特許第6208273号(P6208273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6208273相乗り支援システム、相乗り支援方法、及び、相乗り支援装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208273
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】相乗り支援システム、相乗り支援方法、及び、相乗り支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20170925BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20170925BHJP
【FI】
   G06Q50/30
   G06Q30/06
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-55271(P2016-55271)
(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公開番号】特開2017-168047(P2017-168047A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2016年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】516083391
【氏名又は名称】株式会社森岡産業
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】特許業務法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森岡 航
【審査官】 谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−035043(JP,A)
【文献】 特開2009−181530(JP,A)
【文献】 特開2009−211526(JP,A)
【文献】 【Interview】この春再スタート!国内最大ライドシェアサービス「notteco」の未来を追う,[online],東京産業新聞社,2015年 6月 5日,第2頁第16行〜第18行,[検索日 2017.04.27]インターネット<URL:http://getnews.jp/archives/988643>
【文献】 のってこ!ヘルプ,[online],株式会社ターンタートル,2015年 4月 3日,第6頁ドライブ評価の欄,[検索日 2017.04.27],インターネット<URL:https://web-beta.archive.org/web/20150403044116/http://notteco.jp:80/help>
【文献】 ヒッチハイクをネットでシェア レビュー機能で体験障壁を低くする,ビジネスチャンス 2016 2月号,(株)ビジネスチャンス,2015年12月22日,第26巻第2号,通巻267号,p.24
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所有するユーザ端末と、車両側に設置され、該ユーザ端末と通信接続が可能な車両端末とを備え、ユーザに相乗り可能な車両を提供する相乗り支援システムであって、
ユーザ端末が、
ユーザの希望する出発地及び/又は目的地を含む希望条件を入力する希望条件入力手段と、
入力された希望条件を送信する希望条件送信手段と、
配車可能な車両に関する車両情報を受信する車両情報受信手段と
を備え、
車両端末が、
ユーザの希望する出発地及び/又は目的地を含む希望条件を受信する希望条件受信手段を備え、
相乗り支援システムが、
車両の現在位置、及び、希望条件に基づいて、ユーザに配車可能な車両を抽出する車両抽出手段と、
抽出された配車可能な車両に関する車両情報を送信する車両情報送信手段と、
同一の車両に相乗りした他のユーザについてのユーザからの評価を受け付ける評価受付手段と、
受け付けた他のユーザの評価に関する評価情報を記憶する評価情報記憶手段と
車両に乗車したユーザの座席位置と、ユーザを一意に識別可能な識別情報とを対応づけて記憶する座席位置記憶手段とを備え、
評価受付手段が、ユーザ端末又は車両端末の表示画面に表示された、相乗りした他のユーザの座席位置を選択したうえで、ユーザからの評価を受け付けるものであり、
評価情報記憶手段が、選択された座席位置に対応する識別情報を有する他のユーザの評価として、受け付けた評価情報を記憶する、
相乗り支援システム。
【請求項2】
ユーザ端末が、
車両情報受信手段により受信した配車可能な車両にて、相乗り候補である他のユーザの評価に関する評価情報を受信するユーザ情報受信手段と、
配車可能な車両の配車要求を送信する配車要求送信手段と
を備え、
車両端末が、
配車要求を受信する配車要求受信手段
を備える、請求項1に記載の相乗り支援システム。
【請求項3】
相乗り支援システムが、
ユーザの座席位置をユーザの乗車順及び降車順により特定する座席位置特定手段を備え、
評価受付手段が、特定された座席位置を、ユーザ端末又は車両端末の表示画面に表示することにより、相乗りした他のユーザについてのユーザからの評価を受け付けるものである、請求項1又は2に記載の相乗り支援システム。
【請求項4】
相乗り支援システムが、
ユーザの評価情報に基づいて、ユーザに所定の特典を付与する特典付与手段を備える、請求項1〜のいずれかに記載の相乗り支援システム。
【請求項5】
車両抽出手段が、車両の現在位置、及び、ユーザの出発地と相乗り候補である他のユーザの出発地との比較、ユーザの目的地と該他のユーザの目的地との比較、又は、ユーザの出発地から目的地へと至る経路と該他のユーザの出発地から目的地へと至る経路との比較に基づいて、ユーザに配車可能な車両を抽出する、請求項1〜のいずれかに記載の相乗り支援システム。
【請求項6】
車両抽出手段が、ユーザの評価情報と相乗り候補である他のユーザの評価情報との比較に基づいて行なわれる、請求項に記載の相乗り支援システム。
【請求項7】
ユーザが所有するユーザ端末と、車両側に設置され、該ユーザ端末と通信接続が可能な車両端末とを備えた相乗り支援システムにおいて、ユーザに相乗り可能な車両を提供するための相乗り支援方法であって、
ユーザ端末に、
ユーザの希望する出発地及び/又は目的地を含む希望条件を入力するステップと、
入力された希望条件を送信するステップと、
配車可能な車両に関する車両情報を受信するステップと
実行させ
車両端末に、
ユーザの希望する出発地及び/又は目的地を含む希望条件を受信するステップを実行させ
相乗り支援システムに、
車両の現在位置、及び、希望条件に基づき、ユーザに配車可能な車両を抽出するステップと、
抽出された配車可能な車両に関する車両情報を送信するステップと、
同一の車両に相乗りした他のユーザについてのユーザからの評価を受け付けるステップと、
受け付けた他のユーザの評価に関する評価情報を記憶手段に記憶するステップと
車両に乗車したユーザの座席位置と、ユーザを一意に識別可能な識別情報とを対応づけて記憶するステップとを実行させ、
評価を受け付けるステップが、ユーザ端末又は車両端末の表示画面に表示された、相乗りした他のユーザの座席位置を選択したうえで、ユーザからの評価を受け付けるステップであり、
評価情報を記憶手段に記憶するステップが、選択された座席位置に対応する識別情報を有する他のユーザの評価として、受け付けた評価情報を記憶するステップである、
相乗り支援方法。
【請求項8】
ユーザが所有するユーザ端末、及び、車両側に設置された車両端末と通信接続が可能であり、ユーザに相乗り可能な車両を提供するための相乗り支援装置であって、
ユーザの希望する出発地及び/又は目的地を含む希望条件をユーザ端末から受信する希望条件受信手段と、
