(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御信号の制御により前記バックライトの点灯が終了する時点は、前記表示パネルの階調値の変化に関わらず、所定周期毎において固定されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術のような垂直同期信号に同期させてバックライトを点滅させる場合に、例えば、前フレームの液晶状態から現フレームの液晶状態に完全に遷移する前にバックライトの点灯を開始すると、前フレームの液晶状態が表示画像に反映されてしまう現象(「ゴースト」と称する)が生じる。また、垂直同期信号に対して、バックライトの点灯終了時点(消灯開始時点)を時間軸後方に伸ばすと、現フレームに対するバックライトの点灯期間が後(次)のフレームの液晶状態へ遷移している期間と重複してしまい、後のフレームの液晶状態が表示画像に反映されてしまう現象(「リーディングエッジ」と称する)が生じ、動画表示性能が劣化するという問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、動画の表示性能を改善することができる表示装置及び表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る表示装置は、表示パネルと、該表示パネル用のバックライトとを備える表示装置において、前記表示パネルのフレームの更新開始に同期して、前記バックライトの点灯及び消灯を制御する制御信号を該バックライトへ出力する制御手段と、前記表示パネルの画面に表示する一の画像を書き替えるため、所定周期毎にフレームを更新する更新手段とを備え、前記制御手段は、前記更新手段が一のフレームの更新を開始した後に前記バックライトの点灯を開始し、前記一のフレームの次のフレームの更新を開始した以降に前記バックライトの点灯を終了すべく制御する制御信号を出力するようにしてあることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る表示装置は、第1発明において、前記制御手段は、前記次のフレームの更新開始時点から所定時間後に前記バックライトの点灯を終了すべく制御する制御信号を出力するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る表示装置は、第1発明又は第2発明において、前記表示パネルの画面の輝度を調整する調整手段を備え、前記制御手段は、前記調整手段による調整に応じて、前記バックライトの点灯開始時点を制御する制御信号を出力するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る表示装置は、第1発明から第3発明までのいずれか1つにおいて、前記更新手段は、前記所定周期毎に複数のフレームを更新するようにしてあり、一のフレームの更新に要する時間をTaとし、前記表示パネルの階調値の変化に対する応答時間をTbとし、前記所定周期をTcとし、一のフレームの更新開始後の前記バックライトの点灯開始時点から該一のフレームの次のフレームの更新開始時点までの時間をTdとし、前記次のフレームの更新開始時点から前記バックライトの点灯終了時点までの時間をTeとし、式[Td−{Tc−(Ta+Tb)}]で表す時間をTgとした場合に、Tg>0であるときは、前記制御手段は、Tg>Teとなるように制御信号を出力するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
第5発明に係る表示方法は、表示パネルと、該表示パネル用のバックライトとを備える表示装置による表示方法において、前記表示パネルのフレームの更新開始に同期して、前記バックライトの点灯及び消灯を制御する制御信号を該バックライトへ出力するステップと、前記表示パネルの画面に表示する一の画像を書き替えるため、所定周期毎にフレームを更新するステップとを含み、前記出力するステップは、前記一のフレームの更新が開始された後に前記バックライトの点灯を開始し、前記一のフレームの次のフレームの更新が開始された以降に前記バックライトの点灯を終了すべく制御する制御信号を出力することを特徴とする。
【0012】
