(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
更に、前記コイルに作動的に結合されたセンサを有し、前記センサは、電磁場の存在を検知するように構成され且つ配置される、請求項3に記載の埋込み可能な制御モジュール。
前記コイルはまた、外部デバイスからの信号を受信するように構成され且つ配置され、前記コイルは、前記電子サブアセンブリに結合され、前記外部デバイスからの信号を前記電子サブアセンブリに供給する、請求項1に記載の埋込み可能な制御モジュール。
前記コイルは、地面に短絡された2つの端部を有し、前記2つの端部のうちの1つは、同調コンデンサを介して短絡される、請求項1に記載の埋込み可能な制御モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、埋込み可能な電気刺激システム、並びにかかる電気刺激システムの製造及び使用の方法の分野に関する。本発明はまた、印加された電磁場への患者の露出中にシステムの電気路のインピーダンスを修正するためのインピーダンス回路、並びにインピーダンス回路及び電気刺激システムの製造及び使用の方法に関する。
【0016】
適切な埋込み可能な電気刺激システムは、限定するわけではないが、リードの遠位端部上に配置された1又は2以上の電極及びリードの1又は2以上の近位端部上に配置された1又は2以上の端子を有する電極リード(「リード」)を含む。リードは、例えば、経皮リード、パドルリード、及びカフリードを含む。リードを有する電気刺激システムの例は、例えば、特許文献1〜14に見出され、それらの特許の全てを本明細書に援用する。
【0017】
図1は、電気刺激システム100の1つの実施形態を概略的に示している。電気刺激システムは、制御モジュール(例えば、刺激装置又はパルス発生器)102と、パドル本体104と、制御モジュール102をパドル本体104に結合させる1又は2以上のリード本体106を有している。パドル本体104及び1又は2以上のリード本体106は、リードを構成する。パドル本体104は、典型的には、電極134のアレイを含む。制御モジュール102は、典型的には、密封ハウジング114内に配置された電子サブアセンブリ110及び任意的な電源120を有する。
図1では、制御モジュール102に結合された2つのリード本体106が示されている。
【0018】
制御モジュール102は、典型的には、1又は2以上のコネクタアセンブリ144を有し、その中に、1又は2以上のリード本体106の近位端部を差込んで、1又は2以上のリード本体106の各々の上のコネクタアセンブリ144及び端子(例えば、
図3A〜
図3Cの310)に配置されたコネクタ接点(例えば、
図3A〜
図3Bの316及び
図3Cの340)を介して電気的接続を行うことができる。コネクタ接点は、電子サブアセンブリ110に結合され、端子は、電極134に結合される。
図1では、2つのコネクタアセンブリ144が示されている。
【0019】
1又は2以上のコネクタアセンブリ144は、ヘッダ150に配置されるのがよい。ヘッダ150は、1又は2以上のコネクタアセンブリ144の上の保護カバーを構成する。ヘッダ150は、例えば、キャスト及び成形(射出成形を含む)などを含む任意の適切な工程を使用して形成される。更に、1又は2以上のリード延長部324(
図3C参照)が、1又は2以上のリード本体106と制御モジュール102の間に配置され、1又は2以上のリード本体106と制御モジュール102の間の距離を延ばしてもよい。
【0020】
電気刺激システムは、より多い、より少ない、又は異なる構成要素を含むことができ、本明細書で引用する電気刺激システムの文献に開示されているこれらの形態を含む様々な異なる形態を有することができることを理解すべきである。例えば、パドル本体104の代わりに、電極134は、
図2に示すように、経皮リードを形成するリード本体106の遠位端部に又はその近くに配置することができる。経皮リードは、リード本体106の長さに沿って等直径とすることができる。
【0021】
リード本体106、制御モジュール102、及びパドルリードの場合にはパドル本体104のうちの1又は2以上を含む電気刺激システム又はその構成要素は、典型的には、患者の体の中に埋込まれる。電気刺激システムは、限定するわけではないが、脊髄刺激、脳刺激、神経刺激、筋肉刺激、及び心臓刺激などを含む様々な用途に使用することができる。
