【実施例1】
【0021】
1.半導体単結晶
実施例に係る結晶CRを
図1に示す。
図1に示すように、結晶CRは、サファイア基板11と、バッファ層12と、GaN層13と、単結晶CR1と、を有している。単結晶CR1は、
GaN半導体から成る単結晶である。単結晶CR1は、結晶CRからサファイア基板11等を除去することにより得られる。
【0022】
2.結晶成長装置
実施例に係る結晶成長装置20を
図2に示す。結晶成長装置20は、フラックス法を用いてIII 族窒化物半導体の単結晶を成長基板上に成長させるためのものである。結晶成長装置20は、
図2に示すように、給気管21と、排気管22と、断熱材23と、反応室24と、圧力容器25と、ターンテーブル27と、回転軸28と、モーター31と、モーター制御部32と、ヒーターHと、を有している。
【0023】
結晶成長装置20は、
図2に示すように、ターンテーブル27の上に坩堝26をセットすることができるようになっている。坩堝26は、ターンテーブル27の回転とともに回転することができるようになっている。なお、この回転の中心は回転軸28である。坩堝26の回転速度については、モーター31の回転を制御することにより、制御することができるようになっている。本実施例では、この坩堝26の内径と、結晶成長時における坩堝26の回転速度との関連性に特徴点がある。その詳細については後述する。
【0024】
圧力容器25は、反応室24を収容するためのものである。圧力容器25の材質は、例えば、SUSである。もちろん、他の材質のものであってもよい。反応室24は、その内部に坩堝26を配置して、半導体単結晶を成長させるための環境条件を与えるためのものである。
【0025】
給気管21は、反応室24の内部に窒素ガス(N
2 )を供給するための管である。排気管22は、反応室24の内部から窒素ガス(N
2 )を排出するための管である。これらにより、反応室24の内圧を調整することができる。ヒーターHは、圧力容器25および反応室24の内部を加熱するためのものである。また、反応室24の内部の温度を調整することができるようになっている。断熱材23は、反応室24の内部の熱が外部に逃げないようにするための部材である。
【0026】
ターンテーブル27は、坩堝26を載置するための載置部である。そのため、ターンテーブル27は、反応室24の内部に配置されている。なお、坩堝26は、アルミナ製である。もちろん、その他の材質のものであってもよい。回転軸28は、ターンテーブル27を支持するとともに、モーター31からの動力をターンテーブル27に伝達するためのものである。また、回転軸28は、モーター31の駆動を受けて回転する回転の中心となるものである。
【0027】
モーター31は、回転軸28を回転させるための回転駆動部である。モーター制御部32は、モーター31の回転を制御するためのものである。モーター制御部32は、モーター31の回転方向を制御するとともに、モーター31の回転速度と、モーター31の回転速度の上昇および減少をも制御する。つまり、モーター制御部32は、後述する回転モードにしたがって坩堝26の回転を制御することとなるものである。
【0028】
3.