車両の現在位置、及び、受信した希望条件に基づき、ユーザに配車可能な車両を抽出する車両抽出手段と、
抽出された配車可能な車両に関する車両情報をユーザ端末に送信する車両情報送信手段と、
同一の車両に相乗りした他のユーザについてのユーザからの評価を受け付ける評価受付手段と、
受け付けた他のユーザの評価に関する評価情報を記憶する評価情報記憶手段と
車両に乗車したユーザの座席位置と、ユーザを一意に識別可能な識別情報とを対応づけて記憶する座席位置記憶手段とを備え、
評価受付手段が、ユーザ端末又は車両端末の表示画面に表示された、相乗りした他のユーザの座席位置を選択したうえで、ユーザからの評価を受け付けるものであり、
評価情報記憶手段が、選択された座席位置に対応する識別情報を有する他のユーザの評価として、受け付けた評価情報を記憶する、
相乗り支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の相乗りを希望するユーザに相乗り可能な車両を提供する相乗り支援システム、相乗り支援システム、相乗り支援方法、及び、相乗り支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、日常生活における移動手段として多く利用されているものは、電車及び路線バスなどの交通機関である。電車や路線バスは大量輸送が可能であるため運賃が安いが、その一方で、小回りと融通が利かず、特に地方都市においては、路線数や運行本数の少なさなどから、利用者を満足させるような移動手段たり得ていない。
【0003】
小回りや融通が利き、利用者に「Door to Door」のサービスを提供できるものとして、タクシーやハイヤーがある。しかし、タクシー等は、電車等に比べて利用料金が高いため、日常的に利用することは難しい。
【0004】
ところで、タクシー等における利用者一人当たりの支払い料金を低額にするための方法として、従来から、タクシー乗り場などで乗車待ちをしている者の中から、目的地などを同じくする者を集い、目的地などを同じくする者同士で1台のタクシー等に相乗りをすることが行なわれている。しかし、このような乗客主導の相乗りは、目的地などを同じくする者同士が、同一の場所にいないと成立せず、相乗りを希望したとしても、確実に相乗りが可能となるわけではないという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するため、相乗り可能なタクシー等を、相乗り希望者に提供するシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、ユーザの希望条件を満たす相乗り相手を検索し、検索結果をユーザの所持する端末に表示させ、相乗り終了後に、相乗り相手の属性(例えば、性別や年代など)に対する評価をユーザに実施させる相乗り支援システムが開示されている。特許文献1には、さらに、ユーザの希望条件を満たす相乗り相手がいないときには、ユーザの希望条件の項目数を減らして、相乗り相手を再検索し、ユーザが過去に同乗した相乗り相手の性別や年代に対する評価からユーザの優先条件を設定し、優先条件を満たす相乗り相手が上位にくるように、検索結果をユーザの端末に表示させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−35044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のような相乗り支援システムを用いて相乗りをする場合、見知らぬ者同士が狭い空間を共有することになるため、相乗り相手がどのような人物であるかによって、ユーザの満足度が異なってくる。そのため、特許文献1では、ユーザが過去に同乗した相乗り相手の性別や年代に関する評価から、ユーザが重要視している希望条件を優先条件として設定し、優先条件を満たす相乗り相手が上位にくるようにユーザの端末に表示させることで、ユーザの満足度を向上させている。
【0008】
しかし、相乗り相手がユーザの希望する性別や年代を満たす人物であったとしても、相乗り相手がマナーの悪い人物であった場合、ユーザの満足度は著しく低下する。相乗り相手のマナーが悪いと、乗客同士のトラブルに発展する可能性もあるため、相乗り相手が一定以上のマナーを有することが、相乗りを希望するユーザにとって重要であるが、特許文献1の相乗り支援システムは、ユーザのこのような要望に応えられるものではなかった。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の課題は、相乗りをする各ユーザにマナーを守ることを意識させ、各ユーザに快適な移動空間を提供することが可能な、ユーザ満足度の高い相乗り支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の要旨は、以下の通りである。
【0011】
[1]ユーザが所有するユーザ端末と、車両側に設置され、該ユーザ端末と通信接続が可能な車両端末とを備え、ユーザに相乗り可能な車両を提供する相乗り支援システムであって、ユーザ端末が、ユーザの希望する出発地及び/又は目的地を含む希望条件を入力する希望条件入力手段と、入力された希望条件を送信する希望条件送信手段と、配車可能な車両に関する車両情報を受信する車両情報受信手段とを備え、車両端末が、ユーザの希望する出発地及び/又は目的地を含む希望条件を受信する希望条件受信手段を備え、相乗り支援システムが、車両の現在位置、及び、希望条件に基づいて、ユーザに配車可能な車両を抽出する車両抽出手段と、抽出された配車可能な車両に関する車両情報を送信する車両情報送信手段と、同一の車両に相乗りした他のユーザについてのユーザからの評価を受け付ける評価受付手段と、受け付けた他のユーザの評価に関する評価情報を記憶する評価情報記憶手段とを備える、相乗り支援システム。
【0012】
[2]ユーザ端末が、車両情報受信手段により受信した配車可能な車両にて、相乗り候補である他のユーザの評価に関する評価情報を受信するユーザ情報受信手段と、配車可能な車両の配車要求を送信する配車要求送信手段とを備え、車両端末が、配車要求を受信する配車要求受信手段を備える、上記[1]に記載の相乗り支援システム。
【0013】
[3]相乗り支援システムが、車両に乗車したユーザの座席位置と、ユーザを一意に識別可能な識別情報とを対応づけて記憶する座席位置記憶手段とを備え、評価受付手段が、ユーザ端末又は車両端末の表示画面に表示された、相乗りした他のユーザの座席位置を選択したうえで、ユーザからの評価を受け付けるものであり、評価情報記憶手段が、選択された座席位置に対応する識別情報を有する他のユーザの評価として、受け付けた評価情報を記憶する、上記[1]又は[2]に記載の相乗り支援システム。
【0014】
[4]相乗り支援システムが、ユーザの座席位置をユーザの乗車順及び降車順により特定する座席位置特定手段を備え、評価受付手段が、特定された座席位置を、ユーザ端末又は車両端末の表示画面に表示することにより、相乗りした他のユーザについてのユーザからの評価を受け付けるものである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の相乗り支援システム。
【0015】
[5]相乗り支援システムが、ユーザの評価情報に基づいて、ユーザに所定の特典を付与する特典付与手段を備える、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の相乗り支援システム。
【0016】
[6]車両抽出手段が、車両の現在位置、及び、ユーザの出発地と相乗り候補である他のユーザの出発地との比較、ユーザの目的地と該他のユーザの目的地との比較、又は、ユーザの出発地から目的地へと至る経路と該他のユーザの出発地から目的地へと至る経路との比較に基づいて、ユーザに配車可能な車両を抽出する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の相乗り支援システム。
【0017】
