特許第6208395号(P6208395)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 上原 優の特許一覧

<>
  • 特許6208395-ペット用爪切りの断片捕捉具 図000002
  • 特許6208395-ペット用爪切りの断片捕捉具 図000003
  • 特許6208395-ペット用爪切りの断片捕捉具 図000004
  • 特許6208395-ペット用爪切りの断片捕捉具 図000005
  • 特許6208395-ペット用爪切りの断片捕捉具 図000006
  • 特許6208395-ペット用爪切りの断片捕捉具 図000007
  • 特許6208395-ペット用爪切りの断片捕捉具 図000008
  • 特許6208395-ペット用爪切りの断片捕捉具 図000009
  • 特許6208395-ペット用爪切りの断片捕捉具 図000010
  • 特許6208395-ペット用爪切りの断片捕捉具 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6208395
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】ペット用爪切りの断片捕捉具
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   A01K13/00 G
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-135970(P2017-135970)
(22)【出願日】2017年7月12日
【審査請求日】2017年7月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】317009363
【氏名又は名称】上原 優
(74)【代理人】
【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
(72)【発明者】
【氏名】上 原 優
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−261573(JP,A)
【文献】 実開平5−48869(JP,U)
【文献】 特開2002−331181(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0190506(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 13/00
A45D 29/00
B26B 13/00
B26B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に刀、基端寄りにハンドル部を有して対を成す刀身が、互いの適所を介して切断操作可能に連結されたペット用爪切りが装着対象であって、該対象ペット用爪切りの開かれた一対の刃の平面積に相当するか、それよりも広い面積を有する皿型であって、該皿型の該一対の刃に対峙配置となる内壁が高摩擦捕捉壁か、粘着捕捉壁かの少なくとも何れか一方とされた断片受け皿を有し、該断片受け皿の基端適所からは、該断片受け皿を支持可能な装着腕が、該装着腕の先端を、該対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に達する長さに延伸されると共に、該装着腕の先端には、該対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に対して着脱自在となる着脱機構部が設けられてなるものとしたことを特徴とするペット用爪切りの断片捕捉具。
【請求項2】
先端に刀、基端寄りにハンドル部を有して対を成す刀身が、互いの適所を介して切断操作可能に連結されたペット用爪切りが装着対象であって、該対象ペット用爪切りの開かれた一対の刃の平面積に相当するか、それよりも広い面積を有する皿型であって、該皿型の該一対の刃に対峙配置となる内壁が高摩擦捕捉壁とされた弾性素材製の断片受け皿を有し、該断片受け皿の高摩擦捕捉壁を挟む左右の基端からは、該断片受け皿を支持可能な左右一対の装着腕が、各装着腕の先端を、該対象ペット用爪切りの夫々が対応する左右ハンドル部の適所に夫々達する長さに延伸されると共に、各装着腕の先端には、夫々該対象ペット用爪切りの左右ハンドル部の対応する適所に対して着脱自在となる左右独立の着脱機構部が設けられてなるものとしたことを特徴とするペット用爪切りの断片捕捉具。
【請求項3】
断片受け皿が、対象ペット用爪切りの一対の刃に対峙配置となる高摩擦捕捉壁の、装着腕が設けられたのとは反対がわとなる該断片受け皿の先端がわであり、装着状態にあっては対象ペット用爪切りの一対の刃の先端に対峙する位置に、内向きの庇型の堰き止め壁が設けられ、該断片受け皿の高摩擦捕捉壁の先端がわと、該高摩擦捕捉壁の先端がわを覆う該堰き止め壁とが、断片を収集可能な断片ポケットを形成してなるものとされた、請求項2記載のペット用爪切りの断片捕捉具。
