【実施例】
【0077】
(実施例1:ホモ二官能性リンカーNH
2[OCH
2CH
2]
2ONH
2の調製)
ホモ二官能性リンカーNH
2[OCH
2CH
2]
2ONH
2
【0078】
【化5】
【0079】
(3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン)(2つの活性アミノオキシ基を含む)を、Boturynら(Tetrahedron 1997; 53: 5485-92)に従い、一級アミンの改変ガブリエル合成を用いる二工程有機反応で合成した。第1の工程では、ジメチルホルムアミド(DMF)中、1分子の2,2−クロロジエチルエーテルを2分子のエンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミドと反応させた。所望のホモ二官能性生成物を、エタノール中、ヒドラジン分解によって生じた中間体から調製した。特に指定のない場合を除き、以下の実施例では、これをジアミノオキシリンカーという。
【0080】
(実施例2:ホモ二官能性リンカーNH
2[OCH
2CH
2]
4ONH
2の調製)
ホモ二官能性リンカーNH
2[OCH
2CH
2]
4ONH
2
【0081】
【化6】
【0082】
(3,6,9−トリオキサ−ウンデカン−1,11−ジオキシアミン)(2つの活性アミノオキシ基を含む)を、Boturynら(Tetrahedron 1997; 53: 5485-92)に従い、一級アミンの改変ガブリエル合成を用いる二工程有機反応で合成した。第1の工程では、DMF中、1分子のビス−(2−(2−クロルエトキシ)−エチル)−エーテルを2分子のエンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミドと反応させた。所望のホモ二官能性生成物を、エタノール中、ヒドラジン分解によって生じた中間体から調製した。
【0083】
(実施例3:アミノオキシ−PSAの調製)
Serum Institute of India(Pune, India)から得た酸化したPSA(分子量18.8kD)500mgを、50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH5.5)8mL中に溶解した。次に、3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン100mgを添加した。室温にて2時間振盪後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム44mgを添加した。4℃にてさらに4時間振盪後、この反応混合物をSlide-A-Lyzer(Pierce, Rockford, IL)透析カセット(3.5kD膜、再生セルロース)に注入し、PBS(pH7.2)に対して4日間透析した。この生成物を−80℃にて凍結した。本手順に従ったアミノオキシ−PSAの調製を、
図2に示す。
【0084】
(実施例4:アミノオキシ−PSAのrFIXへのカップリングおよび結合体の精製)
50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)6.3mL中に溶解したrFIX 12.6mgに、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)289μLを添加した。この混合物を、暗所下、4℃にて1時間振盪し、1Mグリセロール6.5μLの添加によって、室温にて15分間クエンチした。Vivaspin(Sartorius, Goettingen, Germany)濃縮器(30kD膜、再生セルロース)を用いた限外濾過/透析濾過(UF/DF)によって、低分子量の夾雑物を除去した。次に、アミノオキシ−PSA 43mgをUF/DF保留物に添加し、この混合物を4℃にて18時間振盪した。疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によって過剰なPSA試薬を除去した。冷却した反応混合物の電気伝導度を180mS/cmに上げ、5mL HiTrap Butyl FF(GE Healthcare, Fairfield, CT)HICカラム(1.6×2.5cm)に注入した。このカラムは、50mM HEPES、3M塩化ナトリウム、6.7mM塩化カルシウム、0.01%Tween80、pH6.9であらかじめ平衡化しておいた。結合体を、50mM HEPES、6.7mM 塩化カルシウム、0.005%Tween80、pH7.4を用いて、流速5mL/分にて2.4カラムボリューム(CV)内に溶出させた。調製物を、総タンパク質量(BCA)およびFIX発色活性を測定することによって解析評価した。PSA−rFIX結合体について、80.2IU/mgタンパク質の比活性が求められた(本来のrFIXと比べて56.4%)。本結果を表1にまとめる。
【0085】
【表1】
【0086】
(実施例5:求核触媒としてのアニリン存在下でのアミノオキシ−PSAのrFIXへのカップリング)
