(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
放熱端末に循環液を循環させる加熱循環ポンプを有する加熱循環回路と、この加熱循環回路に配設された凝縮器としての第1加熱熱交換器と、前記加熱循環回路に配設された凝縮器としての第2加熱熱交換器と、熱媒を循環させて地中から採熱させる地中熱循環ポンプと、この地中熱循環ポンプで循環される熱媒で回路内を循環する第1冷媒を加熱する地中熱源熱交換器と、前記第1冷媒を圧縮する第1圧縮機と、前記第1圧縮機から吐出された前記第1冷媒を流通させる前記第1加熱熱交換器と、前記第1加熱熱交換器から流出した前記第1冷媒を減圧する第1膨張弁とを有し、前記第1加熱熱交換器を介して前記循環液を加熱する第1ヒートポンプ回路と、外気から採熱して回路内を循環する第2冷媒を加熱する空気熱源熱交換器と、前記第2冷媒を圧縮する第2圧縮機と、前記第2圧縮機から吐出された前記第2冷媒を流通させる前記第2加熱熱交換器と、前記第2加熱熱交換器から流出した前記第2冷媒を減圧する第2膨張弁と、前記第2冷媒の流れ方向を切り換える切換弁とを有し、前記第2加熱熱交換器を介して前記循環液を加熱する第2ヒートポンプ回路と、動作を制御する制御装置とを備え、前記第1加熱熱交換器は、前記加熱循環回路における前記第2加熱熱交換器の上流側に直列に配設され、前記第2ヒートポンプ回路を作動させると共に前記加熱循環ポンプを駆動させて前記循環液を加熱する暖房運転を行う複合熱源ヒートポンプ装置において、前記制御装置は、前記切換弁を、前記第2冷媒の流れ方向が前記暖房運転時の前記第2冷媒の流れ方向と逆になるように切り換えて、前記第2圧縮機から吐出された前記第2冷媒を前記空気熱源熱交換器に供給して前記空気熱源熱交換器に発生した霜を溶かす除霜動作を実行すると共に当該除霜動作時に前記加熱循環ポンプを駆動させる除霜動作制御手段を有し、前記暖房運転時に前記除霜動作制御手段が前記除霜動作を実行する場合には、前記第1ヒートポンプ回路を作動させ、更に前記除霜動作終了後の一定時間は、前記地中熱循環ポンプを最大回転数で駆動させた後、減圧された第1冷媒が所定温度になるように回転数を段階的に低下させるようにしたことを特徴とする複合熱源ヒートポンプ装置。
前記制御装置は、前記除霜動作を開始するための所定の除霜開始条件が成立したと判断したら、前記第1ヒートポンプ回路の作動を開始させ、前記第1ヒートポンプ回路の作動を開始させてから所定時間が経過した後に、前記除霜動作制御手段は、前記除霜動作を開始するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の複合熱源ヒートポンプ装置。
前記除霜動作制御手段は、前記除霜動作時の前記加熱循環ポンプを所定の除霜回転速度で駆動させるようにし、前記所定の除霜回転速度は前記暖房運転時よりも低く設定した回転速度としたことを特徴とする請求項1または2に記載の複合熱源ヒートポンプ装置。
前記制御装置は、前記除霜動作時に、前記第1ヒートポンプ回路の前記第1圧縮機を最大回転速度で駆動させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の複合熱源ヒートポンプ装置。
前記制御装置は、前記除霜動作を終了するための所定の除霜終了条件が成立したと判断したら、前記切換弁を、前記第2冷媒の流れ方向が前記暖房運転時の前記第2冷媒の流れ方向となるように切り換えて、前記暖房運転としての前記第2ヒートポンプ回路の作動を再開させ、前記第2ヒートポンプ回路の作動再開後、一定時間が経過するまでは、前記第1ヒートポンプ回路の作動を継続するようにしたことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の複合熱源ヒートポンプ装置。
前記制御装置は、前記第2ヒートポンプ回路の作動を再開して前記一定時間が経過した後、前記加熱循環回路を循環する前記循環液の温度が設定された目標温水温度に到達したら、前記第1圧縮機の回転速度を徐々に低下させて、前記第1ヒートポンプ回路の作動を停止するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の複合熱源ヒートポンプ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような従来のヒートポンプサイクル装置において、空気熱ヒートポンプが単独で作動して暖房運転を行っている時、外気温度や暖房負荷の大きさ等、条件によっては空気熱ヒートポンプを構成する空気熱源熱交換器が着霜することがあり、空気熱源熱交換器は着霜すると熱交換効率が低下するため、空気熱源熱交換器の除霜をする必要がある。
【0006】
上記除霜の動作としては、空気熱ヒートポンプを構成する第2膨張弁を全開とすると共に空気熱ヒートポンプの冷媒の流れ方向を暖房運転時の冷媒の流れ方向とは逆転させ、第2圧縮機から吐出された高温の冷媒を、空気熱源熱交換器に直接供給して空気熱源熱交換器に発生した霜を溶かし、空気熱源熱交換器から流出した冷媒を、第2膨張弁で減圧されることなく第2膨張弁を通過させ、第2加熱熱交換器を流通させて、再び第2圧縮機に戻している。(除霜動作)
【0007】
この除霜動作を行う時に加熱循環ポンプの駆動を停止すると、循環液が放熱端末側に供給されないため無暖房状態になると共に、第2加熱熱交換器において、空気熱源熱交換器に発生した霜を溶かすために熱交換して低温となった冷媒と第2加熱熱交換器内に滞留している循環液との間で最初は熱交換するものの、循環液の温度は低下の一途をたどり、循環液側から冷媒側に吸熱される熱も少なくなり、空気熱源熱交換器の除霜に利用する熱が採れず、除霜動作時間が長引いてしまい、たとえ除霜動作が終了して暖房運転を再開したとしても、再開当初は温度の低い循環液が放熱端末に供給されてしまうので、暖房感を大幅に損ねてしまうという問題を有するものであった。