【請求項4】
断片受け皿が、対象ペット用爪切りの開かれた一対の刃の平面積に相当するか、それよりも広い面積を包囲可能な平面形、概略U状、V状またはC状の何れか一の枠形状とされた弾性フレーム枠を有し、該フレーム枠の左右基端の夫々からは、該断片受け皿を支持可能な左右一対の装着腕が、各装着腕の先端を、該対象ペット用爪切りの夫々が対応する左右ハンドル部の適所に夫々達する長さに延伸されると共に、各装着腕の先端には、夫々該対象ペット用爪切りの左右ハンドル部の対応する適所に対して着脱自在となる左右独立の着脱機構部が設けられた上、該フレーム枠には、装着状態にあっては対象ペット用爪切りの一対の刃に対峙する内壁相当範囲に粘着剤層が設けられた使い捨て用粘着シートが着脱自在に張着され、粘着捕捉壁を有するものとされた、請求項1記載のペット用爪切りの断片捕捉具。
【請求項5】
断片受け皿が、対象ペット用爪切りの開かれた一対の刃の平面積に相当するか、それよりも広い底壁であって、該底壁の短辺に相当する深さの周壁を有する深い器状の内壁とされ、該断片受け皿の底壁および周壁の何れか適所からは、該断片受け皿を支持可能な可塑性棒状の1本の装着腕が、該装着腕の先端を、該対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に達する長さに延伸されると共に、該装着腕の先端には、該対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に対して着脱自在となる着脱機構部が設けられてなるものとした、請求項1記載のペット用爪切りの断片捕捉具。
【請求項6】
着脱機構部が、対象ペット用爪切りのハンドル部適所に蔓状に捲着および離脱可能な可塑性棒状体、雄・雌が対を成し、何れか一方が装着腕に、何れか他方が対象ペット用爪切りのハンドル部適所に固着された面ファスナー、装着腕の先端に適所が一体化され、対象ペット用爪切りのハンドル部適所に着脱自在に挟着可能なクリップ、および、N極・S極が対を成し、何れか一方が装着腕に、何れか他方が対象ペット用爪切りのハンドル部適所に固着された永久磁石の中、少なくとも一からなるものとされた、請求項1ないし5何れか一記載のペット用爪切りの断片捕捉具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、切断具類から出る切断屑類を排出と同時に効率的に回収する技術に関連するものであり、該切断屑類を効率的に捕捉し、簡便に処理することができる切断屑用の捕捉具類、およびその関連用具類を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
犬や猫などは、本来、屋外を駆け回ったり、狩をしたり、自ら爪研ぎをしたりしていれば、正常な爪の長さを維持できるものであるが、近年、室内で飼われることが殆どとなった犬や猫、その他の小動物などのペット類は、室内の床上を歩行し、日頃の運動量も少なくなり、生活の中で爪が自然に磨り減ったり、外がわの古い爪の層が剥がれ落ちて新しい爪が露出するなどの新陳代謝が円滑に行われ難い状況にあり、こうした室内犬や室内猫、その他の室内で飼われる小動物などの爪が伸び過ぎると、カーテンやカーペットなど様々なものに爪を引っ掛けてしまったり、人を引っ掻いて傷付けてしまったりする虞がある外、ゲージなどに引っ掛かって爪が折れてしまったり、根元から爪が抜け落ちてしまったりする虞があり、さらに鈎状に湾曲して伸びた爪は、自らの肉球や足裏の皮膚に食い込んで傷付けてしまったり、爪が長すぎると歩きにくくなり、そうした不自然な歩行が長期間続くと腰痛や、関節炎などの障害に発展してしまう虞があるなど、様々なトラブルの原因となることから、こうした弊害を未然に防ぐためにも、飼い主による爪切りが不可欠なものとなっている。
【0003】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、犬や猫などの鈎型の爪形状に適したペット用の爪切りが数多く提案されている。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、一対の鋏片の各々の先端部の互いに対峙する位置に凹部が設けられて、その凹部が斜めに切り欠かれた刃部に形成され、前記鋏片の少なくとも何れか一方の表面に鑢面が設けられてなる犬猫用鑢付き爪切りや、同特許文献1(2)に見られるような、先端部に爪切り板を支持する主把柄杆と、前記主把柄杆の両側縁に連成した内面側に向く側板の先端部に先端を連結した副把柄杆とからなり、爪切り刃板は、主把柄杆先端の内面側にその順に重ね支持された可動刃と固定刃とにされ、主副把柄杆の握柄を互いに接近させるようにして可動刃が前進し、それと固定刃とで爪を切断するペット用爪切りであって、主副把柄杆の先端部外面側から摘み付きねじをねじ込んでその先端を可動刃に当接させてなるようにしたペット用爪切りなどが散見される。
【0004】
