特許第6208040号(P6208040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208040
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】ミスト発生装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20170925BHJP
   F24F 6/16 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   F24F6/00 H
   F24F6/16
   F24F6/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-31728(P2014-31728)
(22)【出願日】2014年2月21日
(65)【公開番号】特開2015-158281(P2015-158281A)
(43)【公開日】2015年9月3日
【審査請求日】2016年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】南雲 佐敏
(72)【発明者】
【氏名】桂 雄輝
(72)【発明者】
【氏名】小川 洸太
【審査官】 河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−127589(JP,A)
【文献】 特開平04−320743(JP,A)
【文献】 実開昭63−190824(JP,U)
【文献】 特開2004−309360(JP,A)
【文献】 特開2008−075951(JP,A)
【文献】 米国特許第03867485(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、該器具本体内に設置され水を貯める貯水室と、該貯水室内の水を破砕してナノメートルサイズのミストとマイナスイオンを発生させるミスト発生手段と、該ミスト発生手段で発生したナノメートルサイズのミストとマイナスイオンを含んだ加湿空気を室内に送風する送風ファンと、前記器具本体に収納され所定量の水を内部に貯水する給水タンクと、前記器具本体内に設置され前記給水タンクから供給された水を貯める給水室と、前記貯水室と前記給水室とを接続して前記給水室内の水を前記貯水室へ流入させる通水経路と、前記器具本体内にあり排水された水が流入する排水トレーと、前記送風ファンを駆動させ前記器具本体に形成された送風口から前記ミスト発生手段で発生した加湿空気を送風するミスト運転を実施する制御部とを備え、前記通水経路の途中に前記排水トレーへ水を流入する排水管と一端が接続した三方弁を設置し、前記排水トレー内の水位を検知する排水センサを設置し、前制御部は、前記ミスト運転開始時に前記給水室から前記貯水室へ水が流動するよう前記三方弁を切り替え、前記ミスト運転停止時に前記排水センサで検知された水位が所定水位未満であれば前記貯水室から前記排水トレーへ水が流動するよう前記三方弁を切り替え、前記排水センサで検知された水位が所定水位以上であれば前記通水経路と前記排水管とが連通しないよう前記三方弁を切り替えることを特徴としたミスト発生装置。
【請求項2】
記制御部は、前記ミスト運転停止時に前記貯水室から前記排水トレーへ水が流入するよう前記三方弁を切り替えた後、前記排水センサで検知された水位が所定水位以上となったら、前記通水経路が連通せずかつ前記通水経路と前記排水管とが連通しないよう前記三方弁を切り替えることを特徴とした請求項記載のミスト発生装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記排水センサで検知された水位が所定水位以上であれば前記排水トレー内の水を排水するよう報知することを特徴とした請求項又は記載のミスト発生装置。
【請求項4】
前記ミスト発生手段は、前記貯水室内に下端を水没させ、回転により水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、該回転体を回転駆動させるミストモータと、前記回転体の回転により飛散された水が衝突する衝突体とで構成されていることを特徴とした請求項1から3のいずれか1項に記載のミスト発生装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナノメートルサイズのミストとマイナスイオンを含んだ加湿空気を発生させて送風するミスト発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものにおいて、給水タンク内の水を所定量だけ貯める給水室から通水経路を介して貯水室に水を流入させ、前記貯水室内の水をミスト発生手段によって破砕することでナノメートルサイズのミストとマイナスイオンを発生させ、室内にナノメートルサイズのミストとマイナスイオンを含む加湿空気を送風するミスト運転を行うものがあり、ミスト運転終了後に給水タンクを抜いて器具本体に設置された排水レバーを操作することで通水経路から排水トレーへ通じる流路が開放され、給水室及び貯水室内の水を排水トレー内に排水することで、貯水室内に水を残さず菌やカビの発生を防止するものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