(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アンチモン電極が、金属アンチモン棒体からなり、被測定体との接触部が尖頭状に加工されて金属アンチモンが露出してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のpH測定電極。
絶縁体が、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載のpH測定電極。
【背景技術】
【0002】
従来から、pH測定方法として、水素電極法、キンヒドロン電極法、アンチモン電極法など金属電極法、ガラス電極法などが知られている。このうち、ガラス電極法が、電位の平衡時間が早く、再現性がよいこと、また、酸化剤や還元性の影響を受けることが少なく、pH測定ではあらゆる分野で最も広く用いられている。また、JISでも、“pHの一般的測定方法”の項で、「pHの工業的測定に対しては、定義に記載されたような水素電極による測定方法が必ずしも適当ではないので、ガラス電極による測定方法が推奨される。」としている。
【0003】
このガラス電極法とは、ガラス電極と比較電極の2本の電極を用い、この2つの電極の間に生じた電圧(電位差)を評価することで、pHを測定する方法である。
ガラス電極は、表面がガラス薄膜で覆われ、その内部に塩化カリウム-塩酸溶液中に浸漬した構造であり、塩化カリウム水溶液中に銀/塩化銀電極を封入した構造を採る。この塩化カリウム水溶液と測定液とが混合するのを防ぐために、ガラスフィルター等の多孔質隔壁を介して接するような構成となっている。
【0004】
しかしながら、従来より提案されていたガラス電極は、ガラスや、塩化カリウム溶液を使用するために、センサ部は小さい物でも大きさは約1 mm以上であるため、細胞等の微小物のpH測定は困難であり、昨今、使用者のニーズとしてはミクロ部位のpH測定技術が求められていた。
【0005】
そこで、ガラス電極法に代わる新たな小型pHセンサの開発が望まれている。
本発明者らは、従来より知られていたpH測定法の中で比較的構造が簡易であり、将来的に小型化が可能であると考えられるアンチモン電極法に着目した。
【0006】
このようなアンチモン電極法を使用したpH測定電極としては、非特許文献1(吉村寿人著、PHの理論と測定法、丸善株式会社(1957年発行)、735頁〜747頁)、非特許文献2(古賀正三著、PH概説共立出版株式会社(1973年発行) 、123頁〜127頁)などが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のアンチモン電極法を用いたpH測定電極では、
図4に示されるように、比較電極として、Ag/AgCl電極が使用されている。比較電極は、溶液中の水素イオンの濃度に影響されず一定の電位を示す必要がある為、一般的には電位が安定しており、比較的取り扱いが容易なAg/AgCl電極を飽和KClで満たし、液絡部のあるガラス管内に入れたものが比較電極として使用されている。
【0009】
アンチモン電極法では、pH測定の際にはアンチモンの棒の先端を研磨し、比較電極とともに被検液に浸す.これらは酸化還元反応により、電極間に電位差が生じ、pHを測定することが可能となる.アンチモン電極では下記式(1)のような反応を示す。
【0010】
【化1】
比較電極では下記式(2)および(3)の反応を示す。
【0011】
【化2】
式(1)の反応が起こるとき、電子の授受が必要となる。この時、比較電極側ではAg電極とKClのCl
-が反応し、式(2)により、e
-が生じる。このe
-がアンチモン電極側へ移ることで電子の流れが生じる。これは双方向の反応である為、酸性、塩基性、どちらにも対応が可能である。そして内部液のKClと反応して、下記式(3)が生じている。
【0012】
【化3】
比較電極においてCl
-がAgと反応することで、電子の授受が行われ、電位が発生することから、pH測定に関してCl
-が重要な因子となることが示唆される。
【0013】
