特許第6208085号(P6208085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208085
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】ヒートポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20170925BHJP
   F25B 30/06 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   F25B1/00 399Y
   F25B30/06 T
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-135056(P2014-135056)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-11818(P2016-11818A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2016年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】上田 真典
(72)【発明者】
【氏名】眞柄 隆志
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−094840(JP,A)
【文献】 特開2006−003079(JP,A)
【文献】 特開2009−264715(JP,A)
【文献】 特開2015−117899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00− 7/00
F25B 19/00−30/06
F25B 31/00−31/02
F25B 39/00−41/06
F25B 43/00−49/04
F24F 1/06− 1/68
F24F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、負荷側熱交換器、減圧手段、および熱源側熱交換器を冷媒配管で環状に接続したヒートポンプ回路と、前記熱源側熱交換器、および熱源を熱媒配管で環状に接続した熱源側循環回路と、該熱源側循環回路に熱媒を循環させる熱源側循環ポンプと、前記圧縮機の立上がり時から所定時間の間の該圧縮機の回転速度の上限値が所定値以下の場合、前記熱源側循環ポンプの立上がり時の目標回転速度を予め決められた設定値よりも低下させる制御を行う制御手段とを備えることを特徴とするヒートポンプ装置。
【請求項2】
前記制御手段は、低圧側の冷媒温度が所定温度以下を所定時間以上継続したことを条件に、前記熱源側循環ポンプの立上がり時の目標回転速度を前記設定値に戻す制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ装置に関し、特に、地中熱を利用する地中熱ヒートポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートポンプ装置の一例として、地中熱を利用する温水循環式の地中熱ヒートポンプ装置が知られている。
この種の地中熱ヒートポンプ装置は、図9に示すように、圧縮機102、負荷側熱交換器103、減圧手段104、および熱源側熱交換器105を冷媒配管で環状に接続したヒートポンプ回路107と、熱源側熱交換器105、および地中に設置された熱源としての地中熱交換器110を熱媒配管で環状に接続した熱源側循環回路112と、熱源側循環回路112に熱媒を循環させる熱源側循環ポンプ113と、床暖房パネル等の負荷端末115、および負荷側熱交換器103を熱媒配管で環状に接続した負荷側循環回路118と、負荷側循環回路118に熱媒を循環させる負荷側循環ポンプ116とを備えている。
【0003】
この地中熱ヒートポンプ装置は、熱源側熱交換器105を蒸発器、負荷側熱交換器103を凝縮器として機能させて、負荷端末115で被空調空間を加熱する暖房運転等の負荷運転を行う。そして、地中熱ヒートポンプ装置は、負荷運転中に、例えば熱源側熱交換器105側の冷媒の温度が所定の目標温度になるように熱源側循環ポンプ113の回転速度(単位時間当たりの回転数)を制御する(特許文献1参照)。これによれば、冷媒温度の変動により負荷出力の変動を素早く把握して熱源側循環回路112を循環する熱媒の流量を調整することで、最適な採熱を行わせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−94840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば住宅における暖房負荷等の負荷は、大きい場合も小さい場合もあり、一定とは限らない。負荷が小さい場合には、負荷運転実行時に、設定された目標温度への到達が早いため、圧縮機や熱源側循環ポンプを発動(駆動)させても短時間で停止し、圧縮機や熱源側循環ポンプが停止状態から駆動状態になることを繰り返してしまうおそれがある。この場合、負荷が小さいにもかかわらず、ヒートポンプ装置の立上がり時の制御に従って、熱源側循環ポンプが、常に、立上がり時の目標回転速度として予め決められた設定値である最大回転速度となるように立ち上がると、消費電力が大きくなり、SCOP(システム成績係数)が悪化してしまうという問題を生じるものであった。
【0006】
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、負荷が小さい場合でも効率の良い暖房運転等の負荷運転を行うことが可能なヒートポンプ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、圧縮機、負荷側熱交換器、減圧手段、および熱源側熱交換器を冷媒配管で環状に接続したヒートポンプ回路と、前記熱源側熱交換器、および熱源を熱媒配管で環状に接続した熱源側循環回路と、該熱源側循環回路に熱媒を循環させる熱源側循環ポンプと、前記圧縮機の立上がり時から所定時間の間の該圧縮機の回転速度の上限値が所定値以下の場合、前記熱源側循環ポンプの立上がり時の目標回転速度を予め決められた設定値よりも低下させる制御を行う制御手段とを備えることを特徴とするヒートポンプ装置である。