第1発明及び第5発明にあっては、制御手段は、表示パネルのフレームの更新開始に同期して、バックライトの点灯及び消灯を制御する制御信号をバックライトへ出力する。表示パネルのフレームの更新開始に同期するとは、例えば、表示パネルの垂直同期信号に同期すること、あるいは表示パネルを制御するためのブランキング期間のような垂直同期を判別できるデータイネーブル信号に同期することを意味する。制御信号は、バックライトの点灯開始時点及び点灯終了時点(消灯開始時点)を特定することができる信号であれば、どのような形式の信号でもよい。例えば、制御信号は、パルス幅(例えば、バックライトの点灯期間)を変更するPWM制御信号とすることができる。垂直同期信号の周期をT(例えば、120Hz、8.33mms)とすると、制御信号の周期もT(例えば、120Hz、8.33mms)となる。バックライトの点灯期間を長くすればバックライトの輝度を上げることができ、バックライトの点灯時間を短くすればバックライトの輝度を下げることができる。
【0013】
更新手段は、表示パネルの画面に表示する一の画像を書き替えるため、所定周期毎にフレームを更新する。所定周期は、垂直同期信号の周期Tと同じである。表示パネルの画面に動画を表示する場合に、例えば、白画像(例えば、階調値が255)が黒画像(例えば、階調値が0)に変わったとすると、液晶状態が階調値255から階調値0に完全に遷移するのに要する時間を応答時間Tbと称する。なお、液晶状態の遷移は、階調値255から階調値0に限定されるものではなく、階調値0(黒)から階調値255(白)への遷移でもよく、他の階調値から別の階調値への遷移でもよい。
【0014】
制御手段は、更新手段が一のフレームの更新を開始した後にバックライトの点灯を開始し、当該一のフレームの次のフレームの更新を開始した以降にバックライトの点灯を終了すべく制御する制御信号を出力する。液晶状態の遷移が完全に完了する前にバックライトの点灯を開始した場合(すなわち、表示パネルの応答時間Tbが経過する前にバックライトが点灯開始した場合)には、前フレームの液晶状態が表示画像に反映されてしまうゴーストが生じる場合がある。一方、フレームの更新開始直後の液晶状態の遷移は極めて緩やかであり、フレーム更新開始時点から所定時間の間は、液晶状態の遷移(すなわち、階調値の変化)は極めて小さい。斯かる点に着目し、次のフレームの更新を開始した以降(更新開始時点を含めてもよい)にバックライトの点灯を終了すべく制御する制御信号を出力することにより、同じ点灯期間の制御信号に対して、バックライトの点灯開始時点を時間軸の後方へずらす(遅らせる)ことができる。バックライトの点灯開始時点を遅らせることにより、点灯開始前に液晶状態は遷移完了状態に近づき、階調値は遷移後の状態に一層近づけることができ、ゴーストの影響を低減することができる。
【0015】
また、フレームの更新開始直後の液晶状態の遷移は極めて緩やかであり、フレーム更新開始時点から所定時間の間は、液晶状態の遷移(すなわち、階調値の変化)は極めて小さい。したがって、バックライトの点灯終了時点(消灯開始時点)を、フレーム更新開始時点から所定時間経過時点までの範囲内にすることにより、リーディングエッジの影響を低減することができる。このように、リーディングエッジの影響を低減しつつゴーストの影響を低減することができるので、動画の表示性能を改善することができる。
【0016】
第2発明にあっては、制御手段は、次のフレームの更新開始時点から所定時間後にバックライトの点灯を終了すべく制御する制御信号を出力する。例えば、バックライトの点灯終了開始時点を次のフレームの更新開始時点から所定時間後にすべく制御信号を出力する。バックライトの点灯終了開始時点を次のフレームの更新開始時点にする場合に比べて、所定時間だけ遅らせることができるので、遅らせた時間に相当する時間だけバックライトの点灯開始時点を遅らせることができ、ゴーストの影響を低減することができる。
【0017】
第3発明にあっては、表示パネルの画面の輝度を調整する調整手段を備え、制御手段は、調整手段による調整に応じて、バックライトの点灯開始時点を制御する制御信号を出力する。すなわち、制御手段は、表示パネルの画面の輝度を上げる場合には、バックライトの点灯開始時点を早めることによりバックライトの点灯期間を長くし、表示パネルの画面の輝度を下げる場合には、バックライトの点灯開始時点を遅くしてバックライトの点灯期間を短くする。これにより、バックライトの点灯終了時点(消灯開始時点)を常に固定することができ、リーディングエッジの影響を低減することができる。
【0018】
