(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板上の導電性回路とクリーム半田を介して素子を接触させ、前記素子を請求項1〜6のいずれかに記載の半田熱処理用治具で覆い、加熱炉で前記クリーム半田をリフローさせて前記導電性回路と素子を電気的に接続することを特徴とする実装電子回路基板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明では、基板上に半田をリフローさせて素子を実装する工程において、フラックスの突沸による半田飛沫の基板への付着を防止するための治具(半田熱処理用治具)の全部または一部を、光が透過可能な耐熱性のある樹脂板(「耐熱透明樹脂板」と略記する。)で作製する。耐熱透明樹脂板を半田熱処理用治具の部材の一部として用いる場合は、少なくとも窓部を耐熱透明樹脂板で作製し、治具の骨格となる枠材などついては他の耐熱性の樹脂で作製することができる。
【0014】
本発明で用いる耐熱透明樹脂板は、その弾性率が常温で2.5〜3.5GPaであることが好ましい。弾性率が2.5GPaより低い場合、耐熱透明樹脂板を保持する部材の補強が必要となり、結果的に治具の重量が増す。また、弾性率が3.5GPaより高い場合は、靱性が低下するため、治具が破損しやすくなり、耐久性が劣る。
【0015】
耐熱透明樹脂板の表面硬度は、鉛筆硬度H以上が好ましく、3H以上がより好ましい。表面硬度が低い場合、基板や、他の部材との接触により表面に傷が生じ、光の透過性を悪くする。表面硬度を上げるため、透明性があり耐熱性のある別の部材をコーティングしても良い。
【0016】
作業者が、治具をセットする際、基板や素子の位置を確認するためには、前記耐熱透明樹脂板は可視光領域で85%以上の透過率を有することが好ましい。また、温度を均一化するためには、赤外線を50%以上透過できることが好ましい。
【0017】
耐熱透明樹脂板は、厚くなればそれだけ機械的強度は増すが、重量及び熱容量が過大となり、かつ光の透過率も劣ることから、温度が不均一となる要因となる。また、素子と素子の狭いエリアに治具をセットするためには、薄いほうがいい。しかしながら、0.1mmより薄い場合は、治具を保持することが難しく、ある程度の厚みは必要となる。したがって、透明樹脂板の厚みは、0.1mm以上、1.5mm以下が好ましく、0.3〜1.0mmがより好適である。
【0018】
耐熱透明樹脂板の耐熱性は、常温(20℃)の耐熱透明樹脂板に対する200℃における熱収縮率、すなわち、200℃の温度で5分程度保持した場合の熱収縮率は、常温(20℃)に比較して0.5%以下、好ましくは、0.2%以下がよい。熱収縮率が0.5%を超えると、熱収縮により耐熱透明樹脂板に変形が発生するため治具を繰り返し使用することができなくなる。
【0019】
本発明の半田熱処理用治具は、熱だけではなく、半田に含まれるフラックス成分、半田の分解成分に直接暴露されるため、使用後にそれら汚れ成分を洗浄する必要がある。そのため、耐熱透明樹脂板用の樹脂として、酸、アルカリ及び有機溶剤に耐えられるものを選択することが必要である。
【0020】
そのような耐熱透明樹脂の選択は、ハロゲン、アルカリ、その他の重金属などを含まない透明耐熱樹脂を使用することにより可能となる。
【0021】
樹脂としては、耐熱性の高い熱可塑性樹脂を使用することも可能であるが、高温で繰り返し使用するためには、熱硬化性樹脂が好ましい。例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂、シルセスシオキサン系アクリル樹脂、アリルエステル樹脂等が挙げられる。それらの中でも、アリルエステル樹脂は耐熱性、透明性、耐薬品性に優れるため、特に好ましい。これらの樹脂は単独で使用されるが、耐熱性、透明性が保持できれば組成物として使用することもできる。
【0022】
さらに、透明耐熱樹脂板の剛性向上のために、透明性を損なわない範囲であれば、無機物を配合することもできる。これらの無機物としてはガラスフィラー、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、クレイ等が挙げられる。これらの無機物のサイズは透明性を損なわない範囲であれば特に限定されないが、透明性保持の観点で10nm〜50μが好ましい。
【0023】
本発明の半田熱処理用治具に使用する透明耐熱樹脂板の材料としては、特にアリルエステル樹脂が好ましい。以下、このアリルエステル樹脂について詳しく説明する。
【0024】
[アリルエステル樹脂]
一般的に、「アリルエステル樹脂」というと硬化する前のプレポリマー(オリゴマーや添加剤、反応性モノマー(「反応性希釈剤」とも言う。)、溶媒を含む)を指す場合とその硬化物を指す場合の二通りの場合があるが、本明細書中では「アリルエステル樹脂」は硬化物を示し、「アリルエステル樹脂組成物」は硬化前のプレポリマーを示すものとする。
【0025】
[アリルエステル樹脂組成物]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物はアリル基またはメタリル基(以降、あわせて(メタ)アリル基と言う場合がある。(メタ)アリルアルコールも同様である。)とエステル構造を有する化合物を主な硬化成分として含有する組成物である。