【0008】
このような構成によれば、暖房負荷等の負荷が小さい場合には、ヒートポンプ装置の圧縮機の回転速度が所定時間内に直ぐに上限値である所定回転速度に達っしないときには、熱源側循環ポンプの立上がり時の目標回転速度が予め決められた設定値よりも低下させられる。この場合、熱源側循環ポンプは、立上がり時に、予め決められた設定値である最大回転速度とならないため、ヒートポンプ装置の全体的な効率が向上する。
すなわち、負荷が小さい場合でも効率の良い暖房運転等の負荷運転を行うことが可能なヒートポンプ装置を提供することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のヒートポンプ装置であって、前記制御手段は、低圧側の冷媒温度が所定温度以下を所定時間以上継続したことを条件に、前記熱源側循環ポンプの立上がり時の目標回転速度を前記設定値に戻す制御を行うことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、地中からの必要な採熱、または地中への必要な放熱をより適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、負荷が小さい場合でも効率の良い暖房運転等の負荷運転を行うことが可能なヒートポンプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るヒートポンプ装置の概略構成図である。
図2】暖房運転時における地中熱循環ポンプの立上がり時の目標回転速度を設定する処理の内容を示すフローチャートである。
図3】暖房運転時におけるヒートポンプ装置の各パラメータの動きを表すタイムチャートである。
図4】本発明の他の実施形態に係るヒートポンプ装置の概略構成図である。
図5】ヒートポンプ装置の暖房運転時の状態を示す概略構成図である。
図6】ヒートポンプ装置の冷房運転時の状態を示す概略構成図である。
図7】冷房運転時における地中熱循環ポンプの立上がり時の目標回転速度を設定する処理の内容を示すフローチャートである。
図8】冷房運転時におけるヒートポンプ装置の各パラメータの動きを表すタイムチャートである。
図9】従来のヒートポンプ装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す図面において、同一の部材または相当する部材には同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプ装置100の概略構成図である。本実施形態に係るヒートポンプ装置100は、地中熱を利用する温水循環式の地中熱ヒートポンプ装置である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係るヒートポンプ装置100は、ヒートポンプユニット1に内蔵されるヒートポンプ回路7と、熱源側循環回路としての地中熱循環回路12と、負荷側循環回路としての加熱循環回路18とを備えている。
【0016】
ヒートポンプ回路7は、冷媒を圧縮する能力可変の圧縮機2と、圧縮機2から吐出された高温冷媒を流通させ、この高温冷媒と加熱循環回路18を流れる熱媒との熱交換を行う凝縮器としての負荷側熱交換器3と、負荷側熱交換器3から流出する冷媒を減圧する減圧手段としての膨張弁4と、膨張弁4からの減圧した低温冷媒を流通させこの低温冷媒と地中熱循環回路12を流れる熱媒との熱交換を行う蒸発器としての熱源側熱交換器5と、これらを環状に接続する冷媒配管6とを備えて構成されている。
【0017】
なお、ヒートポンプ回路7の冷媒としては、二酸化炭素冷媒やHFC冷媒等の任意の冷媒を用いることができるものである。また、図1において、符号8は、圧縮機2から吐出された冷媒の温度を検出する冷媒吐出温度センサであり、符号9は、膨張弁4から圧縮機2に至るまでの熱源側熱交換器5側の冷媒配管6、つまり低圧側の冷媒配管6に設けられ、低圧側の冷媒の温度を検出する冷媒温度センサである。
【0018】
負荷側熱交換器3および熱源側熱交換器5は、例えばプレート式熱交換器で構成されており、プレート式熱交換器は、複数の伝熱プレートが積層され、冷媒を流通させる冷媒流路と熱媒である流体を流通させる流体流路とが各伝熱プレートを境にして交互に形成されているものである。
【0019】
地中熱循環回路12は、熱源側熱交換器5と、熱源側熱交換器5を流通する冷媒を加熱する熱源として地中に設置された地中熱交換器10と、これらを環状に接続する熱媒配管としての地中熱配管11とを備えて構成されている。また、地中熱配管11には、地中熱循環回路12に熱媒としてエチレングリコールやプロピレングリコール等を添加した不凍液を循環させる回転速度(単位時間当たりの回転数)可変の熱源側循環ポンプとしての地中熱循環ポンプ13が設けられている。なお、図1における符号14は、不凍液を貯留し
地中熱循環回路12の圧力を調整する地中熱用シスターンである。
【0020】
ここで、地中熱循環回路12では、後記する負荷運転を行う際に、地中熱交換器10によって地中から地中熱を採熱し、その熱を帯びた不凍液が地中熱循環ポンプ13により熱源側熱交換器5に供給される。そして、熱源側熱交換器5にて、熱源側熱交換器5の冷媒流路を流通する冷媒と熱源側熱交換器5の流体流路を流通する不凍液とが対向して流れて熱交換が行われ、地中熱交換器10にて採熱された地中熱がヒートポンプユニット1の冷媒側に汲み上げられて冷媒が加熱され、熱源側熱交換器5は蒸発器として機能するものとなる。
【0021】