GaN半導体の単結晶の製造方法
3−1.種結晶基板作成工程
次に、半導体単結晶の製造方法について説明する。
図3に示すように、テンプレート10を作成するテンプレート作成工程について説明する。テンプレート10は、フラックス法により半導体の単結晶を成長させるために用いられる種結晶基板である。まず、サファイア基板11を用意する。そして、MOCVD法により、サファイア基板11のc面上に、バッファ層12を形成する。バッファ層12は、例えば、AlNである。また、TiNやGaNであってもよい。
【0029】
次に、バッファ層12の上に、GaN層13を作成する。これにより、テンプレート10が作成される。これらのバッファ層12およびGaN層13は、シード層である。ただし、GaN自立基板(ウエハ)を用いた場合には、バッファ層12を形成する必要は無い。なお、GaN層13は、もちろん、GaNから成る層であるが、AlGaNやInGaN、AlInGaNであってもよい。このGaN層13は、成長条件によっては、フラックス中でメルトバックを起こす層である。その場合には、GaN層13の一部はフラックス中に溶解する。
【0030】
3−2.半導体単結晶成長工程
次に、液相エピタキシー法の一種であるフラックス法を用いて、テンプレート10上に半導体単結晶の層を成長させる。ここで用いる原材料を表1に示す。ここで、Ga比は30%以下であるとよい。もちろん、30%より大きくても構わない。また、炭素比を、0mol%以上2.0mol%以下の範囲内で変えてもよい。つまり、フラックスは、炭素を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよいが、より望ましくは、0.01mol%以上2.0mol%以下の範囲内である。なお、表1の値は、あくまで例示であり、これ以外の値であってもよい。また、これ以外にドーピング元素を添加してもよい。
【0031】
ここで成長させる半導体単結晶は、もちろん
GaN半導体単結晶であ
る。まず、テンプレート10と、表1に示す原材料とを、露点および酸素濃度の管理されたグローブボックス内で計量する。なお、これらは例示であり、これとは異なる値を用いてもよい。次に、テンプレート10および原材料およびフラックスを、坩堝26の内部に入れる。そして、その坩堝26を反応室24のターンテーブル27上に置く。この後、圧力容器25を真空引きした後に昇圧および昇温する。そして、坩堝26を回転させつつ半導体単結晶を成長させる。
【0032】
[表1]
原材料 坩堝の内径 坩堝の内径
59mm 180mm
Ga 11g 103g
Na 17g 160g
C 0.1mol%〜2.0mol%(Naに対して)
【0033】
ここで、この半導体単結晶形成工程で用いた坩堝内の各種条件を表2に示す。温度は、870℃である。圧力は3MPaである。坩堝26の内径は、例えば、59mmである。この場合における坩堝26の回転速度は、54rpmである。本実施例では、後述するように、坩堝26を回転させる回転速度は、坩堝26の内径によって異なる値を設定する。育成時間はおよそ100時間である。
【0034】
[表2]
温度 850℃〜900℃
圧力 3MPa〜10MPa
攪拌速度 0rpm〜100rpm(坩堝の内径に依存する)
育成時間 20〜200時間
【0035】
4.坩堝の回転速度
4−1.坩堝の回転モード
前述したように、半導体単結晶成長工程では、坩堝26を回転しつつ、半導体単結晶を成長させる。本実施例は、坩堝26の一定速度回転期間における一定回転速度に特徴のあるものである。本実施例では、坩堝26を回転させる一定回転速度ω
C は、坩堝26の内径Rに応じて異なる値を設定することに特徴点を有する。
【0036】
本実施例における坩堝26の回転モードを、
図4に示す。
図4に示すように、坩堝26の回転モードは、正回転と負回転とを交互に繰り返すものである。ここで、正回転における坩堝26の回転速度をプラスとし、負回転における坩堝26の回転速度をマイナスとする。
【0037】
攪拌期間は、加速期間A1と、正回転での一定速度回転期間A2と、減速期間A3と、加速期間A4と、負回転での一定速度回転期間A5と、減速期間A6と、を有している。そして、これらのサイクルを半導体単結晶成長工程において継続して実行する。ここで、加速するとは、坩堝26の回転速度の絶対値を上昇させることをいう。減速するとは、坩堝26の回転速度の絶対値を減少させることをいう。