50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)1.4mL中に溶解したrFIX 3.0mgに、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)14.1μLを添加した。この混合物を、暗所下、4℃にて1時間振盪し、1Mグリセロール1.5μLの添加によって、室温にて15分間クエンチした。PD−10脱塩カラム(GE Healthcare, Fairfield, CT)を用いるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、低分子量の夾雑物を除去した。酸化したrFIX1.2mgを、50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)1.33mLに溶解し、これをアニリン(200mMストック水溶液)70μLと混合し、室温にて45分振盪した。次に、アミノオキシ−PSA 4.0mgを添加し、この混合物を室温にて2時間、さらに4℃にて16時間振盪した。1時間後、2時間後、および18時間後の反応終了時に、サンプルを取得した。次に、HICによって、過剰なPSA試薬および遊離rFIXを除去した。この冷却した反応混合物の電気伝導度を180mS/cmに上げ、5mL HiTrap Butyl FF(GE Healthcare, Fairfield, CT)HICカラム(1.6×2.5cm)に注入した。このカラムは、50mM HEPES、3M塩化ナトリウム、6.7mM塩化カルシウム、0.01%Tween80、pH6.9であらかじめ平衡化しておいた。結合体を、50mM HEPES、6.7mM塩化カルシウム、0.005%Tween80、pH7.4、流速5mL/分のリニアグラジエントで20CV内に溶出させた。
【0087】
(実施例6:アミノオキシ−PSAのrFIXへのカップリングおよびNaCNBH
3を用いた還元)
50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)5.25mL中に溶解したrFIX 10.5mgに、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)53μLを添加した。混合物を、暗所下、4℃にて1時間振盪し、1Mグリセロール5.3μLの添加によって、室温にて15分間クエンチした。Vivaspin(Sartorius, Goettingen, Germany)濃縮器(30kD膜、再生セルロース)を用いるUF/DFによって、低分子量の夾雑物を除去した。次に、アミノオキシ−PSA 35.9mgをUF/DF保留物に添加し、混合物を室温にて2時間振盪した。次に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム水溶液(5M)53μLを添加し、この反応をさらに16時間進行させた。次いで、HICによって、過剰なPSA試薬を除去した。この冷却した反応混合物の電気伝導度を180mS/cmに上げ、5mL HiTrap Butyl FF HIC(GE Healthcare, Fairfield, CT)カラム(1.6×2.5cm)に注入した。このカラムは、50mM HEPES、3M 塩化ナトリウム、6.7mM塩化カルシウム、0.01%Tween80、pH6.9であらかじめ平衡化しておいた。結合体を、50mM HEPES、6.7mM塩化カルシウム、0.005%Tween80、pH7.4を用いて、流速5mL/分にて2.4CV内に溶出させた。
【0088】
(実施例7:アミノオキシ−PSA(リンカー:NH
2[OCH
2CH
2]
4ONH
2)のrFIXへのカップリングおよび結合体の精製)
50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)2.8mL中に溶解したrFIX 5.6mgに、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(10mM)102μLを添加した。混合物を、暗所下、4℃にて1時間振盪し、1Mグリセロール2.9μLの添加によって、室温にて15分間クエンチした。Vivaspin(Sartorius, Goettingen, Germany)濃縮器(30kD膜、再生セルロース)を用いるUF/DFによって、低分子量の夾雑物を除去した。次いで、アミノオキシ−PSA19mgをUF/DF保留物に添加し、混合物を4℃にて18時間振盪した。HICによって過剰なPSA試薬を除去した。冷却した反応混合物の電気伝導度を180mS/cmに上げ、5mL HiTrap Butyl FF(GE Healthcare, Fairfield, CT)HICカラム(1.6×2.5cm)に注入した。このカラムは、50mM HEPES、3M塩化ナトリウム、6.7mM塩化カルシウム、0.01%Tween80、pH6.9であらかじめ平衡化しておいた。結合体を、50mM HEPES、6.7mM塩化カルシウム、0.005%Tween80、pH7.4を用いて、流速5mL/分にて2.4CV内に溶出させた。
【0089】
(実施例8:アミノオキシ−PSAのrFVIIIへのカップリング)
Hepesバッファー、pH6(50mM Hepes、5mM CaCl
