【実施例】
【0071】
以下実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例5は、参考例として記載するものである。
【0072】
(評価)
実施例及び比較例中のフェノール樹脂、フェノール樹脂発泡体について、以下の項目の測定及び評価を行った。
【0073】
(1)フェノール樹脂発泡体中の化合物α及び/又は炭化水素の種類同定
はじめに塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィン、及びハロゲン化炭化水素の標準ガスを用いて、以下のGC/MS測定条件における保持時間を求めた。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から面材を剥がし、フェノール樹脂発泡体試料約10gと金属製やすりとを10L容器(製品名「テドラーバック」)に入れて密封し、窒素5Lを注入した。テドラーバックの上からヤスリを用いて試料を削り、細かく粉砕した。続いて、試料をテドラーバックに入れたまま、81℃に温調された温調機内に10分間入れた。テドラーバック中で発生したガスを100μL採取し、以下に示す測定条件にて、GC/MS分析を行い、フェノール樹脂発泡体中の上記化合物α及び/又は上記炭化水素の種類を同定した。
塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィン及びハロゲン化炭化水素の有無を、GC/MSの分析結果より確認した。塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィン及びハロゲン化炭化水素の種類は、事前に求めた保持時間とマススペクトルから同定した。上記炭化水素については、保持時間とマススペクトルによって種類を求めた。別途、発生したガス成分の検出感度を各々標準ガスによって測定し、GC/MSで得られた各ガス成分の検出エリア面積と検出感度より、組成比を算出した。同定した各ガス成分の組成比とモル質量より各ガス成分の質量比を算出した。
(GC/MS測定条件)
ガスクロマトグラフィー:アジレント・テクノロジー社製「Agilent7890型」
カラム:ジーエルサイエンス社製「InertCap 5」(内径0.25mm、膜厚5μm、長さ30m)
キャリアガス:ヘリウム
流量:1.1ml/分
注入口の温度:150℃
注入方法:スプリット法(1:50)
試料の注入量:100μl
カラム温度:−60℃5分間保持、50℃/分で150℃まで昇温し、2.8分保持
質量分析:日本電子株式会社製「Q1000GC型」
イオン化方法:電子イオン化法(70eV)
スキャン範囲:m/Z=10〜500
電圧:−1300V
イオン源温度:230℃
インターフェース温度:150℃
【0074】
(2)発泡体密度
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から、20cm角のボードを切り出し、面材を取り除いて、フェノール樹脂発泡体の質量と見かけ容積を測定した。求めた質量及び見かけ容積を用いて、JIS K 7222に従い、密度(見かけ密度)を算出した。
【0075】
(3)独立気泡率
ASTM D 2856−94(1998)Aを参考に、以下の方法で測定した。
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板中のフェノール樹脂発泡体の厚み方向中央部から、約25mm角の立方体試片を切り出した。厚みが薄く25mmの均質な厚みの試片が得られない場合は、切り出した約25mm角の立方体試片表面を約1mmずつスライスし均質な厚みを有する試片を用いた。各辺の長さをノギスにより測定し、見かけ体積(V1:cm
3)を計測すると共に試片の質量(W:有効数字4桁,g)を測定した。引き続き、エアーピクノメーター(東京サイエンス社、商品名「MODEL1000」)を使用し、ASTM D 2856のA法に記載の方法に従い、試片の閉鎖空間体積(V2:cm
3)を測定した。
また、上述の(3)平均セル径の測定法に従い平均セル径(t:cm)を計測すると共に、上記試片の各辺の長さより、試片の表面積(A:cm
2)を計測した。
t及びAより、式VA=(A×t)/1.14により、試片表面の切断された気泡の開孔体積(VA:cm
3)を算出した。また、固形フェノール樹脂の密度は1.3g/cm
3とし、試片に含まれる気泡壁を構成する固体部分の体積(VS:cm
3)を式VS=試片質量(W)/1.3により、算出した。
下記式(1)により独立気泡率を算出した。
独立気泡率(%)=〔(V2−VS)/(V1−VA−VS)〕×100 (1)
同一製造条件の発泡体サンプルについて6回測定し、その平均値を代表値とした。
【0076】
(4)10%圧縮強さ
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から、長さ100mm、幅100mmの試験片を切り出し、面材を取り除いて試験片を得た。得た試験片を、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、24時間間隔で行う2回の秤量値の差が0.1%以下になるまで養生した。養生後の試験片をJIS K 7220に準拠して10%圧縮強さを求めた。
【0077】
(5)乾湿繰り返し3サイクル後の寸法変化量の絶対値
実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から、長さ300mm、幅300mmの試験片を切り出し、面材を取り除いて試験片を得た。得た試験片を、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下に2週間放置した。その後、試験片の横(W)及び縦(L)方向の寸法を測定し試験開始時の寸法A
0W、A
0Lを得た。試験開始より12時間は試験片を温度50℃、相対湿度95%雰囲気化に放置し、試験開始より12時間後から24時間後までは試験片を温度50℃、相対湿度35%雰囲気下に放置した。試験開始から24時間後までを1サイクルとし、3サイクル終了するまで試験片を放置した。3サイクル終了は試験開始より72時間後である。3サイクル終了後、つまり試験開始より72時間後の試験片の横(W)及び縦(L)方向の寸法を測定しA
72W、A
72Lを得た。乾湿繰り返し3サイクル後の寸法変化量の絶対値は、下記式(2)、(3)のようにして算出した。乾湿繰り返し3サイクル後の寸法変化量の絶対値は縦、横方向の寸法変化量の絶対値いずれかの大きいものをいう。また、試験体の幅及び横方向とは製品の厚み方向に直交する方向をいう。
乾湿繰り返し3サイクル後の幅方向の寸法変化量の絶対値=|A
72W−A
0W| (2)
乾湿繰り返し3サイクル後の縦方向の寸法変化量の絶対値=|A
72L−A
0L| (3)
【0078】
(6)脆性
