特許第6208464号(P6208464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208464
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】磁気共鳴装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   A61B5/05 382
   A61B5/05 311
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-93636(P2013-93636)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-213037(P2014-213037A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】300019238
【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(72)【発明者】
【氏名】池崎 吉和
【審査官】 荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/098955(WO,A1)
【文献】 米国特許第05070299(US,A)
【文献】 特開平07−313485(JP,A)
【文献】 特開平05−076518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01R 33/20−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血流信号を減衰させるためのプリパレーション部と、血管を含むスラブからデータを収集するためのデータ収集部とを含むシーケンスを実行する磁気共鳴装置であって、
前記スラブは、
血管を含むイメージング領域と、
前記イメージング領域に隣接し、血管を含む第1の領域と、
前記第1の領域の反対側において前記イメージング領域に隣接し、血管を含む第2の領域とを有し、
前記シーケンスのデータ収集部は、前記スラブを励起する励起パルスを有し、前記励起パルスは、
前記第1の領域および前記第2の領域におけるフリップ角が前記イメージング領域におけるフリップ角よりも大きい励起プロファイルを実現するように構成されている、磁気共鳴装置。
【請求項2】
前記スラブを励起する励起パルスには、
前記第1の領域を励起する第1の励起パルスと、
前記第2の領域を励起する第2の励起パルスと、
前記イメージング領域を励起する第3の励起パルスと、
が含まれる、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
【請求項3】
前記第1の領域、前記第2の領域、および前記イメージング領域を選択するための第1の勾配パルスを印加し、
前記第1の勾配パルスが印加されている間に、前記第1の励起パルス、前記第2の励起パルス、および前記第3の励起パルスを印加する、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
【請求項4】
前記第1の励起パルスおよび前記第2の励起パルスは、前記第3の励起パルスよりも前に印加される、請求項2又は3に記載の磁気共鳴装置。
【請求項5】
前記イメージング領域内のスピンの位相ずれを補正するための第2の勾配パルスを印加する、請求項3又は4に記載の磁気共鳴装置。
【請求項6】
前記励起パルスは複素数で表され、
複素数で表された励起パルスは、前記励起プロファイルを逆フーリエ変換することにより得られる強度情報および位相情報を含んでいる、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
【請求項7】
前記イメージング領域の画像を生成する画像生成手段を有する、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
【請求項8】
前記第1の領域、前記イメージング領域、および前記第2の領域は、スライス方向に並んでおり、
前記画像生成手段は、
前記イメージング領域に渡って前記スライス方向のフーリエ変換を実行し、前記イメージング領域の画像を生成する、請求項7に記載の磁気共鳴装置。
【請求項9】
前記画像生成手段は、
前記第1の領域の少なくとも一部と、前記イメージング領域と、前記第2の領域の少なくとも一部とに渡って、前記スライス方向のフーリエ変換を実行し、
前記第1の領域の少なくとも一部のデータと、前記第2の領域の少なくとも一部のデータは、折り返しの部分として破棄する、請求項8に記載の磁気共鳴装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管を含む領域を撮影する磁気共鳴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血管壁を撮影する方法として、3Dグラディエントエコー系のブラックブラッドイメージング(Black Blood Imaging)法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−254361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
3Dグラディエントエコー系のブラックブラッドイメージング法には、IRパルスにより領域全体のスピンを反転し、血液のスピンの縦磁化がヌル(null)付近になったときに3Dグラディエントエコー法で撮影する方法や、MSDE(Motion Sensitized Driven
