【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)上記の目的を達成するために、本発明の揚鉱システムは、海底面または海底下において鉱物を掘削する掘削部と、掘削して得られた鉱物と海水を含む固液混合物を吸引し圧送するポンプとを有する移動操作が可能な海底作業機と、該海底作業機に対し、動力源となる電力を供給する電力ケーブルを有する電力供給部と、所要の浮力を有し、海上または海中に浮かせられる主フロートと、該主フロートと前記海底作業機のポンプをつなぎ、前記ポンプで吸引した鉱物と海水を含む固液混合物を前記主フロート側へ搬送する、所要長さを有する揚鉱管と、該揚鉱管の長手方向に所要間隔で配置されており、前記揚鉱管に所要の浮力を付与する補助フロートと、前記揚鉱管により前記主フロート側に搬送された固液混合物から鉱物を選別して集める鉱物選別部とを備える揚鉱システムである。
【0014】
本発明の揚鉱システムの作用を深海において有価鉱物を海上まで揚げる作業を行う場合を例にとり説明する。
揚鉱システムは、海底作業機が鉱床がある所定の深海底に配置され、主フロートは海上に浮かんでいる。また、鉱物選別部、あるいは電力供給部などは、例えば母船などの作業船に装備することができ、電力供給部を構成する電力ケーブルは、海底作業機の受電部に接続されている。海底作業機の走行部、掘削部及びポンプは、供給される電力により駆動される。
【0015】
なお、電力ケーブルと共に、これに添設する形で、海底作業機の掘削部の制御、走行部の制御、あるいはポンプの制御などを行うための信号のやり取りを行う信号ケーブルを装備することもできる。
【0016】
海底作業機のポンプと主フロートは、主フロートに鉛直方向に吊設された長尺な揚鉱管によりつながれており、揚鉱管で搬送される固液混合物は、更に作業船などに装備された鉱物選別部に送られるようになっている。
【0017】
揚鉱管には、所要箇所に、例えば一定間隔で多数の補助フロートが取り付けられており、揚鉱管に対して所定の浮力が付与されている。これにより、揚鉱管は海底に落ちることのないように、浮かせてある。なお、揚鉱管の海底近くの下端部と海底作業機のポンプは、海底作業機の移動動作に支障のないように、あるいは海中で浮遊している揚鉱管の位置が変動しても支障のないように、フレキシブルな管でつなぐのが好ましい。
【0018】
揚鉱システムでは、長尺な揚鉱管に対し、主フロートと各補助フロートにより、揚鉱管が海底に落ちることのない程度の浮力を付与している。補助フロートは、揚鉱管の長手方向に所要間隔で配置されているので、これらの補助フロートで揚鉱管の重量が分担されて支持される。
【0019】
つまり、補助フロートが、揚鉱管の長手方向に所要間隔で多数取り付けられているときに、各補助フロートが、各補助フロート間の長さの揚鉱管の重さの分だけ浮力を付与するようにすると、理論上は揚鉱管の上部に長尺な揚鉱管の荷重が作用しないようにすることができる。
【0020】
このように、補助フロートによって適正な浮力を付与すれば、揚鉱管の長手方向において、一部に偏って重力方向の大きな荷重が作用することはなく、上記構成は、揚鉱管の長手方向に所要間隔で平均的に荷重がかかるようにする意味においても効果的である。また、これにより、揚鉱管が自身の大荷重により途中から破断したり、揚鉱管が多数の管体をつないだ構成であれば、管体の接続部が破壊されたりすることを防止でき、揚鉱管が海底に落ちてしまうことはない。
【0021】
なお、揚鉱管を浮かせる主フロート及び各補助フロートのトータルの浮力は、適宜設定されるが、必ずしも最上部の主フロートを海面に浮かせるだけの浮力を必要とするわけではなく、少なくとも揚鉱管の下端部が海底に落ちない状態(沈まずに海中を漂う状態)が維持されて浮遊できる浮力であるのが好ましい。
【0022】
また、仮に揚鉱管の下端部側が海底に触れたとしても、少なくともそれより上部側が海中で縦になり浮遊している状態を維持できる浮力であるのが好ましい。
