(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208216
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】エネルギー発電設備の緊急起動の方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
F01C 1/18 20060101AFI20170925BHJP
F02N 9/02 20060101ALI20170925BHJP
B64D 41/00 20060101ALI20170925BHJP
B63G 8/36 20060101ALI20170925BHJP
F02C 7/32 20060101ALI20170925BHJP
F02C 7/268 20060101ALI20170925BHJP
F01C 20/06 20060101ALI20170925BHJP
F01C 21/18 20060101ALI20170925BHJP
F02N 15/02 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
F01C1/18
F02N9/02
B64D41/00
B63G8/36 F
F02C7/32
F02C7/268
F01C20/06
F01C21/18
F02N15/02 D
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-507577(P2015-507577)
(86)(22)【出願日】2013年4月18日
(65)【公表番号】特表2015-520821(P2015-520821A)
(43)【公表日】2015年7月23日
(86)【国際出願番号】FR2013050863
(87)【国際公開番号】WO2013160590
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2016年4月13日
(31)【優先権主張番号】1253938
(32)【優先日】2012年4月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516235451
【氏名又は名称】サフラン・ヘリコプター・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリップティ,ユーグ
(72)【発明者】
【氏名】ガーデ,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ティリエ,ロメイン
【審査官】
西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭49−022962(JP,B1)
【文献】
米国特許第02942415(US,A)
【文献】
特公昭61−047967(JP,B2)
【文献】
特表2010−523879(JP,A)
【文献】
特表2007−505261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01C 1/12−18
F01C 20/06
F02C 7/26−277
F02N 13/00
F42B 3/00−28
B64D 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急発電機設備(81)の緊急起動方法であって、設備に対する緊急起動事態が検出された場合、少なくとも1つの発火性ガス燃焼生成器(5)が始動させられ、加圧ガスがその時にこの燃焼によって発生させられ、歯車(1,100,101,102)をもつ容積式モータの中へそのまま注入されることと、これらのガスの一部がモータの歯車(3a,3b)を回転(Ra、Rb)させ、同時に、ガスの残りの部分がモータ(1,100,101,102)と設備(81)との間のカップリング接続(8aから8c;18,19,7,170)を復元力(9)に対抗して突出させ、接続(8aから8c;18,19,7,170)は、設備(81)の従動シャフト(61,62,82)で容積式モータ(1,100,101,102)のギアシャフト(4b,40b;500)を回転させることによりエネルギーの伝達を引き起こすことと、推進力(F1,F6)が復元力より低下したとき、前記復元力が接続(8aから8c;18,19,7,170)に自動的に抵抗し、設備(81)が容積式モータ(1,100,101,102)から切り離されることと、を特徴とする緊急起動方法。
