特許第6208145号(P6208145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三洋電機株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6208145-電池モジュール 図000003
  • 特許6208145-電池モジュール 図000004
  • 特許6208145-電池モジュール 図000005
  • 特許6208145-電池モジュール 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208145
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-549791(P2014-549791)
(86)(22)【出願日】2013年11月13日
(86)【国際出願番号】JP2013006668
(87)【国際公開番号】WO2014083789
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】特願2012-260180(P2012-260180)
(32)【優先日】2012年11月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 光俊
【審査官】 渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/136248(WO,A1)
【文献】 特開2009−238606(JP,A)
【文献】 特開2011−23302(JP,A)
【文献】 特開2012−181970(JP,A)
【文献】 特開2001−313013(JP,A)
【文献】 特開2013−20891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に積層される複数の電池を含む積層体と、
積層方向に前記積層体を加圧した状態で拘束する締結部材とを備え、
前記積層体は、
温度変化によって寸法が変化する温度変形部材と、
前記締結部材を介して、圧縮した状態で拘束される被圧縮部材とで構成され、
少なくとも30℃から−30℃の温度領域において、前記締結部材は、積層方向における単位温度当たりの縮み量ΔL/ΔTが、前記温度変形部材の単位温度当たりの縮み量ΔS/ΔTよりも大きいことを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の電池モジュールにおいて、
前記温度変形部材は、
前記積層体の積層方向の両端に配置されるエンドプレートと
前記複数の電池を構成する電池の間に配置され、隣接する前記電池を絶縁するセパレータとを含むことを特徴とする電池モジュール。
【請求項3】
請求項1記載の電池モジュールにおいて、
前記被圧縮部材は、前記複数の電池を含むことを特徴とする電池モジュール。
【請求項4】
請求項2記載の電池モジュールにおいて、
前記エンドプレートの材料が、Al合金、Mg合金、ステンレス鋼、鉄鋼からなる群より選ばれ、
前記セパレータの材料が、PP、PBTからなる群より選ばれることを特徴とする電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池が接続された電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数の電池が接続されてなる電池モジュールでは、複数の電池の積層方向の両端部にそれぞれ一対のエンドプレートが設けられ、一対のエンドプレートにバインドバーやロッドなどの締結部材を固定し、複数の電池を締め付ける構造が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−157450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電池モジュールでは、電池モジュールの動作開始時などの低温環境下において、電池およびエンドプレートを含む積層体の膨化力が低下することで締結部材による拘束力が低下し、ひいては耐振動性が低下するという課題があった。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温環境下において、締結部材による電池積層体に対する拘束力の低下を抑制することができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、電池モジュールである。当該電池モジュールは、一方向に積層される複数の電池を含む積層体と、積層方向に前記積層体を加圧した状態で拘束する締結部材とを備え、前記積層体は、温度変化によって寸法が変化する温度変形部材と、前記締結部材を介して、圧縮した状態で拘束される被圧縮部材とで構成され、少なくとも30℃から−30℃の温度領域において、前記締結部材は、積層方向における単位温度当たりの縮み量ΔL/ΔTが、前記温度変形部材の単位温度当たりの縮み量ΔS/ΔTよりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低温環境下において、締結部材による電池積層体に対する拘束力の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る電池モジュールの概略構造を示す斜視図である。