第4発明にあっては、更新手段は、所定周期毎に複数のフレームを更新する。更新手段は、所定周期Tの間に同じ画像(一の画像)を書き換えるため、複数のフレーム(例えば、2つのサブフレーム)を更新する。すなわち、更新手段は、画像Aを書き込む場合、所定周期(更新周期)Tの間に2つのサブフレームを更新することにより、同じ画像Aを2回書き換える。なお、同じ画像Aを2回書き換える構成に限定されるものではない。例えば、画像Aに基づいて補間画像A′を生成し、生成した補間画像A′を2回書き換えてもよく、あるいは、1つ目のサブフレームで同一の画像Aに書き換え、2つ目のサブフレームで補間画像A′に書き換えるようにすることもできる。
【0019】
一のフレームの更新に要する時間をTaとし、表示パネルの階調値の変化に対する応答時間をTbとし、一の画像を書き替えるための所定周期をTcとし、一のフレームの更新開始後のバックライトの点灯開始時点から当該一のフレームの次のフレームの更新開始時点までの時間をTdとし、当該次のフレームの更新開始時点からバックライトの点灯終了時点までの時間をTeとし、式[Td−{Tc−(Ta+Tb)}]で表す時間をTgとする。この場合、Tg>0であるときは、制御手段は、Tg>Teとなるように制御信号を出力する。Tg>0である場合とは、表示パネルの応答時間Tbが終了する前にバックライトの点灯が開始することを意味し、いわゆるゴーストが発生することを意味する。時間Tgは、ゴーストに寄与する時間となり、Tgが長いほどゴーストの影響が大きくなる。また、時間Teは、リーディングエッジに寄与する時間となり、所定時間を超えるとリーディングエッジの影響が現れる。Tg>Teの関係が成り立つように制御信号を出力することにより、リーディングエッジによる影響を低減しつつゴーストの影響を低減することができ、動画の表示性能を改善することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、動画の表示性能を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る表示装置及び表示方法を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は本実施の形態の表示装置100の構成の一例を示すブロック図である。表示装置100は、表示パネルとしての液晶表示パネル10、液晶表示パネル10の背面に配置されたバックライト20、画像処理部30、バックライト制御部40などを備える。なお、表示パネルは液晶に限定されるものではなく、他の遮光部材から構成された表示パネルでもよい。また、表示装置100は、液晶表示パネル10の画面の輝度を調整する調整手段(不図示)を備える。調整手段は、表示装置100に設けられた操作スイッチでもよく、液晶表示パネル10の画面に表示させた操作用の画像でもよい。
【0023】
バックライト20は、直列接続した複数のLED、各LEDに流れる電流をオン/オフするスイッチング素子としてのトランジスタ、トランジスタのベースに流れる電流を適切な値に制限するためのバイアス抵抗などを備える(いずれも不図示)。各LEDに電流が流れることにより、バックライト20は点灯し、各LEDに流れる電流を遮断することにより、バックライト20は消灯する。
【0024】
バックライト制御部40は、制御手段としての機能を有し、液晶表示パネル10のフレームの更新開始に同期して、バックライト20の点灯及び消灯を制御する制御信号をバックライト20へ出力する。液晶表示パネル10のフレームの更新開始に同期するとは、例えば、液晶表示パネル10の垂直同期信号に同期すること、あるいは液晶表示パネル10を制御するためのブランキング期間のような垂直同期を判別できるデータイネーブル信号(DE信号)に同期することを意味する。
【0025】
制御信号は、バックライト20の点灯開始時点及び点灯終了時点(消灯開始時点)を特定することができる信号であれば、どのような形式の信号でもよい。例えば、制御信号は、パルス幅(例えば、バックライトの点灯期間)を変更するPWM制御信号とすることができる。
【0026】
図2は垂直同期信号と制御信号との関係の一例を示すタイムチャートである。
図2に示すように、垂直同期信号の周期をT(例えば、120Hz、8.33mms)とすると、制御信号の周期もT(例えば、120Hz、8.33mms)となる。
図2Aはバックライト20の輝度が低い場合を示し、
図2Bはバックライト20の輝度が高い場合を示す。すなわち、バックライト20の輝度を下げるには、バックライト20の点灯期間(点灯開始時点から点灯終了時点までの時間)を短く(