【0022】
電極134は、導電性の生体適合性材料を使用して形成することができる。好ましい材料の例は、金属、合金、導電性ポリマー、及び導電性炭素など、並びにそれらの組合せを含む。少なくともいくつかの実施形態では、電極134の1又は2以上は、プラチナ、プラチナイリジウム、パラジウム、チタン、又はレニウムのうちの1又は2以上から形成される。
【0023】
電極134のアレイの電極134の数は、異なる場合がある。例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又はそれよりも多くの電極134がある可能性がある。図示のように、他の数の電極134も使用することができる。
図1では、16の電極134が示されている。電極134は、例えば、円形、長円形、三角形、矩形、五角形、六角形、七角形、及び八角形などを含む任意の適切な形状に形成することができる。
【0024】
パドル本体104又は1又は2以上のリード本体106の電極は、典型的には、例えば、シリコーン及びポリウレタンなど又はそれらの組合せを含む非導電性の生体適合性材料内に配置され、それらによって分離される。パドル本体104及び1又は2以上のリード本体106は、例えば、成形(射出成形を含む)及びキャストなどを含むいずれかの工程によって望ましい形状に形成される。電極及び接続ワイヤは、成形又はキャスト工程の前又はその後のいずれかに、パドル本体上又はパドル本体内に配置される。非導電性材料は、典型的には、リードの遠位端部から1又は2以上のリード本体106の各々の近位端部まで延びる。パドル本体104及び1又は2以上のリード本体106の非導電性の生体適合性材料は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。パドル本体104及び1又は2以上のリード本体106は、単体構造であってもよいし、恒久的に又は取外し可能に互いに結合される2つの個別の構造体として形成されてもよい。
【0025】
端子(例えば、
図3A〜
図3Cの310)は、典型的には、例えば、制御モジュール102に(又はリード延長部、手術室ケーブル、分割器、及びアダプタなどの上の導電接点のような他のデバイスに)配置されたコネクタアセンブリ(例えば、
図1〜3Cの144)の対応する導電接点(例えば、
図3A〜
図3Bの316及び
図3Cの340)に接続するために1又は2以上のリード本体106の近位端部に配置される。
【0026】
導電ワイヤ(図示せず)は、端子(例えば、
図3A〜
図3Cの310)から電極134まで延びる。典型的には、1又は2以上の電極134は、端子(例えば、
図3A〜
図3Cの310)に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、各端子(例えば、
図3A〜
図3Cの310)は、1つの電極134だけに結合される。
【0027】
導電ワイヤは、リードの非導電性材料に組込むことができ、又はリードに沿って延びる1又は2以上の内腔(図示せず)に配置することができる。いくつかの実施形態では、各導電ワイヤに対して個々の内腔がある。他の実施形態では、2又は3以上の導電ワイヤは、内腔を通って延びることができる。例えば、患者の体内でリードの設置を容易にするようにスタイレットロッドを挿入するためにリードの近位端部で又はその近くで開口する1又は2以上の内腔(図示せず)もある可能性がある。更に、例えば、パドル本体104の埋込みの部位の中に薬剤又は薬物を注入するためにリードの遠位端部で又はその近くで開口する1又は2以上の内腔(図示せず)もある可能性がある。少なくとも1つの実施形態では、1又は2以上の内腔は、生理食塩水及び硬膜外液体などで連続的に又は定期的に洗い流すことができる。少なくともいくつかの実施形態では、1又は2以上の内腔は、遠位端部で恒久的に又は取外し可能に密封可能にすることができる。
【0028】
上述したように、1又は2以上のリード本体106は、制御モジュール102に配置された1又は2以上のコネクタアセンブリ144に結合される。制御モジュール102は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又はそれよりも多くのコネクタアセンブリ144を含む任意の適切な数のコネクタアセンブリ144を含むことができる。他の数のコネクタアセンブリ144を代わりに使用してもよいことを理解すべきである。
