特許第6208280号(P6208280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208280
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】シート束綴じ装置と画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20170925BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   B65H37/04 D
   G03G15/00 432
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-78575(P2016-78575)
(22)【出願日】2016年4月11日
(62)【分割の表示】特願2011-287975(P2011-287975)の分割
【原出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2016-128359(P2016-128359A)
(43)【公開日】2016年7月14日
【審査請求日】2016年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141508
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】小澤 政利
(72)【発明者】
【氏名】津久井 明彦
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−180627(JP,A)
【文献】 特開2001−31323(JP,A)
【文献】 特開平9−48555(JP,A)
【文献】 特開平9−295757(JP,A)
【文献】 特開2008−189475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H37/00−37/06
G03G15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート束が積載される積載部と、
前記積載部に積載されたシート束を綴じる綴じ手段と、
前記綴じ手段を綴じ方向の向きが第1の方向となるように案内するとともに、前記綴じ手段を綴じ方向の向きが前記第1の方向とは異なる第2の方向となるように案内する案内手段と、を有し、
前記綴じ手段には、第1の係合部及び第2の係合部が設けられており、
前記案内手段は、前記第1の係合部及び前記第2の係合部に係合して前記綴じ手段の綴じ方向の向きが前記第1の方向となるように保持して案内する第1の案内部と、前記第1の案内部との間を前記第1の係合部が移動可能となるように案内すると共に、前記第1の案内部が前記綴じ手段の綴じ方向の向きを前記第1の方向となるように保持して案内するときに前記第2の係合部と係合する前記第1の案内部の領域のうちの少なくとも一部の領域に前記第2の係合部が係合した状態で、前記第1の係合部に係合して前記綴じ手段の綴じ方向の向きが前記第2の方向となるように保持して案内する第2の案内部と、を備える、
ことを特徴とするシート束綴じ装置。
【請求項2】
前記案内手段は、前記綴じ手段の綴じ方向の向きを前記第2の方向にした状態で、前記綴じ手段を前記積載部に積載されるシート束の縁に沿った方向に移動可能に案内する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート束綴じ装置。
【請求項3】
前記第1の案内部は、前記綴じ手段の綴じ方向の向きを前記第1の方向から前記第2の方向に変更するために前記第1の係合部を前記第1の案内部との係合から前記第2の案内部との係合に切り換える第1の切り換え部を有し、
前記第2の案内部は、前記綴じ手段の綴じ方向の向きを前記第2の方向から前記第1の方向に変更するために前記第1の係合部を前記第2の案内部との係合から前記第1の案内部との係合に切り換える第2の切り換え部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート束綴じ装置。
【請求項4】
前記第1の切り換え部は、前記第1の係合部が前記第1の案内部との係合から前記第2の案内部との係合に切り換えられることを許容するとともに前記第2の案内部との係合から前記第1の案内部との係合に切り換えられることを阻止する第1の阻止部を有し、
前記第2の切り換え部は、前記第1の係合部が前記第2の案内部との係合から前記第1の案内部との係合に切り換えられることを許容するとともに前記第1の案内部との係合から前記第2の案内部との係合に切り換えられることを阻止する第2の阻止部を有している、
