(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
携帯型電子機器が有するディスプレイパネルの周縁部と筐体の周縁部とを熱可塑性材を含む粘着層を有する粘着テープで接合する際に、上記ディスプレイパネルの周縁部に対応する枠状をなすように複数の粘着テープを配置し、これら粘着テープの端部同士を突き合わせるか、これら粘着テープの端部同士を重ね合わせるか、これら粘着テープの端部間に形成された隙間を粘着テープと同素材で埋めるかのいずれかを行って上記複数の粘着テープを接続した後、上記粘着層をレーザー光の照射による熱により加熱して軟化または溶融させて上記ディスプレイパネルの周縁部と上記筐体の周縁部とを接合することを特徴とする粘着テープを用いた接合方法。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばスマートフォンやタブレット端末、デジタルカメラ、携帯型音楽プレーヤー等の携帯型電子機器は、例えば液晶ディスプレイ等のディスプレイパネルと、CPUや充電池等を収容する筐体とを備えており、これらディスプレイパネルと筐体は粘着テープによって接合されているのが一般的な構成となっている。
【0003】
そして、ディスプレイパネルと筐体とを接合する際には、粘着テープをディスプレイパネルの周縁部に沿う枠状に切断し、その枠状の粘着テープをディスプレイパネルや筐体の周縁部に貼り付け、その後、ディスプレイパネルと筐体とを合わせる。
【0004】
この際に用いられる粘着テープとしては、筐体の接合面への追従性、ディスプレイパネルと筐体との間の防水性の確保、落下時等の衝撃吸収のために、発泡体基材の両面に粘着層を設けた両面粘着テープが用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
特許文献1には、発泡体基材の両面に粘着層を有する両面粘着テープにおいて、発泡体基材として、25%圧縮強度が40〜160kPa、引張強度が300〜500N/cm
2の範囲にあるものを使用し、これにより、剛体同士の接合に対しても両面粘着テープと被着体との間の密着性を向上させ、筐体内への水の浸入を防止することが開示されている。
【0006】
特許文献2には、発泡体基材の両面に粘着層が設けられており、総厚みを250μm以下とし、引張強さを0.5〜20MPaの範囲にすることで、防水性(止水性)及び加工性に優れる両面粘着テープとすることが開示されている。
【0007】
特許文献3には、発泡体基材の両面に粘着層を有する両面粘着テープであって、発泡体基材の層間強度を12N/cm以上とし、25%圧縮強度を30〜170kPaとし、粘着層が、炭素数4〜12の(メタ)アクリレート及びカルボキシル基を有するビニルモノマーをモノマー成分として有するアクリル系共重合体と、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂とを含有するアクリル系粘着剤組成物からなる両面粘着テープが開示されている。さらに、特許文献3には、剛体同士の貼り合わせに際しても両面粘着テープと被着体との間の密着性を高め、リワーク適性や再剥離性を実現でき、さらには水の浸入を効果的に防止できることも記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1〜3の両面粘着テープによれば、基材が発泡体で非常に柔軟なため、ディスプレイパネルにおける筐体との接合面や、筐体におけるディスプレイパネルとの接合面の凹凸に粘着テープが追従しやすいという利点がある。
【0010】
ところが、ディスプレイパネルと筐体とを接合する際には、上述のように粘着テープはディスプレイパネルの周縁部の形状に沿うように枠状に打ち抜いて使用するのであるが、枠状に打ち抜いた場合、その内側にできる大きな抜きカスは使用することができないので、粘着テープの廃棄量が多くなり、歩留まりが非常に悪い。
【0011】
そこで、粘着テープを例えばディスプレイパネルの各辺部に沿う直線状の粘着テープとなるように切断し、これら粘着テープを複数本組み合わせてディスプレイパネルの周縁部に沿う枠状に構成することが考えられる。これにより、枠状に打ち抜く場合に比べて大きな抜きカスが無くなる分、歩留まりの大幅な向上が見込まれるので、最終製品の低コスト化を図ることができる。
【0012】
しかしながら、複数の粘着テープを組み合わせる場合には、それら粘着テープの端部同士を接合して枠状に構成しなければならない。このときに粘着テープの端部同士を接合するのが困難なことが考えられる。すなわち、特許文献1〜3の発泡体基材は柔軟であるが架橋しているのでそれ自体に接着性がない。その上、特許文献1〜3の両面粘着テープの粘着層の厚みは20〜30μmと薄く、しかも、粘着層も架橋しているので粘着層同士を突き合わせたとしても互いに接着しない。
【0013】
さらに、発泡体基材を有する粘着テープの端部同士を重ね合わせた場合は、各々の発泡体基材に反発力があるので、重ね合わせた部分が厚くなり、その結果、ディスプレイパネルと筐体との間に隙間ができて防水性が確保できず、また、部分的な接着となるので接合強度も低下する。
【0014】
また、2つの粘着テープの端部の間に隙間がある場合も粘着層は架橋しているのでディスペンサー等を使用して粘着テープの端部間の隙間を接着剤で埋めることは困難であり、粘着テープの端部同士を接着できない。さらに、架橋する前の粘着剤を用いて粘着テープの端部間の隙間を埋めるようにしたとしてもその部分の凝集力がないので、防水性の確保が困難である。
