、
前記回転軸を軸受する軸受ケースのフランジ部が前記ブレードハウジングを貫通して前記ブレードハウジングに装着されており、前記二次空気流通部が前記フランジ部と前記ブレードハウジングとの間の隙間を用いて形成された流通路であ
り、
前記ブレードの上方で前記回転軸芯周りに回転するファンを有するファンユニットが設けられており、
前記二次空気流通部が、平面視において、前記ファンの回転軌跡内に配置されているものである。
本発明の第
3発明によるモアーユニットは、
上下向きに延びた回転軸芯を有する回転軸と、前記回転軸芯周りで回転するように前記回転軸に設けられたブレードとを含むブレードユニットと、
その内部に草刈り空間を作り出すために前記ブレードユニットを上方から覆うとともに、その外部に前記回転軸から径方向外側に拡がる凹部を形成しているブレードハウジングと、
前記凹部の上方を覆うことで中間空間を作り出すデッキ蓋と、
外部と前記中間空間との間の空気流通を可能する一次空気流通部と、
前記中間空間と前記草刈り空間との間の空気流通を可能する二次空気流通部と、を備え、
前記草刈り空間と連通するとともに前記草刈り空間から刈り草を排出する刈り草排出搬送流路を内部に形成する刈り草排出カバーが備えられ、かつ、
前記刈り草排出カバーは、前記ブレードハウジングに形成された刈り草排出口からさらに前記ブレードハウジングの上方を前記ブレードハウジングの外端まで延びており、前記刈り草排出カバーの終端と前記ブレードハウジングとの間に前記刈り草排出口に連通する外気流通口が形成されているものである。
なお、本発明において記載されている「前と後」、「横」、「上と下」は、それぞれ車体走行方向、車体横断方向、車体の地面高さ方向での位置関係を意味している。
【0009】
本発明によれば、一方では、天板に形成された凹部の上方をデッキ蓋で覆うことで、凹部に刈草が堆積することはなく、一旦デッキ蓋の上に載った刈草は落下しやすいという利点が得られる。他方では、以下のような利点も得られる。天板に形成された凹部の上方をデッキ蓋で覆うことにより形成された中間空間を介して、外気はブレードハウジング内に形成された草刈り空間に流れ込む。詳しくは、外気は、一次空気流通部を通じて一旦中間空間に入り込み、さらに二次空気流通部を通じて中間空間からブレードが回転している草刈り空間に流れ込む。従って、外部から小石や砂などの異物が一次空気流通部に入り込んでも、一旦一次空気流通部に滞留するので、直接草刈り空間に入り込む可能性は低い。逆に、草刈り空間から一次空気流通部を通じて飛び出た草や石などの異物が直接外部環境に飛んでいく可能性も低い。また、この中間空間が外部環境と草刈り空間との間のバッファとして機能するので、一次空気流通部と二次空気流通部の大きさ及び位置の自由度が大きくなり、外気の草刈り空間への供給構造を最適化することが可能となる。例えば、一次空気流通部をブレード回転軸芯の近くに配置し、二次空気流通部をブレード回転軸芯から離れて配置すること、あるいは一次空気流通部をブレード回転軸芯から離れて配置し、二次空気流通部をブレード回転軸芯の近くに配置することも問題なく可能である。
【0010】
デッキ蓋と協働して中間空間を作り出している凹部は、ブレードハウジングの上部構造による。この上部構造に関する、本発明の好適な実施形態の一つでは、前記ブレードハウジングは、前記回転軸芯から径方向外側に延びた内側天板と、前記内側天板の外縁から上方に延びる段差板と、前記段差板の上縁から径方向外側に延びた外側天板と、前記外側天板の外縁から下方の延びた側板とから構成され、前記中間空間は、前記内側天板と前記段差板と前記デッキ蓋とによって境界付けられた空間である。このブレードハウジン構造を草刈り空間側から考察すると、段差板と外側天板と側板とによって上方に突出した環状の空間が作り出されており、この空間はブレードによって生み出された風が搬送風として刈り草を集めながら流れるために好都合となる。つまり、この内側天板と段差板の構造は、外側に中間空間のための凹部を作り出し、内側に搬送風が刈り草を集めながら流れる搬送空間となる。しかも、その凹部は上方からデッキ蓋によって覆われているので、この凹部に溜まった刈り草などが走行中の何らかの衝撃により、ブレードハウジングから落下して、見栄えの悪い跡形を残すような問題も排除できる。
【0011】
ブレードハウジングの上面に刈り草などが入り込むことが避けられないとすれば、ブレードハウジングに溜まった大量の刈り草が一度に落下することだけは避けなければならない。そのためには、ブレードハウジングの上面を「刈り草などが溜まりにくい形状、例えば平坦にすることが効果的である。さらには、その平坦面が一定の傾斜をもっているとさらに良い。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記デッキ蓋の上面と前記外側天板の上面とは1つの平坦面、好ましくは傾斜した平坦面を形成するように配置されている。