ことを特徴とする請求項に記載のシート束綴じ装置。
【請求項5】
シートに画像を形成する画像形成部と、
画像を形成されたシート束を綴じる請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート束綴じ装置と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート束を綴じるシート束綴じ装置と、このシート束綴じ装置を装置本体に備えた画像形成装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、装置本体にシート束綴じ装置を備えている場合がある。シート束綴じ装置として、特許文献1に記載のものがある。このシート束綴じ装置は、ステイプラでシート束の角を、針を斜めにして綴じる、所謂、斜め綴じをすることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−121327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシート束綴じ装置は、同じ領域で、選択的に、シート束を、針をシート束の縁に沿った平行な向きにしてシート束を綴じたり、針を斜めにして綴じたりすることが望まれる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシート束綴じ装置は、シート束が積載される積載部と、前記積載部に積載されたシート束を綴じる綴じ手段と、前記綴じ手段を綴じ方向の向きが第1の方向となるように案内するとともに、前記綴じ手段を綴じ方向の向きが前記第1の方向とは異なる第2の方向となるように案内する案内手段と、を有し、前記綴じ手段には、第1の係合部及び第2の係合部が設けられており、前記案内手段は、前記第1の係合部及び前記第2の係合部に係合して前記綴じ手段の綴じ方向の向きが前記第1の方向となるように保持して案内する第1の案内部と、前記第1の案内部との間を前記第1の係合部が移動可能となるように案内すると共に、前記第1の案内部が前記綴じ手段の綴じ方向の向きを前記第1の方向となるように保持して案内するときに前記第2の係合部と係合する前記第1の案内部の領域のうちの少なくとも一部の領域に前記第2の係合部が係合した状態で、前記第1の係合部に係合して前記綴じ手段の綴じ方向の向きが前記第2の方向となるように保持して案内する第2の案内部と、を備える、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上記課題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の画像形成装置のシート搬送方向に沿った断面概略図である。
図2】本発明の実施形態のシート束綴じ装置の正面図である。
図3】シート束綴じ装置のステイプラを移動させる駆動部の平面図である。(A)は、ステイプラをシート束綴じ装置の手前待機位置に待機させているときの移動体の位置を示す図である。(B)は、スプイプラをシート束の角を綴じる位置に移動させたときの移動体の位置を示す図である。
図4】シート束綴じ装置の動作説明用の図である。(A)は、ステイプラが待機位置に待機している図である。(B)は、ステイプラがシート束綴じ装置の手前待機位置からシート束の角を綴じることのできる領域に移動した図である。(C)は、ステイプラがシート束の角を綴じることのできる領域を通過し終わる状態の図である。
図5図4(C)の部分拡大図である。
図6図4の続きの動作説明用の図である。(A)は、ステイプラが斜めの状態を解除されてシート束綴じ装置の奥待機位置へ移動する図である。(B)は、ステイプラがシート束綴じ装置の奥待機位置へ移動する途中の図である。(C)は、ステイプラが斜めになりかけている図である。
図7図6(C)の部分拡大図である。
図8図6の続きの動作説明用の図である。(A)は、ステイプラが奥待機位置に待機している図である。(B)は、ステイプラが奥待機位置からシート束の角を綴じることのできる領域に移動した図である。(C)は、ステイプラがシート束の角を綴じることのできる領域を通過し終わる状態の図である。
図9図8(C)の部分拡大図である。
図10図8の続きの動作説明用の図である。(A)は、ステイプラが斜めの状態を解除されてシート束綴じ装置の手前待機位置へ移動する図である。(B)は、ステイプラが手前待機位置へ移動する途中の図である。(C)は、ステイプラが斜めになりかけている図である。(D)は、ステイプラがシート束綴じ装置の手前待機位置に戻った図である。