Equilibrium)法により血流信号を減衰させて、3Dグラディエントエコー法で撮影する方法がある。しかし、いずれの方法でも、血液の流入効果(Inflow効果)により、血流信号を十分に抑制することができない場合がある。
したがって、血流信号を十分に抑制できる方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点は、血管を含むイメージング領域を有するスラブを励起し、前記イメージング領域の画像を取得する磁気共鳴装置であって、
前記スラブは、
前記イメージング領域に隣接し、血管を含む第1の領域と、
前記第1の領域の反対側において前記イメージング領域に隣接し、血管を含む第2の領域とを有し、
前記スラブを励起する励起パルスは、
前記第1の領域および前記第2の領域におけるフリップ角が前記イメージング領域におけるフリップ角よりも大きい励起プロファイルを実現するように構成されている磁気共鳴装置である。
【発明の効果】
【0006】
第1の領域からイメージング領域に流入する血液の流入効果だけでなく、第2の領域からイメージング領域に流入する血液の流入効果も抑制することができるので、血液の信号が十分に低減された画像を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
図2】血管壁を撮影するために実行される通常のスキャンの一例を示す図である。
図3】本形態で実施されるスキャンSCの説明図である。
図4】スラブSLを励起するときの説明図である。
図5】スライス方向のフーリエ変換を実行するときの説明図である。
図6】励起パルスx1、x2、およびx3ごとに勾配パルスGx1、Gx2、およびGx3を設けた例を示す図である。
図7】励起プロファイルの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0009】
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
【0010】
マグネット2は、被検体11が収容されるボア21を有している。また、マグネット2には、超伝導コイル、勾配コイル、およびRFコイルなどが内蔵されている。
【0011】
テーブル3は、被検体11を支持するクレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体11はボア21に搬送される。
受信コイル4は、被検体11からの磁気共鳴信号を受信する。
【0012】
MR装置100は、更に、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7、制御部8、操作部9、および表示部10などを有している。
【0013】
送信器5はRFコイルに電流を供給し、勾配磁場電源6は勾配コイルに電流を供給する。
受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を実行する。
【0014】
制御部8は、表示部10に必要な情報を伝送したり、受信器7から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。制御部8は、画像生成手段81などを有している。画像生成手段81は、後述するイメージング領域R3(例えば、図3参照)の画像を生成する。
【0015】
操作部9は、オペレータにより操作され、種々の情報を制御部8に入力する。表示部10は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
【0016】
本形態では、血管壁を撮影するためのスキャンが実行される。以下では、本形態で実行されるスキャンと、通常のスキャンとの違いを明確にするために、先ず、血管壁を撮影するために実行される通常のスキャンの一例について説明する。
【0017】
図2は血管壁を撮影するために実行される通常のスキャンの一例を示す図である。
スキャンSCは、3Dグラディエントエコー系の血管壁イメージングを実行するためのスキャンである。スキャンSCは、シーケンスAが繰り返し実行される。シーケンスAの繰り返し時間は「TR」で示されている。シーケンスAは、プリパレーション部Pとデータ収集部Qとを有している。
【0018】
プリパレーション部Pは、血流信号を減衰させるために実行される。図2には、プリパレーション部Pの具体的なシーケンスの一例として、MSDE法によるシーケンスが示されている。尚、説明の便宜上、勾配磁場の軸は1軸のみが示されている。
プリパレーション部Pにより血流信号を減衰させた後、データ収集部Qが実行される。
【0019】
データ収集部Qは、スラブSLからデータを収集するためのシーケンスである。スラブSLは、血管を横切るように設定されている。図2では、スラブSLを横切る血管として、2つの血管AおよびBを示してある。血管Aには、スラブSLの外側(I側)からスラブSL内に流入する血液が流れており、一方、血管Bには、スラブの外側(S側)からスラブSL内に流入する血液が流れている。
【0020】
データ収集部Qは、スラブSLを励起するための励起パルスxを有している。励起パルスxによりスラブSLを励起し、エコー信号Sを収集する。そして、収集されたエコー信号Sに基づいて、血管壁の情報を含む画像が再構成される。
【0021】
スキャンSCでは、プリパレーション部Pにより血流信号を減衰させておき、データ収集部Qを実行するので、血流信号が低減された画像を取得することができる。しかし、プリパレーション部Pで血流信号を減衰させても、血液の流入効果(Inflow効果)により、血流信号を十分に抑制することができない場合もある。そこで、本形態では、血流信号を十分に抑制することができるように、スキャンSCを実行している。以下に、本形態におけるスキャンSCについて説明する。