しかし、特許文献1(1)や同特許文献1(2)に示されているようなペット用爪切り類は、犬や猫などの鈎型の爪を切るのに適した刃形状にしたものとなってはいるが、こうしたペット専用の爪切りを実際に使用して犬や猫の爪を切って見ると、切除した断片が周囲に飛散、落下してしまい、これを拾い集めたり、吸引式の掃除や粘着ローラーなどを使って清掃、回収する手間を要するという問題を残すものであった。
【0005】
こうした従来型のペット用爪切り類を使用した際に、爪断片を効率的に清掃、回収する公知の技術としては、下記の特許文献1(3)に示されたような、爪屑飛散防止用カバーが装着されるようにしたピンセット型ペット用爪切りも知られているが、このペット用の爪切りは、ピンセット型のものとなっていて、既にペット用の爪切りを所有しているペットの飼い主は、ペット用の爪切りを新たに買い換えなければならず、また、爪屑飛散防止カバーは、ピンセット型とは形状が全く異なる従来型のペット用爪切りには、到底、装着不可能なものであり、従来型のペット用爪切りをそのまま使用できないという難点があった。
【0006】
また、それ以外にも、人用の爪切りや、爪切り以外の鋏類の断片飛散防止用の技術が幾つか散見される。
例えば、特許文献1(4)ないし同特許文献1(10)に代表する各種鋏類用の断片飛散防止および断片回収の技術が開発済みとなっており、夫々の鋏の形状毎に応じた断片の回収構造が示され、何れも、通常の鋏類や人用の爪切りなどとして使用するには適していても、犬や猫、その他の小動物類などの鈎型の爪を切るための鋏類などに適する形状とは成っていないというのが実情であった。
【特許文献1】(1)実開昭62−80561号公報 (2)実開昭62−198959号公報 (3)特開2004−135634号公報 (4)米国特許第5459926号明細書 (5)米国特許第5423124号明細書 (6)特開2002−331181号公報 (7)特開2006−204559号公報 (8)実用新案登録第3075734号公報 (9)実開平2−98806号公報 (10)実開平5−48869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある切断片の回収機能を有する各種の一般的な鋏や人用の爪切りなどは、何れも一般的な裁ち鋏や人用の爪切りとしての利用には適しているものの、ペット用の爪切りとは、その刃形状や操作性の点で大きく異なっているため、ペットの鈎型の爪を安全に切るのが困難であり、また、ペット専用の爪切りに爪断片の飛散防止用カバーが組み込まれた従前からのものでは、ペット専用の爪切りのそれ自体の形状が、特殊なピンセット型のものであるなどの理由から、当該飛散防止用カバーは、既存の一般的形状のペット用爪切りに組み込むことができないという問題があり、このような状況に鑑み、自身でもペットと生活を共にしている本願出願人は、一般に広く普及し、多くのペットの飼い主、獣医師、動物看護師およびトリマーなどが、既に使い慣れている極一般的なペット用爪切りを、そのまま従来どおり使い続けることができて、しかも爪の断片を衛生的且つ効率的に回収可能とする技術の必要性を痛感するに至ったものである。
【0008】
(発明の目的)
そこで、この発明は、普及型のペット用爪切りに簡便に組み込むことができ、爪の切断片を周囲に飛散させることなく、衛生的且つ効率的に回収することができる、ペット用爪切りの新たな断片捕捉技術の開発、完成を所望し続けてきたことから、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のペット用爪切りの断片捕捉具を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のペット用爪切りの断片捕捉具は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、先端に刀、基端寄りにハンドル部を有して対を成す刀身が、互いの適所を介して切断操作可能に連結されたペット用爪切りが装着対象であって、該対象ペット用爪切りの開かれた一対の刃の平面積に相当するか、それよりも広い面積を有する皿型であって、該皿型の該一対の刃に対峙配置となる内壁が高摩擦捕捉壁か、粘着捕捉壁かの少なくとも何れか一方とされた断片受け皿を有し、該断片受け皿の基端適所からは、該断片受け皿を支持可能な装着腕が、該装着腕の先端を、該対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に達する長さに延伸されると共に、該装着腕の先端には、該対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に対して着脱自在となる着脱機構部が設けられてなるものとした構成を要旨とするペット用爪切りの断片捕捉具である。
【0010】