【0026】
(メタ)アリル基とエステル構造を有する化合物は、(1)(メタ)アリル基及び水酸基を含む化合物(表現を簡略化するため、以下では「(メタ)アリルアルコール」と総称する。)とカルボキシル基を含む化合物とのエステル化反応、(2)(メタ)アリル基及びカルボキシル基を含む化合物と水酸基を含む化合物とのエステル化反応、または(3)(メタ)アリルアルコールとジカルボン酸からなるエステル化合物と多価アルコールとのエステル交換反応により得ることができる。カルボキシル基を含む化合物がジカルボン酸とジオールとのポリエステルオリゴマーである場合には、末端のみ(メタ)アリルアルコールとのエステルとすることもできる。
【0027】
(メタ)アリルアルコールとジカルボン酸からなるエステル化合物の具体例としては、下記一般式(1)で示される化合物の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が挙げられる。この化合物は後述のアリルエステルオリゴマーの原料となる他、反応性希釈剤(反応性モノマー)として本発明のアリルエステル樹脂組成物に含まれていてもよい。
【化1】
(R
1及びR
2は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基のいずれかの基を表し、A
1はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する1種以上の有機残基を表す。)
【0028】
一般式(1)中のA
1は後述の一般式(2)、一般式(3)におけるA
2、A
3と同様のものが好ましい。
【0029】
アリルエステル樹脂組成物の主な硬化成分である(メタ)アリル基とエステル構造を有する化合物としては、アリル基及び/またはメタリル基を末端基とし、多価アルコールとジカルボン酸とから形成されたエステル構造を有するアリルエステル化合物(以下、これを「アリルエステルオリゴマー」と記載することがある。)であることが好ましい。アリルエステル樹脂組成物には上記化合物以外の成分として、後述する硬化剤、反応性希釈剤、他のモノマー、添加剤、その他ラジカル反応性の樹脂成分等を含有してもよい。
【0030】
[アリルエステルオリゴマー]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物の主成分は、下記一般式(2)で示される基を末端基として有し、かつ下記一般式(3)で示される構造を構成単位として有するアリルエステルオリゴマーであることが好ましい。
【化2】
(式中、R
3は水素原子またはメチル基を表し、A
2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する1種以上の有機残基を表す。)
【化3】
(式中、A
3はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する1種以上の有機残基を表し、Xは多価アルコールから誘導された1種以上の有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によって上記一般式(2)で示される基を末端基とし、上記一般式(3)で示される構造を構成単位とする分岐構造を形成することができる。)
【0031】
上記アリルエステルオリゴマーにおいて、前記一般式(2)で示される末端基の数は少なくとも2個以上であるが、前記一般式(3)のXが分岐構造を有する場合には3個以上となる。この場合、各末端基のR
3も複数個存在することになるが、これらの各R
3は必ずしも同じ種類でなくてもよく、ある末端はアリル基、他の末端はメタリル基という構造であっても構わない。また、全ての末端がアリル基またはメタリル基である必要はなく、硬化性を損なわない範囲で、その一部はメチル基またはエチル基等の非重合性基であってもよい。A
2で示される構造についても同様に、各末端基で異なっていてもよい。例えば、ある末端のA
2はベンゼン環、他方はシクロヘキサン環という構造であってもよい。
【0032】
一般式(2)におけるA
2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基である。ジカルボン酸に由来する部分はA
2に隣接するカルボニル構造で示されている。したがって、A
2の部分はベンゼン骨格やシクロヘキサン骨格を示す。
【0033】
A
2構造を誘導するジカルボン酸としては特に制限はないが、原料の入手しやすさの点からは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、p−フェニレンジ酢酸、p−カルボキシフェニル酢酸、メチルテレフタル酸、テトラクロルフタル酸が好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が特に好ましい。中でも分子内に芳香環を有さない1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いることが耐光性の点で好ましく、高い透明性が求められる用途には1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いることが好ましい。