図2図2(A)、図2(B)、図2(C)は、それぞれ、実施の形態に係る電池モジュールの平面図、側面図、正面図である。
図3】電池の概略構造を示す断面図である。
図4】30℃から−30℃に温度を変化させたときのバインドバーによる拘束力の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0010】
図1は、実施の形態に係る電池モジュールの概略構造を示す斜視図である。図2(A)、図2(B)、図2(C)は、それぞれ、実施の形態に係る電池モジュールの平面図、側面図、正面図である。図1および図2(A)〜(C)に示すように、電池モジュール10は、複数の電池30、バスバー40、セパレータ70、エンドプレート80およびバインドバー(ロッド)90を有する。本実施形態では、計12個の電池30が直列に接続されて組電池が形成されている。なお、電池30の数は特に限定されない。また、本実施の形態では、12個の電池30全てが直列に接続されているが、一部が並列に接続されていてもよい。隣接する電池30の間に、PP(ポリプロピレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などの絶縁樹脂で形成されたセパレータ70が設けられている。セパレータ70により、隣接する電池30間の絶縁性が高められている。
【0011】
電池30は、それぞれ扁平な直方体状の筐体を有し、主表面が対向して略平行となるように積層されている。電池30の筐体上面には、長手方向の一端寄りに負極端子50が設けられ、他端寄りに正極端子60が設けられている。以下では適宜、負極端子50および正極端子60を併せて外部端子と称する。隣接する電池30の負極端子50および正極端子60は、互いに反対側になるように配列されている。隣接する2つの電池30の一方の正極端子60と他方の負極端子50とがバスバー40により電気的に接続されて、12個の電池30が直列接続されている。
【0012】
電池モジュール10は、ハウジング(図示せず)内に収容される。電池30の直列接続の一方の終端となる正極端子60’および他方の終端となる負極端子50’は、ハウジングの外部に引き回される配線を介して外部負荷(ともに図示せず)と接続可能になっている。
【0013】
図3は、電池の概略構造を示す断面図である。図2に示すように、電池30は、外装缶(筐体)31内に、正負極が渦巻状に巻回されてなる電極体32が外装缶31の缶軸方向に対し横向きに収納されている。外装缶31の開口は、筐体の一部を構成する封口板33により封口されている。封口板33には、負極端子50および正極端子60が設けられている。また、封口板33には、ガス排出弁(図示せず)が形成されている。
【0014】
負極端子50は、基部50aおよび鍔部50bを有する。基部50aは略円柱状であり、筐体の外部側に配置される一方の端部に円盤状の鍔部50bが接続されている。負極端子50の基部50aは、側面にガスケット34が当接した状態で、封口板33の負極用開口33aに嵌め込まれている。ガスケット34は、鍔部50bの封口板33と対向する表面にも当接している。また、基部50aは、封口板33の電池内側において負極タブ部材54と接続している。
【0015】
基部50aの電池内側に位置する先端には、負極用開口33aに沿って側壁が形成されるような凹部51が設けられている。凹部51の縁部分が広がるようにかしめることで、負極端子50が負極タブ部材54に対して固定されている。また、鍔部50bの上面には、上方に突出するねじ52が設けられている。
【0016】
負極タブ部材54と封口板33の電池内側面との間には、絶縁板35が設けられている。負極用開口33aにおいて、絶縁板35とガスケット34とが当接している。これにより、負極タブ部材54および負極端子50が封口板33から絶縁されている。負極タブ部材54は、電極体32の一方の端面から突出した負極集電板群32aに接続されている。なお、負極集電板群32aは、電極体32の一方の端面から突出した複数の負極集電板を束ねたものである。
【0017】
正極端子60は、基部60aおよび鍔部60bを有する。基部60aは略円柱状であり、筐体の外部側に配置される一方の端部に円盤状の鍔部60bが接続されている。正極端子60の基部60aは、側面にガスケット34が当接した状態で、封口板33の正極用開口33bに嵌め込まれている。ガスケット34は、鍔部60bの封口板33と対向する表面にも当接している。また、基部60aは、封口板33の電池内側において正極タブ部材64と接続している。
【0018】
基部60aの電池内側に位置する先端には、正極用開口33bに沿って側壁が形成されるような凹部61が設けられている。凹部61の縁部分が広がるようにかしめることで、正極端子60が正極タブ部材64に対して固定されている。また、鍔部60bの上面には、上方に突出するねじ62が設けられている。
【0019】
正極タブ部材64と封口板33の電池内側面との間には、絶縁板35が設けられている。正極用開口33bにおいて、絶縁板35とガスケット34とが当接している。これにより、正極タブ部材64および正極端子60が封口板33から絶縁されている。正極タブ部材64は、電極体32の他方の端面から突出した正極集電板群32bに接続されている。なお、正極集電板群32bは、電極体32の他方の端面から突出した複数の正極集電板を束ねたものである。
