(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208518
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】漏液検知線
(51)【国際特許分類】
G01M 3/16 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
G01M3/16 E
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-207479(P2013-207479)
(22)【出願日】2013年10月2日
(65)【公開番号】特開2015-72168(P2015-72168A)
(43)【公開日】2015年4月16日
【審査請求日】2016年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108742
【氏名又は名称】タツタ電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(72)【発明者】
【氏名】芦澤 努
(72)【発明者】
【氏名】久保田 朋幸
(72)【発明者】
【氏名】林 哲洋
【審査官】
素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−013004(JP,A)
【文献】
特開平03−034214(JP,A)
【文献】
特開昭61−002034(JP,A)
【文献】
特開2002−277341(JP,A)
【文献】
特開平04−134235(JP,A)
【文献】
特公平03−054785(JP,B2)
【文献】
実開平04−138258(JP,U)
【文献】
実開平05−062838(JP,U)
【文献】
実開昭60−031659(JP,U)
【文献】
実開平04−059440(JP,U)
【文献】
実開平04−127541(JP,U)
【文献】
実開平04−138257(JP,U)
【文献】
米国特許第05381097(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0101799(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検知導体を並列して、各検知導体間をその検知領域の全長に亘って透液性の絶縁材で絶縁し、漏れ出た液が前記絶縁材に浸み込んで各検知導体間が導通状態となった際に漏液を検知するようにした漏液検知線であって、
上記絶縁材を、撥水性を有する難燃性繊維と吸水性を有する難燃性繊維との編組としたことを特徴とする漏液検知線。
【請求項2】
検知導体が絶縁性内部編組体で被覆され、その検知導体の複数を並列して、その周囲を外部編組体で被覆し、漏れ出た液が前記外部編組体及び前記内部編組体に浸み込んで各検知導体間が導通状態となった際に漏液を検知するようにした漏液検知線であって、
上記内部編組体及び外部編組体を、撥水性を有する難燃性繊維と吸水性を有する難燃性繊維の編組としたことを特徴とする漏液検知線。
【請求項3】
検知導体が絶縁性内部編組体で被覆され、その検知導体の複数を並列して、その周囲を外部編組体で被覆し、漏れ出た液が前記外部編組体及び前記内部編組体に浸み込んで各検知導体間が導通状態となった際に漏液を検知するようにした漏液検知線であって、
上記内部編組体及び外部編組体を、撥水性を有する難燃性樹脂繊維の編組とし、その外部編組体と内部編組体の間に吸水性を有する難燃性繊維の介在を設けたことを特徴とする漏液検知線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物内部(天井、床等)や機器・装置内の漏液、又は薬液等の貯蔵、運搬時の漏液を検知する漏液検知線に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の床面等に漏水が生じたり、薬液タンク等から薬液が漏れ出たりすると、その周囲の機械類が故障したり、作業者が薬傷を負ったりする恐れがある。このため、床面や薬液タンク付近に漏水又は漏液(以下、両者を「漏液」と称する。)を検知する漏液検知線を設置し、漏液が発生した際にアラーム等の警報を発して異常を周囲に知らせるとともに、場合によってはその漏液箇所を特定して、速やかに漏液時の処置を取り得るように予め対策を講ずることが多い。
【0003】
漏液検知線の一例として、二本の検知導体を透液性の絶縁材(編組体)で絶縁しつつ並列に設けた構成のものがある(例えば、特許文献1の