[7]車両抽出手段が、ユーザの評価情報と相乗り候補である他のユーザの評価情報との比較に基づいて行なわれる、上記[6]に記載の相乗り支援システム。
【0018】
[8]ユーザが所有するユーザ端末と、車両側に設置され、該ユーザ端末と通信接続が可能な車両端末とを備えた相乗り支援システムにおいて、ユーザに相乗り可能な車両を提供するための相乗り支援方法であって、ユーザ端末において、ユーザの希望する出発地及び/又は目的地を含む希望条件を入力するステップと、入力された希望条件を送信するステップと、配車可能な車両に関する車両情報を受信するステップとを有し、車両端末において、ユーザの希望する出発地及び/又は目的地を含む希望条件を受信するステップを有し、車両の現在位置、及び、希望条件に基づき、ユーザに配車可能な車両を抽出するステップと、抽出された配車可能な車両に関する車両情報を送信するステップと、同一の車両に相乗りした他のユーザについてのユーザからの評価を受け付けるステップと、受け付けた他のユーザの評価に関する評価情報を記憶手段に記憶するステップとを有する、相乗り支援方法。
【0019】
[9]ユーザが所有するユーザ端末、及び、車両側に設置された車両端末と通信接続が可能であり、ユーザに相乗り可能な車両を提供するための相乗り支援装置であって、ユーザの希望する出発地及び/又は目的地を含む希望条件をユーザ端末から受信する希望条件受信手段と、車両の現在位置、及び、受信した希望条件に基づき、ユーザに配車可能な車両を抽出する車両抽出手段と、抽出された配車可能な車両に関する車両情報をユーザ端末に送信する車両情報送信手段と、同一の車両に相乗りした他のユーザについてのユーザからの評価を受け付ける評価受付手段と、受け付けた他のユーザの評価に関する評価情報を記憶する評価情報記憶手段とを備える、相乗り支援装置。
【発明の効果】
【0020】
本発明の相乗り支援システムは、同一の車両に相乗りした他のユーザについてのユーザからの評価を受け付ける評価受付手段を有している。すなわち、本発明の相乗り支援システムは、ユーザ同士が互いを評価し合うものであるため、各ユーザに、自分が他のユーザから評価されているという意識を持たせることができる。その結果、各ユーザは、マナーに機敏になり、マナーに反するような行為は慎むようになる。従って、本発明の相乗り支援システムによれば、ユーザに快適な移動空間を提供することができ、ユーザ満足度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、相乗り支援システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、車両端末の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、乗車処理のフローチャートの一例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ユーザへの配車の一例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、降車処理のフローチャートの一例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、端末装置の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明をする。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0023】
(相乗り支援システム)
本発明は、車両の相乗りを希望するユーザに相乗り可能な車両を提供する相乗り支援システムに関するものである。本明細書において、車両とは、ユーザを乗車させ、目的地まで運ぶことが可能な交通手段のことをいい、例えば、タクシー、ハイヤー、バス、自家用車などが挙げられる。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、相乗り支援システムの構成を示す図である。図示するように、本発明の相乗り支援システムは、複数のユーザ端末1(ユーザ端末1a、1b、1c・・・)と、通信ネットワーク2と、サーバ装置3と、複数の車両端末4(車両端末4a、4b、4c・・・)とから構成される。
【0025】
ユーザ端末1は、通信ネットワーク2を介してサーバ装置3と接続されている。車両端末4は、通信ネットワーク2を介してサーバ装置3と接続されている。なお、図1に示す構成では、ユーザ端末1と車両端末4とが、通信ネットワーク2とサーバ装置3とを介して、通信接続されているが、サーバ装置3を介さずに、通信接続されるようにしても良い。
【0026】
ユーザ端末1は、ユーザが、相乗り可能な車両の配車依頼を行なう端末である。ユーザ端末1としては、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PDA等が挙げられるが、これに限定されない。ユーザ端末1は、通信ネットワーク2を介してサーバ装置3と接続可能な装置であれば良い。
【0027】
通信ネットワーク2は、例えば、インターネット、有線又は無線の公衆電話網、有線又は無線LAN、専用回線等、有線又は無線の公知の各種の通信ネットワークを用いることができる。
【0028】
サーバ装置3は、ユーザ端末1及び車両端末4の間で情報を送受信したり、ユーザ端末1及び車両端末4との通信履歴を記憶して分析したりするための管理・運営用サーバである。
【0029】
車両端末4は、車両に設置され、サーバ装置3との間で情報を送受信する端末である。車両端末4としては、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PDA等が挙げられるが、これに限定されない。車両端末4は、通信ネットワーク2を介してサーバ装置3と接続可能な装置であれば良い。
【0030】
図2は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ユーザ端末の構成を示すブロック図である。図示するようにユーザ端末1は、制御部11、RAM12、表示部13、記憶装置14、センサ部15及び通信インタフェース16等を具備しており、通信インタフェース16により通信ネットワーク2と接続が可能である。
【0031】
制御部11は、記憶装置14等の記憶装置に格納されたプログラムやデータを参照し、実行する。RAM12は、制御部11のワークエリアである。表示部13に備えられたタッチパネル13bに対するユーザによる操作、及びセンサ部が検知した情報は、入力情報としてRAM12に格納され、制御部11は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。
【0032】
表示部13は、ユーザが希望条件を入力するために必要な情報や、配車可能な車両の情報などを表示する表示画面13aを有する。また、表示部13は、指やスタイラス等による押圧や、パネル上における指等の位の移動を検知し、その座標位置の変化等を検出するタッチパネル13bを有する。なお、表示画面13aとタッチパネル13bとは、一体的に構成されていてもよい。
【0033】
記憶装置14は、プログラムやデータを保存するための記憶領域として用いられるものであり、サーバ装置3から受信したデータを記憶することができる。
【0034】
センサ部15は、GPSセンサを備えている。また、その他の各種センサを備えていてもよく、各種センサとしては、例えば、指紋認証センサ、近接センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁力センサ、又は、輝度センサ、気圧センサ等が挙げられる。
【0035】
図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。図示するようにサーバ装置3は、制御部31、RAM32、記憶装置33、及び通信インタフェース34等を具備しており、通信インタフェース34により通信ネットワーク2と接続が可能である。