加熱循環回路18は、負荷側熱交換器3と、被空調空間を加熱する床暖房パネルやパネルコンベクタ等の負荷端末としての放熱端末15と、これらを環状に接続する熱媒配管としての加熱配管17とを備えて構成されている。また、加熱配管17には、加熱循環回路18に熱媒として温水等の循環液を循環させる負荷側循環ポンプとしての加熱循環ポンプ16が設けられており、放熱端末15毎に分岐した加熱配管17の各々には、その開閉により放熱端末15への循環液の供給を制御する熱動弁19がそれぞれ設けられている。
【0022】
なお、図1において、符号20は、循環液を貯留し加熱循環回路18の圧力を調整する暖房用シスターンであり、符号21は、加熱配管17に設けられ放熱端末15から負荷側熱交換器3に流入する循環液の温度を検出する戻り温水温度センサである。
【0023】
放熱端末15によって加熱される被空調空間には、リモコン23が各々設置されており、このリモコン23から被空調空間の加熱の指示がなされると、圧縮機2、地中熱循環ポンプ13、および加熱循環ポンプ16の駆動が開始され、熱源側熱交換器5を蒸発器として機能させるとともに、負荷側熱交換器3を凝縮器として機能させて負荷側を加熱する負荷運転としての暖房運転が行われる。この暖房運転の際、負荷側熱交換器3では、負荷側熱交換器3の冷媒流路を流通する冷媒と負荷側熱交換器3の流体流路を流通する循環液とが対向して流れて熱交換が行われて循環液が加熱され、加熱された循環液が熱動弁19を介して放熱端末15に送られ、リモコン23により指示された被空調空間を加熱するものである。
【0024】
ヒートポンプユニット1には制御手段22が備えられており、制御手段22は、冷媒吐出温度センサ8、冷媒温度センサ9、戻り温水温度センサ21からの検出信号や、リモコン23からの操作信号を受けて、圧縮機2、膨張弁4、地中熱循環ポンプ13、加熱循環ポンプ16の各アクチュエータの駆動を制御するマイコンを有している。
【0025】
制御手段22は、暖房運転中、戻り温水温度センサ21の検出する循環液の温度が設定された目標暖房温度になるように圧縮機2の回転速度を制御し、例えば、戻り温水温度センサ21の検出する循環液の温度が設定された目標暖房温度よりも低下すると、圧縮機2の回転速度を増加するよう制御するものである。
【0026】
また、制御手段22は、暖房運転時、リモコン23で設定される設定温度に基づき圧縮機2から吐出される冷媒の目標吐出温度を設定し、暖房運転中、冷媒吐出温度センサ8の検出する圧縮機2から吐出された冷媒の温度が、設定された目標吐出温度になるように膨張弁4の開度を開閉制御し、例えば、冷媒吐出温度センサ8の検出する冷媒の吐出温度が、設定された目標吐出温度よりも低下すると、開度を閉じる方向に制御するものである。
【0027】
また、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の立上がり時には、地中熱循環ポンプ13の回転速度を目標回転速度に立ち上げるように制御するものである。さらに、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の目標回転速度への立上がり完了時から規定時間(例えば
2分)経過後には、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように地中熱循環ポンプ13の回転速度を制御し、例えば、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が設定された目標温度よりも低下すると、地中熱循環ポンプ13の回転速度を増加させるよう制御するものである。
【0028】
また、制御手段22は、圧縮機2の立上がり時から所定時間の間ここでは12分間での該圧縮機2の回転速度の上限値が所定値以下ここでは70rpsを越えない場合、暖房負荷が小さいと判断し、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を、予め決められた設定値である最大回転速度(例えば4000rpm)よりも低下させる、具体的には最大回転速度よりも低い上限回転速度(例えば2000rpm)に設定するよう制御するものである。
【0029】
次に、図2のフローチャートを参照して、図1に示すヒートポンプ装置100の暖房運転時における主に地中熱循環ポンプ13の動作について説明する。
図2は、暖房運転時における地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を設定する処理の内容を示すフローチャートである。
【0030】
リモコン23から放熱端末15による被空調空間の加熱(暖房)の指示がなされると、制御手段22は、圧縮機2、地中熱循環ポンプ13、および加熱循環ポンプ16の駆動を開始させ、負荷運転としての暖房運転が開始される。暖房運転が開始されると、負荷側熱交換器3では加熱循環ポンプ16により循環される循環液と圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒とが熱交換され、加熱された循環液が放熱端末15に供給され被空調空間を加熱するとともに、熱源側熱交換器5では、地中熱循環ポンプ13により循環され地中熱交換器10を介して地中熱を採熱した不凍液と膨張弁4から吐出された低温低圧の冷媒とが熱交換され、地中熱により冷媒を加熱し蒸発させる。
【0031】
図2に示すように、制御手段22は、暖房運転の開始時には、まず、内蔵のタイマーをスタートさせる(ステップS1)。ここで、制御手段22は、圧縮機2から吐出される冷媒の目標吐出温度、熱源側熱交換器5側(低圧側)の冷媒の目標温度、および負荷側の目標暖房温度を設定する。また、制御手段22は、暖房運転中には、冷媒吐出温度センサ8の検出する圧縮機2から吐出された冷媒の温度が設定された目標吐出温度になるように膨張弁4の開度を開閉制御し、戻り温水温度センサ21の検出する循環液の温度が設定された目標暖房温度になるように圧縮機2の回転速度を制御する。
【0032】