【請求項2】
ギアシャフト(4b、40b;500)と再起動される設備(81)の従動シャフト(61,62,82)との間のカップリング接続(8aから8c;18,19,7,170)が、摩擦によって生成される、請求項1に記載の緊急起動方法。
【請求項3】
残りのガスが、カップリング接続(8aから8c)が再起動される設備のシャフト(61,82)を回転させるためにラジアル圧縮(F2)を使用するように、縦軸(X’X)を中心とする周囲(E2)から容積式モータに注入される、請求項2に記載の緊急起動方法。
【請求項4】
残りのガスが、カップリング接続(18,19,7,170)が再起動される設備のシャフト(62)を回転させるためにコニカルカップリングを使用するように縦軸(X’X)に沿って中心(4A)から容積式モータに注入される、請求項2に記載の緊急起動方法。
【請求項5】
復元力が、弾性力と、電磁力と、圧縮流体の膨脹とから選択された手段によって発生させられる、請求項2に記載の緊急起動方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法を実施することができるエネルギー発電機設備(81)の緊急起動システム(10)であって、コンピュータに接続された電気始動装置(3)に接続された少なくとも1つの発火性ガス生成器(5)と、好ましくは、ストレートカットされた歯車(3a,3b)を収容する内部空間(E1,E11)を画定するケーシング(2,120)を備える容積式モータ(1,100,101)とを備え、発火性ガス生成器(5)がケーシング(2,120)内の入口(21,121)によってモータ(1,100,101)に結合されていることと、遠心クラッチ(7,170)を介して駆動シャフト(4b,40b,500)を設備(81)の従動シャフト(61,62,82)に結合できるように、モータ(1,100,101)が容積式モータ(1,100,101)の歯車軸(X’X)を中心とする駆動シャフト(4b,40b,500)の一方の端部で運動できる接続手段(8aから8c;18,19)を有することと、当接して(41F)配置された戻り手段(9,90)は、接続手段(8aから8c;18,19)に働かされた圧力(F1,F6)に逆らって復元力を働かせることができることと、を特徴とする、緊急起動システム。
【請求項7】
容積式モータ(1)の駆動シャフト(4b)の周囲でケーシング(2)の拡張部(20a)内に形成された環状空間(E2)が、発火性ガスの燃焼からもたらされるガスの一部が接続手段(8aから8c)の所まで注入されることを可能にするために前記内部空間(E1)と連通し、この接続手段は、この圧力の下で半径方向に離れて動き(F2)、かつ、摩擦によって遠心クラッチ(7)を駆動することができるフェルール(8b)に圧力を働かせるために、モータ(1)の駆動シャフト(4b)に沿ったガスの推進力(F1)によって並進運動(X’X’)することができる環状ピストン(8a)で構成されている、請求項6に記載の緊急起動システム。
【請求項8】
フェルール(8b)が、モータ(1)の駆動シャフト(4b)の円錐状部(41)に沿って摺動することにより半径方向に離れて動かされる少なくとも開放環状部で構成されている、請求項7に記載の緊急起動システム。
【請求項9】
ケーシング(120)のガス入口(121)に接続された導管(140;14L,14R)が、発火性ガス生成器(5)からもたらされたガスの一部が接続手段(18,19)の所まで循環することを可能にするために、駆動シャフト(40b)の中心ボア(4A)と連通し、この接続手段は、摩擦によって遠心クラッチ(170)を駆動するためにこれに堅固に接続されたテーパ状のボア(18L)に収容されることになるように、モータ(100)の駆動シャフト(40b)の軸(X’X)に沿ったガスの推進力(F6)によって並進運動することができる円錐状ピストン(18)で構成されている、請求項7または8に記載の緊急起動システム。
【請求項10】
電気始動装置が、自律電力源(31)と、感熱コンポーネント(33)およびマイクロコントローラ(34)を組み込む電子制御盤(32)とを有する電子ユニット(3)によって構成され、マイクロコントローラ(34)は、電力源(31)、感熱コンポーネント(33)、機能的なセルフテスト、および、発火性ガス生成器(5)の点火カートリッジ(52)を始動させるアラームを管理する、請求項7から9のいずれか一項に記載の緊急起動システム。
【請求項11】
