特許第6208413号(P6208413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208413
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】増幅器制御装置
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/30 20060101AFI20170925BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   H03F1/30 A
   H03F3/24
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-152969(P2012-152969)
(22)【出願日】2012年7月6日
(65)【公開番号】特開2014-17624(P2014-17624A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】高田 謙一
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 稔
(72)【発明者】
【氏名】東 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】三浦 由克
(72)【発明者】
【氏名】館森 正樹
【審査官】 緒方 寿彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−010011(JP,A)
【文献】 特開平9−270641(JP,A)
【文献】 特開2011−160297(JP,A)
【文献】 特開2003−152513(JP,A)
【文献】 特開2007−335995(JP,A)
【文献】 特開昭60−217705(JP,A)
【文献】 実開平06−062620(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/30
H03F 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
増幅器の温度を測定した温度測定値を取得する増幅器温度情報取得部と、
前記増幅器のドレイン電流若しくはドレイン電圧又はこれらの少なくともいずれかを用いて求められるドレイン測定値を取得し、当該ドレイン測定値がドレイン電流又はドレイン電圧の設計値又は定格値で定められる閾値を超えたことによって前記増幅器の上昇温度を推定し、当該上昇温度に基づいて、前記温度測定値を補正する増幅器温度補正部と、
前記増幅器温度補正部によって補正された温度測定値に基づいて、前記増幅器のバイアス電圧を設定する増幅器バイアス電圧設定部と、
を備える増幅器制御装置。
【請求項2】
前記ドレイン測定値は、前記増幅器のドレイン電流の測定値及びドレイン電圧の測定値を乗算した値から、前記増幅器から出力される送信信号の送信出力値を減算した値である、
請求項1に記載の増幅器制御装置。
【請求項3】
前記ドレイン測定値は、前記増幅器のドレイン電流の測定値及びドレイン電圧の測定値を乗算した値から、前記増幅器から出力される送信信号の送信出力値を減算した値に、前記送信出力値のセンサから得られたSWR(Standing Wave Ratio)情報に基づく補正係数を乗算した値である、
請求項1に記載の増幅器制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅器のバイアス電圧を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
増幅器のバイアス電圧を制御する技術が、特許文献1〜3に開示されている。特許文献1では、送信電力に応じて、増幅器のバイアス電圧を制御する。特許文献2では、送信信号が増幅器に実質的に供給されていないとみなせる時期に、増幅器のアイドル電流を所定値に設定することにより、増幅器のバイアス電圧を制御する。特許文献3では、増幅器のバイアス情報をメモリすることにより、増幅器のバイアス電圧を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−118476号公報
【特許文献2】特開平06−177658号公報
【特許文献3】特開2007−074039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
増幅器を発熱から保護するためには、増幅器の温度の測定値に基づいて増幅器のバイアス電圧を制御することにより、増幅器の発熱を抑制する必要がある。増幅器の発熱を抑制することは、特許文献1、2では考慮されていないが、特許文献3では考慮されている。
【0005】
ここで、増幅器の温度の測定値が、増幅器の温度より低い場合がある。例えば、複数の増幅器の温度に配置位置の相違による不均衡が生じており、増幅器の温度の測定値が、複数の増幅器のうち一の増幅器の温度より低く、かつ、複数の増幅器のうち一の増幅器の温度より他の増幅器の温度に近い場合である。或いは、増幅器出力側で過出力又は負荷変動が発生したため、増幅器の発熱量が所定の発熱量より大きくなったにも関わらず、増幅器の温度の測定値が増幅器の温度に追随しないことにより、増幅器の温度の測定値が、増幅器の温度より低い場合である。