図11図10(C)の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態であるシート束綴じ装置と、このシート束綴じ装置を装置本体に備えた画像形成装置とを図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することのない範囲内において適宜の変更が可能なものも本発明に含まれるものとする。
【0010】
(画像形成装置)
図1において、画像形成装置10は、装置本体10Aの上部に画像読取装置11と原稿供給装置15とを重ねて備えている。また、装置本体10Aの脇には、シート処理装置16が着脱自在に連結されている。シート処理装置16の内部には、シート束綴じ装置20が設けられている。シート処理装置16は、装置本体10Aと一体化されていてもよい。
【0011】
シートPは、カセット1a,1bから給送されて、感光体ドラム4と転写器7との間に送り込まれる。感光体ドラム4には、予め、トナー画像を形成されている。
【0012】
一方、画像読取装置11が、原稿供給装置15から画像読取装置11に送り込まれた原稿を読み取り、画像情報を電気信号に変換して、レーザスキャナ5に送る。レーザスキャナ5は、レーザ光を、感光体ドラム4に照射して、感光体ドラム4に静電潜像を形成する。静電潜像は、トナー現像器6によってトナー画像に可視像化される。感光体ドラム4、トナー現像器6等は、画像形成部2を形成している。
【0013】
転写器7は、感光体ドラム4のトナー画像をシートに転写する。トナー画像を転写されたシートは、定着器8に搬送されてトナー画像を定着され、排出ローラ対3によって、シート処理装置16に送り込まれる。
【0014】
シートの両面にトナー画像を形成する場合、シートは、定着器8から反転パス9に搬送され、反転パス9でスイッチバック搬送されて表裏反転される。シートは、再度、感光体ドラム4と転写器7との間に送り込まれる。シートは、他方の面にもトナー画像を転写され、定着器8を経て排出ローラ対3によって、シート処理装置16に送り込まれる。
【0015】
なお、画像形成装置10は、画像読取装置11上にユーザが置いた原稿を画像読取装置11が読み取ることができるので、原稿供給装置15は、必ずしも必要としない。また、画像形成装置10は、外部のファックスや、パソコン等からの画像情報に基づいてシートに画像を形成できるので、画像読取装置11も必ずしも必要としない。
【0016】
(シート処理装置)
シート処理装置16は、装置本体16Aに、シート束綴じ装置20、トレイ21,22及び不図示の製本装置等を備えている。トレイ21,22は、装置本体16Aから排出されるシート及びシート束を積載して、装置本体16Aに沿って昇降するようになっている。
【0017】
シート処理装置16は、排出ローラ対3から送り出されたシートを、搬送路23を搬送する。正逆転ローラ対24は、シートが搬送路を搬送されてくると、上ローラ24aが上方に移動して下ローラ24bから離れて、シートを受け入れる。シートは、開いた正逆転ローラ対24に受け入れられて、処理トレイ25に積載される。
【0018】
その後、上ローラ24aが下降して下ローラ24bとでシートを挟み、正逆転ローラ対24が回転(逆回転)して、シートを矢印A方向に移動させ、シート束綴じ装置20へ移動させる。このとき、搬送ローラ26も回転して、シートがシート束綴じ装置20へ移動するのを助ける。正逆転ローラ対24は、シートが搬送されてくる度に、上ローラ24aが下ローラ24bから離れて開いた状態と、上ローラ24aが下ローラ24bとでシートを挟む閉じた状態とを繰り返しながら、シートをシート束綴じ装置20へ送る。
【0019】
シートは、処理トレイ25に所定枚数積載されて束状になる。すると、シート束綴じ装置20のステイプラ31は、シート束を針で綴じる。その後、正逆転ローラ対24は、上ローラ24aと下ローラ24bとでシート束を挟んだ状態で正回転して、シート束を矢印B方向に移動させて、昇降可能なトレイ21(22)に排出する。
【0020】
(シート束綴じ装置)
本発明の実施形態のシート束綴じ装置を図2乃至図10に基づいて説明をする。なお、図1は、ユーザが画像形成装置の前に立って見たときの図であるので、図3乃至図11において、図の左側がユーザの手前側になり、右側が奥側になる。
【0021】
シート束綴じ装置の構成を説明する。
【0022】
シート束綴じ装置20は、主に、次の構成要素によって形成されている。シート束の縁に沿って移動可能な移動体32。移動体32に回転移動可能に設けられて、シート束を針で綴じるステイプラ31。フレーム(固定部材)33とステイプラ31との間に設けられて、移動体32によって移動するステイプラ31の向きを変える向き変更手段としての向き変更機構(向き変更手段)34。ステイプラ31と移動体32は、綴じ手段を構成している。