2、150mM NaCl、0.01%Tween)11mL中に溶解したrFVIII 11mgに、10mM過ヨウ素酸ナトリウム57μLを添加した。混合物を、暗所下、4℃にて30分振盪し、1Mグリセロール水溶液107μLを加えることによって、4℃にて30分間クエンチした。次いで、アミノオキシ−PSA(18.8kD)19.8mgを添加し、この混合物を4℃にて一晩振盪した。8M酢酸アンモニウムを含むバッファー(8M酢酸アンモニウム、50mM Hepes、5mM CaCl
2、350mM NaCl、0.01%Tween80、pH6.9)を最終濃度が2.5Mの酢酸アンモニウムになるまで添加することによって、イオン強度を上昇させた。次に、反応混合物を、平衡化バッファー(2.5M酢酸アンモニウム、50mM Hepes、5mM CaCl
2、350mM NaCl、0.01% Tween80、pH6.9)で平衡化したHiTrap Butyl FF(GE Healthcare, Fairfield, CT)カラムに注入した。この生成物を、溶出バッファー(50mM Hepes、5mM CaCl
2、0.01%Tween80、pH7.4)で溶出させ、溶出液を30,000MWCOを備えたVivaspin(Sartorius, Goettingen, Germany)装置を用いて遠心濾過によって濃縮した。
【0090】
(実施例9:ホモ二官能性リンカーNH
2[OCH
2CH
2]
6ONH
2の調製)
ホモ二官能性リンカーNH
2[OCH
2CH
2]
6ONH
2
【0091】
【化7】
【0092】
(3,6,9,12,15−ペンタオキサ−ヘプタデカン−1,17−ジオキシアミン)(2つの活性アミノオキシ基を含む)を、Boturynら(Tetrahedron 1997; 53: 5485-92)に従い、一級アミンの改変ガブリエル合成を用いる二工程有機反応で合成した。第1の工程では、DMF中、1分子のヘキサエチレングリコールジクロライドを2分子のエンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミドと反応させた。所望のホモ二官能性生成物を、エタノール中、ヒドラジン分解によって、生じた中間体から調製した。
【0093】
(実施例10:マレイミド/アミノオキシリンカーシステムを用いたrFIXのポリシアル酸化)
A.修飾試薬の調製
アミノオキシ−PSA試薬を、マレイミド/アミノオキシリンカーシステム(Toyokuniら、Bioconjugate Chem 2003; 14, 1253-9)を用いることによって調製する。遊離末端SH基を含むPSA−SH(20kD)は、二工程の手順を用いて調製する:a)NH
4Clでの酸化したPSAの還元的アミノ化によるPSA−NH
2の調製(WO 05016973 Alに従う)およびb)末端の一級アミノ基と2−イミノチオラン(トラウト試薬/Pierce, Rockford, IL)との反応によるスルフヒドリル基の導入(US7645860に記載の通り)。PSA−SHを、PBSバッファー中、pH7.5にてリンカーのマレイミド基にカップリングさせる(10倍モル過剰のリンカーおよび50mg/mLのPSA−SH濃度を使用)。反応混合物を室温にて穏やかな振盪下、2時間インキュベートする。次いで、過剰なリンカー試薬を除去し、アミノオキシ−PSAを透析濾過によって酸化バッファー(50mMリン酸ナトリウム、pH6.0)にバッファー交換する。バッファーをPellicon XL5kD 再生セルロース膜(Millipore, Billerica, MA)を用いて25回交換する。
【0094】
B.NaIO
4での事前酸化後のrFIXの修飾
rFIXを、バッファー中に100μM過ヨウ素酸ナトリウムを用いた50mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.0)中で酸化する。この混合物を、暗所下、4℃にて1時間振盪し、グリセロールを最終濃度5mMとなるように添加して、室温にて15分間クエンチした。PD−10脱塩カラム(GE Healthcare, Fairfield, CT)を用いた。次いで、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、低分子量の夾雑物を除去した。酸化したrFIXを、アニリンに添加して10mMの最終濃度として、5倍モル過剰のPSAとなるようにアミノオキシ−PSA試薬と混合する。反応混合物を、暗所下、室温にて穏やかな振盪の下、2時間インキュベートした。
【0095】
C.結合体の精製
HICによって、過剰なPSA試薬および遊離rFIXを除去する。この反応混合物の電気伝導度を180mS/cmに上げ、48mL Butyl - Sepharose FF(GE Healthcare, Fairfield, CT)を充填したカラムに注入する。このカラムは、50mM Hepes、3M 塩化ナトリウム、6.7mM 塩化カルシウム、0.01%Tween80、pH6.9であらかじめ平衡化しておいた。その後、結合体を、60%溶出バッファー(50mM Hepes、6.7mM塩化カルシウム、pH7.4)のリニアグラジエントにて40CV内に溶出させる。最終的に、PSA−rFIX含有画分を集め、再生セルロース製の30kD膜(Millipore)の使用によって、UF/DFに供する。この調製物を、総タンパク質量(BCA)およびFIX発色活性を測定することによって解析評価した。両改変体を用いて調製したPSA−rFIX結合体について、本来のrFIXと比べて50%を上回る比活性が求められた。
