(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208462
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】果実収容容器
(51)【国際特許分類】
B65D 85/34 20060101AFI20170925BHJP
B65D 81/07 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
B65D85/34 G
B65D81/07
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-92028(P2013-92028)
(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公開番号】特開2014-213886(P2014-213886A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】599105470
【氏名又は名称】株式会社エバーウィングス
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】大垣 恵一
【審査官】
吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2003/0047481(US,A1)
【文献】
実開昭53−063375(JP,U)
【文献】
米国特許第05989606(US,A)
【文献】
特公昭49−003798(JP,B1)
【文献】
特開2014−205502(JP,A)
【文献】
実開昭48−112781(JP,U)
【文献】
実公昭52−24213(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/34
B65D 81/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の容器本体と、
前記容器本体の主面上に設けられた、果実を載置するための果実載置部と、を備え、
前記果実載置部は、天壁と周壁とを有する内部が空洞の凸部からなり、
前記凸部の前記天壁及び前記周壁が、前記果実の重量により当該果実の表面形状に追随して変形し、
前記周壁は、前記容器本体に近づくにつれて徐々に厚みが厚くなっている、果実収容容器。
【請求項2】
前記天壁は、前記周壁よりも薄く形成されている、請求項1に記載の果実収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果実を箱詰め・搬送するために用いられる果実収容容器に関する。さらに詳細には、本発明は、表面が損傷し易いイチゴ等の果実を、損傷させることなく箱詰め・搬送することが可能な果実収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
イチゴ等の表面は比較的損傷し易いため、イチゴ等を安全に箱詰め・搬送することができる果実収容容器の開発が切望されていた。
【0003】
そこで、従来、かかる要望に応えるべく、以下のような構成の果実収容容器が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1に開示された果実収容容器(イチゴ用容器)は、イチゴの果托が進入可能な窪み部を容器本体の底部に複数個設けた容器に蓋体を設け、前記蓋体の天井面から、これらの窪み部中、相隣り合う4つの窪み部に囲まれる箇所に向けて先細りの柱を垂下すると共に、前記蓋体の周側壁面にはこれらの窪み部の外周に沿って複数個の張り出し突起を内側に向けて設けた構成となっている(以上、特許文献1の
図1、
図3、
図4等参照)。
【0005】
特許文献2に開示された果実収容容器(果実収容トレー)は、方形底板及び縦横側板からなる方形トレーの内部に、前記側板と同一高さの上向突起を縦横に等間隔で設け、前記トレーの上面に熱可塑性合成樹脂薄シートを平坦に貼着して当該シートを前記トレーの上面に平坦面に張着し、縦横隣接上向突起の中央部に果実収容凹部を塑性変形によって成形し、当該凹部と前記底板との間に空間を介在させ、かつ、これらの凹部の上縁外側面と前記上向突起の外周面とが前記シートの共通の平坦面を保持してなるように構成されている(以上、特許文献1の
図1〜
図4等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−133369号公報
【特許文献2】特許第4689688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1で提案されている果実収容容器(イチゴ用容器)では、イチゴ同士の荷重のかかり合いによる損傷を防止することはできるが、個々のイチゴは容器と点、線で接触することとなるため、長時間の搬送や強い衝撃時に損傷を受ける虞がある。また、特許文献1で提案されている果実収容容器(イチゴ用容器)は、その形状が複雑であるため、製造コストが高くなるという問題点も有している。
【0008】
また、特許文献2で提案されている果実収容容器(果実収容トレー)は、果実の表面を損傷させることなく搬送することが可能であるが、特許文献1で提案されている果実収容容器(イチゴ用容器)と同様に形状が複雑であるため、製造コストが高くなるという問題点を有している。