【0015】
その上、粘着テープの発泡体基材における筐体等との接合面に対応する部分には独立気泡が開口した状態で存在することになる。その気泡の開口幅は200μm〜600μm、あるいはそれ以上になることもあり、大きさがまちまちである。したがって、例えば粘着テープの幅を狭くすると、単位面積当たりの接合面に対応する部分に開口する独立気泡の開口数が多くなり、また、接合面の幅よりも独立気泡の開口幅の方が広くなる可能性が高まる。このことは接合強度の低下、及び防水性能の急激な低下を意味する。
【0016】
また、一般的にはディスプレイパネルと筐体とを接合した後、電子機器の良否判定を行うが、このとき、ディスプレイパネルと筐体のどちらかが不良の場合、ディスプレイパネルを筐体から剥離して不良品の修理や交換を行うのがコストの面から好ましい。
【0017】
しかし、発泡体基材の場合、剥離力を加えた際、独立気泡が存在していることから発泡体基材が凝集破壊しやすく、ディスプレイパネルと筐体の両方の接合面に発泡体基材や粘着層が残り、その除去が非常に困難であり、再使用が難しい。
【0018】
また、一般のアクリル系粘着剤は凝集力を向上させるために架橋させているので、発泡体基材から分離して粘着剤をリサイクルすることは困難であり、例えば額縁状に打ち抜いたときにできる内側の大きな抜きカスは廃棄するしか方法がなく、資源の有効活用ができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ディスプレイパネルと筐体とを接合する際に、粘着テープの歩留まり及びリサイクル容易性の向上を図り、しかも、防水性を確保するとともに、ディスプレイパネルと筐体との接合強度を十分に得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明者らが鋭意研究した結果、以下のような構成を備えた方法であれば上記課題を解決できることを見いだし、本発明に至った。
【0020】
第1の発明は、携帯型電子機器が有するディスプレイパネルの周縁部と筐体の周縁部とを熱可塑性材を含む粘着層を有する粘着テープで接合する際に、上記ディスプレイパネルの周縁部に対応する枠状をなすように複数の粘着テープを配置し、これら粘着テープの端部同士を突き合わせるか、これら粘着テープの端部同士を重ね合わせるか、これら粘着テープの端部間に形成された隙間を粘着テープと同素材で埋めるかのいずれかを行って上記複数の粘着テープを接続した後、上記粘着テープをレーザー光の照射による熱により加熱して軟化または溶融させて上記ディスプレイパネルの周縁部と上記筐体の周縁部とを接合することを特徴とする粘着テープを用いた接合方法である。
【0021】
この構成によれば、粘着テープの端部同士を突き合わせて接続するか、重ね合わせて接続するか、粘着テープの端部間の隙間を同じ素材で埋めて接続することが可能になるので、粘着テープを枠形状に打ち抜くことなく、枠形状の各辺部を構成する粘着テープを複数用意すればディスプレイパネルと筐体との周縁部の全周の接合に対応することが可能になる。これにより、粘着テープの廃棄を最小限に抑えられ、また、粘着テープのカット形状の工夫によって粘着テープをほとんど廃棄する必要がなくなる。
【0022】
また、本発明の粘着層は熱可塑性材を含んでいるが、これを熱可塑性のエラストマーとすることで、粘着層を熱により容易に軟化または溶融することが可能であり、熱を加えるだけで粘着テープの端部同士を容易に接続することができて十分な防水性が得られるとともに、高い接合強度も得られる。
【0023】
また、粘着テープの端部同士が重ね合わされた場合でも、重ね合わせ部分にできる凸部は熱により容易に軟化または溶融させることが可能であるので凸部が広がって薄くなり、重ね合わせた部分以外の部分と同一厚さにすることが可能になるので、重ね合わせ部分があってもディスプレイパネルと筐体との間に隙間ができたりすることなく、粘着テープ同士を均一厚さで接続することができて十分な防水性が得られるとともに、高い接合強度も得られる。
【0024】
さらに、粘着テープの端部同士の間に隙間がある場合でも、同一組成のテープやディスペンサーを用いて隙間を埋めて粘着テープ同士を接続することが可能になるので、十分な防水性が得られるとともに、高い接合強度も得られる。
【0025】
第2の発明は、第1の発明において、
上記ディスプレイパネルの周縁部には、レーザー光吸収性を有するレーザー光吸収部を設けておき、上記粘着テープは、上記レーザー光吸収部に対応するように配置し、レーザー光を上記レーザー光吸収部に照射して上記レーザー光吸収部を発熱させ、上記レーザー光吸収部の熱により上記粘着層を加熱することを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、ディスプレイパネルの周縁部のレーザー光吸収部を、例えば、ディスプレイパネルの周縁部に設けられる端子が表側から見えないようにするための額縁部とした場合に、額縁部を利用して粘着層を加熱することが可能になる。
【0027】
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記粘着テープは、枠形状の一部の辺をなすようにダイカットし、またはテープ状にカットして枠状に組み合わせることを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、ダイカットすることで、最も廃棄物が少ない方法で粘着テープをカットすることが可能になる。また、ダイカットした粘着テープを組み合わせることにより、廃棄物を最小限に抑えることが可能になる。さらに、テープ状にカットする場合はほとんどすべての粘着テープを有効に使用することができるので経済的、環境的にやさしいシステムを構築することができる。
