特許第6208191号(P6208191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6208191リソース割り当てのための方法、装置、及びプログラムを具体化するコンピュータ可読媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208191
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】リソース割り当てのための方法、装置、及びプログラムを具体化するコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20170925BHJP
【FI】
   H04W72/04 131
   H04W72/04 133
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-198345(P2015-198345)
(22)【出願日】2015年10月6日
(62)【分割の表示】特願2014-109219(P2014-109219)の分割
【原出願日】2009年5月8日
(65)【公開番号】特開2016-26452(P2016-26452A)
(43)【公開日】2016年2月12日
【審査請求日】2015年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】フレデリクセン フランク
(72)【発明者】
【氏名】ティイロラ エサ タパニ
(72)【発明者】
【氏名】ラーフ ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】パユコスキ カリ ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】ホーリ カリ ユハニ
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0117867(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/137786(WO,A1)
【文献】 特表2010−526499(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/082754(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/013260(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/081004(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置において、
物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造を利用するステップと、
各リソースクラスタに所定のインデックスを付けるステップと、
アップリンク送信のためにユーザ装置に割り当てられる、前記ツリー構造中の1又はそれ以上のリソースクラスタを適用するステップと、
前記割り当てられた1又はそれ以上のリソースクラスタと重複するリソースクラスタを前記ツリー構造から削除するステップと、
前記ユーザ装置にさらなるリソースクラスタを割り当てる前に、利用可能な各リソースクラスタに所定のインデックスを付け直すステップと、
を含み、
各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのリソースクラスタに関連し、開始位置の数は各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なり、
少なくとも1つの累乗関数に適合するサイズのリソースクラスタのみが後続のリソースクラスタ割り当てのために構成されるよう、前記ツリー構造が配列され、
前記ツリー構造中の複数のリソースクラスタがアップリンク送信のために前記ユーザ装置に割り当てられた場合、該ツリー構造中の該割り当てられた複数のリソースクラスタは該ユーザ装置に対して同時に指示される
ことを特徴とする、通信のための方法。
【請求項2】
物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造を利用し、
各リソースクラスタに所定のインデックスを付け、
アップリンク送信のためにユーザ装置に割り当てられる、前記ツリー構造中の1又はそれ以上のリソースクラスタを適用し、
前記割り当てられた1又はそれ以上のリソースクラスタと重複するリソースクラスタを前記ツリー構造から削除し、
前記ユーザ装置にさらなるリソースクラスタを割り当てる前に、利用可能な各リソースクラスタに所定のインデックスを付け直す、
よう構成されたコントローラを備え、
各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのリソースクラスタに関連し、開始位置の数は各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なり、
少なくとも1つの累乗関数に適合するサイズのリソースクラスタのみが後続のリソースクラスタ割り当てのために構成されるよう、前記ツリー構造が配列され、
前記ツリー構造中の複数のリソースクラスタがアップリンク送信のために前記ユーザ装置に割り当てられた場合、該ツリー構造中の該割り当てられた複数のリソースクラスタは該ユーザ装置に対して同時に指示される
ことを特徴とする装置。
【請求項3】
前記ブランチ上のリソースクラスタのサイズが少なくとも1つの所与の整数の累乗に基づくことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項4】
アップリンクリソース割り当てを受け取るように構成された受信機と、
前記割り当てられたリソースを使用して送信を行うように構成された送信機と、
を備えた装置であって
割り当てられたリソースは、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造を用いて決定される1又はそれ以上のリソースクラスタを含み、
各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのリソースクラスタに関連し、開始位置の数は各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なり、
各リソースクラスタには所定のインデックスが付けられ、
前記割り当てられた1又はそれ以上のリソースクラスタと重複するリソースクラスタは前記ツリー構造から削除され、