この基本的な構成からなるペット用爪切りの断片捕捉具は、より具体的なものとして示すと、先端に刀、基端寄りにハンドル部を有して対を成す刀身が、互いの適所を介して切断操作可能に連結されたペット用爪切りが装着対象であって、該対象ペット用爪切りの開かれた一対の刃の平面積に相当するか、それよりも広い面積を有する皿型であって、該皿型の該一対の刃に対峙配置となる内壁が高摩擦捕捉壁とされた弾性素材製の断片受け皿を有し、該断片受け皿の高摩擦捕捉壁を挟む左右の基端からは、該断片受け皿を支持可能な左右一対の装着腕が、各装着腕の先端を、該対象ペット用爪切りの夫々が対応する左右ハンドル部の適所に夫々達する長さに延伸されると共に、各装着腕の先端には、夫々該対象ペット用爪切りの左右ハンドル部の対応する適所に対して着脱自在となる左右独立の着脱機構部が設けられてなるものとした構成からなるペット用爪切りの断片捕捉具となる。
【発明の効果】
【0011】
以上のとおり、この発明のペット用爪切りの断片捕捉具によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、現在市販されている様々な形状、寸法のペット用爪切りや、その他の切断具類に対して、着脱可能且つ簡便に組み込むことができ、当該断片捕捉具が組み込まれた、装着対象のペット用爪切りを用いて犬や猫などのペットの爪を切ることにより、切断によって跳ねて落下する爪の切断片が、悉く断片受け皿に捕捉、回収されることとなり、しかも該断片受け皿の内壁が、高摩擦捕捉壁か、粘着捕捉壁かの少なくとも何れか一方とされたものとなっているから、一旦回収した切断片は、滑り落ちることなく、確実に収集され、従前までのように、周囲に散乱した断片を回収したり、掃除機を掛けたりする必要がなくなり、迅速且つ衛生的にペットの爪を切ることが出来るようになる上、断片受け皿に回収された切断片は、手に触れることなく、そのままゴミ箱やゴミ袋などへ移し替えて、切断片のみを廃棄処理し、断片受け皿を繰り返して利用することができるという秀でた効果を発揮し、さらに、既に購入済みのペット用爪切りに対して当該断片捕捉具を装着して利用できるから、新たに専用のペット用爪切りを購入する必要がなく、遙かに経済的に導入することができるという利点がある。
【0012】
加えて、内壁が高摩擦捕捉壁とされた弾性素材製の断片受け皿を有するものとした、ペット用爪切りの断片捕捉具により、該断片受け皿の左右に一対設けられた装着腕が、対象ペット用爪切りの左右ハンドル部の適所に着脱機構部を介して着脱自在に設けられたものの場合には、対象ペット用爪切りの左右ハンドル部の開閉操作に追従するように、該断片受け皿それ自体が、弾性変形して、対象ペット用爪切りの円滑な操作性を阻害することがなく、快適に爪切りを行えるものになるという特徴が得られる。
【0013】
また、断片受け皿の、装着腕が設けられたのとは反対がわとなる該断片受け皿の先端がわに堰き止め壁が設けられ、断片ポケットが形成されてなる、ペット用爪切りの断片捕捉具によれば、複数の切断片が断片受け皿に、収集された場合に、該断片受け皿の先端がわを下向きに傾斜するようにして、該断片ポケット内に切断片を集合させると、それ以降の爪切り操作中に、回収後の切断片が、外に溢れ落ちてしまうのを、より確実に防止できるものとなる。
【0014】
さらにまた、弾性フレーム枠を有し、該フレーム枠の左右基端から一対の装着腕が延伸され、各装着腕の先端には着脱機構部が設けられ、該フレーム枠の内壁相当範囲に粘着剤層が設けられた使い捨て用粘着シートが着脱自在に張着され、粘着捕捉壁を有するものとされたペット用爪切りの断片捕捉具によれば、切断されて跳ね落ちる切断片が、粘着捕捉壁の粘着剤層に悉く付着して回収されるから、切断片が周囲に飛散するのを、より確実に防止できるものとなり、切断片を回収し終えた使い捨て用粘着シートは、該フレーム枠から剥がし取って、例えば焼却できる一般ゴミとして、より衛生的且つ簡便に処分することができ、しかも該フレーム枠には、新しい使い捨て用粘着シートを迅速且つ経済的に交換することができるという効果を奏するものである。
【0015】
深い器状の断片受け皿を有し、該断片受け皿適所から可塑性棒状の1本の装着腕が延伸され、該装着腕の先端が、該対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に対して着脱自在となる着脱機構が設けられたペット用爪切りの断片捕捉具によれば、可塑性棒状の装着腕を簡単に曲げ伸ばし操作して該断片受け皿の支持姿勢を、より広い範囲で希望通りに調節できるものとなり、深い器状の断片受け皿が、一旦回収された切断片を不用意に溢れ落ちてしまうのを、略確実に防止するものとなるから、一段と切断片の回収機能に優れたものとすることができる。
【0016】
着脱機構部が、対象ペット用爪切りのハンドル部適所に蔓状に捲着および離脱可能な可塑性棒状体、雄・雌が対を成し、何れか一方が装着腕に、何れか他方が対象ペット用爪切りのハンドル部適所に固着された面ファスナー、装着腕の先端に適所が一体化され、対象ペット用爪切りのハンドル部適所に着脱自在に挟着可能なクリップ、および、N極・S極が対を成し、何れか一方が装着腕に、何れか他方が対象ペット用爪切りのハンドル部適所に固着された永久磁石の中、少なくとも一からなるものとされたペット用爪切りの断片捕捉具によれば、多種多様な様々な形状の対象ペット用爪切り、または、その他の切断具類のハンドル部適所に対して、当該断片捕捉具を、より確実且つ簡便に組み込み、または、簡単に取り外しすることができるようになるという秀でた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
