特許第6208445号(P6208445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6208445熱成形シート積層用ポリプロピレン系延伸フィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208445
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】熱成形シート積層用ポリプロピレン系延伸フィルム
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/18 20060101AFI20170925BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   C08J5/18CES
   B32B27/32 Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-61976(P2013-61976)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-185266(P2014-185266A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】313016820
【氏名又は名称】興人フィルム&ケミカルズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594146180
【氏名又は名称】中本パックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷岡 直美
(72)【発明者】
【氏名】大山 敏勝
(72)【発明者】
【氏名】浜田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】河田 淳
【審査官】 久保田 葵
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0212183(US,A1)
【文献】 特開2003−236833(JP,A)
【文献】 特開平10−007816(JP,A)
【文献】 特開平08−291236(JP,A)
【文献】 特開2007−160700(JP,A)
【文献】 特開2007−023091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/00−5/02、5/12−5/22
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
80〜60%のプロピレン単独重合体と20〜40%の、エチレン含有量2.6〜4重量%のエチレン−プロピレン共重合体とからなるプロピレン系樹脂と造核剤からなり、半結晶化時間が0秒未満である混合物を、縦横とも延伸倍率3〜8倍にチューブラー同時2軸延伸することによって、得られる熱成形シート積層用フィルム。
【請求項2】
少なくとも3層以上の多層フィルムであり、表層にアンチブロッキング剤を500〜2000ppm添加した、又は全層にスリップ剤を500〜2000ppm添加した請求項1に記載の熱成形シート積層用フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱成形シート積層用ポリプロピレン系フィルムに関すものである。詳しくは、平面性、光沢性に優れ、ポリスチレン系シートやポリプロピレン系シート等の熱成形用シートに積層して熱成形する際の成形精度、成形サイクル、成形品の剛性に優れた熱成形シート積層用ポリプロピレン系フィルムである。
特に平面性が著しく向上したために、印刷適性に優れた熱成形シート積層用ポリプロピレン系フィルムである。
【背景技術】
【0002】
弁当容器、トレー、丼容器等の食品包装容器、及び一般包装容器には、ポリオレフィンシート、特に、電子レンジの普及から耐熱性の高いポリプロピレン系シート、ポリプロピレンシートや発泡ポリプロピレンシートが用いられている。これらの熱成形シートは単独で用いられることは少なく、ポリスチレン系シートの場合には、ポリスチレンが油に弱く、油分を含む食品に用いると電子レンジで加熱した時に容器に穴が開く等の問題があるため、未延伸のポリプロピレンフイルムを積層している。また、このような熱成形シートのほとんどが意匠性の向上、高級感を与える目的で、容器に光沢を付与したり、積層する未延伸のポリプロピレンフイルムに予め印刷を施している。
【0003】
未延伸のポリプロピレンフイルムが積層された熱成形シートは、成形時の加熱によってシートの中央部が垂れ下がる、いわゆるドローダウンが大きく、成形サイクルが長いという問題を有していた。そこで、上記問題を解決するために、未延伸のポリプロピレンフイルムにかえて、二軸延伸ポリプロピレンフイルム積層することが提案されている(特許文献1参照)。二軸延伸ポリプロピレンフイルムフィルムを積層することでドローダウンを改善し、表面光沢を付与することもできる。特に、2軸延伸フィルムの中でも特にチューブラー同時二軸延伸にて作製されたフィルムは、縦と横の引張伸度や収縮性がバランス化しており、優れた成形性を有している(特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、熱成形シート積層用2軸延伸ポリプロピレンフイルムは高結晶のポリプロピレンを原料として用いることが多く、チューブラー同時二軸延伸では、延伸倍率を大きくしても不均一延伸が発生しやすく厚薄精度が劣り、得られたフィルムにタルミが見られことが多いという問題を有している。そのため、印刷を施す場合に、タルミによるシワやインキ抜け、原反フィルムの蛇行によるピッチズレなどの問題が生じ、印刷適性においては十分満足できるものではなかった。
【0005】
ところで、造核剤を添加することで、ポリプレピレンシート、発砲ポリプレピレンシートに光沢を付与したり、または、未延伸ポリプロピレンフィルムに透明性付与したりといった方法が広く知られているが、何れも厚薄精度を上げる目的で使用していない(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−41017号公報
【特許文献2】特開2007−160700号公報