図2Aの例では、d1)すればよい。また、バックライト20の輝度を上げるには、バックライト20の点灯期間(点灯開始時点から点灯終了時点までの時間)を長く(
図2Aの例では、d2、d2>d1)すればよい。また、
図2に示すように、本実施の形態においては、バックライト20の点灯終了時点(消灯開始時点)をバックライト20の点灯時間の長短に関わらず固定することができる。
【0027】
画像処理部30は、例えば外部の装置から取得した画像データ、あるいは不図示の記憶装置に記憶した画像データを読み出し、画像データを画像信号として液晶表示パネル10へ出力する。本実施の形態では、画像信号は映像信号とも称する。
【0028】
液晶表示パネル10は、更新手段としての機能を有し、所定周期毎にフレームを更新することにより、液晶表示パネル10の画面に表示する画像を書き替える。所定周期は、液晶表示パネル10の垂直同期信号の間隔である。所定周期は、例えば、120Hzであるが、これに限定されるものではなく、60Hz、240Hzなどであってもよい。
【0029】
図3はフレームの更新タイミングの一例を示すタイムチャートである。
図3の上段のチャートに示すように、液晶表示パネル10は、画像処理部30から所定周期Tで画像データA、B、C…を取得する。画像データA、B、Cは、それぞれ画像A、B、Cを示すものとする。所定周期Tは、例えば、120Hz(8.33ms)であるが、これに限定されるものではない。
【0030】
液晶表示パネル10は、所定周期Tでフレームを更新する。
図3の中段のチャートに示すように、液晶表示パネル10は、所定周期Tの間に同じ画像のフレームを2回更新する。所定周期Tの間のフレームをサブフレームと称する。サブフレームの周期はT/2である。
図3の例では、画像データAに対して、サブフレームA1、A2で2回画像データAに書き換える。同様に画像データBに対しても、サブフレームB1、B2で2回画像データBに書き換える。なお、同じ画像Aを2回書き換える構成に限定されるものではない。例えば、画像Aに基づいて補間画像A′を生成し、生成した補間画像A′を2回書き換えてもよく、あるいは、1つ目のサブフレームで同一の画像Aに書き換え、2つ目のサブフレームで補間画像A′に書き換えるようにすることもできる。
【0031】
図3の下段のチャートに示すように、サブフレームA1では、前のサブフレームで書込んだ画像Xが残存しているので、画像Xから画像Aに徐々に書き換えることになる。サブフレームA1の終了時点では、画像A(または前述の補間画像A′でもよい)が書込まれている。そして、サブフレームA2では、再度画像Aを書込むので、画像Aだけが表示される。以降、画像Bについても同様である。
【0032】
次に、動画の表示性能に悪影響を与えるゴースト及びリーディングエッジについて説明する。まず、ゴーストについて説明する。ゴーストは、前フレームの液晶状態から現フレームの液晶状態に完全に遷移する前にバックライト20の点灯を開始すると、前フレームの液晶状態が表示画像に反映されてしまう現象をいう。
【0033】
図4は液晶表示パネル10の画面の表示画像の一例を示す模式図である。
図4の例では、動画像の例として、任意の時点において、白色画面上を黒色の帯状の画像が左から右方向へ移動する場合を示す。符号Aで示す縦方向のラインは、黒色の帯状の画像の外側であって、直近の画素ラインであり、白色から黒色に変わろうとしている箇所を示す。また、符号Bで示す縦方向のラインは、黒色の帯状の画像の内側であって、帯状の画像の最左端の画素ラインであり、黒色から白色に変わろうとしている箇所を示す。
【0034】
図5はゴーストが発生する様子の第1例を示すタイムチャートである。
図5に示すタイムチャートは、
図4で例示した黒色の帯状画像の右端付近の時間経過を示す。
図5に示すように、フレームの更新タイミングは、フレーム更新開始時点(サブフレームA1更新開始時点)がt0、サブフレームA1更新終了時点がt1、サブフレームA2更新開始時点がt2、サブフレームA2更新終了時点がt3、次フレーム更新開始時点(サブフレームB1更新開始時点)がt4であるとする。
【0035】