図1等を参照)。この漏液検知線の検知導体の一方の端部には、電気抵抗値等を測定する測定システムが接続されている。漏液が発生すると、その漏液が絶縁材(編組体の編み目)に浸み込んで、その漏液箇所において両検知導体間が短絡して導通状態となる。すると、測定システムで測定される電気抵抗値が、漏液が発生していない場合と比較して低下し、それによって漏液の発生が検知される。さらに、漏液により形成された検知導体ループの電気抵抗値に基づいて、漏液箇所も特定することができる。
【0004】
従来、上記絶縁材は、ポリエチレン系の樹脂が使用されており(特許文献1段落0016参照)、セラミック繊維(ファイバー)も使用されている(特許文献2、特許請求の範囲)。また、フッ素樹脂も使用されている(特許文献2明細書第2頁上左欄第19〜20行)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−13004号公報
【特許文献2】特開平3−34214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、電線、ケーブルだけでなく、漏液検知線にも難燃性が要求されるようになっている。その難燃性は、例えば、大気中の酸素濃度であると、仮に、燃えたとしても自己消化する性質を発揮し得るものであって、延焼しないこととされている。
このため、上記ポリエチレン系の樹脂はその難燃性を有していないため、上記難燃性を要求される漏液検知線の絶縁体としては使用し得ない。
一方、セラミック繊維等は上記難燃性を有しているが、吸湿性(吸水性)が高く、上記絶縁体に使用すると、高湿度によって誤動作する恐れがある。また、フッ素樹脂繊維は難燃性を有しているが、吸湿性(吸水性)が低いため、検知精度が低くなるという問題がある。
【0007】
この発明は、以上の実情の下、誤動作し難く、検知精度が高く、上記難燃性を有する漏液検知線を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明は、撥水性を有する難燃性繊維と吸水性を有する難燃性繊維とによって上記絶縁体を構成することとしたのである。
このようにすれば、共に、難燃性を有するが、相反する性質(撥水性と吸水性)を有する繊維が補完し合い、その割合、配置態様等を適宜に設定することによって、適宜な吸水性(透水性)を有して高い漏液検知精度を得ることができる。
【0009】
この発明の具体的な構成の一例としては、複数の検知導体を並列して、各検知導体間をその検知領域の全長に亘って透液性の絶縁材で絶縁し、漏れ出た液が前記絶縁材に浸み込んで各検知導体間が導通状態となった際に漏液を検知するようにした漏液検知線において、前記絶縁材を、撥水性を有する難燃性繊維と吸水性を有する難燃性繊維との編組とした構成を採用できる。
【0010】
この発明の具体的な構成の他例としては、検知導体が絶縁性内部編組体で被覆され、その検知導体の複数を並列して、その周囲を外部編組体で被覆し、漏れ出た液が前記外部編組体及び前記内部編組体に浸み込んで各検知導体間が導通状態となった際に漏液を検知するようにした漏液検知線において、前記内部編組体及び外部編組体を、撥水性を有する難燃性繊維と吸水性を有する難燃性繊維の編組とした構成を採用できる。
【0011】
この発明の具体的な構成のさらに他例としては、検知導体が絶縁性内部編組体で被覆され、その検知導体の複数を並列して、その周囲を外部編組体で被覆し、漏れ出た液が前記外部編組体及び前記内部編組体に浸み込んで各検知導体間が導通状態となった際に漏液を検知するようにした漏液検知線において、前記内部編組体を吸水性を有する難燃性繊維の編組とし、外部編組体を撥水性を有する難燃性繊維の編組とした構成を採用することができる。
【0012】
この発明の具体的な構成のさらに他例としては、検知導体が絶縁性内部編組体で被覆され、その検知導体の複数を並列して、その周囲を外部編組体で被覆し、漏れ出た液が前記外部編組体及び前記内部編組体に浸み込んで各検知導体間が導通状態となった際に漏液を検知するようにした漏液検知線において、前記内部編組体及び外部編組体を、破水性を有する難燃性樹脂繊維の編組とし、その外部編組体と内部編組体の間に吸水性を有する難燃性繊維の介在を設けた構成を採用できる。
【0013】
上記各構成において、検知導体は、金属線、カーボン繊維束等の周知の構成を採用することができ、その複数の検知導体は、単に縦添えであったり、撚り合わせたりしたものとすることができる。