図1では、2つのリード本体106の各々は、2つの異なるコネクタアセンブリ144のうちの異なる1つに配置された8つの導電接点と結合されて示されている8つの端子を含む。
【0029】
導電接点116(
図2を参照)のような複数の導電接点は、コネクタアセンブリ144に配置され、かつリードがコネクタアセンブリ144に配置される時にリード上に配置された端子(図示せず)と結合するように構成され且つ配置される。
図2では、8つのコネクタ接点116を有するコネクタアセンブリ144が示されている。例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、20、24、32、又はそれよりも多くのコネクタ接点116を含む任意の適切な数のコネクタ接点116を利用することができることを理解すべきである。コネクタ接点116は、密封ハウジング114の中に延びる複数の貫通相互接続部126(
図2)を介して電子サブアセンブリ110に電気的に結合される。
【0030】
少なくともいくつかの実施形態では、リードは、制御モジュール上に配置されたコネクタに結合される。
図3Aは、制御モジュール102上に配置された単一のコネクタアセンブリ144の1つの実施形態の概略的な斜視図である。
図3Bは、制御モジュール102上に配置された複数のコネクタアセンブリ144の1つの実施形態の概略的な斜視図である。少なくともいくつかの実施形態では、制御モジュール102は、2つのコネクタアセンブリ144を含む。少なくともいくつかの実施形態では、制御モジュール102は、4つのコネクタアセンブリ144を含む。
【0031】
図3A及び
図3Bでは、制御モジュール102に挿入するように構成され且つ配置された1又は2以上のリード本体106の近位端部306が示されている。
図3A及び
図3Bでは、1又は2以上のコネクタアセンブリ144は、ヘッダ150に配置される。少なくともいくつかの実施形態では、ヘッダ150は、1又は2以上のポート304を有し、その中に、端子310を有する1又は2以上のリード本体106の近位端部306が方向矢印312で示すように挿入され、1又は2以上のコネクタアセンブリ144内に配置されたコネクタ接点へのアクセスを行うことができる。
【0032】
1又は2以上のコネクタアセンブリ144の各々は、コネクタハウジング314及びそこに配置された複数のコネクタ接点316を含む。典型的には、コネクタハウジング314は、複数のコネクタ接点316へのアクセスを可能にするポート(図示せず)を定める。少なくともいくつかの実施形態では、コネクタアセンブリ144のうちの1又は2以上は、リード本体106をコネクタアセンブリ144の中に挿入してコネクタアセンブリ144からリード本体106の望ましくない脱離を阻止する時に、対応するリード本体308をコネクタアセンブリ144に締結するように構成され且つ配置された保持要素318を更に含む。例えば、保持要素318は、ファスナ(例えば、位置決めネジ又はピンなど)を挿入し、挿入されたリード本体又はリード延長部に対して固定することができる際に通る開口を含むことができる。
【0033】
1又は2以上のリード本体106が、1又は2以上のポート304に挿入される時に、コネクタ接点316は、1又は2以上のリード本体106上に配置された端子310と整列し、制御モジュール102を1又は2以上のリード本体106の遠位端部に配置された電極(
図1の134)に電気的に接続することができる。制御モジュールにおけるコネクタアセンブリの実施例は、例えば、特許文献6及び14に見出され、それらの特許の内容を本明細書に援用する。
【0034】
図3Cでは、リード延長部コネクタアセンブリ322は、リード延長部324上に配置される。リード延長部324の遠位端部326に配置されたリード延長部コネクタアセンブリ322が示されている。リード延長部コネクタアセンブリ322は、接点ハウジング328を含む。接点ハウジング328は、方向矢印338によって示すように、端子310を有するリード本体106の近位端部306が挿入される少なくとも1つのポート330を定める。リード延長部コネクタアセンブリ322はまた、複数のコネクタ接点340を有する。リード本体106がポート330に挿入される時に、接点ハウジング328に配置されたコネクタ接点340は、リード本体106上の端子310と整列し、リード延長部324をリード本体106の遠位端部(図示せず)に配置された電極(