−127589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、ミスト運転終了後にユーザーが自ら給水タンクを抜いてから排水レバーを操作しなければ貯水室内の水を排水することができないため使い勝手が悪く、また、排水レバーを操作すると給水タンクから供給された新鮮な水を貯めている給水室内の水も貯水室の水と一緒に排水しており、排水する必要のない水まで排水していたことから改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、器具本体と、該器具本体内に設置され水を貯める貯水室と、該貯水室内の水を破砕してナノメートルサイズのミストとマイナスイオンを発生させるミスト発生手段と、該ミスト発生手段で発生したナノメートルサイズのミストとマイナスイオンを含んだ加湿空気を室内に送風する送風ファンと、前記器具本体に収納され所定量の水を内部に貯水する給水タンクと、前記器具本体内に設置され前記給水タンクから供給された水を貯める給水室と、前記貯水室と前記給水室とを接続して前記給水室内の水を前記貯水室へ流入させる通水経路と、前記器具本体内にあり排水された水が流入する排水トレーと、前記送風ファンを駆動させ前記器具本体に形成された送風口から前記ミスト発生手段で発生した加湿空気を送風するミスト運転を実施する制御部とを備え、前記通水経路の途中に前記排水トレーへ水を流入する排水管と一端が接続した三方弁を設置し、前記排水トレー内の水位を検知する排水センサを設置し、前制御部は、前記ミスト運転開始時に前記給水室から前記貯水室へ水が流動するよう前記三方弁を切り替え、前記ミスト運転停止時に前記排水センサで検知された水位が所定水位未満であれば前記貯水室から前記排水トレーへ水が流動するよう前記三方弁を切り替え、前記排水センサで検知された水位が所定水位以上であれば前記通水経路と前記排水管とが連通しないよう前記三方弁を切り替えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項では、記制御部は、前記ミスト運転停止時に前記貯水室から前記排水トレーへ水が流入するよう前記三方弁を切り替えた後、前記排水センサで検知された水位が所定水位以上となったら、前記通水経路が連通せずかつ前記通水経路と前記排水管とが連通しないよう前記三方弁を切り替えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項では、前記制御部は、前記排水センサで検知された水位が所定水位以上であれば前記排水トレー内の水を排水するよう報知することを特徴とする。
【0009】
また、請求項では、前記ミスト発生手段は、前記貯水室内に下端を水没させ、回転により水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、該回転体を回転駆動させるミストモータと、前記回転体の回転により飛散された水が衝突する衝突体とで構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、通水経路の途中に排水トレーへ水を流入する排水管と一端が接続した三方弁を設置し、排水トレー内の水位を検知する排水センサを設置し、ミスト運転開始時に給水室から貯水室へ水が流入するよう三方弁を切り替え、ミスト運転停止時に排水センサで検知された水位が所定水位未満であれば貯水室から前記排水トレーへ水が流動するよう三方弁を切り替え、排水センサで検知された水位が所定水位以上であれば前記通水経路と前記排水管とが連通しないよう三方弁を切り替えるので、ミスト運転が終了したら貯水室内の水のみを排水トレー内へ自動的に流入させることができることから、排水する前にユーザーが給水タンクを抜いて排水レバーを操作するといった作業を要することがなく使い勝手が向上し、また、貯水室内の水のみを排水することができることから、給水室内の綺麗な水が排水されず節水することができ、また、ミスト運転停止時に排水センサで検知された水位が所定水位以上であれば通水経路と排水管とが連通しないよう三方弁を切り替えるので、排水トレー内に所定水位以上の水があるにも関わらず貯水室内の水が流入することを防止できるため、排水トレーから水が溢れ出すことを確実に防止できる。
【0012】
また、排水トレー内の水位を検知する排水センサを設置し、ミスト運転停止時に貯水室から排水トレーへ水が流入するよう三方弁を切り替えた後、排水センサで検知された水位が所定水位以上となったら、通水経路が連通せずかつ通水経路と排水管とが連通しないよう三方弁を切り替えるので、貯水室内の水を排水している時に排水トレー内が所定水位以上になったら、貯水室内の水を給水室及び排水トレー内へ流入させないよう三方弁を切り替えるため、給水室内の綺麗な水が貯水室へ流入することがなく更に排水トレーから水が溢れ出すことを確実に防止できる。
【0013】
また、排水センサで検知された水位が所定水位以上であれば排水トレー内の水を排水するよう報知するので、ユーザーが排水トレー内が満水で排水する必要があることを容易に理解することができるため、使い勝手が向上する。
【0014】