【0006】
以上の場合に、特許文献3では、増幅器の温度の測定値(より低温)に基づいて、増幅器のバイアス電圧(より高圧)を設定するのみであり、増幅器の温度(より高温)に基づいて、増幅器のバイアス電圧(より低圧)を設定するのではない。よって、特許文献3では、増幅器の発熱を効果的に抑制することができず、複数の増幅器の温度の不均衡や増幅器の温度の測定の遅延に効果的に対応することができない。
【0007】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、増幅器の温度の測定値が増幅器の温度より低い場合であっても、増幅器の発熱を効果的に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、増幅器の温度の測定値が増幅器の温度より低いとき、増幅器の温度の測定値を増幅器の温度の方向に補正し、補正した増幅器の温度の測定値に基づいて、増幅器のバイアス電圧を設定することとした。
【0009】
具体的には、本発明は、増幅器の温度の測定値の情報を取得する増幅器温度情報取得部と、前記増幅器温度情報取得部が取得した情報における前記増幅器の温度の測定値が、前記増幅器の温度より低いとき、前記増幅器温度情報取得部が取得した情報における前記増幅器の温度の測定値を、前記増幅器の温度の方向に補正する増幅器温度補正部と、前記増幅器温度補正部が補正した前記増幅器の温度の測定値の情報に基づいて、前記増幅器のバイアス電圧を設定する増幅器バイアス電圧設定部と、を備えることを特徴とする増幅器制御装置である。
【0010】
この構成によれば、増幅器の温度の測定値が増幅器の温度より低い場合であっても、増幅器の発熱を効果的に抑制することができる。
【0011】
また、本発明は、前記増幅器温度情報取得部が取得した情報における前記増幅器の温度の測定値は、複数の前記増幅器のうち一の前記増幅器の温度より低く、かつ、複数の前記増幅器のうち一の前記増幅器の温度より他の前記増幅器の温度に近く、前記増幅器温度補正部は、前記増幅器温度情報取得部が取得した情報における一の前記増幅器の温度の測定値を、一の前記増幅器の温度の方向に補正することを特徴とする増幅器制御装置である。
【0012】
この構成によれば、複数の増幅器の温度の不均衡に効果的に対応することができる。
【0013】
また、本発明は、前記増幅器温度情報取得部が取得した情報における前記増幅器の温度の測定値は、前記増幅器の発熱量が所定の発熱量より大きいにも関わらず、前記増幅器の温度の測定値が前記増幅器の温度に追随しないため、前記増幅器の温度より低く、前記増幅器温度補正部は、前記増幅器の発熱量が前記所定の発熱量を超えた超過量に基づいて、前記増幅器温度情報取得部が取得した情報における前記増幅器の温度の測定値を、前記増幅器の温度の方向に補正することを特徴とする増幅器制御装置である。
【0014】
この構成によれば、増幅器の温度の測定の遅延に効果的に対応することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、増幅器の温度の測定値が増幅器の温度より低い場合であっても、増幅器の発熱を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1の増幅器システムの構成を示す図である。
図2】実施形態2の増幅器システムの構成を示す図である。
図3】実施形態3の増幅器システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0018】
(実施形態1)
実施形態1の増幅器システムの構成を図1に示す。実施形態1の増幅器システムは、増幅器制御装置1及び増幅器ユニット2から構成される。増幅器制御装置1は、増幅器温度情報取得部11、増幅器温度補正部12及び増幅器バイアス電圧設定部13から構成される。増幅器ユニット2は、増幅器21及び温度センサ22から構成される。
【0019】
増幅器21は、トランジスタ等であり、送信信号等を増幅する。温度センサ22は、サーミスタやダイオード等であり、増幅器21の温度を測定する。なお、増幅器21の温度とは、トランジスタ等のジャンクション及び発熱の影響が及ぶ範囲での温度である。
【0020】
増幅器温度情報取得部11は、増幅器21の温度の測定値の情報を、温度センサ22から取得する。ここで、温度センサ22は増幅器21から離れているため、増幅器21の温度の測定値は増幅器21の温度より低くなる。そこで、増幅器21の温度の測定値が増幅器21の温度より低くなったことを補償することができるように、増幅器21の温度の測定値の情報を増幅器21の発熱量に基づいて補正するのである。
【0021】