そして、制御手段22は、地中熱の迅速な採熱を行うために、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を、予め決められた設定値である最大回転速度(例えば4000rpm)に設定する(ステップS2)。この後、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の回転速度を目標回転速度である最大回転速度(例えば4000rpm)に立ち上げるように制御する立上がり時制御を行う。また、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の最大回転速度への立上がり完了時から規定時間(例えば2分)経過後には、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、地中熱循環ポンプ13の回転速度を制御する通常時制御を行う。
【0033】
ステップS3では、制御手段22は、タイマーがスタートしてからの経過時間が予め決められた設定時間(例えば12分)以上となったか否を判断し、前記経過時間が予め決め
られた設定時間以上となるまで待機する(ステップS3でNo)。
【0034】
ステップS3において経過時間が予め決められた設定時間以上となった場合(ステップS3でYes)、制御手段22は、ステップS4に処理を移行させてタイマーをリセットして再度ゼロからスタートさせた後、ステップS5に処理を移行させる。
【0035】
ステップS5では、制御手段22は、直前の所定時間(例えば12分)の間において圧縮機2の回転速度の上限値が所定値以下ここでは70rpsを越えた場合(ステップS5でNo)、制御手段22は、暖房負荷が大きいと判断し、ステップS2に処理を戻す。この場合のステップS2では、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を、最大回転速度(例えば4000rpm)に維持、あるいは後記するステップS6にて既に上限回転速度(例えば2000rpm)に設定されていた場合には、負荷が変化したと判断して、最大回転速度(例えば4000rpm)に戻すように変更する。これにより、地中からの必要な採熱をより適切に行うことができる。
【0036】
ステップS5において所定時間の間における圧縮機2の回転速度の上限値が所定値以下ここでは70rpsを越えない場合(ステップS5でYes)、暖房負荷が小さいと判断して、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を、予め決められた設定値である最大回転速度(例えば4000rpm)よりも低い上限回転速度(例えば2000rpm)に設定する(ステップS6)。この後、地中熱循環ポンプ13を発動する時には、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の回転速度を目標回転速度である上限回転速度(例えば2000rpm)に立ち上げるように制御する立上がり時制御を行う。また、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の上限回転速度への立上がり完了時から規定時間(例えば2分)経過後には、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、地中熱循環ポンプ13の回転速度を制御する通常時制御を行う。
【0037】
ステップS7では、制御手段22は、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が−10℃以下の状態が所定時間(例えば2分)以上継続しているか否かを判断する。低圧側の冷媒温度が−10℃以下の状態が所定時間以上継続していないと判断された場合(ステップS7でNo)、制御手段22は、ステップS3に処理を戻す。
【0038】
一方、ステップS7において低圧側の冷媒温度が−10℃以下の状態が所定時間以上継続していると判断された場合(ステップS7でYes)、制御手段22は、ステップS2に処理を戻す。この場合のステップS2では、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を、上限回転速度(例えば2000rpm)から最大回転速度(例えば4000rpm)に戻すように変更する。これにより、地中からの採熱が増すため、熱源側熱交換器5の流体流路を流通する不凍液中の水分が凍結し始めて流れにくくなることを防止できる。なお、ステップS7でYesと判断された場合、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を最大回転速度に戻すように変更するとともに(ステップS2)、その時点で、地中熱循環ポンプ13の回転速度を最大回転速度に上昇させる制御を行ってもよい。このようにすれば、地中からの採熱を迅速に増大させることができ、熱源側熱交換器5の流体流路を流通する不凍液中の水分が凍結し始めて流れにくくなることをより防止できる。
【0039】
次に、図3のタイムチャートを参照して、図1に示すヒートポンプ装置100の暖房運転時の動作について説明する。図3は、暖房運転時におけるヒートポンプ装置100の各
パラメータの動きを表すタイムチャートである。
【0040】
図3に示すように、時間t0〜t1において、ヒートポンプ装置100の立上がり時の制御に従って、地中熱の迅速な採熱を行うために、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13についての立上がり時制御を行う。すなわち、地中熱循環ポンプ13は、立上がり時の目標回転速度として予め決められた設定値である最大回転速度(例えば4000rpm)となるように立ち上がる。また、戻り温水温度センサ21の検出する循環液の温度が設定された目標暖房温度になるように、圧縮機2が例えば70rpsの回転速度で駆動される。ここで、ヒートポンプ出力(暖房出力)の増加に伴って、低圧側の冷媒温度が低下している。
【0041】