【0008】
一方、除霜動作を行う時に加熱循環ポンプの駆動を継続しても、空気熱源熱交換器に発生した霜を溶かすために熱交換して低温となった冷媒と循環液とが、第2加熱熱交換器において熱交換し、循環液は冷却され、第2加熱熱交換器を流出した温度の低い循環液が放熱端末に供給されることになり、今まで暖房していた被空調空間を逆に冷却してしまうという問題を有するものであり、さらに、放熱端末を流出した循環液は加熱されることがないので、再び第2加熱熱交換器に流入する循環液は温度が低いままであることから、第2加熱熱交換器において循環液側から冷媒側に吸熱される熱も少なく、空気熱源熱交換器の除霜に利用する熱が採れず、除霜動作時間が長引くという問題を有するものであった。
【0009】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、除霜動作中も被空調空間の暖房が継続され、除霜動作時間も長引くことのない複合熱源ヒートポンプ装置を提供することを課題とする。
また、除霜動作終了後の暖房動作の移行が安定的にスムーズに移行されるように地中熱循環ポンプの駆動を制御するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1では、放熱端末に循環液を循環させる加熱循環ポンプを有する加熱循環回路と、この加熱循環回路に配設された凝縮器としての第1加熱熱交換器と、前記加熱循環回路に配設された凝縮器としての第2加熱熱交換器と、熱媒を循環させて地中から採熱させる地中熱循環ポンプと、この地中熱循環ポンプで循環される熱媒で回路内を循環する第1冷媒を加熱する地中熱源熱交換器と、前記第1冷媒を圧縮する第1圧縮機と、前記第1圧縮機から吐出された前記第1冷媒を流通させる前記第1加熱熱交換器と、前記第1加熱熱交換器から流出した前記第1冷媒を減圧する第1膨張弁とを有し、前記第1加熱熱交換器を介して前記循環液を加熱する第1ヒートポンプ回路と、外気から採熱して回路内を循環する第2冷媒を加熱する空気熱源熱交換器と、前記第2冷媒を圧縮する第2圧縮機と、前記第2圧縮機から吐出された前記第2冷媒を流通させる前記第2加熱熱交換器と、前記第2加熱熱交換器から流出した前記第2冷媒を減圧する第2膨張弁と、前記第2冷媒の流れ方向を切り換える切換弁とを有し、前記第2加熱熱交換器を介して前記循環液を加熱する第2ヒートポンプ回路と、動作を制御する制御装置とを備え、前記第1加熱熱交換器は、前記加熱循環回路における前記第2加熱熱交換器の上流側に直列に配設され、前記第2ヒートポンプ回路を作動させると共に前記加熱循環ポンプを駆動させて前記循環液を加熱する暖房運転を行う複合熱源ヒートポンプ装置において、前記制御装置は、前記切換弁を、前記第2冷媒の流れ方向が前記暖房運転時の前記第2冷媒の流れ方向と逆になるように切り換えて、前記第2圧縮機から吐出された前記第2冷媒を前記空気熱源熱交換器に供給して前記空気熱源熱交換器に発生した霜を溶かす除霜動作を実行すると共に当該除霜動作時に前記加熱循環ポンプを駆動させる除霜動作制御手段を有し、前記暖房運転時に前記除霜動作制御手段が前記除霜動作を実行する場合には、前記第1ヒートポンプ回路を作動させ、更に前記除霜動作終了後の一定時間は、前記地中熱循環ポンプを最大回転数で駆動させた後、減圧された第1冷媒が所定温度になるように回転数を段階的に低下させるようにしたものである。
【0011】
また、請求項2では、前記制御装置は、前記除霜動作を開始するための所定の除霜開始条件が成立したと判断したら、前記第1ヒートポンプ回路の作動を開始させ、前記第1ヒートポンプ回路の作動を開始させてから所定時間が経過した後に、前記除霜動作制御手段は、前記除霜動作を開始するものとした。
【0012】
また、請求項3では、前記除霜動作制御手段は、前記除霜動作時の前記加熱循環ポンプを所定の除霜回転速度で駆動させるようにし、前記所定の除霜回転速度は前記暖房運転時よりも低く設定した回転速度とした。
【0013】
また、請求項4では、前記制御装置は、前記除霜動作時に、前記第1ヒートポンプ回路の前記第1圧縮機を最大回転速度で駆動させるものとした。
【0014】
また、請求項5では、前記制御装置は、前記除霜動作を終了するための所定の除霜終了条件が成立したと判断したら、前記切換弁を、前記第2冷媒の流れ方向が前記暖房運転時の前記第2冷媒の流れ方向となるように切り換えて、前記暖房運転としての前記第2ヒートポンプ回路の作動を再開させ、前記第2ヒートポンプ回路の作動再開後、一定時間が経過するまでは、前記第1ヒートポンプ回路の作動を継続するものとした。
【0015】
また、請求項6では、前記制御装置は、前記第2ヒートポンプ回路の作動を再開して前記一定時間が経過した後、前記加熱循環回路を循環する前記循環液の温度が設定された目標温水温度に到達したら、前記第1圧縮機の回転速度を徐々に低下させて、前記第1ヒートポンプ回路の作動を停止するものとした。
【発明の効果】
【0016】
この発明の請求項1によれば、第2ヒートポンプ回路を作動させると共に加熱循環ポンプを駆動させて循環液を加熱する暖房運転を行っているときに、空気熱源熱交換器に発生した霜を溶かす除霜動作が実行される場合において、除霜動作を実行するときは、第1ヒートポンプ回路を作動させることにより、除霜動作前に第2ヒートポンプ回路の作動により行われていた暖房運転を、第1ヒートポンプ回路を作動させてバックアップし、安定した暖房出力を確保して、除霜動作中も暖房運転を継続することができると共に、空気熱源熱交換器の除霜に利用される熱を、第2加熱熱交換器を介して循環液側から第2冷媒側に与えることができ、除霜動作が行われる時間を長引かせることがないものであり、また、除霜動作終了後の一定時間は、第1ヒートポンプ回路の地中熱循環ポンプを最大回転数で駆動させ、その後は、減圧された第1冷媒が所定温度になるように回転数を段階的に低下させるようにすることで、第2ヒートポンプ回路の暖房動作が立上がるまで、第1ヒートポンプ回路から加熱循環回路へ供給される熱量を補充して、第2ヒートポンプ回路の暖房動作の立上げが安定的でスムーズ行われるようにしたものである。