【0034】
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、A
2構造を誘導するジカルボン酸に加え、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水エンディック酸、無水クロレンド酸等の(反応時において)非環状のジカルボン酸を使用してもよい。
【0035】
一般式(3)で示される構造単位は、アリルエステルオリゴマー中に少なくとも1つは必要であるが、この構造が繰り返されることによりアリルエステルオリゴマー全体の分子量がある程度大きくなったほうが適切な粘度が得られるので作業性が向上し、硬化物の靭性も向上するので好ましい。しかし、分子量が大きくなりすぎると硬化物の架橋点間分子量が大きくなりすぎるため、ガラス転移温度(Tg)が低下し、耐熱性が低下するおそれもある。用途に応じて適切な分子量に調整することが大切である。アリルエステルオリゴマーの重量平均分子量は500〜200,000が好ましく、1,000〜100,000がさらに好ましい。
【0036】
また、一般式(3)におけるA
3はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基であり、その定義及び好ましい化合物の例は一般式(2)におけるA
2と同様である。
【0037】
一般式(3)中のXは、多価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表す。多価アルコールとは2個以上の水酸基を有する化合物であり、X自体は、多価アルコールの水酸基以外の骨格部分を示す。多価アルコール中の水酸基は少なくとも2個が存在していればよいため、原料となる多価アルコールが3価以上、すなわち、水酸基が3個以上のときは、未反応の水酸基が存在していてもよい。多価アルコールの炭素数は2〜20が好ましい。
【0038】
炭素数2〜20の多価アルコールの具体例のうち、2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール
、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Aのプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールA、2,2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン等が挙げることができる。
また、3価以上の多価アルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール等が挙げられる。これらの多価アルコールの2種以上の混合物であってもよい。また、上述の具体例に限定されるものではない。
【0039】
アリルエステルオリゴマー中の一般式(3)で示される構造単位としては、同一の構造単位が繰り返されていても、異なる構造単位が含まれていてもよい。つまり、アリルエステルオリゴマーは共重合タイプであってもよい。この場合、一つのアリルエステルオリゴマーには数種類のXが存在することになる。例えば、Xの一つがプロピレングリコール由来の残基、もう一つのXがトリメチロールプロパン由来の残基であるという構造でもよい。この場合、アリルエステルオリゴマーはトリメチロールプロパン残基の部分で枝分かれすることになる。A3も同様にいくつかの種類が存在してもよい。以下にR
3がアリル基、A
2及びA
3がイソフタル酸由来の残基、Xがプロピレングリコールとトリメチロールプロパンの場合の構造式を示す。
【化4】
【0040】
[アリルエステルオリゴマーの製造方法]
本発明に用いられるアリルエステルオリゴマーは、多価カルボン酸のアリルエステルモノマーと2〜6個の水酸基を有する多価アルコールとのエステル交換反応により製造することができる。多価カルボン酸のアリルエステルモノマーは多価カルボン酸と(メタ)アリルアルコールのエステルであり、特にジカルボン酸のアリルエステルモノマーが好ましい。具体的には、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸ジアリル、メチルテトラヒドロフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、コハク酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等が挙げられる。これらアリルエステルモノマーは、必要に応じて2種以上使用することもできる。また、上述の具体例に限定されるものではない。
【0041】
多価アルコールとしては前述のX構造を誘導する多価アルコールを使用する。
【0042】
末端に(メタ)アリルエステル基を有するアリルエステルオリゴマーを得るためには、これらの使用比率として、2価のカルボン酸のカルボキシル基よりも、多価アルコールのヒドロキシル基を少なく用いる必要がある。
【0043】