しかしながら、比較電極が、内部液にKCl溶液が充填されており、かつ内部液と電極を含むガラス管を用いるため、取り扱いや管理が煩雑であり、かつ複雑な構造を有しているため、ミクロンオーダーでの小型化は困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような状況のもと、本発明者らは、pHセンサの小型化には、アンチモン電極法を用いるだけではなく、比較電極の簡略化が必要であると考えた。そして、内部液およびそれに付随したガラス管構造を必要としない比較電極について、鋭意検討した結果、Ag/AgIO
3電極を用いることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明に係るpH測定電極は、作用電極としてのアンチモン電極と、比較電極としてAg/AgIO
3混在電極とから構成される。
また、本発明にpH測定電極の一態様では、作用電極と比較電極が一体化(一本化ともいう)されたものであり、表面が三酸化アンチモンで被覆された金属アンチモンからなる作用電極と、該作用電極表面に絶縁体を介して形成されたAgとAgIO
3との混在層(Ag/AgIO
3混在層)からなる比較電極とからなる。
【0016】
かかるpH測定電極では、 前記Ag/AgIO
3混在層が、金属アンチモンコア材表面に、絶縁体を介してスッパタリング堆積法によって、堆積されたものであるものも一つの態様である。このようなpH測定電極には、該電極の外径が、1〜100μmの範囲にあることを一つの態様として含む。
【0017】
なお、ガラス電極の場合に、特開平6-242056号公報、特開2005-172736号公報などに小型化、一体化させる技術が提案されているものの、いずれも、塩化カリウム溶液を使用した上に、ガラス内に封入させた構造で、しかも隔壁を設けたりするなど、構造が複雑であり、本発明の技術的思想とは全く異なる。さらに、小型化や簡略化は著しく困難である。
【発明の効果】
【0018】
Ag/AgIO
3混在電極は、内部液を必要とすることなく比較電極として使用できる。このため、ガラス管に封入する必要もないため、小型化可能である。さらに、アンチモン電極と組み合わせると、構造が簡易であり、微小化も可能となり、アンチモン電極とAg/AgIO
3混在電極との一体化も可能であるため、細胞内などミクロンオーダーの微細局所のpH測定に適用できる。
【0019】
また、アンチモン電極と、Ag/AgIO
3混在電極とを組み合わせたものは、ガラス電極での測定数値に近いデータが得られる上、数値の再現性も高い。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るpH測定電極について説明する。
本発明に係るpH測定電極は、作用電極としてのアンチモン電極と、比較電極としてAg/AgIO
3混在電極とから構成される。かかる本発明のpH測定電極の概略図を
図1(a)に示す。
【0022】
作用電極
アンチモン電極は、金属アンチモンからなる。金属アンチモンの表面は三酸化アンチモン(Sb
2O
3)で覆われている。なお、金属アンチモンは、表面が酸化されて三酸化アンチモン(Sb
2O
3)となるので、三酸化アンチモン(Sb
2O
3)を形成する処理は特段必要とされないが、通常、熱処理によって、制御される。また、三酸化アンチモンの被覆量は、金属アンチモンが表面露出できないレベルでなければ特に制限されない。
【0023】
アンチモン電極は市販されたものを特に制限なく使用できる。たとえば、ケミカル機器株式会社のCMCシリーズや、MAシリーズなどの市販のものを使用できる。
アンチモン電極には、通常棒状の金属アンチモンが使用されるが、その断面形状は特に制限されず、円状、瓢状、四方形、五角形など特に制限されない。
【0024】
また、セラミックス、ガラス、プラスチック、紙、生分解性材料(例えば、微生物生産ポリエステル等)など基材表面にアンチモン電極を形成してもよく、まずスクリーン印刷法、蒸着法、スパッタリング法などによって白金、金、カーボン等からなる作用極リードを形成させた後、そのリード上にスクリーン印刷法、蒸着法、融着法、スパッタリング法などによってアンチモン薄膜を積層させることによって行ってもよく、その表面部分を除く積層側面部分などはエポキシ樹脂等の絶縁材で絶縁されてもよい。