【0017】
また、請求項2によれば、除霜動作を開始するための所定の除霜開始条件が成立したと判断したら、第1ヒートポンプ回路の作動を開始させ、第1ヒートポンプ回路の作動を開始させてから所定時間が経過した後に、除霜動作を開始するようにしたことで、バックアップとして作動する第1ヒートポンプ回路が安定した暖房出力を出せるようになる時間が経過するまでは除霜動作の開始を待つので、安定した暖房出力を確保した状態で除霜動作を開始することができ、除霜動作中も暖房運転を継続することができるものである。
【0018】
また、請求項3によれば、除霜動作時の加熱循環ポンプを所定の除霜回転速度で駆動させるようにし、所定の除霜回転速度は暖房運転時よりも低く設定した回転速度としたことで、暖房運転時と比較して、単位時間当たりの循環液の循環流量が減少し、温度効率が上がるため、第1加熱熱交換器から流出する循環液の温度が高くなり、第2加熱熱交換器に流入する循環液の温度が高くなるので、第2加熱熱交換器において循環液側から第2冷媒側に吸熱される熱が多くなり、第2圧縮機から吐出されて空気熱源熱交換器に供給される第2冷媒の温度も上がるため、空気熱源熱交換器に発生した霜も溶けやすくなり、除霜動作時間を短縮することができ、除霜動作時間を長引かせることがないものである。
【0019】
また、請求項4によれば、除霜動作時に、第1ヒートポンプ回路の第1圧縮機を最大回転速度で駆動させることで、除霜動作が行われる前の第2ヒートポンプ回路の暖房出力分をできるだけカバーするように第1ヒートポンプ回路を作動させ、第1加熱熱交換器から流出する循環液の温度をより高めることができるため、第2加熱熱交換器に流入する循環液の温度が高くなり、第2加熱熱交換器を流出する循環液の温度も高く保つことができ、放熱端末へ供給される循環液の温度低下をできるだけ抑制し、できるだけ暖房感を損ねないように暖房運転を継続できるものである。さらに、第1加熱熱交換器から流出する循環液の温度を高めることができるため、第2加熱熱交換器に流入する循環液の温度が高くなるので、第2加熱熱交換器において循環液側から第2冷媒側に吸熱される熱が多くなり、第2冷媒の温度もその分上昇し、第2圧縮機から吐出されて空気熱源熱交換器に供給される第2冷媒の温度も上がるため、空気熱源熱交換器に発生した霜も溶けやすくなり、除霜動作を行っている時間を短縮することができ、除霜動作時間を長引かせることがないものである。
【0020】
また、請求項5によれば、除霜動作を終了するための所定の除霜終了条件が成立したと判断したら、切換弁を、第2冷媒の流れ方向が暖房運転時の第2冷媒の流れ方向となるように切り換えて、暖房運転としての第2ヒートポンプ回路の作動を再開させ、第2ヒートポンプ回路の作動再開後、一定時間が経過するまでは、第1ヒートポンプ回路の作動を継続するようにしたことで、第2ヒートポンプ回路が安定した暖房出力を出せるようになる時間が経過するまでは、バックアップとして作動させている第1ヒートポンプ回路の作動を継続させるので、除霜動作終了後においても安定した暖房出力を確保することができ、暖房運転を継続することができるものである。
【0021】
また、請求項6によれば、第2ヒートポンプ回路の作動を再開して一定時間が経過した後、加熱循環回路を循環する前記循環液の温度が設定された目標温水温度に到達したら、第1圧縮機の回転速度を徐々に低下させて、第1ヒートポンプ回路の作動を停止するようにしたことで、除霜動作終了後において、バックアップとして作動させていた第1ヒートポンプ回路の作動を徐々に制限していき、第2ヒートポンプ回路のみを作動させての暖房運転の状態にスムーズに移行させることができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態に係る複合熱源ヒートポンプ装置1の構成について適宜
図1と
図2を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、複合熱源ヒートポンプ装置1は、第1ヒートポンプ回路40(
図2参照)を備える地中熱ヒートポンプユニット4と、第2ヒートポンプ回路50(
図2参照)を備える空気熱ヒートポンプユニット5とを有している。また、複合熱源ヒートポンプ装置1は放熱端末36に熱媒としての循環液L(例えば、温水や不凍液)を循環させる負荷側循環回路としての加熱循環回路30と、熱源側循環回路としての地中熱循環回路20と、複合熱源ヒートポンプ装置1の動作を制御する制御手段としての制御装置6(61、62、63)と、制御装置6に信号を送るリモコン60とを有している。
【0024】
図2に示すように、本実施形態に係る複合熱源ヒートポンプ装置1は、地中熱源を利用して放熱端末36側の循環液Lを加熱する第1ヒートポンプ回路40の第1加熱熱交換器41と、空気熱源を利用して放熱端末36側の循環液Lを加熱する第2ヒートポンプ回路50の第2加熱熱交換器51とを加熱循環回路30に対して直列に接続した複合熱源ヒートポンプ装置であり、加熱循環回路30を循環する循環液Lの流れに対して、第1加熱熱交換器41が第2加熱熱交換器51よりも上流側に配設されている。この複合熱源ヒートポンプ装置1は、暖房装置および冷房装置として機能させることができるが、以下の実施形態においては主として暖房装置として使用している場合の構成要素および動作について説明する。