容積式モータ(1,100,101,102)の歯車が、スパーピニオン(3a,3b)である、請求項7から10のいずれか一項に記載の緊急起動システム。
【請求項12】
設備がHPスプール(80)のシャフト(82)を有するタービンエンジン(81)である場合、従動シャフトは、HPスプール(80)に搭載された補機ギアボックス(71)のシャフト(61,62)である、請求項7から11のいずれか一項に記載の緊急起動システム。
【請求項13】
設備がHPスプール(80)のシャフト(82)を有するタービンエンジン(81)である場合、従動シャフトは、ベルハウジング(7,170)に接続され、ベルハウジング(7,170)は、シャフト(62)によって補機ギアボックス(71)のピニオンに堅固に接続され、遠心クラッチ(7,170)として使用される、請求項7から12のいずれか一項に記載の緊急起動システム。
【請求項14】
設備がHPスプール(80)のシャフト(82)を有するタービンエンジン(81)である場合、従動シャフトは、HPスプール(80)のシャフト(82)である、請求項7から11のいずれか一項に記載の緊急起動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、専用トラクションシステムが停止しているか、または、要件を満たすには不十分である危機的な状況におけるエネルギー発電設備の緊急起動の方法およびシステムに関する。
【0002】
本発明は、以下の様々な技術分野におけるエネルギー発生の起動または再起動を開始するために支援または最終的なバックアップという状況で適用される可能性がある:
飛行機またはヘリコプターのガスタービンの飛行トラクションシステム
特に潜水艦における電力の生産または伝達のためのウルトラ制限回路遮断器用の電気エンジニアリング
掘削、または、マスターバルブねじ、ロボットなどの海洋侵入用:「石油およびガス」として知られている分野
発電機、ポンプ、安全弁などに対する極端な環境(病院、原子力発電所、飛行場、サーバーセンター)
スターリングまたはエリクソン型発電設備の発熱
重量物品を取り扱う油圧または空気圧発生(着陸装置アクチュエータ、巻き上げ機など)
【0003】
特に双発ヘリコプターの事例では、危機的な状況は、エンジンの一方が意図的にスイッチを切られたときに起こる可能性がある。このモードは、任務の巡行および捜索フェーズ中の消費量最小化のため実際には推奨されている。この事例では、以下の2つの例外的な状況が起こる可能性があり、これらの状況は、このとき、スイッチを切られたエンジンの緊急再起動を必要とする:
片方の運転中エンジンが未知の理由のため実質的に停止または減速する
飛行条件が予想外に悪化し、双発モードへの復帰が必要である(たとえば、不十分な高度)
【背景技術】
【0004】
ガスタービンは、現在のところ、異なった物理的特徴をもつ3種類のスタータを使用して再起動される可能性がある:
オンボード電源またはバッテリからの電力供給される電気スタータ
トルクコンバータ装置(遊星歯車列または段階的な変速装置)と加圧ガス貯蔵器とを有する空気圧スタータ
加圧流体貯蔵器に結合された加圧流体
生成器を備える油圧スタータ
【0005】
空気圧スタータおよび油圧スタータは、これらの質量およびサイズに関連した欠点がある。さらに、これらは、これらのケーシングの定期的な点検と加圧貯蔵器の交換とを必要とする。
【0006】
その上、前述のヘリコプターの緊急事態での適用のため、オンボード電源からまたは予備バッテリによって給電される電気スタータによって飛行中にターボシャフトエンジンが再起動される。しかし、この技術は、費用がかかる:これは、永久磁石、横方向磁束、プレーナー構造などを必要とする。これは、充電監視装置および定期的なバッテリ交換をさらに必要とする。
【0007】
さらに、そして、基本的に、これらの電気スタータは、瞬時にトルクを供給しない、と思われる。その結果、反応シーケンスは、予備エンジンを再起動するとき、典型的に、約30秒を要し、このことは、ある種の飛行条件に対して、たとえば、運転中エンジンだけの少なくとも部分的な故障のために低高度であるとき、時間がかかり過ぎであることを証明することになる。予備エンジンが時間内に再起動しない場合、問題のあるエンジンを用いる着陸は、危機的なことであると証明することになる。
【0008】