上記撥水性を有する難燃性繊維としては、フッ素樹脂(PTFE、PFA、FEP、FTEF、PVDF、PCTFE、ECTFE)繊維、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂繊維、ポリアクリレート繊維、ポリベンゾイミダゾール(PBI)繊維等が挙げられる。
上記吸水性を有する難燃性繊維としては、カーボン繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維(例えば、商品名:ザイロン)、アラミド繊維、ポリイミド繊維、アクリレート繊維等が挙げられ、前記セラミック繊維には、アルミナ、シリカ等が挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
この発明は、難燃性の撥水性繊維と吸水性繊維によって検知導体の被覆絶縁体やその外部被覆絶縁体を構成したので、難燃性を有して、誤動作し難く、検知精度の高い漏液検知線とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明に係る漏液検知線の第一実施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は要部斜視図
【
図3】
図1に示す漏液検知線に用いる検知導体を示す斜視図
【
図5】この発明に係る漏液検知線の第二実施形態を示す断面図
【
図6】この発明に係る漏液検知線の第三実施形態を示す断面図
【
図7】この発明に係る漏液検知線の第四実施形態を示す断面図であって、(a)はその一例、(b)、(c)はその他例
【
図8】この発明に係る漏液検知線の第五実施形態の各例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明に係る漏液検知線の第一実施形態の斜視図を
図1(a)及び(b)に、断面図を
図2にそれぞれ示す。この漏液検知線1は、並列して設けられた二本の検知導体2、2と、両検知導体2、2を所定間隔だけ離間させる二本の介在体3、3と、検知導体2と介在体3を束ねる外部編組体4とで構成される。この二本の検知導体2、2には、二本の介在体3、3とともにその長さ方向に亘って互いにスパイラル状に撚りがかけられている。
【0017】
検知導体2は、
図3に示すように、1000本のカーボン繊維フィラメント(直径7.0μm)からなるストランド(繊度67tex)(東邦テナックス株式会社製)を、フッ素樹脂(PFA)(グンゼ株式会社製)からなるコア材5(直径0.5mm)を芯として、編組機を用いて打数(ストランドの数)が16打、編組ピッチが7.0mmの条件で編組して編組体としたものである。各ストランドには撚りがかけられており、この撚りによってその強度を高めているが、撚りのないストランドを用いることもできる。この構成においては、コア材5を用いて検知導体2を構成したが、柔軟性等を考慮してコア材5のないコアレスの検知導体2とすることもできる。
【0018】
ここで用いた検知導体2の単位長さ当たりの電気抵抗値は33.0Ω/m(20℃)である。この検知導体2を構成するカーボン繊維フィラメントはその直径が非常に小さく、しかも太さがほぼ揃っている上に、一つのストランドを構成するフィラメント数は規定されているので、ストランド当たりの電気抵抗値の精度は高い。この電気抵抗値をさらに微調節する際は、フィラメント数の異なるストランドを用いる、打数を変更する(ストランドを部分的に抜く等)、編組ピッチを変更する等するとよい。
【0019】
この検知導体2の表面には、絶縁性を有するフッ素樹脂の繊維(直径250μm)(グンゼ株式会社製)を編組した内部編組体6が設けられている。カーボン繊維からなる検知導体2は、極細のフィラメントが毛羽立ちやすく、この毛羽立ったフィラメントが並列して設けられた隣の検知導体2に接触したり、周辺部材(金属製のタンクや床面等)に接触したりすると、漏液を誤検知する恐れがある。そこで、この内部編組体6で検知導体2を覆うことにより、フィラメントの毛羽立ちを抑制して、誤検知を極力防止することができる。この内部編組体6は、液体が自在に出入りし得る程度に粗く編まれているため、その編み目を通しての透液性は十分確保されている。このため、漏液が生じた際の検知感度は、内部編組体6を設けたことによって低下する恐れはない。
【0020】
介在体3は、アルミナ繊維の束からなる線材である。二本の介在体3、3を