【0012】
ブレードハウジング内で刈り取られた刈り草を後部に装備された集草容器に回収する草刈機では、ブレードに設けられた起風翼による搬送風だけでは不十分な場合、搬送風を追加的に作り出すファンユニットが必要となる。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記ブレードの上方で前記回転軸芯周りに回転するファンを有するファンユニットが設けられている。このようなファンユニットでは、ファンによって生み出された風をさらにブレードに送り込むことで、ブレードの起風機能との相乗作用により強力な搬送風を作り出すことができる。そのためには、中間領域の空気をファンに供給するための二次空気流通部は、平面視において、ファンの回転軌跡内に配置されていることが好適である。
【0013】
ファンの回転軌跡内に二次空気流通部を形成するための具体例として、第1には、二次内側天板に貫通孔を設けて空気流通部とすることが提案される。この貫通孔によって上方からファンの回転軌跡内の好適な位置に空気を供給することができる。但し、内側天板に大きな流れ断面を有する孔を形成すると、内側天板の強度が低下する。したがって、二次空気流通部の流れ断面を増やしたい場合で、かつモアーユニットが前記回転軸を軸受する軸受ケースのフランジ部が前記ブレードハウジングを貫通して前記ブレードハウジングに装着されている構造を採用している場合、本発明の第
2発明のように、前記フランジ部と前記ブレードハウジングとの間の隙間を用いて形成された流通路を二次空気流通部として利用することが提案される。このような流通路は、内側天板の強度を低下させることなしに、二次空気流通部の流れ断面を増加させることができ、好都合である。
【0014】
ブレード回転軸の軸受に水滴が入り込みにくい構造が必要であり、好適な防滴構造としてラビリンス構造が知られている。ブレード回転軸にファンユニットを取り付ける形態では、このラビリンス構造の一部分をファンユニットの構成部材で作り出すと、スペース的に有利となる。従って、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記ファンユニットは、前記回転軸を軸受する軸受ケースのフランジ部との間に前記回転軸芯の周方向に延びるラビリンス構造を形成するように構成されている。
【0015】
ファンユニットによる空気の吹き出しを効率よく行うためには、渦巻ポンプの原理を用いるとよい。これを実現するため、本発明によるファンユニットの好適な実施形態では、前記ファンユニットは、前記ブレードとの間に位置する底壁と前記底壁の外縁から立ち上がった側壁とを有するファンシュラウドを備えており、前記側壁に吹き出し口が形成されており、前記底壁に前記回転軸のための貫通孔が形成され、前記底壁の外周端は前記回転軸芯を中心とする渦巻状に延びており、前記吹き出し口に対応する中心角領域で最大径となっている。この構成では、底壁の非円形(渦巻形状)な外縁に合致する形状を有する側壁が必要である。そのためには、まず、底壁を製作し、その側壁の外縁に合わせて板材を曲げ加工することで所望の形状の側壁を作り出すことができ、この側壁と底壁とを接合することで、非円形断面のファンシュラウドが得られる。
【0016】
本発明のうち第
3発明では、前記草刈り空間と連通するとともに前記草刈り空間から刈り草を排出する刈り草排出搬送流路を内部に形成する刈り草排出カバーが備えられ、かつ前記刈り草排出カバーは、前記ブレードハウジングに形成された刈り草排出口からさらに前記ブレードハウジングの上方を前記ブレードハウジングの外端まで延びており、前記刈り草排出カバーの終端と前記ブレードハウジングとの間に前記刈り草排出口に連通する外気流通口が形成されている。この構成によれば、外気流通口は、ブレードハウジング内部で生起された搬送風の速度が大きくなってブレードハウジングから放出される刈り草排出口に向いているので、効果的な外気の吸気が行われる。特に複数のブレードを備えたマルチブレードタイプのブレードハウジングの場合、刈り草排出口は各ブレードによって生起された搬送風が合流する箇所に形成されることから、刈り草排出口付近での搬送風の速度が大きくなり、このような外気流通口の配置は好都合である。
【0017】
大きな速度成分を有する搬送風がもたらす大きな外気吸気力を有効に利用するためには、吸気路の流れ断面はある程度の大きさが必要になるが、大きな流れ断面は外気流通口を通じての外部から内部へのまたは内部から外部への石や土の塊などの異物を放出または侵入させる可能性も大きくなる。このため、好適な実施形態では、前記外気流通口の流れ断面は、前記刈り草排出カバーの全幅にわたって延びた上下方向が狭いスリット形状とし、大きな異物の放出や侵入を防止している。
【0018】