より一般的に、前述の適用において起こるかもしれない緊急事態は、緊急起動または再起動のための十分な安全余裕を可能にするために、およそ数秒、特に2〜3秒、または、実に1秒未満の反応時間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述のバックアップ用油圧または空気圧スタータの質量およびサイズに関連付けられた不都合なしで、この程度の大きさ、すなわち、数秒以内の応答性を可能にする緊急スタータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これを達成するために、本発明は、発火型の瞬時ガス推進力を起動される設備との自動結合/分離と併せて容積式トランスミッション発電機と結合することを提案する。
【0011】
より具体的には、本発明の目的はエネルギー発電設備の緊急起動の方法であり、設備の緊急起動事態が検出された場合、少なくとも1つの発火性ガス燃焼
生成器が始動させられる。加圧ガスは、その時、この燃焼によって発生させられ、好ましくは、ストレートカットされた歯車を含む容積式モータへそのまま注入される。これらのガスの一部分は、その時、エンジンの歯車を回転させ、同時に、ガスの残りの部分は、エンジンと設備との間のカップリング接続を復元力に逆らって突出させる。この接続は、容積式モータのギアシャフトを回転させることにより、設備の従動シャフトにエネルギーの伝達をもたらす。推進力が復元力より低下したとき、前記復元力は、接続に自動的に反発し、設備は、容積式モータから切り離される。
【0012】
特有の実施形態によれば:
ギアシャフトと再起動される設備の従動シャフトとの間のカップリング接続は、摩擦によって生成される。
残りのガスは、カップリング接続が再起動される設備のシャフトを回転させるために遠心圧縮を使用するように、縦軸を中心とする周辺から容積式モータに注入される。
残りのガスは、軸流圧縮および遠心圧縮によって、カップリング接続が再起動される設備のシャフトを回転させるためにコニカルカップリングを使用するように、縦軸に沿って中心から容積式モータに注入される。
発火性ガス燃焼
生成の連続的なインスタンスが始動させられる。
復元力が弾性力、電磁力、および圧縮流体の膨脹から選択された手段によって発生させられる。
【0013】
本発明は、上記方法を実施できるエネルギー発電設備の緊急起動用のシステムにさらに関係する。このシステムは、コンピュータに接続された電気始動装置に接続された少なくとも1つの発火性ガス
生成器と、ストレートカットされた歯車を収容する内部空間を画定するケーシングを備える容積式モータとを備え、発火性ガス
生成器は、ケーシング内の入口によってモータに結合されている。モータは、遠心クラッチを介して駆動シャフトを設備の従動シャフトに結合することができるように、容積式モータの歯車軸を中心とする駆動シャフトの一方の端部で動くことができる接続手段を有する。そして、当接して配置された復元手段は、接続手段に働かされた圧力に対抗して復元力を働かせることができる。
【0014】
典型的に、各容積式モータの寸法は、反応時間がおよそ0.5秒で発火性ガスの注入毎におよそ40kWの電力を約2.5秒間供給できるようなものである。その上、システムは、名目的に−30から+50℃の温度範囲内での使用を可能にするために適当なサイズおよび定格を有し、範囲は、周囲の設備の定格限界温度、たとえば、前述の極端な環境に対しておよそ135℃まで拡張される可能性がある。周囲の運転圧力は、およそ60から110kPaの間である。
【0015】
好ましい実施形態によれば:
容積式モータの駆動シャフトの周囲でケーシングの拡張部に形成された環状空間は、発火性ガスの燃焼によってもたらされるガスの一部が接続手段の所まで注入されることを可能にさせるために前記内部空間と連通し、この接続手段は、圧力下で半径方向に離れて動き、摩擦によって遠心クラッチを駆動することができるフェルールに圧力を働かせるように、モータの駆動シャフトに沿ったガスの推進力によって並進運動することができる環状ピストンで構成されている。
第2の接続コンポーネントは、モータの駆動シャフトの円錐状部分に沿って摺動することにより半径方向に離れて動かされる開放環状フェルールの少なくとも1つの部分で構成されている。
ケーシングのガス入口に接続された導管は、発火性ガス
生成器からもたらされたガスの一部が接続手段の所まで循環することを可能にさせるために駆動シャフトの中心ボアと連通し、この接続手段は、テーパ状のボアに収容され、摩擦によって遠心クラッチを駆動するために遠心クラッチに堅固に接続されるように、モータの駆動シャフトの軸に沿ったガスの推進力によって並進運動することができる円錐状ピストンで構成されている。