なお、重量物である揚鉱管は、主フロート及び各補助フロートにより浮力が付与され、揚鉱システムの管制を行う母船などの作業船、あるいは処理船は、必ずしも揚鉱管を支持する必要はないので、船を大型化する必要がない。
【0023】
また、揚鉱管の実質的な重さは、システムの運転中においては、内部を通り搬送される固液混合物の重さが加わるために、空の場合より重くなる。したがって、上記各フロートによる浮力の設定にあたっては、空の揚鉱管の重さを基準とした設定をせず、この点を勘案する必要があるのはいうまでもない。
【0024】
そして、遠隔操作により海底作業機を適宜移動させながら、例えば鉱床のある海底面または海底下を掘削部で掘削することにより、所要の粒径に粉砕された鉱物粒が得られる。これら鉱物粒は、周囲の砂や海水と共にポンプによって吸引され、固液混合物となって揚鉱管を通り、海上の主フロート側へ搬送される。主フロート側へ搬送された上記固液混合物は、鉱物選別部へ送られて、その中から有価鉱物が集められる。
【0025】
なお、海底作業機は、例えば水深数千mの、海底面または海底下に存在する貴金属やレアメタル(希少金属)などの有価鉱物だけではなく、化石燃料であるメタンハイドレート(例えば表層型メタンハイドレート)などの有用資源が多く含まれる領域の海底に置かれて使用される。揚鉱システムは、鉱物以外の有用資源を深海底から海上まで揚げるシステムとしても利用可能である。
【0026】
(2)本発明は、前記海底作業機が有するポンプがスラリーポンプである構成とすることができる。
この場合は、鉱物と海水を含む固液混合物をポンプの可動部分に損傷を与えることなく、搬送(圧送)することができる。また、スラリーポンプによれば、比較的多量の砂や鉱物粒を含む固液混合物でも送ることができる。これによれば、運転中に砂や鉱物粒などの固形物と海水との比率が変動しても、無理なく柔軟に対応することができ、運転を継続することができる。更には、スラリーポンプは、構造的に吸い込み能力に優れており、固液混合物の搬送を効率的に行うことができる。
【0027】
スラリーポンプとしては、上記の固液混合物を、可動部に損傷を与えることなく搬送することができれば、その種類、構造は特に限定するものではない。例えば、グラベルポンプ、サンドポンプ、あるいはホースポンプなどを挙げることができる。
【0028】
(3)本発明は、前記揚鉱管の所要箇所に固液混合物の搬送を補助するための所要圧力の液流を注入する補助ポンプを備える構造とすることができる。
この場合は、例えば数千mの深海底から固液混合物を海上まで、一台で搬送することができるポンプが仮になくても、揚鉱管の途中に補助ポンプによって所要圧力の液流を注入し、搬送を補助することにより、例えば深海底から海上までの数千mの長い距離を搬送することが可能になる。
【0029】
補助ポンプは、上記した目的からは、揚鉱管に固液混合物を注入する必要はなく、周りの海水を注入すればよいので、スラリーポンプ以外のポンプ、例えば羽根車(インペラー)を有する多段渦巻ポンプやダイヤフラムポンプなどのポンプを採用することができる。
【0030】
なお、例えば1600m以上の深海用の粉砕鉱石搬送ポンプは実用化が困難とされている現在、4000〜6000mの超深海部の開発は困難を極めることは想像に難くない。この解決策としては、既存のポンプを複数、あるいは多数組合せることが有効である。揚鉱管が数千mと長くなると、1台の海中揚水ポンプ(混流、斜流)では、特に粉砕鉱石を含むような固液混合物を海面上の作業船まで搬送することはできない。
【0031】
しかし、揚鉱管の途中で固液混合物を搬送するためのエネルギーが不足している場合、少流量で高圧の海水を揚鉱管の途中にポンプで注入することでこの問題の解消が可能である。ポンプが流体に伝える動力(エネルギー)は、圧力Pと流量Qの積P×Qで決まるので、圧力が超高圧で極端に少流量のポンプが効率化を図る上で好適である。また、少流量であればポンプの小型化が可能である。