【0096】
(実施例11:アミノオキシ−PSA試薬の調製)
実施例3に従って、アミノオキシ−PSA試薬を調製した。最終生成物は、5kD膜(再生セルロース、Millipore)を用いて、pH7.2のバッファー(50mM Hepes)に対して透析濾過し、−80℃にて凍結し、凍結乾燥した。凍結乾燥後、この試薬を適切な容量の水に溶解し、糖質修飾を介するPSA−タンパク質結合体の調製に用いた。
【0097】
(実施例12:アミノオキシ−PSA試薬の合成の詳細)
Botyrynら(Tetrahedron 1997; 53: 5485-92)に従って、実施例1に概説した二工程有機合成にて、3−オキサ−ペンタン−1,5ジオキシアミンを合成した。
【0098】
工程1:
無水N,N−ジメチルホルムアミド700mL中のエンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミド(59.0g;1.00eq)の溶液に、無水K
2CO
3(45.51g;1.00eq)および2,2−ジクロロジエチルエーテル(15.84mL;0.41eq)を添加した。この反応混合物を50℃にて22時間撹拌した。この混合物を減圧下、乾燥するまで蒸発させた。残渣をジクロロメタン2L中に懸濁し、飽和NaCl水溶液(各1L)で2回抽出した。ジクロロメタン層をNa
2SO
4で乾燥させ、次いで、減圧下、乾燥するまで蒸発させ、高真空中で乾燥させ、3−オキサペンタン−1,5−ジオキシ−エンド−2’,3’−ジカルボキシジイミドノルボルネン64.5gを黄色がかった白の固体(中間体1)として得た。
【0099】
工程2:
無水エタノール800mL中の中間体1(64.25g;1.00eq)の溶液に、ヒドラジン水和物31.0mL(4.26eq)を添加した。次いで、この反応混合物を2時間還流した。混合物を、減圧下、溶媒を蒸発させることによって、開始容量の半分に濃縮した。生成した沈殿物を濾別した。残存するエタノール層を、減圧下、乾燥するまで蒸発させた。粗生成物である3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンを含む残渣を真空中で乾燥させ、46.3gを得た。この粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル60;ジクロロメタン/メタノール混合物、9+1の定組成溶離)によってさらに精製し、精製した最終生成物の3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン11.7gを得た。
【0100】
(実施例13:アミノオキシ−PSAポリマーの調製)
酸化したコロミン酸(23kDa)1.3gは、50mM酢酸ナトリウム(pH5.5±0.02)18mL中に溶解した。20倍モル過剰の1,11−ジアミノ−3,6,9−トリオキサウンデカン(3,6,9−トリオキサ−ウンデカン−1,11−ジオキシアミンともよばれる)を、最小量の50mM酢酸ナトリウム(pH5.5±0.02)中に溶解し、PSA溶液に加えた。最終的なコロミン酸の濃度は62.5mg/mLであった。この反応混合物を、穏やかなミキサー(1分あたり22の振動)上で、22±1.0℃にて2±0.1時間インキュベートした。この後、上記反応混合物に160mg/mL NaCNBH
3溶液0.65mLを加え、最終濃度を5.00mg/mLとした。これを、混合のための十分なヘッドスペースを持つエンドトキシンフリーの気密容器内で、シェーカー(1分あたり22の振動)上で、4.0±1.0℃にて3.0±0.20時間インキュベートした。精製のために、サンプルを2mMトリエタノールアミン(pH8.0±0.02)で希釈し、20mg/mLの最終コロミン酸濃度とした。反応混合物を脱塩し、過剰な1,11−ジアミノ−3,6,9−トリオキサウンデカン、NaCNBH
3、および反応の副生物を除去した。これに引き続いて、20mMトリエタノールアミンバッファー(pH8.0±0.02)を用いてSephadex G25カラムで脱塩した。脱塩したサンプルのpHを、pH7.8〜8.0に調整し、20mM TEA pH8.0で1回、2mMトリエタノールアミン(TEA)pH8.0で2回、限外濾過/透析濾過した。このサンプルを凍結乾燥し、−80℃にて保存した。
【0101】
あるいは、脱塩および限外濾過/透析濾過(UF/DF)工程の間、高塩濃度下で精製を行った。高塩濃度下での陰イオン交換クロマトグラフィーもまた用いて、高純度のアミノオキシ−PSAを作製した。同様にして、種々の分子量のアミノオキシ−PSAを合成した。
【0102】
(実施例14:ジアミノオキシ(3,6,9−トリオキサ−ウンデカン−1,11−ジオキシアミン)−PSAのβ−ガラクトシダーゼへのカップリング)
β−ガラクトシダーゼ(β−Gal)の酸化のために、種々の濃度(0.157mMから2mMまで及ぶ)のNaIO