【0036】
制御部31は、記憶装置33に格納されたプログラムやデータを参照し、実行する。RAM32は、制御部31のワークエリアである。記憶装置33には、ユーザ端末1及び車両端末4において入力されたデータであって、通信インタフェース34を経由して受信したデータ等が記憶される。
【0037】
図4は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、車両端末の構成を示すブロック図である。図示するように車両端末4は、制御部41、RAM42、表示部43、記憶装置44、センサ部45及び通信インタフェース46等を具備しており、通信インタフェース46により通信ネットワーク2と接続が可能である。
【0038】
制御部41は、記憶装置44等の記憶装置に格納されたプログラムやデータを参照し、実行する。RAM42は、制御部41のワークエリアである。表示部43に備えられたタッチパネル43bに対するユーザによる操作、及びセンサ部45が検知した情報は、入力情報としてRAM42に格納され、制御部41は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。
【0039】
表示部43は、ユーザの目的地及び/又は目的地に関する情報や、車両周辺の地図などを表示する表示画面43aを有する。また、表示部43は、指やスタイラス等による押圧や、パネル上における指等の位の移動を検知し、その座標位置の変化等を検出するタッチパネル43bを有する。なお、表示画面43aとタッチパネル43bとは、一体的に構成されていてもよい。
【0040】
記憶装置44は、プログラムやデータを保存するための記憶領域として用いられるものであり、サーバ装置3から受信したデータを記憶することができる。
【0041】
センサ部45は、GPSセンサを備えている。また、その他の各種センサを備えていてもよく、各種センサとしては、例えば、指紋認証センサ、近接センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁力センサ、又は、輝度センサ、気圧センサ等が挙げられる。
【0042】
次に、ユーザ端末1の機能について説明をする。ユーザ端末1は、希望条件入力機能、希望条件送信機能、車両情報受信機能、相乗り候補者情報受信機能、配車要求受付機能、配車要求送信機能、ユーザ位置情報送信機能、座席位置指示情報受信手段、評価受付機能、及び評価情報送信機能を有する。
【0043】
希望条件入力機能は、相乗り可能な車両の配車依頼をユーザが行なう際に、ユーザの出発地及び/又は目的地などを入力するための画面を表示画面13aに表示し、ユーザの出発地及び/又は目的地などの希望条件の入力を受け付ける機能を有する。
【0044】
ユーザの出発地及び/又は目的地の入力は、例えば、表示画面13aにユーザの現在位置周辺の地図を表示し、ユーザの出発地等に対応する地図上のポイントをタップする等の操作により行なっても良い。また、表示画面13aにキーボード等を表示し、キーボード操作等によってユーザの出発地等の住所や施設名、電話番号などを文字入力することで行なっても良いし、音声入力によって行なっても良い。なお、ユーザの出発地は、ユーザ端末に備えられたGPSセンサによって検出されるユーザの現在位置を出発地とすることで、入力を省略することもできる。
【0045】
ユーザの出発地及び/又は目的地以外の希望条件としては、例えば、専用車両(例えば、女性専用車両、妊婦専用車両、シニア専用車両、子供専用車両など)の指定、出発又は到着時間指定、同乗者人数指定、経由地指定、車種指定、座席位置指定、ドライバー指定、相乗り相手指定(例えば、相乗り相手の年代、相乗り相手の平均評価など)などが挙げられる。
【0046】
希望条件送信機能は、希望条件入力機能により入力されたユーザの希望条件を、通信インタフェース16によりサーバ装置3へ送信する機能を有する。
【0047】
車両情報受信機能は、ユーザに配車可能な車両の情報を、通信インタフェース16を介してサーバ装置3から受信する機能を有する。車両情報受信機能が受信する車両の情報としては、例えば、車両の現在位置、迎車予定時間、目的地到着予定時間、相乗り予定人数、車両の車両番号などが挙げられる。
【0048】
相乗り候補者情報受信機能は、ユーザに配車可能な車両にて相乗り候補となる他のユーザの評価に関する評価情報を、通信インタフェース16を介してサーバ装置3から受信する機能を有する。
【0049】
配車要求受付機能は、車両情報受信機能が受信した、配車可能な車両の情報を表示画面13aに表示し、ユーザに車両の選択をさせ、ユーザの配車要求を受け付ける機能を有する。配車要求の受け付けは、例えば、表示画面13aに配車可能な車両のリスト等を表示し、タップする等の操作によって、ユーザに車両を選択させることなどで行なわれる。なお、ユーザの希望条件が出発地及び/又は目的地のみであった場合や、出発地及び/又は目的地以外の希望条件があってもユーザの希望条件に完全に合致する車両が抽出できた場合に、ユーザ端末1からサーバ装置3への希望条件の送信をもって、ユーザからの配車要求があったものとすることで、配車要求受付機能、及び配車要求受付機能に関連する機能を備えない構成とすることも可能である。
【0050】
配車要求送信機能は、配車要求受付機能が受け付けたユーザの配車要求を、通信インタフェース16を介してサーバ装置3に送信する機能を有する。
【0051】
ユーザ位置情報送信機能は、センサ部15に備えられGPSセンサによって検知されるユーザの現在位置情報を、通信インタフェース16を介してサーバ装置3に送信する機能を有する。
【0052】
座席位置指示情報受信手段は、ユーザが着席する座席位置に関する指示情報を、通信インタフェース16を介してサーバ装置3から受信する機能を有する。
【0053】
評価受付機能は、同一の車両に相乗りした他のユーザについてのユーザからの評価を受け付ける機能を有する。評価の受け付けは、ユーザが車両から降車した後に、表示画面13aに相乗りした他のユーザの座席位置を表示し、ユーザに相乗りした他のユーザの座席位置を選択させ、その座席位置に対応する他のユーザの評価を入力させることなどで行なわれる。評価は、例えば、星マークの数をタップ操作により選択したり、点数を入力したりすることなどで行なわれる。また、表示画面13aに相乗りした他のユーザについてのコメントを記入する欄を表示し、具体的なコメントを受け付けてもよい。なお、評価受付機能は、ユーザ端末1ではなく、車両端末4以外の端末装置を車両の各座席に設置し、該端末装置に備えさせてもよい。このように構成する場合、評価の受け付けは、ユーザの乗車中に行なわれる。
【0054】
評価情報送信機能は、評価受付機能が受け付けた他のユーザについての評価情報を、通信インタフェース16を介してサーバ装置3に送信する機能を有する。
【0055】
次に、サーバ装置3の機能について説明をする。サーバ装置3は、希望条件受信機能、ユーザ位置情報受信機能、車両位置情報受信機能、配車可能車両抽出機能、最適ルート探索機能、車両情報送信機能、相乗り候補者情報送信機能、配車要求受信機能、車両ステータス情報記憶機能、配車要求送信機能、ルート指示情報送信機能、座席位置特定機能、座席位置記憶機能、座席位置指示情報送信手段、車両ステータス情報受信機能、評価情報受信機能、評価情報記憶機能、及び特典付与機能を有する。
【0056】
希望条件受信機能は、ユーザの希望条件に関する情報を、通信インタフェース34を介してユーザ端末1から受信する機能を有する。ユーザ位置情報受信機能は、ユーザの現在位置に関する情報を、通信インタフェース34を介してユーザ端末1から受信する機能を有する。車両位置情報受信機能は、車両の現在位置に関する情報を、通信インタフェース34を介して車両端末4から受信する機能を有する。
【0057】
