(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208359
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】螺旋鉄筋用鉄筋連結具
(51)【国際特許分類】
E04C 5/18 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
E04C5/18 102
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-533270(P2016-533270)
(86)(22)【出願日】2015年7月8日
(65)【公表番号】特表2016-532029(P2016-532029A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】KR2015007089
(87)【国際公開番号】WO2016006934
(87)【国際公開日】20160114
【審査請求日】2015年11月19日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0085028
(32)【優先日】2014年7月8日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515323076
【氏名又は名称】キ,オン クァン
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キ,オン クァン
【審査官】
新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2014−0054691(KR,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2007−0054417(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 5/16 − 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の螺旋鉄筋のそれぞれの一部を内部に収容し、螺旋鉄筋の螺旋突起に螺合して支持する支持具と、
前記支持具の両側の一部がそれぞれ挿入されて螺合し、内部は螺旋突起に螺合して一対の螺旋鉄筋を拘束する一対の拘束具と、から構成され、
前記支持具及び前記一対の拘束具は、一対の螺旋鉄筋のそれぞれに引張力及び圧縮力を同時に供給し、
前記支持具と前記一対の拘束具とが仮組されて一体化した状態で一対の螺旋鉄筋の一部を収容して、前記一対の拘束具が互いに反対方向に回転して離れるとき、一対の螺旋鉄筋のそれぞれに引張力と圧縮力を同時に発生させることを特徴とする螺旋鉄筋用鉄筋連結具。
【請求項2】
前記一対の拘束具は、同じ形状を有する構成で螺旋鉄筋の引張力を高め、単一の前記支持具は、螺旋鉄筋に圧縮力を提供することを特徴とする請求項1に記載の螺旋鉄筋用鉄筋連結具。
【請求項3】
前記支持具の両側には、拘束具に螺合する雄ネジが傾斜して形成された傾斜部が備えられ、
前記支持具の内部には、螺旋突起に対応するピッチを有する鉄筋結合ネジが備えられることを特徴とする請求項2に記載の螺旋鉄筋用鉄筋連結具。
【請求項4】
前記拘束具の内部一側には、前記雄ネジに対応するピッチを有する雌ネジと、前記螺旋突起に対応するピッチを有する突起収容ネジとが備えられ、
前記雄ネジ及び雌ネジは、突起収容ネジ及び鉄筋結合ネジと異なるピッチを有することを特徴とする請求項3に記載の螺旋鉄筋用鉄筋連結具。
【請求項5】
前記雄ネジ及び雌ネジは鋸歯ネジが適用されることを特徴とする請求項4に記載の螺旋鉄筋用鉄筋連結具。
【請求項6】
前記支持具の一側には、前記支持具の内部に挿入された一対の螺旋鉄筋端部の位置を外部から確認するための検査孔が備えられることを特徴とする請求項5に記載の螺旋鉄筋用鉄筋連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋連結具に関し、特に、仮組立した状態で一対の螺旋鉄筋を内部に収容し、完全組立時に螺旋鉄筋に圧縮力と引張力を同時に供給することにより結合力を向上させた螺旋鉄筋用鉄筋連結具に関する。
【0002】
本発明は、鉄筋を回転させない状態で一対の鉄筋連結が行えるようにした螺旋鉄筋用鉄筋連結具に関する。
【0003】
本発明は、一対の鉄筋連結の完了時に外部から加えられる引張及び圧縮による揺れ及び緩みを制限することにより耐久性を向上させた螺旋鉄筋用鉄筋連結具に関する。
【0004】
本発明は、鉄筋連結後に肉眼で内部を透視することにより誤組立の有無を容易に確認できるようにした螺旋鉄筋用鉄筋連結具に関する。
【背景技術】
【0005】