【0022】
図3は、本形態で実施されるスキャンSCの説明図である。
プリパレーション部Pは図2と同じシーケンスを有しているが、データ収集部Qは図2とは異なったシーケンスを有している。図3には、データ収集部Qの異なっている部分を、拡大して示してある。
【0023】
図2に示すデータ収集部Qは、励起パルスxによってスラブSLを励起したが、本形態のデータ収集部Qは、励起パルスx1、x2およびx3によってスラブSLを励起している。
【0024】
スラブSLは、3つの領域R1、R2、およびR3を有している。スラブSLの中央の領域R3は、画像化されるイメージング領域である。一方、イメージング領域R3に隣接する両側の領域R1およびR2は画像化されない領域である。
【0025】
励起パルスx1は領域R1を励起するためのパルスであり、励起パルスx2は領域R2を励起するためのパルスである。励起パルスx3はイメージング領域R3を励起するためのパルスである。
【0026】
励起パルスx1のフリップ角はαである。また、励起パルスx2のフリップ角は、励起パルスx1と同じ値αである。一方、励起パルスx3のフリップ角はβである。フリップ角αは、フリップ角βよりも大きい値に設定されている。また、スライス方向には勾配パルスG1およびG2が印加される。以下、励起パルスx1、x2、およびx3を用いてどのようにスラブSLを励起するかについて、図4を参照しながら説明する。
【0027】
図4は、スラブSLを励起するときの説明図である。
図4(a)は、本形態のデータ収集部Qが有する励起パルスx1、x2、およびx3と、勾配パルスG1およびG2を示す図、図4(b)はスラブSLを示す図、図4(c)は励起パルスでスラブSLを励起するときの各領域とフリップ角との関係を表す励起プロファイルを概略的に示す図である。
【0028】
先ず、勾配パルスG1が印加されるとともに、励起パルスx1が印加される。励起パルスx1は、スラブSLの領域R1を励起するためのパルスである。励起パルスx1のフリップ角αは、例えば、α=90°である。血管Aの血液aは、励起パルスx1が印加される前の時点t0では、スラブSLの外側を流れているが、励起パルスx1が印加されている時点t1において、スラブSLの領域R1を流れる。血液aのスピンは、励起パルスx1により、領域R1を流れている間にフリップ角αだけ傾く。したがって、スラブSLに流入する前の血液aが大きな縦磁化を有していても、スラブSLの領域R1を流れている間に、血液aの縦磁化は小さくなる。
励起パルスx1の後、次の励起パルスx2が印加される。
【0029】
励起パルスx2は、スラブSLの領域R2を励起するためのパルスである。血管Bの血液bは、時点t0では、スラブSLの外側を流れているが、励起パルスx2が印加されている時点t2において、スラブSLの領域R2を流れる。血液bのスピンは、励起パルスx2により、領域R2を流れている間にフリップ角αだけ傾く。したがって、スラブSLに流入する前の血液bが大きな縦磁化を有していても、スラブSLの領域R2を流れている間に、血液bの縦磁化は小さくなる。励起パルスx2を印加した後、次の励起パルスx3を印加する。
【0030】
励起パルスx3は、スラブSLのイメージング領域R3を励起するためのパルスである。励起パルスx3のフリップ角αは、励起パルスx1およびx2のフリップ角βよりも小さく、例えば、β=10°である。
【0031】
このように、本形態では、スラブSLの領域R1、領域R2、およびイメージング領域R3が順に励起される。励起パルスx3を印加した後、勾配パルスG2を印加する。勾配パルスG2は、励起パルスx3により励起されたイメージング領域R3内のスピンの位相ずれを補正するためのリフェーズ用のパルスである。
【0032】
スラブSLを励起した後、位相エンコード勾配GsおよびGpと周波数エンコード勾配Gfを印加し、エコー信号Sを収集する(図3参照)。
【0033】
以下同様に、プリパレーション部Pとデータ収集部Qとを交互に実行し、エコー信号Sを収集する。画像再構成に必要な全てのエコー信号Sを収集したら、スキャンSCを終了する。
【0034】
画像生成手段81(図1参照)は、スラブSLから得られたデータに対して、スライス方向のフーリエ変換を実行し、イメージング領域R3の画像を生成する。図5は、スライス方向のフーリエ変換を実行するときの説明図である。画像生成手段は、領域R1と、イメージング領域R3と、領域R2とに渡って、スライス方向のフーリエ変換を実行する。しかし、イメージング領域R3の両側の領域R1およびR2のデータは、スライス方向の折り返しの原因になるので破棄される。したがって、イメージング領域R3の画像に折り返しは現れず、高品質な血管壁イメージングを行うことができる。尚、イメージング領域R3の画像を生成することができるのであれば、スライス方向のフーリエ変換が実行される領域は、図5に限定されることはない。例えば、領域R1の一部と、イメージング領域R3と、領域R2の一部に対して、スライス方向のフーリエ変換を実行してもよい。
【0035】
本形態では、励起パルスx3によってイメージング領域R3が励起されるが、イメージング領域R3を励起する前に、領域R1を励起する励起パルスx1と、領域R2を励起する励起パルスx2とが印加される。励起パルスx1のフリップ角αは、励起パルスx3のフリップ角βよりも大きいので、血管Aの血液aが領域R1を流れている間に血液aの縦磁化は十分に小さくなる。したがって、イメージング領域R3には、縦磁化の小さい血液aが流入する。また、励起パルスx2のフリップ角αも、励起パルスx3のフリップ角βより大きいので、血管Bの血液bが領域R2を流れている間に血液bの縦磁化は十分に小さくなる。したがって、イメージング領域R3には、縦磁化の小さい血液bが流入する。このように、本形態では、血液aおよびbがイメージング領域R3に流入する前に、血液aおよびbの縦磁化を小さくすることができる。したがって、領域R1からイメージング領域R3に流入する血液aの流入効果だけでなく、領域R1とは反対側の領域R2からイメージング領域R3に流入する血液bの流入効果も抑制することができるので、血液の信号が十分に低減された画像を取得することができる。