【0025】
第1ヒートポンプ回路40は、第1冷媒C1を圧縮する能力可変の第1圧縮機43と、第1圧縮機43から吐出された高温の第1冷媒C1を流通させ、この高温の第1冷媒C1と加熱循環回路30を流れる循環液Lとの熱交換を行う第1凝縮器としての第1加熱熱交換器41と、第1加熱熱交換器41から流出する第1冷媒C1を減圧する第1減圧手段としての第1膨張弁44と、第1膨張弁44からの減圧された低温の第1冷媒C1と地中熱循環回路20を流れる熱媒H1との熱交換を行う第1蒸発器としての地中熱源熱交換器45と、これらを環状に接続する第1冷媒配管42とを備えて構成されている。この第1ヒートポンプ回路40は、第1冷媒C1が循環すると共に、第1加熱熱交換器41を介して加熱循環回路30を流れる循環液Lを加熱する。
【0026】
また、
図2に示す地中熱ヒートポンプユニット4において、符号42aは、第1圧縮機43から吐出された第1冷媒C1の温度を検出する第1冷媒吐出温度センサであり、符号42bは、第1膨張弁44から地中熱源熱交換器45までの第1冷媒配管42、つまり低圧側の第1冷媒配管42に設けられ、低圧側の第1冷媒C1の温度を検出する第1冷媒温度センサである。
【0027】
第2ヒートポンプ回路50は、第2冷媒C2を圧縮する能力可変の第2圧縮機53と、第2圧縮機53から吐出された高温の第2冷媒C2を流通させ、この高温の第2冷媒C2と加熱循環回路30を流れる循環液Lとの熱交換を行う第2凝縮器としての第2加熱熱交換器51と、第2加熱熱交換器51から流出する第2冷媒C2を減圧する第2減圧手段としての第2膨張弁54と、第2膨張弁54からの減圧した低温の第2冷媒C2を流通させ、この低温の第2冷媒C2と送風ファン56の作動により送られる空気との熱交換を行う第2蒸発器としての空気熱源熱交換器55と、これらを環状に接続する第2冷媒配管52とを備えて構成されている。この第2ヒートポンプ回路50は、第2冷媒C2が循環すると共に、第2加熱熱交換器51を介して加熱循環回路30を流れる循環液Lを加熱する。
【0028】
第2冷媒配管52には、第2ヒートポンプ回路50における第2冷媒C2の流れ方向を切り換える切換弁としての四方弁58が設けられており、四方弁58は、第2圧縮機53から吐出された第2冷媒C2を、第2加熱熱交換器51、第2膨張弁54、空気熱源熱交換器55の順に流通させ、第2圧縮機53に戻す流路を形成する状態(暖房運転時の状態)と、第2圧縮機53から吐出された第2冷媒C2を、空気熱源熱交換器55、第2膨張弁54、第2加熱熱交換器51の順に流通させ、第2圧縮機53に戻す流路を形成する状態(除霜動作時の状態)とに切り換え可能なものである。
本実施形態では、空気熱源熱交換器55が低温となり、着霜した場合に、第2圧縮機53から吐出される第2冷媒C2が空気熱源熱交換器55に向けて流れるように四方弁58が切り換えられて、第2圧縮機53からの高温の第2冷媒C2により空気熱源熱交換器55に発生した霜が溶かされるようになっている。
【0029】
また、
図2に示す空気熱ヒートポンプユニット5において、符号52aは、第2圧縮機53から吐出された第2冷媒C2の温度を検出する第2冷媒吐出温度センサであり、符号52bは、第2膨張弁54から空気熱源熱交換器55までの第2冷媒配管52、つまり低圧側の第2冷媒配管52に設けられ、低圧側の第2冷媒C2の温度を検出する第2冷媒温度センサであり、符号57は外気温度を検出する外気温センサである。
【0030】
なお、第1ヒートポンプ回路40および第2ヒートポンプ回路50の冷媒としては、R410AやR32等のHFC冷媒や二酸化炭素冷媒等の任意の冷媒を用いることができる。
【0031】
第1加熱熱交換器41、地中熱源熱交換器45、および第2加熱熱交換器51は、例えばプレート式熱交換器で構成されている。このプレート式熱交換器は、複数の伝熱プレートが積層され、冷媒を流通させる冷媒流路と熱媒である流体を流通させる流体流路とが各伝熱プレートを境にして交互に形成されている。
【0032】
地中熱循環回路20は、地中熱源熱交換器45と、地中熱源熱交換器45を流通する第1冷媒C1を加熱する熱源として地中に設置された地中熱交換器23と、これらを環状に接続する地中熱配管21とを備えて構成されている。また、地中熱配管21には、地中熱循環回路20に熱媒H1としてエチレングリコールやプロピレングリコール等を添加した不凍液を循環させる回転速度(単位時間当たりの回転数)可変の地中熱循環ポンプ22が設けられている。なお、
図2における符号24は、熱媒H1を貯留し地中熱循環回路20の圧力を調整する地中用シスターンである。
【0033】
ここで、地中熱循環回路20では、暖房運転を行う際に、地中熱交換器23によって地中から地中熱を採熱し、その熱を帯びた熱媒H1が地中熱循環ポンプ22により地中熱源熱交換器45に供給される。そして、地中熱源熱交換器45にて、地中熱源熱交換器45の冷媒流路を流通する第1冷媒C1と地中熱源熱交換器45の流体流路を流通する熱媒H1とが対向して流れて熱交換が行われ、地中熱交換器23にて採熱された地中熱が第1冷媒C1側に汲み上げられて第1冷媒C1が加熱され、地中熱源熱交換器45は蒸発器として機能するものとなる。
【0034】
加熱循環回路30は、第1凝縮器としての第1加熱熱交換器41と、第2凝縮器としての第2加熱熱交換器51と、被空調空間を加熱する床暖房パネルやパネルコンベクタ等の負荷端末としての放熱端末36と、これらを上流側から順に環状に接続する加熱配管31とを備えて構成されている。また、加熱配管31には、加熱循環回路30に循環液Lを循環させる加熱循環ポンプ32が設けられており、放熱端末36毎に分岐した加熱配管31の各々には、その開閉により放熱端末36への循環液Lの供給を制御する熱動弁33がそれぞれ設けられている。なお、放熱端末36は、