前記装置にさらなるリソースクラスタを割り当てる前に、利用可能な各リソースクラスタに所定のインデックスが付け直され、
少なくとも1つの累乗関数に適合するサイズのリソースクラスタのみが後続のリソースクラスタ割り当てのために構成されるよう、前記ツリー構造が配列され、
前記ツリー構造中の複数のリソースクラスタがアップリンク送信のために前記装置に割り当てられた場合、該ツリー構造中の該割り当てられた複数のリソースクラスタは該装置に対して同時に指示される
ことを特徴とする、装置。
【請求項5】
前記ブランチ上のリソースクラスタのサイズが少なくとも1つの所与の整数の累乗に基づくことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項6】
装置に対する物理リソースブロックのリソース割り当てのための動作を実行するようにプロセッサにより実行可能な命令のプログラムを記録したコンピュータ可読メモリであって、前記動作が、
アップリンクリソース割り当てを受け取るステップと、
前記割り当てられたリソースを使用して送信を行うステップと、
を含み、
割り当てられたリソースは、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造を用いて決定される1又はそれ以上のリソースクラスタを含み、
各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのリソースクラスタに関連し、開始位置の数は各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なり、
各リソースクラスタには所定のインデックスが付けられ、
前記割り当てられた1又はそれ以上のリソースクラスタと重複するリソースクラスタは前記ツリー構造から削除され、
前記装置にさらなるリソースクラスタを割り当てる前に、利用可能な各リソースクラスタに所定のインデックスが付け直され、
少なくとも1つの累乗関数に適合するサイズのリソースクラスタのみが後続のリソースクラスタ割り当てのために構成されるよう、前記ツリー構造が配列され、
前記ツリー構造中の複数のリソースクラスタがアップリンク送信のために前記装置に割り当てられた場合、該ツリー構造中の該割り当てられた複数のリソースクラスタは該装置に対して同時に指示される
ことを特徴とするコンピュータ可読メモリ。
【請求項7】
前記ブランチ上のリソースクラスタのサイズが少なくとも1つの所与の整数の累乗に基づくことを特徴とする請求項に記載のコンピュータ可読メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的かつ非限定的な実施形態は、一般に無線通信ネットワークに関し、より詳細には、リソース割り当てに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の背景技術についての記述は、本発明に先行する関連技術には知られておらず本発明により提供される開示とともに、見識、発見、理解又は開示、或いは関連性を含むことができる。以下、本発明のいくつかのこのような寄与を具体的に指摘することができるが、これらの文脈から本発明のその他のこのような寄与が明らかになるであろう。
【0003】
将来の通信システムを設計する上で重要な要素は、より高いデータレートをコスト効率良くサポートすること、及び効率的なリソース利用である。高データレートをサポートする1つの通信システムに、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のロングタームエボリューション(LTE)リリース8がある。ロングタームエボリューション無線アクセスシステムの改良版は、LTE−Advanced(LTE−A)と呼ばれる。LTEは、高速データ、マルチメディアユニキャスト、及びマルチメディアブロードキャストサービスをサポートするように設計されている。
【0004】
通常、データレートが高いと、制御シグナリング及びリソース割り当てのための要件も高く設定される。LTEリリース8では、PUSCH(物理アップリンク共有チャネル)でのアップリンク送信のための周波数において、連続するリソースの組を割り当てることができる。しかしながら、リソース割り当てにおいてさらなる柔軟性が必要であると予想することができる。柔軟なリソース割り当て方法により、利用可能なスペクトルをより良く利用するためのネットワーク手段がもたらされ、個々のユーザ装置に対する柔軟な割り当てが可能になる。
【0005】
リソース割り当ての設計では、柔軟性に加えてシグナリング負荷も考慮しなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本発明のいくつかの態様の基本的な理解をもたらすために、本発明の簡略化した要約を示す。この要約は、本発明の広範な概要ではない。本発明の主要/重要な要素を特定すること、又は本発明の範囲を示すことを目的とするものでもない。後述する詳細な説明の前置きとして本発明のいくつかの概念を簡略化した形で示すことのみを目的とする。
【0007】
本発明の態様によれば、方法が提供され、この方法は、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造を利用するステップと、各リソースクラスタに所定のインデックスを付けるステップと、1又はそれ以上のクラスタをユーザ装置のアップリンク接続に割り当てるステップとを含み、各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の適法な開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのクラスタに関連し、開始位置の数が、各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なる。
【0008】
実施形態では、ブランチ上のクラスタのサイズが、少なくとも1つの所与の整数の累乗に基づく。
【0009】
本発明の態様によれば、コントローラを備える装置が提供され、このコントローラは、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造を利用し、各リソースクラスタに所定のインデックスを付け、1又はそれ以上のクラスタをユーザ装置のアップリンク接続に割り当てるように構成され、各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の適法な開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのクラスタに関連し、開始位置の数が、各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なる。
