【実施例】
【0029】
以下に、本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例の中で示した各物性測定は以下の方法で行った。
1.共重合のエチレン含有量
核共鳴周波数67.8MHzを用い、つぎの条件で測定した。
測定モード:H-完全でカップリング
パルス幅:7.0マイクロ秒(C45度)
パルス繰り返し時間:3秒
積算回数:10000回
溶媒:オルトジクロルベンゼン/重ベンゼン混合溶媒(90/10容量%)
試料濃度:120mg/2.5ml溶媒
測定温度:120℃
2.フィルム厚み:JIS−Z1709に準じて測定した。
3.バブル安定性:バブルの安定性は以下の基準で評価した。
<バブル安定性評価基準>
○:問題なし。
△:若干ユレが見られる。
×:ユレ大きくパンク。
4.延伸均一性:フィルムの延伸均一性は以下の基準で評価した。
<延伸均一性>
○:延伸開始点にネッキングが見られない。
△:若干のネッキングが見られる。
×:延伸開始点にネッキングが見られ、得られたフィルムに白いスジ状のものが観察される。
5.平面性:フィルムの平面性は以下の基準で評価した。尚、平面性においてタルミが見られたものを、印刷時にフィルムの蛇行が発生する、或いはシワによるインキ抜けが発生すると判断した。
<平面性基準>
○:フィルムに全くタルミが見られない、或いはほとんど見られない。
△:フィルムにタルミが見られるが、軽く伸ばせば目立たなくなる。
×:フィルムにタルミが見られ、軽く伸ばしてもタルミが残る
6.厚薄R:フィルムの厚薄Rは以下の基準で評価した。尚、厚薄ムラが大きいものほど、印刷時にフィルムの蛇行が発生する、或いはシワによるインキ抜けが発生すると判断した。
<基準>
○:フィルムの幅方向に厚みを測定したときの厚薄ムラが0〜3μ
△:フィルムの幅方向に厚みを測定したときの厚薄ムラが4〜6μ
×:フィルムの幅方向に厚みを測定したときの厚薄ムラが7μ以上
7.結晶化時間:約8〜10mgの試料を評量後、アルミパンに封入し、示差熱量計にて20ml/minの窒素気流中で室温から230℃まで、10℃/1minピッチで昇温し、これらの温度で10分間保持する。次いで100℃/minで115℃まで冷却し、これらの温度で10分間保持する。ここで得られたDSC曲線から半結晶化時間1/2Tを求める。
115℃から等温結晶化温度に到達した時間をT0、結晶化ピーク面積が1/2となる時間をT1とし、半結晶化時間は下記式により算出した。
半結晶化時間1/2T=T1−T0
8.引張伸度:オートグラフを用いて、幅15mmのフィルムを、引張速度200mm/分、チャック間距離を100mmの条件で、MDおよびTDの引張伸度を測定した。伸度については以下の基準で評価した。尚、引張伸度が大きいものほど成形性がよく、容器成形において引張伸度が120%以上あれば金型通りの容器輪郭が得られると判断した。
<基準>
○:MD、TDともに伸度が120%以上である
△:MD、TDともに、又は一方の伸度が100以上120%未満である
×:MD、TDともに伸度が100%未満である
【0030】
<
参考例1>
表1に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、押出機で170℃〜270℃にて溶融混練し、240℃に保った環状ダイスより下向きに共押出した。形成されたチューブ状溶融樹脂を、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルム
をチューブラー二軸延伸装置に導き、MD3.2倍とTD3.4倍に延伸しながら40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き145℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延
伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングや白いスジ状のもの、いわゆる引き残しといったものも観察されず、不均一延伸な状態はなかった。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度と平面性が良好であり、引張伸度が120%以上であることから、印刷適性及び成形性に優れると判断した。
【0031】
<実施例2>
表1に示すプロピレン混合樹脂と造核剤の構成で、
参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルム
をチューブラー二軸延伸装置に導き、MD6.5倍とTD6.5倍に延伸しながら40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き150℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度と平面性が良好であり、引張伸度が120%以上であることから、印刷適性及び成形性に優れると判断した。
【0032】
<実施例3>
表1に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、
参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルム
をチューブラー二軸延伸装置に導き、MD5.5倍とTD5.5倍に延伸しながら40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き150℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度と平面性が良好であり、引張伸度が120%以上であることから、印刷適性及び成形性に優れると判断した。
【0033】
<実施例4>
表1に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、
参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルム
をチューブラー二軸延伸装置に導き、MD6.0倍とTD6.0倍に延伸しながら40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き148℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で
、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度と平面性が良好であり、引張伸度が120%以上であることから、印刷適性及び成形性に優れると判断した。
【0034】
<
参考例5>
表1に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、表層にアンチブロッキング剤を500ppm、全層に滑剤を500ppm添加し、
参考例1と同様の製造条件で延伸フィルムを取得した。
参考例1同様の熱処理温度145℃でもなんら問題なく、フィルムを上下段に切り開くことができた。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度と平面性が良好であり、引張伸度が120%以上であることから、印刷適性及び成形性に優れると判断した。
【0035】
【表1】
【0036】
<比較例1>
表2に示すプロピレン系混合樹脂に造核剤を添加することなく、
参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルム
をチューブラー二軸延伸装置に導き、
参考例1と同条件であるMD3.2倍とTD3.4倍に延伸しながら40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き、145℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開い
た後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動は見られなかったが、延伸開始点にネッキングが観察され、得られたフィルムには白いスジ状のものがあり、その部分の厚みは明らかに厚くなっていた。
このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度が劣り、深さ5mmのタルミが見られ、印刷において蛇行及びインキ抜けが発生すると判断した。
【0037】
<比較例2>
表2に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、
参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD2.5倍、TD2.5倍に延伸しながら、40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き150℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルは若干不安定で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動が見られた。また、延伸開始点にネッキングが観察され、得られたフィルムには白いスジ状のものがあり、その部分の厚みは明らかに厚くなっていた。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄精度が著しく劣り、深さ10mmのタルミが見られ、印刷において蛇行及びインキ抜けが発生すると判断した。
【0038】
<比較例3>
表2に示すプロピレン系混合樹脂と造核剤の構成で、
参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD8.5倍、TD8.5倍延伸しながら、40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き148℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルの安定性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、又、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。このようにして得られた延伸フィルムは、厚薄、平面性が特に良好なもので、印刷適性は問題ないことを判断したが、伸度が著しく低下していたため成形性が著しく劣ると判断した。
【0040】
<比較例5>
表2に示すプロピレン系混合樹脂及び造核剤の構成で、
参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD6.7倍、TD6.5倍に延伸しながら、40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き150℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルは若干不安定で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動が見られ、延伸開始点にネッキングが観察された。このようにして得られた延伸フィルムは厚薄精度が劣り、深さ5mmのタルミが数箇所見られ、印刷において蛇行及びインキ抜けが発生すると判断した。
【0041】
<比較例6>
表2に示すプロピレン系混合樹脂及び造核剤の構成で、
参考例1と同様にして未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、MD4.6倍、TD4.8倍に延伸しながら、40℃以下まで冷却して2つに折りたたんだ。次いでこの延伸フィルムをロール熱処理装置に導き150℃で熱処理し、フィルムを上下段に切り開いた後それぞれ1本のロールに巻き取った。延伸中の延伸バブルは若干不安定で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動が見られ、延伸開始点にネッキングが観察された。このようにして得られた延伸フィルムは若干の白いスジ状のものがあり、その部分の厚みは明らかに厚く厚薄精度が劣り、深さ5mmのタルミが数箇所見られ、印刷において蛇行及びインキ抜けが発生すると判断した。
【0042】
【表2】