刈り草の搬送詰まりが生じると、外気流通口から刈り草が吹き出してブレードハウジングの天板の溜まってしまう。これを避けるため、前記刈り草排出カバーの終端を前記ブレードハウジングの天板の外縁まで延ばすとともに、前記外気流通口に、前記外気流通口からの吹き出し方向を下向きする偏向体を設けると、外気流通口から吹き出す刈り草は全てブレードハウジングの外側にまき散らされるので好都合である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明によるモアーユニット6の具体的な実施形態を説明する前に、
図1と
図2を用いて本発明を特徴付けている基本的な構成を説明する。
図1には、本発明によるモアーユニット6を構成するブレードハウジング7に対して排出カバー64が上方に取り外されている状態が示されており、ブレード駆動ユニット65も示されている。なお、このブレードハウジング7は2枚ブレードが横並びしている2枚ブレードタイプである。
図2から明らかなように、各ブレード78は、上下向きに延びた回転軸芯X1周りで回転する回転軸79に固定されている。さらに、ブレード78のすぐ上に、回転軸79に固定されたファン84を有するファンユニット80が設けられている。ブレードハウジング7は、各ブレードユニット77を上方から覆う2つの実質的におなじようなカバー構成部材が接合された形態を有するので、ここでは一方のカバー構成部材に注目して説明する。
図2では、1つのカバー構成部材の半割状態が斜視的に示されている。
【0021】
ブレードハウジング7は、天板70とこの天板70の縁部から下方に延びた側板74とからなる。ブレードハウジング7は、その内面側にブレードユニット77が収容される草刈り空間Z0を作り出しており、その外面側にブレード78の回転軸79から径方向外側に拡がる凹部S1が形成されている。このため、ブレードユニット77の天板70は、実質的には、回転軸芯X1から径方向外側に延びた内側天板71と、この内側天板の外縁から上方に延びる段差板72と、この段差板72の上縁から径方向外側に延びた外側天板73とからなる。したがって、側板74は、外側天板73の外端から下方に延びており、平面視でほぼ8の字形状を示している。
【0022】
図2に示されているように、凹部S1の上方は、ほぼ円形のデッキ蓋75によって覆われ、これにより、草刈り空間Z0上方に、ほぼ円柱状の中間空間S1が作り出される。この中間空間S1は完全な密閉空間ではなく、デッキ蓋75とブレードユニット77との境界やデッキ蓋75自体に、外部と中間空間S1との間の空気流通を可能する一次空気流通部91が形成される。例えば、一次空気流通部91としてデッキ蓋75の外周縁とブレードユニット77との間に形成される隙間を利用することができる。ここで例示されたデッキ蓋75には、掴み部としての丸孔75bが形成されているが、丸孔75bに代えて取っ手を取り付けてもよい。この丸孔75bが存在している場合、この丸孔75bも一次空気流通部91として利用可能である。もちろん、この中間空間S1は外気を草刈り空間Z0に供給するためのバッファ空間であるので、中間空間S1と草刈り空間Z0との間の空気流通を可能する二次空気流通部92も形成されている。この二次空気流通部92として、内側天板71に貫通孔71bを設けるとよい。この貫通孔71bが、平面視でファン84の回転軌跡内に入るように配置されることで、貫通孔71bから入る空気は、ファン84を通じて草刈り空間Z0に送り込まれるので、効果的な外気供給が実現する。
【0023】
図2から明らかなように、図示された例では、デッキ蓋75の上面と外側天板73の上面とが平坦面を形成するようにデッキ蓋75が装着されており、天板70に刈り草など滞留が防止される。デッキ蓋75の上面と外側天板73の上面とによって作り出される天板70の上面は、水平面である必要はなく、刈り草のデッキ蓋75上での滞留を防ぐという観点からは、ある程度の傾斜を有するのが好ましい。
【0024】
なお、
図1から想定できるように、草刈り空間Z0から刈り草を排出するための刈り草排出口が、天板70と側板74との一部を切り欠くことによって作り出されており、この刈り草排出口を覆うように、刈り草排出カバー64が備えられている。この刈り草排出カバー64の内部に刈り草排出搬送流路が作り出されている。刈り草排出カバー64は、上部構造体64Aと下部構造体64Bとからなり、上部構造体64Aは、刈り草排出口17を超えて、さらにブレードハウジング7の天板70の上方をわずかな間隔をあけてブレードハウジング7の外端付近まで延びて、そこで外気流通口90を形成している。つまり、この外気流通口90は刈り草排出搬送流路ないしはその後の刈り草排出搬送流路に連通しており、その領域を通過する搬送風に付加的な空気が供給される。
【0025】
さらに、