脆性はJIS A 9511(2003)5.1.4に準拠して、以下のようにして算出した。実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体積層板から表面の面材をはがし、一つの面に面材をはがした面を含むように25±1.5mmの立方体状に切り出した試験片を12個作製し、質量を±1%の精度で測定した。試験装置は、箱の一面にドアを付け、ほこりが箱の外に出ないように密閉できる、内径が191×197×197mmの樫製の木箱の197mm面の中央部の外側にシャフトを取り付け、毎分60±2回転で回転できるものとした。乾燥した比重0.65、寸法19±0.8mmの樫製のさいころ24個を試験片と一緒に測定装置に入れて密閉した後、木箱を600±3回転させた。回転終了後、箱の中身を注意深くJIS Z 8801の網ふるい呼び寸法9.5mmの網に移し、ふるい分けをして小片を取り除き、網から残った試験片を採取し、質量を測定した。脆性は以下の式によって求めた。
脆性(%)=100×(m
0−m
1)/m
0
(ここで、m
0:試験前の試験片の質量(g)、m
1:試験後の試験片の質量(g))
【0079】
(7)フェノール樹脂の重量平均分子量Mw
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により以下のような条件で測定を行い、後に示す標準物質(標準ポリスチレン、2−ヒドロキシベンジルアルコール及びフェノール)によって得られた検量線より実施例及び比較例で用いたフェノール樹脂の重量平均分子量Mwを求めた。
前処理:
フェノール樹脂約10mgをN,Nジメチルホルムアミド(和光純薬工業株式会社製、高速液体クロマトグラフ用)1mlに溶解し、0.2μmメンブレンフィルターでろ過したものを測定溶液として用いた。
測定条件:
測定装置:Shodex System21(昭和電工株式会社製)
カラム:Shodex asahipak GF−310HQ(7.5mmI.D.×30cm)
溶離液:臭化リチウム0.1質量%をN,Nジメチルホルムアミド(和光純薬工業株式会社製、高速液体クロマトグラフ用)に溶解し使用した。
流量:0.6ml/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
標準物質:標準ポリスチレン(昭和電工株式会社製「Shodex standard SL−105」)、2−ヒドロキシベンジルアルコール(シグマアルドリッチ社製、99%品)、フェノール(関東化学株式会社製、特級)
【0080】
(8)40℃におけるフェノール樹脂の粘度
フェノール樹脂0.5mlを量りとり、回転粘度計(東機産業株式会社製、R−100型、ローター部は3°×R−14)にセットした。測定するフェノール樹脂の粘度が、装置の測定上限粘度に対して50〜80%の範囲になるようにローターの回転数を設定した。測定温度を40℃とし、測定開始から3分間後の粘度の値を測定値とした。
【0081】
(9)粘度上昇速度定数
質量10gの実施例及び比較例で用いたフェノール樹脂に、キシレンスルホン酸70質量%及びジエチレングリコール30質量%の硬化触媒をフェノール樹脂に対して10質量%精秤して添加し、20℃で1分間よく混合する。
上記フェノール樹脂と硬化触媒の混合物0.5mlを回転粘度計(東機産業株式会社製、R−100型、ローター部は3°×R−14)にセットし、40℃での粘度を30秒間隔で測定する。測定の結果のX軸を粘度測定開始からの時間(分)、Y軸を粘度(mPa・s)の対数とした片対数プロットする。時間が4分から10分の間を直線とみなし、この「傾き(1/(分)」を求める。この「傾き」を「粘度上昇速度定数」とした。
【0082】
(10)tanδ
粘弾性測定装置(商品名「ARES」、TAインスツルメンツ社製)に、50mmφのアルミ製のパラレルプレート型治具を装着した。上下に設置された2つのパラレルプレートのうち、下側のパラレルプレートにフェノール樹脂を約2ml設置した。その後、パラレルプレートのギャップを0.5mmとしてパラレルプレートの周囲からはみ出した樹脂をスパチェラで掻き取った。続いて、パラレルプレートを囲うようにオーブンを設置した。温度を40℃、50℃、60℃に設定し、後に示す測定条件にてそれぞれの温度にてtanδの測定を行った。測定は設定温度に達した後、5分後の値を読み取りtanδの値とした。
測定は上記上下のパラレルプレートのギャップを0.5mm、歪み量を10%、周波数50Hzで測定を行った。また、測定温度の調整は上記オーブン内と下側のパラレルプレートの裏面に設置された熱電対のうち、下側のパラレルプレートの裏側に設置された熱電対が所定温度になるようにオーブン温度を調整した。
得られた40℃におけるtanδ、50℃におけるtanδ、60℃におけるδを、横軸を温度、縦軸をtanδとするグラフにプロットし、グラフを作成した。
【0083】
<フェノール樹脂Aの合成>
反応器に52質量%ホルムアルデヒド水溶液3500kgと99質量%フェノール2743kgを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで50質量%水酸化ナトリウム水溶液を反応液のpHが8.7になるまで加えた。反応液を1.5時間かけて85℃まで昇温し、その後オストワルド粘度が73センチストークス(=73×10
-6m
2/s、25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を400kg添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液を、pHが6.4になるまで添加した。得られた反応液を薄膜蒸発機によってフェノール樹脂中の水分率が7.4質量%となるまで濃縮処理した結果、40℃における粘度は22000mPa・sであった。
【0084】
表1に示す52質量%のホルムアルデヒド水溶液の仕込み量、99質量%フェノールの仕込み量、オストワルド粘度、尿素の添加量、薄膜蒸発機を用いてフェノール樹脂中の水分率を調整して40℃における粘度を変更した以外はフェノール樹脂Aと同様にしてフェノール樹脂B〜Lを得た。
【0085】
【表1】
【0086】
(実施例1)
フェノール樹脂A100質量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドのブロック共重合体及びポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルを質量比率でそれぞれ50質量%、50質量%で含有する混合物を2.0質量部の割合で混合した。上記界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して、表2に示す化合物Aを11質量部、硬化触媒としてキシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%との混合物14質量部を添加し、25℃に温調したミキシングヘッドで混合し、発泡性フェノール樹脂組成物を得た。
得られた発泡性フェノール樹脂組成物を、移動する面材(下面材)上に供給した。面材上に供給した発泡性フェノール樹脂組成物は、面材と接触する面とは反対側の面が、他の面材(上面材)で被覆されると同時に、二枚の面材で挟み込まれるようにして、85℃に加熱されたスラット型ダブルコンベアを有する第1のオーブンに導入された。発泡性フェノール樹脂組成物は、15分の滞留時間で硬化させた後、110℃のオーブンで2時間キュアしてフェノール樹脂発泡体とし、面材上にフェノール樹脂発泡体が積層したフェノール樹脂発泡体積層板を得た。