図2では2つ設けられているが、1つであってもよく、3つ以上であってもよく、数量や仕様が特に限定されるものではない。
【0035】
このように、加熱循環回路30において第1凝縮器としての第1加熱熱交換器41と第2凝縮器としての第2加熱熱交換器51とが直列に接続されており、加熱循環回路30を循環する循環液Lは、第1加熱熱交換器41を流通した後で、第2加熱熱交換器51を流通して、放熱端末36に供給されるように構成されている。
【0036】
なお、
図2に示す加熱循環回路30において、符号34は、加熱配管31に設けられ放熱端末36から第1加熱熱交換器41に流入する循環液Lの温度を検出する戻り温水温度センサであり、符号35は、循環液Lを貯留し加熱循環回路30の圧力を調整する暖房用シスターンである。
【0037】
制御装置6は、地中熱循環回路20、第1ヒートポンプ回路40、および加熱循環回路30の動作を制御する地中熱ヒートポンプ制御装置61と、第2ヒートポンプ回路50の動作を制御する空気熱ヒートポンプ制御装置62と、除霜動作を制御する除霜動作制御手段としての除霜動作制御装置63とを備えている。制御装置6は、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部と、演算・制御処理を行う制御部とを備えており、外気温センサ57や温度センサ42a、42b等の各温度センサ、およびリモコン60からの信号を受けて、複合熱源ヒートポンプ装置1の動作を制御できるようになっている。
【0038】
制御装置6は、暖房運転中、第1加熱熱交換器41の直上流側の循環液Lの温度を検出する戻り温水温度センサ34の検出値が、リモコン60の設定温度に基づいて設定される目標温水温度になるように、第1ヒートポンプ回路40の作動による暖房運転の場合は第1圧縮機43の回転速度を制御し、第2ヒートポンプ回路50の作動による暖房運転の場合は第2圧縮機53の回転速度を制御し、第1ヒートポンプ回路40および第2ヒートポンプ回路50の双方が作動している場合は第1圧縮機43および第2圧縮機53の回転速度を制御する。すなわち、制御装置6は、第1加熱熱交換器41の直上流側の加熱循環回路30に設置され放熱端末36から流出した循環液Lの温度を検出する1つの戻り温水温度センサ34の検出値から全体の暖房負荷を把握して、これに応じて、第1ヒートポンプ回路40または第2ヒートポンプ回路50のどちらか一方、あるいは第1ヒートポンプ回路40および第2ヒートポンプ回路50の双方の作動を制御するように構成されている。
【0039】
前記除霜動作制御装置63は、加熱循環ポンプ32を所定の除霜回転速度で駆動させ放熱端末36による暖房運転を継続した状態で、第2圧縮機53から吐出された高温の第2冷媒C2を空気熱源熱交換器55に供給して、空気熱源熱交換器55に発生した霜を溶かす除霜動作を実行する。
加熱循環ポンプ32の所定の除霜回転速度は、暖房運転時における回転速度よりも低く設定されている。例えば、暖房運転における加熱循環ポンプ32の回転速度が3500rpmとすると、除霜動作時の加熱循環ポンプ32の除霜回転速度は、3500rpmよりも低い2500rpmとすることができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、暖房運転時の加熱循環ポンプ32の回転速度を3500rpmとし、除霜動作を行っている時の加熱循環ポンプ32の除霜回転速度を2500rpmとしたが、これに限定されるものではなく、暖房運転における加熱循環ポンプ32の回転速度、および除霜回転速度は、ヒートポンプ装置の仕様や圧縮機の性能、設置環境、熱負荷等を勘案しながら、必要な暖房出力と除霜動作時間とのバランスを考慮して適宜設定される。
【0041】
前記除霜動作の形態は、
図3に示すように、暖房運転時(
図1の空気熱ヒートポンプユニット5参照)と逆方向に第2冷媒C2を循環させる形態であり、具体的には、
図3に示す除霜動作は、第2膨張弁54を除霜動作前の暖房運転時よりも所定の開度まで拡大、ここでは全開まで拡大すると共に、四方弁58を除霜動作時の状態に切り換えて第2冷媒C2の流れ方向が暖房運転時の第2冷媒C2の流れ方向と逆になるようにし、第2圧縮機53から吐出された高温の第2冷媒C2を、空気熱源熱交換器55に直接供給して空気熱源熱交換器55に発生した霜を溶かす。空気熱源熱交換器55にて霜との熱交換で温度低下し空気熱源熱交換器55から流出した低温の第2冷媒C2は、第2膨張弁54で減圧されることなく第2膨張弁54を通過し、第2加熱熱交換器51を流通して再び第2圧縮機53に戻るものである。
【0042】
前記除霜動作の開始は、例えば、外気温センサ57で検出した外気温度が予め設定された除霜開始温度に達したか否か、または外気温センサ57で検出した外気温度および第2冷媒温度センサ52bで検出した冷媒温度がそれぞれ予め設定された除霜開始温度に達したか否かを制御装置6が判断、すなわち所定の除霜開始条件が成立したか否かを制御装置6が判断して、除霜開始条件が成立したと判断したら除霜動作を開始することができる。また、除霜動作の完了は、第2冷媒温度センサ52bで検出する空気熱源熱交換器55を流通してきた第2冷媒C2の温度が、予め設定された除霜終了温度に達したか否かを制御装置6が判断、すなわち所定の除霜終了条件が成立したか否かを制御装置6が判断して、除霜終了条件が成立したと判断したら除霜動作を終了し暖房運転を再開させる。
【0043】
また、制御装置6は、前記第2ヒートポンプ回路50の除霜動作終了後の一定時間ここでは5〜10分間は、地中熱循環回路20の地中熱循環ポンプ22を最大回転数で駆動させた後、回転数を段階的に低下させて後、温度センサ42bが検出する減圧された第1冷媒が所定温度ここでは0.5℃になるように回転数を制御することにより、第2ヒートポンプ回路50の暖房動作が立上がるまで、第1ヒートポンプ回路40から加熱循環回路30へ供給される熱量を補充して、第2ヒートポンプ回路50の暖房動作の立上げが安定的でスムーズ行われるようにしたものである。