【0032】
(4)本発明は、GPS受信機と、該GPS受信機で受信した位置情報とあらかじめ決められている揚鉱システムの設定位置とを比較して設定位置を維持するように位置の補正を行う位置補正装置とを備える構成とすることができる。
この場合では、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)を利用して、あらかじめ設定されている揚鉱システムの位置を維持することができる。すなわち、揚鉱システムの所要の箇所(例えば主フロートなど)に設置してあるGPS受信機で、揚鉱システムの位置を示す位置情報を取得する。
【0033】
次に、あらかじめ設定されている基準となる位置情報と、GPS受信機で取得した位置情報を位置補正装置によって比較する。そして、その差を基に揚鉱システムの位置(この場合は主フロートの位置)を位置補正装置によって、基準となる位置(設定位置)を維持するように、あるいは基準となる位置に近付くように(向かうように)動かして補正する。なお、この位置の補正は、システムの運転中、常時行うようにしてもよいし、一定時間ごとに行ってもよい。
【0034】
位置補正装置は、全体として海に浮遊している揚鉱システムの所要位置に配置されており、システムの一部または全部を移動させることができる。位置補正装置の構成は、GPS受信機で得られた位置情報と、あらかじめ決められた基準の位置情報を比較して、その差を基に位置を補正することができれば、特に限定しない。
【0035】
例えば、モーターと、モーターで駆動される推進方向が異なる複数のスクリューと、モーターの駆動源となるバッテリーと、上記の位置情報の比較と、その結果によりモーター及びスクリューを選択し駆動する制御部などである。また、位置補正装置は、システムの中で複数配置することができる。
【0036】
また、位置補正装置は、GPS受信機が設置してあるものに設けるのがより好ましいが、必ずしもそうでなくてもよく、適宜設定が可能である。例えば、GPS受信機と位置補正装置の両方が主フロートに設けられていてもよいし、あるいはGPS受信機をフロートで電力ケーブルを支持した場合のフロートに設け、位置補正装置を主フロートに設けてもよい。後者の場合でも、電力ケーブルの支持部であるフロートと主フロートの距離が構造的に一定またはほぼ一定に保たれるのであれば、実質的に前者と変わりなく位置の補正が可能である。
【0037】
(5)本発明は、前記主フロートの内部への注水と外部への排水を行い、同フロートの浮力を調節する注排水装置を備える構成とすることができる。
この場合は、注排水装置によって主フロートの内部に海水を取り入れたり、内部の海水を外部に排出したりすることで、主フロート自体の浮力を適宜調節することができる。このように主フロートの浮力を調節することにより、主フロートの一部が海面から出るようにしたり、全部が海面下に沈むようにしたりすることができる。また、沈むようにした際の主フロートの海面下における高さも調節が可能である。
【0038】
主フロートを海面下に沈めると、主フロートは波浪(海面の上下運動)の影響を受けにくくなる。例えば、台風の中、あるいは台風が接近した際の荒天時に、主フロートが海面上に浮いたままでは、激しい波浪の影響を受けて上下運動や横揺れを繰り返すことになり、主フロートに接続されている揚鉱管の取り付け部分、あるいはその周辺部が変形したり破損したりする可能性が高くなる。なお、海面に波浪が生じるのは、多くは海面下数mから10m程度であり、主フロートをそれより深いところで浮遊するように維持できれば、台風の中でも波浪の影響をほとんど受けないようにすることができる。
【0039】
注排水装置の構造は特に限定しないが、例えば、主フロートに防水リチウム蓄電池と、その電力で駆動されるポンプ及び吸水弁、排水弁を備える構造とし、ポンプを駆動することで、主フロートの内部の空間にある海水を排水したり、外から吸水したりして、海水の量を調整することができるものである。