図1の134)に電気的に接続することができる。
【0035】
リード延長部の近位端部は、リード本体の近位端部と同様に構成かつ配置することができる。リード延長部324は、遠位端部326の反対側のリード延長部324の近位端部348にコネクタ接点340を電気的に結合する複数の導電ワイヤ(図示せず)を含むことができる。リード延長部324に配置された導電ワイヤは、リード延長部324の近位端部348上に配置された複数の端子(図示せず)に電気的に結合することができる。少なくともいくつかの実施形態では、リード延長部324の近位端部348は、別のリード延長部に配置されたリード延長部コネクタアセンブリの中に挿入するように構成され且つ配置される。他の実施形態では(
図3Cに示すように)、リード延長部324の近位端部348は、制御モジュール102上に配置されたコネクタアセンブリ144の中に挿入されるように構成され且つ配置される。
【0036】
図4は、制御モジュール内に配置された電子サブアセンブリ410を含む電気刺激システム400の構成要素の1つの実施形態の概略的な全体図である。電気刺激システムは、より多い、より少ない、又は異なる構成要素を含むことができ、本明細書で引用する刺激装置の文献に開示されている形態を含む様々な異なる形態を有することができることを理解すべきである。
【0037】
電気刺激システムの構成要素(例えば、電源412、アンテナ418、受信機402、及びプロセッサ404)のいくつかは、必要に応じて埋込み可能パルス発生器の密封ハウジング内で1又は2以上の回路基板又は同様の担体上に配置されてもよい。例えば、1次バッテリ又は再充電可能バッテリ等のバッテリを含むいずれかの電源412を使用してもよい。他の電源の実施例は、本明細書に援用する特許文献15に説明する電源を含む超コンデンサ、核又は原子力バッテリ、機械共振器、赤外線コレクター、熱電力エネルギ源、曲げ電力エネルギ源、バイオエネルギ電源、燃料電池、生体電気電池、及び浸透圧ポンプなどを含む。
【0038】
別の変形例として、電力は、任意的なアンテナ418又は2次アンテナを介して誘導結合により外部電源によって供給されてもよい。外部電源は、ユーザの皮膚上に装着されたデバイス、又は恒久的又は定期的にユーザの近くに設けられたユニット内にあるのがよい。
【0039】
電源412が再充電可能バッテリである場合、バッテリは、必要に応じて任意的なアンテナ418を使用して再充電することができる。バッテリをユーザの外部の再充電ユニット416にアンテナを通して誘導結合することにより、電力が、再充電するためにバッテリに供給されてもよい。このような配置の実施例は、上述の文献に見出すことができる。
【0040】
1つの実施形態では、電流は、パドル又はリード本体上の電極134によって放出され、神経繊維、筋繊維、又は電気刺激システムの近くの他の身体組織を刺激する。プロセッサ404は、一般的に、電気刺激システムのタイミング及び電気特性を制御するために含まれる。例えば、プロセッサ404は、必要に応じてパルスのタイミング、周波数、強度、持続時間、及び波形のうちの1又は2以上を制御する。更に、プロセッサ404は、どの電極を使用して必要に応じて刺激を供給することができるかを選択することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ404は、どの電極がカソードであるか、及びどの電極がアノードであるかを選択することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ404を使用して、どの電極が望ましい組織の最も有用な刺激を提供するかを識別することができる。
【0041】
任意のプロセッサを使用することができ、例えば、一定の間隔でパルスを生成する電子デバイスのような簡単なものにすることができ、又はプロセッサは、例えば、パルス特性の修正を可能にする外部プログラミングユニット408からの命令を受信して解釈することができる。図示の実施形態では、プロセッサ404は、受信機1102に結合され、これは、次に、任意的なアンテナ418に結合される。これは、プロセッサ404が外部源から命令を受信し、例えば、必要に応じてパルス特性及び電極の選択を命令することを可能にする。
【0042】