断片捕捉具の断片受け皿は、装着対象のペット用爪切りが、ペットの爪を切断し、その切断の勢いで跳ね飛ぶ爪の切断片を、飛んで行く先で待ち構え、捕捉し回収する機能を担い、ペット用爪切りの刃の平面積に相当するか、それよりも広い面積を有する皿型であって、該皿型の該一対の刃に対峙配置となる内壁が高摩擦捕捉壁か、粘着捕捉壁かの少なくとも何れか一方とされたものとしなければならず、後述する実施例にも示すように、装着対象のペット用爪切りの一対の刃に対峙配置となる内壁が高摩擦捕捉壁とされた、天然ゴム、合成ゴム、軟質合成樹脂、布などの弾性素材製のものとすることができ、また、対象ペット用爪切りの開かれた一対の刃の平面積に相当するか、それよりも広い面積を包囲可能な平面形、概略U状、V状またはC状の何れか一の枠形状とされた弾性フレーム枠を有し、該フレーム枠には、装着状態にあっては対象ペット用爪切りの一対の刃に対峙する捕捉壁に粘着剤層が設けられた使い捨て用粘着シートが着脱自在に張着されてなるものとすることが可能であり、さらにまた、対象ペット用爪切りの開かれた一対の刃の平面積に相当するか、それよりも広い底壁であって、該底壁の短辺長以上の深さの周壁を有する深い器状のものとすることができ、より取扱い易くするには、該底壁の短辺に相当する程度の深さの周壁を有する深い器状のものとするのが良い。
【0018】
断片捕捉具が捕捉、回収する対象物は、装着対象の切断具類が排出する切断屑であり、切断片の外、切断屑、研磨屑、切削粉、研削粉、切断端、その他の形状の切断屑とすることが可能であり、後述する実施例にも示すように、犬や猫、その他の動物類の爪の切断片とすることができる。
【0019】
断片捕捉具の装着腕は、対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に対して断片受け皿を、対象ペット用爪切りが切断した爪の断片の跳ねて行く軌跡上の適所に待機し、跳ねてくる断片を捕捉するのに適した姿勢に支持可能とする機能を担っており、該断片受け皿の適所から該対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に達する長さに延伸されたものとしなければならず、該断片受け皿の何れの箇所から延伸されたものとすることも可能であり、該断片受け皿の底壁、外周壁、内壁の何れかの一箇所か複数箇所かの何れか一方とすることができ、断片受け皿の左右適所、上下適所、前後適所など様々な箇所から延伸されたものとすることが可能であり、例えば、後述する実施例にも示しているとおり、断片受け皿の高摩擦捕捉壁を挟む左右の基端から、左右一対の装着腕が、各装着腕の先端を、該対象ペット用爪切りの夫々が対応する左右ハンドル部の適所に夫々達する長さに延伸されたものとすることができる外、フレーム枠の左右基端の夫々から、該断片受け皿を支持可能な左右一対の装着腕が、各装着腕の先端を、該対象ペット用爪切りの夫々が対応する左右ハンドル部の適所に夫々達する長さに延伸されてなるもの、または、深い器状のものとされた断片受け皿の底壁および周壁の何れか適所から、該断片受け皿を支持可能な可塑性棒状の1本の装着腕が、該装着腕の先端を、該対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に達する長さに延伸されてなるものとすることが可能である。
【0020】
断片捕捉具の着脱機構部は、断片受け皿から延伸された装着腕の先端を、該対象ペット用爪切りのハンドル部の適所に対して着脱自在とする機能を分担し、対象ペット用爪切りのハンドル部適所に対して、該断片受け皿および装着腕を充分な強度をもって簡便に着脱自在なものとされていなければならず、後述する実施例にも示しているが、対象ペット用爪切りのハンドル部適所に蔓状に捲着および離脱可能な可塑性棒状体としたり、雄・雌が対を成し、何れか一方が装着腕に、何れか他方が対象ペット用爪切りのハンドル部適所に固着された面ファスナーとしたり、装着腕の先端に適所が一体化され、対象ペット用爪切りのハンドル部適所に着脱自在に挟着可能なクリップとしたり、N極・S極が対を成し、何れか一方が装着腕に、何れか他方が対象ペット用爪切りのハンドル部適所に固着された永久磁石としたりされたものの何れか一とすることが可能である。
【0021】