【0029】
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、
上記粘着テープの端部間に形成された隙間を上記粘着テープと同素材で埋める場合に、当該隙間に上記粘着テープと同素材の粘着フィルムを置くか、当該隙間にディスペンサーを用いて同素材の粘着剤を充填することを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、粘着テープの端部間の隙間を確実に埋めて十分な防水性が得られるとともに、高い接合強度も得られる。
【0031】
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、
上記粘着テープの端部に対応する部位にのみレーザー光をスポット照射して予め上記粘着テープの端部の粘着層のみを軟化または溶融させて上記粘着テープの端部同士を接続することを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、枠状の粘着テープの全周にレーザー光を照射する必要がなく、粘着テープの端部に対応する部位にのみスポットでレーザー光を照射することで、粘着テープの端部の粘着層のみを軟化または溶融させて粘着テープを全周に亘って均一厚さにできるので、レーザー光の照射に要するエネルギー量を低減しながら、高い防水性を確保することが可能になる。
【0033】
第6の発明は、第5の発明において、
上記粘着テープの端部同士を接続した後、上記粘着テープの全周にレーザー光を照射することを特徴とする。
【0034】
この構成によれば、粘着テープの全周の加熱を行い、時間が経過することで粘着層がディスプレイパネル及び筐体に馴染み、さらに防水性が向上する
。
【発明の効果】
【0035】
第1の発明によれば、熱可塑性材を含む複数の粘着テープの端部を接続できるので、従来の枠形状に打ち抜く場合に比べて粘着テープの歩留まり及びリサイクル容易性を向上できる。さらに、高い防水性を確保できるとともに、ディスプレイパネルと筐体との接合強度を十分に得ることができる。
【0036】
第2の発明によれば、ディスプレイパネルの周縁部にレーザー光吸収部を設けておき、レーザー光をレーザー光吸収部に照射してレーザー光吸収部を発熱させ、レーザー光吸収部の熱により粘着層を加熱することができる。例えばレーザー光吸収部を額縁部とした場合には、額縁部を利用して粘着層を確実に加熱して軟化または溶融させることができる。
【0037】
第3の発明によれば、ダイカット、またはテープ状にカットした粘着テープを枠状に組み合わせるようにしたので、廃棄物を最小限に抑えることができ、経済的、環境的にやさしいシステムを構築することができる。
【0038】
第4の発明によれば、粘着テープの端部間の隙間に粘着テープと同素材の粘着フィルムを置くか、ディスペンサーを用いて同素材の粘着剤を充填するようにしたので、粘着テープの端部間の隙間を確実に埋めて高い防水性を確保できるとともに、ディスプレイパネルと筐体との接合強度を十分に得ることができる。
【0039】
第5の発明によれば、粘着テープの端部に対応する部位にのみレーザー光をスポット照射するようにしたので、レーザー光の照射に要するエネルギー量を低減しながら、高い防水性を確保できるとともに、ディスプレイパネルと筐体との接合強度を十分に得ることができる。
【0040】
第6の発明によれば、粘着テープの端部同士を接続した後、粘着テープの全周にレーザー光を照射するようにしたので、粘着層がディスプレイパネル及び筐体に馴染み、さらに高い防水性を確保できるとともに、ディスプレイパネルと筐体との接合強度を十分に得ることができる
。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0043】
図1は、本発明に係る粘着テープを用いた接合方法によって製造されるスマートフォン(携帯型電子機器)100の分解斜視図である。
【0044】
スマートフォン100は、ディスプレイパネル101と、筐体102とを有している。
図1では、スマートフォン100が有する制御装置、スピーカ、カメラ、充電池等は省略している。ディスプレイパネル101は、略矩形の平板状であり、例えば、周知の液晶パネルや有機ELパネル等で構成することができるが、これらに限られるものではなく、各種表示デバイスを用いることができる。
【0045】
ディスプレイパネル101には、図示しないが使用者が触れたことを検出できる周知のタッチセンサを設けることができる。また、ディスプレイパネル101の周縁部には、額縁部(レーザー光吸収部)101aが設けられている。すなわち、ディスプレイパネル101の周縁部には、タッチパネルに接続される端子(図示せず)があり、この端子がディスプレイパネル101の表側から見えないようにするために、ディスプレイパネル101の周縁部には、黒色で着色された領域を設け、この黒色領域を額縁部101aとしている。
図1において斜線で示す部分が額縁部101aである。額縁部101aは黒色であるため、レーザー光が照射されるとその大部分を吸収して発熱する。尚、額縁部101aの色は黒色に限られるものではない。
【0046】