1つの実施形態では、アンテナ418は、プログラミングユニット408によってプログラムされた外部遠隔測定ユニット406から信号(例えば、RF信号)を受信することができる。プログラミングユニット408は、遠隔測定ユニット406の外部又はその一部とすることができる。遠隔測定ユニット406は、ユーザの皮膚上に着用されたデバイスとすることができ、ユーザが担持することができ、必要に応じてポケットベル、携帯電話、又は遠隔制御装置と同様の形態を有することができる。別の変形例として、遠隔測定ユニット406は、ユーザが着用するか又は担持することはできないが、ホームステーション又は臨床医のオフィスにおいてのみ利用可能にすることができる。プログラミングユニット408は、電気刺激システム400に送信するために遠隔測定ユニット406に情報を提供することができる任意のユニットとすることができる。プログラミングユニット408は、遠隔測定ユニット406の一部とすることができ、又は無線又は有線接続を介して遠隔測定ユニット406に信号又は情報を提供することができる。好ましいプログラミングユニットの一例は、信号を遠隔測定ユニット406に送信するようにユーザ又は臨床医が作動するコンピュータである。
【0043】
アンテナ418及び受信機402を介してプロセッサ404に送信された信号を使用して、電気刺激システムの作動を修正又はそうでなければ命令することができる。例えば、信号を使用して、パルス持続時間、パルス周波数、パルス波形、及びパルス強度のうちの1又は2以上を修正するなどの電気刺激システムのパルスを修正することができる。信号はまた、電気刺激システム400に命令して作動を中止、作動を開始、バッテリの充電を開始、又はバッテリの充電を停止することができる。他の実施形態では、刺激システムは、アンテナ418又は受信機402を含まず、プロセッサ404は、プログラムされたように作動する。
【0044】
任意的に、電気刺激システム400は、プロセッサ404と、信号を遠隔測定ユニット406又は信号を受信することができる別のユニットに送信して戻すためのアンテナ418とに結合された送信機(図示せず)を含むことができる。例えば、電気刺激システム400は、電気刺激システム400が適正に作動しているか又は作動していないかを示し、又はバッテリを充電する必要がある時又はバッテリの残りの電荷のレベルを示す信号を送信することができる。プロセッサ404はまた、パルス特性に関する情報をユーザ又は臨床医がその特性を判断又は検証することができるように送信可能である場合がある。
【0045】
従来の電気刺激システムは、MRI環境において電磁場(例えば、無線周波数電場)の影響により磁気共鳴撮像(「MRI」)と共に使用するのに場合によっては安全でない場合がある。電気刺激システムと無線周波数(「RF」)照射又は磁場及び磁場勾配との間に電気的相互作用を引き起こす共通の機構は、電気刺激システムの金属部分への印加された電磁場の共通モードの結合である。これは、ハウジングを金属で作ることができる時にハウジング114の金属部分を含み、又はハウジング上の電極のような1又は2以上の金属構造部を含むことができる。共通モードの誘導電流は、MRI環境において1アンペアよりも大きい振幅に達する可能性がある。このような電流は、電子サブアセンブリ内に配置された電子回路のような電子回路内に加熱及び場合によっては破壊的電圧を引き起こす可能性がある。制御モジュールのハウジングの金属構成要素の加熱により、組織燃焼又は損傷を引き起こす可能性がある。
【0046】
磁束を生成する電磁場は、例えば、ハウジングの金属ハウジング又は他の金属構造部で渦電流を誘導する可能性がある。渦電流は、ハウジングの金属構造部で抵抗加熱をもたらす。加熱は、周囲組織に損傷を与える場合がある。渦電流はまた、制御モジュールにおいてバッテリ又は他の構成要素の加熱を引き起こす可能性があり、制御モジュール又は周囲組織に損傷をもたらす場合がある。
【0047】
これに対処するために、1又は2以上のコイルが、制御モジュールに設置され、外部電磁場から生じる磁束が対抗する磁束を生成することになるコイル内の電流を誘導することになるように短絡させることができる。これに代えて、信号発生器をコイルに取り付けて対抗する磁束を発生させることができる。これらの配置は、制御モジュールのハウジングの金属構造部が受ける全磁束を低減し、より小さな渦電流又は更に渦電流がない状態をもたらすことができる。コイルは、何らかの抵抗加熱を発生させる場合があるが、このような加熱は、コイルが典型的にはより低い抵抗を有するので、コイルなしに制御モジュールのハウジングの金属構造部から発生すると考えられるものよりも一般に小さくなる。