4を用いた。β−Gal 0.5mgを、5.75の酸性pHのもと、暗所下、4℃にて30分間酸化した。最終濃度が5mMとなるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したβ−GalとジアミノオキシPSAポリマー(22kDa)とを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度は1.25mMであり、一方、β−Galの濃度は0.125mg/mL〜0.76mg/mLまで及んだ。全ての反応をpH5.75で行った。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応を4℃にて実施し、1、2、および24時間の期間でサンプルを集めた。結合体を、SDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、このことを、ウエスタンブロッティングによっても確認した。
【0103】
最良の反応条件に基づき、β−Gal 1.9mgを、1.5mM NaIO
4を用いて、4℃にて30分間酸化し、次いで、最終濃度が5mMとなるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したβ−GalとジアミノオキシPSAポリマーとを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物のポリマーおよびタンパク質の最終濃度はそれぞれ1.25mMおよび0.76mg/mLであった。反応混合物中の最終pHはおよそ5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応を4℃にて2時間実施した。精製および非精製の結合体を、SDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、このことを、抗PSA抗体を用いたウエスタンブロッティングによっても確認した。オールインワンβGalアッセイキット(Pierce)を用いると、PSA−βGal結合体のインビトロでの活性は、本来のタンパク質に匹敵した。アルデヒドリンカーケミストリーを用いて作製した比較結合体では50%未満の活性を観察した。さらに、プロセス全体を3倍までスケールアップした。
【0104】
(実施例15:ジアミノオキシ−PSAのフェチュインへのカップリング)
フェチュインを、10mM NaIO
4を用いて、暗所下、4℃にて60分間酸化し、10mMの最終濃度となるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したフェチュインとジアミノオキシPSAポリマー(23kDa)とを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度はpH5.75で2.5mMであった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。この反応で最終タンパク質濃度は0.714mg/mLであり、反応を4℃にて2時間実施した。これらの結合体を、SDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、このことを、ウエスタンブロッティングによっても確認した。
【0105】
スケールアップ反応のために、フェチュイン5mgを、10mM NaIO
4を用いて、暗所下、4℃にて60分間酸化し、次いで、最終濃度が10mMとなるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したフェチュインとジアミノオキシPSAポリマー(23kDa)とを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度は5.75のpHで2.5mMであった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応を4℃にて実施し、2時間後にサンプルを集めた。精製および非精製の結合体を、SDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、このことを、ウエスタンブロッティングによっても確認した。
【0106】
(実施例16:求核触媒として作用するアニリンを用いたジアミノオキシ−PSAのフェチュインへのカップリング)
フェチュイン0.2mgを、10mM NaIO
4を用いて、暗所下、4℃にて30分間酸化し、次いで、最終濃度が5mMとなるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したフェチュインとジアミノオキシPSAポリマー(23kDa)とを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度は1.25mMであった。反応混合物の最終pHは5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。この反応で最終タンパク質濃度は0.125mg/mLであった。200mMアニリン溶液84.21μLを反応混合物1.6mLに加えた。反応を4℃にて一晩実施した。