【特許文献3】特開2008-62524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、延伸安定性、平面性に優れ、印刷適性、成形性を両立し、厚薄ムラの少ないポリプロプレン系熱成形シート積層用フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記課題解決のためにポリプロピレン系樹脂に造核剤を添加したフィルムを延伸することで、他物性に支障をきたさず成形性を低下させることなく、優れた平面性を付与することを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、
(1)プロピレン系樹脂と造核剤からなり、半結晶化時間が60秒未満である混合物を、縦横とも延伸倍率3〜7倍に2軸延伸をすることによって、得られる熱成形シート積層用フィルム。
(2)プロピレン系樹脂が、プロピレン単独重合体とエチレン含有量2.6重量%以上のエチレン−プロピレン共重合体の2種以上の混合物で、前記(1)記載の系熱成形シート積層用フィルム
(3)2軸延伸法がチューブラー同時2軸延伸法であることを特徴とする、前記(1)、(2)記載の系熱成形シート積層用フィルム
(4)少なくとも3以上の多層フィルムであり、表層にアンチブロッキング剤が500〜2000ppm添加または、全層にスリップ剤500〜2000ppm添加にされた前記(1)、(2)、(3)記載の熱成形シート積層用フィルム
【発明の効果】
【0010】
本発明の熱成形シート積層用延伸フィルムは、造核剤を添加することで結晶化度が増加しても、結晶が微細化し、高結晶性のポリプロピレンをチューブラー2軸延伸しても厚薄ムラの精度を上げることができ、平面性、印刷適性、光沢性、成形性に優れるという特性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を以下説明する。
【0012】
本発明の特徴である、良好な平面性付与する目的で用いる造核剤は、特に限定されるものではなく、無機系、高分子系、など好適に用いられる。造核剤の添加量は、全層に対して半結晶化時間が60秒未満、好ましくは30秒以下、さらに好ましくは20秒以下になるように添加する。60秒以上の場合は、結晶サイズが大きくなるために厚薄精度が著しく低下する。例えば、造核効果を有する樹脂であるポリプロピレン系結晶化促進剤の場合は、全層0.05〜0.15重量%になるように添加することが好ましい。
【0013】
本発明でいうところの半結晶化時間とは、等温結晶化過程(115℃)でのDSC熱量曲線とベースラインとの間の面積を全熱量とした場合、50%熱量に到達した時間と定義する。
【0014】
上記フィルムに用いるポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単重合体とエチレン−プロピレン共重合体の少なくとも2種以上の混合物である。
なお、エチレン−プロピレン共重合体のエチレン含有量は2.6重量%以上が好ましく、3重量%以上がさらに好ましい。
エチレン含有量が2.6重量%を下回ると、バブルの安定性に欠け、不均一延伸を発生しやすく、厚薄精度が低下しやすい。
【0015】
尚、上記のプロピレン−エチレンの共重合体のエチレン含量は、後記の核磁気共鳴装置を用いて測定することができる。
【0016】
プロピレン単重合体とエチレン−プロピレン共重合体を混合したときの融点は電子レンジ加熱の際の耐熱性を維持するために、145℃〜170℃になることが好ましい。
【0017】
この混合物については、エチレン−プロピレン共重合体は20〜50%の範囲で混合することが好ましい。混合率が20%を下回るとネッキングが顕著になり厚薄精度が著しく低下する。50%を越えると、フィルムの熱収縮が大きくなりやすく、熱ラミでの幅収縮や印刷の図柄変形する可能性が出てくる。
【0018】
次に、発明の製造方法を示す。
前記樹脂を用いてチューブラー同時2軸延伸で、ポリプロピレン系積層フィルムを得るには、縦横の延伸倍率3〜8倍、面積倍率9〜64倍となるように延伸するのが好ましい。テンター2軸延伸は、TD10倍以上の大きな延伸倍率で延伸するために良好な厚薄が得られるが、チューブラー同時2軸延伸では、TD10倍以上の延伸が難しく、良好な厚薄がえられない。MD又はTDの延伸倍率が3倍より小さい場合は、不均一延伸が発生により厚薄精度が著しく低下し、タルミの発生も顕著になる。特に、工業生産する場合は製品収率が悪く、十分な得率が得られない。また、フィルムの光沢も劣る。MD又はTDの延伸倍率が8倍より大きな場合は、引張伸度が低下して深絞り成形が困難となる。
【0019】
延伸装置から取り出したフィルムは、MDに弛緩させて熱処理後、2枚開きしてワインダーへ巻き取る。
【0020】
本発明のフィルムは、単層でも多層でもよい。本発明のフィルムは、延伸による配向を緩和し低収縮率や伸びを付与させるため、熱処理を行なう。熱処理温度は混合樹脂の融点に近い温度ほど有効であるが、高温になるほどフィルムの融着がおき、融点に近い温度では熱処理できない場合がある。この場合、少なくとも3層以上の多層フィルムとし、表層にアンチブロッキング剤を添加するか、または全層にスリップ剤を500ppm〜2000ppm添加することで、135℃〜150℃のより融点に近い高温での熱処理が可能となる。アンチブロッキング剤又はスリップ剤が、500ppmを下回ると、高い温度でフィルムの融着が起こり、上下段に切り開くことができない。一方、温度が低いとチューブラー延伸により付与された配向を十分に緩和することができずに成形性が劣る。アンチブロッキング剤又はスリップ剤が2000ppmを超えると印刷時に、脱落等によるロールへの付着が発生する。
【0021】
本発明で用いるアンチブロッキング剤およびスリップ剤は特に限定されるものではなく、アンチブロッキング剤は無機系であれば、タルク、ゼオライト、シリカなど、有機系であればポリマービーズなどが好適に用いられ、スリップ剤であれば、脂肪酸アミド、脂肪酸グリセリンエステル化合物などが好適に用いられる。
【0022】
尚、これらのプロピレン系樹脂には必要に応じて帯電防止剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて加えてもなんらさしつかえない。
【0023】