【0010】
実施形態では、コントローラが、ブランチ上のクラスタのサイズが少なくとも1つの所与の整数の累乗に基づくツリー構造を利用するようにさらに構成される。
【0011】
実施形態では、装置が、割り当てたリソースをユーザ装置へシグナリングするように構成された送信機を備える。
【0012】
本発明の態様によれば、装置が提供され、この装置は、アップリンクリソース割り当てを受け取るように構成された受信機と、割り当てられたリソースを使用して送信を行うように構成された送信機と、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて、複数のブランチを有するツリー構造に基づくリソース割り当てを利用するように送信機を制御するように構成されたコントローラとを備え、各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の適法な開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのクラスタに関連し、開始位置の数が、各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なり、各リソースクラスタに所定のインデックスが付けられ、リソース割り当てが、1又はそれ以上のクラスタのインデックスを含む。
【0013】
本発明の態様によれば、装置が提供され、この装置は、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造を利用するための手段と、各リソースクラスタに所定のインデックスを付けるための手段と、1又はそれ以上のクラスタをユーザ装置のアップリンク接続に割り当てるための手段とを備え、各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の適法な開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのクラスタに関連し、開始位置の数が、各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なる。
【0014】
本発明の態様によれば、装置が提供され、この装置は、アップリンクリソース割り当てを受け取るように構成された受信機と、割り当てられたリソースを使用して送信を行うように構成された送信機と、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて、複数のブランチを有するツリー構造に基づくリソース割り当てを利用するように送信機を制御するように構成されたコントローラとを備え、各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の適法な開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのクラスタに関連し、開始位置の数が、各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なり、各リソースクラスタに所定のインデックスが付けられ、リソース割り当てが、1又はそれ以上のクラスタのインデックスを含む。
【0015】
本発明の別の態様によれば、装置が提供され、この装置は、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造を利用するための手段と、各リソースクラスタに所定のインデックスを付けるための手段と、1又はそれ以上のクラスタをユーザ装置のアップリンク接続に割り当てるための手段とを備え、各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の適法な開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのクラスタに関連し、開始位置の数が、各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なる。
【0016】
本発明の別の態様によれば、物理リソースブロックのリソース割り当てのための動作を実行するようにプロセッサにより実行可能な命令のプログラムを具体化するコンピュータ可読メモリが提供され、この動作は、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造を利用するステップと、各リソースクラスタに所定のインデックスを付けるステップと、1又はそれ以上のクラスタをユーザ装置のアップリンク接続に割り当てるステップとを含み、各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の適法な開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのクラスタに関連し、開始位置の数が、各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なる。
【0017】
本発明のさらに別の態様によれば、物理リソースブロックのリソース割り当てのための動作を実行するようにプロセッサにより実行可能な命令のプログラムを具体化するコンピュータ可読メモリが提供され、この動作は、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造を利用するステップと、各リソースクラスタに所定のインデックスを付けるステップと、1又はそれ以上のクラスタをユーザ装置のアップリンク接続に割り当てるステップとを含み、各ブランチが、リソース割り当てのための1又はそれ以上の適法な開始位置を含み、各開始位置が、物理リソースブロックのクラスタに関連し、開始位置の数が、各ブランチにおいて異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズが異なる。
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態をほんの一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】例示的なシステムアーキテクチャを示す簡略ブロック図である。
図1B】本発明の実施形態による装置の例を示す図である。
図2A】例示的なリソース割り当てのツリー構造を示す図である。
図2B】例示的なリソース割り当てのツリー構造を示す図である。
図2C】例示的なリソース割り当てのツリー構造を示す図である。
図2D】例示的なリソース割り当てのツリー構造を示す図である。