電気始動装置は、自律電力源と、感熱コンポーネントおよびマイクロコントローラを組み込む電子制御盤とを有する電子ユニットによって構成され、マイクロコントローラは、電力源、感熱コンポーネント、機能的なセルフテスト、および発火性ガス
生成器の点火カートリッジを始動させるアラームを管理する。
容積式モータの歯車は、スパーピニオンである。
容積式モータは、2段階であり、第1の段階は、タンデム搭載された第2の段階に下流で結合され、第1のモータは、スパーピニオンモータまたはベーンモータであり、第1のモータのガス出口は、第1のモータより実質的に大きな寸法を有する可能性がある第2のモータのガス入口に接続され、第1のモータの中央または駆動シャフトは、第2のモータの補助シャフトに搭載されている。
設備が高圧(HP)スプールシャフトを有するタービンエンジンである場合、従動シャフトは、HPスプールに搭載された補機ギアボックスシャフトと、補機ギアボックスのピニオンに堅固に接続され、遠心クラッチとして使用されるベルハウジングと、HPスプールのシャフトとから選択される。
設備がウルトラ制限回路遮断器である場合、従動シャフトは、短絡が起こったときに解除されるポールのシャフトである。
「石油およびガス」分野または極端な環境において、従動シャフトは、機械制御式ツールシャフト(バルブ、ラックシステム、ロボット、ダンパーのグリッド)である。
熱交換器組立体および可変角度設定回路を有するエリクソンまたはスターリングサイクル熱エンジンまたは等価物のような設備の場合、従動シャフトは、熱交換器組立体の制御シャフトであり、電子ユニットは、熱エンジンサイクルの加熱・凝縮サイクルの定積フェーズ中に付加的な適応型角度設定機能を組み込む。
【0016】
本発明の他の態様、特徴および利点は、添付図面を参照して、特有の実施形態に関係する以下の説明から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による緊急起動システムの容積式モータの第1の実施例の横断面概略図である。
【
図2a】発火性ガスの発射前の
図1による容積式モータの縦断面概略図である。
【
図2b】発火性ガスの発射後の
図1による容積式モータの縦断面概略図である。
【
図3a】本発明による緊急起動システムの容積式モータの別の実施例の斜視図である。
【
図3b】本発明による緊急起動システムの容積式モータの別の実施例のBBによる横断面図である。
【
図3c】本発明による緊急起動システムの容積式モータの別の実施例のCCによる縦断面図である。
【
図4】電子ユニット、発火式
生成器および容積式モータで構成されている本発明による緊急起動システムの実施例の全体図である。
【
図7a】2個のスパーピニオンモータを有する2段階容積式モータの断面図である。
【
図7b】スパーピニオンモータに結合されたローラーモータを有する2段階容積式モータの断面図である。
【
図8a】本発明による起動システムの容積式モータをタービンエンジンの補機ギアボックスのシャフトに搭載する実施例を示すである。
【
図8b】この容積式モータを
図8aによる補機ギアボックスのピニオンに堅固に接続されたベルハウジングに搭載することを示す図である。
【
図8c】この容積式モータを
図8aによるタービンエンジンのHPスプールのシャフトに直接搭載することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
説明中、用語「横断面」は、モータの縦軸として記載され、主にこのような軸に沿って延びるものに垂直な平面における図に関係する。用語「縦断面」は、前記縦軸に沿った断面図を表す。用語「上方」または「下方」は、標準的な運転位置に置かれた機器の壁または面の相対的な位置に言及する。さらに、同一の符号は、対応する節に記載されているように同一のコンポーネントに関係する。
【0019】
図1における横断面図を参照すると、本発明による緊急起動システムの容積式モータ1の第1の実施例は、駆動シャフト4aおよび4bを中心とする逆回転方向(矢印RaおよびRb)に回転することができる2個のスパーピニオン3aおよび3bを収容する内部空間E1を画定するケーシング2を有する。ケーシング2は、縦平面II−IIに関して実質的に対称である2個の対向する側壁2Lおよび2L’を有する。壁2Lおよび2L’にそれぞれ形成されたガス入口21およびガス出口22は、歯車3aと3bとの中程で壁2Lおよび2L’と実質的に垂直に延びる同じ軸A2を有する。