【0107】
(実施例17:ジアミノオキシ−PSAのエリスロポイエチン(EPO)へのカップリング)
EPO 0.2mgを、10mM NaIO
4を用いて、4℃にて30分間酸化した。最終濃度が5mMとなるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したEPOと23kDaのジアミノオキシポリマーとを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度は1.25mMであった。反応混合物中のEPOの最終濃度は0.125mg/mLであった。反応混合物の最終pHは5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応を4℃にて24時間実施した。非精製の結合体を、SDS PAGEを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られた。
【0108】
(実施例18:求核触媒として作用するアニリンを用いたジアミノオキシ−PSAのEPOへのカップリング)
EPO 0.2mgを、10mM NaIO
4を用いて、4℃にて30分間酸化した。最終濃度が5mMとなるようにNaHSO
3を添加することにより、酸化を停止させた。酸化したEPOとジアミノオキシPSAポリマー(22kDa)とを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度は1.25mMであった。反応混合物の最終pHは5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。この反応で最終タンパク質濃度は0.125mg/mLであった。200mMアニリン溶液84.21μLを反応混合物1.6mLに加えた。反応を4℃にて一晩実施した。結合体を、SDS PAGEを用いて特徴付けた。この結合体でバンドの移動が見られた。この結合体の活性において、アニリンの悪影響は観察されなかった。
【0109】
(実施例19:ジアミノオキシ−PSAのDNA分解酵素へのカップリング)
DNA分解酵素の糖ポリシアル酸化のために、ウシ膵臓DNA分解酵素を結合体化反応に用いた。このDNA分解酵素のソースは凍結乾燥粉末として供給され、−20℃にて保存した。反応前に、本凍結乾燥粉末を酢酸ナトリウムバッファー(pH5.75)中に溶解した。糖ポリシアル酸化に用いたポリマーは、10kDa〜22kDaの範囲の分子量を有した。DNA分解酵素のグリコン部分の酸化のために、NaIO
4を酸化剤として1mMの最終濃度で用いた。5.75の酸性pHのもと、4℃にて30分間、DNA分解酵素を酸化した。最終濃度が2mMとなるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化が完了した後、ジアミノオキシPSAポリマーを1.25mMの最終濃度となるように添加することによって、結合体化反応を実施した。最終濃度が50mMまたは3.17mg/mLとなるようにNaCNBH
3を反応混合物に添加し、DNA分解酵素のポリシアル酸化を、4.0±1.0℃にて少なくとも2時間実施した。反応をポリマーに対して25倍モル過剰のTrisで停止させた。結合体を、SDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、ウエスタンブロッティングから陽性結果を得た。活性は95%であると測定された(アルデヒドリンカーケミストリーを用いて作製した比較結合体で観察した50%以下と比較して)。
【0110】
(実施例20:ジアミノオキシ(3オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミンリンカー)−PSAのβ−ガラクトシダーゼへのカップリング)
β−ガラクトシダーゼの酸化のために、2mMの濃度でNaIO
4を用いた。β−ガラクトシダーゼ 3mgを5.75の酸性pHのもと、4℃にて30分間酸化し、次いで、最終濃度が2mMとなるようにNaHSO
3を添加することにより、酸化を停止させた。酸化したβ−ガラクトシダーゼとジアミノオキシPSAポリマー(23kDa)とを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度は1.5mMであった。反応混合物中のβ−ガラクトシダーゼの最終濃度は0.867mg/mLであった。反応混合物の最終pHはおよそ5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応を4℃にて2時間実施した。結合体を、SDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、ウエスタンブロッティングから陽性結果を得た。
【0111】
(実施例21:ヒドラジド−コロミン酸の調製)
本発明者らは、アジピン酸ジヒドラジドを用いてPSA−ヒドラジド(コロミン酸−ヒドラジド)を調製するため、以下のプロトコールを用いた。他のPSA−ヒドラジドを作製するために類似の方法を用いた。
1 活性化コロミン酸1gを20mM酢酸ナトリウム(pH5.5±0.02)約10mL中に溶解する。最終的なコロミン酸の濃度は62.5mg/mLとする。