【0023】
図3において、移動体32は、案内軸41上を、処理トレイ25上を移動するシートPのシート移動方向(矢印A,B方向)に対して、直交する方向(シートの縁Paに沿った方向、矢印C,D方向)に往復移動するようになっている。このため、移動体32は、移動体モータM1によって循環するベルト42,43の内、ベルト43に接続されており、移動体モータM1の回転によって矢印C,D方向に往復移動するようになっている。なお、シートの縁Paは、シート束PWの縁PWaでもある。また、図3(A)に示すように、本実施形態において、処理トレイ25の幅中心(矢印C,D方向の中心)CL2と、シートPの幅中心CL1は、一致しているものとする。
【0024】
移動体32には、矢印B方向にフラグ35,36が突設されている。フラグ35は、移動体32とステイプラ31とが、手前待機位置(第1の位置)HP1に移動したとき、手前待機位置センサS1によって検知されるようになっている。フラグ36は、移動体32とステイプラ31とが、奥待機位置(第1の位置)HP2に移動したとき、奥待機位置センサS2によって検知されるようになっている。なお、図3以外の図において、フラグ35,36とセンサS1,S2を省略してある場合がある。
【0025】
図2図3において、移動体32の上部には、シート移動方向A,Bに沿ったステイプラ案内溝44が形成されている。ステイプラ案内溝44には、ステイプラ31の底部に下向きに突設された係合軸52が、フレーム33に形成された後述する主案内溝62を貫通して係合している。ステイプラ31は、ステイプラ案内溝44に係合軸52が係合していることによって、移動体32に対して、矢印A,B方向に移動自在であるとともに、矢印E(図3(B))方向と、矢印F(図6(C))方向とに回転自在である。
【0026】
図2において、ステイプラ31には、フレーム33上を走行するためのローラ50が3つ、三角形の3つの角に相当する位置に設けられている。なお、ローラ50は、図2において、3つの内、2つは重なって図示してあるため、2つしかないように見えるが、3つある。
【0027】
図4図5図11において、向き変更機構34は、フレーム33に形成された案内溝部61と、ステイプラ31に設けられて案内溝部61に係合する1対の突起53,54等で構成されている。手前突起(係合部、第1の係合部材、第2の係合部材)53と、奥突起(係合部、第2の係合部材、第1の係合部材)54は、移動体32の移動方向C,Dに配列されている。
【0028】
案内溝部61は、フレーム33に形成された主案内溝(案内手段)62と、副案内溝(案内手段、第1案内部材)63と、手前斜行案内溝(案内手段、第2案内部材)64及び奥斜行案内溝(案内手段、第2案内部材)164とで構成されている。主案内溝62と副案内溝63と手前斜行案内溝64及び奥斜行案内溝164は、ステイプラ31の係合軸(回転中心)52に対して近い順に、かつ移動体32の案内軸41に対して平行に配設されている。図2において、主案内溝62は、フレーム33に貫通して形成されている。副案内溝63と手前斜行案内溝64及び奥斜行案内溝164は、断面U字に形成されている。
【0029】
主案内溝62(図4)は、ステイプラ31の矢印C,D方向への移動を案内し、ステイプラ31を手前待機位置HP1に近付ける手前傾斜部(傾斜部)62aと、奥待機位置HP2に近付ける奥傾斜部(傾斜部)162aが形成されている。
【0030】
副案内溝63(図6)は、手前突起53と奥突起54との移動を案内するようになっている。また、副案内溝63(図11)は、ステイプラ31が手前待機位置HP1に接近移動したとき、手前突起と奥突起との内、手前待機位置HP1に近い手前突起53を手前斜行案内溝64に案内する第1の手前切り換え溝(第1の切り換え部)63aを有している。また、副案内溝63(図7)は、ステイプラ31が奥待機位置HP2に接近移動したとき、手前突起と奥突起との内、奥待機位置HP2に近い奥突起54を奥斜行案内溝164に案内する第1の奥切り換え溝(第1の切り換え部)163aを有している。
【0031】
手前斜行案内溝64(図5)は、ステイプラ31が手前待機位置HP1からシート綴じ装置20の内側に所定の距離離れた終端傾斜面(第2の位置)64aに移動する間、手前突起53を案内するようになっている。また、手前斜行案内溝64(図5)は、ステイプラ31が終端傾斜面64aに到達したとき、手前突起53を副案内溝63に案内する第2の手前切り換え溝(第2の切り換え部)64bを有している。なお、手前斜行案内溝64には、手前突起53のみ進入して、奥突起54は進入しないようになっている。