【0048】
図5は、制御モジュール502及びリード504の1つの実施形態を示す。制御モジュール502は、ハウジング514、ヘッダ550、ヘッダ内の1又は2以上のコネクタアセンブリ544、及びコネクタアセンブリ内の1又は2以上のコネクタ接点516を含む。制御モジュール502はまた、
図1〜4に示す制御モジュールに対して説明した要素のいずれかを含むことができる。
【0049】
制御モジュール502はまた、ハウジング514内又は上に設けられるコイル560を含む。コイル560は、好ましくは生体適合性の金属又は合金などの導電性材料で作られる。コイル560は、1又は2以上のループを有する。例えば、コイルは、1、2、3、4、5、6、10、12、20、50、100、又はそれよりも多くのループを有することができる。
【0050】
コイル560は、ハウジング514内又は上のどこかに設置することができる。いくつかの実施形態では、コイル560は、ハウジング514の壁を形成する材料に成形される。いくつかの実施形態では、コイル560は、ハウジング内の密封室に配置される。例えば、コイル560は、ハウジング514の内部表面に取り付けることができ、又は電子サブアセンブリ110(
図1を参照)の回路基板又は他の部分に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、コイル560は、ハウジング514の外部表面上に設置される。
【0051】
コイル560は、外部電磁場(例えば、RF電場又は磁場或いは磁場勾配)がコイル内に電流を誘導することができる位置でハウジング514内又は上に設置される。誘導電流は、電磁場の磁束に対抗する磁束を発生させることになり、それにより、制御モジュールが受ける全磁束を低減又は排除すると考えられている。これは、制御モジュールの金属部分(特に、ハウジング514の外部表面上の金属部分)において渦電流を低減又は排除することができる。制御モジュールは、1よりも多いコイル560を含むことができることを理解すべきである。例えば、制御モジュールは、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれよりも多くのコイル560を含み、制御モジュールの金属部分において渦電流を低減又は排除することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、コイル560の2つの端部は、恒久的に短絡されている。コイル560の端部を短絡し、電磁場がコイル内を流れる電流を誘導することを可能にする。
【0053】
これに代えて、コイル560の端部は、特定の状況下でのみ短絡される。このような配置は、例えば、コイル560が制御モジュール502と外部デバイスとの間の通信に干渉するのを回避するのに有用な場合がある。コイル560をハウジング514の外部上又はハウジングの材料内に配置する実施形態では、コイルの端部からハウジング内の回路までのリードを設け(好ましくは、密封貫通相互接続部を使用して)、コイルの端部の短絡又は開路を制御することができる。
【0054】
少なくともいくつかの実施形態では、コイル560の端部は、ユーザ又は開業医による開始時に短絡させることができる。例えば、ユーザ又は開業医は、制御モジュールにコイル560の端部を短絡するように指示する指令信号を制御モジュール502に送信し(例えば、無線で)又はその他の方法で送ることができる。ユーザ又は開業医からの第2の信号は、短絡回路に命令して開路する(すなわち、非短絡する)ことができる。変形例として又はそれに加えて、コイル560の端部の間の短絡回路は、予め設定した時間期間の後に開路することができ、その持続時間は、ユーザプログラム可能とすることができる。この配置は、実施されるMRI手順を有することになるユーザにとって特に有用であり得る。ユーザ又は開業医は、制御モジュールがRF電場及び大きな磁場並びに磁場勾配を受ける時のMRI手順中にコイル560を短絡するように命令することができる。
【0055】