図2に示すように、ブレード78の上方にファンユニット80を配置する形態を採用する場合、回転軸79に固定されるファン84と、内側天板71に固定されるファンシュラウド81とからファンユニット80が構成される。その際、回転軸79を軸受する軸受ケース67とファン84との間に回転軸芯X1の周方向に延びるラビリンス構造69を形成すると、軸受ケース67に装着されている軸受67aへの水等の侵入が抑制される。
【0026】
次に、図面を用いて、本発明によるモアーユニットの具体的な実施形態の1つを説明する。
図3は、横並びで2つのブレードを配置したモアーユニット6を前輪2aと後輪2bとの間に装備した乗用草刈機(以下単に草刈機と略称される)の側面図であり、
図4は平面図である。この実施形態のモアーユニット6は、以下に詳細に述べられるが、
図1と
図2とを用いて説明された基本構成が採用されている。
【0027】
この草刈機は、左右一対の操向操作自在な前輪2aと左右一対の駆動自在な後輪2bと、機体フレーム1とを備えている。運転座席21とステアリングホイール22を含む運転部20が機体フレーム1の後部に配置されている。前輪2aと後輪2bとの間で機体フレーム1に平行リンク機構として形成された昇降リンク機構60を介してモアーユニット6が吊り下げられている。
【0028】
機体フレーム1の前部にエンジン23が配置され、このエンジン23の動力を伝達する動力伝達機構24がエンジン23から後方に延びている。動力伝達機構24には、後輪2bに動力を伝達する走行用動力伝達機構(非図示)と、モアーユニット6に動力を伝達する作業用動力伝達機構(非図示)とが含まれている。走行用動力伝達機構は、エンジン23の機体前方向きの出力軸からの動力を受け取り、運転座席21の下方に配置された変速装置を介して後輪2bに伝達する。作業用動力伝達機構は、エンジン23の機体前方向きの出力軸からの動力を受け取り、モアーユニット6のブレードハウジング7の上方に配置されたブレード駆動ユニット65に伝達する。草刈機は、モアーユニット6を駆動しながら走行することで、芝や草を刈り込む草刈り作業を行う。
【0029】
昇降リンク機構60は、機体フレーム1に上下揺動自在に支持された左右一対の前リンク60aと、機体フレーム1に上下揺動自在に支持された左右一対の後リンク60bと、左右一対の連動リンク60cとを備えている。左右一対の前リンク60aの先端部は、モアーユニット6のブレードハウジング7の前部に位置する前ブラケット61aに連結されている。左右一対の後リンク60bの先端部は、ブレードハウジング7の後部に位置する後ブラケット61bに連結されている。左右の連動リンク60cにより、それぞれ対応する側の前リンク60aと後リンク60bとが連結されている。左右一対の前リンク60aは、一本の揺動軸(非図示)を介して連動連結されている。左側の前リンク60aにリフトシリンダ62が連動されている。つまり、昇降リンク機構60は、リフトシリンダ62によって前リンク60aが揺動変位することによって機体フレーム1に対して上下に昇降する。これにより、モアーユニット6をブレードハウジング7の前後側に支持された接地ゲージ輪63が地面に接地した下降作業状態と、各接地ゲージ輪63が地面から上昇した上昇非作業状態とが実現する。
【0030】
前記モアーユニット6を下降作業状態にして草刈機が走行するとともに、モアーユニット6のブレードハウジング7の内部に配置されているブレードユニット77が回転駆動すると、草地や芝地の草刈りが行われる。その際、刈り草はブレードユニット77の駆動にともなって発生する風によってブレードハウジング7の上部に位置する排出カバー64を通じて、刈り草搬送ダクト15に送り込まれる。刈り草搬送ダクト15は、左右一対の後輪1bの間を機体前後方向に延び、機体フレーム1の後方に配置されている集草容器5に接続している。これにより、ブレードハウジング7内で刈り取られた刈り草は、集草容器5に回収される。
【0031】
図3と
図4とから理解できるように、機体前後方向で運転座席21の直後で、機体フレーム1の左端及び右端に、左右一対の縦支柱3が配置されている。それぞれの縦支柱3は、ほぼ真ん中で160°程度の屈曲角をもって前後方向折り曲げられているが、全体として上方に延びている断面が長方形の角パイプである。縦支柱3の下端領域である基端部3bの内側面に固定ブラケット3Bが形成されている。また、固定ブラケット3Bに対応する位置に、機体フレーム1の左端及び右端から機体横断方向に突き出しているサイド受け台11が形成されている。サイド受け台11の上部には受け面が形成されている。この受け面に、固定ブラケット3Bの下部に形成された固定面が重ね合わされ、互いにボルト連結されることで、左右一対の縦支柱3は機体フレーム1の左右両側に高い剛性をもって固定される。左右一対の縦支柱3は複数の機体横断方向に延びたクロスビーム3Cによって連結されている。