本発明で使用するエステル交換反応触媒としては、従来知られているエステル交換触媒が使用できるが、特に好ましいのはアルカリ金属、アルカリ土類金属及びそれらの酸化物、及び弱酸塩、Mn,U,Zn,Cd,Zr,Pb,Ti,Co及びSnの酸化物、水酸化物、無機酸塩、アルコラート、有機酸塩、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物等を挙げることができる。中でも、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドが好ましい。
【0044】
使用量としては、触媒の活性によって異なるが、適度な速度でアリルアルコールを留出させ得るような量を使用すべきである。一般的には、多価カルボン酸のアリルエステルモノマーに対して0.0001〜1質量%、特に好ましくは0.001〜0.5質量%程度を使用することが好ましい。
【0045】
この製造工程における反応温度は、特に制限はないが、好ましくは120〜230℃の範囲、より好ましくは140〜200℃の範囲である。
反応の実施の形態としては、反応の進行を促進させるため、減圧下で行うか、適当な溶媒を使用して副生するアリルアルコールを反応系外に除去しながら行う必要がある。
アリルエステルオリゴマーの具体的な製造方法は例えば特公平6−74239号公報(US4959451)に記載されている。
【0046】
[硬化剤]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物には硬化剤を使用してもよい。使用できる硬化剤としては特に制限はなく、一般に重合性樹脂の硬化剤として用いられているものを用いることができる。中でも、アリル基の重合開始の点からラジカル重合開始剤を添加することが望ましい。ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、光重合開始剤、アゾ化合物等が挙げられる。
【0047】
有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステル等の公知のものが使用可能であり、その具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルクミルパーオキサイド、p−メチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド及び2,5−ジメチル−2,5−ジブチルパーオキシヘキシン−3等が挙げられる。
【0048】
また、上記の光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0049】
アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
【0050】
これらのラジカル重合開始剤は1種でもよく、2種以上を混合ないし組み合わせて用いてもよい。反応制御の面から光重合開始剤と熱重合開始剤の2種類以上の硬化剤を組み合わせることがより好ましい。
【0051】
硬化剤の配合量には特に制限はないが、アリルエステル樹脂組成物中のラジカル重合成分100質量部に対し、0.1〜10質量部配合することが好ましく、0.5〜5質量部配合することがより好ましい。硬化剤の配合量が0.1質量部より少ないと充分な硬化速度が得ることが困難であり、また配合量が10質量部を超えると、最終的な硬化物がもろくなり、機械強度が低下する場合がある。
【0052】
[反応性モノマー]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物には、硬化反応速度のコントロール、粘度調整(作業性の改善)、架橋密度の向上、機能付加等を目的として、反応性モノマー(反応性希釈剤)を加えることもできる。反応性モノマーとしては特に制限はなく、種々のものが使用できるが、アリルエステルオリゴマーと反応させるためにはビニル基、アリル基等のラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有するモノマーが好ましい。例えば、不飽和脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、飽和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体、架橋性多官能モノマー等が挙げられる。中でも、架橋性多官能性モノマーを使用すれば、硬化物の架橋密度を制御することもできる。これら反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示す。
【0053】
不飽和脂肪酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、フルオロフェニル(メタ)アクリレート、クロロフェニル(メタ)アクリレート、シアノフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート及びビフェニル(メタ)アクリレート等のアクリル酸芳香族エステル;
フルオロメチル(メタ)アクリレート及びクロロメチル(メタ)アクリレート等のハロアルキル(メタ)アクリレート;