【0038】
加速期間A1は、坩堝26の回転速度ωを目標回転速度ω1まで加速する期間である。正回転での一定速度回転期間A2は、一定の目標回転速度ω1で坩堝26を回転させる期間である。減速期間A3は、坩堝26の回転速度ωを目標回転速度ω1から減速する期間である。加速期間A4は、坩堝26の回転速度ωを目標回転速度−ω1まで加速する期間である。負回転での一定速度回転期間A5は、一定の目標回転速度−ω1で坩堝26を回転させる期間である。減速期間A6は、坩堝26の回転速度ωを目標回転速度−ω1から減速する期間である。
【0039】
図4に示すように、正回転での一定速度回転期間A2における目標回転速度(ω1)の絶対値と、負回転での一定速度回転期間A5における目標回転速度(−ω1)の絶対値とは、等しい。正回転での一定速度回転期間A2における目標回転速度(ω1)の絶対値は、坩堝26の回転速度の最大値である。負回転での一定速度回転期間A5における目標回転速度(−ω1)の絶対値も、同様である。したがって、本実施例では、坩堝26の回転速度の絶対値の最大値は、正回転での一定速度回転期間A2における目標回転速度(ω1)の回転の場合と、負回転での一定速度回転期間A5における目標回転速度(−ω1)の回転の場合とである。
【0040】
なお、ここで、加速期間A1と、減速期間A3と、加速期間A4と、減速期間A6のそれぞれの長さは、等しい。また、正回転での一定速度回転期間A2の長さと、負回転での一定速度回転期間A5の長さとは等しい。そして、加速期間A1に対する正回転での一定速度回転期間A2の長さの比((A2の長さ)/(A1の長さ))は、0.5以上2.5以下の範囲内である。もちろん、上記は例示であり、これら以外の値を設定してもよい。
【0041】
4−2.坩堝の回転速度
ここで、坩堝26内の融液における微小体積ΔVにかかる遠心力を、次のように見積もることができる。
(1/2)×ρ×ΔV×r×ω
2
ρ: 融液の密度
ΔV: 融液の微小体積
r: 坩堝の回転中心から微小体積の重心までの距離
ω: 坩堝の回転速度
このように、坩堝26の回転中心からの距離rが大きいほど、坩堝26内の融液における微小体積ΔVにかかる遠心力は大きい。ここでは、融液の密度ρは、均一であるとした。
【0042】
その結果、融液の液面は、ほぼ回転放物面になる。つまり、坩堝26の内径Rが大きいほど、坩堝26の内壁付近の融液が盛り上がる。坩堝26の内壁付近の融液が大きく盛り上がった状態で半導体単結晶を成長させると、基板の中央付近で厚みの薄く、基板の外周部付近で厚みの厚い半導体単結晶ができてしまう。そのため、本実施例では、内径Rの大きい坩堝26を用いる場合に、坩堝26の一定回転速度ω
c として小さい値を設定する。
【0043】
本実施例では、坩堝26の時間的に変化する回転速度ωを次式(1)の範囲とする。つまり、坩堝26の回転速度ωを坩堝26の内径に応じて変える。
−ω1−4 ≦ ω ≦ ω1+4 ………(1)
ω1 = 10
z
z = −0.78×log
10(R)+3.1
ω: 坩堝の回転速度(rpm)
R: 坩堝の内径(mm)
ここで、式(1)における目標回転速度ω1は、後述する実験結果の数値を近似することにより求めた曲線である。目標回転速度ω1は、坩堝26の内径にのみ依存する。
【0044】
式(1)の範囲を
図4の矢印D1で示す。このように本実施例では、坩堝26の回転速度ωの範囲を式(1)の範囲内とする。これにより、坩堝26の内壁付近で融液の波面が高くなりすぎるおそれがない。
【0045】
そして、坩堝26の時間的に変化する回転速度ωの最大値であって一定速度回転期間における一定回転速度ω
c (以下、単に、「一定回転速度ω
c 」と記す。)を次式(2)に示す。
ω1−4 ≦ ω
c ≦ ω1+4 ………(2)
ω1 = 10
z
z = −0.78×log
10(R)+3.1
ω
c : 坩堝の一定回転速度(rpm)
R: 坩堝の内径(mm)
【0046】
式(2)の範囲を
図4の矢印D2で示す。坩堝26の回転速度ωの最大値である一定回転速度ω