【0009】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、形状がシンプルで、かつ、果実を、損傷させることなく箱詰め・搬送することが可能な果実収容容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明に係る果実収容容器の構成は、
(1)平板状の容器本体と、前記容器本体の主面上に設けられた、果実を載置するための果実載置部と、を備え、前記果実載置部は、天壁と周壁とを有する内部が空洞の凸部からなり、前記凸部の少なくとも前記天壁は、当該凸部に前記果実が載置されることで、当該果実の表面形状に追随して変形する。
【0011】
本発明の果実収容容器の(1)の構成によれば、果実を、内部が空洞の凸部からなる果実載置部の天壁上に載置する。このとき、果実の自重や果実を凸部に押しつけることで、少なくとも天壁が果実の表面形状に追随して変形し、当該果実がその表面で天壁と面接触する状態となる。即ち、本発明の果実収容容器は、それぞれ表面の形状が異なる果実を、果実に応じた形状に応じた形状の面で支持することができる。従って、上記のようなシンプルな形状の果実収容容器を用いて、表面が損傷し易いイチゴ等の果実を、損傷させることなく箱詰め・搬送することが可能となる。尚、箱詰め・搬送時の果実は、その大きさや形状が様々であるが、本発明の果実収容容器を用いることにより、その全ての果実の損傷を防止することが可能となる。
【0012】
前記本発明の果実収容容器の(1)の構成においては、以下の(2)〜(4)のような構成にすることが好ましい。
【0013】
(2)前記容器本体は矩形状に形成され、当該矩形状の容器本体上に複数の前記果実載置部がマトリックス状に配置されている。
【0014】
(3)前記天壁は、前記周壁よりも薄く形成されている。
【0015】
上記(3)の好ましい構成によれば、果実の重量により天壁を撓ませてハンモック状態にすることができるので、果実の搬送時における衝撃を吸収することができる。従って、上記(3)の好ましい構成によれば、果実の搬送時に当該果実が損傷を受けることを、より確実に防止することが可能となる。
【0016】
(4)上記(3)の構成において、前記周壁は、前記容器本体に近づくにつれて徐々に厚みが厚くなっている。
【0017】
上記(4)の好ましい構成によれば、果実の重量と釣り合う適当な個所で周壁を撓ませることが可能となる。従って、上記(4)の好ましい構成によれば、大きさ及び重量の異なる複数の果実を、同じ果実収容容器に収容して搬送することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、形状がシンプルで、かつ、果実を、損傷させることなく箱詰め・搬送することが可能な果実収容容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施の形態における果実収容容器の構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施の形態における果実収容容器に果実(イチゴ)を収容した状態を示す斜視図である。
【
図5】果実(イチゴ)を収容した本発明の一実施の形態における果実収容容器を別途用意された包装箱に収納している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、好適な実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施の形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】
[果実収容容器の構成]
まず、本発明の一実施の形態における果実収容容器の構成について、
図1、
図2を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施の形態における果実収容容器の構成を示す斜視図、
図2は、
図1のII―II線断面図である。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態の果実収容容器1は、矩形状の容器本体2と、容器本体2の主面上に設けられた、果実を載置するための果実載置部3と、を備えている。ここで、果実載置部3は15個設けられており、これら15個の果実載置部3は、5×3のマトリックス状に配置されている。なお、果実載置部3は、5×3のマトリックス状に限らず、1×2、4×2等マトリックス状の他、1つだけ設けてもよい。また、本実施形態の説明では、イチゴを果実の一例として説明するが、果実収容容器1は、イチゴに限らず、表面が損傷し易い、任意の果実に適用することができる。
【0024】
図1、
図2に示すように、果実載置部3は、容器本体2側の面が開口した、天壁3aと周壁3bとを有する内部が空洞の凸部からなっている。そして、本実施の形態の果実収容容器1は、凸部の少なくとも天壁3aが、果実の重量により当該果実の表面形状に追随して変形するように構成されている。
【0025】
本実施の形態の果実収容容器1によれば、果実を、内部が空洞の凸部からなる果実載置部3の天壁3a上に載置するだけで、少なくとも天壁3aを変形させて、当該果実がその表面で天壁3aと面接触する状態に持っていくことができる(
図3、
図4を参照)。従って、上記のようなシンプルな形状の果実収容容器1を用いて、表面が損傷し易いイチゴ等の果実を、損傷させることなく箱詰め・搬送することが可能となる。尚、箱詰め・搬送時の果実は、その大きさや形状が様々であるが、本実施の形態の果実収容容器1を用いることにより、その全ての果実の損傷を防止することが可能となる。
【0026】