装着の対象となるペット用爪切りは、この発明の断片捕捉具の断片を回収するという利用目的を明確化するために示した一例であるということが可能であり、ペット用の各種鋏類や、人用のものを含む様々な爪切り類のみに限定されるものではなく、その他の切断具類の何れか一に置き換えることができ、より具体的には、例えば、万能鋏、事務用鋏、裁ち鋏、握り鋏、ペンチ、ニッパー、金切り鋏、植木鋏、剪定鋏、孔開けパンチャー、電工鋏、キッチン鋏、その他の何れか一の鋏類に置き換えることが可能であり、また、別の表現で示すならば、事務用、工作用、加工用、料理用、理美容用、手芸用、園芸用、医療用、理科実験用、式典用、その他の用途用の何れか一の鋏類に置き換えることができ、後述する実施例にも示すように、従来型の様々な形状のペット用爪切りとすることが可能であり、例えば、ハンドル部の先端と刃の基端との間に要部を有して一体化された一対の刀身が、互いの要部を介して開閉操作可能に連結されたものとすることができ、さらに、具体的なものとして示すと、例えば、前記特許文献1(1)および同特許文献1(2)に示されているようなペット用爪切りを装着対象とすることが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図面は、この発明のペット用爪切りの断片捕捉具の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
図1】ペット用爪切りに組み込まれた断片捕捉具を示す平面図である。
図2】ペット用爪切りに組み込まれようとする断片捕捉具を示す平面図である。
図3】ペット用爪切りに組み込まれた断片捕捉具を断面化して示す側面図である。
図4】ペット用爪切りに組み込まれた断片捕捉具を示す背面図である。
図5】着脱機構部が異なる断片捕捉具の装着状態を示す平面図である。
図6】着脱機構部が異なる断片捕捉具を示す平面図である。
図7】断片捕捉具の第2実施例を示す平面図である。
図8】第2実施例の断片捕捉具の組み込み操作状態を示す平面図である。
図9】断片捕捉具の第3実施例を示す斜視図である。
図10】第2実施例の断片捕捉具の組み込み操作状態を示す斜視図である。
【実施例1】
【0023】
図1ないし図4に示す事例は、ハンドル部52と刃54との間に貫通孔(要部)51を有する一対の刀身50,50が、互いの要ネジ(要部)51を介して開閉操作可能に連結されたペット用爪切り5が装着対象であって、該対象ペット用爪切り5の開かれた一対の刃54,54の平面積に相当するか、それよりも広い面積を有する皿型であって、該一対の刃54,54に対峙配置となる、該皿型の内壁20が高摩擦捕捉壁21か、粘着捕捉壁22かの少なくとも何れか一方とされた断片受け皿2を有し、該断片受け皿2の基端適所からは、該断片受け皿2を支持可能な装着腕3,3が、該装着腕3,3の先端31,31を、該対象ペット用爪切り5のハンドル部52の適所に達する長さに延伸されると共に、該装着腕3,3の先端31,31には、該対象ペット用爪切り5のハンドル部52,52の適所に対して着脱自在となる着脱機構部4,4が設けられてなるものとした、この発明のペット用爪切りの断片捕捉具における代表的な一実施例を示すものである。
【0024】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明のペット用爪切り5の断片捕捉具1は、対象ペット用爪切り5の開かれた一対の刃54,54の平面積に相当するか、それよりも広い面積を有する皿型であって、該皿型の該一対の刃54,54に対峙配置となる内壁20が高摩擦捕捉壁21とされた天然ゴムおよび軟質合成樹脂の少なくとも何れか一方からなる弾性素材製の断片受け皿2を有し、該断片受け皿2の上向きとなる内壁20の略全面が、細かな凹凸を有する高摩擦捕捉壁21に成型されており、該高摩擦捕捉壁21の左右縁夫々に沿って左右一対の金属板製棒状体の基端30,30がわが埋設状に一体化され、各金属板製棒状体の先端31,31がわが、該断片受け皿2の高摩擦捕捉壁21を挟む左右の基端から、該対象ペット用爪切り5の夫々が対応する左右ハンドル部52,52の要ネジ51と指孔53,53との間の適所壁面に夫々達する長さとされた、左右一対の装着腕3,3が設けられ、さらに、左右一対の装着腕3,3の各先端31,31には、着脱機構部4,4としての雄・雌の面ファスナー40,40,41,41の何れか一方が、接着面を外向きとするよう巻き付けられた状態に固着され、該対象ペット用爪切り5の左右ハンドル部52,52の要ネジ51と指孔53,53との間の適所壁面には、着脱機構部4,4としての雄・雌の面ファスナー40,40,41,41の何れか他方が、接着面を外向きとするよう巻き付けられた状態に固着されたものとしてある。
【0025】
当該装着腕3,3の各先端31,31には、予め着脱機構部4,4としての雄・雌の面ファスナー40,40,41,41の何れか一方が固着されたものとすることが可能であり、少なくとも対象ペット用爪切り5の左右ハンドル部52,52の要ネジ51と指孔53,53との間の適所壁面に固着される着脱機構部4,4としての雄・雌の面ファスナー40,40,41,41の何れか他方は、接着面とは反対がわとなる裏面に、粘着剤層および剥離紙が積層状に設けられ、使用するときに、利用者が、剥離紙を剥がし取り、露出状となった接着剤層を対応箇所に夫々巻き付けるように固着して利用可能なものとするのが良い。
【0026】