図2E】例示的なリソース割り当てのツリー構造を示す図である。
図3A】サウンディング基準信号のツリー構造の2つの例を示す図である。
図3B】サウンディング基準信号のツリー構造の2つの例を示す図である。
図4A】実施形態を示すフロー図である。
図4B】実施形態を示すフロー図である。
図4C】実施形態を示すフロー図である。
図5】実施形態をユーザ装置の視点から示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の全てではなくいくつかを示す添付図面を参照しながら本発明の例示的な実施形態についてより完全に説明する。実際には、本発明は多くの異なる形で具体化することができ、本明細書に示す実施形態に限定されると解釈すべきではなく、むしろこれらの実施形態は、本開示が、適用可能な法的要件を満たすように提供するものである。本明細書では、いくつかの箇所で「ある(an)」、「1つの(one)」、又は「いくつかの(some)」実施形態について言及するが、これは必ずしも、個々のこのような言及が同じ実施形態に対するものであること、或いはその特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するものではない。異なる実施形態の単一の特徴を組み合わせて他の実施形態を実現することもできる。
【0021】
本発明の実施形態は、あらゆるユーザ端末、サーバ、対応する構成要素に、及び/又はあらゆる通信システムに、或いはユーザにリソースブロックを割り当てる異なる通信システムのあらゆる組み合わせに適用可能である。通信システムは無線通信システムであってもよく、又は固定ネットワークと無線ネットワークの両方を利用する通信システムであってもよい。特に無線通信では、使用するプロトコル、並びに通信システム、サーバ及びユーザ端末の仕様が急速に発展を遂げている。このような発展により、実施形態へのさらなる変更が必要となり得る。従って、全ての単語及び表現は広く解釈すべきであり、実施形態を限定することではなく例示することを意図している。
【0022】
以下では、様々な実施形態について、これらの実施形態を適用できるシステムアーキテクチャの例として、LTE/SAE(ロングタームエボリューション/システムアーキテクチャエボリューション)ネットワーク要素に基づくアーキテクチャを使用して説明するが、実施形態をこのようなアーキテクチャに限定するものではない。
【0023】
図1Aを参照しながら、本発明の実施形態を適用できる無線システムの例について検討する。この例では、無線システムが、LTE/SAE(ロングタームエボリューション/システムアーキテクチャエボリューション)ネットワーク要素に基づく。しかしながら、これらの例で説明する発明は、LTE/SAE無線システムに限定されるものではなく、他の無線システムで実施することもできる。
【0024】
通信システムの一般的なアーキテクチャを図1Aに示す。図1Aは、いくつかの要素及び機能エンティティのみを示す簡略化したシステムアーキテクチャであるが、これらは全て論理ユニットであり、その実施構成は図示のものとは異なる場合がある。図1Aに示す接続は論理接続であり、実際の物理接続は異なる場合がある。当業者には、システムが他の機能及び構造を含むこともできることが明らかである。なお、グループ通信において又はグループ通信のために使用される機能、構造、要素及びプロトコルは、実際の発明とは無関係である。従って、ここでこれらについてより詳細に説明する必要はない。
【0025】
図1Aの例示的な無線システムは、MME(モビリティ管理エンティティ)108A及びSAE GW(SAEゲートウェイ)104Aといった要素を含む通信事業者のサービスコアを有する。
【0026】
無線システムのeNB(拡張NodeB)と呼ばれることもある基地局100A、102Aは、無線ベアラ制御、無線アドミッション制御、接続モビリティ制御、動的リソース割り当て(スケジューリング)といった無線リソース管理のための機能をホストする。MME108Aは、eNB100A、102Aにページングメッセージを配布することに関与する。
【0027】
図1Aには、eNodeB 100Aと通信(112A、118A)するユーザ装置110A及び114Aを示している。ユーザ装置とは、ポータブルコンピュータ装置のことである。このようなコンピュータ装置は、加入者識別モジュール(SIM)の有無に関わらず動作する無線移動体通信装置を含み、以下に限定されるわけではないが、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ハンドセット、ラップトップコンピュータといった種類の装置を含む。
【0028】
接続112A、118Aは、通話/サービスに関連することができ、これらは、ユーザトラフィックがSAE GW104Aを通過する「長距離」であってもよい。例えば、ユーザ装置110A及び114Aから、SAE GW108を介してインターネット106Aなどの外部IPネットワークへの接続を誘導することができる。しかしながら、例示的な無線システムでは、ローカル通話/サービスも可能である。
【0029】
図1Aは、簡略化した例を示すものにすぎない。実際には、ネットワークは、より多くの基地局及び無線ネットワークコントローラを含むことができ、これらの基地局によってより多くのセルを形成することができる。2又はそれ以上の通信事業者のネットワークが重複することもあり、セルのサイズ及び形状が、図1などに示すものと異なる場合もある。
【0030】
LTEの物理層は、直交周波数分割多元接続(OFDMA)及び多入力多出力(MIMO)データ送信を含む。例えば、LTEは、ダウンリンク送信にはOFDMAを、アップリンク送信にはシングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)を展開する。OFDMAでは、送信周波数帯が、互いに直交する複数のサブキャリアに分割される。個々のサブキャリアは、特定のUE110A、114Aへデータを送信することができる。従って、サブキャリアの一部をいずれかの個々のUE110A、114Aに割り当てることにより多元接続が実現される。SC−FDMAは、シングルキャリア変調、直交周波数領域多重及び周波数領域等化を利用する。
【0031】
なお、通信システムは、図1Aに示すSAE GW104A及びMME108A以外に、他のコアネットワーク要素を含むこともできる。リレーノードの概念を実現することにより、異なるeNodeB間の無線インターフェイスを介した直接通信も可能であり、この場合、リレーノードとは、無線バックホールを有する特別なeNodeB、或いは、例えば別のeNodeBにより無線インターフェイスを介してリレーされるX2及びS1インターフェイスとみなすことができる。通信システムは、公衆交換電話網などの他のネットワークと通信することもできる。