図1に示すように二本の検知導体2、2の間に介在させることにより、両検知導体2、2が所定距離だけ離間される。この介在体3の直径を変えることにより、離間距離は適宜変更することができ、これにより、漏液検知線1の検知感度を変更することができる。この介在体3の形状及び本数は、検知導体2、2同士を確実に離間できる限りにおいて、この実施形態に限定されることなく、角形、楕円形等及び1本、3本・・等と適宜変更することができる。
【0021】
外部編組体4は、内部編組体6と同じく、フッ素樹脂の繊維(直径250μm)(グンゼ株式会社製)を編組したものである。この外部編組体4は、液体が自在に出入りし得る程度に粗く編まれているため、その編み目を通しての透液性は十分確保されている。このため、漏液が生じた際の検知感度は、外部編組体4を設けたことによって低下することはない。
【0022】
漏液検知線1の近傍で漏液が生じると、その漏液が外部編組体4及び内部編組体6に浸み込んで、両検知導体2、2を短絡する。このとき、アルミナ繊維の束からなる介在体3の存在によって、その漏液の外部編組体4及び内部編組体6内への浸透が促進される。このため、この漏液検知線1の両検知導体2、2間の電気抵抗値は、漏液が生じていない場合は10MΩ以上であるが、漏液が生じると前記短絡によってその電気抵抗値は大きく低下する。そこで、例えば、電気抵抗値の閾値を50kΩと決めて、電気抵抗値がその閾値以下になった際に漏液が生じたと判断することができる。
【0023】
この漏洩検知線1を用いると、漏液の有無だけでなく、漏液箇所の位置検出も精度良く行うことができる。例えば、
図4に示すように薬液タンク7の下側を通すように漏液検知線1を設けた構成において、薬液タンク7から漏液が生じた場合、測定機器8と漏液検知線1との接続箇所から、漏液箇所との間の検知導体2の距離Dに対応した電気抵抗がこの測定機器8で測定される。
【0024】
仮に、この検知導体2の単位長さ当たりの電気抵抗値にばらつきが大きかった場合、漏液箇所の位置に誤差が生じ、複数の薬液タンク7が隣接して設けられている場合等は、どの薬液タンク7から漏液が生じているのか、すぐに判断できないという事態が生じ得る。これに対し、カーボン繊機を用いた検知導体2は、使用するストランドの選択(フィラメントの本数)、及び、編組の際の打数(ストランドの抜き数)、編組ピッチを変えることによって、単位長さ当たりの電気抵抗値を所望の値に近づけることができる。そして、この検知導体2を採用した漏液検知線1を用いることで、漏液箇所の検出精度が大幅に高まり、薬液タンク7から漏液が生じた際の対応を速やかにとり得る。
【0025】
この発明に係る漏液検知線の第二実施形態の断面図を
図5に示す。この漏液検知線1は、第一実施形態と同様に、カーボン繊維フィラメントからなるストランドを編組して編組体とし、この編組体を検知導体2として用いたものである。この検知導体2は、共に絶縁性を有するフッ素樹脂繊維とアルミナ繊維を所要の割合で織り交ぜた内部編組体9によって被覆され、その両被覆検知導体2がさらにフッ素樹脂繊維とアルミナ繊維を所要の割合で織り交ぜた編組体10によって被覆されている。
【0026】
この第二実施形態に係る漏液検知線1は、漏液が生じると、両編組体9、10を介して漏液が浸み込み、両検知導体2、2間が導通状態となって、漏液が速やかに検知される。
【0027】
この発明に係る漏液検知線の第三実施形態の断面図を
図6に示す。この漏液検知線1は、ほぼ平行に配設された複数の検知導体2、2の間に介在線11を介在させ、接着剤等で一体化したものである。検知導体2は、第一実施形態と同様に、カーボン繊維フィラメントからなるストランドを編組して編組体としたものであり、介在線11の線状導体12は錫メッキ軟銅撚り線としたものである。検知導体2の被覆絶縁13及びその介在線11の被覆14は、共に絶縁性を有するフッ素樹脂繊維とアルミナ繊維を所要の割合で織り交ぜた編組で構成されている。
【0028】
この第三実施形態に係る漏液検知線1も、漏液が生じると、編組からなる被覆13、14を介して漏液が浸み込み、両検知導体2、2間が導通状態となって、漏液が速やかに検知される。
【0029】
この発明に係る漏液検知線の第四実施形態の断面図を
図7(a) 及び(b)に示す。この漏液検知線1は、共に絶縁性を有するフッ素樹脂繊維とアルミナ繊維を所要の割合で織り交ぜた編組からなる内部編組体15を検知導体2上に被覆し、内部編組体15で被覆した二本の検知導体2、2を束ねた状態で、さらにフッ素樹脂繊維とアルミナ繊維を所要の割合で織り交ぜた編組繊維からなる外部編組体16を設ける(
図7(a)を参照)、あるいは、アルミナ繊維からなる内部編組体15で被覆した検知導体2の外周にフッ素樹脂繊維からなる外部編組体16を設ける(