一般に、鉄筋コンクリートの構造物の施工において、骨組としては、コンクリートとの付着応力度を向上させるために横方向に突出した節と縦方向の全長にわたって対称に2本のリブを有する異形鉄筋が主に用いられており、鉄筋は運搬や作業の便宜上、限られた長さに生産されるので、概して連結して用いられるが、異形鉄筋を連結するための方式には様々な種類が用いられている。
【0006】
最も広く用いられている方式は2本の鉄筋の端部を重ねて結束線で縛る重ね継手方式であるが、この方式は継手部が鉄筋の付着力にのみ依存するので安全性が脆弱であるという問題があり、2本の鉄筋の端部を酸素アセチレンガス炎で加熱し、圧接機で加圧して連結するガス圧接方式は、継手部に熱変形が生じて二次応力が発生するので継手部が鉄筋母材より脆弱になるという問題があり、2本の鉄筋の両端に据え込み又は鍛造加工を施してリブと節を円形にし、次いで切削及び転造により雄ネジを加工して雌ネジ型カプラーで連結するネジ継手方式は、鉄筋に外力が加えられて継手部に鉄筋母材とは異なる変形が生じるので母材より脆弱になるという問題がある。
【0007】
鉄筋の生産に関する規定においては、鉄筋コンクリート構造物に熱が加えられても容易に崩壊しないようにするために、鉄筋はコンクリートと熱膨張率が近似する材料的性質を維持して生産するようにしているが、韓国の鉄筋の継手に関する規定において、鉄筋の呼称名がD29(直径29mm)以上の鉄筋継手には重ね継手方式を許可していないので、前述したように、鉄筋をガス圧接や機械的な方式で連結しているが、これらの方式は鉄筋に熱や外力を加える二次加工をすることにより、鉄筋が有する本来の材料的性質を変化させる継手方式であり、これらの連結方式をやむを得ず許可しているのは、鉄筋本来の材料的性質を変化させることなく連結できる鉄筋連結具が多く開発されているからである。
【0008】
また、近年、最善の連結方法の必要性に応じて、
図1に示すように、鉄筋の外面にネジ山状のネジ節11を形成したネジ節鉄筋1、1aが開発されており、内面に鉄筋1、1aのネジ節11が締結される雌ネジ部41を有するスリーブ4zで連結している。
【0009】
しかし、鉄筋1、1aのネジ節11のピッチが長く、ネジの形態が精密でないため、締結が円滑に行えるようにスリーブ4zの雌ネジ部41のネジ溝を鉄筋1、1aのネジ節11より大きく形成するので、スリーブ4zで2本の鉄筋1、1aを締結すると、スリーブ4zと鉄筋1、1a間の遊びが大きくなり、締結が緩みやすく、スリップが発生するという問題がある。
【0010】
これを解消するために、スリーブ4zの両端にロックナット5zを締結し、スリーブ4zの内部にグラウト材を充填して遊びを除去しているが、別途にグラウト材を準備して充填する作業が煩雑であり、グラウト材の強度は鉄筋の10%程度にすぎないので安全な結束が得られず、鉄筋1、1aのピッチが長く、ネジ山の傾斜角が大きいので、ロックナット5zの締結に多くの力を要し、外部の振動によりロックナット5zが緩みやすいという安全性の問題がある。
【0011】
また、2つのロックナット5zがスリーブ4zと一体に仮結合されておらず、別体の部品として備えられるので、部品の管理が難しく、ロックナット5zは比較的小さいため、連結作業時に落下による事故が発生する危険性が高いので、作業の安全性と施工性、さらに作業速度によるコスト低減が求められる建設現場の特性上、仮結合が可能な鉄筋連結具が切実に求められている現状である。
【0012】
これを解消するために、特許文献1には、
図2に示すように、ネジ節11を覆うように装着される半円形スリーブ2を備え、半円形スリーブ2の左右からロックナット5を締めて半円形スリーブ2の傾斜した両側を加圧することにより、螺旋鉄筋1aを連結できるようにする技術が開示されている。
【0013】
しかし、上記従来技術も多数の部品からなる構成であるので、保管及び管理が不便であり、施工性が低下するという問題を依然として抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】韓国登録実用新案第0409526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、仮組立した状態で一対の螺旋鉄筋を内部に収容し、完全組立時に螺旋鉄筋に圧縮力と引張力を同時に供給することにより結合力を向上させた螺旋鉄筋用鉄筋連結具を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、鉄筋を回転させない状態で一対の鉄筋連結が行えるようにした螺旋鉄筋用鉄筋連結具を提供することを目的とする。
【0017】
さらに、本発明は、一対の鉄筋連結の完了時に外部から加えられる引張及び圧縮による揺れ及び緩みを制限することにより耐久性を向上させた螺旋鉄筋用鉄筋連結具を提供することを目的とする。
【0018】
