【実施例1】
【0017】
図1(a)は実施例1に係る印刷システム100を例示するブロック図である。
図1(a)に示すように、印刷システム100はコンピュータ10及びプリンタ20を備える。
【0018】
コンピュータ10は例えばパーソナルコンピュータ(PC)であり、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)12、メモリ14、HDD(Hard
Disc Drive:ハードディスクドライブ)16、及びI/F(インターフェース)18を備える。プリンタ20は、CPU22、メモリ24、I/F26及び印刷部28を備える。CPU12は後述するイメージデータD1の生成及び変換などを行う。CPU22は後述するバーコードイメージデータD2の生成、及び印刷部28の制御などを行う。HDD16には、OS(Operating
system)、アプリケーションソフト(以下、単にアプリケーションと称することがある)、及びプリンタドライバ(印刷制御プログラム)などのソフトウェアが記憶されている。メモリ14及び24は、それぞれRAM(Random
Access Memory:ランダムアクセスメモリ)及びROM(Read Only Memory:リードオンリーメモリ)を含む。メモリ14及び24上には後述のイメージデータが展開される。印刷部28は例えばサーマルヘッドなどを含み、文字及び図形などを紙に印刷する。
【0019】
コンピュータ10のI/F18とプリンタ20のI/F26とは接続されている。I/F18及び26は例えばUSB(Universal Serial Bus、登録商標)インターフェース、またはRS−232インターフェースなどである。コンピュータ10とプリンタ20との接続は、例えばケーブル、インターネット、有線LAN(Local
Area Network:ローカルエリアネットワーク)及び無線LAN、並びにBluetooth(ブルートゥース、登録商標)により行われる。
【0020】
図1(b)は印刷システム100の処理を例示するシーケンス図である。コンピュータ10は例えば文字などを含むイメージデータD1を生成し(ステップS1)、イメージデータD1をプリンタ20により印刷可能なデータに変換する(ステップS2)。コンピュータ10はバーコード情報I1(画像生成情報)を設定し(ステップS3)、バーコード情報I1をプリンタ20に送信する(ステップS4)。プリンタ20はバーコード情報I1に基づいてバーコードのイメージデータ(バーコードイメージデータD2、第1イメージデータ)を生成する(ステップS5)。プリンタ20はバーコードイメージデータD2をコンピュータ10に送信する(ステップS6)。コンピュータ10は、イメージデータD1とバーコードイメージデータD2とを合成することによりイメージデータD3(第3イメージデータ)を生成し(ステップS7)、プリンタ20に送信する(ステップS8)。プリンタ20はイメージデータD3を印刷する(ステップS9)。ステップS1及びS2と、ステップS3〜S6とは、順番を入れ替えてもよいし、並行して実行してもよい。以下、コンピュータ10及びプリンタ20の構成及び処理について詳しく説明する。
【0021】
図2は印刷システム100を例示する機能ブロック図である。
図2に示すように、コンピュータ10にはアプリケーション30及びプリンタドライバ32がインストールされている。アプリケーション30はイメージデータ生成手段31として機能する。プリンタドライバ32は、変換手段33、情報設定手段34、及び合成手段35として機能する。プリンタ20は、バーコードイメージデータ生成手段40、及び印刷制御手段42として機能する。
【0022】
各部分の処理について説明する。イメージデータ生成手段31は、イメージデータD1を生成する(
図1(b)のステップS1)。情報設定手段34は、バーコード情報I1を設定する(
図1(b)のステップS3)。
【0023】
図3(a)は変換手段33の処理を例示するフローチャートである。
図3(a)に示すように、変換手段33は、イメージデータ生成手段31により生成されたイメージデータD1を取得する(ステップS10)。変換手段33はイメージデータD1に含まれるRGBデータをグレースケールに変換し(ステップS11)、ディザリング処理を行う(ステップS12)。さらに変換手段33は、プリンタ20の用紙に合わせてイメージデータD1のサイズを変更する(ステップS13)。
図3(a)の処理により、イメージデータD1はプリンタ20により印刷可能なデータに変換される。ステップS13の後、処理は終了する。
【0024】
図3(b)はバーコードイメージデータ生成手段40の処理を例示するフローチャートである。
図3(b)に示すように、バーコードイメージデータ生成手段40は、コンピュータ10の情報設定手段34から送信されるバーコード情報I1を取得する(ステップS14)。バーコードイメージデータ生成手段40は、バーコード情報I1に基づきバーコードイメージデータD2を生成し(ステップS15)、コンピュータ10に送信する(ステップS16)。ステップS16の後、処理は終了する。
【0025】
図3(c)は合成手段35の処理を例示するフローチャートである。