また、ミスト発生手段は、貯水室に下端を水没させ、回転により水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、該回転体を回転駆動させるミストモータと、回転体の回転により飛散された水が衝突する衝突体とで構成されているので、貯水室内の水を回転体で汲み上げて衝突体に衝突させる簡易な構成によってナノミストとマイナスイオンを多量に発生させることができるため、組付けが容易であり低コストでミスト発生手段を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の一実施形態の器具本体の外観を説明する斜視図
図2】同実施形態の概略構成図
図3】同実施形態の制御ブロック図
図4】同実施形態のミスト運転開始時の制御を説明するフローチャート
図5】同実施形態のミスト運転終了時の制御を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、この発明の一実施形態におけるミスト発生装置を図に基づいて説明する。
1は器具本体であり、該器具本体1の下面を構成する下面ケース2と、上面を構成する上面ケース3とで構成されている。
【0017】
4は器具本体1内で発生した加湿空気を室内に放出する送風口、5は器具本体1の正面に引き出し用の取っ手が形成され、器具本体1内で発生した排水を所定量だけ貯留可能な排水トレー、6は器具本体1の上面に形成され開閉自在の給水タンク扉、7は各種操作用のスイッチが設置された操作部である。
【0018】
8は器具本体1内に固定され所定量の水を貯めることができる貯水室、9は前記貯水室8内の貯水に下端を水没させ駆動軸10に軸支された筒状の回転体であり、回転体9は略中央部で駆動軸10の端部と図示しないナットで固定されており、ナットを外して回転体9を取り外すことで回転体9の清掃を行うことができる。
【0019】
前記回転体9は、中空逆円錐形で上方に向かって径が徐々に拡大するものであり、駆動軸10に接続され回転体9を回転駆動させるミストモータ11を駆動させ、回転体9が回転することでの回転の遠心力で貯水室8内の貯水を汲み上げ、回転体9の外壁および内壁を伝わせて水を押し上げて、回転体9の外壁を伝わせて押し上げた水を周囲に飛散させると共に、回転体9の内壁を伝わせて押し上げた水を回転体9の上端に形成された複数の図示しない飛散口から周囲に飛散させる。
【0020】
12は回転体9の上部外周に所定間隔を離間させて位置し、回転体9と共に回転する円筒状の多孔体で、該多孔体12には、その全周壁に多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る衝突体としての多孔部13が設置されており、前記回転体9、前記ミストモータ11及び前記多孔部13でミスト発生手段が構成されている。
【0021】
前記ミスト発生手段を構成するミストモータ11を駆動させ、回転体9を回転させたことで発生する遠心力によって貯水室8内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、多孔部13を通過した水滴が破砕されることで、水の粒子を微細化してナノメートル(nm)サイズのミストが生成すると共に、水の粒子の微細化によるレナード効果でマイナスイオンを多量に発生させるものである。
【0022】
14は所定量の水を内部に貯水可能なカートリッジ式の給水タンク、15は給水タンク14の先端に装着された給水蓋、16は前記給水タンク14を前記器具本体1内に収納可能なタンク収納室、17は該タンク収納室の下部にあり前記給水蓋15が設置可能な突起18を備えた給水室であり、給水タンク14がタンク収納室16内に収納され、給水蓋15の図示しない流入口が突起18によって持ち上げられることで、給水タンク14内の水を給水室17へ供給することができる。
【0023】
19は給水室17内に設置され、フロートが上下することで水位を検知する給水センサであり、給水室17内の水位が低下して所定水位以下になったらON信号を出力し、水位が上昇して所定水位以上になったらOFF信号を出力することで、給水室17内の水位を確認する。
【0024】
20は所定の回転数で駆動する送風ファンであり、器具本体1の背面にある図示しない吸い込み口から吸い込んだ室内空気を吹き出して、貯水室8を通過させて送風口4から送風することで、貯水室8内で発生させたナノメートルサイズのミストとマイナスイオンとを含んだ加湿空気を室内に供給する。
【0025】
21は貯水室8と給水室17とを接続する配管で構成された通水経路、22は該通水経路21の途中に設置された三方弁であり、通水経路21は、貯水室8と三方弁22とを接続する貯水管23と、給水室17と三方弁22とを接続する給水管24とで構成されている。
【0026】
なお、貯水室8と給水室17とは器具本体1内において同一の高さとなるように設置されていることで、貯水管23と給水管24とが連通するよう三方弁22の弁を切り替えると給水室17内の水が貯水室8内に供給され、給水室17の水面の高さと貯水室8の水面の高さが同一となる。
【0027】
25は三方弁22に一端が接続され配管内の水を前記排水トレー5内へ流入させる排水管であり、三方弁22を切り替えることで貯水管23と給水管24又は排水管25とが連通可能となる。
【0028】