筐体102は、例えばプラスチックや金属等の硬質部材からなるものであり、制御装置、スピーカ、カメラ、充電池等を収容することができるように箱状に形成されている。筐体102の開放側の周縁部は、同一平面上に位置するように形成されており、この開放側は、ディスプレイパネル101によって閉塞されるようになっている。筐体102の開放側の外形と、ディスプレイパネル101の外形とは略同じに設定されている。
【0047】
スマートフォン100は、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2も有している。第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2は、ディスプレイパネル101と筐体102とを接合するためのものであり、この実施形態では同じ素材からなるものである。以下、第1粘着テープ1について詳しく説明する。
【0048】
第1粘着テープ1は、フィルム状の基材と、基材の両面にそれぞれ層状に設けられた2つの粘着層とを有する3層構造としているが、基材を省略して粘着層のみの単層構造とすることもできる。基材は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプロピレン)のように硬く密度の高い材料を用いるのが好ましい。この場合には、単層構造のものよりもダイカット性に優れる。第1粘着テープ1を単層構造として厚みを厚くしたい場合には、厚み方向に重ねて貼り合わせることにより容易に厚くすることができる。
【0049】
第1粘着テープ1が基材を含む場合は、第1粘着テープ1を例えばレーザー光により加熱しても基材が溶融しない温度範囲であれば、基材の厚み以下にはならないため、基材の厚みと粘着層の厚みの両方を考慮する必要があり、基材が接合後の第1粘着テープ1の総厚みより薄くなるようにしておくのが好ましい。
【0050】
第1粘着テープ1が基材を含まない単層構造の場合は、レーザー光の照射により加熱すると、第1粘着テープ1の全てが軟化または溶融することになる。この単層構造の場合、接合強度を維持できる厚みで、しかも、ディスプレイパネル101や筐体102の接合面への追従性を確保できる程度の厚みに設定するのが好ましい。
【0051】
従来例の発泡体基材を有する両面粘着テープでは、テープ幅が狭い、いわゆる狭額縁状にカットされた場合、粘着テープの外面に開口する独立気泡の数が増えて発泡体基材の強度が低下するとともに、外圧に対する抵抗力が著しく低下し、水圧が作用した際に漏水しやすくなる。また、剥離力が作用した際に発泡体基材が破壊されやすくなるという欠点もあった。
【0052】
これに対し、本実施形態の第1粘着テープ1では、粘着層が熱可塑性のエラストマーを主成分とした気泡を含まないもの(ソリッド構造)である。このため、第1粘着テープ1を狭額縁状にダイカットした場合でも、外面に開口する気泡がないので、外圧に対する抵抗力が急激に低下するものではなく、ディスプレイパネル101や筐体102に対する粘着力と粘着層自体の強度とにより、ディスプレイパネル101と筐体102との間の防水性が十分に確保されるとともに、高い接合強度も得られる。
【0053】
粘着層の主成分を熱可塑性のスチレン系のエラストマーから構成するのが好ましい。すなわち、熱可塑性のスチレン系のエラストマーは、ゴム弾性があり凝集力が接着力より強いため、接合対象物に粘着した状態の第1粘着テープ1を指で摘まんで剥離方向に力を加えると、第1粘着テープ1が破断することなく、第1粘着テープ1を接合対象物から容易に剥離することができる。このため、仮接着を失敗したときや、接合後、ディスプレイパネル101を筐体102から剥がして再度良品の部品を利用するリワーク時に効果的に働く。
【0054】
熱可塑性のスチレン系のエラストマーは有機溶剤に対する溶解性が良好で、その溶解性は可逆的であるので、粘着層単層構造の場合、ダイカット時の残りカス(抜きカス)全てを再度有機溶剤に溶解し、これを再度コーティング方式によって被コーティング物にコーティングすることで粘着層として再生することができる。
【0055】
粘着層を構成するスチレン系エラストマーとしては、SBS(ポリスチレン-ポリ(ブチレン)ブロック-ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン-ポリ(イソプレン)ブロック-ポリスチレン)、SIBS(ポリスチレン-ポリ(イソプレン・ブチレン)ブロック-ポリスチレン)、SEP(ポリスチレン-ポリ(エチレン・プロピレン)ブロック)、SEPS(ポリスチレン-ポリ(エチレン・プロピレン)ブロック-ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン-ポリ(エチレン・ブチレン)ブロック-ポリスチレン)、SEEPS(ポリスチレン-ポリ(エチレン-エチレン・プロピレン)ブロック-ポリスチレン)等が挙げられる。
【0056】
また、粘着層に混合するタッキファイアとしては、ロジン系粘着付与剤やテルペン系粘着付与剤、炭化水素系粘着付与剤を単独または混合して使用することができ、液状オリゴマーとしてはアクリル系、スチレン系、ゴム系、ポリエステル系の分子量数百から数千程度の高粘度の重合体を使用することができる。
【0057】
粘着層の厚みは、基材がない場合は140μm以上、基材がある場合は片側を70μm以上に設定するのが好ましい。この設定厚み以下の場合は、筐体102の接合面に段差がある場合に粘着層をその段差に追従させることが困難になることがある。
【0058】
また、第1粘着テープ1が基材を有する場合も、粘着層のみ溶解し、基材と粘着層成分とを分離・回収した後、粘着層成分をコーティング方法を用いて再利用することができる。