前記断片受け皿2は、対象ペット用爪切り5の一対の刃54,54に対峙配置となる高摩擦捕捉壁21の、装着腕3,3が設けられたのとは反対がわとなる該断片受け皿2の先端がわであり、装着状態にあっては対象ペット用爪切り5の一対の刃54,54の先端に対峙する位置に、内向きの庇型の堰き止め壁24が設けられ、該断片受け皿2の高摩擦捕捉壁21の先端がわと、該高摩擦捕捉壁21の先端がわを覆う該堰き止め壁24とが、切断片を収集可能な断片ポケット23を形成してなるものとされている。
【0027】
図5および図6に示すように、着脱機構部4,4は、細長い帯状の可塑性を有する金属製棒状体4,4の先端がわが、断片受け皿2の左右縁に沿って同断片受け皿2の肉厚中に埋設状に一体化され、該断片受け皿2の左右縁基端から、露出するよう延伸された左右金属製棒状体4,4の後端がわ所定長範囲が、対象ペット用爪切り5のハンドル部52,52適所に対して、塑性変形されて蔓状に捲着、および、解くようにして離脱可能とされてたものとすることができ、該金属製棒状体4の形状は、帯状の外、細い棒状や針金状などとすることができ、該金属製棒状体4の露出状となる範囲に、弾性を有する皮膜層が被着されたものとすることが可能である。
【0028】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明のペット用爪切り5の断片捕捉具1は、図1ないし図4に示すように、断片受け皿2が、天然ゴムおよび軟質合成樹脂の少なくとも何れか一方からなる弾性素材製のものであって、該断片受け皿2の上向きとなる内壁20の略全面が、細かな凹凸を有する高摩擦捕捉壁21に成型されたものとしてあるから、当該断片捕捉具1を成型し、生産するだけで、摩擦用別部品や粘着剤層などを要さずとも、内壁20の略全面に細かな凹凸を有する高摩擦捕捉壁21が、一体化形成されたものとなり、しかも、対象ペット用爪切り5の左右ハンドル部52,52の要ネジ51と指孔53,53との間の適所壁面に対して左右一対の装着腕3,3が、着脱機構部4,4を介して着脱自在に接着され、該対象ペット用爪切り5の刃54,54を開閉するよう左右ハンドル部52,52を操作すると、該断片受け皿2自体が、左右ハンドル部52,52の開閉動作に追従するよう弾性的且つ柔軟に変形し、当該断片捕捉具1それ自体には、特別な開閉動作への追従機構などを要さず、簡素な構造に留めることができ、より経済的に生産することができるという利点が得られる。
【0029】
加えて、当該断片捕捉具1は、対象ペット用爪切り5に対し、着脱機構部4,4を介して着脱自在なものとされているから、使用後に収納する際には、対象ペット用爪切り5から、当該断片捕捉具1を簡便に取り外して、分離された状態に整理、保管することが可能となり、さらに、利用する際には、着脱機構部4,4を介して、対象ペット用爪切り5および当該断片捕捉具1を簡単、迅速に組み合わせて利用を開始することができる。
【0030】
また、図5および図6に示されるように、着脱機構部4,4が、金属製棒状体4,4からなるものは、対象ペット用爪切り5のハンドル部52,52の指孔53,53の様々な形状にも簡単に沿わせるように巻き付け、確りと装着することが可能となり、対象ペット用爪切り5と当該断片捕捉具1とを、より強固に連結することが可能なものとなる。
【実施例2】
【0031】
図7および図8に示す断片捕捉具1は、断片受け皿2が、対象ペット用爪切り5の開かれた一対の刃54,54の平面積に相当するか、それよりも広い面積を包囲可能な平面形、概略U状の枠形状とされた金属棒製の弾性フレーム枠25を有し、該フレーム枠25の左右基端の夫々からは、該断片受け皿2を支持可能な左右一対の装着腕3,3が、各装着腕3,3の先端を、該対象ペット用爪切り5の夫々が対応する左右ハンドル部の要ネジ51と指孔53,53との間の適所壁面に夫々達する長さに延伸されると共に、各装着腕3,3の先端には、夫々該対象ペット用爪切り5の左右ハンドル部52,52の要ネジ51と指孔53,53との間の適所壁面に、対して着脱自在となる左右独立の着脱機構部4,4が設けられ、該着脱機構部4,4が、夫々N極・S極の永久磁石42,43からなり、N極・S極の何れか一方の永久磁石42(または43)が装着腕3,3の先端に、また、N極・S極の何れか他方の永久磁石43(または42)が対象ペット用爪切り5のハンドル部52,52の要ネジ51と指孔53,53との間の適所壁面に接着剤、両面粘着テープなどの何れか適宜結合手段によって固着された上、該フレーム枠25には、装着状態の場合に対象ペット用爪切り5の一対の刃54,54に対峙する内壁20相当範囲に粘着剤層22が設けられた使い捨て用粘着シート26が、その周縁をフレーム枠25に巻き付けるようにして着脱自在に張着され、粘着捕捉壁22を有するものとされている。
【0032】
(実施例2の作用・効果)