2 25倍モル過剰(酸化したコロミン酸「CAO」に対して)のアジピン酸ジヒドラジド(分子量174.2g)を最小量の20mM酢酸ナトリウム(pH5.5±0.02)中に溶解し、1の溶液に加える。
3 添加するアジピン酸ジヒドラジド量
【0112】
【数1】
【0113】
4 アジピン酸ジヒドラジド溶液を加えた後、コロミン酸の容量を最終濃度が62.5mg/mLとなるように酢酸ナトリウムで補充する。したがって、総反応容量は16mLである。
5 反応混合物を、シェーカー(1分あたり22振動)上で、22.0±1.0℃にて2±0.1時間インキュベートする。
6 濃縮したNaCNBH
3溶液(165mg/mL)を調製し、0.5mLを1の溶液に加えて、最終反応混合物中のこの最終濃度が5.0mg/mLとなるようにする。反応混合物を、シェーカー(1分あたり22振動)上で、4.0±1.0℃にて3.0±0.20時間インキュベートする。
7 適切な混合のために50mL余分ヘッドスペース(反応混合物が容器の蓋に触れないよう十分なスペースがある)を持つエンドトキシンフリーの気密容器内に反応混合物を保存する。
8 4℃にて3時間反応後、2mMトリエタノールアミン(pH8.0±0.02)でサンプルを希釈し(50mLまでボリュームアップする)、最終コロミン酸濃度を20mg/mLとする。
9 反応混合物を脱塩し、ポリマーから過剰な未処理のアジピン酸ジヒドラジド、NaCNBH
3などを除去する。これは、GPC(XK 50 Sephadex G-25 medium matrix;1.8mgCA/mLマトリックス以下;ベッド高35cm;カラムボリューム687mL)によって、UV224nmおよび電気伝導度を観察することによってなされ得る。脱塩は20mMトリエタノールアミン(pH8.0±0.02)バッファーを用いて実施する。
10 脱塩後、コロミン酸−ヒドラジドは、限外濾過1サイクル、20mM TEA(pH8.0±0.02)を用いた透析濾過1サイクル、および2mM TEA(pH8.0±0.02)を用いた透析濾過少なくとも3サイクルに供する。これは3kDaのVivaflowカセットを用いてなされ得る。
11 脱塩したサンプルのpHをpH7.8〜8.0に調整する。必要に応じて、このサンプルを凍結乾燥し、引き続き再乾し、過剰な湿気を除去する。
【0114】
(実施例22:ヒドラジド−PSAのエリスロポイエチンへのカップリング)
エリスロポイエチン(EPO)の酸化のために、NaIO
4を10mMの濃度で用いた。EPO(1mg)を、pH5.75で4℃にて30分間酸化し、次いで、最終濃度が5mMとなるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したEPOとヒドラジド−PSAポリマーとを用いて、結合体化反応を実施した。結合体化に用いたヒドラジド−PSAの分子量は24.34kDaであった。反応混合物中のヒドラジド−PSAの最終濃度は1.25mMであった。反応混合物中のEPOの最終濃度は0.125mg/mLであった。反応混合物の最終pHはおよそ5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応を4℃にて24時間実施した。結合体を、SDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、ウエスタンブロッティングから陽性結果を得た。
【0115】
(実施例23:ヒドラジド−PSAのβ−ガラクトシダーゼへのカップリング)
β−ガラクトシダーゼ(0.5〜4.5mg)を、0.625〜2mMのNaIO
4を用いて、4℃にて30分間酸化した。最終濃度が5mMとなるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したβ−ガラクトシダーゼと24.34kDa〜27.9kDaまで及ぶヒドラジド−PSAとを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のヒドラジド−PSAの最終濃度は1.25mMであった。反応混合物中のβ−ガラクトシダーゼの最終濃度は0.125mg/mL〜0.76mg/mLまでの範囲内であった。反応混合物の最終pHはおよそ5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応を4℃にて実施し、1、2、および24時間でサンプルを集めた。精製および非精製の結合体を、SDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、ウエスタンブロッティングから陽性結果を得た。活性は84%であると測定された。アルデヒドリンカーケミストリーを用いて作製した比較結合体で50%未満の活性を観察した。
【0116】
(実施例24:ヒドラジド−PSAのフェチュインへのカップリング)
フェチュイン(0.25mg)を、NaIO
4(5または10mM)を用いて、4℃にて30または60分間酸化した。酸化に用いたNaIO
4の濃度に一致させるのに適当であるように、最終濃度が5または10mMとなるようにNaHSO