【0032】
縦支柱3の上端領域である自由端部3aには、縦支柱3に上側ユニット30を横軸芯P1周りで揺動可能に連結させる連結部3Aが形成されている。この連結部3Aは、長方形断面を有する角パイプである自由端部3aの3側面を外囲するべくチャンネル状の部材として構成され、縦支柱3の自由端部30aに溶接接続されている。縦支柱3に対する上側ユニット30の揺動構造は、左右一対の連結部3Aと上側ユニット30の両側の自由端部30aに横軸芯P1を有する貫通孔を同軸上に設け、それぞれの貫通孔に揺動軸31を装着することで実現している。
【0033】
上側ユニット30は、縦支柱3と同様な断面形状を有する門型フレームであり、その両側の自由端部30aは直線形状であるが、そこからほぼ90°近く前方に屈曲して延びている。つまり、上側ユニット30の全体形状は、U字状フレームであるが、その側面視でU字状フレームの脚部のところで前方に折り曲げられた形状となっている。この形状により、両側の自由端部30aと縦支柱3の自由端部3aがほぼ重なる上側ユニット30の揺動位置において、上側ユニット30のアーチ部30bが運転座席21に座った運転者の頭部の上方にくる。この実施形態では、当該揺動位置を伸張揺動位置と称する。運転座席21を前方に移動させた状態で、上側ユニット30を前方から下方に揺動させることで、上側ユニット30は、そのアーチ部30bが運転座席21の後方に位置する揺動位置に達する。この実施形態では、当該揺動位置を退避揺動位置と称する。連結部3Aと上側ユニット30との間には、上側ユニット30を、上述した伸張揺動位置及び退避揺動位置でロックするためのロック装置32が設けられている。
【0034】
左右一対の縦支柱3の上部領域には、平行4点リンク機構として形成されたリンク機構4が着脱可能に装着され、このリンク機構4に集草容器5が支持されている。リンク機構4は縦支柱3の上端部と集草容器5の後端側の下端部とを連結している。リンク機構4を持ち上げるピストンシリンダとして油圧式の昇降シリンダ54が、集草容器5の左右両側を延びるように配置されている。さらに、集草容器5の後端側の下方に油圧シリンダで構成された一つのダンプシリンダ58bが配置され、このダンプシリンダ58bの伸縮によって集草容器5をひっくり返すダンプリンク機構58aが集草容器5の左右両側に配置されている。
【0035】
左右一対のリンク機構4は、それぞれアッパーリンク4Aとロアーリンク4Bと容器側リンク51とからなる。容器側リンク51は、アッパーリンク4Aとロアーリンク4Bとを所定の間隔をあけて連結している連結リンクとして機能するとともに、集草容器5の容器ブラケットでもあり、集草容器5の後端フレームとしても機能する。
【0036】
アッパーリンク4Aはアッパー装着ブラケット41とアッパーリンク本体42とからなり、ロアーリンク4Bはロアー装着ブラケット43とロアーリンク本体44とからなる。アッパー装着ブラケット41は装着部41aと揺動支点部41bとを備え、ロアー装着ブラケット43は、装着部43aと揺動支点部43bとを備えている。装着部41aと43aは、縦支柱3に対して着脱可能に装着され、揺動支点部41bと43bは、対応するリンク本体(アッパーリンク本体42またはロアーリンク本体44)と揺動可能に連結している。
【0037】
以上の説明から、アッパー装着ブラケット41はアッパーリンク本体42に対してリンク揺動軸芯P2周りで回動する。このため、自立状態の集草容器5におけるリンク機構4に対して草刈機が後進して、縦支柱3を装着部43aに差し込む際、装着部41aのU字状の開口が縦支柱3に向かい合うように、装着部41aの姿勢を適正に保持することが重要である。縦支柱3に対するこの装着部41aの適正姿勢を実現するためには、自立している集草容器5におけるアッパーリンク本体42とロアーリンク本体44との姿勢、及びアッパーリンク本体42に対するアッパー装着ブラケット41の姿勢とロアーリンク本体44に対するロアー装着ブラケット43の姿勢を許容範囲で維持しなければならない。このため、アッパーリンク本体42及びロアーリンク本体44の機体側端部の下面にストッパプレート46aが設けられており、アッパー装着ブラケット41及びロアー装着ブラケット43がリンク揺動軸芯P2周りで所定位置より下方に揺動することを禁止している。
【0038】
リンク機構4を揺動昇降させる、左右一対の昇降シリンダ54はそれぞれ、ロアーリンク本体44と縦支柱3の基端部3bとを連結している。具体的には、昇降シリンダ54のピストン先端は、ロアーリンク本体44に固定された第1シリンダブラケット55に第1支持ピン55pを介して揺動可能に連結されている。昇降シリンダ54のシリンダ端部は、縦支柱3の基端部3bに固定された第2シリンダブラケット56に第2支持ピン56pを介して揺動可能に連結されている。
【0039】