時点t0において、液晶表示パネル10の画面の1ライン目(最上端横方向の画素ライン)の応答が開始し、階調値(輝度)が、例えば、255(白)から0(黒)に変化するとする。液晶表示パネル10の画面の各画素ラインは、最上端から下へ向かって徐々に階調値変化の応答が開始され、時点t0から時間Taだけ後の時点t1、すなわち1フレーム分の更新が終了した時点で、液晶表示パネル10の画面の最終ライン(最下端横方向の画素ライン)の応答が開始し、階調値(輝度)が、例えば、255(白)から0(黒)に変わろうとする。そして、白画像(例えば、階調値が255)が黒画像(例えば、階調値が0)に変化する場合に、液晶状態が階調値255から階調値0に完全に遷移するのに要する時間を応答時間Tbと称する。最終ラインの応答が完了した時点をt6とすると、Tbは、(t6−t1)である。すなわち、時点t6より前の時点では、液晶状態が完全に遷移していない状態(例えば、階調値がまだ0になっていない状態)であり、時点t6以降は、液晶状態が完全に遷移した状態(例えば、階調値が0となった状態)であるといえる。
【0036】
フレーム更新開始時点t0から次フレーム更新開始時点t4までの所定周期をTcとすると、Tc>(Ta+Tb)の関係が成り立つ。また、時点t5でバックライト20の点灯を開始し、点灯時間をTdとする。
【0037】
上述のような液晶状態の遷移において、例えば、時点t6より前の時点t5でバックライト20の点灯を開始したとすると、時点t5から時点t6までの間の時間Tgでは、前フレームの液晶状態(
図4、
図5の例では、サブフレームA1の状態、すなわち画像Xを画像Aで書き換える状態)が表示画像に反映され、黒色の帯状画像の右端付近にゴーストが生じる。
【0038】
図6はゴーストが発生する様子の第2例を示すタイムチャートである。
図6に示すタイムチャートは、
図4で例示した黒色の帯状画像の左端付近の時間経過を示す。フレームの更新タイミングは、
図5の例と同様であるので説明は省略する。
【0039】
時点t0において、液晶表示パネル10の画面の1ライン目(最上端横方向の画素ライン)の応答が開始し、階調値(輝度)が、例えば、0(黒)から255(白)に変化するとする。液晶表示パネル10の画面の各画素ラインは、最上端から下へ向かって徐々に階調値変化の応答が開始され、時点t0から時間Taだけ後の時点t1、すなわち1フレーム分の更新が終了した時点で、液晶表示パネル10の画面の最終ライン(最下端横方向の画素ライン)の応答が開始し、階調値(輝度)が、例えば、0(黒)から255(白)に変わろうとする。そして、黒画像(例えば、階調値が0)が白画像(例えば、階調値が255)に変化する場合に、液晶状態が階調値0から階調値255に完全に遷移するのに要する応答時間Tbとする。最終ラインの応答が完了した時点をt6とすると、Tbは、(t6−t1)である。すなわち、時点t6より前の時点では、液晶状態が完全に遷移していない状態(例えば、階調値がまだ255になっていない状態)であり、時点t6以降は、液晶状態が完全に遷移した状態(例えば、階調値が255となった状態)であるといえる。
【0040】
上述のような液晶状態の遷移において、例えば、時点t6より前の時点t5でバックライト20の点灯を開始したとすると、時点t5から時点t6までの間の時間Tgでは、前フレームの液晶状態(
図4、
図5の例では、サブフレームA1の状態、すなわち画像Xを画像Aで書き換える状態)が表示画像に反映され、黒色の帯状画像の左端付近にゴーストが生じる。
【0041】
上述の例では、液晶状態の遷移を、階調値255から階調値0、及び階調値0から階調値255の場合について説明したが、液晶状態の遷移は、上述の例に限定されるものではなく、階調値0、255以外の他の階調値から別の階調値への遷移でもよい。
【0042】
図7はゴーストの一例を示す模式図である。
図7の上段の図は、
図4と同様であり、ゴーストが発生していない理想的な画像を示し、白色画面上を黒色の帯状の画像が左から右方向へ移動する場合を示す。
図7の下段の図は、ゴーストの発生の様子を模式的に示すものである。帯状の黒画像の右端内側には、白画像によるゴーストが発生している。これは、
図5で例示したメカニズムで生じるものである。また、帯状の黒画像の左端外側には、黒画像によるゴーストが発生している。これは、
図6で例示したメカニズムで生じるものである。
【0043】
次に、動画の表示性能に悪影響を与えるリーディングエッジについて説明する。リーディングエッジは、現フレームに対するバックライト20の点灯期間が後(次)のフレームの液晶状態へ遷移している期間と重複すると、後のフレームの液晶状態が表示画像に反映されてしまう現象である。
【0044】
図8はリーディングエッジが発生する様子の一例を示すタイムチャートである。