【0059】
図2に示すように、第1粘着テープ1は、筐体102の2つの短辺部のうちの一方の短辺部と、2つの長辺部のうちの一方の長辺部とに沿うように平面視で略L字状をなしている。この第1粘着テープ1は、筐体102の一方の短辺部と一方の長辺部との接合面に貼り付けられる。
【0060】
第2粘着テープ2は、筐体102の他方の短辺部と、他方の長辺部とに沿うように平面視で略L字状をなしており、第1粘着テープ1と同じ形状である。この第2粘着テープ2は、筐体102の他方の短辺部と他方の長辺部との接合面に貼り付けられる。
【0061】
第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を筐体102の接合面に貼り付けると、ディスプレイパネル101の周縁部に対応する矩形の枠状をなす。この枠形状は、額縁部101aの形状と同じである。このとき、
図3に拡大して示すように、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を突き合わせて隙間が形成されないようにする。これにより十分な防水性を確保することができる。
【0062】
第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2は、ダイカットにより得ることができる。まず、
図4に示すように、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の素材となる十分に広いシート材Aを用意する。シート材Aは、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2と同じ材料、層構造であり、略矩形状である。このシート材Aをダイカットしていく。シート材Aの縁部を利用して第1粘着テープ1をダイカットする。そうしてできた縁部を利用して第2粘着テープ2をダイカットする。第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2が同じ略L字状であるため、シート材Aからダイカットする際に、隙間無く、即ち、廃棄量を極めて少なくしながら、効率よく第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を取ることができる。この場合、色々なダイカットの形態を組み合わせることにより、
図4に示すものよりもさらに取高を多くすることも可能となる。例えば、筐体102の長辺部または短辺部に沿う直線のテープ状にカットして4本の粘着テープを枠状に組み合わせることもできる。
【0063】
次に、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を用いてディスプレイパネル101と筐体102とを接合する要領について説明する。まず、ダイカットした第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を
図2に示すように筐体102の接合面に貼り付ける。これにより、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2がディスプレイパネル101の周縁部に対応する枠状をなすように配置される。このとき、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を突き合わせて第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を接続する。
【0064】
その後、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2にディスプレイパネル101を重ねる。これにより、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2がディスプレイパネル101の額縁部101aに対応するように配置される。尚、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2は、先にディスプレイパネル101の周縁部の接合面に貼り付け、その後、筐体102を第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2に貼り付けるようにしてもよい。
【0065】
しかる後、ディスプレイパネル101側からディスプレイパネル101の額縁部101aに向けてレーザー光を照射する。このとき、最初に、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部に対応する部位にのみレーザー光をスポット照射する。スポット照射されたレーザー光は、ディスプレイパネル101の額縁部101aにおける第1粘着テープ1の端部及び第2粘着テープ2の端部に対応する部位に吸収されて当該部位が発熱する。額縁部101aの熱は、隣接する第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部に伝達する。これにより、予め第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部の粘着層のみを軟化または溶融させることができ、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を隙間無く接続することができる。
【0066】