【0036】
また、勾配パルスG2は、イメージング領域R3で生じるスピンの位相のずれを補正するので、更に高品質な画像を得ることができる。尚、勾配パルスG2は、領域R1およびR2で生じるスピンの位相のずれを補正することはできないが、領域R1およびR2のデータは折り返しの部分として破棄されるので、領域R1およびR2で生じるスピンの位相のずれが補正されなくても、高品質の画像を得ることができる。
【0037】
尚、本形態では、勾配パルスG1が印加されている間に、3つの励起パルスx1、x2、およびx3を印加している。しかし、励起パルスx1、x2、およびx3ごとに勾配パルスを設けてもよい。図6に、励起パルスx1、x2、およびx3ごとに勾配パルスGx1、Gx2、およびGx3を設けた例を示す。図6でも、図4(c)に示す励起プロファイルを実現することができるので、血液の流入効果を抑制することができ、血液の信号が十分に低減された画像を取得することができる。ただし、図6では、各勾配パルスGx1、Gx2、およびGx3に勾配の立ち上がり時間および立下り時間が必要となるので、繰り返し時間TRが延長するという欠点がある。したがって、励起パルスx1、x2、およびx3ごとに勾配パルスを設けるよりも、図4(a)に示すように、一つの勾配パルスG1を印加することが望ましい。勾配パルスG1を用いることにより、図6に示すような勾配の立ち上がり時間および立下り時間が不要となるので、繰り返し時間TRの延長を十分に短くすることができる。
【0038】
尚、本形態では、励起パルスx1のフリップ角と、励起パルスx2のフリップ角は、同じ値(α)である。しかし、励起パルスx1およびx2のフリップ角が、励起パルスx3のフリップ角より大きいのであれば、励起パルスx1のフリップ角と、励起パルスx2のフリップ角は異なる値でもよい。
【0039】
また、本形態では、励起パルスx3の前に励起パルスx1およびx2を印加している。しかし、励起パルスx3の後に励起パルスx1又はx2を印加してもよい。ただし、励起パルスx3の後に励起パルスx1又はx2を印加すると、領域R1又はR2からイメージング領域R3に流入する血液の流入効果を十分に抑制することが難しい場合もある。したがって、励起パルスx3の前に励起パルスx1およびx2を印加することが好ましい。励起パルスx3の前に励起パルスx1およびx2を印加すると、励起パルスx3を印加する前に、領域R1およびR2の血液の縦磁化を小さくすることができるので、領域R1およびR2の両方の領域からイメージング領域R3に流入する血液の流入効果を十分に抑制することができ、血液の信号が十分に低減された画像を取得することができる。
【0040】
尚、本形態では、励起パルスx1およびx2を用いて、血流信号を抑制しているが、励起パルスx1およびx2の代わりに、領域R1およびR2の血液の磁化を飽和させるための飽和パルスを用いて、血流信号を抑制することも考えられる。しかし、飽和パルスを用いる場合、飽和パルスにより生じる横磁化を消去するための大きなクラッシャーパルスも印加する必要があるので、繰り返し時間TRがかなり長くなるという問題がある。これに対し、本形態では、横磁化を消去するためのクラッシャーパルスが不要であるので、TRの延長も十分に短くすることができる。
【0041】
また、本形態では、図4(c)に示す励起プロファイルを実現するために、3つの励起パルスx1、x2、およびx3が用いられている。しかし、図4(c)に示す励起プロファイルを逆フーリエ変換することにより、RFパルスの強度情報および位相情報を求め、これらの情報を有する複素数で表されたRFパルスを設計し、この複素数で表されたRFパルスを、励起パルスx1、x2、およびx3の代わりに使用してもよい。
【0042】
尚、本形態では、図4(c)に示す励起プロファイルを実現している。しかし、領域R1およびR2におけるフリップ角が、イメージング領域R3におけるフリップ角よりも大きいのであれば、励起プロファイルは、図4(c)に限定されることはない。図7に、励起プロファイルの別の例を示す。
【0043】
図7(a)は、イメージング領域R3におけるフリップ角は一定値であるが、領域R1およびR2におけるフリップ角は、イメージング領域R3から離れるにしたがって、増加するように設定されている。
【0044】
図7(b)は、イメージング領域R3のスライス方向の中心位置Cから離れるにしたがってフリップ角が増加するように設定されている。
【0045】
図7(a)や(b)でも、領域R1およびR2におけるフリップ角は、イメージング領域R3におけるフリップ角よりも大きいので、イメージング領域R3に流入する血液の信号を低減することができる。
【0046】
尚、本形態では、頸部を撮影する場合について説明されているが、本発明は、頸部以外の別の部位を撮影する場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 送信器
6 勾配磁場電源
7 受信器
8 制御部
9 操作部
10 表示部
11 被検体
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配磁場コイル
24 RFコイル
81 画像生成手段
100 MR装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7