図8に示すように、フレームの更新タイミングは、フレーム更新開始時点(サブフレームA1更新開始時点)がt0、サブフレームA1更新終了時点がt1、サブフレームA2更新開始時点がt2、サブフレームA2更新終了時点がt3、次フレーム更新開始時点(サブフレームB1更新開始時点)がt4であるとする。
【0045】
時点t4において、次フレームの1ライン目(最上端横方向の画素ライン)の応答が開始し、階調値(輝度)が、例えば、0(黒)から255(白)に変化するとする。現フレームに対するバックライト20の点灯終了時点をt7とする。
図8に示すように、現フレームに対するバックライト20の点灯終了時点t7が、次フレーム更新開始時点t4より後になり、バックライト20の点灯時間と次フレームの液晶状態へ遷移している期間と重複すると(
図8において時間TL)、後のフレームの液晶状態が表示画像に反映されてしまうリーディングエッジが発生する場合がある。
【0046】
図9はリーディングエッジの一例を示す模式図である。
図9の上段の図は、
図4と同様であり、ゴーストが発生していない理想的な画像を示し、白色画面上を黒色の帯状の画像が左から右方向へ移動する場合を示す。
図9の下段の図は、リーディングエッジの発生の様子を模式的に示すものである。帯状の黒画像の右端外側には、後フレームの液晶状態である黒画像によるリーディングエッジが発生している。これは、
図8で例示したメカニズムで生じるものである。
【0047】
次に、本実施の形態の表示装置100によるリーディングエッジ及びゴーストの影響を低減する方法について説明する。
【0048】
図10はフレーム更新開始付近での液晶表示パネル10の液晶状態の遷移の一例を示すタイムチャートである。フレームの更新は、フレーム更新開始時点(サブフレームA1更新開始時点)、サブフレームA1更新終了時点、サブフレームA2更新開始時点、サブフレームA2更新終了時点、次フレーム更新開始時点(サブフレームB1更新開始時点)の如く時系列的に行われる。
【0049】
発明者らは、フレームの更新開始直後の液晶状態の遷移は極めて緩やかであり、フレーム更新開始時点から所定時間の間は、液晶状態の遷移(すなわち、階調値の変化)は極めて小さいことに着眼した。すなわち、
図10に示すように、液晶状態が黒(階調値0)から白(階調値が255)に変わる場合、及び白(階調値255)から黒(階調値が0)に変わる場合に、フレーム更新開始時点から所定時間(例えば、時間Te)内であれば、液晶表示パネル10の画面のNライン目の応答(Nは1〜横方向ライン数)は極めて緩やかであり、リーディングエッジが観察されない。なお、階調値は、白及び黒に限定されない。
【0050】
そして、バックライト制御部40は、一のフレームの更新を開始した後にバックライト20の点灯を開始し、当該一のフレームの次のフレームの更新を開始した以降にバックライト20の点灯を終了すべく制御する制御信号を出力する。
【0051】
液晶状態の遷移が完全に完了する前にバックライト20の点灯を開始した場合(すなわち、表示パネルの応答時間Tbが経過する前にバックライト20が点灯開始した場合)には、
図5及び
図6で例示したように、前フレームの液晶状態が表示画像に反映されてしまうゴーストが生じる場合がある。一方、
図10に示すように、フレームの更新開始直後の液晶状態の遷移は極めて緩やかであり、フレーム更新開始時点から所定時間の間は、液晶状態の遷移(すなわち、階調値の変化)は極めて小さい。斯かる点に着目し、次のフレームの更新を開始した以降(更新開始時点を含めてもよい)にバックライト20の点灯を終了すべく制御する制御信号を出力することにより、同じ点灯期間の制御信号に対して、バックライト20の点灯開始時点を時間軸の後方へずらす(遅らせる)ことができる。バックライト20の点灯開始時点を遅らせることにより、点灯開始前に液晶状態は遷移完了状態に近づき、階調値は遷移後の状態に一層近づけることができ、ゴーストの影響を低減することができる。
【0052】
また、
図10で例示したように、フレームの更新開始直後の液晶状態の遷移は極めて緩やかであり、フレーム更新開始時点から所定時間の間は、液晶状態の遷移(すなわち、階調値の変化)は極めて小さい。したがって、バックライト20の点灯終了時点(消灯開始時点)を、フレーム更新開始時点から所定時間経過時点までの範囲内にすることにより、リーディングエッジの影響を低減することができる。このように、リーディングエッジの影響を低減しつつゴーストの影響を低減することができるので、動画の表示性能を改善することができる。