本発明のフィルムの厚みは、10〜20μmが好ましい。未延伸のポリプロピレンフイルムの場合は、耐熱性やドローダウン抑制のため20μm以上、好ましくは25μm以上の厚みが必要であるが、本発明のフィルムでは10〜20μmで十分な耐熱性とドローダウン抑制が得られるからである。
【0024】
本発明のフィルムは、引張伸度が大きいほど、成形性がよく、金型通りの容器輪郭が得られる。具体的には、引張伸度が、MD、TD共に120%以上であれば、成形性のよいポリプロピレン系フィルムを得ることができる。MD、TD共に120%以上になるフィルムは、前述までの記載の方法によりフィルムを製造することで得ることができる。
【0025】
本発明のフィルムは、平面性、厚薄精度が良好であるため、印刷適性にも優れる。印刷方法は、フィルムに用いられる印刷方法であれば、特に制限なく用いることができる。
【0026】
本発明の熱成形シート積層用フィルムは、オレフィン樹脂等の樹脂シート、樹脂発泡樹脂シート等の成形用に用いられるシートに積層し、熱成形することで、弁当容器、トレー、丼容器等の食品包装容器、及び一般包装容器に用いることができる。
【0027】
積層方法は、特に制限なく、公知の方法で積層できる。例えば、熱ラミネート法、ドライラミネート、押出ラミネートなどの方法がある。
【0028】
本発明を使用したフィルムを積層したシートの熱成形方法としては、特に制限なく、真空成形、圧空成形、絞り成形等の熱成形方法を使用することができる。
【実施例】
【0029】
以下に、本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

なお、本実施例の中で示した各物性測定は以下の方法で行った。
1.共重合のエチレン含有量
核共鳴周波数67.8MHzを用い、つぎの条件で測定した。
測定モード:H-完全でカップリング
パルス幅:7.0マイクロ秒(C45度)
パルス繰り返し時間:3秒
積算回数:10000回
溶媒:オルトジクロルベンゼン/重ベンゼン混合溶媒(90/10容量%)
試料濃度:120mg/2.5ml溶媒
測定温度:120℃
2.フィルム厚み:JIS−Z1709に準じて測定した。
3.バブル安定性:バブルの安定性は以下の基準で評価した。
<バブル安定性評価基準>
○:問題なし。
△:若干ユレが見られる。
×:ユレ大きくパンク。
4.延伸均一性:フィルムの延伸均一性は以下の基準で評価した。
<延伸均一性>
○:延伸開始点にネッキングが見られない。
△:若干のネッキングが見られる。
×:延伸開始点にネッキングが見られ、得られたフィルムに白いスジ状のものが観察される。
5.平面性:フィルムの平面性は以下の基準で評価した。尚、平面性においてタルミが見られたものを、印刷時にフィルムの蛇行が発生する、或いはシワによるインキ抜けが発生すると判断した。
<平面性基準>
○:フィルムに全くタルミが見られない、或いはほとんど見られない。
△:フィルムにタルミが見られるが、軽く伸ばせば目立たなくなる。
×:フィルムにタルミが見られ、軽く伸ばしてもタルミが残る
6.厚薄R:フィルムの厚薄Rは以下の基準で評価した。尚、厚薄ムラが大きいものほど、印刷時にフィルムの蛇行が発生する、或いはシワによるインキ抜けが発生すると判断した。
<基準>
○:フィルムの幅方向に厚みを測定したときの厚薄ムラが0〜3μ
△:フィルムの幅方向に厚みを測定したときの厚薄ムラが4〜6μ
×:フィルムの幅方向に厚みを測定したときの厚薄ムラが7μ以上
7.結晶化時間:約8〜10mgの試料を評量後、アルミパンに封入し、示差熱量計にて20ml/minの窒素気流中で室温から230℃まで、10℃/1minピッチで昇温し、これらの温度で10分間保持する。次いで100℃/minで115℃まで冷却し、これらの温度で10分間保持する。ここで得られたDSC曲線から半結晶化時間1/2Tを求める。
115℃から等温結晶化温度に到達した時間をT0、結晶化ピーク面積が1/2となる時間をT1とし、半結晶化時間は下記式により算出した。
半結晶化時間1/2T=T1−T0
8.引張伸度:オートグラフを用いて、幅15mmのフィルムを、引張速度200mm/分、チャック間距離を100mmの条件で、MDおよびTDの引張伸度を測定した。伸度については以下の基準で評価した。尚、引張伸度が大きいものほど成形性がよく、容器成形において引張伸度が120%以上あれば金型通りの容器輪郭が得られると判断した。
<基準>
○:MD、TDともに伸度が120%以上である
△:MD、TDともに、又は一方の伸度が100以上120%未満である
×:MD、TDともに伸度が100%未満である
【0030】
参考例1>
表1に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、押出機で170℃〜270℃にて溶融混練し、240℃に保った環状ダイスより下向きに共押出した。形成されたチューブ状溶融樹脂を、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD3.2倍とTD3.4倍に延伸しながら40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き145℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延
伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングや白いスジ状のもの、いわゆる引き残しといったものも観察されず、不均一延伸な状態はなかった。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度と平面性が良好であり、引張伸度が120%以上であることから、印刷適性及び成形性に優れると判断した。
【0031】
<実施例2>
表1に示すプロピレン混合樹脂と造核剤の構成で、参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD6.5倍とTD6.5倍に延伸しながら40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き150℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度と平面性が良好であり、引張伸度が120%以上であることから、印刷適性及び成形性に優れると判断した。
【0032】
<実施例3>
