特許第6208132号(P6208132)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208132
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】真空処理設備用の回転台式滑動部
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/50 20060101AFI20170925BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20170925BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20170925BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   C23C14/50 K
   C23C14/50 H
   C23C16/44 F
   C23C16/44 G
   H01L21/205
   H01L21/68 N
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-530109(P2014-530109)
(86)(22)【出願日】2012年8月29日
(65)【公表番号】特表2014-528030(P2014-528030A)
(43)【公表日】2014年10月23日
(86)【国際出願番号】EP2012003625
(87)【国際公開番号】WO2013041179
(87)【国際公開日】20130328
【審査請求日】2015年7月30日
(31)【優先権主張番号】102011113563.8
(32)【優先日】2011年9月19日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598051691
【氏名又は名称】エリコン・サーフェス・ソリューションズ・アクチェンゲゼルシャフト,トリュープバッハ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グエヘンベルゲル,ユルゲン
【審査官】 安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−068063(JP,A)
【文献】 特開平07−305165(JP,A)
【文献】 特開平03−253566(JP,A)
【文献】 米国特許第4776744(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
C23C 16/00−16/56
H01L 21/205
H01L 21/68−21/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバ(303)と、処理される加工品が装備される回転台(205)を備えた回転台式滑動部(201)とを備え、前記真空チャンバ(303)は、扉(305)と回転台駆動部(101)とを有する真空処理設備であって、
前記回転台駆動部(101)は、周辺駆動部であり、前記周辺駆動部は、前記真空チャンバ中、前記扉(305)に対向する前記真空チャンバ(303)の内壁に接する位置に設けられていることを特徴とし、
前記真空チャンバ中に、少なくとも1つの後方ストッパ(309)と少なくとも1つの前方ストッパ(311)とが設けられていて、前記回転台式滑動部(201)が完全に前記真空チャンバ(303)に押し入れられかつ前記扉(305)が閉じられた際に、前記扉(305)が前記前方ストッパ(311)を押し、その圧力により前記回転台駆動部(101)を、駆動準備状態になるように前記回転台(205)と操作可能に接続されるよう、前記ストッパらが機能することを特徴とし、
前記回転台駆動部(101)は歯付きリム(103)を有し、前記回転台(205)は外側歯付きリム(211)を有し、その結果、前記回転台式滑動部(201)が完全に前記真空チャンバ(303)に押し入れられかつ前記扉(305)が閉じられた際には、前記回転台駆動部の歯付きリム(103)が、前記回転台(205)の外側歯付きリム(211)中に係合することを特徴とする、真空処理設備。
【請求項2】
真空チャンバ(303)と、処理される加工品が装備される回転台(205)を備えた回転台式滑動部(201)とを備え、前記真空チャンバ(303)は、扉(305)と回転台駆動部(101)とを有する真空処理設備であって、
前記回転台駆動部(101)は、周辺駆動部であり、前記周辺駆動部は、前記真空チャンバ中、前記扉(305)に対向する前記真空チャンバ(303)の内壁に接する位置に設けられていることを特徴とし、
前記真空チャンバ中に、少なくとも1つの後方ストッパ(309)と少なくとも1つの前方ストッパ(311)とが設けられていて、前記回転台式滑動部(201)が完全に前記真空チャンバ(303)に押し入れられかつ前記扉(305)が閉じられた際に、前記扉(305)が前記前方ストッパ(311)を押し、その圧力により前記回転台駆動部(101)を、駆動準備状態になるように前記回転台(205)と操作可能に接続されるよう、前記ストッパらが機能することを特徴とし、
前記少なくとも1つの前方ストッパ(311)は可動で、旋回可能に構成されていて、前記回転台式滑動部(201)が入れられる際には経路から旋回して出ることができ、前記扉(305)が閉じた際には、前記少なくとも1つの前方ストッパ(311)が、扉(305)と回転台式滑動部(201)との間に置かれることができ、その結果、前記回転台式滑動部(201)が前記真空チャンバ中に(303)固定されていることを特徴とする、真空処理設備。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、加工品担体を備えた真空処理設備に関し、ここで、加工品担体が回転台として形成されていて、これにより、処理すべき加工品は、回転台がその軸の回りを回転することにより、処理プロセス時に、処理源の傍らに導かれる。この場合、加工品は、回転台上に取り付けられていることができ、これにより、回転台の回転時に、加工品は、1回または複数回(例えば、2回転または3回転)回転しうる。従来技術によれば、この回転台は通常、その中央軸を介して駆動される。
【0002】