【0053】
さらに、バックライト制御部40は、次のフレームの更新開始時点から所定時間後にバックライト20の点灯を終了すべく制御する制御信号を出力する。例えば、バックライト20の点灯終了開始時点を次のフレームの更新開始時点から所定時間後にすべく制御信号を出力する。バックライト20の点灯終了開始時点を次のフレームの更新開始時点にする場合に比べて、所定時間だけ遅らせることができるので、遅らせた時間に相当する時間だけバックライトの点灯開始時点を遅らせることができ、ゴーストの影響を低減することができる。
【0054】
また、バックライト制御部40は、液晶表示パネル10の画面の輝度を調整する調整手段による調整に応じて、バックライト20の点灯開始時点を制御する制御信号を出力する。すなわち、バックライト制御部40は、液晶表示パネル10の画面の輝度を上げる場合には、バックライト20の点灯開始時点を早めることによりバックライト20の点灯期間を長くし、液晶表示パネル10の画面の輝度を下げる場合には、バックライト20の点灯開始時点を遅くしてバックライト20の点灯期間を短くする。これにより、バックライト20の点灯終了時点(消灯開始時点)を常に固定することができ、バックライト20の点灯終了時点が変動して遅くなり過ぎることによるリーディングエッジの発生を抑制してリーディングエッジの影響を低減することができる。
【0055】
図11は本実施の形態の表示装置100によるバックライト20の点灯制御の一例を示すタイムチャートである。
図11は、
図5に例示したタイムチャートとほぼ同様のものである。
図11に示すように、フレームの更新タイミングは、フレーム更新開始時点(サブフレームA1更新開始時点)がt0、サブフレームA1更新終了時点がt1、サブフレームA2更新開始時点がt2、サブフレームA2更新終了時点がt3、次フレーム更新開始時点(サブフレームB1更新開始時点)がt4であるとする。
【0056】
時点t0において、液晶表示パネル10の画面の1ライン目(最上端横方向の画素ライン)の応答が開始し、階調値(輝度)が、例えば、255(白)から0(黒)に変化するとする。液晶表示パネル10の画面の各画素ラインは、最上端から下へ向かって徐々に階調値変化の応答が開始され、時点t0から時間Taだけ後の時点t1、すなわち1フレーム分の更新が終了した時点で、液晶表示パネル10の画面の最終ライン(最下端横方向の画素ライン)の応答が開始し、階調値(輝度)が、例えば、255(白)から0(黒)に変わろうとする。そして、白画像(例えば、階調値が255)が黒画像(例えば、階調値が0)に変化する場合に、液晶状態が階調値255から階調値0に完全に遷移するのに要する時間を応答時間Tbと称する。最終ラインの応答が完了した時点をt6とすると、Tbは、(t6−t1)である。すなわち、時点t6より前の時点では、液晶状態が完全に遷移していない状態(例えば、階調値がまだ0になっていない状態)であり、時点t6以降は、液晶状態が完全に遷移した状態(例えば、階調値が0となった状態)であるといえる。また、時点t5でバックライト20の点灯を開始し、次フレーム更新開始時点t4から時間Te経過時点でバックライト20の点灯を終了するとする。
【0057】
図11に示すように、一のフレーム(サブフレーム)の更新に要する時間をTaとし、液晶表示パネル10の階調値の変化に対する応答時間をTbとし、一の画像を書き替えるための所定周期をTcとし、一のフレームの更新開始(時点t0)後のバックライト20の点灯開始時点t5から当該一のフレームの次のフレームの更新開始時点t4までの時間をTdとし、当該次のフレームの更新開始時点t4からバックライト20の点灯終了時点までの時間をTeとし、式[Td−{Tc−(Ta+Tb)}]で表す時間をTgとする。
【0058】
そして、時間Tg>0であるとき、バックライト制御部40は、時間Tg>時間Teとなるように制御信号を出力する。時間Tg>0である場合とは、液晶表示パネル10の応答時間Tbが終了する前にバックライト20の点灯が開始することを意味し、いわゆるゴーストが発生することを意味する。時間Tgは、ゴーストに寄与する時間となり、時間Tgが長いほどゴーストの影響が大きくなる。また、時間Teは、リーディングエッジに寄与する時間となり、所定時間を超えるとリーディングエッジの影響が現れる。時間Tg>時間Teの関係が成り立つように制御信号を出力することにより、リーディングエッジによる影響を低減しつつゴーストの影響を低減することができ、動画の表示性能を改善することができる。