次いで、ディスプレイパネル101の額縁部101a全周に亘ってレーザー光を照射する。これにより、ディスプレイパネル101の額縁部101aの全周が発熱し、その熱によって第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の全周が加熱されて第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2が軟化または溶融するので、ディスプレイパネル101の接合面及び筐体102の接合面の形状に追従するように変形するとともに密着する。
【0067】
このときにディスプレイパネル101及び筐体102をクランプして第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2に対して密着させるようにするのが好ましい。クランプ圧力の最適な値は、0.3MPa以上3.0MPa以下の範囲である。
【0068】
クランプ圧力が0.3MPaより低い場合は、て第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の接続部分と、それ以外の部分との厚さを揃えるのが困難になり、逆にクランプ圧力が3.0MPaよりも高い場合は、ディスプレイパネル101に過剰な圧力がかかり、ディスプレイパネル101を破損させる恐れがあり好ましくない。
【0069】
また、レーザー光の種類は、例えば固体レーザー、気体レーザー、半導体レーザー等を使用することができるが、作業性の点から半導体レーザーが好ましい。
【0070】
レーザー光の波長は800nm以上1500nm以下の範囲が好ましく、入力エネルギーは0.5J以上2.0J以下の範囲とし、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の接続部分が接着して接続部分とその他の部分との厚さが同等になり、しかも、額縁部101aが損傷しないで防水性が確保できる出力を選択することができる。
【0071】
また、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部に対応する部位にのみレーザー光をスポット照射する場合、入力エネルギーが0.5J以上2.0J以下の範囲となるようにレーザー光を照射すれば、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を確実に接続することができ、さらにその後、全周にレーザー光を照射して接合を確実なものにすることもできる。
【0072】
以上説明したように、この実施形態によれば、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を突き合わせて接続することが可能になるので、粘着テープを枠形状に打ち抜くことなく、枠形状の各辺部を構成する第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を用意すればディスプレイパネル101と筐体102との周縁部の全周の接合に対応することが可能になる。これにより、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の製造時にシート材Aの廃棄量を最小限に抑えられ、また、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2のカット形状の工夫によってシート材Aをほとんど廃棄する必要がなくなる。
【0073】
また、本実施形態では、粘着層を熱可塑性のエラストマーとすることで、粘着層を熱により容易に軟化または溶融することが可能であり、熱を加えるだけで第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を容易に接続することができて十分な防水性が得られるとともに、高い接合強度も得られる。
【0074】
したがって、従来の枠形状に打ち抜く場合に比べて第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の歩留まり及びリサイクル容易性を向上できる。さらに、高い防水性を確保できるとともに、ディスプレイパネル101と筐体102との接合強度を十分に得ることができる。
【0075】
尚、上記実施形態では、スマートフォン100のディスプレイパネル101と筐体102とを接合する場合に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、タブレット端末、デジタルカメラ、携帯型音楽プレーヤー、携帯型ゲーム機等を製造する場合にディスプレイパネルと筐体とを接合する際にも適用することができ、ディスプレイパネル及び筐体を有する各種携帯型電子機器が本発明の適用対象である。
【0076】
また、
図5に示す変形例1のように、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を突き合わせる際、端部を斜めにカットして突き合わせるようにしてもよい。これにより、突き合わせ部分の面積を広く確保することができ、防水性をより高めることができる。
【0077】