時間t1〜t2において、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の最大回転速度への立上がり完了時から規定時間(例えば2分)経過後には、地中熱循環ポンプ13についての通常時制御を行う。すなわち、地中熱循環ポンプ13は、最大回転速度を超えない範囲で、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、回転速度が制御される。また、戻り温水温度センサ21の検出する循環液の温度が目標暖房温度に達して室内温度が十分上昇しているため、圧縮機2の回転速度が減少するとともに、低圧側の冷媒温度が上昇する。
【0042】
時間t2〜t3において、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13についての通常時制御を行う。すなわち、地中熱循環ポンプ13は、最大回転速度を超えない範囲で、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、回転速度が制御される。ここでは、地中熱循環ポンプ13の回転速度が、最大回転速度から減少し、低圧側の冷媒温度が減少する。戻り温水温度センサ21の検出する循環液の温度が目標暖房温度に達して室内温度が十分高くなっているため、圧縮機2の回転速度がさらに下限回転速度まで減少している。
【0043】
時間t3において、室内温度が十分高く維持されており、圧縮機2の回転速度を下限回転速度よりも減少させると効率が悪化するため、制御手段22は、圧縮機2の駆動を停止させる制御を行う。また、これに伴い、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の駆動を停止させる制御を行う。なお、加熱循環ポンプ16の駆動は継続され、余熱による暖房が行われる。
【0044】
時間t4において、室内温度が低下し、戻り温水温度センサ21の検出する循環液の温度が所定値以上低下したことが検知されると、圧縮機2および地中熱循環ポンプ13が再度駆動させられる。そして、時間t4〜t7において、暖房負荷が小さいことで圧縮機2の回転速度が上限値の所定値70rpsの回転速度を越えない所定値以内の状態が継続されるものである。
【0045】
図3のタイムチャートでは、時間t4〜t7において示されるように、予め決められた立上がりからの所定時間(例えば12分)間に、圧縮機2の回転速度が上限値の所定値70rpsの回転速度を越えない所定値以内の状態が発生した場合(図2のステップS5でYes)、このため、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を、次回の立上がりから最大回転速度(例えば4000rpm)よりも低い上限回転速度(例えば2000rpm)に設定する(図2のステップS6)。
【0046】
時間t8〜t9において、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13についての立上がり時制御を行う。すなわち、地中熱循環ポンプ13は、立上がり時の目標回転速度として設定された上限回転速度(例えば2000rpm)となるように立ち上がる。また、時間t9〜t10において、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の上限回転速度への立上がり完了時から規定時間(例えば2分)経過後には、地中熱循環ポンプ13についての通常時制御を行う。すなわち、時間t9〜t10では、地中熱循環ポンプ13は、上限回転速
度を超えない範囲で、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、回転速度が制御される。さらに、時間t10〜t11において、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13についての通常時制御を行う。すなわち、地中熱循環ポンプ13は、上限回転速度を超えない範囲で、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、回転速度が制御される。ここでは、地中熱循環ポンプ13の回転速度が、上限回転速度から減少し、低圧側の冷媒温度が減少する。もちろん、時間t9〜t11において、制御手段22が、地中熱循環ポンプ13について通常時制御を行っているとき、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が設定された目標温度に到達しない場合は、冷媒温度センサ9の検出する低圧側の冷媒温度が設定された目標温度に到達するように、地中熱循環ポンプ13の回転速度を上限回転速度を超えて増加させるものである。また、時間t11において、制御手段22は、圧縮機2および地中熱循環ポンプ13の駆動を停止させる制御を行う。また、時間t12において、戻り温水温度センサ21の検出する循環液の温度が所定値以上低下したことが検知されると、圧縮機2および地中熱循環ポンプ13が再度駆動させられる。そして、時間t12〜t16において、ここでは時間t8〜t12と同様な動作が行われる。
【0047】
図3において、本実施形態の場合(所定時間の間の圧縮機2の回転速度が上限値の所定値70rpsの回転速度を越えない所定値以内のときには地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を最大回転速度よりも低下させる場合)のSCOPおよび低圧側の冷媒温度および地中熱循環ポンプ13の回転速度を実線で示し、比較例としての従来の場合(地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を常に最大回転速度とする場合)のSCOPおよび低圧側の冷媒温度および地中熱循環ポンプ13の回転速度を破線で示す。