3を添加することにより、酸化を停止させた。酸化したフェチュインとアジピン酸ジヒドラジド−PSAポリマーとを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度は1.25〜2.5mMの間であった。反応混合物の最終pHは5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応を4℃にて1時間〜4時間実施した。結合体をSDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。反応条件の各セットにつき、SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、ウエスタンブロッティングから陽性結果を得た。
【0117】
フェチュイン5mgのスケールアップ反応、引き続き、生じた結合体の精製を実施した。フェチュイン5mgを、10mM NaIO
4を用いて、4℃にて60分間酸化し、次いで、10mMの最終濃度となるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したフェチュインとアジピン酸ジヒドラジド−PSAポリマーとを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度は2.5mMであった。反応混合物の最終pHはおよそ5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応を4℃にて実施し、2時間でサンプルを集めた。精製および非精製の結合体を、SDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、ウエスタンブロッティングから陽性結果を得た。
【0118】
(実施例25:ヒドラジド−PSAのDNA分解酵素へのカップリング)
DNA分解酵素を、0.2mM〜2mMまで及ぶ最終濃度になるようNaIO
4を用いて、4℃にて30分間酸化した。酸化に用いたNaIO
4の濃度に依存する2〜5mMの間の最終濃度となるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したDNA分解酵素に1.25mMの最終濃度となるようヒドラジド−PSAポリマーを添加することによって、酸化したDNA分解酵素の糖ポリシアル酸化を実施した。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加し、DNA分解酵素の糖ポリシアル酸化を、4℃にて1時間から2時間に及ぶ期間実施した。反応をポリマーに対して25倍モル過剰のTrisで停止させた。結合体を、SDS PAGEおよびウエスタンブロッティングを用いて特徴付けた。SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られ、ウエスタンブロッティングから陽性結果を得た。活性は49%であると測定された。
【0119】
(実施例26:アミノオキシリンカー(3−オキサ−ペンタン−1,5−ジオキシアミン)を用いたβ−ガラクトシダーゼのPEG化)
β−ガラクトシダーゼ(1mg)を、1.5mMのNaIO
4を用いて、4℃にて30分間酸化した。最終濃度が1.5mMとなるようにNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。
【0120】
酸化したβ−ガラクトシダーゼとジアミノオキシ−PEGポリマー(20kDa)とを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度は1.25mMであった。反応混合物中のβ−ガラクトシダーゼの最終濃度は1mg/mLであった。反応混合物の最終pHはおよそ5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応を4℃にて2時間実施した。非精製の結合体を、SDS PAGEを用いて特徴付け、SDS PAGEにおいて結合体に関してバンドの移動が見られた。活性は59%であると測定された。
【0121】
(実施例27:アミノオキシリンカーを用いたエリスロポイエチンのPEG化)
エリスロポイエチン(EPO;0.2mg)を、5または10mMのNaIO
4を用いて、50mMの酢酸ナトリウム(pH5.75)中で4℃にて45分間酸化し、次いで、(酸化に用いられたNaIO
4の濃度に一致させるように)5mMまたは10mMの最終濃度となるようNaHSO
3を添加することによって、酸化を停止させた。酸化したEPOとジアミノオキシ−PEGポリマー(20kDa)とを用いて、結合体化反応を実施した。反応混合物中のポリマーの最終濃度は1.5mMであった。反応混合物の最終pHはおよそ5.75であった。50mMまたは3.17mg/mLの濃度となるように、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加した。反応の最終タンパク質濃度は0.4mg/mLであった。結合体化反応を4℃にて一晩実施した。
【0122】
したがって、本発明は、血液凝固タンパク質以外の化合物と、水溶性ポリマー、特に、PSAおよびmPSA、との結合体を提供する。