真空処理設備中で加工品が処理される前に、加工品が加工品担体に装備されねばならない。処理後には、加工品が加工品担体から取り外されねばならない。これは、真空処理設備に直接接する位置で行われうる。加工品の装備および取り外しを容易にする目的で、加工品を装備しおよび処理された加工品を取り外すために、回転台を全体として真空チャンバから取り除くことができるように、回転台を真空チャンバ中に設置することが公知である。これは、例えばフォークリフトを介して行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
当業者には公知の別の方策によれば、回転台は車輪を備えた取り付けフレーム上に置かれ、その結果、真空処理設備に近寄る車両が真空処理設備中に押し入れられうる。以下では、この種の車輪を備えた回転台を回転台式滑動部と称する。その後、真空処理設備中で、回転台式滑動部の取り付けフレームは固定され、中央駆動部が、回転台の軸に連結される。この場合の欠点は、このために、複雑な連結機構が必要となる点であるが、この理由は、この駆動部が、一方では、回転台を真空処理設備中に押し入れるのに妨げになってはならず、他方では、この駆動部が、回転台を駆動するためにこの回転台の中央軸中に係合せねばならないからである。全機構が真空に適した様式で実施されねばならない点を考慮せねばならない。
【0004】
したがって、回転台を回転台駆動部と容易に連結させることができる装置が利用可能になることが望まれる。本発明はこの課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この課題は、回転台用に、中央駆動部を選択するのではなく、その周囲部ないし回転台周囲部を介した駆動部が選択されることにより解決される。本発明によれば、駆動部は、真空処理設備の開口部に対向する側に設けられていて、例えば、歯車を有し、この歯車が、回転台式滑動部が完全に真空処理設備中に押し入られた後に、回転台周囲部に設けられた歯付きリムと係合し、その結果、この歯車が、回転台の歯付きリムを介して駆動を行うことができる。
【0006】
以下に、本発明を実施例に基づいて図面を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】押し入れられた回転台式滑動部を備え、かつ扉が閉じている本発明による装置を示す平面図である。
図2】回転台式滑動部を積載した台車の平面図である。
図3図2に示した台車が、開いた真空チャンバに近寄るところを示す図である。
図4】真空チャンバ中に半分入り込んだ回転台式滑動部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のある好適な実施形態によれば、真空チャンバ中には、レールが設けられていて、この中で車輪が導かれて回転可能である。
【0009】
図2中では、回転台式滑動部201が台車203上にあるところが提示されている。回転台式滑動部201は、回転台205と取り付けフレーム207とを有する。この回転台205は、外側歯付きリム211を備えた回転円盤209を有し、この外側歯付きリムを介して、回転台205が駆動されうる。本実施形態による回転台205は、さらに、歯車機構213を有し、この歯車機構に、(不図示の)加工品担体が加工品を積載するために取り付けられている。取り付けフレーム207は、複数の車輪215を有し、これらの車輪は真空に適した材料で形成されている。好ましくは、これらの車輪は、セラミック材料から形成されていて、その結果、部分的に、被覆工程時に、材料被覆にさらされてさえも、長期間に渡って保守の必要がなくその任務を果たす。
【0010】
台車203には、2つのレール217が設けられていて、これらのレール中で、回転台式滑動部の車輪215が走行可能である。双方のレールは、それぞれ1つの蝶番219で中断されていて、その結果、これらのレールは、上方向に畳みうる。好ましくは、このように生じるフラップには、このフラップを操作するためのグリップ221が設けられている。レール217の他端には、車止め225が設けられている。さらに、台車には複数の車輪223が設けられていて、その結果、この台車203は容易に真空チャンバに近寄るよう押されることができる。この点を、図3に示す。よりわかりやすくするために、台車203と回転台式滑動部20とのいくつかの参照符号は省略されている。図3に示された真空チャンバ303は、扉305が開いた状態で示されている。台車20は、フラップが下方向に畳まれている場合、レールの端部を真空チャンバ中に設けられた対向する部品すなわち真空チャンバレール307につなぐように、真空チャンバ303に近寄るように押される。その結果、回転台式滑動部201は真空チャンバ303中に入ることができる。これに対応する「乗り入れ」は、図4に示されている。真空チャンバレールには、後方ストッパ309と前方ストッパ311とが設けられている。前方ストッパ311は、旋回可能に形成されていて、その結果、台車203が開いた真空チャンバ303に近寄るよう導かれる際、および、回転台式滑動部201が真空チャンバ303中に導かれる場合に、経路を遮断しない。回転台式滑動部201が完全に真空チャンバ303に押し入れられる際には、回転台式滑動部の外側の歯付きリム211が、扉305に対向する壁に設けられている回転台駆動部101の歯付きリム103と係合する。ストッパ309は、回転台駆動部101の歯付きリム103と回転台205の歯付きリム211とが、互いに対してあまりに係合しすぎることがないように機能する。ここで、真空チャンバ303を閉鎖するために、前方ストッパ311が旋回し扉305が閉鎖する。ここで、扉305が閉じると、その圧力が前方ストッパ311にかけられ、前方ストッパが、回転台式滑動部を押圧し、その結果、回転台駆動部101の歯付きリム103と回転台205の歯付きリム211とが、十分に深く係合する。本実施形態によれば、扉305と、前方ストッパ311と、回転台式滑動部201と、後方ストッパ309とが、回転台を駆動することができるように、回転台駆動部101の歯付きリム103と回転台205の歯付きリム211との最適な相互作用のために機能する。
【0011】
ここで、真空処理設備の真空チャンバ33を排気することができ、回転台駆動部101のスイッチが入れられることができ、真空処理工程が実施されうる。
【0012】
真空処理設備は、例えば被覆設備でありえる。これは、例えば、気相から、物理的および/または化学的に析出させるための設備(PVDおよび/またはCVD)でありえる。これは、しかし、(場合によっては追加的に)エッチング設備でもありえ、例えば、表面の清浄化および/または活性化のための設備でもありえる。本発明によれば、処理工程の前ないし後の積載ないし積み下ろしが、従来技術に対して、著しく容易になる。とりわけ有利であるのは、回転台と回転台駆動部とが、容易にかつ追加的な機構なしに互いに連結する実施形態である。
図1
図2
図3
図4