配車可能車両抽出機能は、ユーザの希望条件と車両の現在位置に基づいて、配車可能な車両を抽出する機能を有し、例えば、車両の現在位置、及び、ユーザの出発地と相乗り候補である他のユーザの出発地との比較、ユーザの目的地と該他のユーザの目的地との比較、又は、ユーザの出発地から目的地へと至る経路と該他のユーザの出発地から目的地へと至る経路との比較に基づいて、ユーザに配車可能な車両を抽出する。配車可能車両抽出機能は、さらに、ユーザの評価情報と相乗り候補である他のユーザの評価情報との比較に基づいて、配車可能な車両を抽出する機能を有することが好ましい。
【0058】
最適ルート探索機能は、抽出された配車可能な車両をユーザが配車要求した場合に、ユーザの出発地及び目的地、相乗りすることになる他のユーザの出発地及び目的地、並びに、車両の現在位置などをから、最適なルートを探索する機能を有する。また、最適ルート探索機能は、得られた最適ルートを選択した場合における、ユーザの迎車予定時間や目的地到着時間を算出する機能を有していてもよい。最適ルートの探索は、例えば、車両の走行距離や走行時間、乗客及び乗車予定客の目的地到着予定時間などの観点に基づいて行なわれる。
【0059】
車両情報送信機能は、配車可能車両抽出機能により抽出された、ユーザに配車可能な車両の情報を、通信インタフェース34を介してユーザ端末1に送信する機能を有する。車両情報送信機能は、最適ルート探索機能により算出された、ユーザの迎車予定時間等を、通信インタフェース34を介してユーザ端末1に送信する機能を有していてもよい。
【0060】
相乗り候補者情報送信機能は、ユーザに配車可能な車両にて相乗り候補となる他のユーザの評価に関する評価情報を、通信インタフェース34を介してユーザ端末1に送信する機能を有する。
【0061】
配車要求受信機能は、ユーザの配車要求を、通信インタフェース34を介してユーザ端末1から受信する機能を有する。車両ステータス情報記憶機能は、配車要求受信機能がユーザの配車要求を受け付けた後に、車両のステータス情報を変更し、記憶する機能を有する。記憶される車両のステータス情報としては、例えば、車両の予定乗車人数、車両の予定走行ルートなどが挙げられる。
【0062】
配車要求送信機能は、配車要求受信機能が受信したユーザの配車要求に基づいた配車要求を、通信インタフェース34を介して車両端末4に送信する機能を有する。また、配車要求送信機能は、少なくともユーザの出発地及び/又は目的地を含むユーザの希望条件を、通信インタフェース34を介して車両端末4に送信する機能を有する。
【0063】
ルート指示情報送信機能は、最適ルート探索機能により得られた最適ルートに基づいたルート指示情報を、通信インタフェース34を介して車両端末4に送信する機能を有する。送信されるルート指示情報には、ユーザの乗車順及び降車順についての指示情報などが含まれる。
【0064】
座席位置特定機能は、ユーザの乗車順及び降車順によりユーザの座席位置を特定する機能を有する。座席位置指示情報送信手段は、座席位置特定機能により特定されたユーザの座席位置を、通信インタフェース34を介してユーザ端末1に送信する機能を有する。座席位置記憶機能は、車両に乗車したユーザの座席位置と、該ユーザを一意に識別可能な識別情報とを対応づけて記憶する機能を有する。
【0065】
車両ステータス情報受信機能は、車両に実際に乗車している乗客人数に関する車両ステータス情報を、通信インタフェース34を介して車両端末4から受信する機能を有する。受信した車両ステータスは、前述の車両ステータス情報記憶機能により記憶される。
【0066】
評価情報受信機能は、ユーザが評価した相乗りした他のユーザに対する評価情報を、通信インタフェース34を介してユーザ端末1から受信する機能を有する。評価情報記憶機能は、評価情報受信機能が受信した評価情報を記憶する機能を有する。評価情報は、選択された座席位置に対応する識別情報を有する他のユーザの評価として、記憶される。
【0067】
特典付与機能は、評価情報記憶機能によって記憶されているユーザの評価情報に基づいて、ユーザに所定の特典を付与する機能を有する。所定の特典としては、例えば、運賃やオプションサービス料金の割引や無料化などが挙げられる。オプションサービスとしては、例えば、女性専用車両等の各種専用車両の選択や車種の指定、ドライバー指定などが挙げられる。
【0068】
次に、車両端末4の機能について説明をする。車両端末4は、車両位置情報送信機能、配車要求受信機能、ルート指示情報受信機能、車両ステータス情報入力機能、及び車両ステータス情報送信機能を有する。
【0069】
車両位置情報送信機能は、センサ部45に備えられGPSセンサによって検知される車両の現在位置情報を、通信インタフェース46を介してサーバ装置3に送信する機能を有する。
【0070】
配車要求受信機能は、サーバ装置3から送信される配車要求を、通信インタフェース46を介して受信する機能を有する。また、配車要求受信機能は、少なくともユーザの出発地及び/又は目的地を含むユーザの希望条件を、通信インタフェース34を介してサーバ装置3から受信する機能を有する。
【0071】
ルート指示情報受信機能は、サーバ装置3から送信されるルート指示情報を、通信インタフェース46を介して受信する機能を有する。受信するルート指示情報には、ユーザの乗車順及び降車順についての指示情報なども含まれる。
【0072】
車両ステータス情報入力機能は、車両に実際に乗車している乗客人数に関する車両ステータス情報を入力する機能を有する。車両ステータス情報の入力は、例えば、車両端末4の表示画面43aに乗車ボタン及び降車ボタンなどを表示し、ユーザが乗車及び降車をした際に、対応するボタンなどを車両のドライバーがタップする等の操作をすることにより行なわれる。
【0073】
車両ステータス情報送信機能は、車両に実際に乗車している乗客人数に関する車両ステータス情報を、通信インタフェース46を介してサーバ装置3に送信する機能を有する。なお、車両ステータス情報入力機能、及び車両ステータス情報送信機能を備えずに、ユーザ端末1及び車両端末4に備えられたGPS機能を用いて、ユーザと車両の現在位置から、ユーザの乗車及び降車を判定するような機能をサーバ装置3に備えさせてもよい。
【0074】
続いて、本発明の実施の形態の前提について説明する。本発明の実施の形態の一例として、例えば、スマートフォンにインストールされるアプリケーションが挙げられる。ユーザ端末1においてアプリケーションを起動すると、起動に関する情報として、例えば、ユーザ端末1に付与された識別情報等を取得する。さらに、ユーザを識別するために、サーバ装置3と通信し、予め付与されたユーザのアカウントを用いてログインする構成としてもよいし、起動時に取得したユーザ端末1の識別情報をサーバ装置3へ送信してもよい。ユーザ端末1の識別情報またはログインする際のユーザのアカウントは、ユーザを識別する一意のデータであり、ユーザIDとしてサーバ装置に記憶される。
【0075】
ユーザの個人情報は、ユーザIDに関連付けてサーバ装置3に記憶される。記憶される個人情報の項目としては、例えば、「氏名」、「性別」、「生年月日」、「住所」、「電話番号」、「メールアドレス」、「パスワード」、「支払い方法」、「クレジットカード番号」、「評価情報」、「利用履歴」などが挙げられる。ユーザの氏名等は、アプリケーションの初回利用時にユーザによって入力される情報が記憶される。なお、ユーザによる氏名等の項目の入力は、免許証やパスポート、マイナンバーカードなどを画像で取り込むことによって、自動で行なわれるようにしても良い。
【0076】
続いて、本発明の相乗り支援システムにおける乗車処理について説明する。図5は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、乗車処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0077】