さらに、グリシジル(メタ)アクリレート、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、及びα−シアノアクリル酸エステル等が挙げられる。
【0054】
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン及びビニルトルエン等を挙げることができる。
【0055】
飽和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び安息香酸ビニル等を挙げることができる。
【0056】
架橋性多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエステルジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−ω−(メタ)アクリロイロキシピリエトキシ)フェニル)プロパン等のジ(メタ)アクリレート;
フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジメタリル、テレフタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,4−キシレンジカルボン酸アリル及び4,4’−ジフェニルジカルボン酸ジアリル等の芳香族カルボン酸ジアリル類;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及びジビニルベンゼン等の二官能の架橋性モノマー;トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストーリルトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリ(メタ)アリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート及びジアリルクロレンデート等の三官能の架橋性モノマー;さらにペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート等の四官能の架橋性モノマー等が挙げられる。
【0057】
上記の反応性モノマーは、1種単独で、または2種以上混合または組み合わせて用いることができる。これらの反応性モノマーの樹脂成分の使用量には特に制限はないが、アリルエステルオリゴマー100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、2〜500質量部であることがより好ましく、5〜100質量部であることが特に好ましい。反応性モノマーの使用量が1質量部未満であると、粘度低下効果が小さくいために作業性が悪化したり、反応性モノマーとして多官能性モノマーを使用した場合には架橋密度が低くなり耐熱性が不十分になったりすることがある。また、使用量が1000質量部を超えるとアリルエステル樹脂自体の優れた透明性が発現されなかったり、アリルエステル樹脂由来の機械強度が低下したりする場合がある。
【0058】
[ラジカル反応性の樹脂成分]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物は、諸物性を改良する目的でラジカル反応性の樹脂成分を含んでいてもよい。これら樹脂成分としては不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等が挙げられる。
【0059】
不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコールと不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による縮合生成物を、必要に応じてスチレン等の重合性不飽和化合物に溶解したもので、例えば「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社,1988年発行,第16頁〜第18頁及び第29頁〜第37頁などに記載されている樹脂を挙げることができる。この不飽和ポリエステル樹脂は、公知の方法で製造することができる。
【0060】
ビニルエステル樹脂はエポキシ(メタ)アクリレートとも呼ばれ、一般にエポキシ樹脂に代表されるエポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸などの重合性不飽和基を有するカルボキシル化合物のカルボキシル基との開環反応により生成する重合性不飽和基を有する樹脂、またはカルボキシル基を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレート等の分子内にエポキシ基を持つ重合性不飽和化合物のエポキシ基との開環反応により生成する重合性不飽和基を有する樹脂を指す。詳しくは「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社,1988年発行,第336頁〜第357頁などに記載されており、その製造は、公知の方法により行うことができる。
【0061】
ビニルエステル樹脂の原料となるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。
【0062】