【0020】
バスバー40は、金属等の導電性材料からなる帯状部材である。バスバー40の一方の貫通穴に隣接する電池30のうち一方の電池30のねじ52(図1参照)を通して、ナット(図示せず)で締結することにより、バスバー40と負極端子50とが物理的および電気的に接続される。また、バスバー40の他方の貫通穴に隣接する電池30のうち他方の電池30にねじ62(図1参照)を通して、ナット(図示せず)で締結することにより、バスバー40と正極端子60とが物理的および電気的に接続される。
【0021】
一対のエンドプレート80a、80bは、複数の電池30の積層方向の両端にそれぞれ配置されている。
【0022】
本実施の形態の締結部材としてのバインドバー90a〜dは、それぞれエンドプレート80a、80bの対応する四隅を締め付けるように設けられている。
【0023】
本実施の形態では、バインドバー90の一方の端部は、ねじ92aによりエンドプレート80aの外表面の角部に固定され、バインドバー90の他方の端部は、ねじ92bによりエンドプレート80bの外表面の角部に固定されている。
【0024】
本実施の形態の電池モジュール10は、30℃から−30℃に温度が変化したとき、バインドバー90の長手方向の単位長さ当たりの縮み量ΔLが、電池30を含む積層体の積層方向の単位長さ当たりの縮み量ΔSに比べて大きいことを特徴とする。ここで、電池30を含む積層体には、複数の電池30、隣接する電池30に設けられたセパレータ70、一対のエンドプレート80a、80bを含む。
【0025】
なお、電池30は絶縁フィルムで被覆されていてもよい。この場合には、絶縁フィルムも積層体に含まれ、絶縁フィルムの厚さが積層体の厚さの一部となる。
【0026】
エンドプレート80やバインドバー90の材料は、30℃から−30℃に温度が変化したときの縮み量ΔL>縮み量ΔSという関係を満たせば特に限定されないが、エンドプレート80としては、たとえば、鉄鋼、アルミニウムなどが挙げられる。また、バインドバー90としては、鉄鋼、ステンレス鋼などが挙げられる。なお、縮み量ΔL>縮み量ΔSという関係を満たせば、エンドプレート80の材料とバインドバー90の材料とが同じであってもよい。特に、ステンレス鋼系の素材は、SUS410やSUS304など、比較的、熱膨張係数に幅があるので、ステンレス鋼系の素材のうち、どの素材を各部位の部材として採用するかによって、縮み量を選択することができる。なお、各部材の代表的な熱膨張係数の範囲は、鉄鋼系の材料が11.2〜11.6×10−6、ステンレス鋼系の材料が9.9〜17.3×10−6、アルミニウム23.2×10−6となり、単位はいずれも、1/Kである。代表的な各部材の熱膨張率について、表1に示す。
【表1】
【0027】
以上説明した電池モジュール10によれば、低温時における積層体の膨化力の低下が締結部材(バインドバー90)の熱収縮によって補われるため、締結部材による積層体に対する拘束力が常温時と比べて同程度に保たれる。この結果、動作開始時などの低温環境下での耐振動性を向上させることができる。
【0028】
逆に、常温時には、締結部材が熱膨張することにより、積層体が過度に結束されることが抑制され、積層体に対する拘束力を適度に保つことができる。
【0029】
(電池モジュールの寸法変化評価)
電池モジュールを構成する複数の電池は、充電率(SOC)や劣化度(SOH)の状態によって、寸法が変化することに加え、電池モジュールを組み立てる際、エンドプレートで押圧して一定寸法に圧縮した状態で、バインドバーにより拘束されている。つまり、電池モジュールを構成する部材のうち、複数の電池30は、温度変化だけで寸法が決まらない。具体的には、電池の外装缶は、アルミニウムで形成されることが多いが、外装缶内には電極体が封入されており、電池をエンドプレートで押圧して一定寸法に圧縮した状態では、電極体等が弾性変形した状態となる。加えて、電極体には、電池30の充電率が高くなるにつれて膨張する性質や、電池性能の劣化に伴って膨張する性質がある。そのため、温度が低下した場合であっても、弾性変形の復元力や電極体の膨張によって、外装缶には常に膨張する方向に力が働くことになる。そのため、上記実施形態における電池モジュール10を構成する電池30は、単純に温度変化に依存して寸法が縮むわけではない。つまり、電池30は、エンドプレートやバインドバーほど、温度変化の影響を受けないため、実質的に電池の寸法変化はほとんどないと考えられる。従って、電池モジュールを構成する部材は、被圧縮部材と、温度変形部材と、締結部材の三つに分けることができる。具体的には、被圧縮部材は、上述の実施形態における複数の電池30が対応し、温度変形部材は、エンドプレート80とセパレータ70が対応し、締結部材は、バインドバー90が対応する。本発明の発明者らは、電池モジュールを構成する部材を、前述の被圧縮部材、温度変形部材、締結部材の三つに分類し、上記予測に基づく実験を行い、温度変形部材と締結部材の材料を適宜選択することで、低温時の拘束力の低下を低減できることを突き止めた。以下にその実験についての説明を行う。