26は排水トレー5の側面に設置されマグネット27の接続有無によってON/OFF状態を切り替えて排水トレー5内の水位が検知可能な近接センサ方式の排水センサであり、排水トレー5内が所定水位以上となってマグネット27が排水センサ26から離れたらON信号を出力して満水を検知し、排水トレー5内へ水が流入しないよう三方弁22を切り替えることで排水トレー5から水が溢れ出すことを防止できるため、器具本体1の設置面を濡らすことがない。
【0029】
28は操作部7上に備えられた運転スイッチ、29は該運転スイッチ28が操作されたら点灯して運転状態であることを示す運転ランプであり、運転スイッチ28が操作されたらミストモータ11と送風ファン20とを所定の回転数で駆動させるミスト運転の開始及び停止の指示信号を出力する。
【0030】
30は各センサで検知された検知値や操作部7上に備えられた各スイッチから送信された信号を受信し、各部の動作や弁の開閉等を出力して制御するマイコンで構成された制御部であり、該制御部30には、ミスト運転の開始や三方弁22の切り替えが実施されたことが出力されてから経過した時間をカウントする計時手段31が備えられている。また、32は給水センサ19及び排水センサ26のON/OFF状態の出力信号に応じた音を鳴らして報知するスピーカである。
【0031】
次に、本実施形態におけるミスト運転開始時の制御について図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、制御部30は、操作部7上にある運転スイッチ28が操作され運転開始信号が出力されたか判断し(ステップS101)、運転スイッチ28が操作され運転開始信号が出力されていれば、操作部7上にある運転ランプ29を点灯させ、貯水管23と給水管24とが連通するよう三方弁22の弁を切り替えると共に計時手段31が経過した時間のカウントを開始することで(ステップS102)、給水タンク14から供給された水が溜まっている給水室17内の水を貯水室8へ流入させる。また、ステップS101で運転スイッチ28が操作されていなければ、制御部30はステップS101の判断を繰り返す。
【0032】
ステップS102で貯水管23と給水管24とが連通するよう三方弁22の弁を切り替えたら、制御部30は、計時手段31でカウントした三方弁22が切り替えられてからの時間が20秒経過したか判断し(ステップS103)、20秒経過していれば次のステップに進み、20秒経過していなければステップS103の判断を繰り返す。
【0033】
ステップS103で計時手段31でカウントした三方弁22が切り替えられてからの時間が20秒経過していれば、制御部30は、給水センサ19がOFF状態になっているか判断し(ステップS104)、給水センサ19がOFF状態であれば貯水室8内に十分な水が供給されたとしてミストモータ11及び送風ファン20を駆動させてミスト運転を開始し(ステップS105)、給水センサ19がON状態であれば貯水室8内に十分な水が供給されておらず給水タンク14内に水が空状態だと判断して、操作部7上の運転ランプ29を消灯させ、スピーカ32から警告音を鳴らすことで給水タンク14内に水がなく空状態であることを報知する(ステップS106)。
【0034】
なお、ステップS106で給水タンク14内に水がなく空状態であることが報知された後、制御部30は、給水センサ19がOFF状態になったかの判断をし続けるので、ユーザーが運転スイッチ28を操作せず停止信号を出力しないまま器具本体1内から給水タンク14を抜き取り、給水タンク14内に給水してから再度タンク収納室16へ設置したら、制御部30は、給水センサ19がOFF状態になったと判断したら、ステップS105に進んでミスト運転を開始する。
【0035】
以上のように、操作部7上にある運転スイッチ28が操作され運転開始信号が出力されたら貯水管23と給水管24とが連通するように三方弁22の弁を切り替えて、20秒経過後に給水センサ19がOFF状態になっていればミストモータ11及び送風ファン20の駆動を開始するので、貯水室8内に所定量以上の水が確実に貯められたことを確認した上でミスト運転を開始することができ、また、給水センサ19がON状態であれば給水室17に供給される水が不足しており、給水タンク14が空状態であるとして運転ランプ29とスピーカ32とで報知するため、給水タンク14内に水を補給することをユーザーに促すことができる。
【0036】
次に、ミスト運転終了後の動作について図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず制御部30は、ミスト運転中に操作部7上にある運転スイッチ28が操作され運転停止信号が出力されたか判断し(ステップS201)、運転スイッチ28が操作され運転停止信号が出力されていれば、ミストモータ11及び送風ファン20の駆動を停止させ(ステップS202)、運転スイッチ28が操作されていなければステップS201の判断を繰り返す。
【0037】
ステップS202でミストモータ11及び送風ファン20の駆動を停止させたら、制御部30は、排水センサ26がOFF状態になっているか判断し(ステップS203)、排水センサ26がOFF状態になっていれば排水トレー5が満水ではないとして、貯水管23と排水管25とが連通するように三方弁22を切り替えると共に計時手段31でのカウントを開始し(ステップS204)、貯水室8内の水を排水トレー5内へ流入させる。また、ステップS203で排水センサ26がON状態になっていれば、制御部30は、運転ランプ29を消灯させスピーカ32から警告音を鳴らすことで(ステップS205)、排水トレー5内が満水状態であることをユーザーへ報知し、器具本体1内から排水トレー5を取り出して洗面所等で水を排水するよう促す。