増幅器温度補正部12は、増幅器温度情報取得部11が取得した情報における増幅器21の温度の測定値が、増幅器21の温度より低いとき、増幅器温度情報取得部11が取得した情報における増幅器21の温度の測定値を、増幅器21の温度の方向に補正する。増幅器バイアス電圧設定部13は、増幅器温度補正部12が補正した増幅器21の温度の測定値の情報に基づいて、増幅器21のバイアス電圧を設定する。
【0022】
増幅器21の温度の測定値の補正幅は、増幅器21の温度から増幅器21の温度の測定値を減算した値と比較して、等しくてもよく、小さくてもよく、大きくてもよい。
【0023】
実施形態1では、増幅器21の温度により近い温度(より高温)に基づいて、増幅器21のバイアス電圧(より低圧)を設定するのであって、増幅器21の温度の測定値そのままの温度(より低温)に基づいて、増幅器21のバイアス電圧(より高圧)を設定するのではない。よって、実施形態1では、増幅器21の温度の測定値が増幅器21の温度より低い場合であっても、増幅器21の発熱を効果的に抑制することができる。
【0024】
(実施形態2)
実施形態2の増幅器システムの構成を図2に示す。実施形態2の増幅器システムは、増幅器制御装置1及び増幅器ユニット2から構成される。増幅器制御装置1は、増幅器温度情報取得部11、増幅器温度補正部12、A/D変換部14、電圧/温度変換部15、増幅器バイアス電圧初期値設定部16、増幅器バイアス電圧補正係数算出部17、乗算器18−1、18−2、18−3、18−4及びD/A変換部19から構成される。増幅器ユニット2は、4個の増幅器21−1、21−2、21−3、21−4及び1個の温度センサ22から構成される。実施形態2の増幅器バイアス電圧初期値設定部16、増幅器バイアス電圧補正係数算出部17及び乗算器18−1、18−2、18−3、18−4は、すべてを合わせて、実施形態1の増幅器バイアス電圧設定部13に相当する。
【0025】
増幅器21−1、21−2、21−3、21−4は、トランジスタ等であり、送信信号等を増幅する。温度センサ22は、サーミスタやダイオード等であり、増幅器21−1、21−2、21−3、21−4の温度を測定するところ、増幅器21−1、21−4の温度(より低温の〜T℃)を強く反映しているが、増幅器21−2、21−3の温度(より高温の(T+ΔT)℃)を殆ど反映していない。つまり、複数の増幅器21−1、21−2、21−3、21−4の温度に配置位置の相違による不均衡が生じる。
【0026】
増幅器温度情報取得部11は、増幅器21−1、21−2、21−3、21−4の温度の測定値の情報を、センサ出力電圧の情報として温度センサ22から取得する。A/D変換部14は、アナログ情報からデジタル情報へと、センサ出力電圧の情報を変換する。電圧/温度変換部15は、センサ出力電圧の情報を増幅器温度の情報に変換する。
【0027】
増幅器温度補正部12は、増幅器温度情報取得部11が取得した情報における増幅器21−2、21−3の温度の測定値を、増幅器21−2、21−3の温度の方向に補正する。具体的には、増幅器温度の補正幅の情報を取得する。そして、補正前の増幅器21−2、21−3の温度の測定値を取得し、増幅器温度の補正幅を加算し、補正後の増幅器21−2、21−3の温度の測定値を出力する。ここで、増幅器温度の補正幅は、増幅器21−2、21−3の温度から増幅器21−2、21−3の温度の測定値を減算した値(ΔT℃)と比較して、等しくてもよく、小さくてもよく、大きくてもよい。
【0028】
増幅器バイアス電圧初期値設定部16は、各増幅器21−1、21−2、21−3、21−4について、温度補償前のバイアス電圧を設定する。増幅器バイアス電圧補正係数算出部17は、各増幅器21−1、21−2、21−3、21−4について、温度補償に必要な補正係数を算出する。各増幅器21−1、21−2、21−3、21−4の補正後の温度の測定値が高くなるほど、各増幅器21−1、21−2、21−3、21−4の温度補償に必要な補正係数は1の近傍で小さくなり、各増幅器21−1、21−2、21−3、21−4の発熱が効果的に抑制される。
【0029】
乗算器18−1、18−2、18−3、18−4は、それぞれ増幅器21−1、21−2、21−3、21−4について、温度補償前のバイアス電圧及び温度補償に必要な補正係数を乗算し、温度補償後のバイアス電圧を算出する。D/A変換部19は、各増幅器21−1、21−2、21−3、21−4について、デジタル情報からアナログ情報へと、温度補償後のバイアス電圧の情報を変換する。
【0030】
実施形態2では、増幅器21−2、21−3の温度により近い温度(より高温)に基づいて、増幅器21−2、21−3のバイアス電圧(より低圧)を設定するのであって、増幅器21−2、21−3の温度の測定値そのままの温度(より低温)に基づいて、増幅器21−2、21−3のバイアス電圧(より高圧)を設定するのではない。よって、実施形態2では、実施形態1で上述の効果に加えて、複数の増幅器21−1、21−2、21−3、21−4の温度の不均衡に効果的に対応することができる。
【0031】
(実施形態3)