乗車処理では、まず、ユーザの出発地及び/又は目的地などを入力するための希望条件入力画面が表示画面13aに表示され、ユーザは、表示された内容に従って、希望条件を入力する(ステップS1)。出発地及び/又は目的地の入力は、例えば、表示画面13aにユーザの現在位置周辺の地図を表示し、ユーザの出発地及び/又は目的地に対応する地図上のポイントをタップする等の操作により行なわれる。なお、ユーザの出発地は、ユーザ端末に備えられたGPSセンサによって検出されるユーザの現在位置を出発地とすることで、入力を省略することもできる。また、ユーザが頻繁に利用する経路がある場合は、その経路における出発地及び目的地を予め入力して登録しておくことで、実際の利用時における出発地等の入力を省略することもできる。出発地及び/又は目的地以外で入力可能な希望条件は、既に述べたようなものが挙げられる。入力された希望条件は、サーバ装置3へ送信される(ステップS2)。
【0078】
サーバ装置3は、希望条件を受信する(ステップS3)。次に、車両の現在位置、及び、ユーザの出発地と相乗り候補である他のユーザの出発地との比較、ユーザの目的地と該他のユーザの目的地との比較、又は、ユーザの出発地から目的地へと至る経路と該他のユーザの出発地から目的地へと至る経路との比較に基づいて、ユーザに配車可能な車両の候補を抽出する(ステップS4)。
【0079】
例えば、車両aの近隣に、出発地が同一又は近接するユーザA及びBがいる場合、車両aはユーザA及びBに配車可能な車両として抽出される。また、車両bの近隣に、出発地は異なるが、目的地が同一又は近接するユーザC及びDがいる場合、車両bはユーザC及びDに配車可能な車両として抽出される。また、車両cの近隣に、出発地及び目的地が異なるがユーザE及びFがおり、ユーザE及びFの出発地から目的地に至るルートが重複又は近接する場合、車両cはユーザE及びFに配車可能な車両の候補として抽出される。
【0080】
ユーザの希望条件に、女性専用車両などの各種専用車両の指定や、車種の指定など、出発地及び目的地以外の希望条件がある場合は、それらの希望条件を加味して配車可能な車両の候補の抽出を行なう。
【0081】
また、配車可能な車両の候補の抽出は、さらに、ユーザの評価情報と相乗り候補である他のユーザの評価情報との比較に基づいて行なわれることが好ましい。評価情報の比較に基づく車両の候補の抽出とは、例えば、ユーザの評価情報が5段階評価で「4」である場合は、同じ「4」という評価情報を有するユーザが相乗り相手となるように車両を抽出することをいう。評価情報が同程度のユーザ同士で相乗りを行なうことで、相乗りをする各ユーザのマナーレベルに差をなくすことができ、その結果として、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0082】
配車可能な車両の候補を抽出した後、サーバ装置3は、抽出された車両の候補に実際にユーザが乗車した場合における最適ルートの探索を行なう(ステップS5)。最適ルートの探索は、例えば、車両の走行距離や走行時間、乗客及び乗車予定客の目的地到着予定時間などの観点に基づいて行なわれる。ある候補車両が、得られた最適ルートに沿って走行したとしても、乗客及び乗車予定客の目的地到着予定時間が当初の予定よりも大幅に遅くなるような場合などは、その候補車両を配車不能な車両と判定する。例えば、車両aの近隣に、出発地が同一又は近接するユーザA及びBがいたとしても、ユーザA及びBの目的地が正反対の方向であり、かつ、その距離が大きく離れているような場合は、車両aは、A及びBのどちらか一方にとっては、配車不能な車両と判定される。
【0083】
最適ルートの探索は、上記のような観点に加えて、実際に車両に乗車している乗客及びドライバーの人数が車両の乗車定員より1人少ない人数を超えないルートを探索するものであることが好ましい。例えば、乗車定員が5人の車両の場合、乗客及び乗車予定客の目的地到着予定時間がそれぞれ最も短くなるようなルートがあったとしても、そのルートを選択すると、同時に乗車する乗客数が4人(乗車人数がドライバーを含めて5人)になるようなときは、他のルートを再探索する。再探索の結果、同時に乗車する乗客数が3人を超えず、かつ、乗客及び乗車予定客の目的地到着予定時間が大幅に遅れないようなルートがある場合は、そのルートを最適ルートとすることが好ましい。同時に乗車する乗客数が4人になると、後部座席に座る乗客が3人になる。その結果、後部座席においては、乗客一人当たりが占有することのできるスペースが狭くなり、見知らぬ相乗り相手との距離も近づくため、乗客のストレスや緊張感を高めてしまい、ユーザ満足度を減少させることにつながる。同時に乗車する乗客及びドライバーの人数が車両の乗車定員より1人少ない人数を超えない(例えば、乗車定員が5人の車両においては、乗客数が3人を超えない)ルートを探索し、そのルートに従って乗客の送迎を行なうことで、上記のようなユーザ満足度の減少を回避することができる。
【0084】
ステップS4において配車可能な車両の候補として抽出され、かつ、ステップS5において配車不能な車両と判定されなかった車両の情報は、配車可能な車両の情報として、ユーザ端末1に送信される(ステップS6)。送信される車両の情報には、車両番号、迎車予定時間、目的地到着予定時間、相乗り候補である他のユーザの評価情報、及びユーザの座席位置などが含まれる。なお、ステップS1においてユーザが出発地及び目的地以外の希望条件を入力しており、かつ、ステップS4及びS5においてユーザの希望条件に完全に合致する車両が抽出されなかった場合は、ユーザの希望条件の少なくとも1つを満たす車両の情報が、配車可能な車両の情報として、ユーザ端末1に送信される。
【0085】
ユーザ端末1は、配車可能な車両の情報を受信し(ステップS7)、受信した配車可能な車両の情報を表示画面13aに表示する(ステップS8)。表示される車両の情報には、迎車予定時間、目的地到着予定時間、相乗り候補である他のユーザの評価情報などが含まれる。相乗り候補である他のユーザの評価情報を表示することで、マナーが悪いと予想される相手と相乗りすることを避けることができ、ユーザの相乗りに相手に対する不安を払拭することができる。
【0086】
配車可能な車両が複数ある場合は、配車可能な車両の情報のリストを表示する。表示順序は、例えば、迎車予定時間、目的地到着予定時間、相乗り候補である他のユーザの評価情報などの各種基準に基づいて決定することができる。どのような基準に基づいた表示順序とするかは、ユーザの選択によって、変更可能とすることが望ましい。
【0087】
ユーザは、表示画面13aに表示された配車可能な車両の情報から、配車を希望する車両の有無を判断する(ステップS9)。表示された車両の情報に配車を希望する車両があった場合、ユーザは、表示画面13aをタップする等により、配車を希望する車両を選択し、配車を要求する(ステップS10)。ユーザの配車要求は、サーバ装置1に送信される(ステップS11)。なお、ステップS9において、表示されたリスト中に配車を希望する車両がなかった場合は、希望条件の入力(ステップS1)に戻り、希望条件を変更して、上述のステップS2〜S9を再度実行する。
【0088】
サーバ装置3は、ユーザの配車要求を受信し(ステップS12)、車両のステータス情報を更新する(ステップS13)。更新される車両のステータス情報は、予定乗車人数、乗車予定客情報(配車要求をしたユーザの目的地及び出発地などに関する情報の追加)、車両の走行予定ルート、並びに、乗客と乗車予定客の乗車順、降車順、及び目的地到着予定時刻などである。
【0089】
なお、本発明の相乗り支援システムにおいて、ステップS9〜S12は省略することが可能である。例えば、ステップS1において入力されたユーザの希望条件が出発地及び/又は目的地のみであった場合や、出発地及び/又は目的地以外の希望条件があってもユーザの希望条件に完全に合致する車両が抽出できた場合は、ステップS2で行なわれる希望条件の送信をもってユーザからの配車要求があったものとし、ユーザに車両の選択をさせることなく、抽出された車両を自動的にユーザに配車することができる。この場合、サーバ装置3は、配車される車両の情報をユーザに送信し(ステップS6)、自動的に配車される車両のスタータス情報を更新する(ステップS13)。