【0025】
pH測定の際にはアンチモン電極の金属アンチモンが露出して使用される。棒状のアンチモン電極の場合、先端を研磨し、被測定体との接触部が尖頭状に加工されて金属アンチモンが露出され、比較電極とともに被検液に浸される。
【0026】
アンチモン電極の大きさは特に制限されないが、小型化したpH測定電極を構成する場合、アンチモン電極も小型化したものや、より細いもの、先の尖ったものを使用すればいい。
【0027】
比較電極
本発明では、比較電極として、Ag/AgIO
3混在電極を使用する。
IはClと同じハロゲン元素であり、価電子数が同じである為、電子の動きは同様であり、pH測定において既存の比較電極と同様な働きをする。またIは常温で固体である為、AgとIO
3-を接触させた電極は、内部液を使用せず電子を得ることが可能である。
AgとAgIO
3は式(4)(5)に示す反応が生じる。
【0028】
【化4】
Ag/AgIO
3混在電極を使用すれば、内部液の不要な電極のみの比較電極を形成することが可能となる。
【0029】
Ag/AgIO
3混在電極は、Ag微粒子およびAgIO
3微粒子から構成される。Ag/AgIO
3混在電極においてはAgがリッチであることが望ましい。これは、例えば、AgとAgIO
3の重量比を略1:1にすることによって得られる。Agがリッチであると、上記式(5)の平衡状態から右側への反応が促されることから、AgIO
3の濃度が上昇し、その結果、上記式(4)のIO
3-が濃度が上昇し、結果的に電子が増えることから安定して電極として使用できる。
【0030】
Ag微粒子およびAgIO
3微粒子の平均粒子径は特に制限されない。
Ag微粒子は、市販のものを特に制限無く使用することができる。
また、AgIO
3微粒子はたとえば、以下の方法で得ることができる。
【0031】
AgNO
3水溶液にNaIO
3水溶液を徐々に加え、結晶を析出させて濾過し、純水にて洗浄を行い、乾燥させる。AgIO
3が析出する反応式は下記式(6)に示される。
AgNO
3 + NaIO
3 → NaNO
3 + AgIO
3 …… (6)
以下、電極の形成方法の一態様を示す。
【0032】
あらかじめ、銀ペーストを塗布した銅などの導電性基板上に、Ag微粒子、AgIO
3微粒子を含む分散液を塗布したり、あるいは銀ペーストにAg微粒子、AgIO
3微粒子を混合したものを塗布する。
【0033】
形成された電極は所望の大きさに切って使用される。また導電性基材の裏に導線リードをはんだ付けし、また、測定対象の液体に接触しないようにシリコーンポリマーやエポキシ樹脂で絶縁して使用することも可能である。
【0034】
図1(b)には、このような製造方法で得られたAg/AgIO
3混在電極の概略図を示す。
図1(b)では、導電性基材としては、銅板を使用しているが、導電性を有するものであれば公知のものを使用でき、たとえば、ステンレスなども使用可能である。
【0035】
Ag/AgIO
3混在電極は、アンチモン電極と一体化してもよい。このようなpH測定電極は、
図2および3に示される。
図2は、アンチモン電極表面に銀微粒子、AgIO
3微粒子を含む分散液やペーストを塗布することによって、Ag/AgIO
3混在層を形成したpH測定電極の写真であり、
図3は、Ag/AgIO
3混在層をスパッタリング堆積法によって形成し、アンチモン電極と一体化したpH測定電極の模式図を示す。このように一体化したpH測定電極では、銅などの導電性基材は使用しない。
【0036】
図2および3に示されるpH測定電極では、表面が三酸化アンチモンで被覆された金属アンチモンからなる作用電極がコア材となり、該作用電極表面に絶縁体を介して形成されたAgとAgIO
3との混在層(Ag/AgIO
3混在層)からなる比較電極とからなる。
【0037】