なお、上面材及び下面材はガラス繊維不織布(商品名「Dura Glass Type DH70(坪量70g/m
2)」、ジョーンズマンビル社製)を使用した。
【0087】
【表2】
【0088】
(実施例2)
化合物Aの代わりに化合物Bを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Bを9質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0089】
(実施例3)
化合物Aの代わりに化合物Cを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Cを8.5質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0090】
(実施例4)
化合物Aの代わりに化合物Dを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Dを14質量部添加したこと、上面材及び下面材として、ポリエステル製不織布(商品名「スパンボンドE05030 坪量30g/m
2」、旭化成せんい株式会社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0091】
(実施例5)
化合物Aの代わりに化合物Eを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Eを6質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0092】
(実施例6)
化合物Aの代わりに化合物Fを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Fを8質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0093】
(実施例7)
化合物Aの代わりに化合物Gを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Gを11質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0094】
(実施例8)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Bを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Aを11質量部添加したこと、上面材及び下面材として、ポリエステル製不織布(商品名「スパンボンドE05030 坪量30g/m
2」、旭化成せんい株式会社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0095】
(実施例9)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Cを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Aを11質量部添加したこと、上面材及び下面材として、ポリエステル製不織布(商品名「スパンボンドE05030 坪量30g/m
2」、旭化成せんい(株)製)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0096】
(実施例10)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Dを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Aを12質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0097】
(実施例11)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂D、化合物Aの代わりに化合物Fを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Fを6質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0098】
(実施例12)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Eを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Aを12質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0099】
(実施例13)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂E、化合物Aの代わりに化合物Dを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Dを15質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0100】
(実施例14)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂E、化合物Aの代わりに化合物Fを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Fを7質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0101】
(実施例15)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂E、化合物Aの代わりに化合物Gを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Gを12質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0102】
(実施例16)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂F、化合物Aの代わりに化合物Bを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Bを9質量部添加したこと、上面材及び下面材として、ポリエステル製不織布(商品名「スパンボンドE05030 坪量30g/m
2」、旭化成せんい株式会社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0103】
(実施例17)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Gを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Aを13質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0104】