少なくともいくつかの実施形態では、制御モジュール502又は制御モジュールに結合された別のデバイスは、任意的なセンサ562を含み、外部電磁場の存在を検出することができる。電磁場が閾値レベルを超える場合、制御モジュール502は、コイル560の端部を短絡するように命令することができる。閾値レベルは恒久的に設定することができ、又はプログラム可能とすることができる。この場合も同様に、この配置は、実施されるMRI手順を有することになるユーザにとって特に有用であり得る。閾値レベルは、MRI手順に関連するRF電場又は磁場が、コイル560の端部の短絡をトリガするように設定することができる。任意的に、センサ762はまた、外部電磁場が閾値レベルを下回る時を検出し、次いで、コイル560の端部の間の短絡回路を開路するように命令することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、コイル560はまた、他の作業に使用することができる。例えば、コイル560は、
図4のアンテナ418として使用することができる。従って、コイルは、電源412(
図4を参照)を再充電するために又は遠隔通信ユニット406(
図4を参照)又はプログラミングユニット408(
図4を参照)又はこれらの何らかの組合せから信号を受信し又はこれらに信号を送信するように使用することができる。少なくともいくつかの実施形態では、任意的なスイッチを設けて、自動で又はユーザの要求でコイルをアンテナとしての使用からコイルとしての使用に切り替えて対抗する磁束を発生させることができる。
【0057】
図6Aは、制御モジュール602及びリード604の別の実施形態を示す。制御モジュール602は、ハウジング614、ヘッダ650、ヘッダ内の1又は2以上のコネクタアセンブリ644、コネクタアセンブリ内の1又は2以上のコネクタ接点616を含む。制御モジュール602はまた、
図1〜5に示す制御モジュール対して上述した要素のいずれかを含むことができる。
【0058】
制御モジュール602はまた、ハウジング614上にパターン化されたコイル660を含む。コイル660は、好ましくは生体適合性の金属又は合金などの導電性材料で作られる。コイル660は、1又は2以上のループを有する。例えば、コイルは、1、2、3、4、5、6、10、12、20、50、100、又はそれよりも多くのループを有することができる。コイル660は、限定するわけではないが、フォトリソグラフィ又は印刷方法を含む任意の適切な技術を使用してハウジング614の上にパターン化することができる。コイル660は、ハウジング614の外部表面上に(
図6に示すように)又はハウジングの内部表面上にパターン化することができる。
【0059】
図6Aはまた、コイル660の端部を電気的に結合する任意の短絡要素662を含む。この短絡要素662は、コイルの中間ループから絶縁されている。これに代えて、コイル660は、
図5のコイル560に対して上述した配置及び技術のいずれかを使用して恒久的に又は一時的に(すなわち、非恒久的に)短絡させることができる。
【0060】
図6Bは、コイル660の端部の両方が接地するように短絡され、一方の端部が同調コンデンサ664(又は他の同調回路)を通って短絡された代替の実施形態を示す。同調コンデンサは、コイル及びコンデンサの組合せ(例えば、LC回路)が特定の周波数に同調されるように選択することができる。周波数は、例えば、MRIシステム又は作動に関連する任意の適切な周波数とすることができる。例えば、周波数は、1.5T MRI磁石の64MHz又は3T MRI磁石の128MHzなどのMRI RF周波数とすることができる。これに代えて、周波数は、MRI勾配電場に関連付けられた周波数の範囲の中心周波数又は他の何れかの周波数などのMRI勾配電場に関連付けることができる。
【0061】
これに代えて、コイル配置を異なる周波数に同調することができるように、1組の2又は3以上の異なるコンデンサを設けることができる。適切なコンデンサの選択は自動であってもよく(例えば、場の周波数又は周波数範囲或いは強度を検知する磁場センサを使用して)、又は制御モジュールに命令を送るユーザによって開始されてコンデンサ又はこれらの何らかの組合せのうちの1つを選択することができる。1又は2以上の同調コンデンサ(又は他の同調回路)の使用は、
図5、6A、及び7に示すものを含む本明細書で説明したコイルのいずれかと一体化することができることを理解すべきである。
【0062】
コイルにおける電流の誘導に依存する代わりに又はこれに加えて、対抗する磁束を生成するようにアクティブ信号発生器にコイルを結合することができる。