【0059】
図12は本実施の形態の表示装置100による動画の表示性能の改善の様子の一例を示す模式図である。
図12Aは従来の場合の表示画像の一例を示すものであり、
図7及び
図9に例示したものと同様である。すなわち、帯状の黒画像の右端内側には、白画像によるゴーストが発生している。また、帯状の黒画像の左端外側には、黒画像によるゴーストが発生している。さらに、帯状の黒画像の右端外側には、後フレームの液晶状態である黒画像によるリーディングエッジが発生している。
【0060】
一方、
図12Bは、本実施の形態の表示装置100による表示画像の一例であり、帯状の黒画像の右端内側及び帯状の黒画像の左端外側のゴーストは目立ちにくい(わかりにくい)状態に改善されている。また、リーディングエッジは知覚することができない程度に改善されている。
【0061】
上述の
図1の例では、バックライト制御部40の垂直同期信号は、液晶表示パネル10が出力する構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、液晶表示パネル10とは別個に垂直同期信号生成部を設けることができる。
【0062】
図13は垂直同期信号生成部の第1例を具備する表示装置110の構成の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、画像処理部30は、画像信号を垂直同期信号生成部50へ出力する。垂直同期信号生成部50は、入力された画像信号から垂直同期信号を生成し、生成した垂直同期信号をバックライト制御部40へ出力する。そして、バックライト制御部40は、入力された垂直同期信号から制御信号を生成し、生成した制御信号をバックライト20へ出力する。
【0063】
図14は垂直同期信号生成部の第2例を具備する表示装置120の構成の一例を示すブロック図である。
図14に示すように、第2例は、バックライト制御部40が垂直同期信号生成部50を組み込んだ構成である。
【0064】
図15は垂直同期信号生成部の第3例を具備する表示装置130の構成の一例を示すブロック図である。
図15に示すように、第3例は、画像処理部30が垂直同期信号生成部50を組み込んだ構成である。
【0065】
図16は垂直同期信号生成部の第4例を具備する表示装置140の構成の一例を示すブロック図である。
図16に示すように、第4例は、画像処理部30がバックライト制御部40及び垂直同期信号生成部50を組み込んだ構成である。
【0066】
図17は垂直同期信号生成部の第5例を具備する表示装置150の構成の一例を示すブロック図である。
図17に示すように、第5例は、画像処理部30と液晶表示パネル10との間に垂直同期信号生成部50を組み込んだ構成である。この場合、垂直同期信号生成部50は、画像処理部30が出力した画像信号を、そのまま液晶表示パネル10へ出力するとともに、画像信号から垂直同期信号を生成し、生成した垂直同期信号をバックライト制御部40へ出力する。
【0067】
上述の例では、液晶表示パネル10のフレームの更新開始に同期する信号として、垂直同期信号を用いる構成であったが、液晶表示パネル10のフレームの更新開始に同期する信号は、垂直同期信号に限定されるものではない。
【0068】
図18はデータイネーブル信号を用いる場合の表示装置160の構成の一例を示すブロック図である。
図18に示すようにバックライト制御部40は、液晶表示パネル10を制御するためのブランキング期間のような垂直同期を判別できるDE(データイネーブル)信号に同期してバックライトの点灯および消灯を制御してもよい。ここでは、バックライト20の点灯及び消灯を制御する制御信号は、液晶表示パネル10用の垂直同期信号、あるいは垂直同期を判別できるデータイネーブルに同期するものであればよいとしたが、これは液晶表示パネル10用のフレームの更新開始に同期するものであれば何でもよいことを意味する。
【0069】
上述のとおり、本実施の形態では、リーディングエッジを消去するとともに、ゴーストが発生する時間を短くすることができるので、階調値が変化する境界のボケを少なくすることができ、動画全体の表示性能を改善することができる。
【0070】
上述の実施の形態では、液晶状態の遷移の例として、白から黒、及び黒から白の遷移について説明したが、白又は黒以外の他の色(階調値)についても同様である。