【0020】
連結導管2Cは、モータ1への燃焼ガスの発射を可能にするために、ガス入口21と、発火性ガス
生成器5のコアとに固定されている。このガス
生成器5は、点火カートリッジ52に接続された発火剤ブロック51を格納する。
【0021】
図2aの図から分かるように、平面II−IIに沿った縦断面において、モータ1のケーシング2およびピニオン3bのシャフト4bは、再起動されるエネルギー発電機設備のシャフト6を収容するように、歯車軸X’Xをもつ駆動シャフト4bに沿って縦に延在する。従動シャフト6は、駆動シャフト4bを通り抜け、シャフト4bの外側で円筒遠心クラッチ7に堅固に接続されている。
【0022】
遠心クラッチ7は、駆動シャフト4bおよびクラッチ7を回転接続する可動環状部品−ピストン8a、フェルール8bおよび支持体8c−を覆う。駆動シャフト4bは、ケーシング2の円筒拡張部20aおよび20bにおいてベアリングP1およびP2に搭載され、ピニオン3aのシャフト4aは、ボールおよびスプリングプレートをもつ機構部40によってケーシング2に搭載されている。
【0023】
駆動シャフト4bの端部には、相補的なテーパ形状を有するフェルール8bを支持する円錐状部41がある。ストップ8cとフェルール8bとの間で、クラッチ7によって蓋を被された空間内に配置されたバネ9は、フェルール8bの一方の端部と、円錐状部41の端部に形成されたエンドプレート41Fのもう一方の端部とに位置する。
【0024】
さらに、駆動シャフト4bの周囲で、ケーシング2の拡張部20aに形成された環状空間E2は、一方の端部で、モータ1の内部空間E1と連通し、もう一方の端部で、ピストン8aの側面8Fによって閉鎖されたラジアル空間E3と連通する。
【0025】
図2bに例示されるように、発火剤の燃焼からもたらされるガスがモータ1の内部空間E1(
図1)の中へ推し進められるとき、これらのガスの一部は、ラジアル空間E3の所まで環状空間E2に注入される。ピストンの側壁8Fに向かうガスの推進力の下で、ピストン8aは、シャフト4bに沿って軸X’Xに沿った並進運動(矢印F1)が与えられ、対応する圧力をフェルール8bに働かせる。ピストン8aと支持体8cとの間に保持された2個の半フェルールによって構成されたフェルール8bは、円錐状部41に沿って摺動する半フェルールを用いて半径方向に離れて動き(矢印F2)、その時、遠心クラッチ7と密接な接触に入る。クラッチは、摩擦によって回転させられ、同時に、起動される設備の従動シャフト6を回転させる。
【0026】
ガスの圧力が所定の閾値より下がると直ぐに、戻りバネ9は、矢印F1と逆方向にフェルール8bを押すために十分な力を働かせ、フェルールとクラッチ7との間の接触が遮断され、従動シャフト6は、即座に係合解除される。
【0027】
本発明による緊急起動システムの容積式モータの別の実施例は、
図3aから
図3cの斜視図および断面図に例示されている。
【0028】
図3aを参照すると、容積式モータ100は、外面的に前述の容積式モータに類似し、ケーシング120は、2つの側壁20Lおよび20L’を有し、遠心クラッチ170は、駆動シャフトの周りでケーシングの円筒拡張部120aに搭載されている(
図3cを参照)。エンドプレート130は、モータが再起動される設備のケーシングに固定されることを可能にするために、リング12Bを介してこの円筒拡張部120aに搭載されている。ガス入口121は、ケーシング120の「上方」壁12Sにあることが分かる。
【0029】
図3bにおける横断面(
図3aにおける断面BB)において、ケーシング120は、−ジャケット124の内側に−駆動シャフト40aおよび40bを中心とする逆回転方向(矢印RaおよびRb)に回転することができる前述の実施例の2個のスパーピニオン3aおよび3bを収容する内部空間E11を画定する。入ってくるガス(矢印F8)は、偏向板125によって分離され、ジャケットは、開口部126を有し、ガスは、これを通って内部空間E11の内部で循環する可能性がある。駆動シャフト40bは、燃焼ガスの一部を送ることができる中心ボア4Aを有する。ケーシング120の2つの対向する側壁20Lおよび20L’は、実質的に対称である。「上方」壁12Sにおよび「下方」壁12Iにそれぞれ形成されたガス入口121およびガス出口122は、中間平面Pm内に延在し、壁20Lおよび20L’と平行である同じ対称軸A2を有する。ガスは、開口部126を介して放出される(矢印F10)。