図7は、制御モジュール702及びリード704の別の実施形態を示す。制御モジュール702は、ハウジング714、ヘッダ750、ヘッダ内の1又は2以上のコネクタアセンブリ744、及びコネクタアセンブリ内の1又は2以上のコネクタ接点716を含む。制御モジュール702はまた、
図1〜6に示す制御モジュールに対して上述した要素のいずれかを含むことができる。
【0063】
制御モジュール702はまた、ハウジング714内又は上にコイル760を含む。コイル760は、
図5及び6に対して上で検討したコイルのいずれかとすることができる。コイル760は、好ましくは生体適合性の金属又は合金などの導電性材料で作られる。コイル760は、1又は2以上のループを有する。例えば、コイルは、1、2、3、4、5、6、10、12、20、50、100、又はそれよりも多くのループを有することができる。
【0064】
制御モジュール702はまた、アクティブ信号発生器766を含む。アクティブ信号発生器は、電流をコイル760に提供して、外部電磁場からの影響を低減するために対抗する磁束を発生させる。いくつかの実施形態では、外部電磁場から流入磁束の全て又はほぼ全て(例えば、少なくとも75%、80%、90%、95%、又は99%)を解消する対抗する磁束を発生させるようにアクティブ信号発生器に命令することができる。信号発生器766は、制御モジュール702のプロセッサ404(
図4を参照)を利用することができ、又はそれは、コイル760における対抗する磁束の発生を指示するためのそれ自体のプロセッサを有することができる。
【0065】
少なくともいくつかの実施形態では、信号発生器766は、ユーザ又は開業医による開始時に作動させることができる。例えば、ユーザ又は開業医は、信号発生器が電流をコイル760に提供ように命令する信号を制御モジュール702に送信し又はその他の方法で送ることができる。ユーザ又は開業医からの第2の信号は、信号発生器を作動停止することができる。これに加えて又はこれに代えて、信号発生器は、予め設定した時間期間中のみ作動させることができ、その持続時間は、ユーザプログラム可能とすることができる。この配置は、実施されるMRI手順を有することになるユーザにとって特に有用であり得る。ユーザ又は開業医は、制御モジュールがRF電場及び大きな磁場並びに磁場勾配を受けることになるMRI手順中に信号発生器766を作動させるように命令することができる。
【0066】
少なくともいくつかの実施形態では、制御モジュール702又は制御モジュールに結合された別のデバイスは、任意のセンサ762を含み、外部電磁場の存在を検出することができる。いくつかの実施形態では、センサ762は、電磁場又は電磁場によって発生する磁束の大きさ又は位相(或いは大きさ及び位相の両方)を検出することができる。電磁場が閾値レベルを超える場合、信号発生器766を作動させて、電流をコイル560に送って対抗する磁束を発生させることができる。閾値レベルは、恒久的に設定され、又はプログラム可能とすることができる。この場合も同様に、この配置は、実施されるMRI手順を有することになるユーザにとって特に有用であり得る。閾値レベルは、MRI手順に関連付けられたRF電場又は磁場が信号発生器766をトリガするように設定することができる。任意的に、センサ762はまた、外部電磁場が閾値レベルを下回る時を検出し、次いで、信号発生器766を作動停止するように命令することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、コイル760はまた、他の作業に使用することができる。例えば、コイル760は、
図4のアンテナ418として使用することができる。従って、コイルは、電源412(
図4を参照)を再充電するために、又は遠隔通信ユニット406(
図4を参照)又はプログラミングユニット408(
図4を参照)或いはこれらの何らかの組合せから信号を受信し又はこれらに信号を送信するために使用することができる。少なくともいくつかの実施形態では、任意的なスイッチを設けて、自動で又はユーザの要求でコイルをアンテナとしての使用から対抗する磁束を発生させるコイルとしての使用に切り替えることができる。
【0068】
以上の仕様、例、及びデータは、本発明の構成物の製造及び使用の説明を提供するものである。本発明の多くの実施形態は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができ、本発明はまた、以下に添付された特許請求の範囲に属するものである。