絶縁体としては、特に制限されるものではないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などのほかに、ガラスや、シリカ、マグネシア、アルミナ、チタン酸バリウムなどのセラミックを使用することが可能である。さらに、有機ケイ素化合物や有機チタン化合物であってもよい。さらに、このような絶縁体としては、たとえば、シリカを蒸着したり、テトラエトキシシランなどのシランカップリング剤をコーティングしたものであってもよい。
【0038】
絶縁体の厚さは、絶縁機能を保持できる限り、特に制限されるものではない。なお、小型化を鑑みれば、絶縁体の厚さは薄い方が望ましく、たとえば有機ケイ素化合物コーティングやシリカ蒸着であれば、厚さを薄くできる。
【0039】
図2におけるAg/AgIO
3混在層は、銀微粒子、AgIO
3微粒子を含む分散液やペーストを塗布したのち、溶媒を蒸散させれば形成できる。分散液用の溶媒としては揮発性のものであれば特に制限されないが、アルコール類、アセトン類、芳香族炭化水素、水などの公知の溶媒が使用される。また、ペーストは、例えば、藤倉化成株式会社製の銀ペースト(商品名:ドータイト)が使われる。
【0040】
塗布方法しては、刷毛塗り、スプレー法や、浸漬法など公知の手段を採用できる。
形成されるAg/AgIO
3混在層の厚さは特に制限されないが、通常数十nm〜数十μm程度の厚さであると、比較電極としての機能を十分に発揮できる。
【0041】
図3におけるAg/AgIO
3混在層は、スパッタリング堆積法によって形成される。
形成されるAg/AgIO
3混在層の厚さは特に制限されないが、通常数十nm〜数十μm程度の厚さであると、比較電極としての機能を十分に発揮できる。
【0042】
本発明によれば1〜100μmというミクロンオーダーのpH測定電極を形成することができる。この場合、アンチモン電極として、直径1〜10μmのアンチモン棒を使用し、絶縁層を形成したのち、数十nm〜数十nmの範囲のAg/AgIO
3混在層を形成する。なお、スパッタリング堆積法は、特開2004-232077号公報に開示された方法を採用できる。
【0043】
スパッタリング堆積法は、真空中に導入されたアルゴン等の希ガスがイオン化され、イオン化された粒子がターゲットに衝突し、ターゲットよりはじき飛ばされた粒子が基板(コア材)に到達して成膜される方法である。スパッタリング堆積法を用いる場合、コア材にアンチモン電極を用い、絶縁層も含めてスパッタリング堆積法により形成することも可能であるが、あらかじめ絶縁層を形成したアンチモン電極をコア材として用いることも可能である。コア材をDCモータコントロールによって制御されたモータにより 1〜5rpmで回転させ、ターゲット材料(Ag、AgIO
3)を成膜する。
【0044】
pH測定
本発明のpH測定電極は、それぞれ電極を導線につないで、pHメーターに接続して使用される。pH測定の際には、被測定液にpH浸漬し、作用電極(アンチモン電極)と、比較電極(Ag/AgIO
3混在電極)との間の電位差を測定することで、pHを求める。
【0045】
また温度検出装置を同時に挿入したり、温度検出電極を一体化させて、被測定液の温度補正を行うことも可能である。
pHメーターは、所定の複数の標準液のpH−温度特性テーブルをメモリに記憶させておき、前記pH測定電極及び比較電極からの電圧信号によって両電極間の電位差を検出し、該電位差に対応するpH値を指示手段に指示させると共に、温度を検知する温度検知手段で検知された液温に応じて、対応するpH値を取り出し信号処理させる。
【0046】
このようなpH測定では、あらかじめ、ガラス電極を用いて測定した測定したpHと、アンチモン電極でpHとの差から、本発明のpH測定電極で測定したpH値をガラス電極で評価した結果に合わせるように校正処理されていてもよい。
【0047】
以上のような、本発明にかかるpH測定電極は、KCl溶液を使用しないために、簡素でしかも小型化が可能であり、局所や被測定液が少ない環境であっても使用できる。たとえば、細胞内などの微細局所に採用できるほか、特開2011-110414号公報にあるように、胃瘻カテーテルなどにも適用することも可能である。