【0030】
図3c(
図3aにおけるCCに沿った縦断面)を参照すると、−ベアリングP3およびP4に搭載された−駆動シャフト40bと遠心クラッチ170との間の回転接続手段は、円錐状ピストン18と、遠心クラッチ170に堅固に接続された環状部品19の内部に形成された対応する円錐状ハウジング18Lとによって構成されていることが分かる。螺旋状バネ90は、駆動シャフト40bの端部に堅固に接続されたストップ43から出て来るロッド42に沿って、ピストン18のボア180内に配置される。バネ90は、ストップ43と、ピストン18のボア180の底部に形成されたショルダ181との間に延在する。さらに、縦部14Lおよびラジアル部14Rを有する導管140は、ケーシング120のガス入口121を駆動シャフト40bの中心ボア4Aに接続する。
【0031】
燃焼ガスが発火剤ガスの燃焼によって放出されたとき、ガスの大部分がモータ100のピニオン3aおよび3bとシャフト4aおよび4bとを回転させる。次には、駆動シャフト4bは、ピストン18を駆動する。ガスの僅かな部分は、シャフト40bの中心ボア4Aに向かって、導管140を介して送られる(矢印F3、F4およびF5)。ガスは、その時、駆動シャフト40bの軸X’Xに沿って並進運動するピストン18のラジアル面18Rに向かって推進させられる(矢印F6)。ピストン18は、このピストンの円錐状ハウジング18Lの内部で密接な接触に入り、その時、環状部品19に堅固に接続されている遠心クラッチ170と一緒に、摩擦によって環状部品19を回転させる。
【0032】
前述の実施例と同様に、ガスの圧力が前記所定の閾値より下がると直ぐに、戻りバネ90は、矢印F6と逆方向にピストン18を押すために十分な力を働きかけ、ピストンとクラッチ170に堅固に接続されている部品19との間の接触が遮断され、起動される設備の従動シャフトは、クラッチ170と併せて、その時、係合解除される。
【0033】
本発明による緊急起動システム10の実施例の全体図が
図4に例示される。このシステムは、電子ユニット3、発火式
生成器5および容積式モータ100を備える。より厳密には、電子ユニット3は、電気導管11を介して、これ自体は剛性金属導管12を介してモータ100の入口121に接続された発火式
生成器5の点火カートリッジ52に接続されている。さらに、電子ユニット3は、電気導管13を介して、起動される設備のコンピュータ(図示せず)、実施例ではタービンエンジンに接続されている。ネジ15によって固定されたコネクタ14は、導管11から13と、電子ユニット3と、発火式
生成器5と、容積式モータ100との間で接続を行う。このモータ100は、起動される設備のシャフトを駆動するように駆動シャフト40bに連結された遠心クラッチ170を有する。
【0034】
図5において断面図によってより厳密に示されるように、電子ユニット3は、自律電力源としてのバッテリ31と、電子制御盤32とを収容する。この制御盤は、感熱コンポーネント33と、バッテリ31、感熱コンポーネント33、機能的なセルフテスト、および、発火式
生成器5のための点火カートリッジ52を始動させるアラームを管理するマイクロコントローラ34を組み込む。導管11および13は、コネクタ14を用いてユニット3に搭載されている。
【0035】
始動用アラームは、感熱コンポーネント33によって始動させられた、火災の可能性を検出するアラームを含み、これらのアラームは、速度センサまたは温度プローブによって供給されたデータに基づいてコンピュータによって制御される。
【0036】
有利な点として、電子盤32は、高温度値を監視し、コンピュータが運転安全性を損なうことなく耐用年数を決定することを可能にするために、マイクロコントローラ34によって管理された温度測定コンポーネント35を組み込む。
【0037】
発火式
生成器5の断面図は、
図6にさらに例示されている。この
生成器は、発火剤ブロック51が内部でスペーサ54上に配置されている金属本体部53で構成されている。抑制物質の層55がブロック51をこれの側面で取り囲む。金属キャップ56は、気密封止を確実にするために本体部53にしっかりと固定されている。点火カートリッジ52は、キャップ56内に形成された溝57にネジ込まれ、所定の温度より上で溶融できる先端部57aによって閉鎖されている。カートリッジ52によって点火された発火剤の燃焼ガスは、容積式モータ100につながる金属導管12(
図4を参照)に連結された調整済みノズル58の封止部58aを介して抜け出る。