【0032】
しかしながら、これらの実施形態は、一例としての上述のネットワークに限定されるものではなく、当業者であれば、必要な特性を有する他の通信ネットワークにこの解決策を適用することができる。例えば、異なるネットワーク要素間の接続をインターネットプロトコル(IP)接続で実現することができる。
【0033】
図1Bに、本発明の実施形態による装置の例を示す。図1Bには、通信チャネル112A上で基地局100Aと接続されるように構成されたユーザ装置110Aを示している。ユーザ装置110Aは、メモリ122B及びトランシーバ124Bに動作可能に接続されたコントローラ120Bを含む。コントローラ120Bは、ユーザ装置の動作を制御する。メモリ122Bは、ソフトウェア及びデータを記憶するように構成される。トランシーバは、基地局100Aへの無線接続を確立してこれを維持するように構成される。トランシーバは、アンテナ配列128Bに接続されたアンテナポートの組126Bに動作可能に接続される。アンテナ配列は、アンテナの組を含むことができる。アンテナの数は、例えば2〜4とすることができる。アンテナの数は、いずれかの特定の数に限定されるものではない。
【0034】
基地局又はeNodeB 100Aは、メモリ132B及びトランシーバ134Bに動作可能に接続されたコントローラ130Bを含む。コントローラ130Bは、基地局の動作を制御する。メモリ132Bは、ソフトウェア及びデータを記憶するように構成される。トランシーバ134Bは、基地局のサービスエリア内にあるユーザ装置への無線接続を確立してこれを維持するように構成される。トランシーバ134Bは、アンテナ配列136Bに動作可能に接続される。アンテナ配列は、アンテナの組を含むことができる。アンテナの数は、例えば2〜4とすることができる。アンテナの数は、いずれかの特定の数に限定されるものではない。
【0035】
基地局は、通信システムの別のネットワーク要素138Bに動作可能に接続することができる。ネットワーク要素138Bは、例えば、無線ネットワークコントローラ、別の基地局、ゲートウェイ、又はサーバとすることができる。基地局は、複数のネットワーク要素に接続することができる。基地局100Aは、ネットワーク要素との接続を確立してこれを維持するように構成されたインターフェイス140Bを含むことができる。ネットワーク要素138Bは、コントローラ142Bと、ソフトウェア及びデータを記憶するように構成されたメモリ144Bと、基地局と接続するように構成されたインターフェイス146Bとを含むことができる。実施形態では、このネットワーク要素が、別のネットワーク要素を介して基地局に接続される。
【0036】
LTE−Aは、アップリンク方向では、ユーザデータを送信するための物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を提供する。PUSCHのリソースは、ネットワークによって割り当てられ、制御チャネル上でユーザ装置へシグナリングされる。PUSCHのリソースは、物理リソースブロック(PRB)として割り当てられる。例えば、LTE−Aシステムのシステム帯域幅が20MHZの場合、PUCSCHフレームは、100個の物理リソースブロックを含む。実施形態では、リソース割り当てのシグナリングに使用される制御チャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)である。実施形態では、個々のeNodeB 100A、102A内のスケジューラによってリソースが割り当てられる。このスケジューラは、コントローラ130Bにより実行されるソフトウェア構成要素として、又は別個のコントローラ146Bとして実現することができる。eNodeB 100Aは、割り当てに関する情報をユーザ装置110A、114Aへ送信するように構成される。
【0037】
LTEでは、ユーザ装置のアップリンク送信に1つの連続するPRBの組又はクラスタが割り当てられる場合、リソース割り当てのシグナリングサイズは、10MHz帯域幅では11ビット、20MHz帯域幅では13ビットである。PRBのクラスタは、周波数内の所定の開始位置及びサイズを有する連続するリソース割り当てとして定義することができる。この開始位置及びサイズは、1つの物理リソースブロックに等しい最小のリソース割り当て粒度に関連して定義される。このリソース割り当ては、リソース割り当てのクラスタが開始するPRB及び(PRBの数の観点から)クラスタの長さを指示することにより、ユーザ装置へシグナリングされる。
【0038】
本発明の実施形態では、ユーザ装置に複数のクラスタが割り当てられる。従って、リソースは、複数の連続するPRBの組を含むことができる。この解決策は、単一クラスタ方法よりも柔軟なリソースの使用を実現する。
【0039】
実施形態では、ユーザ装置に割り当てるべきクラスタを定義する上でツリー構造を利用する。このツリー構造は複数のブランチを含み、各ブランチは、リソース割り当てのための1又はそれ以上の適法な開始位置を含む。個々の開始位置が、物理リソースブロックのクラスタを定義する。各ブランチ上で開始位置の数が異なり、各ブランチのリソースクラスタのサイズも同様に異なる。
【0040】
各リソースクラスタには、所定のインデックスを付けることができる。クラスタをユーザ装置へシグナリングする場合には、このインデックスをシグナリングすれば十分である。
【0041】
図2Aに、考えられるツリー構造の例を示す。横軸は周波数である。図2Aには、ツリー構造の5つのブランチ200、202、204、206、208、及び210を部分的に示している。これらのブランチは右方に継続する。さらに多くのブランチが存在することもできるが、説明を簡潔にするために図示していない。
【0042】
実施形態では、利用可能なツリーを、全てのリソースブロックのうちの所定数の物理リソースブロックに制限することができる。従って、利用可能なツリーの幅及び位置は、設定に影響され得る。
【0043】
この例では、第1のブランチ200が、単一のPRBのサイズのクラスタを含む。送信で使用する帯域幅を20MHzと仮定すると、100個のPRBが存在する。従って、第1のブランチ上のクラスタの数は100である。第2のブランチ202は、2個分のPRBのサイズに等しいクラスタを含む。この例では、第2のブランチ上のクラスタの数は50である。
【0044】
第3のブランチ204は、4個分のPRBのサイズに等しいクラスタを含む。この例では、第2のブランチ上のクラスタの数は25である。
【0045】