【実施例】
【0048】
以下、本発明を実施例により、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
AgIO3微粒子の調製
0.1mol/lのAgNO
3水溶液50ml、0.1mol/lのNaIO
3水溶液50mlを徐々に加え、結晶を析出させて。得られた析出物(AgIO
3微粒子)を濾過したのち、純水にて洗浄を行い、乾燥させる。
【0049】
Ag/AgIO3電極の形成
5mm×5mm×0.05mm厚の銅板を用意した。銅板上に、銀ペースト(銀微粒子とトルエン、商品名:ドータイト、藤倉化成株式会社製)を、銅板表面を全て覆うように塗布したのち、乾燥させて、溶媒を除去した。
【0050】
前記AgIO
3微粒子1.1gと、Ag微粒子(フルウチ化学株式会社製)1.1gをすり鉢にて混ぜ合わせ銀ペースト塗布面に塗布して乾燥させ銀ペーストの溶媒を除去した。
銅板に導線をはんだ付けしたのち、Ag/AgIO
3電極非形成面は 測定対象の液体に触れないように絶縁物(シリコーン樹脂、セメダイン株式会社製)でコーティングした。
得られたAg/AgIO
3電極は、
図1(b)に示される。
【0051】
アンチモン電極
アンチモン電極として、 ケミカル機器株式会社製(型番:CMS-161)を使用した。
【0052】
pH測定
測定は、塩基性であるpH10.3の石鹸水と酸性であるpH2.7の酢酸を用いた。なお、このpHはガラス電極を用いて決定される。
【0053】
上記アンチモン電極およびAg/AgIO
3電極を、ケミカル機器株式会社製pHメーター(型番:CL-9D02)に接続して、前記測定物のpHを評価した(測定温度は25℃)。
pH測定は、各測定液について6回測定し、標準偏差と変動係数を評価した。
【0054】
[比較例1]
実施例1において、Ag/AgIO
3電極の代わりに、Ag/AgCl電極を用いて、実施例1と同様に、pHを評価した。なお、Ag/AgCl電極は、(ケミカル機器株式会社製)を使用した。
【0055】
[比較例2]
ガラス電極法によって測定を行なった。その結果を、実施例1の結果および比較例1の結果とあわせて表1および表2に示す。ガラス電極法による測定には、市販のpHメーター(株式会社堀場製作所製、型番:B-212)を使用した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
本発明のpH測定電極における、pH測定評価は、既存の測定法の値に近いものとなった。標準偏差や変動係数も小さいため、アンチモン電極の比較電極としてAg/AgIO
3電極は有効に使用できることが明らかになった。また、適切な校正処理を行うことによって、ガラス電極で使用した場合と、同レベルのpHの評価を行うことが可能であると考えられる。
【0059】
[実施例2]
銀ペースト(実施例1で使用したものと同一)にAg微粒子(同)およびAgIO
3微粒子(同)を混合して、混錬したものを、アンチモン電極(同)の絶縁外皮の上に塗布した。形成されたpH測定電極は、アンチモン電極とAg/AgIO
3電極が一本化した構造であり、pH測定電極は、アンチモン電極とAg/AgIO
3電極が一本化した構造であり、
図2に示される。この電極を用いて実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例1と同レベルの評価結果が得られた。
【0060】
[実施例3]
特開2004-232077号公報に記載のスパッタリング装置を用いて、直径25μmの針状アンチモンをコア材に使用し、DCモータコントロールによって制御されたモータにより 1〜5rpmで回転させ、Ag/AgIO
3をターゲットにして、100W、3×10
-3Paのアルゴンを用い、1時間の条件で成膜して、5μmの膜厚を得た。
【0061】
なお、あらかじめ、アンチモンコアには絶縁材として、シリカでコートされている。
得られた、pH測定電極は直径が30μmであった。
かかるpH電極も実施例1および2と同様にpH測定に使用できるものと思料される。