本実施形態において、図3の時間t8〜t11,t12〜t15に示すように、暖房負荷が小さい場合(低負荷時)には、地中熱循環ポンプ13が最大回転速度で動作しないため、SCOP(=「暖房出力/(圧縮機2の消費電力+地中熱循環ポンプ13の消費電力)とする)が向上していることがわかる。
【0048】
前記したように、本実施形態に係るヒートポンプ装置100は、圧縮機2の立上がり時から所定時間の間の該圧縮機2の回転速度の上限値が所定値以下の場合、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を予め決められた設定値である最大回転速度よりも低下させる制御を行う制御手段22を備える。
【0049】
したがって本実施形態によれば、暖房負荷が小さい場合には、ヒートポンプ装置100の圧縮機2が上限値に達せず所定値以内である。この場合、地中熱循環ポンプ13は、立上がり時に、予め決められた設定値である最大回転速度とならないため、ヒートポンプ装置100の全体的な効率が向上する。すなわち、負荷が小さい場合でも効率の良い暖房運転を行うことが可能なヒートポンプ装置100を提供することができる。
【0050】
次に、図4図8を参照して、本発明の他の実施形態について、前記した図1図3に示す実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点についての説明を適宜省略する。
【0051】
図4は、本発明の他の実施形態に係るヒートポンプ装置100aの概略構成図である。図5は、ヒートポンプ装置100aの暖房運転時の状態を示す概略構成図である。図6は、ヒートポンプ装置100aの冷房運転時の状態を示す概略構成図である。つまり、本実施形態に係るヒートポンプ装置100aは、地中熱を利用する地中熱ヒートポンプエアコンである点で、地中熱を利用する温水循環式の地中熱ヒートポンプ装置である前記した図1に示すヒートポンプ装置100と相違している。
【0052】
図4に示すように、本実施形態に係るヒートポンプ装置100aは、空調用の室内機31を備えており、該室内機31で被空調空間を冷却または加熱するものである。冷媒配管6には、冷媒配管6における冷媒の流れ方向を変えて暖房と冷房とを切り替える4方弁25が設けられている。負荷側熱交換器3は、送風ファン32の作動により送られる空気と冷媒との熱交換を行う。室内機31によって冷却または加熱される被空調空間には、リモコン23が設置されている。なお、図4における符号33は、被空調空間である室内の空気の温度(室内温度)を検出する室温センサである。室内機31には室内機制御手段24が備えられており、室内機制御手段24は、室温センサ33からの検出信号や、リモコン23からの操作信号を受けるとともに、ヒートポンプユニット1の制御手段22と通信を行う。
【0053】
リモコン23から被空調空間の加熱(暖房)の指示がなされると、図5に示すように、圧縮機2から吐出される冷媒が負荷側熱交換器3に向けて流れるように、4方弁25が切り替えられる。そして、圧縮機2および地中熱循環ポンプ13の駆動が開始され、熱源側熱交換器5を蒸発器として機能させるとともに、負荷側熱交換器3を凝縮器として機能させて負荷側を加熱する負荷運転としての暖房運転が行われる。暖房運転の際、負荷側熱交換器3では、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒と送風ファン32により送られる空気とで熱交換が行われ、負荷側熱交換器3にて加熱された空気は被空調空間に送られ、リモコンにより指示を受けた被空調空間を加熱するものである。
【0054】
一方、リモコン23から被空調空間の冷却(冷房)の指示がなされると、図6に示すように、圧縮機2から吐出される冷媒が熱源側熱交換器5に向けて流れるように、4方弁25が切り替えられる。そして、圧縮機2および地中熱循環ポンプ13の駆動が開始され、負荷側熱交換器3を蒸発器として機能させるとともに、熱源側熱交換器5を凝縮器として機能させて負荷側を冷却する負荷運転としての冷房運転が行われる。冷房運転の際、負荷側熱交換器3では、膨張弁4から吐出された低温低圧の冷媒と送風ファン32により送られる空気とで熱交換が行われ、負荷側熱交換器3にて冷却された空気は被空調空間に送られ、リモコンにより指示を受けた被空調空間を冷却するものである。
【0055】
図4に示すヒートポンプ装置100aの暖房運転時(図5参照)における動作は、図1に示すヒートポンプ装置100の暖房運転時における図2および図3で示した動作と概ね同様であるため、説明を省略する。
【0056】
次に、図7のフローチャートを参照して、図4に示すヒートポンプ装置100aの冷房運転時(図6参照)における主に地中熱循環ポンプ13の動作について説明する。
図7は、冷房運転時における地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を設定する処理の内容を示すフローチャートである。
【0057】
リモコン23から室内機31による被空調空間の冷却(冷房)の指示がなされ、該指示が室内機制御手段24を介して制御手段22に送られると、制御手段22は、圧縮機2および地中熱循環ポンプ13の駆動を開始させ、負荷運転としての冷房運転が開始される。冷房運転が開始されると、負荷側熱交換器3では送風ファン32の作動により送られる空気と膨張弁4から吐出された低温低圧の冷媒とが熱交換され、冷却された空気が被空調空間に送られて該被空調空間を冷却するとともに、熱源側熱交換器5では、地中熱循環ポンプ13により循環された不凍液と圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒とが熱交換され、その熱を帯びた不凍液が地中熱交換器10に供給されて、地中熱交換器10により地中に放熱される。
【0058】
図7に示すように、制御手段22は、冷房運転の開始時には、まず、内蔵のタイマーを