第1シリンダブラケット55には、突っ張り棒57が横軸芯周りで揺動可能に設けられている。この突っ張り棒57は、昇降シリンダ54のピストンが最大に伸長した際に、その先端部を昇降シリンダ54のシリンダ端に係止するように下向きに揺動させ、ピストンの下降を防止する。それ以外のとき、突っ張り棒57は、ロアーリンク本体44の下面に沿う退避姿勢に揺動し、その先端部をロアーリンク本体44に設けられた保持具に係止することで、保持される。
【0040】
昇降シリンダ54のピストンが伸縮することにより、リンク機構4は縦支柱3に対して上下に揺動変位し、これによって集草容器5は刈り草搬送ダクト8の後端部の後方箇所に下降した下降回収位置と刈り草搬送ダクト8の後端部の後方上方箇所に上昇した上昇排出位置との間で昇降する。
【0041】
集草容器5は、容器本体50と容器本体50の剛性を強化している容器フレーム52とからなる。容器フレーム52の中核部材は、実質的に容器本体50を支持することができる容器ブラケット51である。この容器ブラケット51は、リンク機構4の容器側ブラケットとしても機能しているので、ロアーリンク本体44及びアッパーリンク本体42と揺動支点をもって連結している。
【0042】
集草容器5には、容器本体50の後端側に位置する刈り草排出口50aを開閉する蓋53が設けられている。集草容器5は揺動軸芯P4周りで揺動することで、下降回収姿勢から上昇排出姿勢に移行する。上昇排出姿勢では、刈り草排出口50aが下向きになり、容器本体50の前端側に位置する刈り草回収口50bが上向きになる。下降回収姿勢では、刈り草回収口50bが機体前方向きになり、刈り草排出口50aが機体後方向きになる。
【0043】
ダンプシリンダ58bは、集草容器5の横断方向での中間部の下方において揺動軸芯P4周りで揺動可能に設けられたダンプアーム58cと連結されている。ダンプアーム58cを揺動軸芯P4周りで揺動することで集草容器5も揺動軸芯P4周りで揺動し、左右一対のダンプリンク機構58aの働きにより、集草容器5が前記上昇排出姿勢と前記下降回収姿勢とに切り換えられる。ダンプリンク機構58aは、蓋53の枠部材と容器フレーム52と容器ブラケット51とを揺動支点をもって連結しているが、よく知られた構造であるので、ここでの詳しい説明は省略する。ダンプシリンダ58bとダンプアーム58cとは、集草容器5が下降回収姿勢に切り換わった状態において、容器本体50の底板に形成された凹部に納まる。
【0044】
以下、
図5から
図9を用いて、モアーユニット6の構造を詳しく説明する。
モアーユニット6のブレードハウジング7は、天板70と天板70の外縁から下方に延びた側板76を備えている。横並びに配置された左右一対のブレードユニット77とファンユニット80とを内部に収納する。各ブレードユニット77は、上下方向の回転軸芯X1を有する回転軸79周りで回転するブレード78を有する。ブレード78の回転軌跡に相応して、ブレードハウジング7の内部に2つの草刈り空間Z0が形成され、その2つの草刈り空間の間に、天板70に設けられた刈り草排出口17を含む、刈り草排出空間(
図5において点線で描かれた矢印で模式的に示されている)が形成される。草刈り空間Z0の上方は天板70によって覆われ、刈り草排出空間の上方は排出カバー64の上部構成体64Bによって覆われている。刈り草排出口17は、車体横方向で両回転軸芯X1の間隔のほぼ半分の幅をもって、回転軸芯Z1の周辺から後方にかけて天板70を部分的に切り欠くことによって作り出されている。
【0045】
それぞれのブレード78の起風翼による回転起風が、2つの草刈り空間Z0の境界領域である刈り草排出空間で合流して、刈り草排出口17を通って後方上方に流れるように、各ブレード78の回転方向(
図5において矢印によって示されている)が決定されている。草刈り空間Z0で刈り草を巻き込みながら刈り草排出口17を通り抜けてきた刈り草を含む搬送風は、排出カバー64の内部空間である刈り草排出路を通り、さらに刈り草搬送ダクト15に流れ込む。
【0046】
図7に示すように、排出カバー64は、上部構成体64Aと下部構成体64Bとからなる。下部構成体64Bは、左右一対の側壁板とこの側壁部を連結する連結板とから構成され、刈り草排出口17の両横側の箇所でブレードハウジング7に固定される。上部構成体64Aは、いずれもU形断面を有する前部材641と後部材642との二分割構成である。前部材641は、刈り草排出口17の前領域と、外側天板73とを覆うように前後方向に延びており、外側天板73の上面との間に、上下方向が狭く横方向が広いスリット状断面の吸気路及びその先端の外気流通口を作り出している。この前部材641は、ブレードハウジング7の外端まで延びており、さらに、その終端部には、前部材641によって作り出された吸気路内の流れ方向を下向きに偏向するU字状の偏向体64Cが設けられている。この偏向体64Cの役割は、刈り草搬送ダクト15等で詰まりが生じた際に、刈り草が刈り草排出口17から吸気路を逆流して、吸気路から飛び出してくる刈り草を下方に落として、ブレードハウジング7の上方に舞い上がることを防止することである。通常の草刈り作業時には、この吸気路は、刈り草排出口17を早い速度で通り抜ける搬送風を増強するために、外部から空気を取り込むように機能する。