【0038】
上述の単一の容積式モータ、すなわち、モータ1または100の実施例の変形として、
図7aおよび
図7bは、たとえば、モータ100と同じタイプの2個のスパーピニオンモータ101および102(
図7a)、または、ローラーモータもしくはベーンモータ200(断面に見える)およびスパーピニオンモータ102(
図7b)のいずれかをそれぞれに有する2段階容積式モータを断面で示す。
【0039】
発火式
生成器によって放出されたガスは、スパーピニオンモータ101(
図7a)によって、または、ローラー型もしくはベーン型モータ200(
図1b)によってそれぞれ構成され、スパーピニオンモータ102によって構成されるタンデム搭載された第2の段階に下流で結合された、第1の段階の入口121または221へ推し進められる(矢印F7)。第1の段階の出口122または222で、ガスが入口121に向かって(矢印F8)、かつ、ジャケット124を通って第2のモータ102の中へ(矢印F9)発射される。第2のモータ102は、有利な点として、第1のモータを阻害することを避けるように、第1のモータ101または200よりサイズが大きい。駆動シャフト400または第1のモータ101もしくは200のそれぞれの中央シャフト600は、第2のモータの駆動シャフト500が再起動される設備を駆動する間に第2のモータ102補助シャフト300に搭載される(矢印Ft)。ガスは、第2のモータ102の出口122を介して抜け出る(矢印F10)。
【0040】
緊急の際に起動される設備がHPスプールシャフトを有するタービンエンジンである場合、本発明によるシステムの容積式モータ1または100を搭載する実施例が
図8aから
図8cに例示される。
【0041】
図8aにおける斜視図を参照すると、容積式モータ1の駆動シャフト4bに挿入された従動シャフトは、タービンエンジン81のHPスプール80に搭載された補機ギアボックス71のシャフト61である。補機ギアボックス71は、冗長なバックアップスタータコンポーネントである電気スタータ91が取り付けられている。
【0042】
図8bにおける斜視図を参照すると、タービンエンジン81の従動シャフト62は、補機ギアボックス71のピニオンに堅固に接続されたベルハウジングに搭載されている。ベルハウジングは、容積式モータ100の遠心クラッチ170である。
【0043】
図8cにおける斜視図を参照すると、容積式モータ1の駆動シャフト4bに挿入された従動シャフトは、そのままタービンエンジン81のHPスプール80のHPシャフト82である。
【0044】
本発明は、説明され、かつ、例示された実施例に限定されない。
【0045】
たとえば、容積式モータにおいてケーシングの封止を管理する螺旋状にカットされたピニオン、または、「並列」ピニオンを使用することが可能である。
【0046】
摩擦結合の代替案として、その他の結合手段:オーバーランニングクラッチ、電磁ミラー(フーコー電流を使用する)、電気粘性もしくは磁気粘性流体の粘性結合が存在する。
【0047】
ピニオン型およびベーン型モータに加えて、軸方向プレートにおいてガイドスロットと結合された、ローラー型ロータが使用される可能性がある。
【0048】
たとえば、熱交換器および可変角度設定回路を有するエリクソンまたはスターリングサイクル熱エンジンまたは等価物のような設備の事例において、従動シャフトは、熱交換器組立体の制御シャフトであり、電子ユニットは、熱エンジンサイクルの加熱・凝縮サイクルの定積フェーズ中に付加的な適応型角度設定機能を組み込む。
【0049】
さらに、ピニオンの突起または歯の個数は、たとえば、2から8個(図示のとおり)、または、実にこれ以上の突起まで当然に変化する可能性がある。戻り手段は、少なくとも1つの螺旋バネ、少なくとも1つの金属ブレード、電磁石、およびピストン型ガスカートリッジから選択される可能性がある。始動用アラームは、感熱コンポーネントを用いて火災の可能性を検出するアラームを含み、アラームは、コンピュータによって制御される。
【0050】
さらに、電子盤は、高温度値を監視し、コンピュータが運転安全性を損なうことなく耐用年数を決定することを可能にするために、マイクロコントローラによって管理された温度測定コンポーネントを組み込む可能性がある。
【0051】
有利な点として、発火性ガス
生成器は、容積式モータのケーシングの入口導管に連結されたアーミング機構部によって駆動されたシリンダに搭載されたハウジング内にバッテリとして配置される可能性がある。