果実収容容器1の材料としては、軟質合成樹脂発泡体が好ましく、中でも、公知の方法で製造することが可能な発泡ポリエチレン樹脂がより好ましい。
【0027】
天壁3aは、周壁3bよりも薄く形成されている。このように、天壁3aが周壁3bよりも薄く形成されていれば、果実の重量により天壁3aを撓ませてハンモック状態にすることができるので、果実の搬送時における衝撃を吸収することができる。従って、この構成によれば、果実の搬送時に当該果実が損傷を受けることを、より確実に防止することが可能となる。
【0028】
図1に示すように、本実施の形態において、果実載置部3は、イチゴの形状を模した形状に形成されている。収容する果実が重量15〜70gの範囲のイチゴの場合、天壁3aの容器本体2の主面からの高さは30〜55mm、天壁3aの長さは35〜65mm、天壁3aの幅は30〜60mmである。また、天壁3aの厚みは、2mm以下0.8mm以上である。また、周壁3bと容器本体2の厚みは、5mm以下1mm以上である。なお、上記果実載置部3の各寸法は、一例であり、果実載置部3の材料、外形の大きさ、果実の大きさ等に応じて、任意の寸法とすることができる。
【0029】
周壁3bは、容器本体2に近づくにつれて徐々に厚みが厚くなっている。この構成によれば、果実の重量と釣り合う適当な個所で周壁3bを撓ませることが可能となる。従って、この構成によれば、大きさ及び重量の異なる複数の果実を、同じ果実収容容器1に収容して搬送することが可能となる。
【0030】
[果実収容容器の使用方法]
次に、本発明の一実施の形態における果実収容容器の使用方法について、果実がイチゴである場合を例に挙げて、
図3〜
図5をも参照しながら説明する。
【0031】
図3は、本発明の一実施の形態における果実収容容器に果実(イチゴ)を収容した状態を示す斜視図、
図4は、
図3のIV―IV線断面図、
図5は、果実(イチゴ)を収容した本発明の一実施の形態における果実収容容器を別途用意された包装箱に収納している状態を示す斜視図である。
【0032】
まず、
図3に示すように、果実収容容器1の各果実載置部3の天壁3a上に、イチゴ4をそれぞれ載置する。これにより、果実載置部3の天壁3aが、イチゴ4の重量により当該イチゴ4の表面形状に追随して変形する。このため、それぞれのイチゴ4がその表面で天壁3aと面接触した状態となる。従って、イチゴ4の箱詰め時や搬送時に当該イチゴ4が損傷を受けることを防止することができる。また、この場合、イチゴ4の重量により天壁3aが撓んでハンモック状態となる。そして、これにより、イチゴ4の搬送時における衝撃を吸収することができるので、イチゴ4の搬送時に当該イチゴ4が損傷を受けることを、より確実に防止することが可能となる。
【0033】
次に、
図5に示すように、イチゴ4を収容した果実収容容器1を、別途用意された両端が開口した四角筒状の包装箱5に収納する。このように、イチゴ4を収容した果実収容容器1を包装箱5に収納すれば、複数段積み重ねても、下段のイチゴ4が押し潰される虞はない。包装箱5に収納された果実収容容器1は、数箱まとめて段ボール箱等に入れて搬送される。
【0034】
尚、上記実施の形態においては、矩形状の容器本体2を備えている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。容器本体は、平板状であれば、例えば、円形状、楕円形状、多角形状等に形成されていてもよい。
【0035】
また、上記実施の形態においては、15個の果実載置部3を備えている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。果実載置部は、例えば、1個であってもよく、2〜5個であってもよい。
【0036】
また、上記実施の形態においては、果実載置部3がイチゴの形状を模した形状に形成されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。
【0037】
また、上記実施の形態においては、天壁3aが周壁3bよりも薄く形成されている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。果実収容容器は、凸部の少なくとも天壁が、果実の重量により当該果実の表面形状に追随して変形するように構成されていれば、所期の目的を達成することができる。
【0038】
また、上記実施の形態においては、周壁3bの厚みが容器本体2に近づくにつれて徐々に厚くなっている場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。周壁の厚みは、全体にわたって均一であってもよい。
【0039】
また、上記実施の形態においては、蓋が無いタイプの果実収容容器1を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。容器本体にヒンジ部を介して一体的に設けられる蓋体等を備えていてもよい。このように、蓋体を備えていれば、包装箱5に収納せずにそのまま段ボール箱等に入れて搬送することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、形状がシンプルで、かつ、果実を、損傷させることなく箱詰め・搬送することが可能な果実収容容器を提供することができる。従って、本発明の果実収容容器は、表面が損傷し易いイチゴ等の果実を箱詰め・搬送するための容器として有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 果実収容容器
2 容器本体
3 果実載置部
3a 天壁
3b 周壁
4 イチゴ(果実)
5 包装箱