【0047】
上部構成体64Aの後部材642は、前部材641の後端と隙間が生じないように接続している。また、その前部材641との接続箇所付近で、前部材641に左右一対の支持部644が設けられており、後部材642は、横軸芯有する支軸645周りで上下方向の揺動が可能なように、この支持部644に支持されている。後部材642の左右の側板部は、その上下揺動の間、下部構成体64Bの側壁板に面接触する形状を有する。さらに、上部構成体64Aは、ばね643によって上方揺動付勢されている。これにより、モアーユニット6の昇降にともなってブレードハウジング7と刈り草搬送ダクト15との上下間隔の変化にかかわらず、上部構成体64Aの後端が搬送ダクト15の内面に当接した状態が維持される。
【0048】
天板70には、それぞれの回転軸芯X1を中心とするほぼ円形の凹部S1が形成されている。従って、天板70は、凹部S1の底面を形成する内側天板71と、凹部S1の側面を形成する段差板73と、残りの部分である外側天板73とからなる。凹部S1を覆うデッキ蓋75が装着されると、そのデッキ蓋75と外側天板73とは同じ高さレベルとなって、デッキ蓋75が凹部S1の上面を形成することになる。デッキ蓋75の装着により、凹部S1は、刈り草や小石が入り込みにくい実質的に閉鎖された中間空間が作り出される(以下、中間空間にも図番S1が付与される)。但し、この中間空間S1に外気が入り込むことができる程度の一次空気流通部91が形成されている。このような意味から、デッキ蓋75として、刈り草や小石は通り抜けることはできないが、空気の流通は可能な、多孔板が用いられてもよい。
【0049】
各回転軸79に回転動力を伝達するため、ブレード駆動ユニット65が天板70の上方に配置されている。ブレード駆動ユニット65は、機体側から動力を受け取って、左右の回転軸79に分配するギヤ伝動機構
(「伝動機構」)を内蔵する駆動ケース66と、駆動ケース66の両端に連結するとともに回転軸79を軸受けしている軸受ケース67とを備えている。軸受ケース67は上下方向に延びており、その下部にフランジ部68が設けられている。デッキ蓋75には、軸受ケース67との干渉をさけるために、軸受ケース67の外形に合わせた切欠き75aが設けられており、内側天板71には回転軸芯X1と同軸状の貫通孔71aが設けられている。軸受ケース67のフランジ部68は、内側天板71の貫通孔71aに装入され、内側天板71に固定される。フランジ部68には、内側天板71への固定のために、大径化したスカート部68aが形成されており、このスカート部68aの径方向突起片のところで内側天板71とボルト連結される。
【0050】
図6に示されているように、ブレード軸である回転軸79は、軸受ケース67のフランジ部68の内周面に配置された軸受67aによって調心され、さらに下方に突き出した突出部79aを有する(
図8参照)。突出部79aには径方向に延びた4つのフランジアーム791が設けられており、このフランジアーム791にファンユニット80のファン84が取り付けられる。
図8に示されているように、ファンユニット80は、さらにファンシュラウド81を備えている。ファンシュラウド81は、軸受ケース67のフランジ部68と内側天板71とからなる上部壁との間で起風空間S2(
図6参照)を作り出すために、扁平円状の環状底壁82とその環状底壁82の外周端から立ち上がった側壁83とからなる。側壁83の一部は風の吹き出し口83aとして切り欠かれている。通常のこの吹き出し口83aの位置は、2つのブレード78によって生起された搬送風の合流箇所、つまり刈り草排出口17の方に設定されている。このファン84は、ファンプレートの形態を採用しており、円状の基板84aの外周領域に複数の起風翼84bが周方向に配置されている。この基板84aはファンシュラウド81の環状底壁82の中央孔を覆うが、環状底壁82に直接接触しないように重ね合わされている。
【0051】
この実施形態では、
図8から理解できるように、ファン84の基板84aは円形であるが、ファンシュラウド81の環状底壁82の外周形状は、渦巻き曲線のような非円形である。この環状底壁82の外縁に合わせて側壁83を曲げ加工することにより、側壁83とファン84との間で徐々に流れ断面が大きくなる渦巻き曲線状の空気流空間が形成される
ファンシュラウド81が作り出される。この空気流空間の流れ断面が最も大きくなる箇所に吹き出し口83aが形成される。