第4のブランチ206は、8個分のPRBのサイズに等しいクラスタを含む。この例では、第2のブランチ上のクラスタの数は12である。
【0046】
第5のブランチ208は、16個分のPRBのサイズに等しいクラスタを含む。この例では、第2のブランチ上のクラスタの数は6である。
【0047】
ツリーは、2つのさらなるブランチを含むことができ、これらのクラスタサイズは32及び64である。
【0048】
個々の考えられるクラスタにインデックスが付けられる。1つの考えられるインデックス付けの方法を図2Aに示す。インデックス付けは、第1のブランチ200から開始し、インデックスは0〜99である。インデックス付けは、第2のブランチ202上で継続し、インデックスは100〜149である。第3のブランチ204上では、インデックスは150〜174である。第4のブランチ206上では、インデックスは175〜187である。第5のブランチ208上では、インデックスは188〜194である。図2Aに示していない2つのさらなるブランチ上では、インデックスは195〜197である。従って、最も高いインデックス番号は197である。しかしながら、多くのクラスタが重複するので、同時に利用できるクラスタの数はこれよりも少なく、クラスタを異なるユーザ装置に割り当てる方法に依存する。
【0049】
単一クラスタのリソース割り当てに必要なインデックスの総数は197であり、合計8ビットを使用してこれをシグナリングすることができる。ユーザ装置に2つのクラスタを割り当てて、最も単純なリソース割り当てシグナリングの方法を適用すると(リソース割り当てシグナリングを2倍にすると)、16ビットのシグナリング負荷が生じ、これはLTEリリース8の解決策と比較してわずか3ビットの増加に相当する。
【0050】
実施形態では、コントローラ又はスケジューラが、ブランチ上のクラスタのサイズを所与の整数の累乗に基づかせるように構成される。図2Aの例では、ブランチ上のクラスタのサイズが2の累乗(1,2,4,8,16,...)に基づく。サイズが3の累乗に基づく場合、クラスタのサイズは、1、3、9、27、...となる。同様に、サイズが4の累乗に基づく場合、クラスタのサイズは、1、4、16、64、...となる。
【0051】
実施形態では、コントローラ又はスケジューラが、ブランチ上のクラスタのサイズを複数の整数の累乗に基づかせるように構成される。例えば、異なるブランチが2及び3の累乗に基づくことができる。
【0052】
実施形態では、ユーザ装置に複数のクラスタを割り当てる際にインデックスの使用を最適化することにより、シグナリング負荷を低減することができる。
【0053】
実施形態では、アップリンク送信のためにユーザ装置にクラスタを割り当てた後に、スケジューラが、割り当てたクラスタと重複する又はこれと並ぶクラスタをツリー構造から削除し、ユーザ装置にさらなるクラスタを割り当てる前に、利用可能な各クラスタに新たなインデックス付けを適用するように構成される。
【0054】
図2Bに、この実施形態を示す。図2Bの例では、インデックス175を有するクラスタが最初にユーザ装置に割り当てられると仮定する。割り当てたクラスタ175と重複するクラスタをユーザ装置に割り当てることはできないので、この結果、スケジューラは、これらのクラスタをツリー構造から削除するように構成される。図2Bの例では、インデックス0〜7、100〜103、150、151、及び188を有するクラスタがツリーから削除される。その後、残りのクラスタに、ユーザ装置に第2のクラスタをシグナリングする際に使用する新たなインデックス値が付けられる。このようにして、インデックスの数を減少させ、シグナリング負荷を低減することができる。2つよりも多くのクラスタを割り当てる場合には、再びこの処理を繰り返すことができる。
【0055】
実施形態では、アップリンク送信のためにユーザ装置にクラスタを割り当てた後に、スケジューラが、割り当てたクラスタの最初又は最後のいずれかを分割周波数として使用して、周波数領域内のツリー構造のクラスタを2つのセクションに分割し、割り当てたクラスタを含むセクションに属するクラスタをツリー構造から削除し、ユーザ装置にさらなるクラスタを割り当てる前に、個々の利用可能なクラスタに新たなインデックス付けを適用するように構成される。
【0056】
図2Cに、この実施形態を示す。図2Cの例では、インデックス16を有するクラスタがユーザ装置に割り当てられると仮定する。スケジューラは、割り当てたクラスタの最初又は最後のいずれかを分割周波数として使用して、周波数領域内のツリー構造のクラスタを2つのセクションに分割するように構成される。この例では、ツリー構造が2つのセクション212及び214に分割される。スケジューラは、割り当てたクラスタを含むセクション212に属するクラスタをツリー構造から削除する。セクション212に一部のみが属するクラスタも削除される。従って、インデックス189、177、154、及び108を有するクラスタも削除される。上記の例では、残りのクラスタは、下から順にインデックス17〜99、109〜149、155〜174、178〜187及び190を有する。その後、この残りのクラスタに、ユーザ装置に第2のクラスタをシグナリングする際に使用する新たなインデックス値が付けられる。このようにして、インデックスの数を減少させ、シグナリング負荷を低減することができる。2つよりも多くのクラスタを割り当てる場合には、再びこの処理を繰り返すことができる。
【0057】
図2Cの状況は例示的なものにすぎない。実際には、割り当てに関する情報が同時に送信されるので、上記の方法は、例えば2つのクラスタを割り当てる場合、クラスタをどの順序で割り当てるかは問題でないという事実を利用することができる。従って、2つのクラスタの個々の割り当てに関して、2つのクラスタが入れ替わる同等の二重のクラスタ割り当てが存在する。利用可能な帯域幅の中央に近い方のクラスタを第1のクラスタとして選択すると、削除されるクラスタの数が多くなるので、シグナリング負荷の最適な低減が行われる。この方法は、第2のクラスタをシグナリングする際に使用するインデックスの数を半分まで減少させることができ、シグナリング負荷から1ビットを削除することができる。
【0058】
このクラスタをどの順序で割り当ててもよいという特徴を別の方法で利用することもできる。実施形態では、スケジューラが、割り当てられる予定のあらゆる後続するクラスタよりも小さいクラスタを、アップリンク送信のためにユーザ装置に割り当てるように構成される。その次に割り当てられる予定のクラスタは、既に割り当てたクラスタよりも大きいので、スケジューラは、割り当てたクラスタよりも小さい全てのクラスタをツリー構造から削除することができる。その後、残りのクラスタに、ユーザ装置に第2のクラスタをシグナリングする際に使用する新たなインデックス値が付けられる。このようにして、インデックスの数を減少させ、シグナリング負荷を低減することができる。2つよりも多くのクラスタを割り当てる場合には、再びこの処理を繰り返すことができる。