図6は、変形例2に係るものであり、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を重ね合わせた場合を示している。このように、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の重ね合わせ部分は、他の部分に比べて厚くなるが、ディスプレイパネル101と筐体102とを合わせた後、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の重ね合わせ部分に対応する部位にレーザー光を照射すれば、そのときの熱によって第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の粘着層を軟化または溶融させ、重ね合わせ部分の厚みが、重ね合わせていない部分と同一厚さになり、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を隙間なく接続することができる。
【0078】
また、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を重ね合わせた場合でも、重ね合わせ部分にできる厚肉部分である凸部は、レーザー光の照射によって発生する熱で容易に軟化または溶融させることが可能であるので凸部が広がって薄くなり、重ね合わせた部分以外の部分と同一厚さにすることが可能になる。これにより、重ね合わせ部分があってもディスプレイパネル101と筐体102との間に隙間ができたりすることなく、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2同士を均一厚さで接続することができて十分な防水性が得られるとともに、高い接合強度も得られる。
【0079】
さらに、
図7に示す変形例3のように、筐体102の接合面に、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を重ね合わせた場合の厚みの増加分だけ凹む凹み部102aを設けるように加工すれば、粘着層成分のテープ幅側へのはみ出しを最小限にとどめることも可能である。
【0080】
図8は、変形例4に係るものであり、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を離して配置し、これら粘着テープ1、2の端部間に形成された隙間を粘着テープ1、2と同素材の粘着剤3で埋めることによって第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部を接続するようにしている。粘着剤3は、例えばディスペンサーを用いて上記隙間に充填することができるが、これに限られるものではない。第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の間で盛り上がった粘着剤3は、ディスプレイパネル101と筐体102とを合わせた後、レーザー光を照射すれば、その熱で粘着剤3を軟化または溶融させ、他の部分と同一厚さにすることができ、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を隙間なく接続することができる。
【0081】
したがって、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部間に隙間がある場合でも、同素材の粘着剤3をディスペンサーで充填するか、同素材の粘着フィルムを置いて隙間を埋めて粘着テープ1、2同士を接続することが可能になるので、十分な防水性が得られるとともに、高い接合強度も得られる。
【0082】
第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を突き合わせるか、重ね合わせるか、同素材で隙間を埋める場合、密着性を確保するためと、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の接続部分とそれ以外の部分との厚さを揃えるために、ディスプレイパネル101と筐体102との全体にクランプ圧力をかけてレーザー光を照射するのが好ましい。
【0083】
第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の接続部分の厚みが他の部分と同一になっているかを確認する方法としては、接合に使用するディスプレイパネル101と、透明な筐体状のプラスチックとを用意して上述のようにレーザー光を照射して接合し、全周が均一に接合しているかを目視で確認する方法がある。この方法を利用して接合を確認することで、クランプ圧とレーザー光の照射の条件の最適範囲を設定することができる。
【0084】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【実施例】
【0085】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例を説明する前に、エアリークの試験方法について説明する。
【0086】
エアリーク試験
まず、厚さ0.7mm、縦50mm×横100mmの長方形の化学強化ガラス(コーニング社製ゴリラガラス)を用意する。そのガラスの片面の周縁部全周に、黒色のスクリーン印刷によって額縁部を形成する。そして、ガラスの額縁部全周にテープ幅0.5mmの粘着テープを貼り付ける。
【0087】
次に、中心に10mmの丸い穴のあいた厚さ3mm、縦100mm×横100mmの正方形の透明ポリカーボネート板を用意する。ポリカーボネート板を化学強化ガラス上の粘着テープに重ねる。この接合状態で、1.0MPaのクランプ力で30秒間クランプした。
【0088】
エアーホースをつなげたゴム栓を用いてポリカーボネート板の丸い穴を気密状態で塞ぎ、この状態で化学強化ガラス及びポリカーボネート板を水中にいれ、0.02MPaの空気圧を化学強化ガラス及びポリカーボネート板の間に加え、最長12分で空気が接合部分から漏れるか否かを確認する。すなわち時間が長いほど防水性が高いことを意味する。この空気圧力は水深2mにおける水圧に相当する。