表1に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD5.5倍とTD5.5倍に延伸しながら40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き150℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度と平面性が良好であり、引張伸度が120%以上であることから、印刷適性及び成形性に優れると判断した。
【0033】
<実施例4>
表1に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD6.0倍とTD6.0倍に延伸しながら40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き148℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で
、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度と平面性が良好であり、引張伸度が120%以上であることから、印刷適性及び成形性に優れると判断した。
【0034】
参考例5>
表1に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、表層にアンチブロッキング剤を500ppm、全層に滑剤を500ppm添加し、参考例1と同様の製造条件で延伸フィルムを取得した。参考例1同様の熱処理温度145℃でもなんら問題なく、フィルムを上下段に切り開くことができた。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度と平面性が良好であり、引張伸度が120%以上であることから、印刷適性及び成形性に優れると判断した。
【0035】
【表1】
【0036】
<比較例1>
表2に示すプロピレン系混合樹脂に造核剤を添加することなく、参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、参考例1と同条件であるMD3.2倍とTD3.4倍に延伸しながら40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き、145℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開い後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動は見られなかったが、延伸開始点にネッキングが観察され、得られたフィルムには白いスジ状のものがあり、その部分の厚みは明らかに厚くなっていた。
このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度が劣り、深さ5mmのタルミが見られ、印刷において蛇行及びインキ抜けが発生すると判断した。
【0037】
<比較例2>
表2に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD2.5倍、TD2.5倍に延伸しながら、40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き150℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルは若干不安定で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動が見られた。また、延伸開始点にネッキングが観察され、得られたフィルムには白いスジ状のものがあり、その部分の厚みは明らかに厚くなっていた。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度が著しく劣り、深さ10mmのタルミが見られ、印刷において蛇行及びインキ抜けが発生すると判断した。
【0038】
<比較例3>
表2に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD8.5倍、TD8.5倍延伸しながら、40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き148℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄、平面性が特に良好なもので、印刷適性は問題ないことを判断したが、伸度が著しく低下していたため成形性が著しく劣ると判断した。
【0040】
<比較例5>
表2に示すプロピレン系混合樹脂及び造核剤の構成で、参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD6.7倍、TD6.5倍に延伸しながら、40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き150℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルは若干不安定で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動が見られ、延伸開始点にネッキングが観察された。このようにして得られた延伸フィルムは厚薄精度が劣り、深さ5mmのタルミが数箇所見られ、印刷において蛇行及びインキ抜けが発生すると判断した。
【0041】
<比較例6>
表2に示すプロピレン系混合樹脂及び造核剤の構成で、参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD4.6倍、TD4.8倍に延伸しながら、40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き150℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルは若干不安定で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動が見られ、延伸開始点にネッキングが観察された。このようにして得られた延伸フィルムは若干の白いスジ状のものがあり、その部分の厚みは明らかに厚く厚薄精度が劣り、深さ5mmのタルミが数箇所見られ、印刷において蛇行及びインキ抜けが発生すると判断した。
【0042】
【表2】