さらに、本発明は、鉄筋連結後に肉眼で内部を透視することにより誤組立の有無を容易に確認できるようにした螺旋鉄筋用鉄筋連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具は、一対の螺旋鉄筋のそれぞれの一部を内部に収容し、螺旋鉄筋の螺旋突起に螺合して支持する支持具と、前記支持具の両側で一部が支持具内に挿入されて螺合し、内部は螺旋突起に螺合して一対の螺旋鉄筋を拘束する一対の拘束具とから構成され、前記支持具及び拘束具は、一対の螺旋鉄筋のそれぞれに引張力及び圧縮力を同時に供給することを特徴とする。
【0020】
前記一対の拘束具は同じ形状を有することを特徴とする。
【0021】
前記支持具の両側には、拘束具に螺合する雄ネジが傾斜して形成された傾斜部が備えられ、前記支持具の内部には、螺旋突起に対応するピッチを有する鉄筋結合ネジが備えられることを特徴とする。
【0022】
前記拘束具の内部一側には、前記雄ネジに対応するピッチを有する雌ネジと、前記螺旋突起に対応するピッチを有する突起収容ネジとが備えられ、前記雄ネジ及び雌ネジは、突起収容ネジ及び鉄筋結合ネジと異なるピッチを有することを特徴とする。
【0023】
前記雄ネジ及び雌ネジは鋸歯ネジが適用されることを特徴とする。
【0024】
前記支持具の一側には、前記支持具の内部に挿入された一対の螺旋鉄筋端部の位置を外部から確認するための検査孔が備えられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具は、仮組立した状態で回転して一対の螺旋鉄筋端部を内部に収容し、完全組立時に螺旋鉄筋に圧縮力と引張力を同時に供給するように構成される。
【0026】
また、本発明は、鉄筋を回転させない状態で一対の鉄筋連結を行うことができるので、使用利便性が向上し、結合力が増加するという利点がある。
【0027】
さらに、本発明は、一対の鉄筋連結の完了時に外部から加えられる引張及び圧縮による揺れ及び緩みが制限されるので、耐久性が向上するという利点がある。
【0028】
それだけでなく、本発明は、鉄筋連結後に肉眼で内部を透視することにより誤組立の有無を容易に確認できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】従来の鉄筋連結具の構成を示す使用状態図である。
【
図2】従来(特許文献1)の鉄筋連結具の構成を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具の使用状態図である。
【
図4】本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具の詳細構成を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具の内部構成を示す縦断面図である。
【
図6】本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具の内部構成を示す分解縦断面図である。
【
図7】本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具の鉄筋連結前の状態を示す縦断面図である。
【
図8】本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具の内部に鉄筋が挿入された状態を示す縦断面図である。
【
図9】本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具の他の鉄筋との結合前の状態を示す縦断面図である。
【
図10】本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具を用いて一対の鉄筋を仮組立した状態を示す縦断面図である。
【
図11】本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具を用いて一対の鉄筋の連結完了時の鉄筋外面との接触状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、
図3を参照して、本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具(以下「鉄筋連結具100」という)の構成について説明する。
【0031】
図3は本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具100の使用状態図である。
【0032】
なお、本明細書及び特許請求の範囲に用いられる用語や単語は通常の辞書的な意味で解釈されてはならず、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義できるという原則に基づき、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈すべきである。
【0033】
よって、本明細書に記載する実施形態や図面に示す構成は本発明の好ましい一実施形態にすぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替できる様々な均等物や変形例があり得ることを理解すべきである。