【0059】
図2Dに、この実施形態を示す。図2Dの例では、インデックス152及び177を有するクラスタがユーザ装置に割り当てられると仮定する。インデックス152を有するクラスタの方が小さいので、これが最初に割り当てられる。インデックス152を有するクラスタよりもサイズが小さい全てのクラスタをツリーから削除することができる。この例では、PRBのサイズが1又は2の全てのクラスタを削除することができる。
【0060】
上記の実施形態では、クラスタの割り当てに制約がない。しかしながら、より大きなシグナリング負荷の節約を実現するために、いくつかの制約を利用することができる。1つの目標を、LTEリリース8における1つのクラスタ/20MHzの場合のシグナリング負荷(周波数ホッピングフラグを含み、クラスタ化したリソースブロックマッピングでは周波数ホッピングを使用しないと仮定する)に相当する、14ビットを使用して2つのクラスタの割り当てをシグナリングできるようにすることとすることができる。
【0061】
(上述の方法を含む)リソース割り当てにおいて最適化を行わない場合、20MHzにおいて必要な状態の数は4940である。
【0062】
実施形態では、スケジューラが、偶数又は奇数のインデックス値を有する第1のクラスタ、及び奇数のインデックス値を有する第2のクラスタをユーザ装置に割り当てるように構成される。これにより状態の1/4が省かれ、すなわち3712の状態が必要となる。図2Aの例において、(元々のインデックス付けを使用して)第1のクラスタが奇数で、第2のクラスタが偶数と仮定する。第1のクラスタのインデックスを選択した後に、奇数番号のクラスタをツリーから削除し、残りのクラスタに新たなインデックス値を付けることができる。
【0063】
実施形態では、スケジューラが、全てが偶数又は奇数のいずれかのインデックス値を有するクラスタをユーザ装置に割り当てるように構成される。この方法では、状態の半分、すなわち2475が省かれる。
【0064】
実施形態では、スケジューラが、偶数又は奇数のインデックス値を有するクラスタをユーザ装置に割り当てるように構成され、この割り当ては、ユーザ装置の所定の特性に基づく。この特性は、ユーザ装置の識別情報(ID)又はその他の何らかのユーザ装置固有の特性とすることができる。特性は、時間とともに変化することもできる。例えば、特性を、ユーザ装置ID及びサブフレーム番号の関数とすることができる。この方法により、状態の3/4までが省かれて1238まで減少し、ちょうど14ビットで残りの全ての状態のシグナリングが可能になる。
【0065】
実施形態では、スケジューラが、インデックスmを含むクラスタをユーザ装置に割り当て、特定のブランチ上のクラスタの総数をnとするインデックスn−mを含む第2のクラスタを割り当てるように構成される。これにより、1つのPRBのサイズを有するクラスタの割り当てを制限する。特定の組み合わせのクラスタのみが許容される。これにより、単一のPRBを割り当てるために依然としてダイバーシチを利用することはできるが、他のユーザをスケジューリングした後に残る「穴」の中で2つの単一のPRBクラスタの割り当てをスケジュールすることはできない。
【0066】
実施形態では、スケジューラが、単一の物理リソースブロックの長さを有するクラスタを、リソースブロック空間の最初又は最後のいずれか一方のみから割り当てるように構成される。図2Eに、この実施形態を示す。リソース空間は、リソースブロック空間の最初及び最後の所定の範囲220、222を有することができ、ここから単一のPRBのサイズのクラスタを割り当てることができる。
【0067】
実施形態では、スケジューラが、リソース割り当てのツリー構造を、サウンディング基準信号(SRS)の割り当てにおいて使用するツリー構造に少なくとも部分的に一致させるように構成される。サウンディング基準信号とは、ユーザ装置により送信される、アップリンクチャネルの質に関する情報を提供する信号である。ネットワークは、アップリンクリソース割り当てに関するチャネル情報(すなわち、クラスタのスケジューリング)を利用することができる。
【0068】
LTEでは、利用可能なサウンディング基準信号の帯域幅が、いくつかのブランチを含むツリー構造の形をとる。図3A及び図3Bに、SRSのツリー構造の2つの例を示す。図3Aでは、ツリーが、4つのブランチ300、302、304、及び306を含み、第1のブランチ300上では、各クラスタのサイズが4物理リソースブロックであり、これに応じて、他のブランチ302、304、及び306のサイズは24、48、及び96である。図3Bでは、ツリーが、4つのブランチ308、310、312、及び314を含み、第1のブランチ308上では、各クラスタのサイズが4物理リソースブロックであり、これに応じて、他のブランチ310、312、及び314のサイズは16、48、及び96である。
【0069】
実施形態では、スケジューラが、リソース割り当てツリー構造を、サウンディング基準信号の割り当てにおいて使用する、4物理リソースブロックのサイズに等しいクラスタを有するリソース割り当てツリーブランチから開始するツリー構造に一致させるように構成される。サウンディング基準信号は、ネットワークにアップリンクチャネル情報を提供するので、ツリー構造とSRS構造が一致した場合にチャネル情報が最も正確になる。
【0070】
ネットワークは、サウンディング基準信号の割り当てにおいて使用するツリー構造を、セルごとに別個に構成することができる。
【0071】
図4Aは、実施形態を示すフロー図である。ステップ400において、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて、複数のブランチを有するツリー構造を利用してユーザ装置にクラスタを割り当て、個々のブランチは、リソース割り当てのための1又はそれ以上の開始位置を含み、個々の開始位置は、物理リソースブロックのクラスタを定義し、開始位置の数は個々のブランチにおいて異なり、個々のブランチのリソースクラスタのサイズは異なり、各リソースクラスタに所定のインデックスが付けられる。
【0072】
ステップ402において、全ての必要なクラスタが割り当てられたかどうかをチェックする。
【0073】
割り当てられていない場合、ステップ400を繰り返す。
【0074】
割り当てられている場合、ステップ404において、この割り当てをユーザ装置へシグナリングする。
【0075】