この発明のペット用爪切り5の断片捕捉具1は、図7および図8に示すように、弾性フレーム枠25に、使い捨て用粘着シート26が、着脱自在に張着されたものであるから、内壁20としての粘着捕捉壁22が、その粘着力によって切断、落下してくる切断片を、より確実に接着するよう捕獲可能なものとなり、しかも、多数の切断片が接着した後は、該使い捨て用粘着シート26を該フレーム枠25から剥がし取って廃棄処理し、該フレーム枠25に対して新しい使い捨て用粘着シート26を装着して繰り返して継続的に利用可能なものとなっているから、一段と衛生的且つ経済的なものとすることができる。
【実施例3】
【0033】
図9および図10に示す断片捕捉具1は、断片受け皿2が、対象ペット用爪切り5の開かれた一対の刃54,54の平面積に相当するか、それよりも広い底壁27、および、該底壁27の短辺に相当する深さの周壁28を有する、天然ゴムおよび軟質合成樹脂の少なくとも何れか一の素材製のものであって、深い器状の内壁20を有するものとされ、該断片受け皿2の内壁20(27,28)の略全面に、細かな凹凸(高摩擦面)が一体化成型されてなる高摩擦捕捉壁21が設けられ、該断片受け皿2の底壁27の外壁中央からは、該断片受け皿2を支持可能な金属線製可塑性棒状の1本の装着腕3が、該装着腕3の先端31を、該対象ペット用爪切り5の何れか一方のハンドル部52の適所に達する長さに延伸されると共に、該装着腕3の先端31には、該対象ペット用爪切り5のハンドル部52の適所に対して着脱自在となる着脱機構部としてのクリップ44の適所、例えば柄部の適所が一体化されてなるものとしてある。
【0034】
(実施例3の作用・効果)
この発明のペット用爪切り5の断片捕捉具1は、図9および図10に示すように、着脱機構部4がクリップ44とされているから、該対象ペット用爪切り5のハンドル部52の適所に対して、該クリップ44を挟着するだけで、当該断片捕捉具1を、該対象ペット用爪切り5の適所に簡便に組み込むことができ、1本の装着腕3を湾曲および折曲状に変形しながら、断片受け皿2の配置を自由に調整することができ、しかも該断片受け皿2が、深い器状となっており、内壁20の略全面に、高摩擦捕捉壁21が設けられ、該断片受け皿2内に落下、収容されたペットの爪の切断片は、該断片受け皿2が弾性素材製の故に、弾み出るのを抑制されて、より確実に捕捉されると共に、該高摩擦捕捉壁21が、切断片の滑り動きや、溢れ落ちを確実に防止して、一段と確実に収容することができ、回収した切断片を、より衛生的且つ効率的に廃棄処理できるものになるという効果を奏するものとなる。
【0035】
(結 び)
叙述の如く、この発明のペット用爪切りの断片捕捉具は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からのペット用爪切りそれ自体を改良するようにした技術に比較し、既存のペット用爪切り自体にそのまま組み込むことを可能にするという合理的な構造としてあることから、断片捕捉具の単体販売が可能であって、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、ペット用爪切りに対して着脱自在としたから、使用後には分離し、コンパクト化して収納することができる上、ペット用爪切りの買い換えにも対応可能となって長期的、経済的な利用も可能となり、衛生的且つ効率的にペットの爪切りを行いたいと希望するペット業界およびペット用品業界は固よりのこと、衛生および安全性を重視する獣医師やペットトリマー、およびペットを飼う一般家庭においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0036】
1 断片捕捉具
2 断片受け皿
20 同 内壁
21 同 高摩擦捕捉壁
22 同 粘着捕捉壁
23 同 断片ポケット
24 同 堰き止め壁
25 同 フレーム枠
26 同 使い捨て用粘着シート
27 同 底壁
28 同 周壁
3 装着腕
30 同 基端
31 同 先端
4 着脱機構部
40 同 雄の面ファスナー
41 同 雌の面ファスナー
42 同 N極の永久磁石
43 同 S極の永久磁石
44 同 クリップ
5 ペット用爪切り
50 同 刀身
51 同 要部(貫通孔、要ネジ)
52 同 ハンドル部
53 同 指孔
54 同 刃

【要約】
【課題】 普及型のペット用爪切りに簡便に組み込むことができ、爪の断片を衛生的且つ効率的に回収することができるペット用爪切りの新たな断片捕捉技術を提供する。
【解決手段】 装着対象のペット用爪切り5の開かれた一対の刃54,54の平面積に相当するか、それよりも広い面積を有する皿型であって、該皿型の該一対の刃54,54に対峙配置となる内壁20が高摩擦捕捉壁21か、粘着捕捉壁22かの少なくとも何れか一方とされた断片受け皿2を有し、該断片受け皿2の基端適所からは、該断片受け皿2を支持可能な装着腕3,3が、該装着腕3,3の先端31,31を、該対象ペット用爪切り5のハンドル部52の適所に達する長さに延伸されると共に、該装着腕3、3の先端31,31には、該対象ペット用爪切り5のハンドル部52,52の適所に対して着脱自在となる着脱機構部4,4が設けられてなるペット用爪切りの断片捕捉具1である。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10