スタートさせる(ステップS11)。ここで、制御手段22は、圧縮機2から吐出される冷媒の目標吐出温度、熱源側熱交換器5側(高圧側)の冷媒の目標温度、および負荷側の目標冷房温度を設定する。また、制御手段22は、冷房運転中には、冷媒吐出温度センサ8の検出する圧縮機2から吐出された冷媒の温度が設定された目標吐出温度になるように膨張弁4の開度を開閉制御し、室温センサ33の検出する室内温度が設定された目標冷房温度(リモコン23で設定された設定温度)になるように圧縮機2の回転速度を制御する。
【0059】
そして、制御手段22は、地中への迅速な放熱を行うために、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を、予め決められた設定値である最大回転速度(例えば4000rpm)に設定する(ステップS12)。この後、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の回転速度を目標回転速度である最大回転速度(例えば4000rpm)に立ち上げるように制御する立上がり時制御を行う。また、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の最大回転速度への立上がり完了時から規定時間(例えば2分)経過後には、冷媒温度センサ9の検出する高圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、地中熱循環ポンプ13の回転速度を制御する通常時制御を行う。
【0060】
ステップS13では、制御手段22は、タイマーがスタートしてからの経過時間が予め決められた所定時間(例えば12分)を経過したか否を判断し、前記経過時間が予め決められた所定時間以上となるまで待機する(ステップS13でNo)。
【0061】
ステップS13において経過時間が予め決められた所定時間となった場合(ステップS13でYes)、制御手段22は、ステップS14に処理を移行させてタイマーをリセットして再度ゼロからスタートさせた後、ステップS15に処理を移行させる。
【0062】
ステップS15では、制御手段22は、直前の所定時間(例えば12分)の間において圧縮機2の回転速度の上限値が所定値以下ここでは70rpsを越えた場合(ステップS15でNo)、制御手段22は、負荷が大きいと判断し、ステップS12に処理を戻す。この場合のステップS12では、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を、最大回転速度(例えば4000rpm)に維持、あるいは後記するステップS16にて既に上限回転速度(例えば2000rpm)に設定されていた場合には、負荷が変化したと判断して、最大回転速度(例えば4000rpm)に戻すように変更する。これにより、地中からの必要な採熱をより適切に行うことができる。
【0063】
ステップS15において所定時間の間における圧縮機2の回転速度の上限値が所定値以下ここでは70rpsを越えない場合(ステップS15でYes)、負荷が小さいと判断して、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を、予め決められた設定値である最大回転速度(例えば4000rpm)よりも低い上限回転速度(例えば2000rpm)に設定する(ステップS6)。この後、地中熱循環ポンプ13を発動する時には、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の回転速度を目標回転速度である上限回転速度(例えば2000rpm)に立ち上げるように制御する立上がり時制御を行う。また、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の上限回転速度への立上がり完了時から規定時間(例えば2分)経過後には、冷媒温度センサ9の検出する高圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、地中熱循環ポンプ13の回転速度を制御する通常時制御を行う。
ステップS16の後、制御手段22は、ステップS13に処理を戻す。
【0064】
次に、図8のタイムチャートを参照して、図4に示すヒートポンプ装置100aの冷房運転時(図6参照)の動作について説明する。図8は、冷房運転時におけるヒートポンプ装置100aの各パラメータの動きを表すタイムチャートである。
【0065】
図8に示すように、時間t0〜t1において、ヒートポンプ装置100aの立上がり時の制御に従って、地中への迅速な放熱を行うために、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13についての立上がり時制御を行う。すなわち、地中熱循環ポンプ13は、立上がり時の目標回転速度として予め決められた設定値である最大回転速度(例えば4000rpm)となるように立ち上がる。また、室温センサ33の検出する室内温度が設定された目標冷房温度になるように、圧縮機2が例えば70rpsの回転速度で駆動される。ここで、ヒートポンプ出力(冷房出力)の増加に伴って、高圧側の冷媒温度が上昇している。
【0066】
時間t1〜t2において、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の最大回転速度への立上がり完了時から規定時間(例えば2分)経過後には、地中熱循環ポンプ13についての通常時制御を行う。すなわち、地中熱循環ポンプ13は、最大回転速度を超えない範囲で、冷媒温度センサ9の検出する高圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、回転速度が制御される。また、室温センサ33の検出する室内温度が目標冷房温度に達しているため、圧縮機2の回転速度が減少するとともに、高圧側の冷媒温度が減少する。
【0067】