【0038】
ステップS204で貯水管23と排水管25とを連通させると共に計時手段31によるカウントを開始したら、制御部30は、排水センサ26がON状態になったか判断し(ステップS206)、排水センサ26がON状態となっていれば排水トレー5内が満水になったとして貯水管23と給水管24、及び貯水管23と排水管25とが連通しないよう三方弁22の弁を切り替えて、運転ランプ29を消灯させスピーカ32から警告音を鳴らすことで(ステップS207)、排水トレー5内が満水になったことをユーザーへ報知し、器具本体1内から排水トレー5を取り出して洗面所等で水を排水するよう促す。
【0039】
ステップS206で排水センサ26がOFF状態であれば、制御部30は、ステップS204で計時手段31により開始されたカウントが20秒経過したか判断し(ステップS208)、カウントが20秒経過していれば貯水室8内にあった水が全て排水トレー5内に流入したとして、貯水管23と給水管24、及び貯水管23と排水管25とが連通しないよう三方弁22の弁を切り替えて、運転ランプ29を点滅させ送風ファン20を所定の回転数で所定時間だけ駆動させることで貯水室8内を乾燥させる乾燥運転を開始する(ステップS209)。また、ステップS208で計時手段31でのカウントが20秒経過していなければ、再度ステップS206で排水センサ26がON状態になっているか判断する。
【0040】
なお、ステップS205及びステップS207で排水トレー5内が満水になった後、制御部30は、排水センサ26がOFF状態かの判断をし続けるので、ユーザーが運転スイッチ28を操作せずに器具本体1内から排水トレー5を抜き取って水を排水し、再度器具本体1内に排水トレー5を設置したら、制御部30は、排水センサ26がOFF状態になっていると判断したら、貯水管23と排水管25とが連通するよう三方弁22の弁を切り替えて、貯水室8内の水が全て排水可能な時間である20秒の経過を計時手段31でカウントしたら、ステップS209へ進んで乾燥運転を開始する。
【0041】
以上のように、運転スイッチ28が操作され運転停止信号が出力されたら、排水トレー5内が満水かを判断した上で貯水管23と排水管25とが連通するよう三方弁22の弁を切り替えて、貯水室8内の水が全て排水トレー5内に流入可能な時間である20秒が経過したら貯水管23と給水管24、及び貯水管23と排水管25とが連通しないよう三方弁22の弁を切り替えるので、運転スイッチ28を操作するだけで貯水室8内の水を排水トレー5内へ流入させることができ、器具本体1の運転を停止した後にユーザーがタンク収納室16から給水タンク14を抜いて排水レバーを操作することなく貯水室8内の水を排水することができるため使い勝手が向上する。
【0042】
また、貯水室8内の水のみを排水トレー5へ流入させるので、給水室17内にある綺麗な状態の水が排水されず次回の運転時に使用することができるため、節水してミスト運転を行うことができる。
【0043】
また、運転スイッチ28が操作され運転停止信号が出力された後、排水センサ26のON/OFF状態を判断して排水トレー5内が満水であれば、三方弁22を切り替えて貯水室8内の水が給水室17及び排水トレー5内へ流入するのを防止し、運転ランプ29とスピーカ32とで排水トレー5が満水であることを報知するので、ミスト運転停止後に給水室17内の綺麗な水が貯水室8へ流入することがなく、更に排水トレー5内から水が溢れ出すことを確実に防止でき、ユーザーが排水トレー5内の水を排水する必要があることを知ることができる。
【0044】
なお、本実施形態では給水室17内に給水センサ19を設置して貯水室8の水位を判断しているが、これに限らず例えば、貯水室8内に水位センサを設置することや給水タンク14の重量に基づいて貯水室8内の水位を判断する方法であってもよい。
【0045】
また、本実施形態のステップS103やステップS208所定の方向にで三方弁22を切り替えてから経過した時間が20秒経過したか判断しているが、貯水室8や排水トレー5の容量によって計時手段31でカウントする時間を適宜変更し、貯水室8に所定量の水が貯水されたことや排水トレー5内が満水であることを検知するものである。
【0046】
また、本実施形態の説明で用いたミスト運転開始時や停止時の制御等は一例であり、三方弁22の構造や操作部7上の運転スイッチ28及び運転ランプ29の報知方法によって制御内容が変わるため、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各数値は変更可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 器具本体
4 送風口
5 排水トレー
8 貯水室
9 回転体
11 ミストモータ
13 多孔部
14 給水タンク
17 給水室
20 送風ファン
21 通水経路
22 三方弁
25 排水管
26 排水センサ
30 制御部
図1
図2
図3
図4
図5