【0032】
奥斜行案内溝164(図9)は、ステイプラ31が奥待機位置HP2からシート綴じ装置20の内側に所定の距離離れた終端傾斜面(第2の位置)164aに移動する間、奥突起54を案内するようになっている。また、奥斜行案内溝164(図9)は、ステイプラ31が終端傾斜面164aに到達したとき、奥突起54を副案内溝63に案内する第2の奥切り換え溝(第2の切り換え部)164bを有している。なお、奥斜行案内溝164には、奥突起54のみ進入して、手前突起53は進入しないようになっている。
【0033】
第1の手前切り換え溝63a(図11)には、手前突起53が副案内溝63から手前斜行案内溝64へ移動するのを許容し、逆方向へ移動するのを阻止する第1の手前逆行阻止片(第1の逆行阻止部材)66が設けられている。第1の手前逆行阻止片66は、軸67を中心にして、手前待機位置HP1側の端部66aが矢印G1方向に回動するようになっている。また、第1の手前逆行阻止片66は、不図示のばねによって矢印H1方向に回動付勢されて、ストッパ68に受け止められるようになっている。
【0034】
第2の手前切り換え溝64b(図5)には、手前突起53が手前斜行案内溝64から副案内溝63へ移動するのを許容し、逆方向へ移動するのを阻止する第2の手前逆行阻止片(第2の逆行阻止部材)76が設けられている。第2の手前逆行阻止片76は、軸77を中心にして、奥待機位置HP2側の端部76aが矢印J1方向に回動するようになっている。また、第2の手前逆行阻止片76は、不図示のばねによって矢印K1方向に回動付勢されて、ストッパ78に受け止められるようになっている。
【0035】
第1の奥切り換え溝163a(図7)には、奥突起54が副案内溝63から奥斜行案内溝164へ移動するのを許容し、逆方向へ移動するのを阻止する第1の奥逆行阻止片(第1の逆行阻止部材)166が設けられている。第1の奥逆行阻止片166は、軸167を中心にして、奥待機位置HP2側の端部166aが矢印G2方向に回動するようになっている。また、第1の奥逆行阻止片166は、不図示のばねによって矢印H2方向に回動付勢されて、ストッパ168に受け止められるようになっている。
【0036】
第2の奥切り換え溝164b(図9)には、奥突起54が奥斜行案内溝164から副案内溝63へ移動するのを許容し、逆方向へ移動するのを阻止する第2の奥逆行阻止片(第2の逆行阻止部材)176が設けられている。第2の奥逆行阻止片176は、軸177を中心にして、手前待機位置HP1側の端部176aが矢印J2方向に回動するようになっている。また、第2の奥逆行阻止片176は、不図示のばねによって矢印K2方向に回動付勢されて、ストッパ178に受け止められるようになっている。
【0037】
シート束綴じ装置の動作を説明する。
【0038】
図4(A)に示すように、ステイプラ31が手前待機位置HP1に待機しているとき、手前突起53は手前斜行案内溝64に係合し、奥突起54は副案内溝63に係合している。このため、ステイプラ31は、係合軸52を中心して矢印E方向に回転した傾いた状態になっている。
【0039】
移動体モータM1が始動すると、移動体32が矢印C方向に移動し、ステイプラ31も矢印C方向に移動する。図4(B)に示すように、ステイプラ31が傾いた状態を保持されて、シート束PWの手前角PWbまで平行移動すると、移動体モータM1が回転を停止し、ステイプラ31が移動を停止する。ステイプラ31は、停止した位置でシート束PWの手前角PWbを針N1で綴じる。シート束を綴じ終わったステイプラ31は、移動体モータM1の逆転によって、手前待機位置HP1に戻る。
【0040】
ステイプラ31を奥待機位置HP2に待機させて、シート束の奥角PWcを綴じる場合には、ステイプラ31を手前待機位置HP1から奥待機位置HP2に移動させる必要がある。それには、移動体モータM1を回転させる。すると、ステイプラ31は、図4(A)、図4(B)の状態を経て、図4(C)、図5に示すように、ステイプラ31の係合軸52が主案内溝62の中間傾斜部62bに押されて、シート束から離れる方向(矢印A方向)に移動しながら、矢印C方向に移動する。これにともなって、手前突起53が第2の手前逆行阻止片76を押して、手前斜行案内溝64から副案内溝63へ進入する。これによって、手前突起53が奥突起54とともに、副案内溝63に位置することになり、ステイプラ31は、図6(A)に示すように、シートの移動方向A,B方向に沿った真っ直ぐな向きに変わり、そのまま、奥待機位置HP2へ平行移動をする。ステイプラ31は、真っ直ぐな向きで移動する領域内で停止すると、針をシート束PWの縁PWaに沿った平行な向きにしてシート束を綴じることができる。