【0040】
(6)本発明は、作業船を備えており、該作業船は前記電力供給部と前記鉱物選別部を有すると共に、前記電力供給部を構成する電力ケーブル及び前記鉱物選別部を構成し揚鉱管から固液混合物を受け取る送給管が、システムの運転の復旧が可能な状態で切り離しが可能である構成とすることができる。
【0041】
この場合は、システムの運転時においては、電力ケーブルと送給管はつながっており、それぞれは機能している。そして、例えば台風の接近などによる荒天時、あるいはその他の何等かの理由で作業船を寄港させなければならないなど、作業船が現場海域を離脱しなければならないときには、電力ケーブル、または送給管を切り離すことができる。
【0042】
その際、電力ケーブル、または送給管は、切り離しても海中に沈んだり海底に落ちたりすることがないように、切り離し後も切り離した側がフロートなど何等かの支持部に固定されたりつながったりした状態となるようにしてある。
【0043】
また、作業船を離脱させる理由が解消したときには、作業船を作業海域に戻して、電力ケーブル、または送給管を作業船側と接続して、揚鉱システムをもとの状態に復帰させることにより、システムの運転を再開することができる。このように、システムからの作業船の離脱と復帰が可能であり、例えば主フロートや揚鉱管などを放棄して避難しなければならない事態が生じることはなく、作業船の移動を柔軟に行うことができるので、システムの運用がしやすい。
【0044】
(7)本発明は、前記主フロートにおける前記揚鉱管がつながれた部分に同揚鉱管を支える懸架装置を有しており、該懸架装置近傍の同揚鉱管は、同揚鉱管を通す空隙内において所要の振れの範囲で振動が可能である構成とすることができる。
この場合は、揚鉱管が通されているか、あるいはつながれている主フロートにおいて、揚鉱管は懸架装置によって支持されており、しかも懸架装置近傍の同揚鉱管は、空隙内において所要の振れの範囲で振動、あるいは揺動が可能であるので、揚鉱管の当該部分の動きの自由度が高く、固定された状態とはならない。
【0045】
これによれば、特に主フロートが海上に浮いている場合、波浪の影響を受けて主フロートが上下運動や横揺れを繰り返しても、揚鉱管は懸架装置近傍で変形をあまり伴わない状態で、長手方向の進退動や直径方向の振動あるいは揺動をするなど、ある程度自由に動くことができるので、例えば金属疲労などによる破損や破壊が起こりにくい。
【0046】
なお、懸架装置の構造は特に限定しないが、例えば揚鉱管を支持することができるコイルバネ、あるいは付勢体と組み合わせられたリンク機構などで構成される。懸架装置は、海中側で補助フロートにより浮力が付与されている揚鉱管の実質的な重量を支持可能であり、揚鉱管がその長手方向に進退動したときに緩衝作用を有する構成となっている。
【0047】
(8)本発明は、前記電力ケーブルの長手方向に、補助フロートが所要間隔で配置されることにより、電力ケーブルに所要の浮力が付与されている構成とすることができる。この場合は、上述の揚鉱管の場合と同様に、補助フロートの浮力によって電力ケーブルに所要の浮力が付与される。これにより、電力ケーブル自身の重さによって、長さ方向の途中で破断してしまうことを防止できる。
【0048】
(9)本発明は、鉱物選別部が、廃水処理装置を備える構成とすることもできる。この場合は、鉱物選別部により鉱物を選別して集めることができると共に、廃水処理装置により、廃液に所要の処理を施した後の清澄な水を海洋投入(海洋投棄ともいう)などにより処分することができる。
【0049】
(10)本発明は、前記鉱物選別部が、鉱物を磁着して選別する磁着装置を備えている構成とすることもできる。この場合は、揚水と同時に上昇する海底泥が環境破壊の原因となる問題に対して、揚鉱中に含まれる金属または鉱物を鉱石処理船上に設けた電気式マグネットなどの磁着装置により採取し、その後、沈殿式など一般の下水処理で行われている方法と同様の方法で海底泥を除去することができる。つまり、これは作業船を廃水処理装置を装備した鉱石処理船とすることで対応できる。