【0034】
同図に示すように、本発明による鉄筋連結具100は、一対の螺旋鉄筋Fを一直線上に連結するためのものであり、3つの部品から構成され、分離しない仮組立状態で一体に回転して一対の螺旋鉄筋Fの端部を内部に収容する。
【0035】
また、仮組立状態の鉄筋連結具100の両側を回転させ、螺旋鉄筋Fの外面に形成された螺旋突起F’に圧縮及び引張力を同時に供給することにより、最終連結を完了する。
【0036】
より詳細には、鉄筋連結具100は、一対の螺旋鉄筋Fのそれぞれの一部を内部に収容し、螺旋鉄筋Fの螺旋突起F’に螺合して支持する支持具120と、支持具120の両側で一部が支持具120内に挿入されて螺合し、内部は螺旋突起F’に螺合して一対の螺旋鉄筋Fを拘束する一対の拘束具140とから構成され、支持具120が螺旋鉄筋Fに長手方向の圧縮力を加えると共に、拘束具140が螺旋鉄筋Fに長手方向の引張力を供給する。
【0037】
一対の拘束具140は、同じ形状を有するように構成されるので、部品の管理が容易であり、内部が長手方向に穿孔されて支持具120の内部に連通する。
【0038】
また、支持具120の中央には、内部を視認できるように検査孔122が穿孔される。
【0039】
よって、支持具120の内部に収容された一対の螺旋鉄筋Fの端部がどこに位置しているかを肉眼で確認することができる。
【0040】
以下、
図4〜
図6を参照して、支持具120と拘束具140の詳細構成について説明する。
【0041】
図4は本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具100の詳細構成を示す分解斜視図であり、
図5は本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具100の内部構成を示す縦断面図であり、
図6は本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具100の内部構成を示す分解縦断面図である。
【0042】
同図に示すように、支持具120は、中央部が穿孔され、両側は端部に近づくほど外径が減少する形状を有する。
【0043】
また、支持具120の内部には、螺旋突起F’に対応するピッチ及びサイズを有する鉄筋結合ネジ126が備えられる。鉄筋結合ネジ126は、互いに近接又は接触する一対の螺旋鉄筋Fの端部を内部に収容した状態で螺旋鉄筋Fの螺旋突起F’に螺合可能である。
【0044】
支持具120の中央には一対の検査孔122が穿孔され、支持具120の内部を視認できるように構成される。
【0045】
支持具120の両側には、外径が徐々に減少する傾斜部124が備えられる。傾斜部124には雄ネジ125が形成され、拘束具140と支持具120が螺合可能となる構成であり、
図5の拡大図に示すように、鋸歯ネジが適用される。
【0046】
よって、支持具120と拘束具140が互いに結合された状態で、互いに遠ざかる方向の力が加えられると、傾斜部124の傾斜にもかかわらず、十分な結合強度を発揮することができる。
【0047】
一方、拘束具140は、同じ形状を有する一対で構成され、螺旋鉄筋Fと支持具120に同時に螺合することにより、一対の螺旋鉄筋Fが動かないように拘束する。
【0048】
より具体的に説明すると、拘束具140は、内部が長手方向に穿孔された円筒状を有し、内部には突起収容ネジ144が備えられる。
【0049】
突起収容ネジ144は、螺旋鉄筋Fの螺旋突起F’に対応するピッチ及びサイズを有するように構成され、螺旋突起F’に螺合する構成であり、鉄筋結合ネジ126と同じピッチ及びサイズを有する。
【0050】
また、突起収容ネジ144は拘束具140の長さ全体に対して所定の割合で形成され、それ以外の長さには雌ネジ142が形成される。
【0051】
雌ネジ142は、傾斜部124に形成された雄ネジ125に螺合する構成であり、傾斜部124に対応するように傾斜して形成される。
【0052】
すなわち、拘束具140は、一端部から内側に所定の深さまで徐々に小さくなる内径を有し、そこに雌ネジ142が形成される。
【0053】
また、雌ネジ142は、雄ネジ125と同様に鋸歯ネジが適用され、雄ネジ125に対応するピッチ及びサイズを有するように構成される。
【0054】
よって、拘束具140は、雌ネジ142と雄ネジ125の螺合により支持具120に結合可能であり、突起収容ネジ144と螺旋突起F’の螺合により螺旋鉄筋Fに結合可能である。
【0055】
以下、
図7〜
図11を参照して、前述したように構成される鉄筋連結具100を用いて一対の鉄筋を連結する過程について説明する。
【0056】
まず、
図7は本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具100の鉄筋連結前の状態を示す縦断面図であり、支持具120と一対の拘束具140は、