【0090】
サーバ装置3において更新された車両のステータス情報は、車両端末4に送信される(ステップS14)。車両端末4は、更新された車両のステータス情報を受信する(ステップS15)。受信した車両のステータス情報は、表示画面43aに表示される(ステップS16)。表示画面43aには、例えば、車両の走行予定ルート、並びに、乗客及び/又は乗車予定客の出発地、目的地、乗車順、降車順、及び目的地到着予定時刻などが表示される。車両のドライバーは、表示された情報に基づいて走行をし、ユーザの出発地まで迎車に向かう。
【0091】
ユーザが車両に乗車した際、ドライバーは、表示画面43aに表示される乗車ボタンをタップする等の操作をすることで、ユーザの乗車情報を入力する(ステップS17)。例えば、表示画面43aにおいて、各ユーザの座席位置を表示し、降車するユーザに対応する座席位置に対応する画像をタップすることで、その座席に座っていたユーザが乗車したことを、乗車情報として入力することができる。ユーザの乗車情報は、サーバ装置3に送信される(ステップS18)。
【0092】
サーバ装置3は、ユーザの乗車情報を受信し(ステップS19)、車両のステータス情報を更新する(ステップS20)。ここで更新される車両のステータス情報は、車両の実乗車人数などである。
【0093】
図6は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ユーザへの配車の一例を示す図である。ユーザa〜dは、いずれも地点51を出発地とするユーザである。ユーザa及びbの目的地は地点52であり、ユーザcの目的地は地点54であり、ユーザdの目的地は地点57である。ユーザa〜dを相乗りさせた場合におけるユーザa〜dのそれぞれの目的地への到着予定時間が、相乗りをしなかった場合に比べて大幅に遅れることがないとサーバ装置が判断すると、地点51の近隣に位置し、かつ、4人分の空席がある車両が、ユーザa〜dに配車可能な車両として抽出され、該車両の情報がユーザa〜dのユーザ端末に送信される。ユーザa〜dが該車両の配車を要求すると、該車両は、地点51まで迎車に向かう。地点51にてユーザa〜dを乗車させた車両61aは、ユーザa及びbの目的地である地点52へ向かって移動する。
【0094】
車両61aが地点52へ向かう途中において、地点53を出発地とし、地点55を目的地とするユーザe及びfが配車を希望した場合、車両61aは、地点53から地点55へ至る経路と近接する経路を走行予定であり、地点53に至るまでに空席が2つ発生するため、ユーザe及びfへ配車可能な車両として抽出される。ユーザe及びfが車両61aの配車を要求すると、サーバ装置から車両61aへ、ユーザe及びfを送迎することによって変更された走行ルートが送信される。
【0095】
車両61aは地点52に到着すると、ユーザa及びbを降車させる。ユーザa及びbが降車後の車両61bは、ユーザc及びdを乗せて、地点53へ向かって移動する。地点53に到着し、ユーザe及びfを乗車させた車両61cは、ユーザcの目的地である地点54へ向かう。車両61cは地点54に到着すると、ユーザcを降車させる。ユーザcが降車後の車両61dは、ユーザd〜fを乗せて、ユーザe及びfの目的地である地点55へ向かって移動する。
【0096】
車両61dが地点55へ向かう途中において、地点56を出発地とするユーザg〜iが配車を希望した場合、車両61dは、地点56からユーザg〜iの目的地へと至る経路と近接する経路を走行予定であり、地点56に至るまでに空席が3つ発生するため、ユーザg〜iへ配車可能な車両として抽出される。ユーザg〜iが車両61dの配車を要求すると、サーバ装置から車両61dへ、ユーザg〜iを送迎することによって変更された走行ルート(地点55→地点56→地点57)が送信される。
【0097】
ただし、もし、地点56へ向かうことで、ユーザdの目的地到着予定時間が、ユーザdが乗車した当初に計算された目的地到着予定時間よりも大幅に遅れることになるような場合、車両61dは、ユーザg〜iへ配車可能な車両として抽出されないか、または、地点57へ移動してユーザdを降車させた後で地点56へ向かうように指示をされる。
【0098】
車両61dは地点55に到着すると、ユーザe及びfを降車させる。ユーザe及びfが降車後の車両61eは、ユーザdを乗せて、地点56へ向かって移動する。地点56に到着し、ユーザg〜iを乗車させた車両61fは、ユーザdの目的地である地点57へ向かう。車両61fは地点57に到着すると、ユーザdを降車させる。ユーザdが降車後の車両61gは、ユーザg〜iを乗せて、ユーザg〜iの目的地へと向かって移動する。なお、図6において、点線で示される矢印は、ユーザa〜dのみを乗客とした場合の予定走行ルートを表し、実線で示される矢印は、実際の走行ルートを表している。
【0099】
上記のように、多数のユーザが配車を希望した場合であっても、車両の乗車予定人数分の空席の有無、迎車までの所要時間、各ユーザの目的地までの所要時間等をサーバ装置が計算して、適切な配車を行なう。このような配車処理を繰り返すことで、車両に空席のない状態をつくりつつ、各ユーザの送迎における所要時間の最小化を図ることができる。なお、図6は、ユーザに配車される車両の乗車定員が5人である場合を説明する図であるが、本発明の相乗り支援システムにおいてユーザに配車される車両は乗車定員が5人であるものに限定されるわけではなく、乗車定員が5人未満又は5人を超えるような車両であっても適用可能である。
【0100】
続いて、本発明の相乗り支援システムにおける降車処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、降車処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0101】
ユーザが車両から降車した際、ドライバーは、表示画面43aに表示される降車ボタンをタップする等の操作をすることで、ユーザの降車情報を入力する(ステップS101)。例えば、表示画面43aにおいて、各ユーザの座席位置を表示し、降車するユーザに対応する座席位置に対応する画像をタップすることで、その座席に座っていたユーザが降車したことを、降車情報として入力することができる。入力されたユーザの降車情報は、サーバ装置3に送信される(ステップS102)。
【0102】
サーバ装置3は、ユーザの降車情報を受信し(ステップS103)、車両のステータス情報を更新する(ステップS104)。ここで更新される車両のステータス情報は、車両の実乗車人数などである。
【0103】
次に、サーバー装置3は、相乗りした他のユーザの評価依頼を、ユーザ端末1に送信する(ステップS105)。なお、ユーザが車両に乗車した場合、ユーザの識別情報と座席位置は対応付けて記憶されているため、ステップS103において、サーバ装置3にて、降車情報として降車したユーザの座席位置を受信することで、降車したユーザを特定することが可能となる。ステップS105では、降車情報により「降車した」と特定されたユーザのユーザ端末1に対して、相乗りした他のユーザについての評価依頼を送信する。
【0104】
ユーザ端末1は、相乗りした他のユーザの評価依頼を受信する(ステップS106)。ユーザ端末1にて評価依頼が受信されると、他のユーザの評価を入力するための画像が表示画面13aに表示され、ユーザ端末1への操作により他のユーザの評価入力が受け付けられる(ステップS107)。
【0105】