c の範囲が、式(2)の範囲であるため、坩堝26の内壁付近の融液が盛り上がるおそれはほとんどない。
【0047】
5.実験
5−1.実験方法
内径Rの異なる3種類の坩堝26を用意した。表3に示すように、これらの内径Rはそれぞれ、59mm、115mm、180mmである。そして、これら3種類の坩堝を、一定回転速度ω
c を変えて
GaN半導体の単結晶を製造
する。そして、製造した単結晶の形状を観察する。坩堝26の一定回転速度ω
c の違いにより、中央部で膜厚が厚い単結晶と、外周部で膜厚が厚い単結晶とが製造されることとなる。
【0048】
坩堝26の内径Rを59mmとしたときには、坩堝26を20rpm、50rpm、100rpmの3種類の一定回転速度ω
c で回転させた。坩堝26の内径Rを115mmとしたときには、坩堝26を25rpm、50rpmの2種類の一定回転速度ω
c で回転させた。坩堝26の内径Rを180mmとしたときにも、坩堝26を25rpm、50rpmの2種類の一定回転速度ω
c で回転させた。
【0049】
5−2.実験結果
表3に、実験結果を示す。中央膜厚T1とは、
GaN半導体の単結晶における中央部の膜厚のことをいう。外周膜厚T2とは、
GaN半導体の単結晶における外周部、すなわち、外周付近の膜厚のことをいう。これらの差(T1−T2)がゼロに近ければ、
GaN半導体の単結晶の表面は平坦である。実際には、成長条件のばらつきによって、平均膜厚は、ロット毎に異なる。そのため、(T1−T2)/T1で評価している。なお、(T1−T2)/T1の値がプラスのときには、中央付近の膜厚のほうが厚い。一方、(T1−T2)/T1の値がマイナスのときには、外周付近の膜厚のほうが厚い。
【0050】
そして、内径Rの坩堝26を用いて次に示す直径の単結晶CR1を成長させた。
坩堝26の内径R 単結晶CR1の直径
59mm 50mm
115mm 100mm
180mm 152.4mm
もちろん、上記以外の直径の単結晶CR1を成長させることは可能である。ただし、坩堝26の内径Rよりもある程度小さい直径である必要がある。このように、式(1)および式(2)を満たす回転速度で坩堝26を回転させることにより、単結晶の直径が130mm以上170mm以下の範囲内では、表面の平坦な単結晶CR1が得られた。表3に示すように、ほぼ0.5mm程度以上の厚みの単結晶CR1を成長させることができた。
【0051】
表3の最右欄の回転速度(T1=T2)は、中央膜厚T1と外周膜厚T2とが等しくなる一定回転速度ω
c を算出した値である。坩堝26の内径Rが59mmのときの一定回転速度ω
c (T1=T2)を、50rpmの(T1−T2)/T1と、100rpmの(T1−T2)/T1の2点から、線形近似により算出した。なお、50rpmの(T1−T2)/T1として、実験b〜fまでの平均値をとった。坩堝26の内径Rが59mmのときに中央膜厚T1と外周膜厚T2とが等しくなる一定回転速度ω
c は、54rpmである。
【0052】
同様に、坩堝26の内径Rが115mmのときに中央膜厚T1と外周膜厚T2とが等しくなる一定回転速度ω
c は、30rpmである。坩堝26の内径Rが180mmのときに中央膜厚T1と外周膜厚T2とが等しくなる一定回転速度ω
c は、23rpmである。
【0053】
【表3】
【0054】
図5に実験結果を示す。
図5の横軸は、坩堝の内径R(mm)である。
図5の縦軸は、坩堝の一定回転速度ω
C (rpm)である。
図5に、上記の3点を「□」印で示す。つまり、坩堝26の内径Rが59mmのときの一定回転速度54rpmと、坩堝26の内径Rが115mmのときの一定回転速度30rpmと、坩堝26の内径Rが180mmのときの一定回転速度23rpmとを示す。そして、これらの3点を近似したものが、式(1)の目標回転速度ω1である。式(1)の目標回転速度ω1を
図5に示す太い実線として示す。この近似を行うにあたって、上記の3点から最小自乗近似法により、式(1)の目標回転速度ω1と坩堝の内径Rとの関係式を求めた。その際に、縦軸および横軸を対数としたグラフに各点をプロットし、直線近似を行った。
【0055】
そして、ω1+4を
図5の破線で示す。ω1−4を