図7に示すように、結合された仮締結状態で準備し、連結しようとする一対の螺旋鉄筋Fも共に準備する。
【0057】
その後、
図8に示すように、鉄筋連結具100を1本の螺旋鉄筋Fの外面に配置する。
【0058】
すなわち、鉄筋連結具100を回転させて螺旋突起F’に螺合する。ここで、螺旋突起F’は、拘束具140の突起収容ネジ144、支持具120の鉄筋結合ネジ126、拘束具140の突起収容ネジ144に順次螺合し、
図8の状態となる。
【0059】
図8は本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具100の内部に鉄筋が挿入された状態を示す縦断面図である。
【0060】
その後、
図9に示すように、一対の螺旋鉄筋Fを突き合わせて同一直線上に配置し、次に鉄筋連結具100を回転させて矢印方向へ移送する。
【0061】
図9は本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具100の他の鉄筋との結合前の状態を示す縦断面図である。
【0062】
これらの過程が完了すると、
図10に示すように、鉄筋連結具100の内部に一対の螺旋鉄筋Fの端部が位置する状態となり、検査孔122により螺旋鉄筋Fの端部の位置を外部から肉眼で確認することができる。
【0063】
しかし、鉄筋連結具100は、
図10の状態では、一対の鉄筋に微細な動きを生じさせることがある。
【0064】
すなわち、
図10は本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具100を用いて一対の鉄筋を仮組立した状態を示す縦断面図であり、
図10の拡大図に示すように、一対の鉄筋が鉄筋連結具100の内部に挿入された状態であっても、突起収容ネジ144及び鉄筋結合ネジ126は螺旋突起F’に圧力を加えた状態ではないので、螺旋鉄筋Fに遊びが生じ得る。
【0065】
よって、
図10に矢印で示すように、一対の拘束具140を異なる方向に回転させて締めることにより、突起収容ネジ144及び鉄筋結合ネジ126が螺旋突起F’に圧力を加えるように強制することができる。
【0066】
図11は本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具を用いて一対の鉄筋の連結完了時の鉄筋外面との接触状態を示す縦断面図であり、
図10の状態において、一対の拘束具140が異なる方向に回転して互いに支持具120から遠ざかる方向に動くので、一対の螺旋鉄筋Fは螺旋突起F’と突起収容ネジ144の干渉により、下の拡大図に示すように、拘束具140から引張力を受ける。
【0067】
それと同時に、支持具120の内部に位置する一対の螺旋鉄筋Fの螺旋突起F’は、鉄筋結合ネジ126の干渉により、上の拡大図に示すように、支持具120から圧縮力を受ける。
【0068】
このような作用は、螺旋突起F’が突起収容ネジ144及び鉄筋結合ネジ126に同時に接触し、それと同時に支持具120と拘束具140が螺合し、突起収容ネジ144及び鉄筋結合ネジ126のサイズが螺旋突起F’のサイズより大きく形成されることによるものである。
【0069】
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、前述した技術範囲内であれば、当業界における通常の技術者によって本発明に基づく様々な変形が可能であろう。
【0070】
例えば、本発明の実施形態においては、雌ネジ142と雄ネジ125が支持具120と拘束具140の傾斜した面に形成されるように構成しているが、対応するピッチ及びサイズを有して螺合可能なものであれば、段差を有して形成された内/外周面に形成してもよいことは言うまでもない。
【0071】
また、本発明の実施形態においては、
図11で支持具120と拘束具140が互いに遠ざかる方向に最終結合する方法について説明したが、支持具120と拘束具140が互いに近づく方向に回転させたとしても、一対の螺旋鉄筋Fのそれぞれの外面に引張力と圧縮力を同時に発生させた状態で堅固に連結できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明による螺旋鉄筋用鉄筋連結具は、仮組立した状態で一対の螺旋鉄筋を内部に収容し、完全組立時に螺旋鉄筋に圧縮力と引張力を同時に供給するように作用する。
【0073】
また、鉄筋を回転させない状態で連結することができる。
【0074】
よって、鉄筋連結作業が簡単になり、管理が容易になるので、広範囲の産業現場で用いることができる。
【0075】
また、鉄筋連結が完了すると揺れ及び緩みが制限されるので、構造物に対する安全性及び信頼性を確保することができる。
【0076】
それだけでなく、鉄筋連結後に内部を透視することにより誤組立の有無を肉眼で検査することができるので、熟練度に関係なく誰でも正確かつ堅固な結合を行うことができ、その波及効果は非常に大きい。