図8は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、端末装置の表示画面の一例を示す図である。表示画面13aには、タクシーの車両71についての画像が表示される。表示画面13aの上側が車両71の前方に対応しており、表示画面13aの下側が車両71の後方に対応する。車両71は点線により5つの領域に分割しており、それぞれの領域が座席位置72に対応する。座席位置72b、72d、72eには、評価の対象となる他のユーザを示す人型のアイコン73b、73d、73eが表示されている。ユーザは、表示画面13aに表示された、他のユーザを表すアイコン73b、73d、73eのいずれかを選択することで、その座席位置72に対応する他のユーザの評価を入力することが可能となる。なお、図8では、座席位置72cにおいて、他のユーザを示すアイコン73が表示されていないが、これは評価をしているユーザ自身が座っていた場所である。また、車両71の前方右側の座席位置72aは運転席に対応するものであるため、人型のアイコンは表示されていないが、人型のアイコンを表示して、ドライバーに対する評価を入力できるように構成してもよい。このように構成することで、ドライバーに関する評価もサーバ装置に蓄積することができ、ユーザが車両を選択する際に、ドライバーの評価情報をユーザに提供することが可能となる。なお、図8は、ユーザに配車される車両の乗車定員が5人である場合を説明する図であるが、本発明の相乗り支援システムにおいてユーザに配車される車両は乗車定員が5人であるものに限定されるわけではなく、乗車定員が5人未満又は5人を超えるような車両であっても適用可能である。
【0106】
ユーザが、他のユーザの座席位置72に表示されたアイコン73のいずれかを選択すると、選択されたアイコンは他のアイコンとは異なる色で表示される。このように選択されたアイコンを他のアイコンとは異なる色で表示することで、現在、評価の対象となっているユーザがどの座席位置72に座っていたユーザであるかを、明確にすることができる。図8では、アイコン73bが他のアイコン73とは異なる色で表示されており、助手席である座席位置72bに座っていた他のユーザが、現在の評価の対象となっていることがわかる。
【0107】
サーバ装置3において、他のユーザの識別情報と座席位置が対応付けて記憶されているため、他のユーザの座席位置72に表示されたアイコン73を選択することで、同乗した他のユーザのうち、いずれの他のユーザに対する評価が入力されるのかを特定することが可能となる。
【0108】
他のユーザに対する評価は、例えば、タップ操作の回数により点数(例えば、星マークでもよい)を入力したり、点数をソフトウェアキーボードにより入力したり、或いは、プルダウンリストから選択したりすること等により行われる。また、ユーザの選択により、点数だけでなく、他のユーザについてのコメントを記入することも可能である。例えば、表示画面13a上にコメント記入ボタンを表示し、ユーザがコメント記入ボタンをタップすると、コメントを記入する欄とソフトウェアキーボードが表示される。ユーザはソフトウェアキーボードを操作することで、具体的なコメントを入力することができる。具体的なコメントを受け付けることで、例えば、システム運営者から、評価を受けた他のユーザに対して、マナーを向上するための的確なアドバイスを行なうことが可能になる。
【0109】
図8では、表示画面13aの右側上方に、ユーザ名に関する情報74が表示されている。具体的には「同乗したAさんの評価」と表示されている。この場合、助手席である座席位置72bに座っていた他のユーザに対応するユーザ名が表示される。ユーザ名は、予めサーバ装置3において登録されているものが表示され、実名だけでなく、ハンドルネームであってもよい。また、本実施の形態においては、ユーザの識別情報と座席位置は対応付けて記憶され、かつ、表示画面13aに他のユーザの座席位置72に表示されたアイコン73を選択して評価の入力を行なうものであるため、ユーザ名やハンドルネーム等を表示させずとも評価を受け付けることが可能である。このように構成することで、ユーザ間のトラブルの発生を防止することが可能になる。
【0110】
他のユーザに対する評価は、例えば、星マーク75の数で5段階で評価することができる。図8では、左端から3つ目までの星マークが、右側の2つの星マークとは異なる色で表示されており、5段階評価のうち3段階目の評価であることがわかる。
【0111】
ステップS107において、座席位置72をもとに評価の対象となる他のユーザを特定しているため、他のユーザの年齢や性別などをもとに他のユーザを特定する場合に比べ、ユーザは、より正確に、相乗りした複数の他のユーザの中から評価の対象である他のユーザを選択することができる。
【0112】
また、ユーザは、複数名の他のユーザと相乗りした場合、相乗りした全ての他のユーザについて評価を入力してもよいし、一部の他のユーザのみについて評価を入力してもよい。複数名の他のユーザについて評価を入力する場合は、座席位置72を選択した順に、その座席位置72に対応する他のユーザについての評価を入力することができる。
【0113】
ユーザ端末1にて入力された評価情報は、サーバ装置3に送信される(ステップS108)。サーバ装置3は、評価情報を受信し(ステップS109)、受信した評価情報に基づいて、評価の対象となった他のユーザについての評価情報を更新する(ステップS110)。
【0114】
このように相乗りする乗客同士で評価を行うことで、乗客は互いに評価されることを意識するため、マナーを守り、他の乗客に不快感や迷惑をかけずに乗車するように動機付けをすることができる。乗客は快適な移動空間を共有したうえで、安くて便利な移動サービスを享受することができる。また、タクシー事業者にとっても、乗客のマナー向上により乗客同士又は乗客とドライバーのトラブルを抑制することができ、ドライバーに快適な仕事環境を提供できる、というメリットがある。さらには、本相乗りシステムを運営する運営者にとっても、相乗りにおける他の乗客のマナーの悪さに対するユーザの不安を払拭することができるため、相乗りシステムの利用を促進できる、というメリットがある。
【0115】
また、ユーザの評価に応じて、例えば、運賃やオプションサービス料金の割引や無料化などの所定の特典を付与することで、さらにユーザのマナー向上を図ることが可能である。
【0116】
次に、本発明における運賃の算出方法について説明する。本発明において、運賃の算出は、ユーザの出発地と目的地の間の直線距離、又はユーザが1人で車両に乗車した場合を想定した走行ルート上の(最短)距離に基づいて行なう。例えば、ユーザの出発地と目的地の間の直線距離、又はユーザが1人で車両に乗車した場合を想定した走行ルート上の(最短)距離が5kmであった場合、ユーザが乗車してから目的地に着くまでにおける車両の走行距離が10kmであったとしても、ユーザの運賃は5kmという距離に対応したものとする。本発明の相乗り支援システムでは、相乗り相手の出発地と目的地次第で、ユーザが乗車中の走行距離が変動するが、上記のような運賃の算出方法を採用することで、相乗り相手の出発地や目的地に関わらず、ユーザの運賃を一定にすることができ、支払い料金に対するユーザの不満や不安を解消することができる。
【0117】
上述した態様では、ユーザ端末とサーバ装置と車両端末を備えるシステムによる実施形態を示したが、本発明は、ユーザ端末と車両端末とによる態様も実施可能である。ユーザ端末と車両端末とによる実施形態においては、上述の態様でサーバ装置が担っていた機能は、ユーザ端末又は車両端末によって果たされる。
【符号の説明】
【0118】
1 ユーザ端末
11 制御部
12 RAM
13 表示部
14 記憶装置
15 センサ部
16 通信インタフェース
2 通信ネットワーク
3 管理サーバ装置
31 制御部
32 RAM
33 記憶装置
34 通信インタフェース
4 車両端末
41 制御部
42 RAM
43 表示部
44 記憶装置
45 センサ部
46 通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8