時間t2〜t3において、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13についての通常時制御を行う。すなわち、地中熱循環ポンプ13は、最大回転速度を超えない範囲で、冷媒温度センサ9の検出する高圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、回転速度が制御される。ここでは、地中熱循環ポンプ13の回転速度が、最大回転速度から減少し、高圧側の冷媒温度が増加する。室温センサ33の検出する室内温度が目標冷房温度に達して室内温度が十分低くなっているため、圧縮機2の回転速度がさらに下限回転速度まで減少している。
【0068】
時間t3において、室内温度が十分低く維持されており、圧縮機2の回転速度を下限回転速度よりも減少させると効率が悪化するため、制御手段22は、圧縮機2の駆動を停止させる制御を行う。また、これに伴い、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の駆動を停止させる制御を行う。
【0069】
時間t4において、室内温度が上昇し、室温センサ33の検出する室内温度が所定値以上上昇したことが検知されると、圧縮機2および地中熱循環ポンプ13が再度駆動させられる。そして、時間t4〜t8において、冷房負荷が小さいことで圧縮機2の回転速度が上限値の所定値70rpsの回転速度を越えない所定値以内の状態が継続されるものである。
【0070】
図8のタイムチャートでは、時間t4〜t7において示されるように、予め決められた立上がりからの所定時間(例えば12分)間に、圧縮機2の回転速度が上限値の所定値70rpsの回転速度を越えない所定値以内の状態が発生した場合(図7のステップS15でYes)、このため、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を、次回の立上がりから最大回転速度(例えば4000rpm)よりも低い上限回転速度(例えば2000rpm)に設定する(図7のステップS16)。
【0071】
時間t8〜t9において、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13についての立上がり時制御を行う。すなわち、地中熱循環ポンプ13は、立上がり時の目標回転速度として設定された上限回転速度(例えば2000rpm)となるように立ち上がる。また、時間t9〜t10において、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13の上限回転速度への立上がり完了時から規定時間(例えば2分)経過後には、地中熱循環ポンプ13についての通常時制御を行う。すなわち、時間t9〜t10では、地中熱循環ポンプ13は、上限回転速
度を超えない範囲で、冷媒温度センサ9の検出する高圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、回転速度が制御される。さらに、時間t10〜t11において、制御手段22は、地中熱循環ポンプ13についての通常時制御を行う。すなわち、地中熱循環ポンプ13は、上限回転速度を超えない範囲で、冷媒温度センサ9の検出する高圧側の冷媒温度が設定された目標温度になるように、回転速度が制御される。ここでは、地中熱循環ポンプ13の回転速度が、上限回転速度から減少し、高圧側の冷媒温度が減少する。もちろん、時間t9〜t11において、制御手段22が、地中熱循環ポンプ13について通常時制御を行っているとき、冷媒温度センサ9の検出する高圧側の冷媒温度が設定された目標温度に到達しない場合は、冷媒温度センサ9の検出する高圧側の冷媒温度が設定された目標温度に到達するように、地中熱循環ポンプ13の回転速度を上限回転速度を超えて増加させるものである。また、時間t11において、制御手段22は、圧縮機2および地中熱循環ポンプ13の駆動を停止させる制御を行う。また、時間t12において、戻り温水温度センサ21の検出する循環液の温度が所定値以上低下したことが検知されると、圧縮機2および地中熱循環ポンプ13が再度駆動させられる。そして、時間t12〜t16において、ここでは時間t8〜t12と同様な動作が行われる。
【0072】
図8において、本実施形態の場合(所定時間の間の圧縮機2の回転速度が上限値の所定値70rpsの回転速度を越えない所定値以内のときには地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を最大回転速度よりも低下させる場合)のSCOPおよび高圧側の冷媒温度および地中熱循環ポンプ13の回転速度を実線で示し、比較例としての従来の場合(地中熱循環ポンプ13の立上がり時の目標回転速度を常に最大回転速度とする場合)のSCOPおよび高圧側の冷媒温度および地中熱循環ポンプ13の回転速度を破線で示す。
本実施形態において、図8の時間t8〜t11,t12〜t15に示すように、冷房負荷が小さい場合(低負荷時)には、地中熱循環ポンプ13が最大回転速度で動作しないため、SCOP(=「冷房出力/(圧縮機2の消費電力+地中熱循環ポンプ13の消費電力)とする)が向上していることがわかる。
【0073】
このように、図4に示すヒートポンプ装置100aによっても、前記した図1に示すヒートポンプ装置100と同様に、負荷が小さい場合でも効率の良い負荷運転を行うことが可能となる。
【0074】
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、前記実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
【符号の説明】
【0075】
2 圧縮機
3 負荷側熱交換器
4 膨張弁(減圧手段)
5 熱源側熱交換器
6 冷媒配管
7 ヒートポンプ回路
10 地中熱交換器(熱源)
11 地中熱配管(熱媒配管)
12 地中熱循環回路(熱源側循環回路)
13 地中熱循環ポンプ(熱源側循環ポンプ)
22 制御手段
100,100a ヒートポンプ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9