上記のラジカル反応性の樹脂成分は、1種単独で、または2種以上混合または組み合わせて用いることができる。これらのラジカル反応性の樹脂成分の使用量には特に制限はないが、アリルエステルオリゴマー100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、2〜500質量部であることがより好ましく、5〜100質量部であることが特に好ましい。反応性モノマーの使用量が1質量部未満であると、ラジカル反応性の樹脂成分由来の機械強度向上などの効果が小さく、作業性や成形性が悪化することがある。また、使用量が1000質量部を超えるとアリルエステル樹脂自体の耐熱性が現れない場合がある。
【0063】
[添加剤]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物には、硬度、強度、成形性、耐久性、耐水性を改良する目的で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、離型剤、滑剤、撥水剤、難燃剤、低収縮剤、架橋助剤などの添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0064】
酸化防止剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、ラジカル連鎖禁止剤であるフェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。フェノール系酸化防止剤としては2,6−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)及び1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられる。
【0065】
滑剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、金属石鹸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪族炭化水素系滑剤などが好ましく、金属石鹸系滑剤が特に好ましい。金属石鹸系滑剤としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらは複合体として用いられても良い。
【0066】
上記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤が好ましく、特に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0067】
これらの添加剤は上述した具体例に制限されるものではなく、本発明の目的、または効果を阻害しない範囲であらゆるものを添加することができる。
【0068】
次に図面を参照して本発明の半田熱処理用治具の具体例を説明する。
図1はクリーム半田による実装用のリフロー炉に使用する本発明の半田熱処理用治具の一例の概要を示す斜視図である。窓部(2)のみを耐熱透明樹脂板とし、枠部(1)は耐熱性の他の材料(例えば、アルミなどに金属材料)からなる板材で構成されている。この半田熱処理用治具を、クリーム半田で素子を固定された基板上のフラックスや半田ボールの飛沫が問題となる部位に乗せて、加熱したリフロー炉内を搬送し素子を半田付けする工程で使用する。この治具では透明な窓2を通して半田の状態を観察できるので温度調整を適切に行うことができる。
【0069】
図2は、本発明の半田熱処理用治具の他の例の斜視図(A)及び素子(3)を搭載した基板(4)に前記の治具を使用した状態の概要を示す断面図(B)である。
本例の半田熱処理用治具はその全てが耐熱透明樹脂板で構成されており、樹脂板の一部に切り欠きを設けて、はめ込み式で基板に搭載する素子を区画する箱型状に組み立てられるものである。本治具によれば内部が見えるため、適切な位置に容易にセットすることが可能である。また外部から実装工程の状態の観察ができるので、加熱温度を適切に調整して、フラックスや半田飛沫を低減することができる。なお、本例では、箱型の例を示しているが、樹脂材料のみからなる治具は加工が容易であり、実装する素子やエリアにあわせた任意の形状で治具を作成することが可能であり、金属板を使用する場合に比べてコストを大幅に削減することができる。
【0070】
図3は、治具の基本構成は窓部(2)を耐熱透明樹脂板とし、枠部(1)は耐熱性の他の材料からなるシートで構成した
図1の態様と同じであるが、実装する素子(3)を基板(4)にセットし、素子(3)が基板から位置ずれしないように、スプリング(5)で押さえる構造とした例である。内部を観察できる透明樹脂板の窓を有する治具で周囲を覆うことにより、素子(3)の押さえが確実になされていることを確認しながら実装電子回路基板を製造することができるので半田の接合不良率抑えることができる。
【実施例】
【0071】
以下に透明樹脂板の製造例及び実施例を挙げて説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
なお、製造例で作製した透明樹脂板の物性(弾性率、熱収縮率、鉛筆硬度、可視光及び赤外線の透過率)は以下の方法で測定した。
【0072】
[弾性率]