図3(c)に示すように、合成手段35は、変換手段33からイメージデータD1を取得し、バーコードイメージデータ生成手段40からバーコードイメージデータD2を取得する(ステップS17)。合成手段35はイメージデータD1及びバーコードイメージデータD2を合成することによりイメージデータD3を生成し(ステップS18)、イメージデータD3をプリンタ20に送信する(ステップS19)。ステップS19の後、処理は終了する。プリンタ20の印刷制御手段42は印刷部28(
図1(a)参照)を駆動し、イメージデータD3を印刷する(
図1(b)のステップS9)。
【0026】
図4はバーコード情報I1の設定画面を例示する図である。バーコード情報I1には、バーコードの種類、サイズ及び位置が含まれる。ユーザは
図4の画面を用いてバーコード情報を入力する。
図4の画面において設定されたバーコード情報I1に基づき、プリンタ20のバーコードイメージデータ生成手段40はバーコードイメージデータD2を生成する。バーコード情報I1は、例えばバーコードのバイト数、及びバーコードデータなどを含んでもよい。
【0027】
実施例1と比較例とのそれぞれにおいて、イメージデータと印刷結果とを比較する。印刷結果とは、イメージデータに基づいてプリンタ20が印刷した結果である。
【0028】
比較例における処理を説明する。
図5は比較例に係る印刷システムの処理を例示するシーケンス図である。
図5に示すように、コンピュータはバーコード情報I2を設定し(ステップS20)、イメージデータD4を生成する(ステップS21)。イメージデータD4には、アプリケーションで生成されるイメージデータ、及びバーコード情報I2に基づくバーコードのイメージデータが含まれる。コンピュータのプリンタドライバはイメージデータD4を変換し(ステップS22)、変換後のイメージデータD4をプリンタに送信する(ステップS23)。プリンタはイメージデータD4に基づいて印刷を行う(ステップS24)。
【0029】
図6(a)は実施例1におけるイメージデータ50と印刷結果53とを例示する図である。
図6(a)に示すように、イメージデータ50はバーコード51及び文字52を含む。印刷結果53はバーコード54及び文字55を含む。バーコード51及び54はバーコードイメージデータD2に基づく。文字52及び55はイメージデータD1に基づく。バーコード51とバーコード54は略同一である。具体的には、バーコード51及び54において、位置、線の数、線幅、及び線間の距離などが略同一である。
【0030】
図6(b)は比較例におけるイメージデータ60と印刷結果62とを例示する図である。
図6(b)に示すように、印刷結果62に含まれるバーコード66は、イメージデータ60に含まれるバーコード64とは異なる。すなわち、印刷結果62は、イメージデータ60と異なる。例えばバーコードの複数の線が重なり太い線になる。このように、比較例においては、イメージデータと同一の印刷が困難であり、印刷の品質が低下する。このようなバーコード66は、バーコードスキャナなどの機械による読み取りが困難である。
【0031】
上記のように、実施例1によれば、イメージデータD3とほぼ同一の高品質な印刷が可能である。イメージデータD3の通りにバーコード54が印刷されるため、バーコードの読み取りエラーが抑制される。実施例1は1次元バーコードを印刷する例である。1次元バーコード以外に、機械により読み取られる文字列及び図形などを印刷してもよい。機械により読み取られる文字列及び図形とは、例えばQRコード(登録商標)のような2次元バーコードなどを含む。既述したように、高品質な印刷が可能であるため、読み取りエラーが抑制される。
【0032】
プリンタ20は、イメージデータD1(
図6(a)における文字52に対応)を生成してもよい。より高品質な印刷が可能である。ただし、文字55は機械により読み取られるものではないため、バーコード54よりも印刷の品質が低くてもよい。例えば文字55は人間により視認できればよい。従って、コンピュータ10がイメージデータD1を生成すればよい。プリンタ20はバーコードイメージデータD2を作成できる処理能力を有していればよい。具体的には、プリンタ20のメモリ24(
図1(a)参照)はバーコードイメージデータD2を展開できる領域を有していればよいため、メモリ24の大幅な増設はしなくてよい。プリンタ20の高コスト化は抑制される。
【0033】
アプリケーションがイメージデータD1及びバーコードイメージデータD2を生成し、プリンタドライバによる変換をせずにプリンタに送信することで、高品質な印刷は可能である。しかし、アプリケーションにバーコードイメージデータD2の生成機能を実装するため、ソフトが複雑化し、処理が遅くなる。また複数のアプリケーションを用いる場合、アプリケーションごとに異なるバーコードが印刷される恐れがある。実施例1によれば、アプリケーションはバーコードイメージデータD2を生成しないため、処理が高速になる。またプリンタ20がバーコードイメージデータD2を作成するため、複数のアプリケーションを用いた場合でもバーコードの品質に差異が生じ難い。例えばアプリケーション30が情報設定手段34を有してもよい。アプリケーション30により設定されたバーコード情報I1に基づいて、プリンタ20はバーコードイメージデータD2を生成することで、高品質な印刷が可能となる。プリンタ20はサーマルプリンタ以外に、インクジェットプリンタ、またはレーザプリンタなどでもよい。印刷システム100は、例えば包装、ラベル、タグ、及びレシートの印刷などに用いることができる。
【0034】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。