【0030】
なお、温度を正確に計測しながら、電池モジュールの寸法を計測することは非常に困難であるため、実際には、上記実施形態の電池モジュールの構成を模擬的に再現した実験で、電池モジュールの拘束力と温度の関係を測定する実験を行っている。
【0031】
<試験条件>
電池モジュールを恒温槽に入れた後、充分に時間が経過してから電池モジュールの拘束力の値を評価する。なお、室温は、約30℃であり、30℃から−30℃まで温度を変化させた際の拘束力の変化をプロットする。
【0032】
実験で使用する実験例1及び実験例2の電池モジュールは、セル数を最小単位である1とし、セルの両端にエンドプレートに対応する部材を配置した構造としている。両端に配置されているエンドプレートは、ロッドを介して締結され、エンドプレートを介してセルを押圧する構成となっている。なお、計測上の都合上、エンドプレートに相当する部材は、いくつかの部材に分かれている(温度変形部材1〜4)。この実験例1及び実験例2の電池モジュールは、セルと計測器が被圧縮部材、ロッドが締結部材、その他の部材が温度変形部材に相当する。
【0033】
実験で使用した30℃における各部材の材料、寸法等の試験条件は、以下のとおりである。
<実験例1>
温度変形部材1の材料:S45C(炭素鋼)
温度変形部材1の厚さ:15mm
温度変形部材2の材料:S45C(炭素鋼)
温度変形部材2の厚さ:18mm
温度変形部材3の材料:Al合金
温度変形部材3の厚さ:15mm
温度変形部材4の材料:SK105(炭素鋼)
温度変形部材4の厚さ:15mm
締結部材の材料:SUS304
締結部材の厚さ:136.5mm
<実験例2>
温度変形部材1の材料:Al合金
温度変形部材1の厚さ:15mm
温度変形部材2の材料:S45C(炭素鋼)
温度変形部材2の厚さ:18mm
温度変形部材3の材料:Al合金
温度変形部材3の厚さ:15mm
温度変形部材4の材料:SK105(炭素鋼)
温度変形部材4の厚さ:15mm
締結部材の材料:S45C(炭素鋼)
締結部材の厚さ:136.5mm
【0034】
なお、実験例2の電池モジュールは締結部材の材料をS45C、温度変形部材1の材料をAl合金としたことを除いて実験例1の電池モジュールと同様な構造となっている。この比較を行うことで、上述の縮み量ΔL>縮み量ΔSとなるように、エンドプレートの材料と、バインドバーの材料を変更した場合の変化を、実質的に評価することができる。
【0035】
材料と部材の寸法、温度変化量(本実験では60℃)、及び表1に示した熱膨張係数がわかれば、電池モジュールの各部材の縮み量が計算できる。
具体的には、縮み量△Lは下記式(1)で表される。
△L=α・L・△T・・・(1)
L:部材の長さ(mm)
△L:温度変化量60℃(=60K)のときの部材の縮み量(mm)
△T:温度変化量(K)
α:熱膨張係数(1/K)
従って、単位温度あたりの縮み量△L/△T(mm/K)は下記式(2)で表される。
△L/△T=α・L・・・(2)
【0036】
なお、本実施形態において検証した部材は、熱膨張係数の温度依存性はほとんどないので、一定値として表1の値を使用することができるが、温度依存性を考慮する必要がある部材を採用する場合については、想定される環境温度となる50℃〜−50℃の温度領域、より好ましくは、30℃〜−30℃の温度領域において、縮み量ΔL>縮み量ΔSの関係が成り立つような部材が選定される。
【0037】
また、試験条件が決まっているので、実験例1と実験例2のそれぞれについて、バインドバーに相当する部材の縮み量△Lと、積層体に相当する部材の縮み量を計算することができる。以下に計算によって求めた各部材の縮み量の値を記載する。
<実験例1>
温度変形部材(1〜4)の縮み量:0.048mm
締結部材の縮み量:0.142mm
<実験例2>
温度変形部材(1〜4)の縮み量:0.059mm
締結部材の縮み量:0.092mm
【0038】
実験例1および実験例2の電池モジュールをそれぞれ30℃から−30℃に温度変化させた。図4に示すように、−30℃になった際、実験例2に対して実験例1の拘束力は、三倍近い値となっていることがわかる。従って、実験例1の構成の電池モジュールは、低温下においても充分な拘束力を保つことができる。
【0039】
図4は、30℃から−30℃に温度を変化させたときのバインドバーによる拘束力の変化を示すグラフである。図4に示すように、実験例2の電池モジュールでは、温度が低下するに従って結束力が大幅に減少し、−30℃では拘束力が0Nに近づいた。これに対して、実験例1の電池モジュールでは、温度が低下しても拘束力が維持され、−30℃での拘束力が30℃の場合の70%に保たれることが確認された。
【0040】
なお、上記実施形態における縮み量とは、バインドバーやエンドプレート等の実際の寸法変化ではなく、線膨張係数と部材の寸法から見積もられる理論値を表すものとする。実際の電池モジュールでは、温度変化のほか、弾性変形等さまざまな要因によって、寸法が変化するため、実際の寸法変化と上記縮み量とは必ずしも一致するとは限らないためである。
【符号の説明】
【0041】
10 電池モジュール、30 電池、40 バスバー、70 セパレータ、80 エンドプレート、90 バインドバー。
図1
図2
図3
図4