弾性率は曲げ弾性率の規格であるASTM D790に準拠して測定した。
【0073】
[熱収縮率]
JIS C−2151に準拠して測定した。加熱時間温度は200℃、30分とした。
【0074】
[鉛筆硬度]
鉛筆硬度はJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆先端の負荷荷重を750gで測定した。
【0075】
[可視光及び赤外線の透過率]
紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製 V−570)を用いて、可視光領域(380〜780nm)での全透過率、赤外線領域(780〜2500nm)での全透過率を測定した。
【0076】
製造例1:
B蒸留装置のついた2リットルの三つ口フラスコに、ジアリルテレフタレート1625g、プロピレングリコール167g、ジブチル錫オキサイド0.813gを仕込み、窒素気流下、180℃で生成してくるアルコールを留去しながら加熱した。留去したアルコールが約170gになったところで反応系内を徐々に、約4時間かけて6.6kPaまで減圧し、アルコールの留出速度を速めた。留出液が殆ど出なくなったところで、反応系内を0.5kPaに減圧し、さらに1時間反応させた後、反応物を冷却した。以下、これにより得られた反応物を「アリルエステルオリゴマー(1)」とする。
調製したアリルエステルオリゴマー(1)100質量部に対し、ペンタエリストールテトラアクリレート(新中村化学工業社製、「NKエステルA−TMMT」)10質量部、光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、「DAROCUR MBF」)1.5質量部、熱開始剤(日本油脂株式会社製、「パーヘキシルI」)1質量部を加え十分撹拌しアリルエステル樹脂組成物(2)を得た。この組成物(2)をガラス基板上にバーコーターで厚さ0.5mmになるように塗布、UV(アイグラフィックス株式会社ECS−4011GX−S、メタルハライドランプ使用)照射量1200mJ/cm
2にてUV硬化し、その後、オーブンにて160℃、1時間加熱処理により完全に硬化させ厚さ0.5mmのアリルエステル樹脂板(1)を作製した。
アリルエステル樹脂板(1)の常温(20℃)弾性率は2.8GPa、熱収縮率は0.1%未満、鉛筆硬度は3H、可視光透過率は90%以上、赤外線の透過率は60%以上であった。
【0077】
製造例2:
バーコーターで厚さ0.3mmになるように塗布した以外は、製造例1と同様に行い、0.3mmの厚さのアリルエステル樹脂板(2)を作製した。
アリルエステル樹脂板(2)の常温(20℃)弾性率は2.8GPa、熱収縮率は0.1%未満、鉛筆硬度は3H、可視光透過率は90%以上、赤外線の透過率は60%以上であった。
【0078】
実施例1:
クリーム半田による実装用のリフロー炉用治具として
図1に示す半田熱処理用治具を使用した。治具の枠部(1)の材質は1mm厚のアルミ板である。透明窓部(2)には製造例1で作製した0.5mm厚のシートを使用した。クリーム半田で素子を固定された基板上のフラックスや半田ボールの飛沫が問題となる部位に前記の治具を乗せて、約220℃に加熱したリフロー炉内を搬送し、素子を半田付けした。フラックスや半田の飛沫が低減し、不良率を大幅に減らすことが可能となり、透明な窓を通して内部の半田の状態を観察でき、温度調整を適切に行うことができた。これによって不良率を20%低減することができた。また治具が軽量のため、基板に熱的な悪影響を与えることなく、基板全体が均一に実装できた。また、炉内の基板搬送も装置的な改造をすることなく実施できた。
フラックスや半田により治具表面は汚れたが、IPA、アセトンなどの溶剤で洗浄することにより繰り返し使用が可能であった。治具は繰り返し、1000回以上使用したが、品質的な問題は発生しなかった。
【0079】
実施例2:
クリーム半田による実装用のリフロー炉用治具とし製造例2のアリルエステル樹脂板(2)のみで構成されたて
図2に示すはめ込み式の箱型の半田熱処理用治具を使用した。特に不良率の高い素子の周囲に、0.3mm厚のアリルエステル樹脂板で作られた本半田熱処理用治具を用い、実装した。内部が見えるため、適切な位置にセットすることが可能となった。また、外部から実装状態の観察ができるので、温度を過剰にかけることなく実装が可能となり、フラックスや半田飛沫の低減も可能となった。また、シートの厚みが0.3mmと薄く、素子と素子の狭いスペースに効率的に
図2の治具を設置することができた。
使用後は実施例1と同様に、IPA、アセトンなどで洗浄し繰り返し使用したが、寿命に問題はなかった。
【0080】
実施例3:
実施例1と同じシートを使用し、
図3に示す半田熱処理用治具を作製した。実装する素子を基板にセットし、素子が基板から位置ズレしないよう、スプリング5で押さえる構造とした。周囲を透明樹脂板で覆うことで、素子の押さえが確実になされていることが確認でき、半田の接合不良を大幅に抑えることができた。半田熱処理用治具を用いない場合に比べて約25%不良率を下げることができた。
使用後、実施例1と同様に、IPA、アセトンなどで洗浄し繰り返し使用したが、半田熱処理用治具に問題はなかった。