【0050】
なお、磁性を有する鉱物としては、例えば鉄、クロム、ニッケル、コバルトなどがあげられる。これらの鉱物は、いずれも有価金属であり、海底から海上まで揚げる揚水から効率よく選別を行って集めることができる。
【0051】
(11)本発明は、揚鉱管が、鋼と軽合金製の二重管構造、鋼管を炭素繊維で補強した構造または周壁を中空とした構造である構成とすることができる。この場合は、揚鉱管を軽量化することが可能になる。そもそも揚鉱システムにおける最大の課題は、全長が数千mにもおよぶ揚鉱管の重量を如何に軽減するかである。この揚鉱管の重量を軽減するためには、上述のように揚鉱管に浮力を与えて実質的な重量を軽減する方法に加えて、本項の発明のように揚鉱管自体の重量を軽減する方法がある。
【0052】
揚鉱管自体の重量を軽減する方法として、例えば軽合金または鋼製の二重管構造とし、内管と外管との間に気密空間を持つ揚鉱管とする方法がある。また、周壁に気密空間を設けて、その浮力で揚鉱管の重量を一部相殺することが可能であり、揚鉱管の自重による他所への負担は軽減できる。
【0053】
また、揚鉱管自体の重量を軽減する他の方法としては、例えば内管は鋼製で製作されたものの外表面を、炭素繊維で補強された樹脂製とした揚鉱管とする方法がある。また、樹脂製の補強管は、金属製内管の保護にも貢献するものである。
【0054】
(12)本発明は、海底面または海底下において掘削し粉砕した鉱物と海水を含む固液混合物を海上まで送る揚鉱管にフロートで所要の浮力を付与する揚鉱方法である。この方法によれば、揚鉱管を海底に沈まないように海面に浮いた主フロートなどを使用して支持する場合、揚鉱管に所要の浮力を付与することができるので、例えば揚鉱管の重量から浮力を差し引いた重量と同じ重量とすることにより、揚鉱管を支持する主フロートには実質的に重量が作用しないようにすることができる。また、フロートによる浮力を上記よりやや小さくして、揚鉱管が鉛直方向となったバランスを保つことができるようにすることもできる。
【0055】
なお、本発明は、揚鉱管及び通信・電力ケーブルをフロートによって支持し、揚鉱管の重力を軽減するものである。また、本発明は、海面上で浮遊する内部に空洞を有する金属製の大型フロートと、このフロートによって支持される揚鉱管及び通信、電力ケーブルを含み、揚鉱管の重量に対応するために、浮力調整用の海水排出及び海水吸入弁を有する大型フロートを含めることもできる。
【0056】
また、大型フロートに騎乗させている(装備されている)防水蓄電池とポンプを駆動し大型フロートの下部の空洞部に海水を給排水する事により、大型フロートに潜水機能を持たせることができる。
【0057】
更に、大型フロートで支持された揚鉱管の重量軽減のために、海中の揚鉱管の中途に装備された小型フロート群を備えることもできる。また、重量軽減と強度維持のために炭素繊維で補強された樹脂製の揚鉱管を備えることもできる。
【0058】
重量を軽減するために、二重パイプの間隙に空洞を持つ揚鉱管を備えることもできる。荒天時や海上鉱石処理船の現場離脱時、大型フロートで支持された揚鉱管及び通信、電力ケーブルが鉱石処理船から離脱可能な構造とすることができる。
【0059】
鉱石搬送用ポンプを海底鉱石採掘機に騎乗させて(装備して)、吸込み管を短縮したシステムとすることができる。揚鉱管の中間部に、流体エネルギーを供給するため、圧力水を注入するポンプシステムを備えることもできる。
【0060】
更に、揚鉱管で海上の鉱石処理船に送った粉砕鉱石(細粉化鉱石)を含む海水から、鉱石を採取するために電気式、あるいは永久磁石式のマグネット装置を備えるものでもよい。また、鉱石処理船上に鉱石採取後の排水処理を行う装置を備えることもできる。