【0041】
そして、図6(B)に示すように、ステイプラ31は、奥待機位置HP2に近づく。この場合、ステイプラ31の手前突起53と奥突起54が、副案内溝63上で、主案内溝62と奥斜行案内溝164との間に位置しているため、ステイプラ31は、まだ、真っ直ぐな向きで移動している。このため、ステイプラ31は、針をシート束PWの縁PWaに沿った平行な向きにしてシート束を綴じることができる。なお、この位置は、後述する図8(B)に示す、ステイプラ31が斜めになって、シート束の角を、針を斜めにして綴じることのできる領域でもある。このため、ステイプラ31は、同じ領域で、選択的に、シート束を、針をシート束PWの縁PWaに沿った平行な向きにしてシート束を綴じたり、針を斜めにして綴じたりすることができる。
【0042】
図6(B)、図6(C)、図7に示すように、ステイプラ31は、奥待機位置HP2に近づくと、ステイプラの係合軸52が主案内溝62の奥傾斜部162aに押されてシート束PWに接近する方向に移動する。これにともなって、奥突起54が第1の奥逆行阻止片166を押して、副案内溝63から奥斜行案内溝164に進入し、ステイプラ31が矢印F方向に回転しながら、矢印B,C方向に移動する。そして、図8(A)に示すように、ステイプラ31は、矢印F方向に傾いた状態で、奥待機位置HP2に移動して停止する。
【0043】
その後、ステイプラ31がシート束の奥角PWcを綴じる場合も、移動体モータM1が始動する。ステイプラ31は、図8(B)に示すように、矢印F方向に傾いた状態を保持されて、矢印D方向に平行移動し、停止して、シート束の奥角PWcを針N2で綴じる。綴じ終わったステイプラ31は、元の奥待機位置HP2に戻って待機状態になる。
【0044】
ステイプラ31は、奥待機位置HP2から手前待機位置HP1に移動することもできる。その場合、ステイプラ31は、移動体モータM1によって、図8(A)の状態から、図8(B)の状態を経て、図8(C)、図9の状態になる。図8(C)、図9において、ステイプラ31は、ステイプラ31の係合軸52が主案内溝62の中間傾斜部162bに押されて、シート束から離れる方向(矢印A方向)に移動しながら、矢印D方向に移動する。これにともなって、奥突起54が第2の奥逆行阻止片176を押して、奥斜行案内溝164から副案内溝63へ進入する。これによって、奥突起54が手前突起53とともに、副案内溝63に位置することになり、ステイプラ31は、図10(A)に示すように、シートの移動方向A,B方向に沿った真っ直ぐな第1の方向の向きに変わり、そのまま、手前待機位置HP1へ移動する。ステイプラ31は、真っ直ぐな向きで移動する領域内で停止すると、針をシート束PWの縁PWaに沿った平行な向きにしてシート束を綴じることができる。
【0045】
そして、図10(B)に示すように、ステイプラ31は、手前待機位置HP1に近づく。この場合、ステイプラ31の手前突起53と奥突起54が、副案内溝63上で、主案内溝62と手前斜行案内溝64との間に位置しているため、ステイプラ31は、まだ、真っ直ぐな向きで移動している。このため、ステイプラ31は、針をシート束PWの縁PWaに沿った平行な向きにしてシート束を綴じることができる。なお、この位置は、図4(B)に示す、ステイプラ31が斜めになって、シート束の角を、針を斜めにして綴じることのできる領域でもある。このため、ステイプラ31は、同じ領域で、選択的に、シート束を、針をシート束PWの縁PWaに沿った平行な向きにしてシート束を綴じたり、針を斜めにして綴じたりすることができる。
【0046】
図10(C)、図11に示すように、ステイプラ31は、手前待機位置HP1に近づくと、ステイプラの係合軸52が主案内溝62の手前傾斜部62aに押されてシート束PWに接近する方向Bに移動する。これにともなって、手前突起53が第1の手前逆行阻止片66を押して、副案内溝63から手前斜行案内溝64に進入し、ステイプラ31が矢印E方向に回転しながら、矢印D,B方向に移動する。そして、図10(D)に示すように、ステイプラ31は、矢印E方向に傾いた状態で、手前待機位置HP1に移動して停止する。なお、図10(D)は、図4(A)と同じ状態である。
【0047】
以上の説明において、ステイプラは、手前待機位置HP1、奥待機位置HP2で、或いはその近傍の位置でシート束を綴じることができるようになっている。これらの位置は、綴じるシート束の内、最大サイズのシート束の角に対応する位置である。
【0048】