(実施例18)
化合物Aの代わりに化合物Hを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Hを7質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0105】
(実施例19)
化合物Aの代わりに化合物Iを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Iを11質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0106】
(実施例20)
化合物Aの代わりに化合物Jを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Jを11質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0107】
(実施例21)
化合物Aの代わりに化合物Kを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Kを11質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0108】
(実施例22)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂E、化合物Aの代わりに化合物Lを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Lを9質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0109】
(実施例23)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂E、化合物Aの代わりに化合物Mを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Mを9質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0110】
(実施例24)
化合物Aの代わりに化合物Nを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Nを10質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0111】
(実施例25)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Eを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して、化合物Aを10質量部添加したこと以外は実施例1と同様にして発泡性フェノール樹脂組成物を得た。この発泡性フェノール樹脂組成物を、面材によって内側が被覆された内寸縦1000mm、横1000mm、厚さ1000mmのアルミ製の型枠内に流し込み、密閉した。型枠の周囲及び上下面は発泡圧によって広がらないようにクランプによって固定した。85℃に加熱されたオーブン内に導入し、60分間硬化させた。その後、フェノール樹脂発泡体を型枠より取り出し、110℃のオーブンで5時間加熱してブロック状のフェノール樹脂発泡体を得た。使用した面材は実施例1と同じである。得られたブロック状のフェノール樹脂発泡体を厚み方向の中心部より厚さ50mmでスライスし、板状のフェノール樹脂発泡体を得た。
【0112】
(実施例26)
上面材及び下面材として、直径0.5mmの貫通孔を20mm間隔で事前穿孔したガス透過性を有する、ガラス繊維で補強されたアルミシートを使用したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0113】
(実施例27)
ヘキサメチルジシロキサンを界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して2質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0114】
(実施例28)
化合物Aの代わりに化合物Gを用い、ヘキサメチルジシロキサンを界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して2質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0115】
(実施例29)
化合物Aの代わりに化合物Iを用い、ヘキサメチルジシロキサンを界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して2質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0116】
(実施例30)
化合物Aの代わりに化合物Oを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Oを7質量部添加し、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して可塑剤としてフタル酸エステルを1質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0117】
(実施例31)
化合物Aの代わりに化合物Pを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Pを7質量部添加し、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して可塑剤としてフタル酸エステルを1質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0118】
(実施例32)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Dを用い、化合物Aの代わりに化合物Oを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Oを7質量部添加し、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して可塑剤としてフタル酸エステルを1質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0119】
(実施例33)
化合物Aの代わりに化合物Qを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Qを7質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0120】