図7(b) を参照)、のうちいずれかの構成としたものである。検知導体2は、第一実施形態と同様に、カーボン繊維フィラメントからなるストランドを編組して編組体としたものである。
【0030】
この第四実施形態に係る漏液検知線1は、漏液が生じた際に、外部編組体16を通って漏液が内部編組体15を濡らす。すると、フッ素樹脂繊維とアルミナ繊維を所要の割合で織り交ぜた編組繊維、又はアルミナ繊維の束からなる内部編組体15の存在によって、その漏液の外部編組体16内への浸透が促進され、この濡れた内部編組体15を介して(
図7(a)を参照)、あるいは、この濡れた外部編組体16及び内部編組体15を介して(
図7(b)を参照)、両検知導体2、2間が導通状態となって、漏液が速やかに検知される。
【0031】
この第四実施形態において、
図7(c)に示すように、アルミナ繊維からなる介在体17を検知導体2と同時に撚ったり、縦添えしたりすることができる。このとき、検知導体2を被覆する内部編組体15および外部編組体16をフッ素樹脂繊維とし得る。
【0032】
この発明に係る漏液検知線の第五実施形態の断面図を
図8(a)に示す。この 漏液検知線1は、錫メッキ軟銅より線21に絶縁樹脂被覆22をした絶縁電線20を、検知導体2 、2’とともに撚ったり、縦添えしたりしたものである。絶縁被覆電線20の被覆22はフッ素樹脂とした。検知導体2としては、錫メッキ軟銅より線を用い、検知導体2’としては、鉄、クロム、アルミニウムの合金線(サンドビック社:商標名:Kanthal)を用い、また、検知導体2、2’上に、共に絶縁性を有するフッ素樹脂繊維とアルミナ繊維を所要の割合で織り交ぜた編組からなる内部編組体15を設けた。
この第五実施形態の漏液検知線1は、検知導体2’に通常の電線よりもはるかに抵抗値の高い導体を使用しており、漏液が生じた際、検知導体2’と検知導体2が導通する。この際に検知導体2’、2間に一定電流を流すと、漏洩距離に比例した電圧を測定することが可能となる(距離が短い場合、電圧が低く、距離が長い場合、電圧が高くなる)。この原理を利用することにより、漏洩箇所を特定することが出来る。
この第五実施形態においても、
図8(b)に示すように、アルミナ繊維からなる介在体17を検知導体2と同時に撚ったり、縦添えしたりすることができる。このとき、検知導体2を被覆する内部編組体15および外部編組体16をフッ素樹脂繊維とし得る。
【0033】
上記各実施形態の漏液検知線1において、何らかの事情によって火災が生じ、その火炎がこの漏液検知線1に至っても、各編組体4、6、9、10、13、14、15、16及び介在体3、17は、フッ素樹脂繊維又はアルミナ繊維でできているため、容易に燃えることが無く、延焼を招くことなく自己消化する。
【0034】
上記各実施形態において、対の検知導体2、2’は撚らなくても縦添えでも良い(並行配置でも良い)。また、検知導体2は、カーボン繊維フィラメントではなく、従来から使用されている、例えば錫メッキ軟銅線を使用できることは勿論であり、そのとき、単線でも素線の撚り線でも良く、一方の検知導体2を単線、他方の検知導体2を撚り線とし得る。
さらに、撥水性を有する難燃性繊維にフッ素樹脂繊維を使用したが、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂繊維、ポリアクリレート繊維、ポリベンゾイミダゾール(PBI)繊維等の一つ、又はそれらの組み合わせを採用することができる。
また、吸水性を有する難燃性繊維に、アルミナ繊維を使用したが、カーボン繊維、ガラス繊維、PBO繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、アクリレート繊維の一つ、又はその組み合わせを採用することができる。セラミック繊維には、シリカ繊維等も採用できる。
高い難燃性を要求されない場合、吸湿性の繊維に綿糸、ポリエチレン系の樹脂繊維等を使用することができる。また、必要に応じて、上記内部編組体を撥水性を有する難燃性繊維の編組とし、外部編組体を吸水性を有する難燃性繊維の編組とすることもできる。
【0035】
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0036】
1 漏液検知線
2、2’ 検知導体
3 介在体(絶縁材)
4 外部編組体
5 コア材
6 内部編組体
7 薬液タンク
8 測定機器
9 内部編組体
10 外部編組体
11 介在線
12 線状導体
13 絶縁被覆
14 被覆
15 内部編組体
16 外部編組体
17 介在体
20 絶縁電線