【0052】
軸受ケース67のフランジ部68の下面、つまりスカート部68aの裏面に、下方に突出する、内側スリーブ68cと外側スリーブ68dが形成されている。内側スリーブ68cと外側スリーブ68dとは、回転軸芯X1に同軸であり、互いに径方向で間隔をあけており、その間に環状空間を作り出している。また、ファン84の基板84の上面には、上方に突出する内側環状部84cと外側環状部84dとが形成されている。この内側環状部84cと外側環状部84dも、回転軸芯X1に同軸であり、互いに径方向で間隔をあけており、その間に環状空間を作り出している。組み付けられた状態で、内側スリーブ68cと外側スリーブ68dとの間の環状空間に内側環状部84cが入り込み、内側環状部84cと外側環状部84dとの間の環状空間に外側スリーブ68dが入り込む。これにより、軸受ケース67のフランジ部68とファン84との間にラビリンス構造69が作り出され、ファンユニット80の起風空間S2から軸受ケース67内部への水や小石などの異物の侵入が抑制される。
【0053】
デッキ蓋75の切欠き75aは、軸受ケース67とデッキ蓋75との間に隙間D1が形成されるように設計されており、この隙間D1が、外部と中間空間S1との間の空気流通のための一次空気流通部91として機能する。十分な大きさの隙間D1が形成できない場合には、段差板73とデッキ蓋75との間に隙間を設け、この隙間を一次空気流通部91として機能させてもよい。さらには、一次空気流通部91としてデッキ蓋75に小さな貫通孔を設けてもよい。内側天板71には、回転軸芯X1の周方向に延びる、少なくとも1つの長孔71b(図では3つ)が設けられている。この長孔71bは中間空間S1と草刈り空間Z0との間の空気流通のための二次空気流通部92として機能する。また、内側天板71に固定された軸受ケース67のフランジ部68におけるスカート部68aに、内側天板71との間に第1の隙間が部分的に形成されている。さらには、内側天板71の貫通孔71aは、内側天板71に固定された軸受ケース67のフランジ部68の外周部(詳しくは外側スリーブ68d)と内側天板71との間において、少なくとも部分的に第2の隙間が形成されるように設計されている。この第1の隙間と第2の隙間とが連通することで、中間空間S1と草刈り空間Z0との間の空気流通のための二次空気流通部92として機能する隙間D2が形成される。
【0054】
回転軸79の下端には、固定プレート79Aを介してブレード78がボルト固定されている。ブレード78はよく知られているものであり、板状部材で作製されており、その両端に起風翼が形成されている。ブレード78の中央部は上方に突出するように屈曲している。なお、ファン84の基板84aには回転軸79の貫通を許す中央孔が形成されているが、この中央孔付近は上方に屈曲しており、その下部に円錐台状の凹部が形成されている。この凹部に固定プレート79Aとブレード78の中央部が入り込んでおり、ファンユニット80の存在がブレードハウジング7の高さ方向を拡張することを抑制している。
【0055】
〔別実施形態〕
(1)上述した実施形態では、各凹部(中間空間)S1を覆うデッキ蓋75は、一枚物で構成されていたが、2分割構造でもそれ以上の分割構造でもよい。
(2)上述した実施形態では、上部構成体64Aの前部材641の終端部には偏向体64Cが設けられていたが、この偏向体64Cは省略してもよい。さらには、前部材641の長さを短くして前部材641の終端部を刈り草排出口17のすぐ近くにもってきてもよい。
(3)上述した実施形態では、2つのブレードユニット77が横並びされたモアーユニット6が例示されたが、ブレードユニット77が1つだけものや3つ以上のブレードユニット77が横並びされたモアーユニット6に対しても本発明は適用することができる。
(4)上述した実施形態では、この明細書で開示されている種々の発明的特徴を有するモアーユニット6は、機体フレーム1の前部にエンジン23、後部に運転座席21が配置されるとともに、前輪2aと後輪2bとの間にモアーユニット6が配置されている草刈機に適用されていた。もちろん、このようなタイプ以外の草刈機、乗用型草刈機や歩行型草刈機にも本発明のモアーユニット6は適用可能である。さらに、種々の発明的特徴の一部だけを、各種草刈機のモアーユニット6に適用することも本発明の枠内で可能である。各種草刈機としては、モアーユニット6を前輪の前に配置させた、いわゆる、フロントマウント型の草刈機、さらに、エンジン23を運転座席21の後方に配置し、エンジン23の前側に縦支柱3を、エンジンの後側に集草容器5を、エンジン23の左右両側にリンク機構4を配置した草刈機、集草容器5を備えない、リアディスチャージ型やサイドディスチャージ型の草刈機などが挙げられる。本発明を構成する種々の特徴は、全体的に、あるいは部分的に、種々のタイプのモアーユニット6に適用可能である。