【0044】
次に、
図1および
図2に示す複合熱源ヒートポンプ装置1の動作について説明する。
リモコン60から放熱端末36による被空調空間の加熱の指示がなされると、制御装置6は、外気温センサ57の検出する外気温度に基づき、地中熱源を利用する第1ヒートポンプ回路40および空気熱源を利用する第2ヒートポンプ回路50のうち、熱源として採熱効率のよい方を選択して作動させる。
【0045】
例えば、春季や秋季のように外気温度がそれほど低くない場合(例えば、5℃以上)で、暖房負荷が小さい場合には、制御装置6は、空気熱源を利用する第2ヒートポンプ回路50のみを作動させる。この場合、制御装置6は、第2圧縮機53、第2膨張弁54、送風ファン56、および加熱循環ポンプ32の駆動を開始させ、暖房運転が開始される。暖房運転が開始されると、第2加熱熱交換器51では加熱循環ポンプ32により循環される循環液Lと第2圧縮機53から吐出された高温高圧の第2冷媒C2とが熱交換され、加熱された循環液Lが放熱端末36に供給され被空調空間を加熱すると共に、空気熱源熱交換器55では、送風ファン56の駆動により送られる空気と第2膨張弁54から吐出された低温低圧の第2冷媒C2とが熱交換され、空気熱により第2冷媒C2を加熱し蒸発させる。なお、この場合、加熱循環回路30を循環する循環液Lは、第1加熱熱交換器41も通過することになるが、このときには第1ヒートポンプ回路40は作動していないため、第1加熱熱交換器41では加熱されることなく通過する。
【0046】
一方、冬季のように外気温度が低い場合(例えば、5℃以下)には、制御装置6は、地中熱源を利用する第1ヒートポンプ回路40のみを作動させる。この場合、制御装置6は、第1圧縮機43、第1膨張弁44、地中熱循環ポンプ22、および加熱循環ポンプ32の駆動を開始させ、暖房運転が開始される。暖房運転が開始されると、第1加熱熱交換器41では加熱循環ポンプ32により循環される循環液Lと第1圧縮機43から吐出された高温高圧の第1冷媒C1とが熱交換され、加熱された循環液Lが放熱端末36に供給され被空調空間を加熱すると共に、地中熱源熱交換器45では、地中熱循環ポンプ22により循環され地中熱交換器23を介して地中熱を採熱した熱媒H1と第1膨張弁44から吐出された低温低圧の第1冷媒C1とが熱交換され、地中熱により第1冷媒C1を加熱し蒸発させる。なお、この場合、加熱循環回路30を循環する循環液Lは、第2加熱熱交換器51も通過することになるが、このときには第2ヒートポンプ回路50は作動していないため、第2加熱熱交換器51では加熱されることなく通過する。
【0047】
また、暖房運転の立上げ時や、第1ヒートポンプ回路40または第2ヒートポンプ回路50のどちらか一方が作動して暖房運転を行っている時に、外気温度がさらに低下する等して暖房負荷が大きくなり、一方の作動のみでは所望の暖房出力が得られないとき等に、制御装置6は、第1ヒートポンプ回路40および第2ヒートポンプ回路50の両方を作動させた暖房運転を行う。第1ヒートポンプ回路40および第2ヒートポンプ回路50の両方を作動させた暖房運転を例とした場合、制御装置6は、第1圧縮機43、第1膨張弁44、地中熱循環ポンプ22、第2圧縮機53、第2膨張弁54、送風ファン56、および加熱循環ポンプ32を駆動させて暖房運転が行われる。暖房運転中は、第1加熱熱交換器41では、加熱循環ポンプ32により循環される循環液Lと第1圧縮機43から吐出された高温高圧の第1冷媒C1とが対向して流れて熱交換が行われて循環液Lが加熱され、また、第2加熱熱交換器51では、加熱循環ポンプ32により循環される循環液Lと第2圧縮機53から吐出された高温高圧の第2冷媒C2とが対向して流れて熱交換が行われて循環液Lが加熱される。このように、加熱循環回路30を循環する循環液Lは、第1加熱熱交換器41で加熱された後、第2加熱熱交換器51でもさらに加熱されて放熱端末36に供給され、放熱端末36を流通するときに循環液Lの熱が被空調空間に放熱されることで被空調空間の暖房が行われるものである。
【0048】
次に、特徴的な動作として、空気熱源の利用する第2ヒートポンプ回路50のみを作動させて暖房運転を行っているときに空気熱源熱交換器55に発生した霜を溶かす除霜動作が実行される場合の複合熱源ヒートポンプ装置1の動作について、
図4のタイムチャートを用いて説明する。なお、
図4中の時間t0は、第2ヒートポンプ回路50のみを作動させて行う暖房運転が安定した後の任意の時間とする。
【0049】
前記第2ヒートポンプ回路50を作動させると共に加熱循環ポンプ32を駆動させ、第2加熱熱交換器51にて循環液Lを加熱して、加熱された循環液Lを放熱端末36に供給する暖房運転を行っている最中に、制御装置6が、外気温センサ57で検出した外気温度等から除霜開始条件が成立したと判断した場合(時間t1)、第1圧縮機43、第1膨張弁44、地中熱循環ポンプ22の駆動を開始させて第1ヒートポンプ回路40の作動を開始させる(時間t1〜)。この時、加熱循環ポンプ32は駆動させたままである。
【0050】