図4Bは、別の実施形態を示すフロー図である。ステップ400において、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて、複数のブランチを有するツリー構造を利用してユーザ装置にクラスタを割り当て、個々のブランチは、リソース割り当てのための1又はそれ以上の開始位置を含み、個々の開始位置は、物理リソースブロックのクラスタを定義し、開始位置の数は個々のブランチにおいて異なり、個々のブランチのリソースクラスタのサイズは異なり、各リソースクラスタに所定のインデックスが付けられる。
【0076】
ステップ402において、全ての必要なクラスタが割り当てられたかどうかをチェックする。
【0077】
割り当てられていない場合、ステップ406おいてインデックスの使用を最適化する。この最適化は、上述したようにツリーから一連のクラスタを削除するステップと、残りのクラスタに新たなインデックスを適用するステップとを含むことができる。この最適化は、割り当てるためのクラスタを選択する際に固有のルールを適用するステップを含むこともできる。最適化後に、ステップ400を繰り返す。
【0078】
割り当てられている場合、この割り当てをユーザ装置へシグナリングする。
【0079】
図4Cは、さらに別の実施形態を示すフロー図である。ステップ408において、ユーザ装置に割り当てるべきクラスタの数を決定する。1つのクラスタのみを割り当てる場合、スケジューラが、ステップ410においてLTEベースの割り当て及びシグナリングを利用するように構成される。このようにして、1つのクラスタしか利用できないLTEベースの装置との下位互換性を保証する。
【0080】
複数のクラスタを割り当てる(又はサポートする)場合、処理は、ステップ412において図4A又は図4Bのいずれかに従って継続する。
【0081】
図5及び図1Bは、本発明の実施形態をユーザ装置の視点から示すものである。
【0082】
ユーザ装置は、アップリンクリソース割り当てを受け取るように構成された受信機124Bと、割り当てられたリソースを使用して送信を行うように構成された送信機124Bとを含む。図1Bでは、受信機及び送信機を組み合わせてトランシーバにしているが、当業者であれば十分理解しているように、これらを別個の装置として実現することもできる。
【0083】
ユーザ装置のコントローラ120Bは、物理リソースブロックのリソース割り当てにおいて複数のブランチを有するツリー構造に基づくリソース割り当てを利用するようにトランシーバ124Bを制御するよう構成され、個々のブランチは、リソース割り当てのための1又はそれ以上の開始位置を含み、個々の開始位置は、物理リソースブロックのクラスタを定義し、開始位置の数は個々のブランチにおいて異なり、個々のブランチのリソースクラスタのサイズは異なり、各リソースクラスタに所定のインデックスが付けられ、リソース割り当ては、1又はそれ以上のクラスタのインデックスを含む。
【0084】
図5は、実施形態をユーザ装置の視点から示すフロー図である。図5のステップ500において、ユーザ装置が、eNodeBからシグナリング情報を受け取る。このシグナリング情報は、ユーザ装置のアップリンクリソース割り当てに関する情報を含む。
【0085】
ステップ502において、ユーザ装置が、シグナリング情報から、割り当てられたクラスタを判断する。シグナリング情報は、クラスタのインデックスを含むことができる。ユーザ装置は、使用されるインデックス付けスキームを判断する。上述したような起こり得る最適化に起因して、リソース割り当ての最初のクラスタと後続するクラスタとが異なるインデックス付けを利用することもある。最適化方法は予め定められており、ユーザ装置は、インデックスの使用を認識している。
【0086】
上述したステップ及び動作を実行できる装置を、ワーキングメモリ(RAM)、中央処理装置(CPU)及びシステムクロックを含むことができる電子デジタルコンピュータとして実現することができる。CPUは、一連のレジスタ、算術論理演算ユニット、及び制御ユニットを含む。制御ユニットは、RAMからCPUに転送される一連のプログラム命令により制御される。制御ユニットは、基本動作のための多くのマイクロ命令を含むことができる。マイクロ命令の実施構成は、CPUの設計によって異なることができる。プログラム命令はプログラミング言語によってコード化することができ、これらの言語は、C、Java(登録商標)などの高水準プログラミング言語であっても、或いはマシン語又はアセンブラなどの低水準プログラミング言語であってもよい。電子デジタルコンピュータは、プログラム命令で記述されたコンピュータプログラムにシステムサービスを提供できるオペレーティングシステムを有することもできる。
【0087】
実施形態は、電子装置にロードされた場合に、上述したようなシングルユーザ多入力多出力送信を利用するユーザ装置の制御信号のアップリンク送信を制御するように構成されたプログラム命令を含む、配布媒体上で具体化されるコンピュータプログラムを提供する。
【0088】
コンピュータプログラムは、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、又は何らかの中間形式をとることができ、これを、プログラムを搬送できるいずれのエンティティ又は装置であってもよい何らかの種類のキャリアに記憶することができる。このようなキャリアとして、例えば、記録媒体、コンピュータメモリ、読み取り専用メモリ、電気搬送波信号、電気通信信号、及びソフトウェア配布パッケージが挙げられる。必要な処理能力に応じ、コンピュータプログラムを単一の電子デジタルコンピュータで実行することも、或いは多くのコンピュータ間に分散させることもできる。
【0089】
装置を、特定用途向け集積回路ASICなどの1又はそれ以上の集積回路として実現することもできる。別個の論理要素で構築される回路などの他のハードウェアの実施形態も実現可能である。これらの異なる実施構成の混成も実現可能である。実施方法を選択する場合、当業者であれば、例えば、装置のサイズ及び消費電力、必要な処理能力、製造コスト、及び製造量に関して設定された要件を考慮するであろう。
【0090】
当業者には、技術が進歩するにつれ、本発明の概念を様々な方法で実現できることが明らかであろう。本発明及びその実施形態は、上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内では異なることができる。
【符号の説明】
【0091】
200 第1のブランチ
202 第2のブランチ
204 第3のブランチ
206 第4のブランチ
208 第5のブランチ
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5