実施形態3の増幅器システムの構成を図3に示す。実施形態3の増幅器システムは、増幅器制御装置1及び増幅器ユニット2から構成される。増幅器制御装置1は、増幅器温度情報取得部11、増幅器温度補正部12、A/D変換部14、電圧/温度変換部15、増幅器バイアス電圧初期値設定部16、増幅器バイアス電圧補正係数算出部17、乗算器18及びD/A変換部19から構成される。増幅器ユニット2は、1個の増幅器21及び1個の温度センサ22から構成される。実施形態3の増幅器バイアス電圧初期値設定部16、増幅器バイアス電圧補正係数算出部17及び乗算器18は、すべてを合わせて、実施形態1の増幅器バイアス電圧設定部13に相当する。
【0032】
増幅器21は、トランジスタ等であり、送信信号等を増幅する。温度センサ22は、サーミスタやダイオード等であり、増幅器21の温度を測定するところ、増幅器出力側で過出力又は負荷変動が発生したため、増幅器21の発熱量が所定の発熱量より大きくなったにも関わらず、増幅器21の温度の測定値が増幅器21の温度に追随しない。つまり、増幅器21の温度の測定の遅延が生じる。
【0033】
増幅器温度情報取得部11は、増幅器21の温度の測定値の情報を、センサ出力電圧の情報として温度センサ22から取得する。A/D変換部14は、アナログ情報からデジタル情報へと、センサ出力電圧の情報を変換する。電圧/温度変換部15は、センサ出力電圧の情報を増幅器温度の情報に変換する。
【0034】
増幅器温度補正部12は、増幅器21の発熱量が所定の発熱量を超えた超過量に基づいて、増幅器温度情報取得部11が取得した情報における増幅器21の温度の測定値を、増幅器21の温度の方向に補正する。具体的には、ドレイン電流の情報、ドレイン電圧の情報及び送信出力の情報を取得する。ここで、送信出力は、送信出力センサやSWR(Standing Wave Ratio)センサを利用して測定可能である。
【0035】
一の方法として、ドレイン電流の測定値がドレイン電流の設計値又は定格値を超えたことにより、増幅器21の温度が何℃上昇したかを推定する。他の方法として、ドレイン電流の測定値及びドレイン電圧の測定値を乗算した値(入力電力の測定値)から、送信出力の測定値を減算した値(発熱量の測定値)が、発熱量の設計値又は定格値を超えたことにより、増幅器21の温度が何℃上昇したかを推定する。さらに、増幅器21の出力に接続される負荷が変動した場合は、ドレイン電流の測定値及びドレイン電圧の測定値を乗算した値(入力電力の測定値)から、送信出力の測定値を減算した値(発熱量の測定値)に、SWRセンサから得られた情報に基づく補正係数を乗算することにより、増幅器21の温度が何℃上昇したかを推定する。
【0036】
次に、増幅器21の温度の補正幅として、一の方法又は他の方法で推定した増幅器21の温度の上昇幅と比較して、等しい温度幅、小さい温度幅又は大きな温度幅を設定することができる。次に、補正前の増幅器21の温度の測定値を取得し、増幅器21の温度の補正幅を加算し、補正後の増幅器21の温度の測定値を出力する。
【0037】
増幅器バイアス電圧初期値設定部16は、温度補償前のバイアス電圧を設定する。増幅器バイアス電圧補正係数算出部17は、温度補償に必要な補正係数を算出する。増幅器21の補正後の温度の測定値が高くなるほど、増幅器21の温度補償に必要な補正係数は1の近傍で小さくなり、増幅器21の発熱が効果的に抑制される。
【0038】
乗算器18は、温度補償前のバイアス電圧及び温度補償に必要な補正係数を乗算し、温度補償後のバイアス電圧を算出する。D/A変換部19は、デジタル情報からアナログ情報へと、温度補償後のバイアス電圧の情報を変換する。
【0039】
実施形態3では、増幅器21の温度により近い温度(より高温)に基づいて、増幅器21のバイアス電圧(より低圧)を設定するのであって、増幅器21の温度の測定値そのままの温度(より低温)に基づいて、増幅器21のバイアス電圧(より高圧)を設定するのではない。よって、実施形態3では、実施形態1で上述の効果に加えて、増幅器21の温度の測定の遅延に効果的に対応することができる。
【0040】
(変形例)
実施形態3において、実施形態2と同様に、増幅器21の個数を単数のみならず複数ともできる。実施形態2及び実施形態3を組み合わせることにより、実施形態1で上述の効果に加えて、複数の増幅器21の温度の不均衡に効果的に対応することができて、増幅器21の温度の測定の遅延に効果的に対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る増幅器制御装置は、無線通信装置の送信用の増幅器等について、増幅器の発熱を効果的に抑制しながら、増幅器のバイアス電圧の温度補償を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1:増幅器制御装置
2:増幅器ユニット
11:増幅器温度情報取得部
12:増幅器温度補正部
13:増幅器バイアス電圧設定部
14:A/D変換部
15:電圧/温度変換部
16:増幅器バイアス電圧初期値設定部
17:増幅器バイアス電圧補正係数算出部
18、18−1、18−2、18−3、18−4:乗算器
19:D/A変換部
21、21−1、21−2、21−3、21−4:増幅器
22:温度センサ
図1
図2
図3