前記第1ヒートポンプ回路40の作動を開始させてから、予め設定された第1の時間(t1時間〜時間t2)として例えば5分が経過した後、第2圧縮機53、第2膨張弁54、送風ファン56の駆動を停止させ、一旦、第2ヒートポンプ回路50の作動を停止させる(時間t2)。第2ヒートポンプ回路50の作動を停止させた時、第2膨張弁54の開度は全開とされ、予め設定された第2の時間(時間t2〜時間t3)が経過するのを待つものであるが、これは、第2膨張弁54の開度を全開として所定の時間の経過を待つことで第2圧縮機53の吐出側(高圧側)と吸込側(低圧側)の差圧をなくし、第2圧縮機53等の機能部品を次の起動時に安全に起動させるために行っているものである。なお、本実施形態では、時間t2〜時間t3の間、第2ヒートポンプ回路50の作動を停止させているが、この期間、第2圧縮機53を駆動させたまま第2膨張弁54の開度を全開として、予め設定された第2の時間(時間t2〜時間t3)が経過するのを待つことで、第2圧縮機53の吐出側(高圧側)と吸込側(低圧側)の差圧をなくすこともできるため、第2ヒートポンプ回路50を作動させたまま次の動作へ移行することも可能である。
【0051】
前記制御装置6が、第1ヒートポンプ回路40の作動を開始させてから所定時間(時間t1〜時間t3)が経過したと判断すると、除霜動作制御装置63は、四方弁58を除霜動作時の状態に切り換えて除霜動作を開始すると共に、加熱循環ポンプ32を所定の除霜回転速度(ここでは2500rpm)で駆動させる(時間t3〜)。このとき、加熱循環ポンプ32は駆動し第1ヒートポンプ回路40も作動しているので、暖房運転を継続した状態で除霜動作が行われることとなる。
【0052】
前記除霜動作は、先に
図3を用いて説明したように、第2膨張弁54を全開とすると共に、四方弁58を除霜動作時の状態に切り換えて第2冷媒C2の流れ方向が暖房運転時の第2冷媒C2の流れ方向と逆となるようにし、第2圧縮機53から吐出された高温の第2冷媒C2を、直接的に空気熱源熱交換器55に供給して空気熱源熱交換器55に発生した霜を溶かし、空気熱源熱交換器55から流出した第2冷媒C2を、第2膨張弁54で減圧されることなく第2膨張弁54を通過させ、第2加熱熱交換器51を流通させて、再び第2圧縮機53に戻す。
【0053】
この除霜動作時、第2加熱熱交換器51では、第2冷媒C2と循環液Lとの間で熱交換が行われ、循環液Lの熱が第2冷媒C2側に吸熱されて、その熱が空気熱源熱交換器55の除霜用として利用されるものであるが、除霜動作を行っている時の加熱循環ポンプ32は、除霜動作が行われる前の暖房運転時における回転速度(ここでは3500rpm)よりも低い所定の除霜回転速度(ここでは2500rpm)で駆動している。ここで、第1加熱熱交換器41に流入する循環液Lの温度が一定で、第1加熱熱交換器41において冷媒C1から循環液Lに一定の熱量が与えられた場合を想定すると、加熱循環ポンプ32の回転速度を、例えば3500rpmとしたときよりも2500rpmと低くしたときの方が、単位時間当たりの循環液Lの循環流量が減少し、温度効率が上がるため、第1加熱熱交換器41から流出する循環液Lの温度が高くなるものである。よって、除霜動作時に、加熱循環ポンプ32が所定の除霜回転速度で駆動すると、除霜動作が行われる前の暖房運転時と比較して、単位時間当たりの循環液Lの循環流量が減少し、温度効率が上がるため、第1加熱熱交換器41から流出する循環液Lの温度が高くなる、すなわち、第2加熱熱交換器51に流入する循環液Lの温度が高くなるので、第2加熱熱交換器51において循環液L側から第2冷媒C2側に吸熱される熱が多くなり、第2冷媒C2の温度もその分上昇し、第2圧縮機53から吐出されて空気熱源熱交換器55に供給される第2冷媒C2の温度も上がるため、空気熱源熱交換器55に発生した霜も溶けやすくなるものである。したがって、除霜動作時の加熱循環ポンプ32の回転速度を、除霜動作が行われる前の第2ヒートポンプ回路50を作動させての暖房運転時よりも、それよりも低く設定された所定の除霜回転速度で駆動させた時の方が、除霜動作時間を短縮することができ、除霜動作時間を長引かせることがないものである。
【0054】
また、除霜動作時は、第1ヒートポンプ回路40の第1圧縮機43を最大回転速度(例えば、90rps)で駆動させており、そうすることで、除霜動作が行われる前の第2ヒートポンプ回路50の暖房出力分をできるだけカバーするように第1ヒートポンプ回路40を作動させ、第1加熱熱交換器41から流出する循環液Lの温度をより高めることができるため、第2加熱熱交換器51に流入する循環液Lの温度が高くなり、第2加熱熱交換器51を流出する循環液Lの温度も高く保つことができ、放熱端末36へ供給される循環液Lの温度低下をできるだけ抑制し、できるだけ暖房感を損ねないように暖房運転を継続できるものである。さらに、第1加熱熱交換器41から流出する循環液Lの温度を高めることができるため、第2加熱熱交換器51に流入する循環液Lの温度が高くなるので、第2加熱熱交換器51において循環液L側から第2冷媒C2側に吸熱される熱が多くなり、第2冷媒C2の温度もその分上昇し、第2圧縮機53から吐出されて空気熱源熱交換器55に供給される第2冷媒C2の温度も上がるため、空気熱源熱交換器55に発生した霜も溶けやすくなり、除霜動作を行っている時間を短縮することができ、除霜動作時間を長引かせることがないものである。
なお、第1圧縮機43の前記最大回転速度は、厳格に適用する趣旨ではなく、許容回転速度や許容回転速度から安全率を見込んだもの等も含まれるものとする。
【0055】
そして、除霜動作を行っている時に、制御装置6が、第2冷媒温度センサ52bで検出する空気熱源熱交換器55を流通してきた第2冷媒C2の温度から所定の除霜終了条件が成立したと判断すると、第2圧縮機53の駆動を停止させ、除霜動作を終了させると同時に、一旦、第2ヒートポンプ回路50の作動を停止させる(時間t4)。この時、加熱循環ポンプ32の回転速度は、所定の除霜回転速度(2500rpm)から除霜動作が行われる前の暖房運転時における回転速度(3500rpm)に戻すものである(時間t4)。
【0056】