図5の二点鎖線で示す。したがって、式(2)に示す一定回転速度ω
c の範囲は、
図5の二点鎖線と破線との間の範囲である。よって、坩堝26の一定回転速度ω
c を、ω1−4(
図5に二点鎖線)からω1+4(
図5の破線)までの範囲内で設定して回転させつつ半導体の単結晶を成長させればよい。
【0056】
図6に実験結果を別の形式で示す。
図6中の「凹」印は、基板の中心部分で半導体単結晶が凹んでいたことを示している。
図6中の「凸」印は、基板の中心部分で半導体単結晶が膨らんでいたことを示している。
【0057】
図6に示すように、坩堝26の一定回転速度ω
c (rpm)をあげるほど、半導体単結晶における膜厚の中央部分が凹む傾向にある。これは、半導体単結晶の育成時に、融液の波面が、坩堝26の外側領域で高く、坩堝26の中央付近で低いためである。一方、坩堝26の一定回転速度ω
c (rpm)を小さくするほど、半導体単結晶における膜厚の中央部分が出っ張る傾向にある。これは、融液の波面が水平に近い状態であると、半導体単結晶における膜厚の中央部分が成長しやすいためである。
【0058】
このように、一定回転速度ω
c が速すぎると、単結晶CR1は凹形状となる。逆に、一定回転速度ω
c が遅すぎると、単結晶CR1は凸形状となる。本実施例では、坩堝26の内壁周辺における融液の波面を、それほど高くないようにすることにより、表面の平坦な単結晶CR1を成長させる。なお、一定回転速度ω
c が遅いと、単結晶CR1の上に雑晶が生じることがある。
【0059】
6.変形例
6−1.回転速度ωの範囲
本実施例では、時間関数の回転速度ω(rpm)の最大値である一定回転速度ω
c を式(2)の範囲内とすることとした。しかし、一定回転速度ω
c (rpm)を次の式(3)の範囲内とするとなおよい。つまり、一定回転速度ω
c (rpm)をより目標回転速度ω1に近い値とするのである。
ω1−2 ≦ ω
c ≦ ω1+2 ………(3)
ω1 = 10
z
z = −0.78×log
10(R)+3.1
ω
c : 坩堝の一定回転速度(rpm)
R: 坩堝の内径(mm)
【0060】
6−2.回転停止期間
本実施例では、回転モードを
図4に示すような正回転と負回転とを交互に繰り返すモードとした。しかし、回転を停止する回転停止期間があってもよい。その場合であっても、種結晶表面における融液の流線分布を時間的に変化させることができるからである。この場合、例えば、減速期間A3と、加速期間A4との間に、回転停止期間を設定することができる。
【0061】
また、正回転のみであってもよい。つまり、正回転の一定速度回転期間と、加速期間と、減速期間とを有することとするのである。その場合であっても、種結晶表面における融液の流線分布を時間的に十分に変化させるために、回転を停止させる回転停止期間を設けるとよい。
【0062】
6−3.
GaN半導体単結晶
本実施例では、GaNから成る半導体単結晶を形成することと
した。
【0063】
6−4.複数個の半導体単結晶の成長
本実施例では、坩堝1個に対して1個の半導体単結晶を成長させることとした。しかし、大口径の坩堝1個に対して複数個の半導体単結晶を成長させることもできる。これにより、生産性は向上する。
【0064】
7.まとめ
以上詳細に説明したように、本実施例の
GaN半導体単結晶の製造方法では、フラックス法により単結晶を成長させた。そして、単結晶を成長させるテンプレート10を収容した坩堝26の回転速度ωを、その坩堝26の内径Rから定めることとした。したがって、坩堝26を変える度に、あらためて坩堝26の回転速度を設定しなおす必要は無い。これにより、単結晶を成長させるテンプレート10の基板の径によらず、好適な半導体単結晶を成長させることができる。
【0065】
なお、本実施例は単なる例示にすぎない。したがって当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、本実施例では、テンプレート10におけるバッファ層12およびGaN層13を形成するにあたって、有機金属気相成長法(MOCVD)を用いた。しかし、ハイドライド気相エピタキシー法(HVPE)などの気相成長法や、分子線エピタキシー法(MBE)等、その他の方法を用いてもよい。