【実施例1】
【0089】
スチレン・ブタジェン・スチレン共重合物いわゆるSBS(Kraton製D−1118)56重量部とSBS(JSR株式会社製TR2601)44重量部およびタッキファイアとしてテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターT−115)50重量部、オイル(株式会社クラレ製 LBR−305)10重量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製 イルガノックス1010) 1重量部をトルエンに溶解して固形分40重量%の粘着剤溶液を調整した。
【0090】
38μmPETセパレーター(SBK−1 フジコー株式会社製)上にアプリケーターを使用して乾燥膜厚が100μmになるように塗布・乾燥して単層構造の粘着テープを作成し、これを2枚貼り合わせて200μmの基材のない粘着テープを作成した。
【0091】
図4のように幅0.5mmの略L字形状にダイカットして第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を得る。その後、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を化学強化ガラスの額縁部の4つの辺部に沿う枠状をなすように貼り付け、
図6のように第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部を重ね合わせる。そして、ポリカーボネート板を化学強化ガラス上の第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2に重ねる。クランプ圧力1.0MPaを化学強化ガラスの周縁部全体にかけて、1.0Jの入力エネルギーで照射径1.6mm、波長940nmの半導体レーザー光を、化学強化ガラスの額縁部における第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の重ね合わせ部に向けてスポット照射した。これにより、第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の重ね合わせ部分とそれ以外の部分の厚さは同じになった。
【0092】
その後、化学強化ガラスの額縁部全周に1.0Jの入力エネルギーで波長940nmの半導体レーザー光を照射した。このときの照射速度は20mm/secであり10Wのレーザー出力であった。
【0093】
上記のようにして得たサンプルを上記した方法でエアリーク試験を行ったが12分経過しても空気の漏れは発生しなかったので、高い防水性が得られている。
【実施例2】
【0094】
38μm易接着PETフィルム(A−4300 東洋紡株式会社製)の両面に実施例1と同様の粘着剤溶液をアプリケーターで乾燥膜厚100μmになるように両面に塗り、これを38μmPETセパレーター(SBK−1 フジコー株式会社製)で挟んで、セパレーターの上からゴムロールで圧着し、基材の両面に粘着層を有する多層構造の粘着テープを作成した。この粘着テープを0.7mmの幅にカットし、化学強化ガラスの額縁部の4つの辺部に沿う枠状をなすように貼り付けた。このとき粘着テープの端部同士の隙間は0.2mmであった。
【0095】
ホットメルトディスペンサー(DP300S 株式会社サンツール製)に上記と同じ粘着剤組成物を仕込み、温度150℃で溶融させた。
【0096】
このディスペンサーを用いて、粘着剤組成物を粘着テープの端部同士の隙間に、隙間が埋まるように充填した。
【0097】
実施例1と同様にレーザー光を照射した。この時の照射速度は20mm/secであり10Wのレーザー出力であった。
【0098】
実施例1と同様にエアリーク試験をおこなったが12分経過しても空気の漏れは発生しなかったので、高い防水性が得られている。
【実施例3】
【0099】
実施例1と同様に粘着剤溶液をセパレーターに100μmの厚さに塗り、2枚の粘着テープを貼り合わせて200μmの粘着テープとした。
図5に示すように幅0.6mmとし、突き合わせ部分の面積が大きくなるように斜めにダイカットして第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2を得た。第1粘着テープ1及び第2粘着テープ2の端部同士を突き合わせて、実施例1と同様にレーザー光を照射した。
【0100】
実施例1と同様にエアリーク試験をおこなったが12分経過しても空気の漏れは発生しなかったので、高い防水性が得られている。
【0101】
発泡体基材の携帯型電子機器用両面粘着テープ#5225((積水化学工業製 テープ厚み250μm)を実施例1と同様にダイカットした。ただしテープ幅は1.0mmとした。
【0102】
実施例1と同様に化学強化ガラスの額縁部4つの辺部に沿うように貼り付け、粘着テープの端部同士を重ね合わせた。
【0103】
ポリカーボネート板を化学強化ガラスに貼った粘着テープに貼り合わせ、クランプ圧力1.0MPaを化学強化ガラス側からかけた。
【0104】
実施例1と同様にエアリーク試験を行ったところ、1秒で空気の漏れを確認した。これは発泡体基材が厚くかつ架橋しており、上記のように全体的にクランプ力をかけた場合、粘着テープの重ね合わせ部は他の部分よりも反発力が大きいので、他の部分の接着力保持性能が低下したためと推測される。