(実施例34)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Eを用い、化合物Aの代わりに化合物Rを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Rを9質量部添加し、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して可塑剤としてフタル酸エステルを1質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0121】
(実施例35)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Fを用い、化合物Aの代わりに化合物Sを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Sを10質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0122】
(実施例36)
化合物Aの代わりに化合物Tを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Tを6質量部添加し、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して可塑剤としてフタル酸エステルを1質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0123】
(実施例37)
化合物Aの代わりに化合物Uを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Uを7質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0124】
(実施例38)
化合物Aの代わりに化合物Vを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Vを6質量部添加し、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して可塑剤としてフタル酸エステルを1質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0125】
(実施例39)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Bを用い、化合物Aの代わりに化合物Wを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Wを10質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0126】
(実施例40)
化合物Aの代わりに化合物Xを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Xを11質量部添加し、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して可塑剤としてフタル酸エステルを1質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0127】
(実施例41)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Fを用い、化合物Aの代わりに化合物Yを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Yを7質量部添加し、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して可塑剤としてフタル酸エステルを1質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0128】
(実施例42)
化合物Aの代わりに化合物Zを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Zを10質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0129】
(比較例1)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Hを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Aを11質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0130】
(比較例2)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Iを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Aを11質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0131】
(比較例3)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Jを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Aを11質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0132】
(比較例4)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂Kを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Aを10質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0133】
(比較例5)
フェノール樹脂としてフェノール樹脂L、化合物Aの代わりに化合物Bを用い、界面活性剤が混合されたフェノール樹脂100質量部に対して化合物Bを9質量部添加したこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
【0134】
上記実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂発泡体で使用した樹脂とその特性、化合物及び得られたフェノール樹脂発泡体の特性及び評価結果を表3、4及び5に示す。
【0135】
【表3】
【0136】
【表4】
【0137】
【表5】
【0138】
実施例1〜32のフェノール樹脂発泡体は、圧縮に対する強度に優れる上、断熱材の重量が重くなりすぎず、ハンドリング性にも優れ、施工時の効率が向上した。また、フェノール樹脂発泡体を固定する際にもちいる部材や躯体が少なく、施工時のコスト面でも優れていた。
また、実施例1〜32のフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂発泡体が床面や平屋根に施工された建築物において、施工時やメンテナンス時に上を歩行する際に、表面がへこむ、または亀裂が入るといった問題も生じなかった。
一方、比較例1〜5のフェノール樹脂発泡体は、密度に対する圧縮強さが低く、圧縮に対する強度が不足していた。特に、比較例1、3〜5のフェノール樹脂発泡体は、独立気泡率が低く、熱伝導率も悪かった。