時間t4において、第2ヒートポンプ回路50の作動を停止させた時、第2膨張弁54の開度は全開であり、予め設定された第3の時間(時間t4〜時間t5)が経過するのを待つものであるが、これは、第2膨張弁54の開度を全開として所定の時間の経過を待つことで第2圧縮機53の吐出側(高圧側)と吸込側(低圧側)の差圧をなくし、第2圧縮機53等の機能部品を次の起動時に安全に起動させるために行っているものである。なお、本実施形態では、時間t4〜時間t5の間、第2ヒートポンプ回路50の作動を一旦停止させているが、除霜動作中は第2膨張弁54の開度は全開であり、第2圧縮機53の吐出側(高圧側)と吸込側(低圧側)の差圧はないため、除霜動作が終了したときに、予め設定された第3の時間(時間t4〜時間t5)を省略して、第2圧縮機53の駆動を停止させることなく第2ヒートポンプ回路50を作動させたまま、四方弁58を暖房運転時の状態に切り換えて次の動作へ移行することも可能である。
【0057】
前記制御装置6が、前記第3の時間が経過したと判断すると、四方弁58を暖房運転時の状態に切り換えると共に、第2圧縮機53、第2膨張弁54、送風ファン56の駆動を再開させ、第2ヒートポンプ回路50の作動を再開させ(時間t5〜)、第2ヒートポンプ回路50の作動を再開させてから、予め設定された一定時間(時間t5〜時間t7)として例えば5分が経過したと判断すると、第1圧縮機43、第1膨張弁44、地中熱循環ポンプ22の駆動を停止させ、第1ヒートポンプ回路40の作動を停止させ(時間t7)、第2ヒートポンプ回路50のみを作動させての暖房運転に戻るものである(時間t7〜)。
【0058】
なお、本実施形態では、制御装置6は、前記一定時間が経過したと判断した場合、第1ヒートポンプ回路40の作動を停止させるようにしたが、前記一定時間が経過した時点で端末温度センサ34で検出される循環液Lの温度が目標温水温度に到達している場合は、第1ヒートポンプ回路40の作動を停止させるようにしてもよく、さらに、前記一定時間が経過した時点で端末温度センサ34で検出される循環液Lの温度が目標温水温度に到達していたら、第1圧縮機43の回転速度を徐々に低下させるようにして、最終的に第1ヒートポンプ回路40の作動を停止させるようにしてもよく、また、前記一定時間が経過した時点で端末温度センサ34で検出される循環液Lの温度が目標温水温度に到達していない場合には、端末温度センサ34で検出される循環液Lの温度が目標温水温度に到達するまでは第1ヒートポンプ回路40および第2ヒートポンプ回路50の両方を作動させ、端末温度センサ34で検出される循環液Lの温度が目標温水温度に到達したら、第1ヒートポンプ回路40の作動を停止させる、あるいは、第1圧縮機43の回転速度を徐々に低下させるようにして、最終的に第1ヒートポンプ回路40の作動を停止させるようにしてもよいものである。なお、上記のように、循環液Lの温度が設定された目標温水温度に到達したら、第1圧縮機43の回転速度を徐々に低下させて、第1ヒートポンプ回路40の作動を停止させる制御を行うものは、除霜動作終了後において、バックアップとして作動させていた第1ヒートポンプ回路40の作動を徐々に制限していき、主動力源としての第2ヒートポンプ回路50のみを作動させての暖房運転の状態にスムーズに移行させることができるものである。
【0059】
前記第2ヒートポンプ回路50の除霜動作終了後の一定時間ここでは5〜10分間(t4〜t6)は、地中熱循環回路20の地中熱循環ポンプ22を最大回転数で駆動させた後、回転数を段階的に低下させて後、温度センサ42bが検出する減圧された第1冷媒が所定温度ここでは0.5℃になるように回転数を制御することにより、第2ヒートポンプ回路50の暖房動作が立上がるまで、第1ヒートポンプ回路40から加熱循環回路30へ供給される熱量を補充して、第2ヒートポンプ回路50の暖房動作の立上げが安定的でスムーズ行われるようにしたものである。
【0060】
以上説明したように、第2ヒートポンプ回路50のみを作動させての暖房運転を行っているときに空気熱源熱交換器55に発生した霜を溶かす除霜動作が実行される場合において、除霜動作を実行しているとき(時間t3〜時間t4)は、第1ヒートポンプ回路40を作動させると共に加熱循環ポンプ32を駆動させることにより、除霜動作前に第2ヒートポンプ回路50の作動により行われていた暖房運転を、第1ヒートポンプ回路40を作動させてバックアップし、第1ヒートポンプ回路40の作動で安定した暖房出力を確保して除霜動作中も暖房運転を継続することができると共に、空気熱源熱交換器55の除霜に利用される熱を、第2加熱熱交換器51を介して循環液L側から第2冷媒C2側に与えることができ、除霜動作が行われる時間を長引かせることがないものである。
【0061】
また、第1ヒートポンプ回路40の作動を開始させてから、所定時間(時間t1〜時間t3)が経過した後に、除霜動作制御装置63は除霜動作を開始するようにしたことで、バックアップとして作動する第1ヒートポンプ回路40が安定した暖房出力を出せるようになる時間が経過するまでは除霜動作の開始を待つので、安定した暖房出力を確保した状態で除霜動作を開始することができ、除霜動作中も暖房運転を継続することができるものである。
【0062】
また、除霜動作が終了すると、除霜動作前に暖房運転の主動力源として作動していた第2ヒートポンプ回路50の作動を再開させ、第2ヒートポンプ回路50の作動再開後、一定時間(時間t5〜時間t7)が経過するまでは、第1ヒートポンプ回路40の作動を継続するようにしたことで、主動力源としての第2ヒートポンプ回路50が安定した暖房出力を出せるようになる時間が経過するまでは、バックアップとして作動させている第1ヒートポンプ回路40の作動を継続させるので、除霜動作終了後においても安定した暖房出力を確保することができ、暖房運転を継続することができるものである。