また、ステイプラ31は、シート束PWの縁PWaに沿った平行な向きにして、第1の方向である真っ直ぐな向きで移動する領域内で停止してシート束を綴じることができる。この場合、ステイプラ31は、図6(B)、図10(B)に示すように、シート束の移動方向に対して交差する位置にある領域であっても、副案内溝63内に手前突起53と奥突起54が位置している場合、平行な向きでシート束を綴じることができる。
【0049】
なお、シート処理装置は、図3(A)に示すように、本実施形態において、処理トレイ25の幅中心(矢印C,D方向の中心)CL2とシートPの幅中心CL1とが一致しているが、処理トレイ25の側端にシートの側端を一致させてもよい。
【0050】
また、シート束綴じ装置20は、ステイプラがシートの移動方向に対して交差する縁PWaに沿って移動して、シート束の角と縁PWaとを綴じるようになっている。その他、シート束綴じ装置20は、ステイプラが、シートの移動方向A,Bに沿ったシートの縁を移動できるようにすると、シート束の角とシートの移動方向A,Bに沿ったシート束の縁とを綴じることができる。したがって、本発明のシート束綴じ装置がシート束を綴じる部分は、シートの移動方向に対して交差する縁PWaのみに限定されるものではない。
【0051】
以上のように、シート束綴じ装置は、ステイプラが図4(B)に示すように、向きを変えられた状態で、手前待機位置HP1から終端傾斜面64aの位置までの領域内の位置で、針を移動体の移動方向に対して交差する向き(第2の方向の向き)にしてシート束を綴じることができる。また、シート束綴じ装置は、ステイプラが図8(B)に示すように、向きを変えられた状態で、奥待機位置HP2から終端傾斜面164aの位置までの領域内の位置でも、針を移動体の移動方向に対して交差する向き(第2の方向の向き)にしてシート束を綴じることができる。
【0052】
すなわち、シート束綴じ装置は、針を斜めにしてシート束の手前角、或いは奥角から離れた所望の場所を綴じることができるので、シートがセンタ中心で処理トレイ25に積載されても、シートのサイズに合わせて、シート束の角を綴じることができる。
【0053】
また、シート束綴じ装置は、針を斜めにしてシート束の手前角、或いは奥角から離れた所望の場所を綴じることができるので、シート束が薄シートの場合、シート束の角から離れた薄シートが破れにくい場所を綴じることができる。このため、シート束綴じ装置は、シート束の損傷が少なくなるようにシート束を綴じることができる。
【0054】
さらに、画像形成装置は、シート束の損傷が少なくなるようにシート束を綴じることのできるシート束綴じ装置を備えているので、損傷した枚数分のシートに再度画像を形成することが無くなり、画像形成効率を高めることができる。画像形成効率は、単位時間に対する、画像形成を形成できるシートの枚数の率である。
【符号の説明】
【0055】
2:画像形成部、10:画像形成装置、10A:装置本体、16:シート処理装置、20:シート束綴じ装置、25:処理トレイ(積載部)、31:ステイプラ(綴じ手段)、
32:移動体(綴じ手段)、33:フレーム(固定部材)、34:向き変更機構(向き変更手段)、44:ステイプラ案内溝、52:係合軸(ステイプラの回転中心)、53:手前突起(係合部、第1の係合部材、第2の係合部材、54:奥突起(係合部、第2の係合部材、第1の係合部材)、61:案内溝部、62:主案内溝(案内手段)、62a:手前傾斜部(傾斜部)、63:副案内溝(案内手段、第1案内部材)、63a:第1の手前切り換え溝(第1の切り換え部)、64:手前斜行案内溝(案内手段、第2案内部材)、64a:手前斜行案内溝の終端傾斜面(第2の位置)、64b:第2の手前切り換え溝(第2の切り換え部)、66:第1の手前逆行阻止片(第1の逆行阻止部材)、76:第2の手前逆行阻止片(第2の逆行阻止部材)、162a:奥傾斜部(傾斜部)、163a:第1の奥切り換え溝(第1の切り換え部)、164:奥斜行案内溝(案内手段、第2案内部材)、164a:奥斜行案内溝の終端傾斜面(第2の位置)、164b:第2の奥切り換え溝(第2の切り換え部)、166:第1の奥逆行阻止片(第1の逆行阻止部材)、176:第2の奥逆行阻止片(第2の逆行阻止部材)、176a:第2の奥逆行阻止片の端部、
P:シート、Pa:シートの縁、PW:シート束、PWb:シート束の手前角、PWc:シート束の奥角、A,B:シート移動方向、C,D:移動体移動方向、M1:移動体モータ、S1:手前待機位置センサ、S2:奥待機位置センサ、HP1:手前待機位置(第1の位置)、HP2:奥待機位置(第1の位置)、N1,N2:針、CL1,CL2:中心。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11